箱型容器
【課題】着脱自在な扉部材を備える構成において、利便性の向上を図ることのできる箱型容器を提供する。
【解決手段】折り畳みコンテナ1は、略矩形板状の底壁部2と、底壁部2の各長辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた長辺側側壁部3と、底壁部2の各短辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた短辺側側壁部4とを備えている。一対の短辺側側壁部4のうち一方(開口壁部4a)には、折り畳みコンテナ1に収容されている物品を側方から取出し可能とする側面開口部8が形成されるとともに、他方(閉鎖壁部4b)は、開口壁部4aから取外した扉部材9を装着可能に構成されている。
【解決手段】折り畳みコンテナ1は、略矩形板状の底壁部2と、底壁部2の各長辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた長辺側側壁部3と、底壁部2の各短辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた短辺側側壁部4とを備えている。一対の短辺側側壁部4のうち一方(開口壁部4a)には、折り畳みコンテナ1に収容されている物品を側方から取出し可能とする側面開口部8が形成されるとともに、他方(閉鎖壁部4b)は、開口壁部4aから取外した扉部材9を装着可能に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される箱型容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、物品の運搬等に使用される箱型容器は、略矩形板状の底壁部と、底壁部の側辺部から上方に延出する側壁部とを備えており、上方から物品を出し入れする構成となっている。また、側壁部に開口部が形成されるとともに、当該開口部を開閉可能な扉部材が着脱自在に設けられ、開口部が開放されることで、箱型容器の側方からも物品の出し入れが行えるように構成されたものがある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−257571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の箱型容器は、扉部材を取外し、開口部を開放させた状態で使用しているうちに扉部材を紛失してしまうことが懸念される。また、使用しない扉部材の保管場所を確保する必要が生じたり、扉部材を比較的頻繁に付けたり外したりする場合の作業性の低下を招いたりするおそれがある。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、着脱自在な扉部材を備える構成において、利便性の向上を図ることのできる箱型容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.略板状をなす底壁部と、前記底壁部の外周縁に沿って上方に延出する周壁部とを備え、
前記周壁部は、
内側に収容された物品を側方から外部に取出し可能とする側面開口部が形成されるとともに、当該側面開口部を開閉可能な扉部材が着脱自在に設けられる開口壁部と、
前記開口壁部から取外された前記扉部材を外面側に装着可能な装着壁部とを備えていることを特徴とする箱型容器。
【0008】
手段1によれば、側面開口部を開口させるべく開口壁部から取外された扉部材を装着可能な装着壁部が設けられている。このため、側面開口部を開放させた状態で箱型容器を使用しているうちに扉部材を紛失してしまうといった事態を回避することができる。また、扉部材は常に箱型容器と共にあることから、使用しない扉部材の保管場所を別途確保する必要がない上、扉部材を頻繁に付けたり外したりする場合の作業性の向上を図ることができる。従って、着脱可能な扉部材を備える箱型容器の利便性(使い勝手)を向上させることができる。
【0009】
加えて、扉部材は、装着壁部の外面側に装着可能となっている。このため、装着壁部に装着された扉部材によって、箱型容器の内側の収容空間や、箱型容器の上方の開口部や、側面開口部が狭められたりするといった事態を回避することができるとともに、扉部材を装着壁部に着脱する際の作業性の向上を図ることができる。
【0010】
手段2.前記扉部材は、当該扉部材の内面又は外面に沿ってスライド可能な係合片を有するロック部材を備え、
前記開口壁部は、前記扉部材によって前記側面開口部が閉鎖された状態において前記ロック部材の前記係合片と係合する開口側被係合部を備え、
前記装着壁部は、前記ロック部材の前記係合片と係合する装着側被係合部を備え、前記係合片と前記装着側被係合部とが係合することで、前記扉部材が前記装着壁部に固定されることを特徴とする手段1に記載の箱型容器。
【0011】
手段2によれば、扉部材を開口壁部に固定するためのロック部材を利用して、扉部材を装着壁部に固定することができる。このため、扉部材において、開口壁部用のロック部材とは別に、装着壁部用のロック部材を設けるような場合に比べ、構成の簡素化、作業性の向上、軽量化等を図ることができる。さらに、ロック部材は、係合片を扉部材の内面又は外面に沿ってスライドさせる構成であることから、開口壁部及び装着壁部において、当該係合片に係合する開口側被係合部及び装着側被係合部を比較的容易に形成することができ、また、係合状態の安定化をも図ることができる。
【0012】
手段3.前記係合片は、前記開口側被係合部又は前記装着側被係合部に対して係合可能な係合位置と、前記開口側被係合部又は前記装着側被係合部との係合状態を解除可能な解除位置とに変位可能に構成され、
前記扉部材は、前記係合片を前記係合位置側に付勢する付勢手段を備えるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して前記係合片を前記解除位置側へと変位させる際に作業者に操作される解除操作部を備え、
前記解除操作部は、前記ロック部材に設けられた操作側指掛部と、前記扉部材の本体側に設けられた本体側指掛部とを備え、前記操作側指掛部と前記本体側指掛部とに指を掛けて前記扉部材を持ち運び可能に構成されるとともに、前記操作側指掛部を前記本体側指掛部に近接させるようにして押圧操作することで、前記係合片が前記解除位置側へと変位することを特徴とする手段2に記載の箱型容器。
【0013】
手段3によれば、操作側指掛部と本体側指掛部とに指を掛けて扉部材を(片手で)持つことができる上、そのまま、操作側指掛部と本体側指掛部とを近接させるようにして解除操作部に力を加える(握る)ことで、係合片を解除位置へと変位させることができる。従って、扉部材を開口壁部と装着壁部との間で付け替える際の作業性を飛躍的に向上させることができる。特に、解除操作部を掴めば、扉部材の外周縁を持たなくても扉部材を持ち運び可能であることから、装着壁部に形成された凹部の内周側に扉部材を進入させるようにして装着するといった構成においては、扉部材を装着壁部へ装着する作業性の向上を図るといった上記作用効果が一層確実に奏される。また、ロック部材だけでなく扉部材の本体側にも指を掛けることとなるため、扉部材を持ち上げた場合の安定性や耐久性を向上させることができる。
【0014】
手段4.前記底壁部は略矩形板状をなし、前記周壁部は前記底壁部の各側辺部に対応してそれぞれ回動可能に連結された4つの側壁部からなり、
前記各側壁部は、前記底壁部の各側辺部に沿って上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に畳まれ、該底壁部と平行な寝かせ位置との間を回動変位可能に構成され、
前記側壁部のうち少なくとも1つは前記開口壁部として構成されるとともに、前記開口壁部以外の前記側壁部のうち少なくとも1つは前記装着壁部として構成され、
前記扉部材が前記開口壁部及び前記装着壁部のどちらに装着された状態でも、全ての前記側壁部を前記寝かせ位置として前記底壁部の上側に折り畳める構成であることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の箱型容器。
【0015】
手段4によれば、扉部材が開口壁部に装着されている場合だけでなく、扉部材が装着壁部に装着されている場合でも、箱型容器をコンパクトに折り畳むことができ、利便性の向上を図ることができる上、複数の箱型容器を段積みした場合でも整然とさせることができる。また、箱型容器を折り畳んで運搬・保管する場合でも、扉部材を逐一取外さなくても済み、扉部材を箱型容器の本体とは別に運搬・保管したり、扉部材を紛失したりするといったおそれを回避するとともに、箱型容器を折り畳んだり組み立てたりする場合の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】扉部材が開口壁部に装着された折り畳みコンテナの斜視図である。
【図2】扉部材が閉鎖壁部に装着された折り畳みコンテナの斜視図である。
【図3】扉部材が閉鎖壁部に装着された折り畳みコンテナの斜視図である。
【図4】扉部材が取外された折り畳みコンテナの斜視図である。
【図5】折り畳まれた状態の折り畳みコンテナを示す斜視図である。
【図6】折り畳まれた状態の折り畳みコンテナを示す斜視図である。
【図7】底壁部の上面側を示す斜視図である。
【図8】底壁部の下面側を示す斜視図である。
【図9】扉部材が装着された開口壁部の外面側を示す斜視図である。
【図10】扉部材が装着された開口壁部の内面側を示す斜視図である。
【図11】開口壁部の外面側を示す斜視図である。
【図12】開口壁部の内面側を示す斜視図である。
【図13】扉部材の外面側を示す斜視図である。
【図14】扉部材の内面側を示す斜視図である。
【図15】ロック部材が取外された扉部材を示す斜視図である。
【図16】ロック部材の分解斜視図である。
【図17】閉鎖壁部の外面側を示す斜視図である。
【図18】閉鎖壁部の内面側を示す斜視図である。
【図19】扉部材が装着された閉鎖壁部を示す斜視図である。
【図20】図19のA−A線における断面を含む斜視図である。
【図21】長辺側側壁部の外面側を示す斜視図である。
【図22】長辺側側壁部の内面側を示す斜視図である。
【図23】折り畳まれた状態で段積みされた折り畳みコンテナを示す斜視図である。
【図24】折り畳まれた状態で段積みされた折り畳みコンテナを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1等に示すように、折り畳みコンテナ1は、略矩形板状の底壁部2と、底壁部2の相対する一対の長辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた長辺側側壁部3と、底壁部2の相対する一対の短辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた短辺側側壁部4とを備えている。本実施形態では、底壁部2、長辺側側壁部3、及び短辺側側壁部4はポリプロピレンにより構成されている。また、本実施形態では、折り畳みコンテナ1によって箱型容器が構成され、一対の長辺側側壁部3と一対の短辺側側壁部4とによって周壁部が構成されている。
【0018】
図7、図8に示すように、底壁部2には、各長辺部に沿って底壁部2から上方に突出する長辺側土台部6と、各短辺部に沿って底壁部2から上方に突出する短辺側土台部7とが設けられている。本実施形態では、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4は、それぞれ長辺側土台部6及び短辺側土台部7に対して回動可能に連結されており、それぞれ土台部6、7の上方に立設される起立位置と、底壁部2の上方に折り畳まれ、当該底壁部2と平行して延在する寝かせ位置との間を回動変位可能に構成されている。
【0019】
各長辺側土台部6は、底壁部2の長辺部から上方に延びる内壁部11と、内壁部11の上縁部から外方に延びる上壁部12と、上壁部12の外縁部から下方に延びる外壁部13とを備え、下方に開口した断面略コ字状をなしている。また、本実施形態の長辺側土台部6は、相対する一対の短辺側土台部7の内面同士を連結するようにして設けられている。
【0020】
さらに、各長辺側土台部6には、長辺側側壁部3を回動可能に支持するための長辺側軸受部15が、長辺側土台部6の両端部近傍部位と中央部との3箇所に設けられている。長辺側軸受部15は、内壁部11と外壁部13との間を連結する連結壁部16を長辺側土台部6の延在方向において対向するようにして一対で設け、一対の連結壁部16間の部位において、上壁部12を切欠くとともに、内壁部11を連結壁部16との連接部位を残すようにして切欠き、残された内壁部11の上辺部から外壁部13側に向けて突出するフック部17を設けることによって構成されている。
【0021】
各短辺側土台部7は、底壁部2の短辺部から上方に延びる内壁部21と、内壁部21の上縁部から外方に延びる上壁部22と、上壁部22の外縁部から下方に延びる外壁部23とを備えている。また、短辺側土台部7は、その長手方向両端部において、上方に突出するコーナー突部24を備えるとともに、上壁部22の外側の縁部に沿って一対のコーナー突部24間を連結するようにして延びる縦壁部25を備えている。本実施形態の短辺側土台部7の上壁部22の上面は、長辺側土台部6の上壁部12の上面と同じ高さ位置となっている。また、コーナー突部24の長辺側土台部6側の面は、短辺側土台部7の内壁部21の内面と面一となっている。
【0022】
加えて、コーナー突部24は、下方に開口するのではなく、底壁部2の短手方向において底壁部2の外周側に開口している。また、各短辺側土台部7の両端部には、コーナー突部24から長辺側土台部6の上方に突出するずれ防止凸部26が形成されている。ずれ防止凸部26の内面は、長辺側土台部6の内壁部11の内面と面一となっている。
【0023】
さらに、各短辺側土台部7には、短辺側側壁部4を回動可能に支持するための短辺側軸受部27が設けられている。本実施形態の短辺側軸受部27は、短辺側土台部7の長手方向中央部において、上壁部22から上方に突設された補助受部28と、短辺側土台部7の長手方向両端部のコーナー突部24において設けられた軸支部29とを備えている。補助受部28は、短辺側土台部7の長手方向に貫通するとともに上方に開口した軸孔28aを有して、断面略C字状をなしている。また、軸支部29は、一対のコーナー突部24のうち補助受部28を挟んで対向する壁部に対し、それぞれ軸孔29aを形成することによって構成されている。
【0024】
尚、本実施形態の底壁部2は、碁盤目状に上下に貫通する開口部が形成された底板2a(図7参照)と、底板2aに形成された各開口部の周縁部から下方に延出する格子状の底リブ2b(図8参照)とを備えている。底リブ2bは、土台部6、7より構成される枠状部の内周側の範囲全域に形成されている。また、土台部6、7の外壁部13、23の下縁部は、底壁部2の底板2aの下面とほぼ同じ高さ位置となっており、底リブ2bの下縁部よりも上方に位置している。
【0025】
図2、図21、図22等に示すように、長辺側側壁部3は、長辺側土台部6とほぼ同じ横幅を有する略矩形板状の壁本体31と、壁本体31の両側部において壁本体31の外面(起立位置では底壁部2の外周側を向き、寝かせ位置では上側を向く面)から突出する挿入突起32と、壁本体31の下辺部(起立位置では下側を向き、寝かせ位置では底壁部2の外周側を向く面)から突出する長辺側ヒンジ部33とを備えている。また、壁本体31の外面には、少なくとも壁本体31の外周縁に沿って、適宜、補強リブ34が外方に突出形成されており、これによって、長辺側側壁部3の厚みが長辺側土台部6の厚みとほぼ同じに構成されている。
【0026】
長辺側ヒンジ部33は、壁本体31の外周に沿って形成された補強リブ34のうち起立位置にある長辺側側壁部3の下辺部を構成する部位から下方に向けて垂直に延出する略棒状の連結部35と、連結部35の先端部の両側面からそれぞれ長辺側側壁部3の長手方向に沿って突出する一対の軸部36とを備え、全体として略T字状をなしている。長辺側ヒンジ部33は、長辺側土台部6に形成された長辺側軸受部15に対応して3箇所に設けられている。
【0027】
そして、長辺側ヒンジ部33の軸部36が長辺側軸受部15に挿入されることで、軸部36が長辺側軸受部15のフック部17の下面側に位置して(引っ掛かって)軸支されるようになる。これによって、長辺側側壁部3が長辺側土台部6に対して回動可能に連結されている。
【0028】
さらに、長辺側側壁部3の外面側上部には、長辺側側壁部3とは別体として構成された係止パーツ41が長辺側側壁部3の高さ方向(長辺側側壁部3の起立状態では上下方向)に沿ってスライド可能に設けられている。図21に示すように、係止パーツ41は、長辺側側壁部3の横幅方向(長手方向)に沿って延在し、外面側中央に操作凹部43を有するパーツ本体42と、パーツ本体42の下面から斜め下方に延出し、先端側が補強リブ34に圧接することでパーツ本体42を長辺側側壁部3の上辺部側に付勢する左右一対の板バネ部44と、パーツ本体42の両側部から側方に突出する係止突部45とを備えている。
【0029】
各係止突部45は、長辺側側壁部3の各側縁部にまで延びている。また、長辺側側壁部3には、係止突部45の先端部を長辺側側壁部3の内面側に露出させる挿通凹部37(図22参照)が形成されている。さらに、各係止突部45の両端部は、外面の上部が上方に向けて内面側に傾斜する傾斜面となっている(図21参照)。
【0030】
尚、壁本体31の外面側の上部中央(本例では、係止パーツ41の下側)には、作業者が手をかけて折り畳みコンテナ1を持ち運ぶことができるように持ち手部38が形成されている。また、壁本体31には、短辺側土台部7の内側面から突出するずれ防止凸部26との干渉を避けるべく切欠き部39が形成されている。
【0031】
さて、本実施形態では、図2、図3等に示すように、一対の短辺側側壁部4のうち一方において、折り畳みコンテナ1に収容されている物品を側方から取出し可能とする側面開口部8が形成されている。以下、側面開口部8が形成された短辺側側壁部4を開口壁部4aと称し、側面開口部8が形成されていない短辺側側壁部4を閉鎖壁部4bと称する。
【0032】
先ず、閉鎖壁部4bについて、図4、図17、図18等を参照して説明する。閉鎖壁部4bは、短辺側土台部7(コーナー突部24を含む)とほぼ同じ横幅を有する略板状の壁本体51と、壁本体51の両側辺部において壁本体51の内面(起立位置では底壁部2の内周側を向き、寝かせ位置では下側を向く面)から突出する係止壁52と、壁本体51の下辺部(起立位置では下側を向き、寝かせ位置では底壁部2の外周側を向く面)から突出する短辺側ヒンジ部53とを備えている。また、壁本体51の外面には、少なくとも壁本体51の外周縁に沿って、適宜、補強リブ54が外方に突出形成されており、これによって、閉鎖壁部4bの厚みが短辺側土台部7の厚みとほぼ同じに構成されている。
【0033】
短辺側ヒンジ部53は、図示しない軸ピンを介して、短辺側土台部7の両端部(各コーナー突部24)に設けられた軸支部29にそれぞれ軸支される一対の回動連結部57と、短辺側土台部7の長手方向中央部に設けられた補助受部28に軸支される補助軸部58とを備えている。各回動連結部57は、閉鎖壁部4bの厚みよりも若干小さい直径を有し、中央に軸孔57aの形成された円筒体を、壁本体51の下辺部に沿って形成された補強リブ54に沿わせて近接配置するとともに、両者間を連結したような形状をなしている。また、補助軸部58は、一対の回動連結部57間の位置において、閉鎖壁部4bの横幅方向において互いに対向するようにして設けられた一対の板状部59a間を連結する円柱体によって構成されている。
【0034】
そして、補助受部28の軸孔28aに補助軸部58が挿入されるとともに、回動連結部57の軸孔57aと、軸支部29の軸孔29aとにかけて軸ピンが挿入されることで、閉鎖壁部4bが短辺側土台部7に対して回動可能に連結されている。加えて、本実施形態の短辺側ヒンジ部53には、各回動連結部57と当該回動連結部57に近い方の板状部59aとの間を連結する中継部59bが設けられている。従って、本実施形態の短辺側ヒンジ部53は、閉鎖壁部4b(短辺側側壁部4)の下辺部のうち短辺側土台部7の一対のコーナー突部24間(上壁部22)に対応する部位全体が幅広くせり出したような格好をなしている。
【0035】
尚、図7等に示すように、本実施形態では、短辺側軸受部27(短辺側側壁部4の回転中心)は、長辺側軸受部15(長辺側側壁部3の回転中心)よりも上方位置に設けられているため、長辺側側壁部3を先に畳まないと、短辺側側壁部4を畳むことができない構成となっている。従って、図5、図6に示すように、折り畳みコンテナ1を折り畳んだ状態(全ての側壁部3、4を前記底壁部2と平行な寝かせ位置とした非使用状態)では、短辺側側壁部4が、長辺側側壁部3の上側に重なるようにして畳まれている。加えて、図1に示すように、折り畳みコンテナ1を上方に開口する箱型に組み立てた状態(全ての側壁部3、4を起立位置とした使用状態)とすると、各側壁部3、4の上面がほぼ面一となるように構成されている。
【0036】
また、図18に示すように、各係止壁52には、閉鎖壁部4bの長手方向において貫通するとともに、長辺側側壁部3の挿入突起32を挿入可能な挿入孔55が形成されている。さらに、各係止壁52の上部から閉鎖壁部4bの幅方向中央部側に突出するとともに、長辺側側壁部3の挿通凹部37に挿入可能な係止フック56が設けられている。加えて、係止フック56の先端部には、下方に突出する係止爪56aが設けられている。
【0037】
そして、閉鎖壁部4b(短辺側側壁部4)を起立させた後、長辺側側壁部3を起立させていくことで、係止フック56が、係止パーツ41の係止突部45(図21参照)の両端部外面に当接する。当該係止突部45の係止フック56との当接面は上記のように傾斜しており、両者が当接した状態からさらに長辺側側壁部3を起立させることで、係止パーツ41を板バネ部44の付勢力に抗して下方に変位させ、係止フック56の先端部を挿通凹部37に挿入させることができる。これにより、長辺側側壁部3の挿入突起32が係止壁52の挿入孔55に挿入され、長辺側側壁部3の外面側が係止壁52に略当接して支持されることとなり、短辺側側壁部4の内側及び外側への傾倒変位が防止されるとともに、長辺側側壁部3の外側への傾倒変位が防止される。さらに、係止フック56の係止爪56aが挿通凹部37に挿入されると、係止パーツ41が板バネ部44の付勢力によって上方位置に復帰し、係止フック56の係止爪56aが係止突部45の内面側に係止されることとなる。これにより、長辺側側壁部3の内側への傾倒変位についても防止される。
【0038】
また、長辺側側壁部3を畳む(内側に倒す)際には、係止パーツ41の操作凹部43を下方に押圧操作して係止パーツ41を下方に変位させることで、係止突部45と係止爪56aとの係止状態が解除されるため、この状態で長辺側側壁部3を内側に倒せば、長辺側側壁部3を底壁部2の上側に折り畳むことができる。尚、閉鎖壁部4bが起立状態とされると、短辺側土台部7の縦壁部25の内面と、閉鎖壁部4bの外面とが略当接状態とされるため、閉鎖壁部4bのそれ以上の外側への回動変位が規制されることとなる。
【0039】
加えて、閉鎖壁部4bの壁本体51の下辺部の両端部近傍部位には、閉鎖壁部4bを折り畳んだ際に、コーナー突部24から突出するずれ防止凸部26が挿入されるずれ防止凹部60が形成されている。これにより、長辺側側壁部3の上方に折り畳まれた短辺側側壁部4の水平方向におけるずれ移動をより確実に防止することができる。
【0040】
尚、長辺側側壁部3の壁本体31の上下幅は、一対の長辺側土台部6間の距離の半分よりも長くなっている。これに対し、図2、図7等に示すように、長辺側土台部6の高さは、長辺側側壁部3の2枚分の厚みよりも若干長くなっている。さらに、長辺側軸受部15は、長辺側土台部6の内壁部11の下端部近傍まで切欠き形成されており、長辺側ヒンジ部33の軸部36が長辺側軸受部15の内側で上下に変位し得るように構成されている。当該構成により、相対する一対の長辺側側壁部3のうち先ず一方を内側に倒すと、長辺側ヒンジ部33は、回動変位しつつ、その回転中心が下方に変位する。これによって、当該長辺側側壁部3をその内面が底壁部2の上面と当接するまで内側に倒すことができる。続いて、もう一方の長辺側側壁部3を内側に倒すと、当該長辺側ヒンジ部33は、回動変位しつつ、その回転中心が上方に変位する。これによって、当該長辺側側壁部3を先に倒された長辺側側壁部3の上側に重ねて倒すことができる。
【0041】
次に、開口壁部4aについて、図2、図11、図12等を参照して説明する。開口壁部4aは、基本的に閉鎖壁部4bと同様の構成を備えており、壁本体51と、係止壁52と、短辺側ヒンジ部53とを備えている。但し、開口壁部4aには、その上辺部を下方に凹ませるようにして側面開口部8が形成されているため、正面視すると上方に開口する略コ字状をなしている。
【0042】
また、開口壁部4aの補強リブ54のうち、側面開口部8の側縁部を画定する部位には、側面開口部8の側縁部の長手方向(開口壁部4aの高さ方向)に沿って延びるガイドレール61が設けられているとともに、開口壁部4aの横幅方向に貫通する開口側被係合部としての係合孔62が形成されている。さらに、図11に示すように、開口壁部4aの補強リブ54のうち、側面開口部8の下縁部を画定する部位には第1嵌合凹部63が形成されている。加えて、開口壁部4aの上辺部は側面開口部8に隣接する部位が一段低く構成されるとともに、当該一段低くなった部位の補強リブ54には第2嵌合凹部64が設けられている。
【0043】
尚、本実施形態では、短辺側ヒンジ部53の横幅が、側面開口部8及び後述する扉部材9の横幅よりも広く構成されている。また、側面開口部8(扉部材9)の上下の幅は、短辺側側壁部4の壁本体51の上下幅を若干(補強リブ54一枚の厚み分)短くした長さとなっている。このため、開口壁部4aについては、左辺部と右辺部とが短辺側ヒンジ部53を介して連結されているような形状をなしている。
【0044】
また、本実施形態の折り畳みコンテナ1は、側面開口部8を開閉可能とし、開口壁部4aに対して着脱自在に設けられる扉部材9を備えている。ここで、扉部材9について、図13〜図16等を参照して説明する。扉部材9は、側面開口部8に対応した外形状をなす略板状のベース部71を備えているとともに、ベース部71の外面(側面開口部8を閉鎖した状態において外側を向く面)には、少なくともベース部71の外周縁に沿って、適宜、補強リブ72が外方に突出形成されている。
【0045】
扉部材9には、両側辺部に沿って延びるガイドリブ73が、扉部材9の厚み方向において対向するように一対で設けられている。当該一対のガイドリブ73によって、その間に、前記開口壁部4aのガイドレール61を挿通可能な溝部74が形成されている。そして、扉部材9の溝部74に開口壁部4aのガイドレール61を相対的に挿入させるようにして、開口壁部4aの上辺部側から、扉部材9を開口壁部4aに取付けることで、図9、図10等に示すように、側面開口部8が扉部材9によって閉鎖されることとなる。尚、ガイドリブ73には孔部が形成されるとともに、ガイドレール61の片面側にはリブが形成されており、ガイドリブ73とガイドレール61との密着防止が図られている。
【0046】
また、図13、図14に示すように、扉部材9には、下辺部から下方に突出する第1嵌合凸部75が設けられている。さらに、扉部材9には、各側辺部の上端部から側方に突出する張り出し部76が設けられるとともに、当該張り出し部76の下面から下方に突出する第2嵌合凸部77が設けられている。そして、扉部材9によって側面開口部8を閉鎖した状態では、第1嵌合凸部75が第1嵌合凹部63に嵌入し、第2嵌合凸部77が第2嵌合凹部64に嵌入することとなる(図11参照)。尚、図9、図10に示すように、本実施形態では、扉部材9の厚みが開口壁部4aの厚みよりも若干薄く形成されるとともに、扉部材9の開口壁部4aへの取付状態においては、扉部材9の内面と開口壁部4aの内面とがほぼ面一となるように構成されている。また、扉部材9の開口壁部4aへの取付状態においては、開口壁部4aの上辺と扉部材9の上辺とがほぼ面一となっている。
【0047】
また、扉部材9の外面側下部には、ベース部71とは別体として構成されたロック部材81が設けられている。図13、図16等に示すように、ロック部材81は、上下方向にスライド可能に構成されたパーツ本体82と、パーツ本体82の上下動に連動して左右方向にスライドする係合片としてのロックバー83とを備えている。
【0048】
パーツ本体82の外面側中央部には、操作凹部84が形成されている。さらに、パーツ本体82には、その上面から斜め上方に延出する付勢手段としての左右一対の板バネ部85が設けられている。各板バネ部85の先端部は、ロック部材81の上方位置においてベース部71から外方に向けて一体的に延出する支持リブ79の下面に圧接されており、これによって、パーツ本体82が扉部材9の下辺部側に付勢されている。加えて、パーツ本体82の内面側には、長円状のスライド枠86が左右一対で形成されている。各スライド枠86はそれぞれ側方に向けて上方傾斜している。
【0049】
さらに、ロックバー83の一端部側には、外面から突出する円柱状の連動突部87が設けられている。ロックバー83は、一端部側に設けられた連動突部87がスライド枠86の内周側に収容されるとともに、他端部側がパーツ本体82から側方に突出して、扉部材9の補強リブ72に形成されたロック支持孔78(図15参照)に挿通されている。本実施形態では、ロック部材81を操作していない場合、ロックバー83の連動突部87がスライド枠86の上部に相対的に位置しており、ロックバー83が扉部材9の側辺部から側方に突出した状態(図13、図14のような状態)となっている。そして、側面開口部8を扉部材9で閉鎖した状態においては、各ロックバー83が開口壁部4aの係合孔62(図11参照)に挿入されて係合し、扉部材9が開口壁部4aから取外し不可能(相対変位不可能)となる。
【0050】
一方、板バネ部85の付勢力に抗して、パーツ本体82を上方に変位させると、ロックバー83の連動突部87は、上記のように斜めに延在するスライド枠86の下部に向けて相対的に変位するとともに、当該変位に伴って、扉部材9の幅方向中央部側にも変位させられる。このため、ロック支持孔78に支持されて、扉部材9の外面に沿って水平方向にのみスライド可能に構成されているロックバー83は、扉部材9の横幅方向中央側にスライドし、扉部材9の側辺部よりも扉部材9の内周側に引っ込んだ状態とされる。これにより、ロック部材81と係合孔62との係合状態が解除され、そのまま扉部材9を上方に持ち上げることで、扉部材9を開口壁部4aから取外すことができる。本実施形態では、係合片に相当するロックバー83が扉部材9の側辺部から側方に突出している位置が係合位置に相当し、ロックバー83が扉部材9の側辺部よりも内側に引っ込む位置が解除位置に相当する。
【0051】
また、本実施形態では、パーツ本体82には、操作凹部84の上縁から下方に突出する操作側指掛部88が設けられている。さらに、板バネ部85を支持する支持リブ79には、ロック部材81の操作凹部84の直上方位置において上方に突出する本体側指掛部91が設けられている。本実施形態では、ロック部材81のパーツ本体82の操作凹部84(操作側指掛部88)と、支持リブ79(本体側指掛部91)とによって解除操作部が構成されている。
【0052】
そして、支持リブ79に親指等を掛けつつ、残りの指を操作凹部84に掛けてパーツ本体82を支持リブ79側に近接させるようにして変位させることで、扉部材9自体の上方への変位を抑えつつ、パーツ本体82を上方に相対変位させ、ロックバー83を扉部材9の側辺部から引っ込めることができる。また、操作側指掛部88及び本体側指掛部91が設けられることで、上記のような解除操作が行い易くなる上、操作側指掛部88と本体側指掛部91とに指を掛けることで、扉部材9の外周縁に触れることなく、片手で扉部材9を移動させる(持ち運ぶ)ことができる。さらには、扉部材9を持った手で、操作凹部84(操作側指掛部88)と支持リブ79(本体側指掛部91)との間の距離を遠近させ、ロックバー83を扉部材9の側辺部から出没させる(係合位置と解除位置とに変位させる)ことができる。
【0053】
加えて、扉部材9のベース部71の上部中央には、厚み方向に貫通する係止孔92が形成されている。当該係止孔92は扉部材9の上辺部に沿って形成された補強リブ72の下方に隣接して形成されている。また、補強リブ72のうち係止孔92に対応する部位には、外側の縁部から係止孔92の内周側に張り出すようにして下方に突出する引っ掛け部93が設けられており、当該引っ掛け部93に指を引っ掛けて扉部材9を持ち運ぶこともできる。
【0054】
さて、本実施形態では、図3、図19、図20に示すように、閉鎖壁部4bにおいて、開口壁部4aから取外した扉部材9を装着することができるように構成されている。より具体的に説明すると、図17に示すように、閉鎖壁部4bの外面側には、扉部材9を収容可能な収容凹部66が形成されている。さらに、収容凹部66は、補強リブ54によって外周を囲まれており、閉鎖壁部4bに装着された扉部材9は閉鎖壁部4bの外周縁よりも内周側に配置される。本実施形態では、閉鎖壁部4bが装着壁部を構成する。
【0055】
さらに、閉鎖壁部4bの壁本体51の外面側上部中央には、外方に突出し、先端部が下方に折り返された鉤部68が設けられている。また、閉鎖壁部4bには、収容凹部66の側縁部を画定する部位において、収容凹部66に収容された扉部材9のロック部材81のロックバー83の先端部と対応する位置に、閉鎖壁部4bの横幅方向に貫通する装着側被係合部としてのロック孔69が形成されている。
【0056】
そして、扉部材9のロック部材81を操作してロックバー83をロック部材81の側辺部から引っ込めた状態とし、閉鎖壁部4bの外面側から、閉鎖壁部4bの鉤部68を、扉部材9の係止孔92に挿入しつつ、扉部材9を収容凹部66に収容する。収容凹部66に収容された扉部材9は、その大部分(扉部材9の厚みの半分以上)が収容凹部66の内側に収容される。収容後、ロック部材81から手を放すことで、ロックバー83がロック孔69に挿入されて係合し、扉部材9が閉鎖壁部4bから取外し不可能(相対変位不可能)とされる。
【0057】
また、閉鎖壁部4bに装着された扉部材9は、閉鎖壁部4bの外面から若干突出する程度であって、閉鎖壁部4bの外周面や内面側から突出することはない。このため、扉部材9を装着した状態で閉鎖壁部4bを回動させた場合でも、扉部材9が短辺側土台部7や長辺側側壁部3等に干渉するようなことはなく、比較的スムースに閉鎖壁部4bを回動させることができる。従って、本実施形態では、図6に示すように、扉部材9を閉鎖壁部4bに装着した状態としても、全ての側壁部3、4を折り畳むことができる。
【0058】
また、収容凹部66は、補強リブ54に適宜切り欠き部等を形成することで、閉鎖壁部4bに装着された扉部材9の外周面の大部分と収容凹部66の内周面とが略当接するように構成されており、扉部材9のガタツキの抑制が図られている。加えて、収容凹部66の内側の上部及び下部には、補強リブ54の突出長を短くすることで形成された当てリブ67が設けられており、収容凹部66に収容された扉部材9は、閉鎖壁部4bの壁本体51の外面から離間した状態で保持される。
【0059】
尚、扉部材9の上下の幅は、開口壁部4a及び閉鎖壁部4bの壁本体51の上下幅とほぼ同じ(若干短い)である。このため、装着された扉部材9の外周全体を囲うようにして構成される閉鎖壁部4bに関しては、収容凹部66が扉部材9よりも幅広に構成された短辺側ヒンジ部53にまで延在している。また、短辺側ヒンジ部53の強度は上記当てリブ67によって確保されている。さらに、閉鎖壁部4bが回動可能に連結される短辺側土台部7の縦壁部25については、閉鎖壁部4bを起立させた状態でも収容凹部66全体が側方に露出するように対応部位が切欠き形成されている。これにより、閉鎖壁部4bを起立させた状態でも閉鎖壁部4bに対して扉部材9を着脱可能となっている。
【0060】
また、折り畳まれた状態の短辺側側壁部4は、コーナー突部24やずれ防止凸部26の上縁部よりも下方に位置しており、上下方向において、コーナー突部24の上面と、短辺側側壁部4との間の距離が、底リブ2bの底板2aからの突出長よりも長くなっている。さらに、扉部材9を閉鎖壁部4bに装着して閉鎖壁部4bを折り畳んだとしても、上下方向において、コーナー突部24の上面と、扉部材9との間の距離が、底リブ2bの底板2aからの突出長よりも長くなっている。このため、図23、図24に示すように、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1を上下に積み重ねる(段積みする)と、下側の折り畳みコンテナ1のコーナー突部24の上面で上側の折り畳みコンテナ1の下面の4隅が支持されるとともに、上側の折り畳みコンテナ1の底リブ2bの外周面の4隅が、下側の折り畳みコンテナ1の各コーナー突部24とずれ防止凸部26とでなすコーナー部に略当接して位置決めされる。従って、折り畳み状態にある折り畳みコンテナ1を安定して段積みすることができる。
【0061】
また、全ての側壁部3、4を起立させて箱型とした使用状態でも、折り畳みコンテナ1を段積みすると、下側の折り畳みコンテナ1の側壁部3、4の上辺部によって、上側の折り畳みコンテナ1の下面外周部が支持されるとともに、上側の折り畳みコンテナ1の底リブが、下側の折り畳みコンテナ1の側壁部3、4の内周側に進入して位置決めが行われる。従って、使用状態にある折り畳みコンテナ1を安定して段積みすることができる。
【0062】
以上詳述したように、本実施形態によれば、短辺側側壁部4の一方(開口壁部4a)には、折り畳みコンテナ1に収容されている物品を側方から外部に取出し可能とする側面開口部8が形成されているとともに、当該開口壁部4aには、側面開口部8を開閉可能とする扉部材9が着脱自在に設けられている。さらに、本実施形態の折り畳みコンテナ1は、側面開口部8を開口させるべく側面開口部8から取外された扉部材9を装着可能な閉鎖壁部4bを備えている。このため、側面開口部8を開放させた状態で折り畳みコンテナ1を使用しているうちに扉部材9を紛失してしまうといった事態を回避することができる。また、扉部材9は常に折り畳みコンテナ1の本体と共にあることから、使用しない扉部材9の保管場所を別途確保する必要がない上、扉部材9を頻繁に付けたり外したりする場合の作業性の向上を図ることができる。従って、着脱可能な扉部材9を備える折り畳みコンテナ1の利便性(使い勝手)を向上させることができる。
【0063】
加えて、扉部材9は、閉鎖壁部4bの外面側に装着可能となっている。このため、閉鎖壁部4bに装着された扉部材9によって、折り畳みコンテナ1の内側の収容空間や、折り畳みコンテナ1の上方の開口部や、側面開口部8が狭められたりするといった事態を回避することができるとともに、扉部材9を閉鎖壁部4bに着脱する際の作業性の向上を図ることができる。
【0064】
また、扉部材9によって側面開口部8が閉鎖された状態では、扉部材9のロック部材81のロックバー83が開口壁部4aの係合孔62に挿通されて係合し、扉部材9が閉鎖壁部4bに装着された状態では、ロックバー83が閉鎖壁部4bのロック孔69に挿通されて係合される。従って、扉部材9を開口壁部4aに固定するためのロック部材81を利用して、扉部材9を閉鎖壁部4bに固定することができる。このため、例えば、扉部材9において、開口壁部4a用のロック部材とは別に、閉鎖壁部4b用のロック部材を設けるような場合に比べ、構成の簡素化、作業性の向上、軽量化等を図ることができる。加えて、ロックバー83は扉部材9(ベース部71)の外面に沿ってスライドする構成であることから、開口壁部4a及び閉鎖壁部4bにおいて、当該ロックバー83に係合する被係合部(係合孔62、ロック孔69)を比較的容易に形成することができ、また、係合状態の安定化をも図ることができる。
【0065】
また、扉部材9のロック部材81に形成された操作側指掛部88と、扉部材9の本体側(支持リブ79)に形成された本体側指掛部91とに指を掛けて扉部材9を(片手で)持つことができる上、そのまま操作側指掛部88と本体側指掛部91とを近接させるようにして力を加える(握る)ことで、ロックバー83を解除位置へと変位させることができる。従って、扉部材9を開口壁部4aと閉鎖壁部4bとの間で付け替える際の作業性を飛躍的に向上させることができる。特に、つまみ部88、91に指を掛けて扉部材9を掴めば、扉部材9の外周縁を持たなくても扉部材9を持ち運び可能であることから、閉鎖壁部4bに形成された収容凹部66の内周側に扉部材9を比較的スムースに進入させることができ、扉部材9を閉鎖壁部4bへ装着する作業性の向上を図るといった上記作用効果が一層確実に奏される。また、ロック部材81だけでなく扉部材9の本体側にも指を掛けることとなるため、扉部材9を持ち上げた場合の安定性や耐久性を向上させることができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、扉部材9が開口壁部4aに装着されている場合だけでなく、扉部材9が閉鎖壁部4bに装着されている場合でも、全ての側壁部3、4を寝かせ位置として折り畳みコンテナ1をコンパクトに折り畳むことができる。従って、利便性の向上を図ることができる上、複数の折り畳みコンテナ1を段積みした場合でも整然とさせることができる。また、折り畳みコンテナ1を折り畳んで運搬・保管する場合でも、扉部材9を逐一取外さなくても済み、扉部材9を折り畳みコンテナ1の本体とは別に運搬・保管したり、扉部材9を紛失したりするといったおそれを回避するとともに、折り畳みコンテナ1を折り畳んだり組み立てたりする場合の作業性の向上を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態では、開口壁部4aの短辺側ヒンジ部53は、側面開口部8や扉部材9よりも幅広に構成されている。このため、側面開口部8の上下幅を開口壁部4aの壁本体51の上下幅とほぼ同じとなるように比較的大きくしても、短辺側ヒンジ部53で壁本体51の左辺部と右辺部とを連結し、開口壁部4aの形状を維持することができる。従って、側面開口部8を極力大きく形成することができ、側面開口部8を介して物品の出し入れする際の作業性の向上を図ることができる。
【0068】
加えて、本実施形態では、扉部材9が装着される短辺側側壁部4(開口壁部4a及び閉鎖壁部4b)が、長辺側側壁部3の上側に折り畳まれるように構成されている。すなわち、短辺側側壁部4が下(先)に畳まれる構成とした場合、長辺側側壁部3や長辺側土台部6との干渉を避けつつ、短辺側側壁部4を折り畳むために、短辺側側壁部4の横幅を狭くする必要が生じてしまう。この点、本実施形態のように、短辺側側壁部4を上(後)に折り畳む構成とすることで、短辺側側壁部4を折り畳みコンテナ1の(短手方向の)幅一杯に延在させることができ、ひいては、側面開口部8を極力幅広に形成することができる。
【0069】
また、扉部材9の側辺部に沿って形成された溝部74に対して、開口壁部4aの側縁部に沿って形成されたガイドレール61を相対的に挿入させる構成により、扉部材9を比較的スムースに側面開口部8を閉鎖可能な位置まで案内することができる。さらに、扉部材9で側面開口部8を閉鎖した状態において、扉部材9の第1嵌合凸部75及び第2嵌合凸部77を、開口壁部4aの第1嵌合凹部63及び第2嵌合凹部64に嵌入させる構成により、扉部材9の変形を抑制して、扉部材9で側面開口部8を閉鎖した状態をより確実に維持することができる。
【0070】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0071】
(a)上記実施形態では、側壁部3、4を折り畳んだ状態において、長辺側側壁部3が下側で短辺側側壁部4が上側に重なるようになっているが、長辺側側壁部3が上側で短辺側側壁部4が下側に重なるよう構成してもよい。さらに、側壁部3、4のうち下側に折り畳まれる方に、側面開口部8や収容凹部66を設けて、扉部材9を装着可能に構成してもよい。また、上記実施形態では、相対する一対の短辺側側壁部4のうち一方が、側面開口部8の形成された開口壁部(4a)として構成され、短辺側側壁部4の他方が、開口壁部から取外された扉部材9を装着可能な装着壁部(閉鎖壁部4b)として構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、4つの側壁部3、4のうち、開口壁部と、装着壁部とが1つずつ設けられ、少なくとも1つの側面開口部8が開放された状態と、全ての側面開口部8が閉鎖された状態とに変化可能に構成されていればよい。例えば、開口壁部が2つ(及び扉部材9が2つ)で装着壁部が2つ設けられていてもよいし、開口壁部が1つで装着壁部が2つ設けられていてもよいし、開口壁部が3つ(及び同形状の扉部材9が3つ)で装着壁部が1つ設けられていてもよい。
【0072】
(b)また、側壁部3、4を底壁部2に対して回動可能に連結する構成については特に限定されるものではない。例えば、短辺側側壁部4についても、長辺側ヒンジ部33のような略T字状のヒンジ部で底壁部2に連結してもよい。但し、上記実施形態のように、開口壁部4aの短辺側ヒンジ部53を幅広に構成することで、側面開口部8を比較的大きく形成しても、短辺側ヒンジ部53で開口壁部4aの形状を維持することができる。従って、側面開口部8を極力大きく形成することができ、側面開口部8を介して物品の出し入れする際の作業性の向上を図ることができる。
【0073】
さらに、上記実施形態では、各側壁部3、4が回動変位可能な折り畳みコンテナ1に具体化されているが、底壁部2と側壁部3、4とが一体的に形成されて側壁部3、4が回動変位しない箱型容器に適用してもよい。また、底壁部2の形状は特に限定されるものではなく、例えば、平面形状が、3辺以上の側辺部を有する他角形状であってもよいし、略正多角形状であってもよいし、略円形状、略楕円形状であってもよい。但し、折り畳み可能に構成する場合には、底壁部2は略矩形板状に構成されることが望ましい。
【0074】
(c)また、扉部材9を開口壁部4aや閉鎖壁部4bに係合するための構成は特に限定されるものではなく、例えば、ガイドレール61及びガイドリブ73を省略したり、嵌合凸部75、77、及び、嵌合凹部63、64を省略したりしてもよい。さらに、上記実施形態では、ロック部材81が扉部材9の下側に設けられているが、扉部材9の上側にロック部材を設けるとともに、扉部材9の下側に係止孔92を設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、開口壁部4aや閉鎖壁部4bに対して、扉部材9を誤った向き(例えば、内外面が反対、上下反対)で取付けようとしても、取付けることができない(例えば、嵌合凸部75、77が嵌合凹部63、64に嵌らない等)ように構成されていることとしてもよい。
【0075】
(d)上記実施形態では、折り畳みコンテナ1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…折り畳みコンテナ、2…底壁部、3…長辺側側壁部、4…短辺側側壁部、4a…開口壁部、4b…閉鎖壁部、6…長辺側土台部、7…短辺側土台部、8…側面開口部、9…扉部材、62…係合孔、66…収容凹部、69…ロック孔、79…支持リブ、81…ロック部材、82…パーツ本体、83…ロックバー、84…操作凹部、85…板バネ部、88…操作側指掛部、91…本体側指掛部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される箱型容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、物品の運搬等に使用される箱型容器は、略矩形板状の底壁部と、底壁部の側辺部から上方に延出する側壁部とを備えており、上方から物品を出し入れする構成となっている。また、側壁部に開口部が形成されるとともに、当該開口部を開閉可能な扉部材が着脱自在に設けられ、開口部が開放されることで、箱型容器の側方からも物品の出し入れが行えるように構成されたものがある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−257571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の箱型容器は、扉部材を取外し、開口部を開放させた状態で使用しているうちに扉部材を紛失してしまうことが懸念される。また、使用しない扉部材の保管場所を確保する必要が生じたり、扉部材を比較的頻繁に付けたり外したりする場合の作業性の低下を招いたりするおそれがある。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、着脱自在な扉部材を備える構成において、利便性の向上を図ることのできる箱型容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.略板状をなす底壁部と、前記底壁部の外周縁に沿って上方に延出する周壁部とを備え、
前記周壁部は、
内側に収容された物品を側方から外部に取出し可能とする側面開口部が形成されるとともに、当該側面開口部を開閉可能な扉部材が着脱自在に設けられる開口壁部と、
前記開口壁部から取外された前記扉部材を外面側に装着可能な装着壁部とを備えていることを特徴とする箱型容器。
【0008】
手段1によれば、側面開口部を開口させるべく開口壁部から取外された扉部材を装着可能な装着壁部が設けられている。このため、側面開口部を開放させた状態で箱型容器を使用しているうちに扉部材を紛失してしまうといった事態を回避することができる。また、扉部材は常に箱型容器と共にあることから、使用しない扉部材の保管場所を別途確保する必要がない上、扉部材を頻繁に付けたり外したりする場合の作業性の向上を図ることができる。従って、着脱可能な扉部材を備える箱型容器の利便性(使い勝手)を向上させることができる。
【0009】
加えて、扉部材は、装着壁部の外面側に装着可能となっている。このため、装着壁部に装着された扉部材によって、箱型容器の内側の収容空間や、箱型容器の上方の開口部や、側面開口部が狭められたりするといった事態を回避することができるとともに、扉部材を装着壁部に着脱する際の作業性の向上を図ることができる。
【0010】
手段2.前記扉部材は、当該扉部材の内面又は外面に沿ってスライド可能な係合片を有するロック部材を備え、
前記開口壁部は、前記扉部材によって前記側面開口部が閉鎖された状態において前記ロック部材の前記係合片と係合する開口側被係合部を備え、
前記装着壁部は、前記ロック部材の前記係合片と係合する装着側被係合部を備え、前記係合片と前記装着側被係合部とが係合することで、前記扉部材が前記装着壁部に固定されることを特徴とする手段1に記載の箱型容器。
【0011】
手段2によれば、扉部材を開口壁部に固定するためのロック部材を利用して、扉部材を装着壁部に固定することができる。このため、扉部材において、開口壁部用のロック部材とは別に、装着壁部用のロック部材を設けるような場合に比べ、構成の簡素化、作業性の向上、軽量化等を図ることができる。さらに、ロック部材は、係合片を扉部材の内面又は外面に沿ってスライドさせる構成であることから、開口壁部及び装着壁部において、当該係合片に係合する開口側被係合部及び装着側被係合部を比較的容易に形成することができ、また、係合状態の安定化をも図ることができる。
【0012】
手段3.前記係合片は、前記開口側被係合部又は前記装着側被係合部に対して係合可能な係合位置と、前記開口側被係合部又は前記装着側被係合部との係合状態を解除可能な解除位置とに変位可能に構成され、
前記扉部材は、前記係合片を前記係合位置側に付勢する付勢手段を備えるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して前記係合片を前記解除位置側へと変位させる際に作業者に操作される解除操作部を備え、
前記解除操作部は、前記ロック部材に設けられた操作側指掛部と、前記扉部材の本体側に設けられた本体側指掛部とを備え、前記操作側指掛部と前記本体側指掛部とに指を掛けて前記扉部材を持ち運び可能に構成されるとともに、前記操作側指掛部を前記本体側指掛部に近接させるようにして押圧操作することで、前記係合片が前記解除位置側へと変位することを特徴とする手段2に記載の箱型容器。
【0013】
手段3によれば、操作側指掛部と本体側指掛部とに指を掛けて扉部材を(片手で)持つことができる上、そのまま、操作側指掛部と本体側指掛部とを近接させるようにして解除操作部に力を加える(握る)ことで、係合片を解除位置へと変位させることができる。従って、扉部材を開口壁部と装着壁部との間で付け替える際の作業性を飛躍的に向上させることができる。特に、解除操作部を掴めば、扉部材の外周縁を持たなくても扉部材を持ち運び可能であることから、装着壁部に形成された凹部の内周側に扉部材を進入させるようにして装着するといった構成においては、扉部材を装着壁部へ装着する作業性の向上を図るといった上記作用効果が一層確実に奏される。また、ロック部材だけでなく扉部材の本体側にも指を掛けることとなるため、扉部材を持ち上げた場合の安定性や耐久性を向上させることができる。
【0014】
手段4.前記底壁部は略矩形板状をなし、前記周壁部は前記底壁部の各側辺部に対応してそれぞれ回動可能に連結された4つの側壁部からなり、
前記各側壁部は、前記底壁部の各側辺部に沿って上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に畳まれ、該底壁部と平行な寝かせ位置との間を回動変位可能に構成され、
前記側壁部のうち少なくとも1つは前記開口壁部として構成されるとともに、前記開口壁部以外の前記側壁部のうち少なくとも1つは前記装着壁部として構成され、
前記扉部材が前記開口壁部及び前記装着壁部のどちらに装着された状態でも、全ての前記側壁部を前記寝かせ位置として前記底壁部の上側に折り畳める構成であることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の箱型容器。
【0015】
手段4によれば、扉部材が開口壁部に装着されている場合だけでなく、扉部材が装着壁部に装着されている場合でも、箱型容器をコンパクトに折り畳むことができ、利便性の向上を図ることができる上、複数の箱型容器を段積みした場合でも整然とさせることができる。また、箱型容器を折り畳んで運搬・保管する場合でも、扉部材を逐一取外さなくても済み、扉部材を箱型容器の本体とは別に運搬・保管したり、扉部材を紛失したりするといったおそれを回避するとともに、箱型容器を折り畳んだり組み立てたりする場合の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】扉部材が開口壁部に装着された折り畳みコンテナの斜視図である。
【図2】扉部材が閉鎖壁部に装着された折り畳みコンテナの斜視図である。
【図3】扉部材が閉鎖壁部に装着された折り畳みコンテナの斜視図である。
【図4】扉部材が取外された折り畳みコンテナの斜視図である。
【図5】折り畳まれた状態の折り畳みコンテナを示す斜視図である。
【図6】折り畳まれた状態の折り畳みコンテナを示す斜視図である。
【図7】底壁部の上面側を示す斜視図である。
【図8】底壁部の下面側を示す斜視図である。
【図9】扉部材が装着された開口壁部の外面側を示す斜視図である。
【図10】扉部材が装着された開口壁部の内面側を示す斜視図である。
【図11】開口壁部の外面側を示す斜視図である。
【図12】開口壁部の内面側を示す斜視図である。
【図13】扉部材の外面側を示す斜視図である。
【図14】扉部材の内面側を示す斜視図である。
【図15】ロック部材が取外された扉部材を示す斜視図である。
【図16】ロック部材の分解斜視図である。
【図17】閉鎖壁部の外面側を示す斜視図である。
【図18】閉鎖壁部の内面側を示す斜視図である。
【図19】扉部材が装着された閉鎖壁部を示す斜視図である。
【図20】図19のA−A線における断面を含む斜視図である。
【図21】長辺側側壁部の外面側を示す斜視図である。
【図22】長辺側側壁部の内面側を示す斜視図である。
【図23】折り畳まれた状態で段積みされた折り畳みコンテナを示す斜視図である。
【図24】折り畳まれた状態で段積みされた折り畳みコンテナを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1等に示すように、折り畳みコンテナ1は、略矩形板状の底壁部2と、底壁部2の相対する一対の長辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた長辺側側壁部3と、底壁部2の相対する一対の短辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた短辺側側壁部4とを備えている。本実施形態では、底壁部2、長辺側側壁部3、及び短辺側側壁部4はポリプロピレンにより構成されている。また、本実施形態では、折り畳みコンテナ1によって箱型容器が構成され、一対の長辺側側壁部3と一対の短辺側側壁部4とによって周壁部が構成されている。
【0018】
図7、図8に示すように、底壁部2には、各長辺部に沿って底壁部2から上方に突出する長辺側土台部6と、各短辺部に沿って底壁部2から上方に突出する短辺側土台部7とが設けられている。本実施形態では、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4は、それぞれ長辺側土台部6及び短辺側土台部7に対して回動可能に連結されており、それぞれ土台部6、7の上方に立設される起立位置と、底壁部2の上方に折り畳まれ、当該底壁部2と平行して延在する寝かせ位置との間を回動変位可能に構成されている。
【0019】
各長辺側土台部6は、底壁部2の長辺部から上方に延びる内壁部11と、内壁部11の上縁部から外方に延びる上壁部12と、上壁部12の外縁部から下方に延びる外壁部13とを備え、下方に開口した断面略コ字状をなしている。また、本実施形態の長辺側土台部6は、相対する一対の短辺側土台部7の内面同士を連結するようにして設けられている。
【0020】
さらに、各長辺側土台部6には、長辺側側壁部3を回動可能に支持するための長辺側軸受部15が、長辺側土台部6の両端部近傍部位と中央部との3箇所に設けられている。長辺側軸受部15は、内壁部11と外壁部13との間を連結する連結壁部16を長辺側土台部6の延在方向において対向するようにして一対で設け、一対の連結壁部16間の部位において、上壁部12を切欠くとともに、内壁部11を連結壁部16との連接部位を残すようにして切欠き、残された内壁部11の上辺部から外壁部13側に向けて突出するフック部17を設けることによって構成されている。
【0021】
各短辺側土台部7は、底壁部2の短辺部から上方に延びる内壁部21と、内壁部21の上縁部から外方に延びる上壁部22と、上壁部22の外縁部から下方に延びる外壁部23とを備えている。また、短辺側土台部7は、その長手方向両端部において、上方に突出するコーナー突部24を備えるとともに、上壁部22の外側の縁部に沿って一対のコーナー突部24間を連結するようにして延びる縦壁部25を備えている。本実施形態の短辺側土台部7の上壁部22の上面は、長辺側土台部6の上壁部12の上面と同じ高さ位置となっている。また、コーナー突部24の長辺側土台部6側の面は、短辺側土台部7の内壁部21の内面と面一となっている。
【0022】
加えて、コーナー突部24は、下方に開口するのではなく、底壁部2の短手方向において底壁部2の外周側に開口している。また、各短辺側土台部7の両端部には、コーナー突部24から長辺側土台部6の上方に突出するずれ防止凸部26が形成されている。ずれ防止凸部26の内面は、長辺側土台部6の内壁部11の内面と面一となっている。
【0023】
さらに、各短辺側土台部7には、短辺側側壁部4を回動可能に支持するための短辺側軸受部27が設けられている。本実施形態の短辺側軸受部27は、短辺側土台部7の長手方向中央部において、上壁部22から上方に突設された補助受部28と、短辺側土台部7の長手方向両端部のコーナー突部24において設けられた軸支部29とを備えている。補助受部28は、短辺側土台部7の長手方向に貫通するとともに上方に開口した軸孔28aを有して、断面略C字状をなしている。また、軸支部29は、一対のコーナー突部24のうち補助受部28を挟んで対向する壁部に対し、それぞれ軸孔29aを形成することによって構成されている。
【0024】
尚、本実施形態の底壁部2は、碁盤目状に上下に貫通する開口部が形成された底板2a(図7参照)と、底板2aに形成された各開口部の周縁部から下方に延出する格子状の底リブ2b(図8参照)とを備えている。底リブ2bは、土台部6、7より構成される枠状部の内周側の範囲全域に形成されている。また、土台部6、7の外壁部13、23の下縁部は、底壁部2の底板2aの下面とほぼ同じ高さ位置となっており、底リブ2bの下縁部よりも上方に位置している。
【0025】
図2、図21、図22等に示すように、長辺側側壁部3は、長辺側土台部6とほぼ同じ横幅を有する略矩形板状の壁本体31と、壁本体31の両側部において壁本体31の外面(起立位置では底壁部2の外周側を向き、寝かせ位置では上側を向く面)から突出する挿入突起32と、壁本体31の下辺部(起立位置では下側を向き、寝かせ位置では底壁部2の外周側を向く面)から突出する長辺側ヒンジ部33とを備えている。また、壁本体31の外面には、少なくとも壁本体31の外周縁に沿って、適宜、補強リブ34が外方に突出形成されており、これによって、長辺側側壁部3の厚みが長辺側土台部6の厚みとほぼ同じに構成されている。
【0026】
長辺側ヒンジ部33は、壁本体31の外周に沿って形成された補強リブ34のうち起立位置にある長辺側側壁部3の下辺部を構成する部位から下方に向けて垂直に延出する略棒状の連結部35と、連結部35の先端部の両側面からそれぞれ長辺側側壁部3の長手方向に沿って突出する一対の軸部36とを備え、全体として略T字状をなしている。長辺側ヒンジ部33は、長辺側土台部6に形成された長辺側軸受部15に対応して3箇所に設けられている。
【0027】
そして、長辺側ヒンジ部33の軸部36が長辺側軸受部15に挿入されることで、軸部36が長辺側軸受部15のフック部17の下面側に位置して(引っ掛かって)軸支されるようになる。これによって、長辺側側壁部3が長辺側土台部6に対して回動可能に連結されている。
【0028】
さらに、長辺側側壁部3の外面側上部には、長辺側側壁部3とは別体として構成された係止パーツ41が長辺側側壁部3の高さ方向(長辺側側壁部3の起立状態では上下方向)に沿ってスライド可能に設けられている。図21に示すように、係止パーツ41は、長辺側側壁部3の横幅方向(長手方向)に沿って延在し、外面側中央に操作凹部43を有するパーツ本体42と、パーツ本体42の下面から斜め下方に延出し、先端側が補強リブ34に圧接することでパーツ本体42を長辺側側壁部3の上辺部側に付勢する左右一対の板バネ部44と、パーツ本体42の両側部から側方に突出する係止突部45とを備えている。
【0029】
各係止突部45は、長辺側側壁部3の各側縁部にまで延びている。また、長辺側側壁部3には、係止突部45の先端部を長辺側側壁部3の内面側に露出させる挿通凹部37(図22参照)が形成されている。さらに、各係止突部45の両端部は、外面の上部が上方に向けて内面側に傾斜する傾斜面となっている(図21参照)。
【0030】
尚、壁本体31の外面側の上部中央(本例では、係止パーツ41の下側)には、作業者が手をかけて折り畳みコンテナ1を持ち運ぶことができるように持ち手部38が形成されている。また、壁本体31には、短辺側土台部7の内側面から突出するずれ防止凸部26との干渉を避けるべく切欠き部39が形成されている。
【0031】
さて、本実施形態では、図2、図3等に示すように、一対の短辺側側壁部4のうち一方において、折り畳みコンテナ1に収容されている物品を側方から取出し可能とする側面開口部8が形成されている。以下、側面開口部8が形成された短辺側側壁部4を開口壁部4aと称し、側面開口部8が形成されていない短辺側側壁部4を閉鎖壁部4bと称する。
【0032】
先ず、閉鎖壁部4bについて、図4、図17、図18等を参照して説明する。閉鎖壁部4bは、短辺側土台部7(コーナー突部24を含む)とほぼ同じ横幅を有する略板状の壁本体51と、壁本体51の両側辺部において壁本体51の内面(起立位置では底壁部2の内周側を向き、寝かせ位置では下側を向く面)から突出する係止壁52と、壁本体51の下辺部(起立位置では下側を向き、寝かせ位置では底壁部2の外周側を向く面)から突出する短辺側ヒンジ部53とを備えている。また、壁本体51の外面には、少なくとも壁本体51の外周縁に沿って、適宜、補強リブ54が外方に突出形成されており、これによって、閉鎖壁部4bの厚みが短辺側土台部7の厚みとほぼ同じに構成されている。
【0033】
短辺側ヒンジ部53は、図示しない軸ピンを介して、短辺側土台部7の両端部(各コーナー突部24)に設けられた軸支部29にそれぞれ軸支される一対の回動連結部57と、短辺側土台部7の長手方向中央部に設けられた補助受部28に軸支される補助軸部58とを備えている。各回動連結部57は、閉鎖壁部4bの厚みよりも若干小さい直径を有し、中央に軸孔57aの形成された円筒体を、壁本体51の下辺部に沿って形成された補強リブ54に沿わせて近接配置するとともに、両者間を連結したような形状をなしている。また、補助軸部58は、一対の回動連結部57間の位置において、閉鎖壁部4bの横幅方向において互いに対向するようにして設けられた一対の板状部59a間を連結する円柱体によって構成されている。
【0034】
そして、補助受部28の軸孔28aに補助軸部58が挿入されるとともに、回動連結部57の軸孔57aと、軸支部29の軸孔29aとにかけて軸ピンが挿入されることで、閉鎖壁部4bが短辺側土台部7に対して回動可能に連結されている。加えて、本実施形態の短辺側ヒンジ部53には、各回動連結部57と当該回動連結部57に近い方の板状部59aとの間を連結する中継部59bが設けられている。従って、本実施形態の短辺側ヒンジ部53は、閉鎖壁部4b(短辺側側壁部4)の下辺部のうち短辺側土台部7の一対のコーナー突部24間(上壁部22)に対応する部位全体が幅広くせり出したような格好をなしている。
【0035】
尚、図7等に示すように、本実施形態では、短辺側軸受部27(短辺側側壁部4の回転中心)は、長辺側軸受部15(長辺側側壁部3の回転中心)よりも上方位置に設けられているため、長辺側側壁部3を先に畳まないと、短辺側側壁部4を畳むことができない構成となっている。従って、図5、図6に示すように、折り畳みコンテナ1を折り畳んだ状態(全ての側壁部3、4を前記底壁部2と平行な寝かせ位置とした非使用状態)では、短辺側側壁部4が、長辺側側壁部3の上側に重なるようにして畳まれている。加えて、図1に示すように、折り畳みコンテナ1を上方に開口する箱型に組み立てた状態(全ての側壁部3、4を起立位置とした使用状態)とすると、各側壁部3、4の上面がほぼ面一となるように構成されている。
【0036】
また、図18に示すように、各係止壁52には、閉鎖壁部4bの長手方向において貫通するとともに、長辺側側壁部3の挿入突起32を挿入可能な挿入孔55が形成されている。さらに、各係止壁52の上部から閉鎖壁部4bの幅方向中央部側に突出するとともに、長辺側側壁部3の挿通凹部37に挿入可能な係止フック56が設けられている。加えて、係止フック56の先端部には、下方に突出する係止爪56aが設けられている。
【0037】
そして、閉鎖壁部4b(短辺側側壁部4)を起立させた後、長辺側側壁部3を起立させていくことで、係止フック56が、係止パーツ41の係止突部45(図21参照)の両端部外面に当接する。当該係止突部45の係止フック56との当接面は上記のように傾斜しており、両者が当接した状態からさらに長辺側側壁部3を起立させることで、係止パーツ41を板バネ部44の付勢力に抗して下方に変位させ、係止フック56の先端部を挿通凹部37に挿入させることができる。これにより、長辺側側壁部3の挿入突起32が係止壁52の挿入孔55に挿入され、長辺側側壁部3の外面側が係止壁52に略当接して支持されることとなり、短辺側側壁部4の内側及び外側への傾倒変位が防止されるとともに、長辺側側壁部3の外側への傾倒変位が防止される。さらに、係止フック56の係止爪56aが挿通凹部37に挿入されると、係止パーツ41が板バネ部44の付勢力によって上方位置に復帰し、係止フック56の係止爪56aが係止突部45の内面側に係止されることとなる。これにより、長辺側側壁部3の内側への傾倒変位についても防止される。
【0038】
また、長辺側側壁部3を畳む(内側に倒す)際には、係止パーツ41の操作凹部43を下方に押圧操作して係止パーツ41を下方に変位させることで、係止突部45と係止爪56aとの係止状態が解除されるため、この状態で長辺側側壁部3を内側に倒せば、長辺側側壁部3を底壁部2の上側に折り畳むことができる。尚、閉鎖壁部4bが起立状態とされると、短辺側土台部7の縦壁部25の内面と、閉鎖壁部4bの外面とが略当接状態とされるため、閉鎖壁部4bのそれ以上の外側への回動変位が規制されることとなる。
【0039】
加えて、閉鎖壁部4bの壁本体51の下辺部の両端部近傍部位には、閉鎖壁部4bを折り畳んだ際に、コーナー突部24から突出するずれ防止凸部26が挿入されるずれ防止凹部60が形成されている。これにより、長辺側側壁部3の上方に折り畳まれた短辺側側壁部4の水平方向におけるずれ移動をより確実に防止することができる。
【0040】
尚、長辺側側壁部3の壁本体31の上下幅は、一対の長辺側土台部6間の距離の半分よりも長くなっている。これに対し、図2、図7等に示すように、長辺側土台部6の高さは、長辺側側壁部3の2枚分の厚みよりも若干長くなっている。さらに、長辺側軸受部15は、長辺側土台部6の内壁部11の下端部近傍まで切欠き形成されており、長辺側ヒンジ部33の軸部36が長辺側軸受部15の内側で上下に変位し得るように構成されている。当該構成により、相対する一対の長辺側側壁部3のうち先ず一方を内側に倒すと、長辺側ヒンジ部33は、回動変位しつつ、その回転中心が下方に変位する。これによって、当該長辺側側壁部3をその内面が底壁部2の上面と当接するまで内側に倒すことができる。続いて、もう一方の長辺側側壁部3を内側に倒すと、当該長辺側ヒンジ部33は、回動変位しつつ、その回転中心が上方に変位する。これによって、当該長辺側側壁部3を先に倒された長辺側側壁部3の上側に重ねて倒すことができる。
【0041】
次に、開口壁部4aについて、図2、図11、図12等を参照して説明する。開口壁部4aは、基本的に閉鎖壁部4bと同様の構成を備えており、壁本体51と、係止壁52と、短辺側ヒンジ部53とを備えている。但し、開口壁部4aには、その上辺部を下方に凹ませるようにして側面開口部8が形成されているため、正面視すると上方に開口する略コ字状をなしている。
【0042】
また、開口壁部4aの補強リブ54のうち、側面開口部8の側縁部を画定する部位には、側面開口部8の側縁部の長手方向(開口壁部4aの高さ方向)に沿って延びるガイドレール61が設けられているとともに、開口壁部4aの横幅方向に貫通する開口側被係合部としての係合孔62が形成されている。さらに、図11に示すように、開口壁部4aの補強リブ54のうち、側面開口部8の下縁部を画定する部位には第1嵌合凹部63が形成されている。加えて、開口壁部4aの上辺部は側面開口部8に隣接する部位が一段低く構成されるとともに、当該一段低くなった部位の補強リブ54には第2嵌合凹部64が設けられている。
【0043】
尚、本実施形態では、短辺側ヒンジ部53の横幅が、側面開口部8及び後述する扉部材9の横幅よりも広く構成されている。また、側面開口部8(扉部材9)の上下の幅は、短辺側側壁部4の壁本体51の上下幅を若干(補強リブ54一枚の厚み分)短くした長さとなっている。このため、開口壁部4aについては、左辺部と右辺部とが短辺側ヒンジ部53を介して連結されているような形状をなしている。
【0044】
また、本実施形態の折り畳みコンテナ1は、側面開口部8を開閉可能とし、開口壁部4aに対して着脱自在に設けられる扉部材9を備えている。ここで、扉部材9について、図13〜図16等を参照して説明する。扉部材9は、側面開口部8に対応した外形状をなす略板状のベース部71を備えているとともに、ベース部71の外面(側面開口部8を閉鎖した状態において外側を向く面)には、少なくともベース部71の外周縁に沿って、適宜、補強リブ72が外方に突出形成されている。
【0045】
扉部材9には、両側辺部に沿って延びるガイドリブ73が、扉部材9の厚み方向において対向するように一対で設けられている。当該一対のガイドリブ73によって、その間に、前記開口壁部4aのガイドレール61を挿通可能な溝部74が形成されている。そして、扉部材9の溝部74に開口壁部4aのガイドレール61を相対的に挿入させるようにして、開口壁部4aの上辺部側から、扉部材9を開口壁部4aに取付けることで、図9、図10等に示すように、側面開口部8が扉部材9によって閉鎖されることとなる。尚、ガイドリブ73には孔部が形成されるとともに、ガイドレール61の片面側にはリブが形成されており、ガイドリブ73とガイドレール61との密着防止が図られている。
【0046】
また、図13、図14に示すように、扉部材9には、下辺部から下方に突出する第1嵌合凸部75が設けられている。さらに、扉部材9には、各側辺部の上端部から側方に突出する張り出し部76が設けられるとともに、当該張り出し部76の下面から下方に突出する第2嵌合凸部77が設けられている。そして、扉部材9によって側面開口部8を閉鎖した状態では、第1嵌合凸部75が第1嵌合凹部63に嵌入し、第2嵌合凸部77が第2嵌合凹部64に嵌入することとなる(図11参照)。尚、図9、図10に示すように、本実施形態では、扉部材9の厚みが開口壁部4aの厚みよりも若干薄く形成されるとともに、扉部材9の開口壁部4aへの取付状態においては、扉部材9の内面と開口壁部4aの内面とがほぼ面一となるように構成されている。また、扉部材9の開口壁部4aへの取付状態においては、開口壁部4aの上辺と扉部材9の上辺とがほぼ面一となっている。
【0047】
また、扉部材9の外面側下部には、ベース部71とは別体として構成されたロック部材81が設けられている。図13、図16等に示すように、ロック部材81は、上下方向にスライド可能に構成されたパーツ本体82と、パーツ本体82の上下動に連動して左右方向にスライドする係合片としてのロックバー83とを備えている。
【0048】
パーツ本体82の外面側中央部には、操作凹部84が形成されている。さらに、パーツ本体82には、その上面から斜め上方に延出する付勢手段としての左右一対の板バネ部85が設けられている。各板バネ部85の先端部は、ロック部材81の上方位置においてベース部71から外方に向けて一体的に延出する支持リブ79の下面に圧接されており、これによって、パーツ本体82が扉部材9の下辺部側に付勢されている。加えて、パーツ本体82の内面側には、長円状のスライド枠86が左右一対で形成されている。各スライド枠86はそれぞれ側方に向けて上方傾斜している。
【0049】
さらに、ロックバー83の一端部側には、外面から突出する円柱状の連動突部87が設けられている。ロックバー83は、一端部側に設けられた連動突部87がスライド枠86の内周側に収容されるとともに、他端部側がパーツ本体82から側方に突出して、扉部材9の補強リブ72に形成されたロック支持孔78(図15参照)に挿通されている。本実施形態では、ロック部材81を操作していない場合、ロックバー83の連動突部87がスライド枠86の上部に相対的に位置しており、ロックバー83が扉部材9の側辺部から側方に突出した状態(図13、図14のような状態)となっている。そして、側面開口部8を扉部材9で閉鎖した状態においては、各ロックバー83が開口壁部4aの係合孔62(図11参照)に挿入されて係合し、扉部材9が開口壁部4aから取外し不可能(相対変位不可能)となる。
【0050】
一方、板バネ部85の付勢力に抗して、パーツ本体82を上方に変位させると、ロックバー83の連動突部87は、上記のように斜めに延在するスライド枠86の下部に向けて相対的に変位するとともに、当該変位に伴って、扉部材9の幅方向中央部側にも変位させられる。このため、ロック支持孔78に支持されて、扉部材9の外面に沿って水平方向にのみスライド可能に構成されているロックバー83は、扉部材9の横幅方向中央側にスライドし、扉部材9の側辺部よりも扉部材9の内周側に引っ込んだ状態とされる。これにより、ロック部材81と係合孔62との係合状態が解除され、そのまま扉部材9を上方に持ち上げることで、扉部材9を開口壁部4aから取外すことができる。本実施形態では、係合片に相当するロックバー83が扉部材9の側辺部から側方に突出している位置が係合位置に相当し、ロックバー83が扉部材9の側辺部よりも内側に引っ込む位置が解除位置に相当する。
【0051】
また、本実施形態では、パーツ本体82には、操作凹部84の上縁から下方に突出する操作側指掛部88が設けられている。さらに、板バネ部85を支持する支持リブ79には、ロック部材81の操作凹部84の直上方位置において上方に突出する本体側指掛部91が設けられている。本実施形態では、ロック部材81のパーツ本体82の操作凹部84(操作側指掛部88)と、支持リブ79(本体側指掛部91)とによって解除操作部が構成されている。
【0052】
そして、支持リブ79に親指等を掛けつつ、残りの指を操作凹部84に掛けてパーツ本体82を支持リブ79側に近接させるようにして変位させることで、扉部材9自体の上方への変位を抑えつつ、パーツ本体82を上方に相対変位させ、ロックバー83を扉部材9の側辺部から引っ込めることができる。また、操作側指掛部88及び本体側指掛部91が設けられることで、上記のような解除操作が行い易くなる上、操作側指掛部88と本体側指掛部91とに指を掛けることで、扉部材9の外周縁に触れることなく、片手で扉部材9を移動させる(持ち運ぶ)ことができる。さらには、扉部材9を持った手で、操作凹部84(操作側指掛部88)と支持リブ79(本体側指掛部91)との間の距離を遠近させ、ロックバー83を扉部材9の側辺部から出没させる(係合位置と解除位置とに変位させる)ことができる。
【0053】
加えて、扉部材9のベース部71の上部中央には、厚み方向に貫通する係止孔92が形成されている。当該係止孔92は扉部材9の上辺部に沿って形成された補強リブ72の下方に隣接して形成されている。また、補強リブ72のうち係止孔92に対応する部位には、外側の縁部から係止孔92の内周側に張り出すようにして下方に突出する引っ掛け部93が設けられており、当該引っ掛け部93に指を引っ掛けて扉部材9を持ち運ぶこともできる。
【0054】
さて、本実施形態では、図3、図19、図20に示すように、閉鎖壁部4bにおいて、開口壁部4aから取外した扉部材9を装着することができるように構成されている。より具体的に説明すると、図17に示すように、閉鎖壁部4bの外面側には、扉部材9を収容可能な収容凹部66が形成されている。さらに、収容凹部66は、補強リブ54によって外周を囲まれており、閉鎖壁部4bに装着された扉部材9は閉鎖壁部4bの外周縁よりも内周側に配置される。本実施形態では、閉鎖壁部4bが装着壁部を構成する。
【0055】
さらに、閉鎖壁部4bの壁本体51の外面側上部中央には、外方に突出し、先端部が下方に折り返された鉤部68が設けられている。また、閉鎖壁部4bには、収容凹部66の側縁部を画定する部位において、収容凹部66に収容された扉部材9のロック部材81のロックバー83の先端部と対応する位置に、閉鎖壁部4bの横幅方向に貫通する装着側被係合部としてのロック孔69が形成されている。
【0056】
そして、扉部材9のロック部材81を操作してロックバー83をロック部材81の側辺部から引っ込めた状態とし、閉鎖壁部4bの外面側から、閉鎖壁部4bの鉤部68を、扉部材9の係止孔92に挿入しつつ、扉部材9を収容凹部66に収容する。収容凹部66に収容された扉部材9は、その大部分(扉部材9の厚みの半分以上)が収容凹部66の内側に収容される。収容後、ロック部材81から手を放すことで、ロックバー83がロック孔69に挿入されて係合し、扉部材9が閉鎖壁部4bから取外し不可能(相対変位不可能)とされる。
【0057】
また、閉鎖壁部4bに装着された扉部材9は、閉鎖壁部4bの外面から若干突出する程度であって、閉鎖壁部4bの外周面や内面側から突出することはない。このため、扉部材9を装着した状態で閉鎖壁部4bを回動させた場合でも、扉部材9が短辺側土台部7や長辺側側壁部3等に干渉するようなことはなく、比較的スムースに閉鎖壁部4bを回動させることができる。従って、本実施形態では、図6に示すように、扉部材9を閉鎖壁部4bに装着した状態としても、全ての側壁部3、4を折り畳むことができる。
【0058】
また、収容凹部66は、補強リブ54に適宜切り欠き部等を形成することで、閉鎖壁部4bに装着された扉部材9の外周面の大部分と収容凹部66の内周面とが略当接するように構成されており、扉部材9のガタツキの抑制が図られている。加えて、収容凹部66の内側の上部及び下部には、補強リブ54の突出長を短くすることで形成された当てリブ67が設けられており、収容凹部66に収容された扉部材9は、閉鎖壁部4bの壁本体51の外面から離間した状態で保持される。
【0059】
尚、扉部材9の上下の幅は、開口壁部4a及び閉鎖壁部4bの壁本体51の上下幅とほぼ同じ(若干短い)である。このため、装着された扉部材9の外周全体を囲うようにして構成される閉鎖壁部4bに関しては、収容凹部66が扉部材9よりも幅広に構成された短辺側ヒンジ部53にまで延在している。また、短辺側ヒンジ部53の強度は上記当てリブ67によって確保されている。さらに、閉鎖壁部4bが回動可能に連結される短辺側土台部7の縦壁部25については、閉鎖壁部4bを起立させた状態でも収容凹部66全体が側方に露出するように対応部位が切欠き形成されている。これにより、閉鎖壁部4bを起立させた状態でも閉鎖壁部4bに対して扉部材9を着脱可能となっている。
【0060】
また、折り畳まれた状態の短辺側側壁部4は、コーナー突部24やずれ防止凸部26の上縁部よりも下方に位置しており、上下方向において、コーナー突部24の上面と、短辺側側壁部4との間の距離が、底リブ2bの底板2aからの突出長よりも長くなっている。さらに、扉部材9を閉鎖壁部4bに装着して閉鎖壁部4bを折り畳んだとしても、上下方向において、コーナー突部24の上面と、扉部材9との間の距離が、底リブ2bの底板2aからの突出長よりも長くなっている。このため、図23、図24に示すように、折り畳まれた状態の折り畳みコンテナ1を上下に積み重ねる(段積みする)と、下側の折り畳みコンテナ1のコーナー突部24の上面で上側の折り畳みコンテナ1の下面の4隅が支持されるとともに、上側の折り畳みコンテナ1の底リブ2bの外周面の4隅が、下側の折り畳みコンテナ1の各コーナー突部24とずれ防止凸部26とでなすコーナー部に略当接して位置決めされる。従って、折り畳み状態にある折り畳みコンテナ1を安定して段積みすることができる。
【0061】
また、全ての側壁部3、4を起立させて箱型とした使用状態でも、折り畳みコンテナ1を段積みすると、下側の折り畳みコンテナ1の側壁部3、4の上辺部によって、上側の折り畳みコンテナ1の下面外周部が支持されるとともに、上側の折り畳みコンテナ1の底リブが、下側の折り畳みコンテナ1の側壁部3、4の内周側に進入して位置決めが行われる。従って、使用状態にある折り畳みコンテナ1を安定して段積みすることができる。
【0062】
以上詳述したように、本実施形態によれば、短辺側側壁部4の一方(開口壁部4a)には、折り畳みコンテナ1に収容されている物品を側方から外部に取出し可能とする側面開口部8が形成されているとともに、当該開口壁部4aには、側面開口部8を開閉可能とする扉部材9が着脱自在に設けられている。さらに、本実施形態の折り畳みコンテナ1は、側面開口部8を開口させるべく側面開口部8から取外された扉部材9を装着可能な閉鎖壁部4bを備えている。このため、側面開口部8を開放させた状態で折り畳みコンテナ1を使用しているうちに扉部材9を紛失してしまうといった事態を回避することができる。また、扉部材9は常に折り畳みコンテナ1の本体と共にあることから、使用しない扉部材9の保管場所を別途確保する必要がない上、扉部材9を頻繁に付けたり外したりする場合の作業性の向上を図ることができる。従って、着脱可能な扉部材9を備える折り畳みコンテナ1の利便性(使い勝手)を向上させることができる。
【0063】
加えて、扉部材9は、閉鎖壁部4bの外面側に装着可能となっている。このため、閉鎖壁部4bに装着された扉部材9によって、折り畳みコンテナ1の内側の収容空間や、折り畳みコンテナ1の上方の開口部や、側面開口部8が狭められたりするといった事態を回避することができるとともに、扉部材9を閉鎖壁部4bに着脱する際の作業性の向上を図ることができる。
【0064】
また、扉部材9によって側面開口部8が閉鎖された状態では、扉部材9のロック部材81のロックバー83が開口壁部4aの係合孔62に挿通されて係合し、扉部材9が閉鎖壁部4bに装着された状態では、ロックバー83が閉鎖壁部4bのロック孔69に挿通されて係合される。従って、扉部材9を開口壁部4aに固定するためのロック部材81を利用して、扉部材9を閉鎖壁部4bに固定することができる。このため、例えば、扉部材9において、開口壁部4a用のロック部材とは別に、閉鎖壁部4b用のロック部材を設けるような場合に比べ、構成の簡素化、作業性の向上、軽量化等を図ることができる。加えて、ロックバー83は扉部材9(ベース部71)の外面に沿ってスライドする構成であることから、開口壁部4a及び閉鎖壁部4bにおいて、当該ロックバー83に係合する被係合部(係合孔62、ロック孔69)を比較的容易に形成することができ、また、係合状態の安定化をも図ることができる。
【0065】
また、扉部材9のロック部材81に形成された操作側指掛部88と、扉部材9の本体側(支持リブ79)に形成された本体側指掛部91とに指を掛けて扉部材9を(片手で)持つことができる上、そのまま操作側指掛部88と本体側指掛部91とを近接させるようにして力を加える(握る)ことで、ロックバー83を解除位置へと変位させることができる。従って、扉部材9を開口壁部4aと閉鎖壁部4bとの間で付け替える際の作業性を飛躍的に向上させることができる。特に、つまみ部88、91に指を掛けて扉部材9を掴めば、扉部材9の外周縁を持たなくても扉部材9を持ち運び可能であることから、閉鎖壁部4bに形成された収容凹部66の内周側に扉部材9を比較的スムースに進入させることができ、扉部材9を閉鎖壁部4bへ装着する作業性の向上を図るといった上記作用効果が一層確実に奏される。また、ロック部材81だけでなく扉部材9の本体側にも指を掛けることとなるため、扉部材9を持ち上げた場合の安定性や耐久性を向上させることができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、扉部材9が開口壁部4aに装着されている場合だけでなく、扉部材9が閉鎖壁部4bに装着されている場合でも、全ての側壁部3、4を寝かせ位置として折り畳みコンテナ1をコンパクトに折り畳むことができる。従って、利便性の向上を図ることができる上、複数の折り畳みコンテナ1を段積みした場合でも整然とさせることができる。また、折り畳みコンテナ1を折り畳んで運搬・保管する場合でも、扉部材9を逐一取外さなくても済み、扉部材9を折り畳みコンテナ1の本体とは別に運搬・保管したり、扉部材9を紛失したりするといったおそれを回避するとともに、折り畳みコンテナ1を折り畳んだり組み立てたりする場合の作業性の向上を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態では、開口壁部4aの短辺側ヒンジ部53は、側面開口部8や扉部材9よりも幅広に構成されている。このため、側面開口部8の上下幅を開口壁部4aの壁本体51の上下幅とほぼ同じとなるように比較的大きくしても、短辺側ヒンジ部53で壁本体51の左辺部と右辺部とを連結し、開口壁部4aの形状を維持することができる。従って、側面開口部8を極力大きく形成することができ、側面開口部8を介して物品の出し入れする際の作業性の向上を図ることができる。
【0068】
加えて、本実施形態では、扉部材9が装着される短辺側側壁部4(開口壁部4a及び閉鎖壁部4b)が、長辺側側壁部3の上側に折り畳まれるように構成されている。すなわち、短辺側側壁部4が下(先)に畳まれる構成とした場合、長辺側側壁部3や長辺側土台部6との干渉を避けつつ、短辺側側壁部4を折り畳むために、短辺側側壁部4の横幅を狭くする必要が生じてしまう。この点、本実施形態のように、短辺側側壁部4を上(後)に折り畳む構成とすることで、短辺側側壁部4を折り畳みコンテナ1の(短手方向の)幅一杯に延在させることができ、ひいては、側面開口部8を極力幅広に形成することができる。
【0069】
また、扉部材9の側辺部に沿って形成された溝部74に対して、開口壁部4aの側縁部に沿って形成されたガイドレール61を相対的に挿入させる構成により、扉部材9を比較的スムースに側面開口部8を閉鎖可能な位置まで案内することができる。さらに、扉部材9で側面開口部8を閉鎖した状態において、扉部材9の第1嵌合凸部75及び第2嵌合凸部77を、開口壁部4aの第1嵌合凹部63及び第2嵌合凹部64に嵌入させる構成により、扉部材9の変形を抑制して、扉部材9で側面開口部8を閉鎖した状態をより確実に維持することができる。
【0070】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0071】
(a)上記実施形態では、側壁部3、4を折り畳んだ状態において、長辺側側壁部3が下側で短辺側側壁部4が上側に重なるようになっているが、長辺側側壁部3が上側で短辺側側壁部4が下側に重なるよう構成してもよい。さらに、側壁部3、4のうち下側に折り畳まれる方に、側面開口部8や収容凹部66を設けて、扉部材9を装着可能に構成してもよい。また、上記実施形態では、相対する一対の短辺側側壁部4のうち一方が、側面開口部8の形成された開口壁部(4a)として構成され、短辺側側壁部4の他方が、開口壁部から取外された扉部材9を装着可能な装着壁部(閉鎖壁部4b)として構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、4つの側壁部3、4のうち、開口壁部と、装着壁部とが1つずつ設けられ、少なくとも1つの側面開口部8が開放された状態と、全ての側面開口部8が閉鎖された状態とに変化可能に構成されていればよい。例えば、開口壁部が2つ(及び扉部材9が2つ)で装着壁部が2つ設けられていてもよいし、開口壁部が1つで装着壁部が2つ設けられていてもよいし、開口壁部が3つ(及び同形状の扉部材9が3つ)で装着壁部が1つ設けられていてもよい。
【0072】
(b)また、側壁部3、4を底壁部2に対して回動可能に連結する構成については特に限定されるものではない。例えば、短辺側側壁部4についても、長辺側ヒンジ部33のような略T字状のヒンジ部で底壁部2に連結してもよい。但し、上記実施形態のように、開口壁部4aの短辺側ヒンジ部53を幅広に構成することで、側面開口部8を比較的大きく形成しても、短辺側ヒンジ部53で開口壁部4aの形状を維持することができる。従って、側面開口部8を極力大きく形成することができ、側面開口部8を介して物品の出し入れする際の作業性の向上を図ることができる。
【0073】
さらに、上記実施形態では、各側壁部3、4が回動変位可能な折り畳みコンテナ1に具体化されているが、底壁部2と側壁部3、4とが一体的に形成されて側壁部3、4が回動変位しない箱型容器に適用してもよい。また、底壁部2の形状は特に限定されるものではなく、例えば、平面形状が、3辺以上の側辺部を有する他角形状であってもよいし、略正多角形状であってもよいし、略円形状、略楕円形状であってもよい。但し、折り畳み可能に構成する場合には、底壁部2は略矩形板状に構成されることが望ましい。
【0074】
(c)また、扉部材9を開口壁部4aや閉鎖壁部4bに係合するための構成は特に限定されるものではなく、例えば、ガイドレール61及びガイドリブ73を省略したり、嵌合凸部75、77、及び、嵌合凹部63、64を省略したりしてもよい。さらに、上記実施形態では、ロック部材81が扉部材9の下側に設けられているが、扉部材9の上側にロック部材を設けるとともに、扉部材9の下側に係止孔92を設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、開口壁部4aや閉鎖壁部4bに対して、扉部材9を誤った向き(例えば、内外面が反対、上下反対)で取付けようとしても、取付けることができない(例えば、嵌合凸部75、77が嵌合凹部63、64に嵌らない等)ように構成されていることとしてもよい。
【0075】
(d)上記実施形態では、折り畳みコンテナ1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…折り畳みコンテナ、2…底壁部、3…長辺側側壁部、4…短辺側側壁部、4a…開口壁部、4b…閉鎖壁部、6…長辺側土台部、7…短辺側土台部、8…側面開口部、9…扉部材、62…係合孔、66…収容凹部、69…ロック孔、79…支持リブ、81…ロック部材、82…パーツ本体、83…ロックバー、84…操作凹部、85…板バネ部、88…操作側指掛部、91…本体側指掛部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略板状をなす底壁部と、前記底壁部の外周縁に沿って上方に延出する周壁部とを備え、
前記周壁部は、
内側に収容された物品を側方から外部に取出し可能とする側面開口部が形成されるとともに、当該側面開口部を開閉可能な扉部材が着脱自在に設けられる開口壁部と、
前記開口壁部から取外された前記扉部材を外面側に装着可能な装着壁部とを備えていることを特徴とする箱型容器。
【請求項2】
前記扉部材は、当該扉部材の内面又は外面に沿ってスライド可能な係合片を有するロック部材を備え、
前記開口壁部は、前記扉部材によって前記側面開口部が閉鎖された状態において前記ロック部材の前記係合片と係合する開口側被係合部を備え、
前記装着壁部は、前記ロック部材の前記係合片と係合する装着側被係合部を備え、前記係合片と前記装着側被係合部とが係合することで、前記扉部材が前記装着壁部に固定されることを特徴とする請求項1に記載の箱型容器。
【請求項3】
前記係合片は、前記開口側被係合部又は前記装着側被係合部に対して係合可能な係合位置と、前記開口側被係合部又は前記装着側被係合部との係合状態を解除可能な解除位置とに変位可能に構成され、
前記扉部材は、前記係合片を前記係合位置側に付勢する付勢手段を備えるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して前記係合片を前記解除位置側へと変位させる際に作業者に操作される解除操作部を備え、
前記解除操作部は、前記ロック部材に設けられた操作側指掛部と、前記扉部材の本体側に設けられた本体側指掛部とを備え、前記操作側指掛部と前記本体側指掛部とに指を掛けて前記扉部材を持ち運び可能に構成されるとともに、前記操作側指掛部を前記本体側指掛部に近接させるようにして押圧操作することで、前記係合片が前記解除位置側へと変位することを特徴とする請求項2に記載の箱型容器。
【請求項4】
前記底壁部は略矩形板状をなし、前記周壁部は前記底壁部の各側辺部に対応してそれぞれ回動可能に連結された4つの側壁部からなり、
前記各側壁部は、前記底壁部の各側辺部に沿って上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に畳まれ、該底壁部と平行な寝かせ位置との間を回動変位可能に構成され、
前記側壁部のうち少なくとも1つは前記開口壁部として構成されるとともに、前記開口壁部以外の前記側壁部のうち少なくとも1つは前記装着壁部として構成され、
前記扉部材が前記開口壁部及び前記装着壁部のどちらに装着された状態でも、全ての前記側壁部を前記寝かせ位置として前記底壁部の上側に折り畳める構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の箱型容器。
【請求項1】
略板状をなす底壁部と、前記底壁部の外周縁に沿って上方に延出する周壁部とを備え、
前記周壁部は、
内側に収容された物品を側方から外部に取出し可能とする側面開口部が形成されるとともに、当該側面開口部を開閉可能な扉部材が着脱自在に設けられる開口壁部と、
前記開口壁部から取外された前記扉部材を外面側に装着可能な装着壁部とを備えていることを特徴とする箱型容器。
【請求項2】
前記扉部材は、当該扉部材の内面又は外面に沿ってスライド可能な係合片を有するロック部材を備え、
前記開口壁部は、前記扉部材によって前記側面開口部が閉鎖された状態において前記ロック部材の前記係合片と係合する開口側被係合部を備え、
前記装着壁部は、前記ロック部材の前記係合片と係合する装着側被係合部を備え、前記係合片と前記装着側被係合部とが係合することで、前記扉部材が前記装着壁部に固定されることを特徴とする請求項1に記載の箱型容器。
【請求項3】
前記係合片は、前記開口側被係合部又は前記装着側被係合部に対して係合可能な係合位置と、前記開口側被係合部又は前記装着側被係合部との係合状態を解除可能な解除位置とに変位可能に構成され、
前記扉部材は、前記係合片を前記係合位置側に付勢する付勢手段を備えるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して前記係合片を前記解除位置側へと変位させる際に作業者に操作される解除操作部を備え、
前記解除操作部は、前記ロック部材に設けられた操作側指掛部と、前記扉部材の本体側に設けられた本体側指掛部とを備え、前記操作側指掛部と前記本体側指掛部とに指を掛けて前記扉部材を持ち運び可能に構成されるとともに、前記操作側指掛部を前記本体側指掛部に近接させるようにして押圧操作することで、前記係合片が前記解除位置側へと変位することを特徴とする請求項2に記載の箱型容器。
【請求項4】
前記底壁部は略矩形板状をなし、前記周壁部は前記底壁部の各側辺部に対応してそれぞれ回動可能に連結された4つの側壁部からなり、
前記各側壁部は、前記底壁部の各側辺部に沿って上方に立設される起立位置と、前記底壁部の上方に畳まれ、該底壁部と平行な寝かせ位置との間を回動変位可能に構成され、
前記側壁部のうち少なくとも1つは前記開口壁部として構成されるとともに、前記開口壁部以外の前記側壁部のうち少なくとも1つは前記装着壁部として構成され、
前記扉部材が前記開口壁部及び前記装着壁部のどちらに装着された状態でも、全ての前記側壁部を前記寝かせ位置として前記底壁部の上側に折り畳める構成であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の箱型容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−250758(P2012−250758A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127068(P2011−127068)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]