説明

米粉を主成分とするパンを製パン機で製造する方法

【課題】一般的な製パン機を使用してパンを作る際に、小麦粉を使用せずに米粉のみでパンを作ることができる方法を提供する。
【解決手段】本発明は、通常の製パン機を用いて間歇ねり、一般ねり、1次発酵、ガス抜き、2次発酵、焼きの手順で進行される製パン過程によって米粉を主成分とするパンを製造する方法であって、32±10℃で30秒〜2分間遂行される間歇ねり過程と、32±10℃で15〜25分間遂行される一般ねり過程と、32±10℃〜34±10℃で3〜30分間遂行される1次発酵過程と、32±10℃〜34±10℃で1〜10分間遂行されるガス抜き過程と、32±10℃〜34±10℃で30〜90分間遂行される2次発酵過程と、134±10℃〜140±10℃で10〜50分間遂行される焼き過程と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製パン機を用いてパンを製造する方法に関し、より詳細には、小麦粉を使用せずに米粉のみでパンを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知のように、パンを作る製パン過程は、小麦粉、砂糖、ベーキングパウダなどの材料を準備し、これら材料を捏(こ)ね合わせた後に、このパン生地を発酵して焼くなどの複雑な過程からなっている。そのため、一般消費者が家庭で直接にパンを作ることは非常に面倒なことで、さらに、満足なパンを作りにくいという問題があった。
【0003】
これを解決するために、一般消費者が容易にパンを作ることができるように、材料の生地作り、発酵、及び焼きの過程を自動的に実行してユーザーに完成されたパンを提供する家庭用製パン機が現在まで多様な形態で開発されてきている。このような製パン機は、通常、内部に加熱機が備えられた加熱室と、外部に加熱室の温度と湿度などを調節するコントロールパネルと、を含んでなる。
【0004】
しかしながら、このような従来の製パン機は、小麦粉(強力粉)を主成分とし、各種添加物(砂糖、塩、脱脂粉乳、バター、イーストなど)を配合してパンを製造するだけであり、米粉を用いてパンを製造することはできなかった。その理由は、米粉を用いてパンを作る際に、小麦粉と同一の方法で製造するならば、グルテン状となり難いのであり、また、パンの膨らみが少なく、おいしいパンを作ることができないということにある。
【特許文献1】特開2004−255163
【特許文献2】特開2005−87351
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記したような問題点を解決するために、本発明の目的は、一般的な製パン機を使用してパンを作る際に、小麦粉を使用せずに米粉のみでパンを作ることができる方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、短時間(約2時間±20分)内に白米パン又は黒米パンを製造することができる方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的は、温度と時間を調節することによって通常の製パン機を用いて米パンを製造することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するために、本発明は、通常の製パン機を用いて間歇ねり、一般ねり、1次発酵、ガス抜き、2次発酵、焼きの手順で進行される製パン過程によって米粉を主成分とするパンを製造する方法であって、32±10℃で30秒〜2分間遂行される間歇ねり過程と、32±10℃で15〜25分間遂行される一般ねり過程と、32±10℃〜34±10℃で3〜30分間遂行される1次発酵過程と、32±10℃〜34±10℃で1〜10分間遂行されるガス抜き過程と、32±10℃〜34±10℃で30〜90分間遂行される2次発酵過程と、134±10℃〜140±10℃で10〜50分間遂行される焼き過程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、製パン条件(時間及び温度)を設定することによって、通常の製パン機を用いて白米パンや黒米パンを作ることができ、かつ、小麦粉パンのみが製造可能であるという従来の問題点を解消する効果を有する。特に、本発明は、米粉でパンを作るときに製パン時間を一層短縮(約2時間)させることによって、一般消費者が長時間待つ必要がないという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
後述する詳細な説明では、上述した課題を解決するための代表的な実施形態を提示する。その他に、本発明の要旨を不明にすると判断される説明は省略する。
【0012】
まず、本発明では通常的な製パン機を用いてパンを作る際に、小麦粉(強力粉)を主成分とせずに、100%の米粉のみを使用して白米パン又は黒米パンを製造する方法を提示する。このとき、パンを製造するときに使用される各種添加物は従来と同一である。これは、一般消費者の趣向に応じて多様に選択できるためである。付加的に本発明では、栗、ピーナッツ、なつめ、乾し葡萄、松の実などの添加物を使用する。
【0013】
また、本発明は、製パン機を用いて米粉パンを作る際に、約2時間程度(白米パンは約1時間58分程度、黒米パンは約2時間8分程度)がかかる。これは、小麦粉を用いてパンを作る場合より製パン時間を顕著に短縮させて一般消費者が長く待つ必要なしに短時間内にパンを作ることが可能にする。
【0014】
本発明の製パン過程は、間歇ねり→一般ねり→添加物投入→1次発酵→ガス抜き→2次発酵→焼きの手順で遂行される。この過程は、約2時間程度がかかり、保温時間は約3時間程度である。下記の表1は、このような製パンの過程を具体的に示す。
【表1】

【0015】
上記の<表1>で、白米パンと黒米パンを作るときに、一般消費者の趣向に従って各種添加物を選択的に添加でき、もし、添加物を添加するようになると、2次ねりを遂行することもできる。
【0016】
以下、本発明による望ましい実施形態を詳細に説明するが、これは本発明の実施形態により限定されることではない。
【0017】
<第1の実施形態>
通常の製パン機では、米粉を投入した後に、32±10℃の温度で約1分間間歇ねり(約30回)を遂行してから、さらに32±10℃で19分間一般ねり(約150回)を行う。このとき、このような生地作り過程を経てから、消費者の趣向に従って各種添加物を添加することが可能である。
【0018】
その後、米粉の生地を32±10℃〜34±10℃の温度で5分間1次発酵させた後に、同一の温度で約3分間ガス抜き(望ましくは、150回程度捏ねると同時にガス抜きを行う)を実施する。次に、これを32±10℃〜34±10℃で60分間2次 発酵させた後に、更に134±10℃〜140±10℃で30分間焼き過程を経て白米パンを作る。このとき、完成時間は総1時間58分程度かかる。
【0019】
<第2の実施形態>
一般的な製パン機に黒米粉を投入してから、32±10℃で1分間間歇ねり(30回)を遂行した後に、同一の温度で約19分間捏ねる。次に、これを32±10℃〜34±10℃の温度で10分間1次発酵する。このとき、1次発酵前に消費者の趣向に従って各種添加物を添加することが可能である。
【0020】
その後、製パン機で3分間ガス抜きを進行した後に、同一の温度で約65分間2次発酵させてから、134±10℃〜140±10℃の温度で約30分間焼き過程を遂行する。このように、黒米パンを作るのにかかる総時間は2時間8分程度である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常の製パン機を用いて間歇ねり、一般ねり、1次発酵、ガス抜き、2次発酵、焼きの手順で進行される製パン過程によって米粉を主成分とするパンを製造する方法であって、
32±10℃で30秒〜2分間遂行される間歇ねり過程と、
32±10℃で15〜25分間遂行される一般ねり過程と、
32±10℃〜34±10℃で3〜30分間遂行される1次発酵過程と、
32±10℃〜34±10℃で1〜10分間遂行されるガス抜き過程と、
32±10℃〜34±10℃で30〜90分間遂行される2次発酵過程と、
134±10℃〜140±10℃で10〜50分間遂行される焼き過程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記一般ねり過程と1次発酵過程との間に、32±10℃の温度で各種添加物が投入される過程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記製パン過程は、約2時間±20分程度の時間がかかることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。

【公開番号】特開2007−29088(P2007−29088A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172009(P2006−172009)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(506213902)ソングァン エレクトリック ヒート カンパニー リミティッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SUNGKWANG ELECTRIC HEAT CO., LTD
【住所又は居所原語表記】865−11, Eogok−Dong, Yangsan−City, Kyungsangnam−Do, Republic of Korea
【Fターム(参考)】