説明

節水装置

【課題】 所望の微小流量に設定できるとともに、高齢者や幼児を含めて誰でも容易に当該所望の微小流量を得ることができ、無駄に水を使用することがない節水装置を提供する。
【解決手段】 主弁座35と、主弁座35に対して進退可能とされた流量調節コマ31と、を主水路50中に備え、微小流量と通常流量との間で流量を切り替え可能な節水装置17であって、流量を微小流量に切り替えた時の流量調節コマ31の保持位置を調節する流量調節ねじ54を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、節水装置に係り、特に微小流量の設定と切り替えを容易に行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水栓の代表的なものとしてはシングルレバー水栓があり、操作レバーを操作することにより、吐水と止水の切り替え、及び、吐水流量調節と温度調節が可能となっている。
そして、通常のシングルレバー水栓において、吐水管に設ける節水装置に関しては数多く出願されており、流量を調節したり切り替えたりする手段が、いろいろと施されている。例えば、特許文献1には、「吐水管又はシャワーヘッドから成る吐水部の内部を少なくとも部分的に二重管又はそれ以上の複重管構造となしてそれぞれの管内に水流の通路を形成するとともに、該吐水部に該通路の開口を該通路ごとに独立に開閉する弁体を有する流調弁を設けて該流調弁に流調操作部を連設し、該弁体による該開口の開閉に基づいて吐水口からの吐水流量を段階的に変化させるようになしたことを特徴とする吐水器具」として開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、「吐水管の先端側に流量選択スイッチとして少なくとも大流量スイッチと小流量スイッチとを設け、且つ該大流量スイッチは1回の操作で吐水口から設定された一定大流量で吐水させるものとなし、該小流量スイッチは1回の操作で該吐水口から設定された一定小流量で吐水させるものとなしてあることを特徴とする水栓」として開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−173052号公報
【特許文献2】特開2008−144462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水栓の使用用途として、簡単な手洗い、歯磨きなど、微小流量(0.5〜1リットル/分程度の流量)でも十分用をなす用途があるが、従来のシングルレバー水栓においては、微小流量に調節するためには、ごくわずかに弁を開放する必要があり、調節は容易ではなかった。特に高齢者や幼児にとっては、調節が困難であり、また大人であっても調節が面倒であり、結果として通常流量(例えば、3リットル/分、5リットル/分など)で使用することとなり、水が無駄に使用されてしまうという問題点があった。
また、時間をかけてなんとか調節できたとしても、その調節にかかった時間に流し続けた水は、やはり無駄になってしまっていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、所望の微小流量に設定できるとともに、高齢者や幼児を含めて誰でも容易に当該所望の微小流量を得ることができ、無駄に水を使用することがない節水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の節水装置は、弁座と、前記弁座に対して進退可能とされた流量調節コマと、を主水路中に備え、前記弁座及び前記流量調節コマを収容した節水装置本体と、前記弁座に対して前記流量調節コマを進退移動させることができる手動操作部と、微小流量と通常流量との間で流量を切り替え可能な節水装置であって、前記流量を前記微小流量に切り替えた時の前記流量調節コマの保持位置を調節する調節手段と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、調節手段は、流量を前記微小流量に切り替えた時の流量調節コマの保持位置を調節するので、所望の微小流量に設定できるとともに、流量を微小流量に切り替えたときに直ちに所定の微小流量を得ることができ、高齢者や幼児を含めて誰でも容易に所望の微小流量を得ることができ、無駄に水を使用することがない。
【0008】
また、前記主水路は、1次側の流入水路と2次側の流出水路とを備え、前記流量調節コマは、前記弁座側の面にシート面を備え、前記調節手段は、前記主水路を構成する2次側の流出水路内に設置され、前記流量調節コマに当接して、前記弁座と前記シート面との間の離間距離を前記保持位置に相当するように調節可能とする当接部材であることを特徴としている。
上記構成によれば、当接部材は、前記主水路を構成する2次側の流出水路内に設置され、流量調節コマに当接して、弁座とシート面との間の離間距離を保持位置に相当するように調節できるので、確実に所望の微小流量を得ることができる。
【0009】
さらに、前記当接部材は、前記流量調節コマが当接するテーパー部を有し、2次側の流出水路内にねじ込まれる流量調節ねじとして構成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、微小流量の設定を、流量調節ねじのねじ込み量により容易かつ確実に設定することができる。
【0010】
また、前記流量調節コマのシート面には、該シート面が前記弁座に当接した際に、前記主水路を構成する1次側の流入水路と2次側の流出水路とを連通させるための連通溝が形成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、流量調節コマのシート面が弁座に当接した場合でも、微小流量の流れを確保することができる。
【0011】
さらに、前記流量調節コマの背後に形成され、内部の圧力を前記流量調節コマに対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、前記主水路を構成する1次側の流入水路の水を前記背圧室に導いて、前記背圧室の圧力を増大させる導入水路と、前記背圧室と前記主水路を構成する2次側の流出水路とを連通させ、背圧室の水を前記流出水路に抜いて前記背圧室の圧力を減少させるパイロット用孔と、前記背圧室側に設けられ、前記流量調節コマに設けられたパイロット弁座に向けて進退移動して該パイロット水路の開度を変化させるパイロット弁と、を備え、前記手動操作部が手動操作されることにより前記パイロット弁が移動されて前記流量調節コマを追従移動させて流量切り替えを行うことを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、軽い操作力で流量切り替え操作を行うことができ、高齢者や幼児を含めて誰でも確実に流量切り替えを行うことができる。
【0013】
また、前記パイロット弁用孔の開口面積は、前記導入水路の開口面積よりも大きいことを特徴としている。
上記構成によれば、1次側の流入水路の水圧が高い場合であっても、軽い操作力で流量切り替え操作を行うことができ、高齢者や幼児を含めて誰でも容易に流量切り替えを行うことができる。
【0014】
さらに、前記節水装置本体に表示窓を設け、前記手動操作部が手動操作されることによる流量切り替え状態が前記表示窓に表示されることを特徴としている。
上記構成によれば、見やすい位置に切り替え状態が表示されているため、流量の切り替え状態を容易に操作者が把握することが可能となり、より使い勝手が向上するとともに、より省エネの意識が高まるため、より一層、無駄に水を使用することがない。
【0015】
また、前記節水装置本体を既設の水栓に取り付けることが可能な水栓取付部を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、節水装置を、既設の水栓に容易に取り付けることが可能となり、既設の水栓においても、微小流量と通常流量とを押しボタンの操作だけで行うことができ、所望の微小流量に調整する調整操作も容易であり、高齢者や幼児を含めて誰でも容易に流量切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態の水栓の設置状態の説明外観図である。
【図2】通常流量時における節水装置の断面図である。
【図3】微小流量時における節水装置の断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】第2実施形態の説明図である。
【図6】実施形態の変形例の説明図である。
【図7】実施形態の他の変形例の説明図である。
【図8】流量調節コマの導入水路近傍の変形例の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の好適な実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の水栓の設置状態の説明外観図である。
水栓10は、カウンター11に設けられたシンク12の奥側に水栓本体13が取付けられている。
水栓本体13は、水平方向に回動可能に支持されている吐水管15を有しており、操作レバー14を操作することにより、吐水と止水の切り替え、及び、吐水流量調節と温度調節が可能となっている。また、吐水管15の先端には、吐水口16が設けられた節水装置17が配置されている。
【0018】
節水装置17は、下面に吐水口16が設けられた節水装置本体21と、節水装置本体21の先端に突設され、微小流量と通常流量とを切り替えるための押しボタン22と、を備えている。本実施形態において、微小流量とは、例えば0.5〜1.0リットル/分程度の流量をいい、通常流量とは、例えば3リットル/分程度の流量をいう。
【0019】
図2は、通常流量時における節水装置の断面図、図3は、微小流量時における節水装置の断面図、図4は、微小流量時における節水装置の断面図である図3の部分拡大図である。
節水装置17の節水装置本体21内には、流量調節コマ31が配置された流入室32と、流量調節コマ31の周面と節水装置本体21の内壁面21Aとの間の隙間(導入水路)33を介して流入室32と連通する背圧室34と、流入室32と主弁座35を介して仕切られている吐出室36と、スラストロック機構37及び押しボタン22を収納する機構収納室39と、が設けられている。
【0020】
流量調節コマ31は、硬質の樹脂で形成され、その主弁座35側の面にはシート面41を有する流量調節コマ本体42を備えており、この流量調節コマ31の内部には、パイロット弁43を収納するパイロット弁収納部44と、パイロット弁収納部44と吐出室36とを連通し、パイロット水路として機能するパイロット弁用孔45と、パイロット弁43が当接されるパイロット弁座46と、を備えている。なお、パイロット弁43は、先端にゴム材を備えており、パイロット弁座46との当接を確実にすることができる。
【0021】
主水路50は、1次側の流入水路51と、2次側の流出水路52と、を備えている。
また、流量調節コマ31は、主弁座35に対して進退可能となっており、主水路50の開度を微小流量時と通常流量時との間で切り替える。
【0022】
吐出室36内には、節水装置本体21の上面側に設けられたねじ穴21Bから先端部がテーパー部53を形成している流量調節ねじ54がねじ込まれている。微小流量時には、この流量調節ねじ54のテーパー部53が、流量調節コマ31に当接する(図3,図4参照)。この際、流量調節ねじ54のテーパー部53は、流量調節ねじ54が深くねじ込まれるほど、流量調節コマ31に当接する部分の径が大きくなるため、流量調節コマ31が流量調節ねじ54のテーパー部53に当接したときの、主弁座35とシート面41との間の離間距離が離れることとなり、実効的な弁開度が大きくなり、微小流量としたときの流量が大きく設定されることとなる。
【0023】
ここで、通常流量から微小流量に切り替える場合の動作について説明する。
以下の説明においては、蛇口はすでに開かれており、節水装置の上流側には充分な水量が供給されているものとする。
スラストロック機構37は、たとえばノック式のボールペン等に広く利用されているものであり、ユーザにより図中の左方向に1回押しボタン22が押し込まれると、スラストロック機構37が図中の左方向に押し込まれる。これにより、スラストロック機構37に連設されたロッド55が図中の左方向に押し込まれて進入し、パイロット弁43をパイロット弁座46に当接させる。さらにロッド55が押し込まれ、流量調節コマ31の先端部のシート面41が、流量調節ねじ54のテーパー部53に当接するまで押し込まれる。(図3,図4参照)
【0024】
この状態においては、パイロット水路としてのパイロット弁用孔45がパイロット弁43により閉弁されている(塞がれている)ので、流入水路51は、図3及び図4中の破線で示す流入孔57、流入室32を介して背圧室34に連通し、流量調節コマ31と(一体化された)パイロット弁43の背圧室34側は、全面積で流入水路51の水圧とほぼ同じ圧力を閉弁方向に受ける。一方、流量調節コマ31と(一体化された)パイロット弁43の吐出室36側は、吐出室36に面している部分が吐出室36と同じ水圧(ほぼ大気圧と同じ)しか受けないので、流量調節コマ31が流量調節ねじ54のテーパー部53に当接した状態を保持することとなる。
操作の押し込み力を解除しても、スラストロック機構37により、ロッド55がやや後退した位置でロックされ、バネ56の付勢力により、パイロット弁用孔45はパイロット弁43により閉弁されたままになるので、前記流量調節コマ31と(一体化された)パイロット弁43の前後の圧力状態は変わらず、流量調節コマ31が流量調節ねじ54のテーパー部53に当接した状態が保持される。
【0025】
この結果、流量調節コマ31は、それ以上移動できない状態となり、微小流量時の流量を流量調節ねじ54で設定した一定流量に保つこととなる。
すなわち、流入室32内に流れ込んだ水は、流量調節コマ31のシート面41と主弁座35との間の隙間を抜けて、吐出室36内に流れ込み、流出水路52に流れ出ることとなるが、このときの流量は、弁開度に対応する微小流量の一定流量となっている。
ここで、ユーザにより図中の左方向に再び1回押しボタン22が押し込まれると、スラストロック機構37のロックが解除され、パイロット弁43は、図中の右側に移動され、パイロット弁座46からパイロット弁43が離間することとなり、背圧室34内の水は、パイロット弁用孔45から2次側の流出水路52に抜けることとなる。
【0026】
このとき、パイロット弁用孔45の開口面積は、1次側の流入水路51と背圧室34とを連通させる隙間(導入水路)33の開口面積よりも大きくなるように設定されている。
仮に、パイロット弁用孔45の開口面積の方が、前記隙間(導入水路)33の開口面積よりも小さい場合には、押しボタン22が押されている状態のときに再び押しボタン22を押し込んで、パイロット弁43を後退させたとしても、主弁座35に流量調節コマ31が貼りついた状態で、前記パイロット弁用孔45からの流出量より前記隙間(導入水路)33からの供給量の方が大きくなり、その結果、背圧室34の背圧の抜けが十分でなくなるため、前記流量調節コマ31が主弁座35に貼りついたままになってしまう。
そのため、パイロット弁用孔45の開口面積の方が、前記隙間(導入水路)33の開口面積よりも大きくなるように設定されているのである。
これにより流量調節コマ31が主弁座35から図中の右方向に離間する方向に移動することによって主水路50を開放状態とし、主水路50内を通常流量が流れることとなる。
以上の説明のように本第1実施形態によれば、微小流量と通常流量との切り替えを押しボタンの軽い操作だけで容易に確実に行うことができ、所望の微小流量に調整する調整操作も容易であり、高齢者や幼児を含めて誰でも容易に当該所望の微小流量を得ることができ、無駄に水を使用することがない。
また、押しボタンを押して微小流量で使用しているときに、再び押しボタンを押すだけで、容易に通常流量に戻すことができ、比較的大流量で水を流したい場合にも、簡単に所望の流量で流すことができる。
【0027】
なお、前記1次側の流入水路51と背圧室34とを連通させる隙間(導入水路)33を確保するために、流量調節コマ31の最外周面に設けた凹溝内にOリング状のパッキンを嵌装し、このOリングの外周の一部または複数箇所に、図8に示すように、切欠部(溝あるいは切り欠き)57を設けてもよい。
【0028】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態の説明図である。
以上の第1実施形態は、吐水管の先端に節水装置を設ける場合のものであったが、本第2実施形態は、図5(A)に示すように、水栓10Aのヘッド部10Bに設けられている口金16Aに代えて、節水装置17Aを取り付けた場合の実施形態である。
図5において、図2の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
【0029】
本第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、節水装置本体21Dを略T字形状として、上下方向に沿って主水路を形成し、上側にもとの水栓のヘッド部10Bの口金取付部に節水装置本体21Dの水栓取付部21Eを設け、操作者からみて裏面側(押しボタン22のある手前側ではなく、その反対の後ろ側)にそのねじ込み量で流量調節コマ31の主弁座35との間の離間距離を設定する流量調節ねじ54Aを設けた点である。
なお、この場合には、流量調節ねじ54Aのねじ込み量(深さ)のみで流量調節コマ31が流量調節ねじ54Aに当接したときの、主弁座35とシート面41との間の離間距離が変動するため、流量調節ねじ54Aはテーパー部を備える必要はない。
【0030】
本第2実施形態によれば、第1実施形態と同一の効果を奏するとともに、既存の水栓に節水装置17Aを容易に取りつけることが可能となる。その結果、既存の水栓においても、第1実施形態と同様に、微小流量と通常流量とを押しボタンの操作だけで行うことができ、所望の微小流量に調整する調整操作も容易であり、高齢者や幼児を含めて誰でも容易に当該所望の微小流量を得ることができ、無駄に水を使用することがない。
【0031】
(実施形態の変形例)
図6は、実施形態の変形例の説明図である。
以上の各実施形態において、流量調節ねじ54(または54A)を流量調節コマ31に当接しないようにした場合には、流量調節コマ31が主弁座35に密着、すなわち、流量調節コマ31のシート面41が主弁座35に当接することとなり、この状態では、止水状態となるが、図6に示すように、流量調節コマ31のシート面41が主弁座35に当接した場合でも、主水路50を構成する1次側の流入水路51と2次側の流出水路52とを連通させるための連通溝41Aを、流量調節コマ31のシート面41に設けるようにすることにより、流量調節ねじ54(または54A)の設定状態にかかわらず、微小流量における最低流量を確保することが可能となり、より調節を容易にすることができる。
【0032】
図7は、実施形態の他の変形例の説明図である。
以上の各実施形態においては、押しボタン22の操作状態(押し込まれているか否か)により、流量の切り替え状態を判断する構成を採っていたが、本変形例は、節水装置本体21の上面等の見える位置に、押しボタン22の操作により流量切り替え状態を表示する表示窓61を設けることにより、流量の切り替え状態を容易に操作者が把握できるようにしたものである。
切り替え状態の表示としては、「微小」、「通常」などのように流量を文字で表示する他、微小流量の場合には「ECO」、「省エネ」、「節水」などの節水意識を喚起する内容を表示したり、微小流量の場合には緑色で通常流量の場合には赤色などの色表示とするなど、各種の表示形態のいずれを採用してもよいことは、言うまでもない。
本変形例によれば、見やすい位置に切り替え状態が表示されているため、容易に切り替え状態を判別することが可能となり、より使い勝手が向上するとともに、より省エネの意識が高まるため、より一層、無駄に水を使用することがないという効果がある。
【0033】
上記各実施形態によれば、吐水管の先端側に微小流量と通常流量とを切り替える押しボタンを設け、この押しボタンの操作により流量調節コマを進退移動することにより、スラストロック機構で微小流量位置に流量調節コマを保持する構造を採っているため、操作者の身体に近い位置で、押しボタンの操作を行うだけで、微小流量と通常流量とを容易に切り替えることができ、高齢者や幼児でも微小流量への切り替えが容易となり、水の無駄な使用を低減することが可能となる。
さらに微小流量は、流量調節ねじのねじ込み量で容易に設定できる。
【符号の説明】
【0034】
10、10A 水栓
17、17A 節水装置
21、21D 節水装置本体
21E 水栓取付部
22 押しボタン
31 流量調節コマ
32 流入室
33 隙間(導入水路)
34 背圧室
35 主弁座(弁座)
36 吐出室
37 スラストロック機構
41 シート面
41A 連通溝
42 流量調節コマ本体
43 パイロット弁
44 パイロット弁収納部
45 パイロット弁用孔
46 パイロット弁座
50 主水路
51 流入水路
52 流出水路
53 テーパー部
54、54A 流量調節ねじ(調節手段、当接部材)
55 ロッド
56 バネ
57 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座と、前記弁座に対して進退可能とされた流量調節コマと、を主水路中に備え、微小流量と通常流量との間で流量を切り替え可能な節水装置であって、
前記弁座及び前記流量調節コマを収容した節水装置本体と、
前記弁座に対して前記流量調節コマを進退移動させることができる手動操作部と、
前記流量を前記微小流量に切り替えた時の前記流量調節コマの保持位置を調節する調節手段と、を備えたことを特徴とする節水装置。
【請求項2】
請求項1記載の節水装置において、
前記主水路は、1次側の流入水路と2次側の流出水路とを備え、
前記流量調節コマは、前記弁座側の面にシート面を備え、
前記調節手段は、前記主水路を構成する2次側の流出水路内に設置され、前記流量調節コマに当接して、前記弁座と前記シート面との間の離間距離を前記保持位置に相当するように調節可能とする当接部材であることを特徴とする節水装置。
【請求項3】
請求項2記載の節水装置において、
前記当接部材は、前記流量調節コマが当接するテーパー部を有し、前記2次側の流出水路内にねじ込まれる流量調節ねじとして構成されていることを特徴とする節水装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の節水装置において、
前記流量調節コマのシート面には、該シート面が前記弁座に当接した際に、前記主水路を構成する1次側の流入水路と2次側の流出水路とを連通させるための連通溝が形成されていることを特徴とする節水装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の節水装置において、
前記流量調節コマの背後に形成され、内部の圧力を前記流量調節コマに対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、
前記主水路を構成する1次側の流入水路の水を前記背圧室に導いて、前記背圧室の圧力を増大させる導入水路と、
前記背圧室と前記主水路を構成する2次側の流出水路とを連通させ、背圧室の水を前記流出水路に抜いて前記背圧室の圧力を減少させるパイロット弁用孔と、
前記背圧室側に設けられ、前記流量調節コマに設けられたパイロット弁座に向けて進退移動して該パイロット水路の開度を変化させるパイロット弁と、を備え、
前記手動操作部が手動操作されることにより前記パイロット弁が移動されて前記流量調節コマを追従移動させて流量切り替えを行うことを特徴とする節水装置。
【請求項6】
請求項5に記載の節水装置において、
前記パイロット弁用孔の開口面積は、前記導入水路の開口面積よりも大きいことを特徴とする節水装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の節水装置において、
前記節水装置本体に表示窓を設け、前記手動操作部が手動操作されることによる流量切り替え状態が前記表示窓に表示されることを特徴とする節水装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の節水装置において、
前記節水装置本体を既設の水栓の口金に取り付けることが可能な水栓取付部を備えたことを特徴とする節水装置。

【図1】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−117187(P2011−117187A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275587(P2009−275587)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(392028767)株式会社日本アルファ (73)
【Fターム(参考)】