説明

管理システム及び管理プログラム並びに管理方法

【課題】寿命部品を含む複数の装置を効率的に交換できるように寿命を管理する。
【解決手段】複数のグループに分類された複数の被管理装置と管理装置とを有する管理システムであって、管理装置は、各々の被管理装置から寿命値を取得し、各々のグループに対して当該グループに属する被管理装置の寿命値に基づいて代表値を算出し、複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、2つのグループの代表値の差が予め設定された寿命差設定値以下となるかを判断する第1の処理と、代表値の差が寿命差設定値以下となると判断された2つのグループの内、いずれか一方のグループを選択する第2の処理と、選択されたグループに属する被管理装置の内、寿命値のバラツキが最も小さくなる被管理装置を選択する第3の処理と、選択した被管理装置を次に使用する装置として設定する第4の処理と、を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム及び管理装置並びに管理方法に関し、特に、寿命部品が使用される複数の被管理装置と複数の被管理装置の寿命を管理する管理装置とを含む管理システム及び管理装置で動作する管理プログラム並びに管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパー等の表示デバイスを備えた情報記憶装置が普及しており、様々な形態で利用されている。例えば、会議等の資料を紙媒体として出力する代わりに、資料の電子データを情報記憶装置に記憶して表示部に表示させ、資源の消費削減を図っている。
【0003】
この情報記憶装置は、電子データの送受信が可能な状態で保管する必要があることから、情報記憶装置を挿抜可能な保持装置(クレードル)を用意し、保持装置と情報記憶装置との間でデータ通信を行うと共に、保持装置から供給される電力によって情報記憶装置を充電するようにしている。
【0004】
ここで、情報記憶装置のメモリや表示デバイスなどの部品は、使用回数(例えば、メモリの書き換え回数や表示デバイスの表示切り替え回数)や使用期間(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)のバックライトの点灯時間)などに応じて動作不良などの不具合が生じるため、このような部品(以下、寿命部品と呼ぶ。)を含む装置は、部品の寿命に到達する前に寿命部品や装置を交換する必要がある。
【0005】
このような背景から、部品の寿命管理に関して様々な提案がなされており、例えば、下記特許文献1には、寿命部品であるフラッシュメモリの書き換え回数を平準化するように一律に制御するシステムが開示されている。また、下記特許文献2には、寿命の異なる交換部品の交換タイミングを変えて同じタイミングで部品交換するシステムが開示されている。また、下記特許文献3には、寿命となる部品を抽出し、また、ある時期に到達する寿命部品を群として抽出し、一括で交換することでサービスマンの訪問頻度を減らす技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−265265号公報
【特許文献2】特開2005−246856号公報
【特許文献3】特開平09−146421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術は、複数の部品が同時期に寿命に到達するように制御するものであり、このような制御により寿命部品の交換を一度に行うことができるが、寿命部品を含む複数の装置を一斉に交換すると、その間、装置を使用することができなくなる。特に、情報記憶装置のように多数のユーザが共有する装置の場合は、装置の入れ替えに際して装置の登録などの作業が必要であり、また、装置の初期化などの作業も必要であるため、装置が使用できるようになるまでに時間がかかり、その装置を使用する業務に支障が生じる。
【0008】
一方、寿命部品を含む複数の装置を個別に交換するように制御することも可能であるが、その場合は、交換の手間がかかる。特に、上記情報記憶装置の場合は、個々の装置を交換するたびに、装置の登録作業や初期化作業を行わなければならないため、管理者や装置の交換を行うサービスマンの作業が煩雑になる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、寿命部品を含む複数の装置を効率的に交換できるように寿命を管理する管理システム及び管理プログラム並びに管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、寿命部品を含む複数の被管理装置と、前記複数の被管理装置の寿命を管理する管理装置と、を有する管理システムであって、前記複数の被管理装置は、予め複数のグループに分類されており、前記管理装置は、各々の被管理装置から当該装置の寿命値を取得し、各々のグループに対して、当該グループに属する前記被管理装置の寿命値に基づいて代表値を算出し、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、当該2つのグループの代表値の差が、当該2つのグループに対して予め設定された寿命差設定値以下となるかを判断する第1の処理と、代表値の差が寿命差設定値以下となると判断された2つのグループの内、予め定めたルールに従って、いずれか一方のグループを選択する第2の処理と、選択されたグループに属する被管理装置の内、当該グループにおける寿命値のバラツキが最も小さくなる被管理装置を選択する第3の処理と、選択した被管理装置を次に使用する装置として設定する第4の処理と、を実行するものである。
【0011】
また、本発明は、寿命部品を含み、予め複数のグループに分類された複数の被管理装置の寿命を管理する管理装置で動作する管理プログラムであって、前記管理装置に、各々の被管理装置から当該装置の寿命値を取得し、各々のグループに対して、当該グループに属する前記被管理装置の寿命値に基づいて代表値を算出し、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、当該2つのグループの代表値の差が、当該2つのグループに対して予め設定された寿命差設定値以下となるかを判断する第1の処理、代表値の差が寿命差設定値以下となると判断された2つのグループの内、予め定めたルールに従って、いずれか一方のグループを選択する第2の処理、選択されたグループに属する被管理装置の内、当該グループにおける寿命値のバラツキが最も小さくなる被管理装置を選択する第3の処理、選択した被管理装置を次に使用する装置として設定する第4の処理、を実行させるものである。
【0012】
また、本発明は、寿命部品を含む複数の被管理装置と、前記複数の被管理装置の寿命を管理する管理装置と、を有するシステムにおける管理方法であって、前記複数の被管理装置を複数のグループに分類すると共に、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して寿命差設定値を設定する第1ステップと、各々の被管理装置が、自身の寿命値を特定して前記管理装置に通知する第2ステップと、前記管理装置が、前記各々の被管理装置から当該装置の寿命値を取得し、各々のグループに対して、当該グループに属する前記被管理装置の寿命値に基づいて代表値を算出し、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、当該2つのグループの代表値の差が、当該2つのグループに対して予め設定された寿命差設定値以下となるかを判断する第3ステップと、前記管理装置が、代表値の差が寿命差設定値以下となると判断された2つのグループの内、予め定めたルールに従って、いずれか一方のグループを選択する第4ステップと、前記管理装置が、選択されたグループに属する被管理装置の内、当該グループにおける寿命値のバラツキが最も小さくなる被管理装置を選択する第5ステップと、前記管理装置が、選択した被管理装置を次に使用する装置として設定する第6ステップと、選択された被管理装置が、自身の寿命値を更新する第7ステップと、を有し、所定のタイミングで、前記第2ステップから前記第7ステップまでを繰り返し実行するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の管理システム及び管理プログラム並びに管理方法によれば、寿命部品を含む複数の装置を効率的に交換できるように寿命を管理することができる。
【0014】
その理由は、管理装置では、寿命部品を含む複数の装置を複数のグループに分類し、グループ間では、各グループの寿命の代表値の差が予め定めた設定値以上となるように制御し、各グループ内では、各装置の寿命が均一になるように制御するからである。
【0015】
これにより、全ての装置の寿命部品を一斉に交換することがなくなるため、装置の入れ替えに際してその装置を使用する業務に支障が生じることがなくなり、かつ、個々の装置の寿命部品を個別に交換することがなくなるため、管理者や装置の交換を行うサービスマンの負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例に係る管理システムの構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係る被管理装置(情報記憶装置)の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係る管理装置(保持装置)の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に係る管理装置の装置選択アルゴリズムを示すフローチャート図である。
【図5】本発明の一実施例に係る管理装置の装置選択アルゴリズム(優先設定がある場合)を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の一実施例に係る管理装置の装置選択アルゴリズムにおける処理1の詳細を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の一実施例に係る管理方法に基づくシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
背景技術で示したように、寿命部品を含む装置の交換に関して、複数の寿命部品が同時期に寿命に到達するように制御して、寿命部品を含む複数の装置を一斉に交換する方法がある。しかしながら、この方法では、交換期間は装置を一切使用することができないため、その装置を使用する業務に支障が生じる。
【0018】
一方、複数の寿命部品が別々に寿命に到達するように制御して、寿命部品を含む複数の装置を個別に交換する方法もある。しかしながら、この方法では、交換の手間がかかり、管理者やサービスマンの作業が煩雑になる。
【0019】
そこで、本発明の一実施の形態では、寿命部品を含む複数の装置を一斉に交換したり、複数の装置を個々に交換したりするのではなく、複数の装置を複数のグループに分けて寿命管理を行い、各グループ内では同時期に寿命に到達するように制御すると共に、グループ間では同時期に寿命に到達しないように制御する方法を採用する。
【0020】
具体的には、同じ機能を持つ複数の装置を使用するシステムにおいて、複数の装置を管理する管理装置に、各装置の寿命値を取得する手段と、複数の装置をグループ化し、各々のグループ内の各装置の寿命値を均一化し、グループ間の寿命差が予め定めた寿命差設定値よりも大きくなるように制御する手段と、を持たせる。
【0021】
これにより、全ての装置が使用できなくなるという不具合を未然に防止すると共に、管理者やサービスマンの負荷を軽減することができ、全てのユーザが、寿命を意識することなく、安心して装置を利用することができる環境を実現することができる。
【実施例】
【0022】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る管理システム及び管理プログラム並びに管理方法について、図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本実施例の管理システムの構成を模式的に示す斜視図であり、図2は、被管理装置(情報記憶装置)の構成を示すブロック図、図3は、管理装置(保持装置)の構成を示すブロック図である。また、図4乃至図6は、本実施例の管理装置(保持装置)の動作を示すフローチャート図であり、図7は、本実施例の管理方法に基づくシミュレーション結果を示す図である。
【0023】
図1(a)に示すように、本実施例の管理システム10は、複数のグループに分類された複数の被管理装置(本実施例では情報記憶装置20とする。)と、複数の被管理装置を管理する管理装置(本実施例では複数の情報記憶装置20を挿抜可能に保持する保持装置30とする。)と、を備え、これらは、図1(b)に示すように、画像形成装置40などに搭載される。
【0024】
なお、本実施例では、複数の情報記憶装置20をグループA〜Cの3つのグループに分類しているが、グループの数や各グループの情報記憶装置20の数は特に限定されない。また、本実施例では、保持装置30を管理装置としているが、画像形成装置40を管理装置として構成し、保持装置30を介して情報記憶装置20を管理する構成としてもよい。以下、各装置について詳細に説明する。
【0025】
[情報記憶装置]
情報記憶装置20は、寿命部品を備えた、電子ペーパーや電子ブックなどの装置であり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、表示部(電子ペーパー)23、表示コントローラ24、操作部(タッチパネル)25、通信部26、電池27、装着検出部28などを備える。
【0026】
CPU21は、メモリ22から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリ22は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで構成され、CPU21で動作する各種プログラムや、情報記憶装置20の動作を制御するための設定情報、自装置の使用回数に基づいて設定された値(寿命値と呼ぶ。)、表示部23に表示させる電子データなどを記憶する。そして、CPU21とメモリ22とで制御部が構成され、制御部は、自装置の使用回数を認識し、当該使用回数に基づいて寿命値を特定し、当該寿命値を保持装置30に通知する制御などを実行する。
【0027】
表示部23は、透明な液体の中で浮動する微粒子を電界によって移動させて表示を行う電子ペーパー(EPD:Electrophoretic Display)や液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、保持装置30から送られた電子データに基づく画像などを表示する。この表示部23は、表示の切り換えを繰り返す内に表示品位が低下したり、駆動時間が長くなるとLCDのバックライトの輝度が低下するなどの不具合が生じることから、本実施例では表示部23を寿命部品としている。
【0028】
表示コントローラ24は、CPU21の指示に従って表示部23を駆動し、画面の表示や消去を制御する。
【0029】
操作部25は、ボタンやスイッチ、表示部23上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルなどである。タッチパネルでは、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号としてCPU21に出力する。
【0030】
通信部26は、保持装置30と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、保持装置30との通信を確立する。
【0031】
電池27は、保持装置30の情報記憶装置充電部から供給される電力によって充電され、情報記憶装置20の各部を駆動するための電力を供給する。この電池27は、充放電を繰り返す内に蓄電量が減少して情報記憶装置20の駆動が短くなるなどの不具合が生じることから、本実施例では電池27も寿命部品としている。
【0032】
装着検出部28は、情報記憶装置20が保持装置30に装着されたことを検出する。検出の方法は特に限定されず、例えば、電池27と保持装置30の情報記憶装置充電部とが接続されたか否かで装着を検出したり、情報記憶装置20に設けた電極と保持装置30に設けた電極とが電気的に接続されたか否かで装着を検出したり、情報記憶装置20の底部に自重によってON/OFFする電気接点を設け、この電気接点のON/OFFによって装着を検出したりすることができる。
【0033】
なお、本実施例では、表示部23と電池27を寿命部品としているが、どちらか一方を寿命部品としてよいし、メモリ22などの他の部品を寿命部品としてもよい。
【0034】
[保持装置]
保持装置30は、情報記憶装置20を保持する機構と、情報記憶装置20とデータ通信を行う機能と、必要に応じて、情報記憶装置20の電池27を充電する機能とを備えた装置であり、画像形成装置40の本体や付属品(例えば、本体と分離した給紙部や後処理部など)に固定される。
【0035】
この保持装置30は、図3に示すように、CPU31、メモリ32、情報記憶装置用通信部33、寿命管理部34、情報記憶装置充電部35、表示部36、操作部37、画像形成装置用通信部38、電源39などを備える。
【0036】
CPU31は、メモリ32から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリ32は、ROMやRAMなどで構成され、CPU31で動作する各種プログラムや、保持装置30の動作を制御するための設定情報、各情報記憶装置20から取得した寿命値、各情報記憶装置20が属するグループを特定するグループ情報、各グループに対して予め設定された、寿命差範囲を規定する基準値(寿命差設定値と呼ぶ。)、情報記憶装置20に表示させる電子データなどを記憶する。そして、CPU31とメモリ32とで制御部が構成される。
【0037】
情報記憶装置用通信部33は、複数の情報記憶装置20と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、各々の情報記憶装置20との通信を確立する。
【0038】
寿命管理部34は、各々の情報記憶装置20から寿命値を取得し、グループ毎に寿命の代表値(例えば、平均値)を計算し、複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、第1のグループの寿命の代表値が、第2のグループの寿命の代表値を中心とした寿命差設定値の範囲内((代表値−寿命差設定値)〜(代表値+寿命差設定値))であるかを判断し、範囲内の場合に、予め定めたルールに従って一方のグループを選択する制御、選択したグループに属する各情報記憶装置20の寿命値とそのグループの寿命の代表値とを比較し、寿命値のバラツキが最も小さくなる情報記憶装置20を選択する制御などを行う。この寿命管理部34はハードウェアとして構成してもよいし、保持装置30の制御部を、寿命管理部34として機能させる管理プログラムとして構成し、当該プログラムを制御部上で動作させる構成としてもよい。
【0039】
情報記憶装置充電部35は、電源39の電力を複数の情報記憶装置20の電池27に供給し、電池27を充電する。
【0040】
表示部36は、液晶表示装置や有機EL表示装置等からなり、保持装置30の所定の位置(例えば、前面や各スロットの側部など)に設けられ、次に使用すべき情報記憶装置20や寿命部品が寿命に到達した情報記憶装置20を通知する情報などを表示する。
【0041】
操作部37は、ボタンやスイッチ、表示部36上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルなどである。
【0042】
画像形成装置用通信部38は、画像形成装置40と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、画像形成装置40との通信を確立する。
【0043】
電源39は、保持装置30の各部を駆動するための電力を供給する。
【0044】
なお、図3は本実施例の保持装置30の一例であり、表示部36や操作部37は省略してもよい。また、画像形成装置40と交信する必要がない(保持装置30が単独で動作する)場合は、画像形成装置用通信部38を省略してもよい。
【0045】
次に、上記構成の保持装置30の動作(装置選択アルゴリズム)について、図4のフローチャート図を参照して説明する。なお、グループの設定や各グループの寿命差設定値の設定は、予め、管理者などによって保持装置30の操作部37や画像形成装置40から行われているものとする。
【0046】
まず、寿命管理部34は、処理1として、各情報記憶装置20から寿命値を取得して各グループの寿命の状態を確認(グループ内の寿命の代表値とバラツキを計算)し、寿命差設定値と各グループの寿命の代表値とに基づいて、グループ間の寿命の代表値の差が寿命差設定値以下となる組み合わせがあるか、すなわち、矛盾があるかを判定する。
【0047】
この処理1について、図6のフローチャート図を参照して詳細に説明する。
【0048】
まず、各々のグループの寿命差設定値をメモリ32から取得する(S301)。次に、情報記憶装置用通信部33を介して、各グループに属する情報記憶装置20から寿命値を取得して代表値を計算する(S302)。この代表値とは、比較計算するために事前に設定した値であり、例えば、グループの寿命の平均値や最大値、最小値、特定の情報記憶装置20の寿命値などである。
【0049】
次に、各々のグループについて、代表値と寿命差設定値とに基づいて有効範囲を計算し、記憶する(S303)。この有効範囲は、(代表値−寿命差設定)未満、若しくは、(代表値+寿命差設定)よりも大きい範囲であり、比較対象となる他のグループの代表値が有効範囲内であれば、これらのグループの寿命差が十分にあると言える。
【0050】
次に、各々のグループの代表値と他のグループの代表値との差が、寿命差設定値以下となる範囲(矛盾範囲と呼ぶ。)を計算し、記憶する(S304)。この矛盾範囲は、上記有効範囲を除く範囲であり、(代表値−寿命差設定)以上、(代表値+寿命差設定)以下の範囲である。なお、ここでは、有効範囲を計算してから矛盾範囲を計算しているが、これは後述するシミュレーションにおける計算を容易にするための処理であり、代表値と寿命差設定とに基づいて、直接、矛盾範囲を計算してもよい。
【0051】
次に、各々のグループの矛盾範囲の上限条件又は下限条件のうち、比較対象となるグループの代表値に1を加算した時に、値が近い方の条件を矛盾判定候補とし、他方の条件を無効にする(S305)。例えば、あるグループの矛盾範囲が120以上又は400以下で、比較対象となるグループの寿命の代表値が70のような場合は、400以下の条件は無効とし、120以上の条件を矛盾判定候補として採用する。なお、ここでは、矛盾範囲の上限条件又は下限条件の一方を矛盾判定候補とし、他方を無効にしているが、これもシミュレーションにおける計算を容易にするための処理であり、このステップは省略することもできる。
【0052】
次に、各々のグループの代表値が、他のグループの矛盾範囲に入っているかを判断し(S306)、矛盾範囲に入っている場合は矛盾ありと判定し(S307)、矛盾範囲に入っていない場合は矛盾なしと判定する(S308)。
【0053】
図4に戻って、矛盾無しの場合は(S102のNo)、寿命管理部34は、処理2−1として、いずれかのグループを選択する(S103)。なお、各グループの寿命値を均一化する場合は、選択するグループを順次切り替えればよい。また、グループ内のバラツキを少なくするように制御する場合は、グループ内の寿命値のバラツキが最も多いグループを選択すればよい。
【0054】
一方、矛盾有りの場合は(S102のYes)、寿命管理部34は、処理2−2として、予め定めたルールに従って、矛盾のあるグループの内の一方のグループを選択する(S104)。例えば、矛盾をできるだけ早く解消する場合は、矛盾のあるグループの内、寿命の代表値が大きい方のグループを選択することができる。この制御では、寿命の代表値が小さいグループは常に選択されないため、グループ間の寿命差が次第に大きくなる。そこで、矛盾を解消しつつ、グループ間の寿命差が大きくなりすぎないようにするためには、矛盾範囲と比較したグループを選択することもできる。この制御では、矛盾範囲と比較したグループが矛盾範囲を設定したグループよりも寿命の代表値が小さい場合は、矛盾なしと判定されるまでに時間を要するが、常に選択されないグループが生じないようにすることができるため、グループ間の寿命差が大きくなりすぎることがない。
【0055】
なお、矛盾のあるグループが複数ある場合は、どのグループを選択してもよく、例えば、グループ番号の昇順で選択することができる。また、上記と同様に、各グループの寿命を均一化する場合は、選択するグループを順次切り替えることができる。また、グループ内のバラツキを少なくするように制御する場合は、グループ内の寿命のバラツキが最も多いグループを選択することができる。
【0056】
次に、寿命管理部34は、処理3として、選択されたグループ内の個々の情報記憶装置20の寿命値とそのグループの寿命の代表値とを比較し、寿命値のバラツキが最も小さくなる情報記憶装置20、すなわち、寿命の代表値から寿命値を減算した値が最も大きい情報記憶装置20(例えば、寿命値が最も小さい情報記憶装置20)を選択する(S105)。
【0057】
次に、寿命管理部34は、グループ内で、同じ条件の情報記憶装置20が1つであるかを判断し(S106)、同じ条件の情報記憶装置20が1つの場合は、その情報記憶装置20を次の書き込み装置として選択し(S107)、同じ条件の情報記憶装置20が2つ以上の場合は、いずれかの装置(例えば、端末個別管理情報の番号の少ない装置)を選択する(S108)。
【0058】
そして、寿命管理部34は、選択した情報記憶装置20にデータ書き込みを行い、選択した情報記憶装置20の寿命カウントに1を加算する(S109)。
【0059】
上記フローは、矛盾の有無によってグループを選択する場合の処理であるが、例えば、あるグループの装置の導入時期が他のグループの装置よりも早く、そのグループの装置を新しくしたい場合には、優先的にそのグループを選択することもできる。以下、その場合の動作(装置選択アルゴリズム)について、図5のフローチャート図を参照して説明する。なお、優先的に選択するグループの設定(優先設定と呼ぶ。)は、予め、管理者などによって保持装置30の操作部37や画像形成装置40から行われているものとする。
【0060】
まず、寿命管理部34は、上記と同様に、処理1として、各情報記憶装置20から寿命値を取得して各グループの寿命の状態を確認し、寿命差設定値と各グループの寿命の代表値とに基づいて、グループ間の寿命の代表値の差が寿命差設定値以下となる組み合わせがあるか、すなわち、矛盾があるかを判定する。
【0061】
次に、寿命管理部34は、優先設定があるかを判断し(S202)、優先設定がある場合は、優先設定により最も優先するグループに決定する(S203)。一方、優先設定がない場合は、矛盾の有無を判断する(S204)。
【0062】
矛盾無しの場合は、寿命管理部34は、上記と同様に、処理2−1として、いずれかのグループを選択し(S205)、矛盾有りの場合は、処理2−2として、予め定めたルールに従って、矛盾のあるグループの内の一方のグループを選択する(S206)。
【0063】
次に、寿命管理部34は、上記と同様に、処理3として、選択されたグループ内の個々の情報記憶装置20の寿命値とそのグループの寿命の代表値とを比較し、寿命値のバラツキが最も小さくなる情報記憶装置20、すなわち、寿命の代表値から寿命値を減算した値が最も大きい情報記憶装置20を選択する(S207)。
【0064】
次に、寿命管理部34は、上記と同様に、グループ内で、同じ条件の情報記憶装置20が1つであるかを判断し(S208)、同じ条件の情報記憶装置20が1つの場合は、その装置を次の書き込み装置として選択し(S209)、同じ条件の情報記憶装置20が2つ以上の場合は、いずれかの装置(例えば、端末個別管理情報の番号の少ない装置)を選択する(S210)。
【0065】
そして、寿命管理部34は、上記と同様に、選択した情報記憶装置20にデータ書き込みを行い、選択した情報記憶装置20の寿命カウントに1を加算する(S211)。
【0066】
上記手法に従ってシミュレーションした結果を図7に示す。本シミュレーションに際して、情報記憶装置20を10台とし、グループAを装置4台(A−1〜A−4)、グループBを装置3台(B−1〜B−3)、グループCを装置3台(C−1〜C−3)としている。また、寿命差設定値は、グループA−B間を100、グループB−C間を200、グループC−A間を300としている。
【0067】
図7の行は、各グループにおける、各装置の寿命値、グループの代表値(グループ内の装置の寿命値の平均値)、特定のグループ(グループBの場合はグループA、グループCの場合はグループB、グループAの場合はグループC)に対する有効範囲及び矛盾範囲、矛盾判定結果と、全体の判定結果(選択するグループ)を示している。また、図7の列は、図4及び図5における処理1〜4の計算結果を時系列で示している。
【0068】
まず、ステップ1では、各グループに属する各装置の寿命値から代表値(ここでは平均値)を計算し、他のグループの代表値と予め設定した寿命設定値とに基づいて、有効範囲を計算する。図7の例では、グループBの代表値は”120”であり、グループA−B間の寿命設定値は”100”であることから、グループBのグループAに対する有効範囲は、120−100=20以下、又は、120+100=220以上となる。同様に、グループCの代表値は”373”であり、グループB−C間の寿命設定値は”200”であることから、グループCのグループBに対する有効範囲は、373−200=173以下、又は、373+200=573以上となる。同様に、グループAの代表値は”223”であり、グループC−A間の寿命設定値は”300”であることから、グループAのグループCに対する有効範囲は、223−300=−77以下、又は、223+300=523以上となる。
【0069】
次に、各グループの矛盾範囲を計算する。図7の例では、グループBのグループAに対する有効範囲は、120−100=20以下、又は、120+100=220以上であることから、矛盾範囲は、20以上、かつ、220以下となり、グループAの代表値”223”に1を加算した時の値に近い側の条件は220以下であることから、20以上の条件は無効とする。同様に、グループCのグループBに対する有効範囲は、373−200=173以下、又は、373+200=573以上であることから、矛盾範囲は、173以上、かつ、573以下となり、グループBの代表値”120”に1を加算した時の値に近い側の条件は173以上であることから、573以下の条件は無効とする。同様に、グループAのグループCに対する有効範囲は、223−300=−77以下、又は、223+300=523以上であることから、矛盾範囲は、−77以上、かつ、523以下であり、グループCの代表値”373”に1を加算した時の値に近い側の条件は523以下であることから、−77以上の条件は無効とする。
【0070】
次に、グループ間の矛盾を判定する。図7の例では、グループAの代表値は”223”であり、グループBのグループAに対する矛盾範囲は220以下であることから、グループA−B間は矛盾なしと判断する。同様に、グループBの代表値は”120”であり、グループCのグループBに対する矛盾範囲は173以上であることから、グループB−C間は矛盾なしと判断する。同様に、グループCの代表値は”373”であり、グループAのグループCに対する矛盾範囲は523以下であることから、グループC−A間は矛盾ありと判断する。
【0071】
次に、矛盾ありと判断したグループの中から使用するグループを選択する。図7の例では、グループAの代表値は”223”であり、グループCの代表値は”373”であることから、代表値が大きい方のグループを選択する場合はグループCが選択される。また、矛盾範囲と比較したグループを選択する場合もグループCが選択される。
【0072】
次に、選択したグループの中から使用する情報記憶装置20を選択する。図7の例では、装置C−1の寿命値は”360”、装置C−2の寿命値は”560”、装置C−3の寿命値は”200”であり、グループCの代表値は”373”であることから、代表値から寿命値を引いた値が最も大きい装置C−3が選択される。
【0073】
ステップ2は、装置C−3を1回使用した状態を示しており、この状態でも同じ判定結果になるため、装置C−3を繰り返し使用することによってステップ3の状態となる。
【0074】
ステップ3でも、上記と同様に、各グループの代表値と寿命設定値とに基づいて、有効範囲を計算した後、候補となる矛盾範囲を計算する。そして、グループ間の矛盾を判定する。図7の例では、グループCの代表値は”427”に増加しているが、グループAのグループCに対する矛盾範囲は523以下であることから、グループC−A間は矛盾ありと判断する。次に、グループを選択するが、代表値が大きい方のグループを選択する場合でも矛盾範囲と比較したグループを選択する場合でもグループCが選択される。
【0075】
次に、選択したグループの中から使用する情報記憶装置20を選択する。図7の例では、装置C−1の寿命値は”360”、装置C−2の寿命値は”560”、装置C−3の寿命値は”360”であり、代表値から寿命値を引いた値が最も大きい装置は装置C−1と装置C−3となるが、端末個別管理情報の番号の少ない装置を選択するルールを採用した場合は、装置C−1が選択されることになる。
【0076】
次に、ステップ4では、装置C−1の寿命値は”361”、装置C−2の寿命値は”560”、装置C−3の寿命値は”360”であり、代表値から寿命値を引いた値が最も大きい装置は装置C−3となるため、再び装置C−3が選択されることになる。
【0077】
その後、装置C−1と装置C−3が交互に選択されて、ステップ5の状態となり、更に装置C−3が選択されると、ステップ6の状態となる。
【0078】
ステップ6でも、上記と同様に、各グループの代表値と寿命設定値とに基づいて、有効範囲を計算した後、矛盾範囲を計算し、グループ間の矛盾を判定する。図7の例では、グループAの代表値は”223”であり、グループBのグループAに対する矛盾範囲は220以下であることから、グループA−B間は矛盾なしと判断する。同様に、グループBの代表値は”120”であり、グループCのグループBに対する矛盾範囲は324以上であることから、グループB−C間は矛盾なしと判断する。同様に、グループCの代表値は”524”であり、グループAのグループCに対する矛盾範囲は523以下であることから、グループC−A間も矛盾なしと判断する。
【0079】
次に、グループを選択する。この場合はどのグループを選択してもよいが、グループ内の寿命のバラツキが最も多いグループを選択するルールを採用すると、グループAのバラツキは”260”、グループBのバラツキは”90”であり、グループCのバラツキは”55”であることから、グループAが選択される。
【0080】
次に、選択したグループの中から使用する情報記憶装置20を選択する。図7の例では、装置A−1の寿命値は”360”、装置A−2の寿命値は”230”、装置A−3の寿命値は”100”、装置A−4の寿命値は”200”であり、グループAの代表値は”223”であることから、代表値から寿命値を引いた値が最も大きい装置A−3が選択される。
【0081】
ステップ7は、装置A−3を1回使用した状態を示しており、この状態でも同じ判定結果になるため、装置A−3を繰り返し使用する。
【0082】
以降、同様の処理を繰り返すことにより、グループ間の代表値の差が寿命差設定値よりも小さくなることがなく、かつ、グループ内の各情報記憶装置20の寿命値は均一化されるため、寿命部品を含む複数の情報記憶装置20を効率的に交換することできる。
【0083】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0084】
例えば、上記説明では、グループの代表値を平均値としたが、最大値で制御したり、最小値で制御したり、リストのn番目の値で制御する方法などを採用することもできる。
【0085】
また、上記実施例では、寿命値は使用回数を表す値としたが、使用時間を表す値としてもよい。また、上記実施例では、寿命値は使用するたびに値が大きくなるものとしたが、使用するたびに値が小さくなるもの、すなわち、残りの使用回数若しくは使用時間を表すものとしてもよい。その場合、処理2では、寿命の代表値が小さい方のグループを選択し、処理3では、寿命値のバラツキが最も小さくなる情報記憶装置20、すなわち、代表値から寿命値を引いた値が最も小さい情報記憶装置20(例えば、寿命値が最も大きい情報記憶装置20)を選択することができる。
【0086】
また、上記実施例では、被管理装置として情報記憶装置20を例示したが、寿命部品を含む任意の装置に対しても同様に適用することができる。また、上記実施例では、寿命部品として情報記憶装置20の表示部と電池を例示したが、交換を必要とする任意の寿命部品に対しても同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、電子ペーパー等の情報記憶装置(被管理装置)と、複数の情報記憶装置を保持する保持装置(管理装置)とを含むシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
10 管理システム
20 情報記憶装置
21 CPU
22 メモリ
23 表示部
24 表示コントローラ
25 操作部
26 通信部
27 電池
28 装着検出部
30 保持装置
31 CPU
32 メモリ
33 情報記憶装置用通信部
34 寿命管理部
35 情報記憶装置充電部
36 表示部
37 操作部
38 画像形成装置用通信部
39 電源
40 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寿命部品を含む複数の被管理装置と、前記複数の被管理装置の寿命を管理する管理装置と、を有する管理システムであって、
前記複数の被管理装置は、予め複数のグループに分類されており、
前記管理装置は、
各々の被管理装置から当該装置の寿命値を取得し、各々のグループに対して、当該グループに属する前記被管理装置の寿命値に基づいて代表値を算出し、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、当該2つのグループの代表値の差が、当該2つのグループに対して予め設定された寿命差設定値以下となるかを判断する第1の処理と、
代表値の差が寿命差設定値以下となると判断された2つのグループの内、予め定めたルールに従って、いずれか一方のグループを選択する第2の処理と、
選択されたグループに属する被管理装置の内、当該グループにおける寿命値のバラツキが最も小さくなる被管理装置を選択する第3の処理と、
選択した被管理装置を次に使用する装置として設定する第4の処理と、を実行する、ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記第1の処理では、各々のグループに属する前記被管理装置の寿命値の平均値を、当該グループの代表値とする、ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記第1の処理では、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、第1のグループの代表値が、第2のグループの代表値から前記寿命差設定値を減算した下限値と、前記第2のグループの代表値に前記寿命差設定値を加算した上限値と、の間の範囲であるかを判断し、
前記第2の処理では、前記2つのグループの内、前記第1のグループを選択する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記第2の処理では、前記2つのグループの内、前記代表値が大きい方のグループを選択する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項5】
前記第2の処理では、予め特定のグループが優先設定されている場合は、前記第1の処理の判断結果にかかわらず、前記特定のグループを選択する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の管理システム。
【請求項6】
前記寿命値は、前記被管理装置の使用回数若しくは使用時間を表す値である、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の管理システム。
【請求項7】
寿命部品を含み、予め複数のグループに分類された複数の被管理装置の寿命を管理する管理装置で動作する管理プログラムであって、
前記管理装置に、
各々の被管理装置から当該装置の寿命値を取得し、各々のグループに対して、当該グループに属する前記被管理装置の寿命値に基づいて代表値を算出し、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、当該2つのグループの代表値の差が、当該2つのグループに対して予め設定された寿命差設定値以下となるかを判断する第1の処理、
代表値の差が寿命差設定値以下となると判断された2つのグループの内、予め定めたルールに従って、いずれか一方のグループを選択する第2の処理、
選択されたグループに属する被管理装置の内、当該グループにおける寿命値のバラツキが最も小さくなる被管理装置を選択する第3の処理、
選択した被管理装置を次に使用する装置として設定する第4の処理、を実行させる、ことを特徴とする管理プログラム。
【請求項8】
前記第1の処理では、各々のグループに属する前記被管理装置の寿命値の平均値を、当該グループの代表値とする、ことを特徴とする請求項7に記載の管理プログラム。
【請求項9】
前記第1の処理では、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、第1のグループの代表値が、第2のグループの代表値から前記寿命差設定値を減算した下限値と、前記第2のグループの代表値に前記寿命差設定値を加算した上限値と、の間の範囲であるかを判断し、
前記第2の処理では、前記2つのグループの内、前記第1のグループを選択する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の管理プログラム。
【請求項10】
前記第2の処理では、前記2つのグループの内、前記代表値が大きい方のグループを選択する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の管理プログラム。
【請求項11】
前記第2の処理では、予め特定のグループが優先設定されている場合は、前記第1の処理の判断結果にかかわらず、前記特定のグループを選択する、ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一に記載の管理プログラム。
【請求項12】
前記寿命値は、前記被管理装置の使用回数若しくは使用時間を表す値である、ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一に記載の管理プログラム。
【請求項13】
寿命部品を含む複数の被管理装置と、前記複数の被管理装置の寿命を管理する管理装置と、を有するシステムにおける管理方法であって、
前記複数の被管理装置を複数のグループに分類すると共に、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して寿命差設定値を設定する第1ステップと、
各々の被管理装置が、自身の寿命値を特定して前記管理装置に通知する第2ステップと、
前記管理装置が、前記各々の被管理装置から当該装置の寿命値を取得し、各々のグループに対して、当該グループに属する前記被管理装置の寿命値に基づいて代表値を算出し、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、当該2つのグループの代表値の差が、当該2つのグループに対して予め設定された寿命差設定値以下となるかを判断する第3ステップと、
前記管理装置が、代表値の差が寿命差設定値以下となると判断された2つのグループの内、予め定めたルールに従って、いずれか一方のグループを選択する第4ステップと、
前記管理装置が、選択されたグループに属する被管理装置の内、当該グループにおける寿命値のバラツキが最も小さくなる被管理装置を選択する第5ステップと、
前記管理装置が、選択した被管理装置を次に使用する装置として設定する第6ステップと、
選択された被管理装置が、自身の寿命値を更新する第7ステップと、を有し、
所定のタイミングで、前記第2ステップから前記第7ステップまでを繰り返し実行する、ことを特徴とする管理方法。
【請求項14】
前記第3ステップでは、各々のグループに属する前記被管理装置の寿命値の平均値を、当該グループの代表値とする、ことを特徴とする請求項13に記載の管理方法。
【請求項15】
前記第3ステップでは、前記複数のグループの中から順次選択される2つのグループに対して、第1のグループの代表値が、第2のグループの代表値から前記寿命差設定値を減算した下限値と、前記第2のグループの代表値に前記寿命差設定値を加算した上限値と、の間の範囲であるかを判断し、
前記第4ステップでは、前記2つのグループの内、前記第1のグループを選択する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の管理方法。
【請求項16】
前記第4ステップでは、前記2つのグループの内、前記代表値が大きい方のグループを選択する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の管理方法。
【請求項17】
前記第4ステップでは、予め特定のグループが優先設定されている場合は、前記第3ステップの判断結果にかかわらず、前記特定のグループを選択する、ことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一に記載の管理方法。
【請求項18】
前記寿命値は、前記被管理装置の使用回数若しくは使用時間を表す値である、ことを特徴とする請求項13乃至17のいずれか一に記載の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−59062(P2012−59062A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202270(P2010−202270)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】