説明

簡易プール

【課題】 老人の要介護者数の増加を抑える為、運動機能向上を目的とした簡易温水プールを簡単に、安価で提供する。
【解決手段】 浴槽上縁回りに、縦横に対して伸縮自在のフレームを設置する。そしてそのフレームにパネルを組み込み、さらに、浴槽上縁回りに設置したフレーム及びパネルを防水シートで覆うことで、プールとして機能出来る深さが確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽を温水プールのように、簡単、便利に利用できるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な温水プールは、特別な設備、施設を多額の費用をかけて設置しなければならず、また通所介護事業所も温水プールでの介護予防の為の筋力トレーニングに対する効果が確認できても設備投資が高く、家庭又は老人福祉施設等で専用プールを設置できなかった。
また、組み立て式の簡易プールもあるが、設置場所が必要かつ組み立ても面倒であった。また深さが浅いため、介護予防の為の筋力トレーニングができなかった。(例えば、特許文献1参照。)。また浴槽を利用し、縦型で立ったままで利用できるタイプのものもあるが、家庭用風呂に対応するもので、老人福祉施設等広い浴槽に対応できなかった(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−90364号公報
【特許文献2】特開平11−318734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の構造には、次のような課題があった。風呂は風呂としての利用、プールはプールとしての利用で兼用するという発想はなかった。
【0005】
また、温水プールはあるが老人専用のプールはなく、老人の健康維持、リハビリ及び筋力トレーニング等介護予防運動を目的としたプールは、多額の費用をかけて施設、設備を設置するしかなかった。
【0006】
本発明は、このような従来の構造が有していた問題を解決しようとするものであり、家庭用浴槽、老人介護施設の浴槽及び老人のための温泉施設の浴槽等を利用し、手軽にかつ安価に、介護予防運動である筋力トレーニングに活用できる簡易プールを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、浴槽の上縁に伸縮自在のフレームを組み合わせ、浴槽の形状及び大きさに合わせ、ボルト及びナットで締め込む事で固定させる。そしてフレームにパネルをはめこむ。さらに浴槽の上縁に立ち上げたフレーム及びパネルに防水シートを被せることで、風呂として利用している浴槽をプールとして利用できる深さに変更できる。
【0008】
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、浴槽の上縁に伸縮自在のフレームを組んで高さを確保する。そしてフレームにパネルをはめこむ。さらに浴槽上縁で組んだフレーム及びパネルを防水シートで覆い防水することで、浴槽をプールとして活用できる深さにできる。以上の構造により通常の浴槽の深さを、体に水圧の付加がかかる深さに調整し、介護予防の為の温水プールとして、浴槽内での歩行運動を行い筋力トレーニングをすることができる。
【発明の効果】
【0009】
上述したように本発明は、浴槽をプールと同等の深さにすることができ、家庭、老人介護施設、温泉施設等どんな浴槽でも、簡単に、早く、安く簡易プールとして活用でき、また組み立て式であるため、必要のないときはフレーム及びパネルをはずし、通常の風呂としての利用もできる。
【0010】
また、組み立て式なので移動が簡単で、かつ、フレームが伸縮自在のため、使用場所及び浴槽の大きさを問わず使用することができ、場所を限定せずに使用することができる。
【0011】
さらに、日常通い慣れている老人介護施設の浴槽もプールとして利用できるため、リラックスした気持ちで、温水プールでの筋力トレーニングを継続して行うことができ、介護予防につながり、行政による介護費用の支出を最小限にする事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
浴槽内側縁上部から下方に沿って10cmから20cm程度接着剤を塗布し、その上から防水シートの端部を貼り付ける。防水シートの長さは浴槽内の縁回りの長さに合わせ、防水になるよう浴槽内の縁と防水シート端部を接着する。
【0013】
そして、浴槽上縁に縦は500mmから800mm、横は1000mmから1500mmの伸縮自在のフレーム設け、パネルはめこむことで、浴槽の深さを調整できる。
【0014】
また、浴槽上縁に設置したフレーム及びパネルの数を増減させることで、浴槽の大きさ、形状にに合わせることができ、水圧を分散させる事が可能である。
【0015】
尚、フレーム及びパネルの素材については、FRP、プラスチック、アルミ等本発明の目的及び効果を生じる範囲で必要に応じて適宜変更して実施することも可能である。
【0016】
また、フレーム及びパネル断面の形状においても、丸形、四角形等本発明の目的及び効果を生じる範囲で必要に応じて適宜変更して実施することも可能である。
【0017】
上記の構造により、浴槽上縁にフレームに支えられたパネルをに立ち上げたことを特徴とする簡易プールである。
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明にかかる簡易プールの実施例を示した断面図、図2は、実施例の正面図、である。
【0020】
本発明の簡易プールは、図1に示すように浴槽本体1、防水シート3、フレーム5、パネル6、フレーム支持部8で主要部が構成されている。
【0021】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0022】
図1に示すように、浴槽本体1の浴槽側縁部2の上部に接着材4を塗布し、防水シート3の端部を接着する。
【0023】
次に、浴槽本体1の縁回りに上下に伸縮自在のフレーム5を浴槽上縁に挟み、ボルトにより締め込み浴槽の回りに数カ所固定する。固定した伸縮自在のフレーム5にパネル6を組み込みむ。
【0024】
浴槽内側縁上部に接着した防水シート3の防水シートフック7を、フレーム5及びパネル6の上部に引っかけて防水シート3を立ち上げることで、簡易プール内での歩行等運動時適度な付加が体にかかるような深さにできる。
【0025】
なお、本発明は上記発明実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に合致するものであれば、形状など適宜変更し実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】 本発明の実施例の簡易プール断面図
【図2】 本発明の実施例の正面図
【符号の説明】
【0027】
1 浴槽本体
2 浴槽側縁部
3 防水シート
4 接着材
5 フレーム
6 パネル
7 防水シートフック
8 フレーム支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の上縁回りに伸縮自在のフレーム及びパネルを設け、さらに浴槽上縁で組んだフレーム及びパネルを防水シートで覆うことを特徴とした簡易プール。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−163709(P2008−163709A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357535(P2006−357535)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【出願人】(599132225)
【Fターム(参考)】