説明

管状物の断面径および肉厚の測定方法

【課題】
本発明の課題は、従来の技術が有する上記問題点を解決し、管状物の内外径および肉厚を簡便かつ精度よく測定可能とする測定方法を提供すること
【解決手段】
本発明の解決手段は、放射線源から照射され、管状物を透過した放射線の強度を測定して認識された管状物の内径および外径についてのエッジ位置の情報を用いて算出することにより、管状物の内外径および肉厚を求めることを特徴とする、管状物の断面径および肉厚の測定方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状物の断面径、すなわち内外径および肉厚の測定方法に関し、特に、中空糸膜等の管状構造部材についてのかかる寸法の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管状物の断面径および肉厚の測定については、非破壊で測定する方法が知られているが、特に径の小さな管状物については、精度よく測定することが困難である。特に医療用具であるダイアライザに使用する中空糸膜の製造においては、内外径、肉厚の寸法は、ダイアライザの性能に影響を与えるため、製造工程内で切断せずに測定し、基準値から外れた場合は、その膜を直ちに除去し製品に混入させないようにする必要があることから、重要な測定項目として管理されている。
【0003】
管状物の肉厚を非破壊で測定するにあたり、特許文献1には、管状材を挟んで対置される放射線源及び放射線検出器を有し、放射線源から放射された放射線が管状材の断面をよぎって検出器に入射され、この検出器において検出された放射線計数量から管状材の平均肉厚寸法を測定する技術が開示されている。しかし、この方法は、管状材の平均肉厚を測定するものであり、肉厚一定のまま内外径が変化した場合には、この変化を検知することができないため、前述のダイアライザに使用する中空糸膜の製造において適用することは出来ない。特に、内径を測定するためには、外径を別の方法・装置で測定する必要があり、測定コストが高くなる。さらに、肉厚と外径について、管状物の同じ位置において測定することが困難であるため、測定誤差が大きいという問題点があった。
【特許文献1】特開平6−109457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来の技術が有する上記問題点を解決し、管状物の内外径および肉厚を簡便かつ精度よく測定可能とする測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.放射線源から照射され、管状物を透過した放射線の強度を測定して認識された管状物の内径および外径についてのエッジ位置の情報を用いて算出することにより、管状物の内外径および肉厚を求めることを特徴とする、管状物の断面径および肉厚の測定方法。
2.放射線源から照射され、管状物を透過した少なくとも2方向からの放射線の強度を測定して認識された、それぞれの該方向に対応する内径および外径のエッジ位置を放射線源側に逆投影し、逆投影した線で構成される多角形に概ね内接する楕円を求めることにより、管状物の内部短径および長径、外部短径および外径、最大肉厚、最小肉厚および平均肉厚を求めることを特徴とする、管状物の断面径および肉厚の測定方法。
3.3方向からの該放射線の強度を測定することを特徴とする、前記2に記載の管状物の断面径および肉厚の測定方法。
4.該管状物が中空糸膜であり、該放射線が照射エネルギーが20keV以下、焦点寸法が5μm以下のX線であることを特徴とする、前記1から3のいずれかに記載の測定方法。
5.該放射線がX線であり、CCDにX線シンチレータを具備した装置により該X線の強度を測定することを特徴とする、前記1から4のいずれかに記載の管状物の断面径および肉厚の測定方法。
6.前記1から5のいずれかに記載の測定方法により、乾燥工程後の中空糸膜の内外径を測定し、所定の規格から外れているものを排除して製造することを特徴とする、中空糸膜の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、以下のような種々の効果が得られる。
(1)管状物(特に中空糸膜)の内外径および肉厚を同時に、非破壊でかつ精度良く測定できる。
(2)管状物が楕円であっても、内外径の長径、短径を測定することができる。
(3)管状物が中空糸膜の場合、中空糸膜に異常が発生しても、直ちにその膜を特定し除外できるので、効率的に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の最良の実施形態の例を、中空糸膜の測定および製造に適用した場合を例にとって説明する。
【0008】
図1は、ダイアライザ(医療用途に使用する中空糸膜モジュール)に用いる中空糸膜の製造プロセスの全体図である。ポリマー溶液1、注入液3は定量ギアポンプ2、4を通じて円環状紡口5から吐出され、凝固浴6に導入され凝固する。凝固浴から排出された中空糸膜は水洗浴(図中略)、乾燥炉(図中略)を通り、巻取手段8で巻き取られる。なお、中空糸膜は生産性向上のため、複数本並べて同時に製膜する。
【0009】
この製造プロセスにおいて、ギヤポンプの故障、配管および紡糸口の詰まり等が原因で、中空糸膜の内外径および肉厚が変動する場合がある。中空糸膜の内外径および肉厚はダイアライザの性能に影響を与えるため、製造工程内で管理し、基準値から外れた場合は、その膜を直ちに除去し製品に混入させないようにする必要がある。このため、基準値から外れた中空糸膜は切断し、いわゆるサクションガンと呼ばれる糸排除手段9で糸を吸引し廃棄する。
【0010】
特に透析医療に使用するダイアライザは、膜の肉厚(膜厚)が薄く透析中に膜が破れた場合には透析を中断してモジュールを交換する必要がある。一方で、膜厚が厚いと透析性能が下がる等の不都合がある。従って、膜厚を設計値通りに管理することが重要である。また、中空糸膜の内径は膜面積と呼ばれる患者の容態に応じて処方されるダイアライザの仕様に直結するため、内径も設計値通りに管理しなればならない。
【0011】
上述のとおり中空糸膜の製造においては、工程内での内外径、肉厚の管理が重要であることから、乾燥工程後の中空糸膜に対して、以下に詳述する本発明の測定方法を適用することで糸を切断せずに異常糸の発生の有無、異常糸の特定および排除を行えるので、効率的に製造することが可能となる。
【0012】
図2には本発明で用いる測定装置の一例について、装置およびその付近の上面図を示す。本発明においては、放射線源から照射され、管状物を透過した放射線の強度を測定して管状物の内外径についてのエッジ位置の情報を認識するものであるため、装置は放射線照射手段11および放射線検出手段12を有している。放射線照射手段11と放射線検出手段12は走査手段10によって移動可能であり、複数の中空糸膜の断面13(中空糸膜の長手方向と垂直の方向における断面)について内外径、肉厚を測定することが可能である。図3(1)に放射線検出手段12によって得られた信号波形を示す。この波形に対して後述の信号処理を行い、中空糸膜の内外径、肉厚を測定する。
【0013】
図4に放射線照射手段11、中空糸膜の断面13における測定面(以下、「測定面」という。)、放射線検出手段12の位置関係を示す。放射線照射手段11から測定面における中空糸の中心までの距離A、放射線照射手段11から放射線検出手段12までの距離Bは、放射線検出手段12が放射線を受光できるように、測定対象である中空糸膜の断面の大きさにより決定する。
【0014】
放射線の種類としては、X線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、等があり、測定対処物により、種類、照射強度を選定する。中空糸膜は減衰率が小さいので、20keV以下のX線源が望ましい。また、放射線源の焦点寸法が大きいと、放射線受光面で得られる信号波形が鈍り、外径、内径のエッジ位置を正確に求めることができないことがある。このため、焦点寸法は5μm以下のいわゆるマイクロフォーカスX線が望ましい。放射線検出手段12としては、CCDカメラにX線シンチレータを張り付けたものが撮像装置がコンパクトになるので望ましい。
【0015】
なお、水分は通常の中空糸膜よりもX線の減衰率が高いため、X線を用いる場合には、中空糸膜が濡れた状態では特に内径部分のエッジ位置を正確に求めることが困難である。このため、測定する工程は、乾燥工程後の工程が望ましい。同様の理由により、X線を用いる場合であって、中空糸が水よりもX線の減衰率が低い素材からなる管状物を測定する場合には、乾燥状態において測定することが望ましい。
【0016】
図5には、本発明の測定方法における「手段」の信号結線図を示す。図において、「制御手段」により、放射線照射手段11、放射線検出手段12、信号処理手段、走査手段を制御し、各糸条の内外径および肉厚を測定し、「表示手段」により測定結果を表示する。
【0017】
次に具体的手段およびその作用を説明すると、放射線照射手段11から照射され、測定対象の中空糸膜を透過したものを含む放射線を放射線検出手段12で検出する。検出された放射線強度は、信号処理手段に送信され処理される。かかる信号処理手段により、本発明における管状物の断面のエッジ位置の情報を認識する。
【0018】
かかる信号処理手段の一例を説明する。図3(1)における放射線強度波形において、横軸は位置、縦軸は放射線強度であり、放射線強度が低い程、中空糸膜内をより多く通過していることを示している。この波形からわかるように、外径部分、内径部分の境界で放射線強度の変化点が4つ出現する。従って、変化点a、dを外径エッジ位置、変化点b、cを内径エッジ位置として、それぞれ認識することが可能である。このエッジ位置の具体的な認識方法としては、例えば微分を活用した認識方法がある。図3(1)を横軸「位置」における値により1回微分したものを図3(2)、2回微分を図3(3)、3回微分を図3(4)に示す。図3(1)のエッジ位置は、グラフの傾きが急激に変わる部分であるため、2回微分である図3(3)において、縦軸「放射線強度」における上下のピークとして現れる。このピークの認識は、3回微分である図3(4)のゼロクロス点を候補位置として求め、それぞれの候補位置での図3(3)のグラフの絶対値が大きいものから4つ選択する。このような方法で、図4に示すとおり、認識したエッジ位置a〜dを逆投影する、すなわち、エッジ位置a〜dのそれぞれと放射線源とを直線で結んで測定面との交点を求め、この交点から内外径、肉厚を測定することが可能である。測定終了後、走査手段10により、あらかじめ設定された次の中空糸膜位置に放射線照射手段11および放射線検出手段12を移動させる。以後、同様の手順を繰り返し、全ての中空糸膜について、測定を繰り返す。なお、同一の中空糸膜について複数回測定を実施し、平均を取ることで、測定誤差を低減することが可能である。
【0019】
かかる放射線照射手段11について、2方向から照射させると、管状物断面における異なる2つの周位置における膜厚および内外径を測定可能であるため、より測定精度が向上する。また、中空糸膜が楕円である場合でも内部短径および長径、外部短径および外径、最大肉厚、最小肉厚、平均肉厚の測定も可能となるため、好ましい。図6には2対の放射線照射手段と放射線検出手段を有し、外径および内径の断面形状が楕円である管状物の内部短径および長径、外部短径および長径等を測定する構成を示す。2対の放射線照射手段および放射線検出手段は、管状物断面における測定位置が可能な限り相互に近接しないように、互いの照射方向の為す角が直角となるように配置されている。作用を説明すると、放射線照射手段601、602はそれぞれ異なる2方向から同時に放射線を照射し、それぞれに対応する放射線検出手段で放射線強度波形を得る。かかる波形について前述した信号処理手段により、それぞれの放射線強度波形の外径部分のエッジ位置、内径部分のエッジ位置を認識する。次に、認識した外径エッジa1〜2、d1〜2について、それぞれ対となる放射線源に向けて逆投影する。すなわち、エッジ位置のそれぞれと放射線源とを直線で結んで図中に示す4角形を得、この4角形に概ね内接する楕円を求めて外径の短径、長径を算出する。内径についても同様の処理をおこない、認識した内径エッジb1〜2、c1〜2について、それぞれ対となる放射線源に向けて逆投影して、図中に示す4角形を得、この4角形に概ね内接する楕円を求めて内径の短径、長径を算出するとともに、外径の楕円および内径の楕円の情報から肉厚の最大値、最小値、平均値を算出する。
【0020】
図7に3対の放射線照射手段と放射線検出手段を有し、外径および内径の断面形状が楕円である管状物の内部短径および長径、外部短径および外径等を測定する構成を示す。3対の放射線照射手段および放射線検出手段は、管状物における測定位置が可能な限り相互に近接しないよう、互いの照射方向の為す角が120°となるように配置されている。作用は2対の放射線照射手段と放射線検出手段を有する場合と同様であるが、認識した外径エッジa1〜3、d1〜3について、それぞれ対となる放射線源と結んだ線同士の交点を取り、図7に示すように6角形を得る点が異なる。ここで、多数の線同士の交点の内、いずれか1つの放射線検出手段における外径を表すエッジ位置から逆投影された2つの線の間に存在しない交点は外径を得るための多角形を構成する交点としない。言い換えれば、3方向における逆投影された2つの線により構成される領域全てに存在している交点のみを外径を得るための多角形を構成する交点とする。
【0021】
この6角形に概ね内接する楕円を求めて外径の短径、長径を算出する。内径についても同様の処理をおこない、認識した内径エッジb1〜3、c1〜3について、それぞれ対となる放射線源に向けて逆投影して、図中に示す6角形を得る。ここで、長径の場合と同様に、いずれか1つの放射線検出手段における内径を表すエッジ位置から逆投影された2つの線の間に存在しない交点は内径を得るための多角形を構成する交点としない。言い換えれば、3方向における逆投影された2つの線により構成される領域全てに存在している交点のみを内径を得るための多角形を構成する交点とする。この6角形に概ね内接する楕円を求めて内径の短径、長径を算出するとともに、外径の楕円および内径の楕円の情報から肉厚の最大値、最小値、平均値を算出する。
【0022】
4対以上の放射線照射手段および放射線検出手段を有する場合も上記と同様であり、逆投影した線同士の交点を取り放射線照射手段および放射線検出手段の対の数の2倍の角数の多角形を得て、この多角形に内接する円または楕円より内外径および肉厚を得る。
【0023】
以上、中空糸膜の製造プロセスでの測定例について説明したが、本発明は中空糸膜のみならず、他の管状物の製造プロセス、例えば樹脂管等の製造プロセスにも適用可能である。
【0024】
以下に、本発明を、実施例を用いて、具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。
【実施例】
【0025】
[実施例1]
紡糸溶液としてポリスルホン20重量%をジメチルアセトアミド80重量%に溶解したものを用い、外径300μm、膜厚40μmを目標設定値として紡糸溶液および注入液体の吐出量を調整して中空糸膜を製膜した。口金数は100錘であり、8mmピッチのφ6mm分繊ガイドを用いて単糸に分繊した。この中空糸膜を水洗、乾燥した後、以下のように本発明の測定方法により、内外径、膜厚を測定した。
【0026】
放射線源としては、照射エネルギーが20keV、焦点寸法が5μmのX線源を使用した。放射線の強度を測定する装置としては、ライン型CCDにX線シンチレータを具備しているカメラを使用した。装置構成は、図2に示すとおり、走査機構に1対の放射線照射手段と放射線検出手段とを配置した構成とした。
【0027】
分繊ガイドにより分繊される100本の束位置を予め制御手段に入力し、中空糸膜が測定範囲内に入るよう走査手段を制御した。放射線照射手段より放射線を照射し、測定対象の中空糸膜を透過したものを含む放射線を放射線検出手段で検出した。検出された放射線強度を位置に対して2回微分し、ピークの位置を認識した。ピークの認識は、3回微分のゼロクロス点を候補位置として求め、それぞれの候補位置で絶対値が大きいものから4つ選択した。認識したエッジ位置のそれぞれと放射線源とを直線で結んで図中に示す4角形を得、この4角形に概ね内接する円を求めて内外径、肉厚を算出した。中空糸膜1本について10回上記測定を行い、その平均を測定値とした。本発明による測定値は、内外径、肉厚ともに目標設定値に対して±10μm以内の範囲で推移した。
【0028】
紡糸開始から30分後、中空糸100本のうち1本、内径が規定値以下となったため、位置情報からその束を特定し、糸束を切断してサクションガンで吸引することで、正常品のみを巻き取ることができた。この排除した中空糸内径は本発明による測定結果がφ200μmであった。
[比較例1]
上記実施例1において、本発明による測定を用いる代わりに、中空糸断面の切断面を顕微鏡により観察して、画像解析機能を用いて測定を行った。断面観察には、キーエンス社製のVHX−200を使用した。紡糸開始から30分までは中空糸膜の内外径、肉厚はともに目標設定値に対して±10μm以内の範囲で推移した。しかし、紡糸開始から30分後に内径が規定値以下となったために排除した中空糸の内径については、φ205μmであった。中空糸断面を切断していることから、測定誤差が生じた結果、実施例1における数値と異なる数値となったと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、中空糸膜の測定に限らず、金属または樹脂のパイプなどの管状物の測定にも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施態様に係る中空糸製造工程の全体図。
【図2】本発明の一実施態様に係る走査手段の作用を説明する図。
【図3】放射線検出手段で得られた放射線強度波形の模式図。
【図4】本発明の一実施態様(1対の放射線照射手段および放射線検出手段を有する場合)に係る測定装置の模式図。
【図5】本発明の一実施態様に係る糸外径測定装置の信号結線図。
【図6】本発明の一実施態様(2対の放射線照射手段および放射線検出手段を有する場合)に係る測定装置の模式図。
【図7】本発明の一実施態様(3対の放射線照射手段および放射線検出手段を有する場合)に係る測定装置の模式図。
【符号の説明】
【0031】
1・・・ポリマー溶液タンク
2・・・定量ギアポンプ
3・・・内部注入液タンク
4・・・内部注入液定量ギアポンプ
5・・・環状紡口
6・・・凝固浴
7・・・中空糸
8・・・巻取手段
9・・・糸排除手段
10・・・走査手段
11・・・放射線照射手段
12・・・放射線検出手段
A・・・放射線源と測定面との距離
B・・・放射線源と放射線受光面との距離
a・・・外径部分のエッジ位置(a1、a2、a3も同様)
b・・・内径部分のエッジ位置(b1、b2、b3も同様)
c・・・内径部分のエッジ位置(c1、c2、c3も同様)
d・・・外径部分のエッジ位置(d1、d2、d3も同様)
601・・・第1の放射線源
602・・・第2の放射線源
701・・・第1の放射線源
702・・・第2の放射線源
703・・・第3の放射線源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源から照射され、管状物を透過した放射線の強度を測定して認識された管状物の内径および外径についてのエッジ位置の情報を用いて算出することにより、管状物の内外径および肉厚を求めることを特徴とする、管状物の断面径および肉厚の測定方法。
【請求項2】
放射線源から照射され、管状物を透過した少なくとも2方向からの放射線の強度を測定して認識された、それぞれの該方向に対応する内径および外径のエッジ位置を放射線源側に逆投影し、逆投影した線で構成される多角形に概ね内接する楕円を求めることにより、管状物の内部短径および長径、外部短径および外径、最大肉厚、最小肉厚および平均肉厚を求めることを特徴とする、管状物の断面径および肉厚の測定方法。
【請求項3】
3方向からの該放射線の強度を測定することを特徴とする、請求項2に記載の管状物の断面径および肉厚の測定方法。
【請求項4】
該管状物が中空糸膜であり、該放射線が照射エネルギーが20keV以下、焦点寸法が5μm以下のX線であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の測定方法。
【請求項5】
該放射線がX線であり、CCDにX線シンチレータを具備した装置により該X線の強度を測定することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の管状物の断面径および肉厚の測定方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の測定方法により、乾燥工程後の中空糸膜の内外径を測定し、所定の規格から外れているものを排除して製造することを特徴とする、中空糸膜の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−58139(P2008−58139A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235034(P2006−235034)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】