説明

管状体

【課題】箔状の装飾粒子を合理的に配設して装飾性を高めた管状体を提供することを目的とする。
【解決手段】複数層の繊維強化樹脂層を形成して管状体の本体2を構成し、上記本体の最外層に位置する繊維強化樹脂層5は強化繊維6に対する母材としての樹脂の含浸量が該最外層の内側に隣接する繊維強化樹脂層4の樹脂の含浸量に比べて多く、上記本体2の最外層に位置する繊維強化樹脂層5において強化繊維6よりも外側に位置する樹脂層部分の外表面部位に箔状の装飾粒子10を該外側表面が上記本体2の外面に沿う形で上記外表面部位に埋め込むように配設し、上記装飾粒子10は上記最外側の強化繊維層6における複数の強化繊維に跨る大きさの幅のものを含む管状体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿、ゴルフクラブシャフト、テニスラケットなどに用いる管状体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、釣竿のシャフトに用いる管状体は、プリプレグとして例えば炭素繊維等の強化繊維にエポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させたシート状のものを、マンドレルの外周に巻き付けて管素材を形成し、その管素材の外周にポリプロピレン等の成形テープを巻き付けて焼成して作られていた。そして、管素材を焼成した後に管素材の外周面に塗装がなされ、竿管に装飾を施していたが、このように竿管に塗装を施す場合、管素材の外周面に下地研磨加工や下塗りを施す必要があり、その上に塗装を施すため、一連の塗装工程が複雑で加工上の難点があった。
【0003】
このような従来の難点を改善するため、特許文献1にはマンドレルに巻き付けたときに最外層を形成することとなるプリプレグの外周面に相当する部分に塗料を予め塗布しておき、その予め塗布したプリプレグをマンドレルの外周に巻き付けてから焼成して作る竿管が提案されている。
【特許文献1】特開平6−86616号公報(段落番号[0004]、図4を参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の竿管では最外層を形成することとなるプリプレグを巻回した状態でその外周面に相当する部分に予め塗料を塗布しておき、その塗料を塗布した最外層を形成することとになるプリプレグをマンドレルに巻回にして一体の竿素材管を形成し、その後に焼成して竿管を作るため、以下のような欠点があった。
【0005】
(1)管状の竿素材の最外層となるプリプレグの外表面に予め塗料を塗布しておくため、その塗装層が厚くなり、結局、竿自体の重量が増す。
【0006】
(2)塗料に混入する顔料は塗装層の厚みに比例して多くなり、また、多量の顔料を混合しないと、竿管外表面の装飾性が良くならない。
【0007】
(3)管素材のプリプレグに予め塗料を塗布する工程があるため、塗料の樹脂を一度乾燥させないと、プリプレグを巻回できない等、工程が複雑で時間が掛かり、製造しにくい。
【0008】
本発明は上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、管状体の軽量化が図れ、且つ装飾性に優れた管状体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、強化繊維に合成樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回して管状体の本体を形成し、上記本体の最外層に位置する繊維強化樹脂層において強化繊維よりも外側に位置する樹脂層部分の外表面部位に箔状の装飾粒子を該装飾粒子の外側表面が上記本体の外面に沿う形で配設するとともに該装飾粒子の少なくとも一部が上記外表面部位に埋め込むように配設し、さらに上記装飾粒子は上記最外側の強化繊維層における複数の強化繊維に跨る大きさの幅のものを含むことを特徴とする管状体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、管状体の軽量化が図れ、且つ装飾性に優れた管状体を提供できる。また、そのような管状体を簡易に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る管状体1を示す。管状体1はシート状のプリプレグ(FRP)を芯部材(マンドレル)の外周に重ねるように巻き付けて管状の管素材2を形成し、その管素材2の外周にポリプロピレン等の成形テープ(図示せず)を巻き付け、この状態で管素材2を焼成し、この後に成形テープを剥がして作られる。
【0012】
プリプレグとしては例えば炭素繊維あるいはガラス繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂あるいはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたものを用いる。ポリアミド等の熱可塑性樹脂等を混在してその管状体1の特性を高めるようにしたものでもよい。なお、特性の異なるプリプレグを重ね合わせて管素材2を形成してもよい。
【0013】
また、図2に示すように、管素材2の本体は複数の層に分かれており、ここでは内層3と中層4と外層5の三層になって各層が一体化している。内層3が最も薄く、中層4が最も厚い。強化繊維6に対する母材としての樹脂の含浸量は外層5のものを中層4のものに比べて大きくする。例えば、外層5のプリプレグの樹脂含浸量をRC25wt%以上とし、中層4のプリプレグの樹脂含浸量をRC25wt%未満とする。また、内層3のプリプレグの樹脂含浸量はRC30wt%以下とする。内層3または中層4のプリプレグの樹脂含浸量を少なくすることで、管状体1の軽量化が図れる。また、外層5のプリプレグの樹脂含浸量を多くすることで、外層5の樹脂に対する後記装飾粒子10の付着力を高めることができる。
【0014】
また、内層3では強化繊維6の方向が周方向に向かうプリプレグを使用し、中層4では強化繊維6の方向が管軸方向に向かうプリプレグを使用し、外層5では強化繊維6の方向が周方向に向かうプリプレグを使用している。ここでは強化繊維6の方向が各層ごとに順次交差する向きとなっているが、各層内で強化繊維6の方向が交差するように異なる向きに配置してもよい。
【0015】
管素材2の外周を形成する外層5の外面は管素材2に成形テープを緊締した跡によってスパイラル状の凸部8と凹部9を有した凹凸面として形成され、管素材2の外周外面部はスパイラル状の凹凸形状の表面になだらかな傾斜面状になっている。
【0016】
さらに、図3に示すように、管素材2の最外層の繊維強化樹脂層外面には装飾粒子10が設けられている。装飾粒子10は最外層の繊維強化樹脂層7と一体的になって配設されており、装飾粒子10の少なくとも一部が繊維強化樹脂層7内にくい込む埋め込み状態で管素材2の外表面付近に集中的に配設されている。
【0017】
装飾粒子10は光輝性あるいはきらめき性を有するものが適し、金属材料、ガラスやセラミック材料、合成樹脂材料等を用いて作られる。透明性粒子としては透明金属薄膜チップ、ガラスフレーク多層構造の薄膜状樹脂チップあるいはホログラムチップ等を用いる。装飾粒子10は光輝性外観を呈する透明性のあるものが望ましい。また、樹脂に金属を蒸着したもの、または干渉光を発する光輝性の粒子を用いてもよく、このような粒子を用いた場合、管状体の外観のきらびやかさを一層強調できる。
【0018】
装飾粒子10の形状も特定の形に限られない。具体的には円板、角板、波板、棒状のもの、球状のもの等、多くのものがあり得る。丸い形状の装飾粒子10よりも箔状の装飾粒子10の方が管素材2の最外層を隠蔽する能力が高まる。また、箔状の装飾粒子10の方が外部光の反射効率も高まり、その装飾粒子10による管状体の外観の光輝性あるいはきらめき性を強調できる。
【0019】
しかし、丸い粒状の装飾粒子10のものでも使用することができる。丸い粒状の装飾粒子10でも特に小さければ、分散させやすく、使用可能である。また、装飾粒子10の特性としては透明性のあるものでも非透明性のものでもよい。同時に使用する装飾粒子10の種類は同様な形態のものであってもよいが、図4に示すように異なる形態のものを適宜組み合わせて使用してもよく、このように多種類の装飾粒子10を使用すれば、その装飾粒子10による管状体の光輝性あるいはきらめきを強調できる変化ある外観のものが得られる。
【0020】
図5は薄片状の装飾粒子10の一例を示すものである。すなわち、装飾粒子10は薄い薄片状の金属あるいは雲母等の天然鉱物製の粒子11と、これを覆う被覆層12との複合体から成る。粒子11を被覆する被覆層12には樹脂またはフッ化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、その他、セラミック等を用いることができる。
【0021】
また、装飾粒子10の大きさは管素材2に使用するプリプレグに含まれる強化繊維6の太さに応じて適宜選んでよい。特に最外層のプリプレグに配列した複数の強化繊維6に跨る幅の大きさにすると、その装飾粒子10は強化繊維6の間に入り込まなくなり、この大きさのものを主体として使用すれば、装飾粒子10を樹脂層外面部領域に集中的に配置させやすくなる。
【0022】
一般に、強化繊維6は図3に示すように略密着または近接する状態で配列されているので、特に強化繊維6の直径(平均的直径であってもよい。)の4倍以上のものを主体として装飾粒子10を用いれば、装飾粒子10が強化繊維6の間に入り難くなる。通常、強化繊維6は管素材2の外層外面から見て重なり合う状態に配置されている。通常、プリプレグの強化繊維6の直径は5μm〜7μmである。また、装飾機能上、光の反射に鑑み、装飾粒子10は管素材2の外層外面から見ての広がり面での最大幅が3μm〜200μm、特に、20μm〜60μmの大きさの範囲のものを主体となるように選択して使用することが望ましい。また、装飾粒子10が繊維状チップのものである場合にはその長さが0.5mm〜2mmのものでもよい。通常、強化繊維6は管素材2の外層外面から見て重なり合う状態に配置されている。
【0023】
上記装飾粒子10が小さいものであると、装飾粒子10が樹脂の流動で樹脂の中まで深く入り込んでしまったり、成形テープ巻き終わり部分で外へ流されてしまう可能性があるが、薄膜状のものであると、それの可能性が小さくなる。
【0024】
また、装飾粒子10の厚さは5μmまたは3μm以下で0.05μm以上であり、特に装飾粒子10の厚さ分、最外層の繊維強化樹脂層に完全に埋め込む形態に設ける場合には1μm以下のものであることが好ましい。特に薄片状の装飾粒子10の場合、1μm以下のものである方が繊維強化樹脂層の樹脂部分に粒子がくい込み易く、樹脂層との一体性が増し、樹脂層に付着させる上で好ましい。
【0025】
管素材2の最外層を形成するプリプレグの樹脂層は透明性のあるものが好ましいが、非透明性のものであってもよい。
【0026】
また、図3に示すように、管素材2の外面が斜面、曲面または凹凸面の状態に影響されることなく、最外層を形成するプリプレグの樹脂層外面に沿って略平行に装飾粒子10が配置されている。特に、箔状の装飾粒子10の場合は柔軟性が増すので、装飾粒子10の外表面を管素材2の外面に沿う形で配置できる。
【0027】
管素材2の外面において装飾粒子10が単位面積当りに占める割合を15%以上、75%以下に配置した場合、その装飾粒子10による装飾効果が最適である。上記装飾粒子10が薄膜状のものであると、少ない量で装飾効果を高めることができる。
【0028】
また、管素材2の外周面が段差状の傾斜面に形成されていると、凸部8が頂部となってこの凸部8が他の物に擦れ、他の大部分の面は擦れず、仮に触れても強く擦れず、最外層の繊維強化樹脂層外面に設けられた大部分の装飾粒子10が剥がれ難い。このため、管素材2の外面全体の装飾効果を維持できる(図3及び図4参照)。また、段差状の傾斜面であるとそれに配設された装飾粒子10の装飾効果の発現が増す。特に、この場合の管素材2は釣り竿に用いる場合に好適し、釣り人から釣り竿を見た場合の装飾性に優れる。つまり、管素材2の外面には管素材2に成形テープを緊締した跡によってスパイラル状の凸部8と凹部9を有した凹凸面として段差状の傾斜面が形成されるが、図2の管状体1の左側を竿元とし、右側を竿先とすると、その段差状の傾斜面の装飾が釣り人から見て見やすい。装飾性に優れた釣り竿を提供できる。
【0029】
次に、上記管状体1を製造する方法について述べる。まず、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを用意し、このプリプレグを芯部材(図示せず)の外周に重ね合わせて巻回し、管素材を構成する。
【0030】
この後、管素材の外表面に揮発性溶剤に装飾粒子を混入したものを吹き付け、溶剤を揮発させ、最外層の繊維強化プリプレグの樹脂部分に上記装飾粒子を付着させる。
【0031】
この後、管素材の外表面にポリプロピレン等の成形テープを巻き付け、管素材の外周面部を緊縛する。管素材の外周面部を成形テープで緊縛するので、上記装飾粒子は最外層の繊維強化プリプレグの樹脂部分に強く押し付けられ、上記装飾粒子は最外層の繊維強化樹脂層の樹脂部分に一部がくい込む状態でその最外層の強化繊維よりも外側位置に集中的に配置される(図3参照)。ここで、上記装飾粒子が球状や小さいものであると、樹脂の流動で樹脂の中まで深く入り込んだり、成形テープ巻き終わり部分で外へ流されてしまう可能性があるが、薄膜状の装飾粒子であると、その可能性が小さい。
【0032】
次に、上記管素材を加熱し焼成する。この後に管素材から芯部材と成形テープを除去することで管状体を完成する。なお、必要に応じて完成後の管状体の外表面に透明な保護膜を形成するようにしてもよい。
【0033】
なお、上記製造手順では装飾粒子を最外層の繊維強化プリプレグの樹脂部分に付着させる方法として吹付ける手段を採用したが、この手段に限らず、他の方法でもよい。例えば、プリプレグを巻回した管素材の合成樹脂を未硬化の軟化状態に加熱し、その加熱により粘着性を呈した合成樹脂の表面に装飾粒子を付着させるようにしてもよい。この粘着性を呈した合成樹脂の表面に装飾粒子を付着させる場合にはマットなどの台上面に装飾粒子を散らし広げ、その上にプリプレグを巻回した管素材を転がして最外層の繊維強化プリプレグの樹脂部分に装飾粒子を付着させるとよい。プリプレグの樹脂部分を僅かに温めると、プリプレグの樹脂部分が軟化し、装飾粒子が付着し易くなり、管素材の繊維強化プリプレグの樹脂部分に装飾粒子を簡単に付着させることができる。
【0034】
また、管状体を釣り竿に用いる場合、上記成形テープのテーピング作業は管素材の竿先側から竿尻側に順次巻き付けていくと、上記段差の形が節を仕舞う際に引っ掛りが少なく、かつ耐摩耗性を高める効果がある。
【0035】
以上説明したように、管状体の本体における最外層に位置する繊維強化樹脂層表面部位に装飾粒子を集中的に配設して形成したので、塗膜層をなくすることができ、従来のように塗料を管状体の最外層に形成した場合に比較して管状体を軽量化できる。また、塗膜層をなくしても装飾性に優れた外観のものになる。さらに、装飾粒子によって外部からの太陽光の紫外線を極力カットすることができ、その内側の強化繊維を保持する樹脂層の劣化を抑制でき、管状体の耐久性を高める保護効果が得られる。
【0036】
また、管状体の最外層に位置する繊維強化樹脂層の樹脂部分に一部くい込むように最外層の強化繊維よりも外側位置に装飾粒子を集中的に配設したので、装飾粒子が最外層の強化繊維層から剥離することが防止でき、装飾粒子の密着性に優れる。また、最外層の強化繊維の中に装飾粒子を混合させるのではなく、強化繊維より外側に位置させて装飾粒子を集中的に配設したので、強化繊維層の強度低下を防止し、管状体の強度の安定化が図れる。さらに、強化繊維より外側に位置させて装飾粒子を集中的に配設したことは少ない装飾粒子の量で効率的に装飾性に優れた外観になる。
【0037】
装飾粒子を傾斜状表面に単位面積あたり15%以上、75%以下に形成したので、その傾斜状表面に設けた大部分の装飾粒子が頂部よりも少しへこんだ部分に配置されているため、例えば、釣り竿に用いる場合、その竿管の引き出し時や収納時等に傾斜状表面の一部の装飾粒子が磨耗などによって取れることがあっても装飾表面全体の大部分は擦れにくいので、大部分の装飾粒子は残り、長期間装飾性外観を維持する。また、装飾粒子は外表面全体にではなく、一部に合成樹脂表面を残して形成するので、合成樹脂により大部分の装飾粒子が傷付いたり磨耗したりすることを低減でき、長期間外観を維持し易い。
【0038】
合成樹脂を未硬化の軟化状態に加熱し、加熱により粘着性を有する合成樹脂の表面に装飾粒子を付着させる管状体の製造方法では、装飾粒子を塗装する場合のように重量が重くなることを防止でき、軽量で比強度の高い、優れた外観の管状体が得られる。また、この方法は塗装工程を必要としないので、管状体を簡易に製造できる。特に繊維強化プリプレグを巻回した表面に溶剤に極薄の装飾粒子を混入して吹付け、溶剤を揮発させ、繊維強化プリプレグの樹脂部分に上記装飾粒子を付着させるので、溶剤によってプリプレグの合成樹脂のタック性(密着性)を高くして装飾粒子を確実に付着させることができる。
【0039】
また、装飾粒子が合成樹脂の中に一部くい込むように形成し易くなり、装飾粒子が剥れることを確実に防止できる。さらに別途塗装工程を必要としないので、簡易に製造できるようになる。
【0040】
尚、本発明は、上記説明の内容に限定されるものではない。また、本発明の管状体は釣竿のシャフト、ゴルフクラブシャフト、テニスラケットやその他のスポーツ用品や他の用品に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の好ましい実施形態による管状体の斜視図。
【図2】図1に示す管状体の管壁の縦断面図。
【図3】図2に示す管状体の管壁を拡大して示す縦断面図。
【図4】図1に示す管状体の外管の平面図。
【図5】上記管状体に用いる装飾粒子の縦断面図。
【符号の説明】
【0042】
1…管状体、2…管素材、3…内層、4…中層、5…外層
6…強化繊維、7…繊維強化樹脂層、8…凸部、9…凹部
10…装飾粒子、11…金属製粒子、12…被覆層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化繊維に合成樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回して管状体の本体を形成し、上記本体の最外層に位置する繊維強化樹脂層において強化繊維よりも外側に位置する樹脂層部分の外表面部位に箔状の装飾粒子を該装飾粒子の外側表面が上記本体の外面に沿う形で配設するとともに該装飾粒子の少なくとも一部が上記外表面部位に埋め込むように配設し、さらに上記装飾粒子は上記最外側の強化繊維層における複数の強化繊維に跨る大きさの幅のものを含むことを特徴とする管状体。
【請求項2】
上記箔状の装飾粒子は上記本体の外面から見た広がり面での最大幅が3μm〜200μmであり、厚さが5μm以下で0.05μm以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の管状体。
【請求項3】
上記本体は複数層の繊維強化樹脂層を形成してなり、最外層に位置する繊維強化樹脂層は強化繊維に対する母材としての樹脂の含浸量が該最外層の繊維強化樹脂層の内側に隣接する繊維強化樹脂層の樹脂の含浸量に比べて多いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の管状体。
【請求項4】
上記本体の最外層の外表面に段差の凸部から凹部に連なるスパイラル状の段差の傾斜面を形成したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の管状体。
【請求項5】
管状体は、釣竿の竿管であって、上記段差の凸部を、同段差の凹部よりも竿先側に向くように上記傾斜面を配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の管状体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−306936(P2007−306936A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191274(P2007−191274)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【分割の表示】特願2003−24907(P2003−24907)の分割
【原出願日】平成15年1月31日(2003.1.31)
【出願人】(000002495)ダイワ精工株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】