説明

管理システム

【課題】分析装置の操作者が行なう試薬補充作業を支援する分析装置の管理システムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる管理システム1は、分析装置A1〜B2に接続し該分析装置A1〜B2を管理する管理サーバ10と、管理サーバ10と通信可能である端末装置50とを備え、分析装置に使用される試薬の管理を行なう管理システムであって、管理サーバ10は、分析装置A1〜B2において試薬不足が発生する場合、試薬不足が発生する分析装置および該分析装置への補充試薬を示す試薬不足情報と、該補充試薬が分析装置内で使用可能となるまでに必要となる処理内容を示した試薬補充支援情報とを端末装置50に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分析装置に接続し該分析装置を管理する管理装置と、前記管理装置と通信可能である端末装置とを備え、前記分析装置に使用される試薬の管理を行なう管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置の適正な管理を目的として、ネットワークなどの通信接続手段を介して複数の分析装置と管理サーバとを接続し、接続した分析装置と管理サーバの間で通信を行うことによって分析装置を管理する管理システムが提案されている。近年においては複数の分析装置を一人の操作者が操作することも多く、常に分析装置近傍に操作者がいるとは限らないことから、従来の管理システムは、たとえば分析装置の動作中に新たな試薬ボトルの補充が必要となった場合には、分析装置の各操作者が携帯する端末装置に試薬補充を指示するメッセージを送信して操作者の処理作業を支援している(特許文献1〜3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−260793号公報
【特許文献2】特開平10−215494号公報
【特許文献3】特開2005−106669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、血液や尿などを分析する分析装置においては、既知の結果を示すキャリブレーターを分析した分析結果をもとに測光処理の基準となる検量線を設定するキャリブレーション処理を行なうことによって分析精度を確保している。そして、たとえば新しく試薬を交換するごとにキャリブレーション処理が必要である項目や、交換した試薬とそれまで装置内で使用されていた試薬とのロット番号が異なる場合にのみキャリブレーション処理を行なえばよい項目など、各検査項目によってキャリブレーション処理を実行するタイミングがそれぞれ異なっている。また、キャリブレーション処理に要するキャリブレーターの種別およびキャリブレーターの調製方法も各項目ごとに異なっている。さらに、交換対象の試薬も、試薬の種別によっては溶解や希釈など所定の調製を行なう必要がある。
【0005】
このように、分析装置の試薬を交換し、交換した試薬が分析装置内で使用可能となるまでに、操作者による試薬調製処理、キャリブレーター調製処理およびキャリブレーション処理指示などの複数の処理が必要となる場合が多い。
【0006】
しかしながら、この試薬調製処理、キャリブレーション処理の要否およびキャリブレーター調製処理は、多数ある検査項目や試薬種別によってそれぞれ異なっているため、分析装置の操作者は、端末装置の試薬補充を指示するメッセージだけでは、試薬補充のために実際にどのような処理を行なわなければよいのかを即時に認識することができない。したがって、操作者は、膨大な量のマニュアルやパソコンを介して接続したデータベースなどを検索して、試薬補充のために必要となる処理内容を確認してから試薬補充作業やキャリブレーション処理設定などを行なっていた。すなわち、操作者は、試薬補充を行なうためにマニュアル検索などの煩雑な処理を行なわなければならなかった。特に試薬補充作業に不慣れな操作者の場合には、試薬補充に要する処理内容を確認するまでに時間がかかってしまうことから、試薬補充によって長時間分析処理が中断してしまい臨床側への分析報告が遅れてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分析装置の操作者が行なう試薬補充作業を支援する分析装置の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる管理システムは、分析装置に接続し該分析装置を管理する管理装置と、前記管理装置と通信可能である端末装置とを備え、前記分析装置に使用される試薬の管理を行なう管理システムにおいて、前記管理装置は、前記分析装置において試薬不足が発生する場合、試薬不足が発生する分析装置および該分析装置への補充試薬を示す試薬不足情報と、前記補充試薬が前記分析装置内で使用可能となるまでに必要となる処理内容を示した試薬補充支援情報とを前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる管理システムは、前記端末装置は、前記試薬不足情報で示された補充試薬を収容した試薬ボトルの記憶媒体の試薬情報を読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた補充試薬の試薬情報を前記管理装置に送信する送信手段と、前記管理装置から送信された前記試薬不足情報および前記試薬補充支援情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記試薬不足情報および前記試薬補充支援情報を出力する出力手段と、を有し、前記管理装置は、各試薬が分析装置内で使用可能となるまでに必要となる処理内容を各試薬ごとに対応づけた試薬処理情報を記憶するデータベースと接続し、前記端末装置による前記補充試薬の試薬情報を受信した場合、該受信した試薬情報と前記データベースが記憶する試薬処理情報とをもとに、前記端末装置における読取手段によって試薬情報を読み取られた補充試薬に必要となる処理内容を判断し、該判断した処理内容を前記試薬補充支援情報として前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる管理システムは、前記端末装置においては、前記読取手段は、前記受信手段によって受信された前記管理装置からの試薬不足情報が前記出力手段から出力された後に、該試薬不足情報に示された補充試薬を収容する試薬ボトルの記憶媒体を読み取ることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる管理システムは、前記記憶媒体は、該記憶媒体が付された試薬ボトル内の試薬の識別情報およびロット情報を試薬情報として記憶し、前記試薬処理情報は、各試薬の識別情報と、各試薬の調製方法、キャリブレーション処理タイミング、前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの種別または前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの調整方法とが対応づけられており、前記試薬補充支援情報は、前記補充試薬の調製方法、前記補充試薬の補充時のキャリブレーション処理の要否、前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの種別または前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの調整方法を示すことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる管理システムは、前記端末装置においては、前記読取手段は、試薬保管庫に新たに保管される試薬ボトルに付された記憶媒体の情報を読み取り、前記送信手段は、前記読取手段によって読み取られた新たに保管される試薬ボトルの情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記端末装置における送信手段によって送信された新たに保管される試薬ボトルの情報をもとに前記試薬保管庫内の試薬に対する在庫管理を行なうことを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる管理システムは、前記端末装置は、前記分析装置の操作者に携帯されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる管理システムにおいては、管理装置は、分析装置において試薬不足が発生する場合、試薬不足が発生する分析装置および該分析装置への補充試薬を示す試薬不足情報のほかに、さらに該補充試薬が分析装置内で使用可能となるまでに必要となる処理内容を示した試薬補充支援情報を端末装置に送信するため、操作者は端末装置に送信された試薬補充支援情報を確認することによって、試薬補充のために実際にどのような処理を行なわなければよいのかを即時に認識することができ、試薬補充作業を円滑かつ迅速に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置の管理システムについて説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0016】
図1は、本実施の形態にかかる管理システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態1にかかる管理システム1は、複数の検査室(たとえば検査室1,2)にそれぞれ配置された分析装置(たとえば分析装置A1〜B2)と、ネットワーク30を介して各分析装置と接続する管理サーバ10とを備える。
【0017】
分析装置A1〜B2は、血液や尿等の検体の成分を生化学的または免疫学的に分析する。分析装置A1〜B2は、検体および検査項目に対応する試薬を反応容器に分注し、反応容器内で生じる反応を光学的に測定した結果をもとに検体を分析する。分析装置A1〜B2においては、搬送される複数の反応容器に、試薬分注機構が試薬容器から試薬を順次分注し、検体分注機構が複数の検体容器から検体を順次分注する。そして、反応容器は、攪拌機構へ搬送され、分注された試薬と検体とは、攪拌機構によって順次攪拌されて反応する。このようにして検体と試薬とが反応した反応液を保持した反応容器は、測光機構に搬送され、測光機構による光学的測定が行われる。光学的測定が終了した反応容器は、そのまま廃棄される場合もあり、洗浄機構によって洗浄された後、再度検体の分析に使用される場合もある。分析装置A1〜B2は、試料、試薬および反応容器内の液体を所定温度に保持した状態で、検体または試薬の分注、反応容器内の液体の攪拌、反応容器内の液体に対する光学的測定を行う。この分析装置A1〜B2は、複数の検査室にそれぞれ設置されている。
【0018】
各分析装置A1〜B2は、ネットワーク30を介して、各分析装置A1〜B2に関する情報を管理サーバ10に送信する。各分析装置A1〜B2は、分析装置A1〜B2自身の動作状態を示す状態情報を管理サーバ10に送信する。たとえば、状態情報として、行っていた分析処理が終了したことを示す情報や、検体、試薬、反応容器内の液体の温度情報、各分析装置A1〜B2に異常が発生したことを示す異常情報がある。さらに、各分析装置A1〜B2は、使用中の試薬が所定時間以内に不足すると判断した場合には、不足する試薬の識別情報とともに試薬不足が発生することを示す試薬状態情報を管理サーバ10に送信する。同様に、各分析装置A1〜B2は、反応容器を洗浄する洗浄液が所定時間以内に不足すると判断した場合には、洗浄液不足が発生することを示す洗浄液状態情報を管理サーバ10に送信してもよい。
【0019】
管理サーバ10は、ネットワーク30を介して分析装置A1〜B2との間で通信を行うことによって、分析装置A1〜B2を管理する。管理サーバ10は、分析装置A1〜B2から送信された送信情報の内容に応じて、この送信情報を登録された転送先に転送する。この転送先は、管理サーバ10と送受信装置60を介して無線通信可能である端末装置50であって、分析装置A1〜B2の操作者Uが携帯する端末装置50である。管理サーバ10は、各分析装置A1〜B2のいずれかから試薬不足が発生することを示す試薬状態情報を受信した場合には、試薬不足が発生する分析装置および該分析装置への補充試薬を示す試薬不足情報を、ネットワーク30、送受信装置60を介して、操作者Uが携帯する端末装置50へ無線送信する。
【0020】
そして、管理サーバ10は、各種情報を記憶するデータベース20に接続する。このデータベース20は、たとえば、各分析装置A1〜B2において使用する試薬の在庫情報Daおよび操作者による試薬補充作業を支援するために用いられる試薬処理情報Dbを記憶する。
【0021】
上述した血液や尿などを分析する分析装置A1〜B2においては、既知の結果を示すキャリブレーターを分析した分析結果をもとに測光処理の基準となる検量線を設定するキャリブレーション処理を行なうことによって分析精度を確保している。このキャリブレーション処理を実行するタイミング、キャリブレーション処理に要するキャリブレーターの種別およびキャリブレーターの調製方法は、各検査項目ごとに異なっている。さらに、各分析装置A1〜B2において使用される試薬も、所定の処理を行なう必要がある。
【0022】
データベース20は、試薬処理情報Dbとして、この各検査項目および試薬ごとに異なるキャリブレーション処理の内容および試薬調製方法を、各検査項目ごとに対応づけて記憶している。具体的には、データベース20は、試薬処理情報Dbとして、たとえば図2のテーブルTdbに示すように、各検査項目ごとに、使用する試薬の識別情報、各試薬の調製方法、キャリブレーション処理タイミング、キャリブレーション処理において使用するキャリブレーターの識別情報、キャリブレーション処理において使用するキャリブレーターの調製方法が対応づけたものを記憶する。
【0023】
また、操作者Uが携帯する端末装置50は、上記のように送受信装置60を介して管理サーバ10と無線通信が可能であるとともに、試薬ボトルに付された記憶媒体の情報を読み取る機能を有する。この記憶媒体は、たとえば図3に示すように、分析装置A1〜B2に使用される試薬を収容した各試薬ボトル70の側面に付されたバーコード記号などである。記憶媒体71は、試薬ボトル70に収容された試薬が使用される検査項目、試薬の名称、開封後有効期限、収容する試薬容量、ロット情報、ボトル情報などの試薬情報を記憶しており、端末装置50によって光学的に情報が読み取られる。
【0024】
つぎに、端末装置50の構成について説明する。図4は、図1に示す端末装置50の構成を示すブロック図である。図4に示すように、端末装置50は、端末装置50の各構成部位の処理動作を制御する制御部51と、記憶媒体71の読み取りや管理サーバ10への読取情報送信を指示する指示情報などを入力する入力部52と、記憶媒体71が記憶する試薬情報を光学的に読み取る媒体読取部53と、各構成部位の処理動作のために用いるプログラムや読取情報などの各種情報を記憶する記憶部54と、端末装置50が受信した情報や端末装置50が読み取った情報などを出力する出力部55と、端末装置50が受信した信号を復調するとともに端末装置50が送信する信号を変調する通信処理部57と、所定の周波数の電波を送受信するアンテナ58とを有する。出力部55は、たとえば音声出力を行なってもよい。また、出力部55は、ディスプレイによって構成される表示部56を備える。媒体読取部53は、図3のように記憶媒体71に対して赤外光または可視光などの照射光Liを発し該記憶媒体71からの反射光Loを処理することによって記憶媒体71の情報を読み取るほか、記憶媒体71を撮像し、撮像した画像情報を解読して、記憶媒体71の情報を取得してもよい。
【0025】
端末装置50は、操作者Uによる操作のもと、管理サーバ10から送信された試薬不足情報に示された補充試薬を収容する試薬ボトルの記憶媒体を読み取り、読み取った補充試薬の試薬情報を管理サーバ10に送信する。そして、管理サーバ10は、端末装置50が読み取った補充試薬の試薬情報とデータベース20内の試薬処理情報Dbとをもとに、端末装置50が実際に読取処理を行なった補充試薬に対して補充対象の分析装置A1〜B2内において使用可能となるまでに必要となる処理内容を判断し、該判断した処理内容を示した試薬補充支援情報を操作者Uが有する端末装置50に送信して、操作者Uが行なう試薬補充作業を支援している。
【0026】
具体的に、管理システム10による試薬補充作業の支援処理について説明する。図5は、管理システム10による試薬補充作業の支援処理における各処理手順を示すフローチャートである。
【0027】
図5に示すように、管理サーバ10は、各分析装置A1〜B2のいずれかから試薬不足が発生することを示す試薬状態情報を受信し(ステップS32)、試薬不足が発生する分析装置および該分析装置へ補充すべき試薬を判断する。管理サーバ10は、データベース20内の試薬処理情報Dbを参照し(ステップS34)、この補充すべき試薬において試薬ボトルを交換するごとに必ずキャリブレーション処理が必要であるか否かを確認する。そして、管理サーバ10は、ネットワーク30および送受信装置60を介して、分析装置A1〜B2の操作者Uが携帯する端末装置に、試薬不足が発生する分析装置および該分析装置への補充試薬を示す試薬不足情報を送信する(ステップS36)。なお、管理サーバ10は、図2のテーブルTdbにおける項目Cのように、この補充すべき試薬において試薬ボトルを交換するごとに必ずキャリブレーション処理が必要である場合には、試薬不足情報にキャリブレーション処理が必要である旨を含めて送信する。
【0028】
端末装置50においては、通信処理部57がアンテナ58を介して、管理サーバ10から送信された試薬不足情報を受信する(ステップS54)。次いで、表示部56が、通信処理部57によって受信された試薬不足情報を試薬不足メッセージとして表示出力する(ステップS56)。この結果、図6のような端末装置50Aでは、モニタ画面Maに、試薬不足が発生する分析装置名、この分析装置の各ユニットのうち試薬を補充すべきユニット名、補充試薬を識別する識別情報として試薬不足が発生する検査項目名とともに、試薬補充を促すメッセージが表示される。また、試薬不足情報にキャリブレーション処理が必要である旨が含まれていた場合には、図7に示すように、キャリブレーション処理が必要となる旨がさらに表示される。なお、端末装置50は、図6および図7の端末装置50Aのような形態に限らず、図8のように、いわゆる携帯電話50Bに図4に示す各機能を持たせたものであって、メール形式で送信された試薬不足情報を表示してもよい。
【0029】
操作者Uは、複数の分析装置および複数のユニットを操作している場合であっても、携帯する端末装置50の表示部56に表示された試薬不足情報を確認することによって、どの分析装置のどのユニットにおいてどの検査項目の試薬に試薬不足が発生するかを一括して認識することができる。このため、操作者Uは、操作する分析装置A1〜B2のうちいずれの分析装置に試薬不足が発生するかを把握するため各分析装置A1〜B2それぞれの制御装置をわざわざ確認する必要もなく、また、分析装置A1〜B2のそばに常駐している必要もない。
【0030】
そして、操作者Uは、自身が携帯する端末装置50に表示された試薬不足メッセージを確認しながら、補充試薬を収容した試薬ボトルを試薬保管庫から取り出せばよい。操作者Uは、この試薬不足メッセージを確認しながら補充試薬を収容した試薬ボトルを取り出せるため、補充試薬を収容した試薬ボトルを他の試薬ボトルと間違って取り出すこともない。また、端末装置50は携帯することができるため、操作者Uは、試薬補充のために補充試薬名などのプリントアウトやメモなどの煩雑な処理を行なわなくともよい。
【0031】
そして、端末装置50は、試薬不足メッセージ表示処理(ステップS56)後、媒体読取部53を記憶媒体71の読取処理可能にする読取モードに設定する(ステップS58)。このとき、操作者Uは、端末装置50に表示された試薬不足メッセージを見ながら、補充対象の試薬を収容した試薬ボトル70を取り出し、取り出した試薬ボトル70の記憶媒体71上に端末装置50の媒体読取部53を掲げればよい。これによって、媒体読取部53は、照射光の照射および反射光の受光を行なって、試薬不足情報で示された補充試薬を収容した試薬ボトル70の記憶媒体71の試薬情報を光学的に読み取る補充試薬媒体読取処理を行なう(ステップS60)。媒体読取部53は、この補充試薬媒体読取処理において、試薬ボトル70内の試薬が使用される検査項目、試薬の名称、開封後有効期限、収容する試薬容量、ロット情報、ボトル情報を読み取る。次いで、通信処理部57は、媒体読取部53によって読み取られた補充試薬の試薬ボトル70内の試薬が使用される検査項目、試薬の名称、開封後有効期限、収容する試薬容量、ロット情報、ボトル情報などの試薬情報をアンテナ58から送信する補充試薬読取情報送信処理を行なう(ステップS62)。
【0032】
管理サーバ10は、送受信装置60を介して、端末装置50による補充試薬読取情報を受信した後(ステップS38)、データベース20内の試薬処理情報を参照する(ステップS40)。そして、管理サーバ10は、受信した補充試薬読取情報と試薬処理情報とをもとに、端末装置50において実際に試薬情報を読み取られた試薬ボトル70内の補充試薬に対応する処理内容を判断する(ステップS41)。
【0033】
具体的には、管理サーバ10は、端末装置50が実際に読取処理を行なった試薬ボトル70の試薬が分析装置内で実際に使用可能となるまでに必要となる試薬調製処理、キャリブレーション処理の要否、キャリブレーション使用するキャリブレーターの種別およびキャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの調製方法などの処理内容を判断し(ステップS41)、該判断した処理内容を示した試薬補充支援情報として送信する(ステップS42)。なお、管理サーバ10は、送信された試薬情報に示された試薬が使用され該試薬の在庫が減ることを認識することができるため、データベース20内の試薬在庫情報Daにおける該試薬の在庫数を新たな在庫数に更新する試薬在庫情報更新処理を行なって(ステップS44)、管理サーバ10による試薬補充支援処理を終了する。このため、操作者Uが試薬在庫情報Daをわざわざ更新しなくとも、ほぼリアルタイムで自動的に試薬在庫情報Daが正しいものに更新される。
【0034】
端末装置50においては、通信処理部57がアンテナ58を介して、管理サーバ10から送信された試薬補充支援情報を受信する(ステップS64)。次いで、表示部56が、通信処理部57によって受信された試薬補充支援情報を表示する(ステップS66)。この試薬補充支援情報表示処理においては、実際に端末装置50が試薬情報を読み取った試薬ボトルに必要な処理として管理サーバ10によって判断された補充試薬の調製方法、前記補充試薬の補充時のキャリブレーション処理の要否、前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの種別またはキャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの調整方法が試薬補充支援情報として表示される。
【0035】
ここで、図5に示すステップS41、ステップS42、ステップS64、ステップS66の処理について具体的に説明する。まず、端末装置50が補充対象の試薬として実際に試薬情報を読み取った試薬が、項目Aの第1試薬a1および第2試薬a2であって分析装置において使用途中である試薬a1および試薬a2とは異なるロット番号であった場合について説明する。管理サーバ10には、この情報が補充試薬読取情報として送信される。この試薬a1,a2は、図2のテーブルTdbにあるように、分析装置内にセットする前に希釈処理が必要である。このため、管理サーバ10は、ステップS41において、ステップS38において受信した補充試薬読取情報より、端末装置50が実際に読取処理を行なった補充対象の試薬ボトル70の試薬a1,a2については、希釈処理が必要であると判断する。また、この試薬a1,a2は、図2のテーブルTdbにあるように、新たに交換する試薬ボトル70のロット番号が前回キャリブレーション処理時において使用された試薬のロット番号と異なっている場合には、キャリブレーション処理が必要である。このため、管理サーバ10は、この試薬ボトル70の試薬a1,a2については、キャリブレーション処理が必要であると判断する。また、管理サーバ10は、テーブルTdbにあるように、この試薬ボトル70の試薬a1,a2に対するキャリブレーション処理においては、溶解処理が必要であるキャリブレーションαを用いる必要があると判断する。そして、管理サーバ10は、端末装置50が実際に試薬情報を読み取った試薬a1,a2については、この試薬a1,a2を分析装置内で使用可能となるまでに、希釈処理、キャリブレーション処理、キャリブレーションαの溶解処理が必要である旨を示す試薬補充支援情報を送信する(ステップS42)。端末装置50は、端末装置50が実際に試薬情報を読み取った試薬a1,a2に関する試薬補充支援情報を受信し(ステップS64)、たとえば図9に示すように、試薬不足が発生する分析装置名、この分析装置の各ユニットのうち試薬を補充すべきユニット名、検査項目「A」を示す不足試薬メニューMa1とともに、端末装置50が実際に試薬情報を読み取った試薬a1,a2については希釈処理、キャリブレーション処理、キャリブレーションαの溶解処理が必要である旨を示す処理指示メニューMa2を表示する(ステップS66)。
【0036】
次いで、端末装置50が補充対象の試薬として実際に試薬情報を読み取った試薬が、項目Bに対応する試薬b1および試薬b2であって分析装置において使用途中である試薬b1および試薬b2と同じロット番号であった場合について説明する。この試薬b1,b2は、図2のテーブルTdbにあるように、分析装置内にセットするまでの試薬調製処理が不要である。このため、管理サーバ10は、ステップS41において、ステップS38において受信した補充試薬読取情報より、端末装置50が実際に読取処理を行なった補充対象の試薬ボトル70の試薬b1,b2については、試薬調製処理が不要であると判断する。また、試薬b1,b2は、図2のテーブルTdbにあるように、ロット番号が異なるごとにキャリブレーション処理が必要である。管理サーバ10は、この試薬b1,b2は、分析装置において使用途中である試薬b1および試薬b2と同じロット番号であるため、キャリブレーション処理が不要であると判断する。そして、管理サーバ10は、端末装置50が実際に試薬情報を読み取った試薬b1,b2については、この試薬b1,b2を分析装置内で使用可能となるまでに、試薬調製処理およびキャリブレーション処理のいずれも必要ではない旨を示す試薬補充支援情報を送信する(ステップS42)。端末装置50は、端末装置50が実際に試薬情報を読み取った試薬b1,b2に関する試薬補充支援情報を受信し(ステップS64)、たとえば図10に示すように、試薬不足が発生する分析装置名、この分析装置の各ユニットのうち試薬を補充すべきユニット名、検査項目「B」を示す不足試薬メニューMa3とともに、端末装置50が実際に試薬情報を読み取った試薬b1,b2については試薬調製処理およびキャリブレーション処理のいずれも必要ではない旨を示す処理指示メニューMa4を表示する(ステップS66)。
【0037】
このように、端末装置50には、実際に補充しようとしている試薬ボトル内の試薬に対する処理内容が表示される。このため、操作者Uは、端末装置50に表示された不足試薬メニューMa1,Ma2および処理指示メニューMa2,Ma4を確認しながら、実際に補充しようとしている試薬ボトル内の試薬に対して、処理指示メニューMa2,Ma4に指示された各処理を行なえばよい。
【0038】
実施の形態にかかる管理システム1においては、管理サーバ10は、分析装置a1〜b2において試薬不足が発生する場合、試薬不足が発生する分析装置および該分析装置への補充試薬を示す試薬不足情報のほかに、さらに該補充試薬が分析装置内で使用可能となるまでに必要となる処理内容を示した試薬補充支援情報を端末装置50に送信して操作者による試薬ボトル補充作業を支援している。操作者Uは、マニュアル検索などの煩雑な処理を行なわなくとも、端末装置50に送信された試薬補充支援情報を確認するだけで試薬補充のために実際にどのような処理を行なわなければよいのかを即時に認識することができ、試薬補充作業を円滑かつ迅速に行なうことができる。
【0039】
そして、操作者Uは、端末装置50に送信された試薬補充支援情報にしたがって試薬調製処理、キャリブレーション処理、キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの選択およびキャリブレーターの調製方法を行なうことによって、多数ある検査項目や試薬種別によって複雑に異なる試薬調製処理やキャリブレーション処理を、実際に補充する試薬に対して正しく行なうことができる。操作者Uは、端末装置50に送信された試薬補充支援情報にしたがって各処理を行なえばよいため、試薬補充作業に不慣れな操作者Uであっても、試薬補充に要する処理内容の確認を迅速に行なうことができる。
【0040】
また、管理システム1においては、管理サーバ10は、端末装置50による補充試薬の試薬情報を受信した場合、該受信した試薬情報とデータベース20が記憶する試薬処理情報Dbとをもとに、端末装置50における媒体読取部53によって試薬情報を読み取られた補充試薬に必要となる処理内容を判断し、該判断した処理内容を試薬補充支援情報として端末装置50に送信する。すなわち、端末装置50が分析装置a1〜b2に実際に補充しようとする試薬ボトル70の記憶媒体71を読み取ってから、管理サーバ10がこの試薬ボトル70の試薬情報をもとに必要となる各処理内容を判断して、試薬補充支援情報として端末装置50に送信している。言い換えると、管理システム1においては、操作者Uが補充対象として選択した試薬ボトルの試薬それぞれに適した処理内容を試薬補充支援情報として操作者Uが携帯する端末装置50に送信している。このため、操作者Uは、端末装置50に送信された試薬補充支援情報にしたがって各処理を行なうことによって、実際に補充対象として選択した試薬ボトルの試薬が分析装置内で使用可能となるまでに必要となる処理を正確に行なうことができる。
【0041】
また、管理システム1においては、試薬補充支援情報として、端末装置50によって実際に読取処理を行なった補充試薬に対する試薬調製方法とともにキャリブレーションの要否およびキャリブレーターの種別を端末装置50に送信している。このため、操作者は、試薬保管庫から補充対象の試薬を取り出したときに、キャリブレーション処理の要否とキャリブレーターの種別の双方がわかるため、補充するための試薬と一緒にキャリブレーション処理で使用するキャリブレーターを一度で取り出せ、キャリブレーターの取り出しのために改めて試薬保管庫に行く必要がなく、効率よく試薬補充作業を行なうことができる。
【0042】
なお、管理サーバ10は、補充用試薬読取情報をもとに端末装置50が実際に読取処理を行なった補充試薬が有効期限切れであると判断した場合には、この試薬ボトル内の試薬が有効期限切れであることを端末装置50に送信し、図11のメニューM5のように端末装置50が実際に読取処理を行なった補充試薬が有効期限切れであることを表示させて、有効期限切れの試薬ボトルの誤使用を防止してもよい。
【0043】
また、管理システム1においては、分析装置におけるキャリブレーション処理などの試薬ボトルの交換処理が正常に行なわれた場合には、分析装置に対して試薬交換処理が正常に行なわれた旨を管理サーバ10に送信させ、管理サーバ10は、分析装置から送信されたこの試薬交換処理が正常に行なわれた旨を端末装置50に送信し、図12に示すように、端末装置50に試薬交換完了メッセージを表示させてもよい。分析装置の操作者は、試薬セット後、分析装置近傍から離れていた場合であっても、携帯する端末装置50に表示されたメッセージを確認することによって、試薬交換処理が正常に行なわれたことを認識することができる。
【0044】
また、本実施の形態における管理システム1においては、読取機能を有する端末装置を利用して試薬保管庫内の試薬の在庫管理を行なうことも可能である。端末装置50においては、媒体読取部53は、試薬保管庫に新たに保管される試薬ボトルに付された記憶媒体71の情報を読み取り、通信処理部57は、媒体読取部53によって読み取られた新たに保管される試薬ボトルの情報を管理サーバ10に送信し、管理サーバ10は、端末装置50における通信処理部57によって送信された新たに保管される試薬ボトルの情報をもとに試薬保管庫内の試薬に対する在庫管理を行なう。具体的に、図13を参照して、管理システム1における試薬在庫管理処理について説明する。
【0045】
まず、試薬保管庫へ新たな試薬を補充する操作者Uは、自身が携帯する端末装置50が試薬ボトルに付された記憶媒体を読取可能となるように端末装置50を操作する。この操作によって入力部52から入力された指示情報をもとに、端末装置50の制御部51は、媒体読取部53が読取可能となる試薬媒体読取モードに設定する(ステップS112)。そして、操作者Uは、試薬保管庫へ新たに補充する試薬ボトルの記憶媒体71を端末装置50が読み取れるように取り出した試薬ボトル70の記憶媒体71上に端末装置50の媒体読取部53を掲げる。この結果、媒体読取部53は、試薬保管庫へ新たに補充する試薬ボトルの記憶媒体71の試薬情報を読み取る補充試薬媒体読取処理を行なう(ステップS114)。媒体読取部53は、試薬ボトル70に収容された試薬が使用される検査項目、試薬の名称、開封後有効期限、収容する試薬容量、ロット情報、ボトル情報などを試薬情報として読み取る。操作者は、全ての試薬ボトルに対する試薬情報の読み取りが終了した後、読み取った試薬情報を管理サーバ10に送信するよう端末装置50を操作する。この操作によって入力部52から読み取った補充試薬の試薬情報の送信を指示する指示情報が制御部51に入力される。制御部51は、この指示情報の受信の有無をもとに補充試薬の試薬情報を送信する指示があるか否かを判断し(ステップS116)、指示がないと判断した場合には(ステップS116:No)、ステップS114に戻って補充試薬媒体読取処理を継続し、指示があると判断した場合には(ステップS116:Yes)、媒体読取部53が読み取った補充試薬の試薬情報の全てを通信処理部57に送信させる(ステップS118)。管理サーバ10は、端末装置50から送信された新たに試薬保管庫に補充された試薬ボトルの試薬情報を受信し(ステップS122)、受信した試薬情報をもとに、データベース20内の試薬在庫情報を更新する(ステップS124)。
【0046】
このように、端末装置端末装置50に試薬保管庫へ新たに補充される試薬ボトルの記憶媒体を試薬保管庫への補充前に読み取らせるだけで、各操作者Uがわざわざ手入力などして在庫情報を更新しなくとも、正確な在庫管理を簡易に行なうことができる。
【0047】
また、図3においては、記憶媒体がバーコード記号である場合を例に説明したが、もちろんこれに限らず、所定周波数の電波を介して記憶する試薬情報の送信および記憶する試薬情報の書替えを行なうRFIDタグであってもよい。この場合、端末装置50の媒体読取部53は、所定周波数の電波を介して、記憶媒体の情報の読み取りおよび記憶媒体の情報の書替えを行なえる機能を持っていればよい。
【0048】
また、各操作者Uによる分析装置ログイン時に、ログインした操作者Uの端末装置への試薬補充支援情報の送信の要否を選択できるようにしてもよい。この場合、管理サーバ10は、試薬補充支援情報の送信を選択した操作者Uの端末装置50に対してのみ、試薬補充支援情報を送信すればよい。また、試薬補充支援情報の送信の要否は、操作者Uごとに予め設定してあってもよい。この場合、管理サーバ10は、予め試薬補充支援情報の送信が設定されている操作者Uの端末装置50に対してのみ、試薬補充支援情報を送信すればよい。
【0049】
また、上記実施の形態で説明した管理サーバ10および端末装置50は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記憶媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで管理サーバ10,210の処理動作を実現する。ここで、所定の記憶媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記憶媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク30を介して接続した他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで管理サーバ10および端末装置50の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施の形態1にかかる管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示すデータベースに記憶される試薬処理情報の一例を示す図である。
【図3】図1に示す分析装置にセットされる試薬ボトルを説明する図である。
【図4】図1に示す端末装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す管理システムによる試薬補充作業の支援処理における各処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図1に示す端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【図7】図1に示す端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【図8】図1に示す端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【図9】図1に示す端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【図10】図1に示す端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【図11】図1に示す端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【図12】図1に示す端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【図13】図1に示す管理システムによる在庫管理処理における各処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1 管理システム
10 管理サーバ
20 データベース
30 ネットワーク
50 端末装置
51 制御部
52 入力部
53 媒体読取部
54 記憶部
55 出力部
56 表示部
57 通信処理部
58 アンテナ
60 送受信装置
70 試薬ボトル
71 記憶媒体
A1〜B2 分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置に接続し該分析装置を管理する管理装置と、前記管理装置と通信可能である端末装置とを備え、前記分析装置に使用される試薬の管理を行なう管理システムにおいて、
前記管理装置は、前記分析装置において試薬不足が発生する場合、試薬不足が発生する分析装置および該分析装置への補充試薬を示す試薬不足情報と、前記補充試薬が前記分析装置内で使用可能となるまでに必要となる処理内容を示した試薬補充支援情報とを前記端末装置に送信することを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記試薬不足情報で示された補充試薬を収容した試薬ボトルの記憶媒体の試薬情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた補充試薬の試薬情報を前記管理装置に送信する送信手段と、
前記管理装置から送信された前記試薬不足情報および前記試薬補充支援情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記試薬不足情報および前記試薬補充支援情報を出力する出力手段と、
を有し、
前記管理装置は、
各試薬が分析装置内で使用可能となるまでに必要となる処理内容を各試薬ごとに対応づけた試薬処理情報を記憶するデータベースと接続し、
前記端末装置による前記補充試薬の試薬情報を受信した場合、該受信した試薬情報と前記データベースが記憶する試薬処理情報とをもとに、前記端末装置における読取手段によって試薬情報を読み取られた補充試薬に必要となる処理内容を判断し、該判断した処理内容を前記試薬補充支援情報として前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記端末装置においては、
前記読取手段は、前記受信手段によって受信された前記管理装置からの試薬不足情報が前記出力手段から出力された後に、該試薬不足情報に示された補充試薬を収容する試薬ボトルの記憶媒体を読み取ることを特徴とする請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記記憶媒体は、該記憶媒体が付された試薬ボトル内の試薬の識別情報およびロット情報を試薬情報として記憶し、
前記試薬処理情報は、各試薬の識別情報と、各試薬の調製方法、キャリブレーション処理タイミング、前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの種別または前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの調整方法とが対応づけられており、
前記試薬補充支援情報は、前記補充試薬の調製方法、前記補充試薬の補充時のキャリブレーション処理の要否、前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの種別または前記キャリブレーション処理に使用するキャリブレーターの調整方法を示すことを特徴とする請求項2または3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記端末装置においては、
前記読取手段は、試薬保管庫に新たに保管される試薬ボトルに付された記憶媒体の情報を読み取り、
前記送信手段は、前記読取手段によって読み取られた新たに保管される試薬ボトルの情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記端末装置における送信手段によって送信された新たに保管される試薬ボトルの情報をもとに前記試薬保管庫内の試薬に対する在庫管理を行なうことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の管理システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記分析装置の操作者に携帯されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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