説明

管路内の排気構造及び排気方法

【課題】 伏越し管きょ内を流れる水に含まれる空気をより確実に収集することのできる管路内の排気構造を提供する。
【解決手段】 上流側の高い位置に設けられた上流側管路12と、下流側の上流側管路12よりも低い位置に設けられた下流側管路14と、上流側管路12及び下流側管路14に連結されて下方に延びる上下流側伏越し室20、22及び上下流側伏越し室20、22の下端同士を連結する伏越し管きょを24有する伏越し管路16とを含み、伏越し管きょ24内の頂部に配設され、伏越し管きょ24内を流れる水内に含まれる空気を収集する、複数の空気収集孔を前記伏越し管きょ24の軸方向に沿って有する空気収集管44と、空気収集管44に接続され、一端が大気に開放された空気排出管46とを有し、空気収集管44は、伏越し管きょ24の内壁上面との間に間隙Gを残し、空気収集孔は、伏越し管きょ24の内壁上面と対向する上面で前記間隙Gに臨ませる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水頭差により地下通水可能にされた管路内の排気構造及び排気方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、河川、水路、鉄道及び移設が不可能な地下埋設物等の障害物の下に地下水路を通過させる場合に、逆サイホンの圧力管として伏越しと称される管路を形成することが知られている。
【0003】
このような伏越しの構造は、障害物の両側に垂直な伏越し室を設け、これらを水平または下流に向かって下り勾配の伏越し管きょで結ぶ上流側及び下流側の水頭差により上流側から下流側へと水を流すようにしている。
【0004】
ところで、このような伏越し管路内を流れる水には、上流側管路と上流側伏越し室水面との落差によって空気を抱え込み、水流と水圧の作用で圧縮された空気が混入しており、このような圧縮された空気が水の流れとともに伏越し管きょ内を上流側から下流側へと流れ、下流側の出口で水の流れが上昇する際に水の流れよりも早く、空気が膨張しながら急浮上して下流側の水の流れを乱すこととなる。
【0005】
特に、下流側に隣接してポンプ室等の施設が併設されている場合、水の流れに乱れがあると、その施設に悪影響を与える恐れがある。
【0006】
例えば、ポンプ室がある場合、水の流れの乱れによって、ポンプに偏心荷重がかかり振動して弊害が生じたり、規定量の揚水ができなくなったり、あるいはポンプがキャビテーションを起こしたりするおそれがある。
【0007】
また、上昇空気の量が多くなると、マンホールの蓋が飛ばされて水の噴出現象により付近に浸水被害が発生することもある。
【0008】
これは、空気の吹き上げ、あるいは、空気の吹き上げとともに水が吹き上げ、そこにマンホール等があると、吹き上げた空気、あるいは大量の水の吹き上げによってマンホールの蓋が飛ばされてしまうものと考えられている。
【0009】
そのため、本願出願人は、伏越し管路を通る水に混入した空気が下流側の水の流れを乱すのを防止して下流側の施設に悪影響を及ぼすのを防止するとともに、下流側の空気あるいは水の噴出によってマンホールの蓋等が飛び、水の噴出現象による付近の浸水被害の発生を防止できる管路内の排気構造及び排気方法を先に提供した。
【特許文献1】特開2003−253739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この管路内の排気構造及び排気方法は、上流側の伏越し室と下流側の伏越し室とを結ぶ伏越し管きょ内の頂部に、伏越し管きょの軸方向に沿って空気収集手段を設け、この空気収集手段により収集した空気を空気排出管により大気に放出するようにしている。
【0011】
本発明の目的は、伏越し管きょ内を流れる水に含まれる空気をより確実に収集することのできる管路内の排気構造及び排気方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、本発明の管路内の排気構造は、上流側の高い位置に設けられた上流側管路と、下流側の前記上流側管路よりも低い位置に設けられた下流側管路と、前記上流側管路及び下流側管路に連結されて下方に延びる上下流側伏越し室及び前記上下流側伏越し室の下端同士を連結する伏越し管きょを有する伏越し管路とを含み、上流側から下流側へと水頭差により地下通水可能にされた管路において、前記伏越し管きょ内の頂部に配設され、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を収集する、水が通過しにくい複数の空気収集孔を前記伏越し管きょの軸方向に沿って有する空気収集管と、前記空気収集管に接続され、一端が大気に開放された空気排出管とを有し、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を大気に放出する管路内の排気構造であって、
前記空気収集管は、前記伏越し管きょの内壁上面との間に間隙を残して配設され、
前記空気収集孔は、前記伏越し管きょの内壁上面と対向する上面で前記間隙に臨ませて設けられることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、伏越し管きょ内の水に含まれる圧縮空気は伏越し管きょ内を上昇するため、伏越し管きょ内の頂部に形成した伏越し管きょの内壁上面と空気収集管上面との間の間隙に集め、この間隙に集まった圧縮空気を空気収集管上面の空気収集孔より空気収集管内に取り入れることで、伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる圧縮空気を効率よく確実に収集し、この空気収集管に接続された空気排出管によって収集した空気を大気に放出することで、伏越し管きょ内を流れる水内に混入した圧縮空気が下流側で急浮上して水の流れを乱すのを確実に防止することができる。
【0014】
この場合、空気収集管内の水圧は圧縮空気よりも圧力が低く、しかも空気収集管内には水流が生じないので、圧縮空気は確実に空気収集管上部に収集されて排出されることとなる。
【0015】
特に、下流側に隣接してポンプ室等の施設が併設されている場合、水の流れの乱れによってその施設に悪影響を与えるのを確実に防止することができる。
【0016】
また、上昇空気の量が多くなって、空気の吹き上げあるいは空気の吹き上げとともに水が吹き上げてマンホール等の蓋が飛ばされて水の噴出現象により付近に浸水被害が発生するのも確実に防止することができる。
【0017】
本発明においては、前記伏越し管きょは、断面円形とされ、
前記空気収集管は、前記上面が前記伏越し管きょの内壁上面の曲率に対応した曲率として形成されるようにすることができる。
【0018】
このような構成とすることにより、空気収集管の上面が伏越し管きょの内壁上面の曲率に対応した曲率となっているため、広い範囲で伏越し管きょの頂部に間隙を形成してより多くの空気を収集することができる。
【0019】
本発明においては、前記空気収集管は、前記伏越し管きょ内の前記上流側伏越し室付近に下流側端部が開口した状態で配設され、
前記空気収集管の開口端から距離を置いて前記伏越し管きょの内壁上面に、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を前記伏越し管きょの頂部に捕捉する空気捕捉壁を前記伏越し管きょの軸方向と交差させて設けるようにすることができる。
【0020】
このような構成とすることにより、空気収集管の開口端から距離を置いて設けた空気捕捉壁によって、伏越し管きょ内の水に含まれる空気を伏越し管きょの頂部に捕捉し、この捕捉した空気を空気収集管の開口端から効率よく確実に空気収集管内に取り入れて大気に放出することができる。
【0021】
この場合、前記空気収集管は、前記伏越し管きょ内の前記下流側伏越し室付近にも配設され、
前記上流側の空気収集管及び下流側の空気収集管の少なくとも一方の両端間における途中位置の前記伏越し管きょの内壁上面に、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を前記伏越し管きょの頂部に捕捉する空気捕捉壁を前記伏越し管きょの軸方向と交差させて設けるようにすることができる。
【0022】
このような構成とすることにより、上流側の空気収集管及び下流側の空気収集管の少なくとも一方の両端間における途中位置に設けた空気捕捉壁によって、伏越し管きょ内の水に含まれる空気を伏越し管きょの頂部に捕捉し、この捕捉した空気収集管の空気収集孔より空気を効率よく確実に空気収集管内に取り入れて大気に放出することができる。
【0023】
また、これらの場合、前記空気捕捉壁は、前記伏越し管きょ内の前記空気収集管下端位置より上方の全領域にわたって取り付けられるようにすることができる。
【0024】
このような構成とすることにより、空気捕捉壁によって空気収集管下端位置より上方の全領域にわたり水に含まれる空気を捕捉することができ、効率よく、確実に空気の収集を行うことができる。
【0025】
本発明の管路内の排気方法は、上流側の高い位置に設けられた上流側管路から下流側の前記上流側管路よりも低い位置に設けられた下流側管路へと、伏越し管きょを有する伏越し管路を介して、水頭差により地下通水可能にされた管路内の排気方法であって、
前記伏越し管きょ内の頂部に前記伏越し管きょ内壁面との間に間隙を残して配設した、水が通過しにくい複数の空気収集孔を前記伏越し管きょの内壁上面と対向する上面で前記間隙の臨ませて前記伏越し管きょの軸方向に沿って有する空気収集管にて、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を収集する工程と、
前記空気収集管により収集した空気を空気排出管にて大気に放出する工程とを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、伏越し管路を通る水に混入した圧縮空気を効率よく、確実に収集して大気に放出することで、下流側の水の流れを乱すのを確実に防止して下流側の施設に悪影響を及ぼすのを防止することができ、しかも、下流側の空気あるいは水の噴出によってマンホール等の蓋が飛び、水の噴出現象によって付近に浸水被害が発生するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る管路内の排気構造を示す図である。
【0029】
図1は、本実施の形態の管路内の排気構造の全体を示す断面図である。
【0030】
この管路内の排気構造における管路10は、例えば下水道の管路として用いられるもので、上流側管路12と、下流側管路14と、伏越し管路16とを有している。
【0031】
上流側管路12及び下流側管路14は、障害物18を挟んで上流側及び下流側に配設されている。
【0032】
また、上流側管路12は高い位置に設けられ、下流側管路14は上流側管路12よりも低い位置に設けられている。
【0033】
伏越し管路16は、上流側管路12に連結されて障害物18よりも下方に延びる上流側伏越し室20と、下流側管路14に連結されて上流側伏越し室20と同様に障害物18よりも下方に延びる下流側伏越し室22と、障害物18の下方で、上流側伏越し室20及び下流側伏越し室22の下端同士を連結する断面円形(図2参照)の伏越し管きょ24とを有する。
【0034】
また、この伏越し管路16内は、水26によって満管状態とされ、上流側の水面28と下流側の水面30との水位差Hから生じる水頭差により、上流側管路12から伏越し管路16を経て下流側管路14へと水26を流すようになっている。
【0035】
上流側伏越し室20及び下流側伏越し室22の上方には、地上32までマンホール34、36が設けられ、このマンホール34、36には蓋38、40が設けられている。
【0036】
さらに、伏越し管きょ24内の頂部42に、伏越し管きょ24内を流れる水26に混入されている圧縮空気を収集する空気収集管44が伏越し管きょ24の全長にわたって配設され、この空気収集管44の上流側伏越し室20及び下流側伏越し室22側のそれぞれの端部に下端が接続され、上端がマンホール34、36内に大気開放状態とされた空気排出管46を上流側伏越し室20、下流側伏越し室22及びマンホール34、36に沿って配設している。
【0037】
空気収集管44は、図2に示すように、伏越し管きょ24の内壁上面24aにスペーサ52を介して取り付けられ、伏越し管きょ24の内壁上面24aとの間に間隙Gを残して配設されている。
【0038】
また、この空気収集管44は、上面44aが伏越し管きょ24の内壁上面24aの曲率R1に対応した曲率R2を有する曲線形状として形成され、下面44bが直線形状とされた断面略蒲鉾形状とされている。
【0039】
この空気収集管44の下面44bの形状は、図3(A)に示すように、全体が外側に膨らむ曲線形状としてもよく、あるいは、図3(B)に示すように、直線形状の略中央部に内側が凹む水溜まり部44cを形成したものとしてもよく、さらには、図3(C)に示すように、全体が内側に膨らむ曲線形状としてもよい。
【0040】
また、この空気収集管44の伏越し管きょ24の内壁上面24aと対向する上面44aには、図2に示すように、間隙Gに臨ませて空気収集孔48が全長にわたって設けられている。
【0041】
この空気収集孔48は、長手方向(伏越し管きょ24の軸方向)と交差する方向で上面44a全体にわたって複数配設されると共に、長手方向にわたって所定間隔で配設された状態となっている。
【0042】
また、この空気収集孔48は、空気は通過させるが、水が通過しにくい寸法、形状とされている。
【0043】
空気排出管46は、周方向で閉塞された状態となっている。
【0044】
そして、このような管路内の排気構造によれば、上流側の高い位置に設けられた上流側管路12から伏越し管路16を経て下流側管路14側へと水26が流れていく際に、水圧により圧縮された状態で伏越し管きょ24内を流れる水26内に混入した圧縮空気が伏越し管きょ24内の頂部42に集まることとなる。
【0045】
この頂部42に集まった圧縮空気は、伏越し管きょ24の内壁上面24aと空気収集管44の上面44aとの間に形成された間隙Gに入り込み、そこから空気収集管44の間隙Gに臨んだ空気収集孔48を通して空気収集管44内に取り入れられることとなる。
【0046】
したがって、効率よく、かつ、確実に伏越し管きょ24内を通過する水26内に混入する空気を収集することができる。
【0047】
空気収集管44内に取り入れられた空気50は、空気収集管44内の頂部に集まった状態となり、この空気50は、空気排出管46によってマンホール34、36内に放出されることとなる。
【0048】
従って、伏越し管きょ24内を流れる水26内に混入した圧縮空気が下流側で下流側伏越し室22内を膨張しながら急浮上するのを確実に防止することができ、下流側伏越し室22内の水の流れを満たさずに下流側管路14へと水を流すことができる。
【0049】
その結果、下流側に隣接してポンプ室等の施設が併設されている場合でも、水の流れの乱れによってその施設に悪影響を与えるのを防止することができる。
【0050】
また、上昇空気の量が多くなって、この空気の吹き上げあるいは、空気の吹き上げとともに水が吹き上げてマンホール36等の蓋40が飛ばされて水の噴出現象により付近に浸水被害が発生するのも防止することができる。
【0051】
図4〜図6は、本発明の他の実施の形態に係る管路内の排気構造を示す図である。
【0052】
この実施の形態では、図4に示すように、空気収集管74を伏越し管きょ24内の下流側伏越し室22付近に配設すると共に、空気収集管76を伏越し管きょ24内の上流側伏越し室20付近に配設している。
【0053】
空気収集管74を伏越し管きょ24内の下流側伏越し室22付近に配設し、この下流側の空気収集管74下流側端部に下流側伏越し室22に配設した空気排出管80を接続することで、伏越し管きょ24の全長にわたって配設する場合に比し、コストの削減を図り、かつ、伏越し管きょ24内の下流側で確実に圧縮空気を収集して大気に開放するようにしている。
【0054】
この空気収集管74の空気排出管80側と反対側の端部は閉塞された状態となっており、ここから水が侵入できないようになっている。
【0055】
また、空気収集管76を伏越し管きょ24内の上流側伏越し室20付近に配設し、この空気収集管76に、上流側伏越し室20に配設した空気排出管82を接続することで、下流側伏越し室22付近の空気収集管74に加えて、上流側伏越し室20付近に配設した空気収集管76により、上流側の圧縮空気を収集して大気に開放することができるようにしている。
【0056】
特に、この実施の形態では、上流側管路12から上流側伏越し室20内へと流下する水26が滝落とし状態となっており、上流側伏越し室20内に気泡が発生しやすく、伏越し管きょ24内にも圧縮空気が生じやすいため、この上流側伏越し室20付近の圧縮空気を空気収集管76にて収集して大気に開放することで、確実に伏越し管きょ24内に入る圧縮空気を排出して、下流側の水の流れを乱さないようにしている。
【0057】
この空気収集管76の空気排出管80側と反対側の端部(下流側端部)は、図6に示すように、開口78となっている。
【0058】
そして、この空気収集管76の開口78側の端部から所定の距離Lを置いて、開口78と対向させた状態で、伏越し管きょ24の内壁上面24aに、伏越し管きょ24内を流れる水内に含まれる空気を伏越し管きょ24の頂部42に捕捉する空気捕捉壁54を伏越し管きょ24の軸方向と交差させて設けている。
【0059】
この空気捕捉壁54は、図6に示すように、伏越し管きょ24内の空気収集管76下端位置より上方の全領域にわたって設けられている。
【0060】
したがって、空気収集管76の開口78側の端部から距離を置いて設けた空気捕捉壁54によって、伏越し管きょ24内の水に含まれる空気を伏越し管きょ24の頂部42に捕捉し、この捕捉した空気を空気収集管44の端部開口78あるいは、空気収集管76に設けた空気収集孔48から効率よく確実に空気収集管44内に取り入れて大気に放出することができる。
【0061】
また、上流側の空気収集管76及び下流側の空気収集管74の両端間における途中位置の伏越し管きょ24の内壁上面24aにも、伏越し管きょ24内を流れる水内に含まれる空気を伏越し管きょ24の頂部42に捕捉する複数の空気捕捉壁56を伏越し管きょ24の軸方向と交差させて設けている。
【0062】
この空気捕捉壁56も、空気捕捉壁54と同様に、伏越し管きょ24内の空気収集管76、74下端位置より上方の全領域にわたって設けられている。
【0063】
したがって、空気捕捉壁54による空気の捕捉に加えて、上流側の空気収集管76及び下流側の空気収集管74の両端間における途中位置に設けた空気捕捉壁56によって、伏越し管きょ24内の水に含まれる空気を伏越し管きょ24の頂部42に捕捉し、この捕捉した空気収集管76、74の空気収集孔48より空気を効率よく、確実に空気収集管76、74内に取り入れて大気に放出することができる。
【0064】
この空気捕捉壁56は、空気収集管76、74の一方のみに設けるようにしてもよく、設ける数も複数に限らず、1個でもよい。
【0065】
また、図1に示すように、伏越し管きょ24の全長にわたって空気収集管44を設ける場合に、その空気収集管44の両端間に空気捕捉壁56を設けるようにしてもよい。
【0066】
なお、空気収集管76、74は、空気収集管44と同様の構成となっている。
【0067】
他の構成及び作用は、前記各実施の形態と同様につき説明を省略する。
【0068】
本発明前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
【0069】
例えば、前記実施の形態では、下水道の管路内の排気構造について説明したが、この例に限定されるものではなく、雨水、汚水等を貯留する貯留管や農業用水等の管路内の排気構造としても適用することが可能である。
【0070】
また、空気排出管の上端はマンホール内に配設されているが、この例に限らず、マンホール外すなわち地上に配設するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る管路内の排気構造を示す断面図である。
【図2】図1の伏越し管きょ及び空気収集管の拡大断面図である。
【図3】(A)(B)(C)は、それぞれ空気収集管の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る管路内の排気構造を示す断面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う部分拡大断面図である。
【図6】図4の上流側の空気収集管及び空気捕捉壁の状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0072】
10 管路
12 上流側管路
14 下流側管路
16 伏越し管路
20 上流側伏越し室
22 下流側伏越し室
26 水
42 頂部
44、74、76 空気収集管
46、80、82 空気排出管
48 空気収集孔
50 空気
54、56 空気捕捉壁
G 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の高い位置に設けられた上流側管路と、下流側の前記上流側管路よりも低い位置に設けられた下流側管路と、前記上流側管路及び下流側管路に連結されて下方に延びる上下流側伏越し室及び前記上下流側伏越し室の下端同士を連結する伏越し管きょを有する伏越し管路とを含み、上流側から下流側へと水頭差により地下通水可能にされた管路において、前記伏越し管きょ内の頂部に配設され、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を収集する、水が通過しにくい複数の空気収集孔を前記伏越し管きょの軸方向に沿って有する空気収集管と、前記空気収集管に接続され、一端が大気に開放された空気排出管とを有し、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を大気に放出する管路内の排気構造であって、
前記空気収集管は、前記伏越し管きょの内壁上面との間に間隙を残して配設され、
前記空気収集孔は、前記伏越し管きょの内壁上面と対向する上面で前記間隙に臨ませて設けられることを特徴とする管路内の排気構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記伏越し管きょは、断面円形とされ、
前記空気収集管は、前記上面が前記伏越し管きょの内壁上面の曲率に対応した曲率として形成されていることを特徴とする管路内の排気構造。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記空気収集管は、前記伏越し管きょ内の前記上流側伏越し室付近に下流側端部が開口した状態で配設され、
前記空気収集管の開口端から距離を置いて前記伏越し管きょの内壁上面に、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を前記伏越し管きょの頂部に捕捉する空気捕捉壁を前記伏越し管きょの軸方向と交差させて設けたことを特徴とする管路内の排気構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記空気収集管は、前記伏越し管きょ内の前記下流側伏越し室付近にも配設され、
前記上流側の空気収集管及び下流側の空気収集管の少なくとも一方の両端間における途中位置の前記伏越し管きょの内壁上面に、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を前記伏越し管きょの頂部に捕捉する空気捕捉壁を前記伏越し管きょの軸方向と交差させて設けたことを特徴とする管路内の排気構造。
【請求項5】
請求項3または4において、
前記空気捕捉壁は、前記伏越し管きょ内の前記空気収集管下端位置より上方の全領域にわたって取り付けられていることを特徴とする管路内の排気構造。
【請求項6】
上流側の高い位置に設けられた上流側管路から下流側の前記上流側管路よりも低い位置に設けられた下流側管路へと、伏越し管きょを有する伏越し管路を介して、水頭差により地下通水可能にされた管路内の排気方法であって、
前記伏越し管きょ内の頂部に前記伏越し管きょ内壁面との間に間隙を残して配設した、水が通過しにくい複数の空気収集孔を前記伏越し管きょの内壁上面と対向する上面で前記間隙の臨ませて前記伏越し管きょの軸方向に沿って有する空気収集管にて、前記伏越し管きょ内を流れる水内に含まれる空気を収集する工程と、
前記空気収集管により収集した空気を空気排出管にて大気に放出する工程とを含むことを特徴とする管路内の排気方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−63677(P2006−63677A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248596(P2004−248596)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(593153532)財団法人下水道新技術推進機構 (10)
【Fターム(参考)】