説明

管継手の移動防止装置

【課題】受口と挿口との相対移動を防止している状態を外観から判別でき、管路の設計変更にも柔軟に対応可能で、受口に小段部が形成された管継手にも良好に適用することができる管継手の移動防止装置を提供すること。
【解決手段】受口1とこれに挿入接続された挿口2との管軸方向への相対移動を防止するための管継手の移動防止装置において、受口1の外周面から挿口2の外周面にわたって外嵌めされる筒状体をなし、受口1の外周面に対して管径方向から喰い込み可能な第1係止部11と、挿口2の外周面に対して管径方向から喰い込み可能な第2係止部12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受口とこれに挿入接続された挿口との管軸方向への相対移動を防止するための移動防止装置に関し、特に耐震管継手の伸縮機能を規制するための移動防止装置として有用である。
【背景技術】
【0002】
従来、図9に示すように、受口1の内周に形成された収納溝1dにロックリング4を収納し、挿口2の外周に形成した突部2aをロックリング4に係合可能とした耐震管継手が知られている。この種の管継手では、受口1と挿口2とが管軸方向に相対移動可能に構成され、管路の伸縮が一定範囲内で許容される。この管継手における伸縮代は、突部2aからロックリング4までの距離d1と、挿口2の先端2bから受口1の奥端1cまでの距離d2に対応したものとなり、地震等により管継手の抜出方向に力が作用したときには、突部2aがロックリング4に係合することで離脱を防止することができる。
【0003】
ところで、上記の如き伸縮機能を有する耐震管継手を、いわゆる不平均力が作用する範囲(曲管部やT字部、管端部など)に使用すると、管路が不平均力の作用方向に伸縮屈曲するおそれが生じる。そのため、不平均力が作用する範囲で耐震管継手を使用する場合には、その伸縮機能を規制する必要があり、従来では、図10に示すように、挿口2の先端2bと受口1の奥端1cとの間にライナー8をセットし、突部2aをロックリング4に近接させた状態で固定している(下記特許文献1,2参照)。なお、符号9は、ライナー8の芯出し用部材である。
【0004】
ところが、かかるライナーは、管継手を接続した状態において視認できないことから、作業者がセットし忘れていても直ぐに気付くことができないという問題があった。しかも、耐震管継手の接続を解除する作業は非常に煩雑であるため、ライナーを後付けすることが困難であり、管路の設計変更にも柔軟に対応できるものではなかった。このため、受口と挿口との相対移動を防止している状態を外観から判別でき、管路の設計変更にも柔軟に対応できる手法が強く望まれていた。
【0005】
下記特許文献3には、伸縮機能を有していない管継手に伸縮機能を付与することを目的とし、管継手に外嵌めされるハウジングの一端を挿口の外周面に係止するとともに、そのハウジングの他端を受口の小段部と管軸方向に係合させる耐震構造が記載されている。しかしながら、図9に示すように、受口1の小段部1bは、その高さ寸法Hが概して小さいうえ、なだらかに立ち上がるように形成される場合もあり、この小段部1bと管軸方向に係合させることが困難な場合がある。
【特許文献1】特開2004−162854号公報
【特許文献2】特開2003−202092号公報
【特許文献3】特開平10−122466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、受口と挿口との相対移動を防止している状態を外観から判別でき、管路の設計変更にも柔軟に対応可能で、受口に小段部が形成された管継手にも良好に適用することができる管継手の移動防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係る管継手の移動防止装置は、受口とこれに挿入接続された挿口との管軸方向への相対移動を防止するための管継手の移動防止装置において、受口の外周面から挿口の外周面にわたって外嵌めされる筒状体をなし、受口の外周面に対して管径方向から喰い込み可能な第1係止部と、挿口の外周面に対して管径方向から喰い込み可能な第2係止部と、を備えるものである。
【0008】
本発明に係る管継手の移動防止装置によれば、受口の外周面に第1係止部を喰い込ませるとともに、挿口の外周面に第2係止部を喰い込ませることで、受口と挿口との管軸方向への相対移動を防止できる。したがって、これを耐震管継手に適用した場合には、ライナーの代わりとして伸縮機能を規制することができる。しかも、管継手に外嵌めされるために後付けが可能となり、受口と挿口との相対移動を防止している状態を外観から判別できるとともに、管路の設計変更に柔軟に対応することができる。また、受口の外周面に対して第1係止部を管径方向から喰い込ませるため、受口の小段部の高さや形状に影響されることなく移動防止効果を発揮でき、受口に小段部が形成された管継手にも良好に適用することができる。
【0009】
本発明に係る管継手の移動防止装置は、前記第1係止部を有する受口側部材と前記第2係止部を有する挿口側部材とに分割されていてもよく、その場合、前記受口側部材と前記挿口側部材とが管継手の抜出方向に互いに係合可能に構成されていることが好ましい。
【0010】
移動防止装置が受口側部材と挿口側部材とに分割されていることにより、管種の違いにより受口の形状が異なる場合には、受口側部材を変えるだけで済み、挿口側部材については様々な管種で共通して利用することができる。また、受口側部材と挿口側部材とが管継手の抜出方向に互いに係合することで、受口と挿口との抜出方向への相対移動を防止することができる。
【0011】
上記において、前記第1係止部が、内周に喰い込み爪が形成された抜け止め部材を保持しており、管継手の抜出方向に力が作用したときに、前記抜け止め部材が受口の外周面に押圧されるように構成されていることが好ましい。これにより、受口の外周面に対する第1係止部の係止作用を高めて、受口に小段部が形成された管継手に対して良好に適用できるとともに、受口と挿口との相対移動をより確実に防止できる。
【0012】
上記において、受口の端面を管軸方向に押圧可能な押圧部材を備え、前記押圧部材により受口の端面を押圧したときの反力を利用して、前記抜け止め部材を受口の外周面に押圧可能に構成されているものが好ましい。この場合、押圧部材を操作することで、第1係止部の抜け止め部材を受口の外周面に強固に喰い込ませることができ、受口と挿口との相対移動をより確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る管継手の移動防止装置の第1実施形態を示す部分断面図である。図2は、その移動防止装置を管軸方向から見た図であり、図1の上半分は図2のA−A矢視断面に相当する。図3は、図2のB−B矢視断面である。
【0015】
この管継手の移動防止装置10は、一方の管P1の受口1と、これに挿入接続された他方の管P2の挿口2とが、管軸方向(図1の左右方向)に相対移動するのを防止するものである。管P1,P2は、水やガスなどを輸送するための流体管であり、例えば鋳鉄やダクタイル鋳鉄よりなる。管P1は、受口1にフランジが形成されていない非フランジタイプの管であって、受口1の端面1a近傍には小段部1bが形成されている。受口1の外周面は、端面1aに向かって径寸法を漸増させていて、緩やかなテーパ状をなしている。
【0016】
シール材3は、受口1の内周面と挿口2の外周面との間を密封する円環状部材であり、例えばスチレンブタジエンゴム等の合成ゴムよりなる。この管継手は、いわゆるスリップオンタイプの管継手であり、受口1の内周に形成された嵌合溝1eにシール材3を嵌合し、その状態で挿口2を受口1に挿入することで、シール材3を圧縮して所要の密封状態が得られるように構成されている。
【0017】
本実施形態の管継手は、伸縮機能及び離脱防止機能を有する耐震管継手である。受口1の内周に形成された収納溝1dにはロックリング4が収納され、挿口2の外周に形成された突部2aがロックリング4に係合可能に構成されている。また、管軸方向への伸縮が一定範囲内で許容されており、突部2aからロックリング4までの距離と、挿口2の先端2bから受口1の奥端1cまでの距離に対応した伸縮代が設けられている(図9参照)。なお、符号5は、ロックリング4の芯出し用ゴムである。
【0018】
移動防止装置10は、受口1の外周面から挿口2の外周面にわたって外嵌めされる筒状体をなし、図2に示すような二つ割り構造であるとともに、その分割部を締結具19により連結固定されている。移動防止装置10は、受口1の外周面に対して管径方向から喰い込み可能な第1係止部11と、挿口2の外周面に対して管径方向から喰い込み可能な第2係止部12とを備える。
【0019】
第1係止部11には、周方向に延びる一対の直爪11aが管軸方向に間隔をおいて突設されており、また、第2係止部12にも、周方向に延びる一対の直爪12aが管軸方向に間隔をおいて突設されている。直爪11aは、受口1の外周面に対して管径方向から喰い込んで係止し、直爪12aは、挿口2の外周面に対して管径方向から喰い込んで係止する。これらの喰い込みの度合いは、締結具19を操作することにより調整できる。なお、第1係止部11は、小段部1bの外周面上に配置されていても構わない。
【0020】
本実施形態では、第1係止部11と第2係止部12とがアーム部14,15を介して一体化され、両係止部11,12が同一の部材に設けられている。アーム部14は、図2の上方と下方に一箇所ずつ設けられ、受口1の端面1aに対して管軸方向に当接するように屈曲形成されている。なお、アーム部14の本数は特に限られず、上下に複数ずつ設けてもよい。アーム部15は、前述した分割部に設けられていて、締結具19を挿通するための孔15aを有している。
【0021】
この移動防止装置10を管継手に外嵌めして取り付け、第1係止部11を受口1の外周面に喰い込ませると共に、第2係止部12を挿口2の外周面に喰い込ませることにより、受口1と挿口2との管軸方向への相対移動を防止することができる。したがって、管路の曲管部などに施工される耐震管継手に適用すれば、ライナーを使用せずとも伸縮機能を規制することができ、通水時の不平均力による伸縮を防止できる。
【0022】
この管継手では、受口1の外周面が端面1aに向かって径寸法を漸増させていることから、管継手の抜出方向への力が作用したときには、第1係止部11が受口1の外周面に強く押圧されて係止作用が高められる。一方、管継手の挿込方向への力が作用したときには、移動防止装置10がアーム部14にて端面1aにより受け止められるため、第1係止部11による係止が簡単に外れないようになっている。
【0023】
移動防止装置10が管継手に取り付けられているか否かは一目瞭然であり、受口1と挿口2との相対移動を防止している状態を、外観から容易に判別することができる。また、移動防止装置10は、管継手の接続後において簡易に着脱することができ、管路の設計変更にも柔軟に対応することができる。本発明では、受口1の外周面に対して第1係止部11を管径方向から喰い込ませることから、受口1の小段部1bの高さや形状に影響されることなく移動防止効果を発揮でき、受口1に小段部1bが形成された管継手にも良好に適用することができる。
【0024】
移動防止装置10は、上述したような不平均力による伸縮を防ぐ程度に、受口1と挿口2との相対移動を防止すればよく、地震などにより管軸方向への巨大な力が作用した場合には移動防止効果が発揮されなくても構わない。地震が発生して、第1係止部11又は第2係止部12による係止作用が効かなくなった状況では、挿口2の突部2aがロックリング4に係合することで、或いは挿口2の先端2bが受口1の奥端1cに当接することで、それ以上の変位が起こらない。
【0025】
[第2実施形態]
図4は、本発明に係る管継手の移動防止装置の第2実施形態を示す部分断面図である。図5は、その移動防止装置を管軸方向から見た図であり、図4の上半分は図5のC−C矢視断面に相当する。第2実施形態は、以下に説明する構成の他は、第1実施形態と同様の構成・作用であるので、主に相違点について説明する。なお、第1実施形態で説明した部材、部位と同一の部材、部位には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0026】
第2実施形態では、図4に示すように、移動防止装置20が、受口1の外周面から挿口2の外周面にわたって外嵌めされる筒状体をなしつつ、第1係止部21を有する受口側部材25と、第2係止部22を有する挿口側部材26とに分割されている。
【0027】
受口側部材25は、受口1の外周面から挿口2の外周面にわたって外嵌めされ、その一端に第1係止部21が設けられると共に、その他端にアーム部25aが略円環状に設けられている。挿口側部材26は、挿口2の外周面に外嵌めされ、その一端に第2係止部22が設けられると共に、その他端にアーム部26aが周方向の4箇所に設けられている。なお、アーム部26aの本数は特に限られず、管径等に応じて周方向の2箇所に設けることもできる。アーム部25a,26aは、それぞれ先端が屈曲していて、管継手の抜出方向に互いに係合している。
【0028】
第1係止部21には、周方向に延びる一対の直爪21aが管軸方向に間隔をおいて突設されている。また、第2係止部22には、受口1に向かって天井面を拡径させた内周溝22aが形成されており、これに抜け止め部材23が収容されている。抜け止め部材23には、その内周に管軸方向に間隔をおいて一対の喰い込み爪23aが形成され、その外周面は受口1に向かって拡径するように傾斜している。
【0029】
この移動防止装置20を管継手に外嵌めして取り付け、第1係止部21を受口1の外周面に喰い込ませると共に、第2係止部22を挿口2の外周面に喰い込ませることにより、受口1と挿口2との管軸方向への相対移動を防止できる。各係止部21,22の喰い込みの度合いは、締結具28,29を操作することで調整できる。
【0030】
この管継手では、第2係止部22において、上記の如き内周溝22aに抜け止め部材23が収容されていることから、管継手の抜出方向に力が作用した際には、くさび効果により抜止め部材23が挿口2の外周面に強く押圧されて係止作用が高められる。一方、管継手の挿込方向への力が作用したときには、移動防止装置20が受口側部材25のアーム部25aにて端面1aにより受け止められるため、第1係止部21による係止が簡単に外れないようになっている。
【0031】
本実施形態では、移動防止装置20が受口側部材25と挿口側部材26とに分割されていることにより、管種の違いにより受口1の形状が異なる場合には、受口側部材25を変えるだけで済み、挿口側部材26については様々な管種で共通して利用することができる。
【0032】
本発明では、移動防止効果が受口1の小段部1bの高さや形状に影響されることがないため、本実施形態のように受口1の小段部1bにて第1係止部21を係止することも可能である。これにより、小段部1bと管軸方向に係合させる場合に比べて装置がコンパクトになるため、取り扱いが簡便になると共に軽量化に寄与しうる。
【0033】
[第3実施形態]
図6は、本発明に係る管継手の移動防止装置の第3実施形態を示す部分断面図である。図7は、その移動防止装置を管軸方向から見た図であり、図6の上半分は図7のD−D矢視断面に相当する。第3実施形態は、以下に説明する構成の他は、第1,2実施形態と同様の構成・作用であるので、主に相違点について説明する。なお、第1実施形態で説明した部材、部位と同一の部材、部位には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0034】
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、移動防止装置30が、受口1の外周面から挿口2の外周面にわたって外嵌めされる筒状体をなしつつ、第1係止部31を有する受口側部材35と、第2係止部32を有する挿口側部材36とに分割されている。
【0035】
受口側部材35は、受口1の外周面に外嵌めされ、小段部1bの外周面と端面1aとに対向するように、L字状の断面形状を有している。そして、小段部1bの外周面に対向する部位に第1係止部31が設けられ、端面1aに対向する部位に雌ねじ状の挿通孔34aが形成されている。挿通孔34aは、周方向の複数箇所(本実施形態では4箇所)に形成されている。
【0036】
第1係止部31には、受口1から遠ざかる方向(図6における左方向)に向かって天井面を拡径させた内周溝31aが形成されており、これに抜け止め部材33が収容されている。抜け止め部材33は、周方向に一つ割り或いは周方向に複数に分断されていて、その内周に多数の喰い込み爪33aが形成されている。また、挿通孔34aには、雄ねじである押圧ボルト34(前記押圧部材に相当する。)が螺合されており、受口1の端面1aを管軸方向に押圧可能に構成されている。
【0037】
挿口側部材36は、挿口2の外周面から受口1の外周面にわたって外嵌めされ、その一端に第2係止部32が設けられると共に、その他端にアーム部36aが周方向の4箇所に設けられている。なお、アーム部36aの本数は特に限られず、管径等に応じて周方向の2箇所に設けることもできる。アーム部36aは、受口側部材35を覆うようにして延びており、受口側部材35と管継手の抜出方向に係合するように先端を屈曲させている。
【0038】
第2係止部32には、受口1に向かって天井面を拡径させた内周溝32aが形成されており、これに抜け止め部材37が収容されている。抜け止め部材37には、その内周に管軸方向に間隔をおいて一対の喰い込み爪37aが形成され、その外周面は受口1に向かって拡径するように傾斜している。
【0039】
この移動防止装置30を管継手に取り付ける際には、まず、図8(a)に示すように受口側部材35を受口1に外嵌めし、締結具38を締め付けて固定する。次に、図8(b)に示すように、押圧ボルト34により受口1の端面1aを管軸方向に押圧し、その反力により受口側部材35を受口1から遠ざかる方向に移動させ、くさび効果により抜け止め部材33を受口1の外周面に強く喰い込ませる。このように、本実施形態では、受口1の外周面に対して第1係止部31を容易且つ確実に係止させることができる。
【0040】
かかる構造によれば、受口側部材35を取り付ける段階で、第1係止部31をくさび効果により強固に係止させることができるため、本実施形態のように受口1の小段部1bにて第1係止部31を係止させる場合において特に有用となる。なお、本実施形態では、受口1の外周面が端面1aに向かって径寸法を漸増させていることから、内周溝31aの天井面は管軸方向に平行であっても構わない。
【0041】
続いて、図6に示すように挿口側部材36を外嵌めし、締結具39を締め付けて固定する。図6の例ではアーム部36aが受口側部材35に当接しているが、これに制限されず、アーム部36aの先端と受口側部材35との間に、管軸方向の間隔を設けても構わない。また、図6の例では、挿口側部材36の第2係止部32から管径方向に立ち上がる部分と受口側部材35との間に、管軸方向の間隔を設けているが、これらが当接するように挿口側部材36を外嵌めしても構わない。
【0042】
本実施形態では、管継手の抜出方向への力が作用したときに、第1係止部31が受口1の外周面に更に押圧されるため、係止作用が効果的に高められる。一方、管継手の挿込方向への力が作用したときには、移動防止装置30挿口側部材36が、受口側部材35を挟んで端面1aにより受け止められる。
【0043】
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。したがって、移動防止装置を周方向に三つ割り構造としたり、抜け止め部材の形状を変更したりしてもよい。また、ロックリングを内蔵しない非耐震構造の管継手に本発明の移動防止装置を取り付けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る管継手の移動防止装置の第1実施形態を示す部分断面図
【図2】図1の移動防止装置を管軸方向から見た図
【図3】図2のB−B矢視断面図
【図4】本発明に係る管継手の移動防止装置の第2実施形態を示す部分断面図
【図5】図4の移動防止装置を管軸方向から見た図
【図6】本発明に係る管継手の移動防止装置の第3実施形態を示す部分断面図
【図7】図6の移動防止装置を管軸方向から見た図
【図8】受口側部材を取り付ける様子を説明する図
【図9】耐震管継手の一例を示す断面図
【図10】図9の耐震管継手にライナーを装着したときの断面図
【符号の説明】
【0045】
1 受口
1a 端面
1b 小段部
1c 奥端
2 挿口
2a 突部
3 シール材
4 ロックリング
10,20,30 移動防止装置
11,21,31 第1係止部
12,22,32 第2係止部
25,35 受口側部材
26,36 挿口側部材
33 抜け止め部材
34 押圧ボルト(押圧部材)
P1,P2 管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受口とこれに挿入接続された挿口との管軸方向への相対移動を防止するための管継手の移動防止装置において、
受口の外周面から挿口の外周面にわたって外嵌めされる筒状体をなし、
受口の外周面に対して管径方向から喰い込み可能な第1係止部と、挿口の外周面に対して管径方向から喰い込み可能な第2係止部と、を備えることを特徴とする管継手の移動防止装置。
【請求項2】
前記第1係止部を有する受口側部材と前記第2係止部を有する挿口側部材とに分割されていて、前記受口側部材と前記挿口側部材とが管継手の抜出方向に互いに係合可能に構成されている請求項1に記載の管継手の移動防止装置。
【請求項3】
前記第1係止部が、内周に喰い込み爪が形成された抜け止め部材を保持しており、管継手の抜出方向に力が作用したときに、前記抜け止め部材が受口の外周面に押圧されるように構成されている請求項1又は2に記載の管継手の移動防止装置。
【請求項4】
受口の端面を管軸方向に押圧可能な押圧部材を備え、前記押圧部材により受口の端面を押圧したときの反力を利用して、前記抜け止め部材を受口の外周面に押圧可能に構成されている請求項3に記載の管継手の移動防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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