説明

管継手

【課題】管継手において液密性を保持しつつ容易に装着を可能ならしめる。
【解決手段】押輪30の移動に伴って弾性伸縮性パッキン20の背面部21が押圧されることにより、パッキン先端22がスリーブ端面11に接触して支持されるとともに、後端縁23がスリーブ方向に移動せしめられつつ前記内周面24が後端側から縮径して、スリーブ内に挿入された管P1の外面Psに接するように構成されている管継手1により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道管、ガス管、プラント用配管等の流体管の管端間に装着して、管同士を接続するとともに当該接続部を密封する管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
水道管等の流体管は、設置後に、管路の温度伸縮変位、地盤沈下等による配管の芯ずれ変位、地震等による管軸方向または管軸直行方向の変位、これらの複合変位等の様々な変位に起因して外力を受けるため、これらの外力による管の破損を防止するために、管に加わる外力を吸収あるいは開放する措置を講ずる必要がある。
このような管に加わる、各種変位に起因する外力を吸収あるいは拡散は、一般的には、管同士の接続に用いられる管継手において行われている。
具体的には、管端同士に跨って設置する管継手と、管端あるいは管端外面との間に弾性伸縮性のパッキンを介在させるなどして、管接続部の密封性を保持するとともに、外力の吸収あるいは拡散を図るようにすることが行われている。
【特許文献1】特開2005−3064号公報
【特許文献2】特開2003−247679
【特許文献3】特開2002−188775
【特許文献4】特開2000−291857
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の管継手の形態は、(1)パッキンの機能が主に液密機能や気密機能などの密封機能の発揮にあって、パッキンが押輪等と管端との間において両者に隙間なく圧着されるように構成されており、外力の吸収、拡散という点では、十分とは言えなかった。(2)また、押輪をスリーブに対してボルト固定する形態が一般的で、これらの間に介在されるパッキンの変形の自由度がほとんどなく外力吸収が十分には行えてはいなかった。(3)さらに、従来形態は、いずれもボルト締結作業、パッキン嵌め込み作業等を各種分離して行わなければ装着できず、現場に各種部品を分解した状態で搬送しなければならないとともに、組立ておよび連結作業に、煩雑な操作を要していた。
そこで、本発明の主たる課題は、継手の密封機能を発揮させつつ、配管系に生ずる様々な変位に伴う応力を吸収して配管系を外力から保護することができるとともに、取り付けの容易性に優れる管継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
両端から接続すべき管端が挿入されるスリーブと、このスリーブの各端面側にそれぞれ位置された環状の弾性伸縮性パッキンと、弾性伸縮性パッキンを押圧するための押輪と、この押輪を対面する他の押輪方向に移動せしめるとともに適当位置で保持する押輪移動保持手段と、を備え、
前記弾性伸縮性パッキンは、スリーブ端面に対面する先端からスリーブ外方側の後端に向かって円弧状の背面を形成しつつ窄まる断面略円弧形状をなし、
かつ前記先端に軸心方向に突出する先端側縁片を有しているととともに、後端縁からスリーブ方向に向かって先窄となるテーパー状の内周面を有し、
さらに、この内周面の先端側がスリーブ方向に突出する突出縁片の一部であり、その内周面の最小直径部となる前記突出縁片先端の内径が、前記押輪の移動前において、押輪またはスリーブの内径よりも大径であり、
前記押輪の移動に伴って、前記背面部が押圧されることにより、前記先端がスリーブ端面に接触して支持されるとともに、後端縁がスリーブ方向に移動せしめられつつ前記内周面が後端側から縮径して、前記内周面がスリーブ内に挿入された管の外面に接するように構成されている、ことを特徴とする管継手。
【0005】
(作用効果)
本発明では、環状のパッキンが弾性伸縮性であり、断面略円弧形状をなしている。そして、押輪の移動に伴う円弧背面部の押圧によって、先端がスリーブ端面に、内周面が管外面にそれぞれ圧接するように構成されている。すなわち、本発明における弾性伸縮性パッキンは、装着状態(使用状態)では先端が軸心方向に、他端が軸心と垂直な方向に、それぞれ向かってある程度収縮した伸縮可能状態で各部位に周接している。従って、この管継手(スリーブ)内に挿入された管が、各種変位によって外力を受けスリーブ内の管端が管軸方向あるいはこれと垂直方向等に移動したり、あるいは角度がずれたり、両管端の芯ずれ、振れなどが生じたりしても、パッキンが各方向に適宜さらなる収縮あるいは伸張して管の動きに追随し、もって圧接性(密封性)を保持しつつ前記外力の吸収あるいは拡散がなされる。なお、本発明における密封機能とは、水を対象とする水密機能、その他の液体を対象とする液密機能、気体を対象とする気密機能のほか、粉体を対象とする粉密機能を含む意味である。
さらに、本発明の弾性伸縮性パッキンは、スリーブ端面に接する先端に軸心方向に突出する先端側縁片を有し、管外面に接する内周面の先端側がスリーブ方向に突出する突出縁片の一部とされている。従って、管継手装着状態では、各縁片が、リップシール機能を果たす。
詳述すると、管外面とスリーブとの間を通ってきた水やガスなどの流体は、スリーブ端面にまで到達したさいに両縁片間に誘導される。そしてその流体の流入圧によって先端側縁片がスリーブ端面に押し付けられるように開き、突出縁片が管外面に押し付けられるように開き、いわゆるリップタイプのオートマチックシール機能(クローサージョイント機能とも呼ばれる)が発揮される。
このようなオートマチックシール機構であるため、弾性伸縮性パッキンは、両者(管外面とスリーブ端面)に対して強固に圧接している必要がなく、伸縮可能な余裕のある状態でスリーブ端面および管外面に接する構成とすることができる。また、高寿命であり押輪の増締め頻度も少ないものとなる。
また、本発明は、押輪の移動のみによって、パッキンの管外面への圧接と開放とが選択される。従って、装着にあたって接続すべき管端を適当位置まで挿入して押輪の移動を行うだけで、両管端を簡易に連結することができる。
【0006】
<請求項2記載の発明>
前記押輪の押圧面が、弾性伸縮性パッキンの背面円弧形状に沿う形状に形成されている請求項1記載の管継手。
【0007】
(作用効果)
請求項2記載の発明は、押輪の押圧面をパッキンの背面円弧形状に沿う形状としたことにより、弾性伸縮性パッキンが当該押輪の押圧面に沿って誘導されつつ撓むように変形されるため、押輪の移動に起因するパッキンの意図しない形状への変形が防止される。
【0008】
<請求項3記載の発明>
前記押輪移動保持手段が、押輪の周方向に間隔を開けて複数設けられた貫通孔と、少なくとも両端部に雄螺子部を有する棒状部材と、この両端の雄螺子部にそれぞれ螺合されるナットとを備え、
前記棒状部材が、対面する押輪に貫通孔間に掛け渡されているとともにスリーブ外周囲に位置され、かつ、ナットが、押輪の外方から前記雄螺子部に螺合されている、請求項1または2記載の管継手。
【0009】
(作用効果)
請求項3記載の発明は、両端の押輪間にスリーブがパッキン介在状態で位置せしめられるため、押輪とスリーブとの連結が不要である。従って、押輪がスリーブに規制されることなく別個に軸心垂直方向にも移動されるようにすることができ、もって、パッキンが押輪とスリーブとの連結によって規制を受けることなく変形でき、より管に加わる外力の吸収、拡散性を発揮できるものとなる。
また、請求項3記載の発明は、一方側のナットの締め付けあるいは開放によって、押輪を移動させることも可能である。もってより簡易にパッキンの管外面への圧接と開放とが選択可能である。
また、現場での取り付けに際して、管端に全部品を完成状態で仮固定して移動、出荷することがより容易にできるとともに、取り付けるにあたっては、接続すべき他の管(仮固定されていない管端)の管端を両端から適当位置まで挿入してナット締めを行うだけで、両管端を極めて簡易に密封状態に連結することができる。
【0010】
<請求項4記載の発明>
前記弾性伸縮性パッキンの、内周面の最小直径部となる前記突出縁片先端の内径が、押輪またはスリーブの内径よりも大径である請求項1〜3の何れか1項に記載の管継手。
【0011】
(作用効果)
弾性伸縮性パッキンの内周面の最小径部の内径を、押輪またはスリーブの内径よりも大径としたため、接続すべき管端を当該パッキンの内周を通しつつスリーブ内に容易に挿入できる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、本発明によれば、継手の密封機能を発揮させつつ、配管系に生ずる様々な変位に伴う外力を吸収して配管系を外力から保護することができるとともに、取り付けの容易性に優れる管継手が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次いで、本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。図1は、本形態にかかる管継手の押輪移動前(装着前)の状態を示す図である。図2は、その一部拡大図である。
【0014】
本形態にかかる管継手1は、両端から接続すべき管端が挿入されるスリーブ10と、このスリーブ10の各端面11,11側にそれぞれ位置された環状の弾性伸縮性パッキン20,20と、弾性伸縮性パッキン20,20を押圧するための押輪30,30と、この押輪30,30を対面する他の押輪方向に移動せしめるとともに適当位置で保持する押輪移動保持手段32,40〜43と、を備える。
【0015】
前記スリーブ10は、接続すべき管P1,P2よりも若干大径の円筒形状鋼管であり、その端面11は軸心に対してほぼ垂直に形成されている。なお、本形態のスリーブ10が、端部および中央部が同一径の円筒形状であるが、例えば、中央部が端部に比して拡径された形状であってもよい。
【0016】
前記弾性伸縮性パッキン20,20は、天然ゴム、合成ゴムなどの既知の各種弾性伸縮性材料で形成され、外力により伸張したり収縮したりする縮弾性伸縮性を有する。
【0017】
この弾性伸縮性パッキン20,20の形状は、前記スリーブ端面11,11に周縁に沿って接するように環状であるとともに、スリーブ端面11がわに位置される先端22からスリーブ外方がわ位置の後端23に向かって円弧状の背面21を形成しつつ窄まる断面略円弧形状をなしており、前記先端22には、軸心方向に突出する先端側縁片22Aが形成され、この先端側縁片22Aがスリーブ端面11に接して適当時にリップシール機能を発揮する。
【0018】
他方、弾性伸縮性パッキン20の後端縁23からは、スリーブ10方向に向かって先窄となるテーパー状の内周面24が形成され、この内周面24の先端側はスリーブ方向に突出する突出縁片25の一部となっており、この突出縁片25は、後述する適当時に接続すべき管P1の外周面Psに接してリップシール機能を発揮する。
【0019】
さらに、弾性伸縮性パッキン20は、前記内周面24の最小直径部となる前記突出縁片25の先端の内径が、図示例の如く押輪30の移動前においては、押輪30の内径よりも若干大径となるように構成されていて、スリーブ10内に接続すべき管P1,P2の管端が挿入しやすいように構成されている。
【0020】
一方、押輪30は、鋼製の環状部材であり、内径はスリーブ10よりも若干小径であり外径はスリーブ10よりも大径に構成されている。なお、当然であるが、内径は接続すべき管P1,P2の外径よりは大きく構成されている。
【0021】
他方、押輪30は、前記弾性伸縮性パッキン20の背面側に位置されていて、スリーブ10に対面する部位(弾性伸縮性パッキンの背面と対面する部位)に弾性伸縮パッキン20を実質的に押圧する押圧部31が形成されている。押輪のパッキン押圧面31Sは、弾性伸縮性パッキン20の背面円弧形状に沿うようにパッキン円弧形状背面部21の曲率半径と同一あるいはほぼ同様の曲率半径をもって湾曲して形成されており、前記押輪30をパッキン20方向に移動せしめると、まず弾性伸縮部性パッキンの20円弧形状背面21が押輪30の押圧部31に嵌るようにして押圧面31Sに面接した後に押圧がなされる。
【0022】
一方、前記押輪移動保持手段は、前記押輪30の押圧面31Sよりも外周側においてその周方向に適宜間隔で設けられた複数の貫通孔32,32と、少なくとも両端部に雄螺子部41,41を有する棒状部材40と、この両端の雄螺子部41,41にそれぞれ螺合されるナット42,42とで構成されている。
【0023】
前記棒状部材40は、対面する押輪30,30に貫通孔32,32間に掛け渡されているとともにスリーブ10の外周囲に位置されている。ナット42,42は、押輪30,30の外方から前記雄螺子部41,41に螺合されており、その大きさは前記貫通孔32,32に通らない大きさである。ナット42,42を回して棒状部材40,40の螺子部41,41上を押輪30,30方向に移動させ、押輪端面に当接されたところでさらにナット42,42をさらに締め込むことで、前記押輪30,30がスリーブ10方向に移動せしめられる仕組みである。
【0024】
なお、本形態の前記棒状部材40は、一端部に雄螺子41が形成されているボルト40Aの他端部を中空の延長棒43に差し込むとともに溶接して所定長さを確保するように構成したものであるが、対面する押輪の貫通孔に掛け渡し可能な長さの両螺子ボルト、全螺子ボルトを用いることも可能である。
【0025】
次いで、本形態の管継手の装着機構および利用態様例を説明する。
装着機構としては、まずナット42,42を緩めた状態で、管継手両端からスリーブ内に接続すべき管端を挿入された状態にする。ナット42,42を緩めた状態では、弾性伸縮性パッキン20,20、押輪30,30、スリーブ10の内径は、接続すべき管P1,P2よりも大径であるため、管端の挿入は容易になすことが可能である。
【0026】
そして、前記ナット42を回して棒状部材40の雄螺子部41上を押輪30,方向に移動させ、押輪端面に当接されたところでさらにナット42をさらに締め込み、前記押輪30をスリーブ10方向の適当位置にまで移動せしめる。
【0027】
前記押輪30を弾性伸縮性パッキン20方向に移動せしめると、まず弾性伸縮部性パッキン20の円弧形状背面21が押輪30の押圧部31に嵌るようにして押圧面31Sに面接した後に押圧が開始される。当該押輪30の押圧面31Sによって弾性伸縮パッキン20の円弧形状背面部21がスリーブ外方側から押圧されると、弾性伸縮性パッキン20は背面形状を維持しつつ伸縮あるいは移動させられ、弾性伸縮性パッキン20の先端22がスリーブ端面11に接触して支持されるとともに、後端縁23がスリーブ10方向に移動せしめられつつ前記内周面24が後端側から縮径して、前記内周面24がスリーブ内に挿入された管P1の外面Psに接する。そして、しかるのちに押輪30の移動により前記弾性伸縮性パッキン20の収縮にともなう伸張力および推進力が弾性伸縮パッキン20の両端部22,24にそれぞれ好適に分散して加わり、前記先端22がスリーブ端面11に圧接されるとともに内周面24が管外面Psに圧接される。
【0028】
そしてこの状態では、接続される管P1,P2は、押輪30およびスリーブ10との間に若干の遊びをもって挿入されているとともに、弾性伸縮性パッキン20が軸心方向Aおよび内外周方向Bにさらに伸縮可能な状態で周接している。従って、接続すべき管P1,P2が各種変位による外力によってずれたりすることがあっても、弾性伸縮性パッキン20が、管P1,P2の移動に追随することができ、密封性を失うことがない。かくして、本形態の管継手により、管同士が密封状態に連結される。なお、本発明における密封機能は、水等の液体、各種ガス等の気体のほか粉体に対しても機能するが、流動性と流入圧との関係から液体に対して特に好適に機能する。
【0029】
さらに、利用態様例を示すと、まず、図6に示されるように、出荷前の保管時や現場までの移動時など非使用状態においては、接続すべき二つの管のうちの何れか一方の管P1の管端の仮固定しておく。すなわち、管継手1に一方の管端P1を完全に挿通させて管端が露出した状態で、管継手1両端側の前記ナット42,42を締め付けて押輪30,30を移動させ、管継手1自体が管端から離脱しない程度にパッキン内周面24の管外面Psへの圧接機能を発揮させる。この状態で、管継手1を現場等に移動せしめ、管P1の管継手仮固定端を、接続すべき他の管P2の管端に対面させる(図1に示す状態)。
【0030】
かかる対面状態とした後には、一旦、管継手1のナット42,42…を緩め弾性伸縮性パッキン20,20の機能を解除する。そして、パッキン機能が解除された状態で、管継手1を他の管端P2側にスライドさせてずらしつつ他の管端を管継手内に挿入する。
【0031】
両管端の中心がほぼスリーブ10の中心位置となるまで、スライドがなされたならば、前記ナット42,42を再度締めて、弾性伸縮性パッキン機能を発揮させて対面する両管の接続を完了する。(図3に示す状態)
【0032】
(その他の形態等)
本発明においては、押輪移動保持手段は、図示はしないが、例えば、スリーブ端に外周面側に突出するフランジ部を形成するとともに、このフランジ部にボルト孔を形成し、このボルト孔と押輪の貫通孔とに両端部あるいは全部に螺子が切られたボルトを掛け渡し、その両端螺子部にナットを螺合して締め付けることにより、押輪を移動保持するものとすることができる。この形態では、スリーブ両端の押輪をそれぞれ関連無くスリーブ方向におのおの移動せしめることが可能である。
【0033】
なお、上記形態では、管継手を鋼製として説明したが、特にこれに限定されるわけではない。管継手の構成部材の材質は、使用状況等に合わせて、種々選定する。また、本発明の管継手は、接続すべき管の材質に関わらず適用することが可能である、例えば、接続すべき管は、鋼管等の金属管であってもよいし、いわゆるポリ管とよばれる可撓性材管であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、水道管、ガス管、プラント用配管等の各種流体管のほか、流体容器同士を密封状態に保持しつつ連結する継手にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本形態の管継手のパッキン機構非作用時の態様を示す一部断面図である。
【図2】図1の一部を拡大した断面図である。
【図3】本形態の管継手の装着時(管端連結後)の態様を示す一部断面図である。
【図4】図3の一部を拡大した断面図である。
【図5】図3の管継手および管のα視、β視を示す一部断面図である。
【図6】本形態の管継手の装着前(仮固定時)の態様を示す一部断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…管継手、10…スリーブ、11…スリーブ端面、12…スリーブ外周面、13…スリーブ内周面、20…弾性伸縮パッキン、21…弾性伸縮性パッキンの円弧形状背面部、22…弾性伸縮性パッキンの先端、22A…先端側縁片、23…弾性伸縮性パッキンの後端(縁)、24…弾性伸縮性パッキンの内周面、25…突出縁片、30…押輪、31…パッキン押圧部、31S…パッキン押圧面、32…貫通孔、33…押輪内周面、40…棒状部材、40A…ボルト、41…雄螺子部、42…ナット、43…延長棒、P1,P2…被接続管、Ps…管外面、A…軸心方向、B…軸心と垂直な方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端から接続すべき管端が挿入されるスリーブと、このスリーブの各端面側にそれぞれ位置された環状の弾性伸縮性パッキンと、弾性伸縮性パッキンを押圧するための押輪と、この押輪を対面する他の押輪方向に移動せしめるとともに適当位置で保持する押輪移動保持手段と、を備え、
前記弾性伸縮性パッキンは、スリーブ端面に対面する先端からスリーブ外方側の後端に向かって円弧状の背面を形成しつつ窄まる断面略円弧形状をなし、
かつ前記先端に軸心方向に突出する先端側縁片を有しているととともに、後端縁からスリーブ方向に向かって先窄となるテーパー状の内周面を有し、
さらに、この内周面の先端側がスリーブ方向に突出する突出縁片の一部であり、
前記押輪の移動に伴って、前記背面部が押圧されることにより、前記先端がスリーブ端面に接触して支持されるとともに、後端縁がスリーブ方向に移動せしめられつつ前記内周面が後端側から縮径して、前記内周面がスリーブ内に挿入された管の外面に接するように構成されている、ことを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記押輪の押圧面が、弾性伸縮性パッキンの背面円弧形状に沿う形状に形成されている請求項1記載の管継手。
【請求項3】
前記押輪移動保持手段が、押輪の周方向に間隔を開けて複数設けられた貫通孔と、少なくとも両端部に雄螺子部を有する棒状部材と、この両端の雄螺子部にそれぞれ螺合されるナットとを備え、
前記棒状部材が、対面する押輪に貫通孔間に掛け渡されているとともにスリーブ外周囲に位置され、かつ、ナットが、押輪の外方から前記雄螺子部に螺合されている、請求項1または2記載の管継手。
【請求項4】
前記弾性伸縮性パッキンの、内周面の最小直径部となる前記突出縁片先端の内径が、押輪またはスリーブの内径よりも大径である請求項1〜3の何れか1項に記載の管継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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