説明

米飯品質改良剤の添加量決定方法

【課題】真の古米化の進行程度を考慮して適切な米飯品質改良剤の添加量を決定する方法を提供する。
【解決手段】米飯品質改良剤を米粒(古米)に添加するにあたり、米粒(古米)の新鮮度を測定し、該新鮮度に基づいて米飯品質改良剤の添加量を決定するので、米飯品質改良剤の添加量を真の古米化度を考慮した適切な量にすることができる。よって、米粒(古米)が何年産のものであっても米飯の風味改善を適切に行うことができ、余分なコストも掛からない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米粒に米飯品質改良剤を添加して米飯の品質を改良する方法に関し、特に、前記米飯品質改良剤の添加量を決定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
米は一般的に収穫後約1年以上貯蔵すると古米化が生じるため、これを炊飯すると、古米臭を発して米飯の風味が低下する。そこで、従来、古米の風味(米飯品質)を改良するために、サイクロデキストリン(米飯品質改良剤)を古米に添加する方法が採用されている(特許文献1や特許文献2参照)。この特許文献1や特許文献2による方法は、炊飯する際に前記サイクロデキストリンを古米に添加して炊飯し、古米臭をサイクロデキストリンに包接させて米飯の風味を改善するものである。
【0003】
【特許文献1】特公昭62−30741号公報
【特許文献2】特公平1−54987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の方法には以下の問題点があった。すなわち、上記方法は前記サイクロデキストリン(米飯品質改良剤)を添加して風味を改善するものであるが、古米化の進行度については加味されておらず、また、添加量についても適宜決定して行われるものであった。前述のように、米は収穫後約1年以上貯蔵すると古米化が生じ、貯蔵年数が増えるに連れて古米化が進行して古米臭が増加する。このため、米の収穫年産が古いほど(貯蔵年数が長いほど)前記サイクロデキストリンの添加量を増量すればよいと考えられている。しかしながら、古米化の進行程度は実際には米を貯蔵する環境の違いによって異なるので、一概に貯蔵年数によって前記サイクロデキストリンの添加量を決定することは添加量の適切な決定方法とはいえず、添加量が不足している場合には風味の改善効果が薄くなり、また、添加量が過剰である場合には前記サイクロデキストリンは高価であるためコストが余分に掛かってしまう。
そこで、本発明は、上記問題点にかんがみ、真の古米化の進行程度を考慮して適切な米飯品質改良剤の添加量を決定する方法を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1により、
米粒に添加する米飯品質改良剤の添加量を決定する方法であって、
米粒の新鮮度を測定する新鮮度測定工程と、該新鮮度測定工程で測定した新鮮度測定値に基づいて米飯品質改良剤の添加量を決定する添加量決定工程とを備えるという技術的手段を講じた。
【0006】
また、請求項2により、
前記新鮮度測定工程はpH判定法によって行ない、該pH判定法によって測定されたpH値を新鮮度値とするという技術的手段を講じた。
【0007】
さらに、請求項3により、
前記添加量決定工程は、米粒が精白米の場合には、新鮮度値であるpH値が7.5以上のときは米飯品質改良剤を添加せず、pH値が7.5未満のときはpH値に基づいて米飯品質改良剤の添加量を決定し、一方、米粒が玄米の場合には、新鮮度値であるpH値が7.0以上のときは米飯品質改良剤を添加せず、pH値が7.0未満のときはpH値に基づいて米飯品質改良剤の添加量を決定するという技術的手段を講じた。
【0008】
また、請求項4により、
前記新鮮度測定工程は、米粒をpH指示薬液に入れて撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程で得られた撹拌液に光を照射して得られる、吸光度ピーク値を示す波長の吸光度と吸光度がほとんど変化しない波長領域の吸光度とを検出する吸光度測定工程と、該吸光度測定工程で検出した2つの吸光度の吸光度差を求め、この吸光度差を基にして米粒の新鮮度値を判定するという技術的手段を講じた。
【0009】
さらに、請求項5により、
前記pH指示薬液は、ブロモチモールブルー又はフェノールレッドを用いたものとするという技術的手段を講じた。
【0010】
また、請求項6により、
前記米飯品質改良剤は、α−シクロデキストリンとクラスターデキストリンとを少なくとも配合してなるという技術的手段を講じた。
【0011】
さらに、請求項7により、
前記米飯品質改良剤は、香料を配合してなるという技術的手段を講じた。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、米飯品質改良剤を米粒(古米)に添加するにあたり、米粒(古米)の新鮮度を測定し、該新鮮度に基づいて米飯品質改良剤の添加量を決定するので、米飯品質改良剤の添加量を真の古米化度を考慮した適切な量にすることができる。よって、米粒(古米)が何年産のものであっても米飯の風味改善を適切に行うことができ、余分なコストも掛からない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
新鮮度測定工程:
【0014】
本発明における新鮮度測定は、例えば、図1に示した新鮮度測定装置1を用いて行う。図2に該新鮮度測定装置1の測定原理を示し、以下詳細に説明する(本出願人:特開2003−130798号公報参照)。前記新鮮度測定装置1は、後述の抽出方法によって得た被判定液(被新鮮度判定液)を入れる測定セル2と、該測定セル2に対して少なくとも610nm〜620nmの波長及び680nm以上の波長を照射する光源3と、前記測定セル2を通過した透過光Tを2方向に分光するハーフミラー4とを備える。また、前記ハーフミラー4によって分光された一方の光路上には690nmの波長を透過するフィルター5とその波長を検出する受光素子6とを配設し、他方の光路上には、615nmの波長を透過するフィルター7とその波長を検出する受光素子8とを配設する。さらに、前記受光素子6及び受光素子8は、図示しない増幅器及びアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を介して演算処理手段9に接続する。
【0015】
前記演算処理手段9は、例えば、中央演算処理部(CPU)を中心として、入出力部、読み出し専用記憶部(ROM)及び読み出し・書き込み兼用記憶部(RAM)を接続してなり、前記ROMに内蔵した米粒新鮮度判定プログラムに従って前記受光素子6,8が検出した信号に基づいて新鮮度値を判定する。なお、前記演算処理手段9は、判定した新鮮度値等を表示する表示部10のほか、被測定サンプルを玄米又は白米、無洗米に切換える切換ボタン11と接続する構成になっている。
【0016】
次に、前記新鮮度測定装置1を用いた米粒(古米)の新鮮度測定方法について説明する。前記新鮮度測定装置1は本出願人株式会社サタケ製の新鮮度判定装置(型式:RFDM1A)とする。
【0017】
(1)試薬液の準備・調製(pH判定法)
試薬液の準備・調製は以下の配合によって行う。

エタノール:150ミリリットル

蒸留水:50ミリリットル

ブロモチモールブルー(pH指示薬液):0.3グラム
以上のものを配合した原液をつくり、これを蒸留水で30倍に希釈する。
さらに、水酸化カリウム水溶液を0.2%加えてpH7.0とし調製の完了である。
【0018】
(2)被判定液の抽出
次に、滋賀県産で品種が日本晴の精白米を被測定米粒(古米サンプル)とし、該精白米を上記試薬液が入った試験管に数グラム入れて撹拌する。該撹拌は、例えば公知の振とう器を用い、該振とう器に前記試験管を横たえて振動(例えば、1分間に約150回)を与える。この撹拌を終えると試験管内の液体が被判定液となるため、該被判定液を試験管から取り出して前記測定セル2に入れ、これで測定前の準備の完了となる。
なお、米粒(古米)は貯蔵年数が経過するに連れて脂質が分解されて脂肪酸を生成するとともに、該脂肪酸が酸化分解されてヘキサナール等の古米臭成分を生成する。これらの成分は古米化の進行度(古米化度)が進むに連れて増加し、この増加に伴ってpH値を低下させる要素として知られている。本実施例は、前記pH値の低下作用を利用して米粒の新鮮度を判例するいわゆるpH判定法を利用するもので、前記試薬液に古米を入れて撹拌し、得られた前記被判定液の変色度に基づいて新鮮度を判定するものである。このため、pH指示薬液は、前記脂肪酸やヘキサナールが反応してpH7.0前後において変色を示すブロモチモールブルーが使用されている。なお、ブロモチモールブルーの代わりにフェノールレッドを使用することも可能である。
【0019】
(3)新鮮度の判定
最初、前記新鮮度測定装置1に電源を入れると自動的に初期設定が行われる。この初期設定が終了した後、前記切換ボタン11によって米の種類を選択する。
この後、上記(2)被判定液の抽出において得られた被判定液を前記測定セル2に入れて前記新鮮度測定装置1のセル挿入開口部2aにセットする。すると、前記米粒新鮮度判定プログラムが実行され、前記光源3の光が前記測定セル2に照射され、測定セル2内の被判定液を通過した透過光Tが前記ハーフミラー4によって二方向に分光される。その一方の透過光は前記フィルター5を通って690nmの波長だけとなり前記受光素子6に検出され、前記増幅器及びA/D変換器を介して検出値A1(電圧値)として前記演算処理手段9に送られる。他方の透過光は前記フィルター7を通って615nmの波長だけとなり前記受光素子8に検出され、前記増幅器及びA/D変換器を介して検出値A2(電圧値)として前記演算処理手段9に送られる。
【0020】
被判定液の濁度影響の除去について:
本実施例における前記新鮮度測定装置1は、被判定液の変色度の判定を光学的な吸光度測定によって行い、該測定吸光度をもって古米化の進行度合(新鮮度)を判定するものである。しかしながら、前記被判定液には、該被判定液を前述のように抽出する段階において、被測定米粒(古米サンプル)に有する糠成分や澱粉(これらは被判定液に反応して変色はしない。)が分離して混入する場合があり、この場合、被判定液には濁度が生じているため測定した吸光度が真の変色度から取得した値ではなく、正確な変色度(古米化の進行度合(新鮮度))の判定が困難であるため、前記新鮮度測定装置1は、濁度の影響を受けずに変色度の判定が行える工夫がなされている。以下その工夫点を説明する。
【0021】
図3のグラフに、横軸に透過光Tの波長域をとり、前記糠成分や澱粉の混入割合が大のとき(濁り具合の濃い被判定液サンプル:K1)の吸光度の変化(グラフK1)と、前記混入割合が小のとき(濁り具合の薄い被判定液サンプル:K2)の吸光度の変化(グラフK2)とを示す。
【0022】
この図3のグラフから分かるように、濁り具合の濃い被判定液サンプルのグラフK1は、濁り具合の薄い被判定液サンプルのグラフK2よりも略全体的に吸光度が高い。また、前記グラフK1,K2において、波長690nmの前後域は吸光度に変化がなく一定であって、単に前記糠成分や澱粉による濁度のみに起因した吸光度を示すと推定される。一方、波長615nm(ピーク値)は前記濁度と変色度(新鮮度)の両方が加味した吸光度と推定される。したがって、波長615nmの吸光度と波長690nmの吸光度との差を演算することによって、真の変色度(新鮮度)を求めることができる。この理論に基づくと、前記グラフK1,K2の例では「グラフK1における差V1<グラフK2における差V2」であるため、新鮮度は、グラフK1のものよりもグラフK2のものの方が高い。よって、新鮮度の高低は、例えばピーク値を示す波長615nmにおける吸光度の大小によって一概に判断できない。以下、この理論を裏付ける根拠データを示す。
【0023】
米粒サンプルとして平成8年産〜平成12年産の米粒(品種:滋賀日本晴)を用意し、それぞれについて前述のように(1)試薬液の準備・調製及び(2)被判定液の抽出を行って吸光度を測定した。その結果を、図4のグラフに検出した透過光の波長と吸光度の変化を示し、図5の表に前記波長615nm,波長690nmの各吸光度、両者の吸光度差(上述の図3のV1,V2)及び新鮮度判定結果を示す。
上記図5の表によると、吸光度差はそれぞれ年産ごとに、
平成12度産:0.694
平成11度産:0.471
平成10度産:0.231
平成 9度産:0.198
平成 8度産:0.145
となっており、吸光度(ピーク波長615nmのとき)は平成8度産(1.419)が最も高い値を示したが、吸光度差は、米粒サンプルの年産が新しいほど大きいという結果となった。したがって、新鮮度の判定は、前記吸光度差の値の大小によって判断することにより前記濁度の影響を除去することができる。
【0024】
上記理論に基づいて、前記新鮮度測定装置1の演算処理手段9は、前記受光素子6,8の検出値A1,A2に基づいて吸光度差を演算して求め、該吸光度差に基づき、新鮮度値を、予め求めて記憶した吸光度差と新鮮度値との関係を示した検量線に基づいて求め前記表示部10に表示する。新鮮度値は、pH値又は点数で表す。
【0025】
米飯品質改良剤の添加量の決定工程:
【0026】
(1)米飯品質改良剤の調製
本発明に用いる米飯品質改良剤は、例えば以下のように調製する。
原料:

α−シクロデキストリン:100グラム

クラスターデキストリン:50グラム

オイル(香料):30グラム

水:320グラム
合計:500グラム
以上の原料を配合して撹拌し公知の噴霧乾燥機に供給して粉末化する。前記噴霧乾燥機としては、例えば、大川原化工機製L−8型噴霧乾燥機を用いるとよい。同噴霧乾燥機によって得られた米飯品質改良剤は、前記α−シクロデキストリン(難消化性デキストリン)とクラスターデキストリンとを混合したものを賦形剤として、香料を包接させたものとなる。また、前記α−シクロデキストリンとクラスターデキストリンは食物繊維の一種であり、現代人にとって不足しがちな食物繊維を摂取することになる。前記香料は天然物をベースにしたものを使用することにより、食品添加物としての問題も生じない。なお、上記米飯品質改良剤は、その添加によって古米臭を低減し、かつ、香ばしい香りを付加できる粉末である。
【0027】
(2)添加量(添加率)の決定
前記新鮮度測定装置1によって判定した新鮮度値に基づき、上記米飯品質改良剤の添加量(添加率)は、図6の表1に示した添加率とするのがよい。
【0028】
実施例:
上記本発明による米飯品質改良剤の添加率(図6の表1)の根拠を示すため、実施例1〜6を以下に示す(表2参照)。古米サンプル(被測定米粒)については下記表2に示したような年産、産地及び品種が異なる6種のものを用意し、前記新鮮度測定装置1<株式会社サタケ製の新鮮度判定装置(型式:RFDM1A)>により、それぞれの新鮮度値を判定した。なお、上記6種の古米サンプルの古米臭の程度を官能試験で確かめた結果、表2に示したように、年産が新しいものは古米臭が感じられず年産が古いものは古米臭が感じられた。
【0029】
また、上記6種の古米サンプルの各新鮮度値の測定結果は下記表2のとおりである。この新鮮度値に基づいて前記米飯品質改良剤を古米サンプルに添加率0%、添加率0.0125%、添加率0.025%、添加率0.05%の各割合で炊飯時に添加し、これを米飯にして食味官能試験を行った。その結果、表2に示したように、上記6種の古米サンプルに添加する米飯品質改良剤の適切な添加率は、マル印を記した添加率がよいことが確かめられ、また、ばつ印が記された添加率は食味がよくなかった。なお、米飯品質改良剤における賦形剤については、上記の前記α−シクロデキストリン(難消化性デキストリン)とクラスターデキストリンとを混合したもの以外を炊飯の際に添加してその米飯の食味官能試験を実施したが、古米臭を消臭する効果(風味改善効果)は前者の方が高かった。

【表2】

【0030】
なお、前記米飯品質改良剤の添加は、上記のように炊飯時(例えば炊飯工場等)に添加するだけでなく、精米工場において精米後の精白米に対して例えば噴霧添加するようにしてもよい。
【0031】
また、本発明における新鮮度測定工程については、上記実施例に示した、前記新鮮度測定装置1を用いてpH指示薬液(試薬液)の変色度を光学的に判定しこれを基に新鮮度値(pH値又は点数)を演算する方法に限定されるものではなく、前記pH指示薬液又はpH試験紙の変色度を目視によって新鮮度(pH値)を判定する方法でもよい。このため、前記pH指示薬液又はpH試験紙の変色度を目視によって判定する場合には、前記ブロモチモールブルー又はフェノールレッドのもの以外にリトマス試験紙を用いてもよい。また、新鮮度測定工程においては、このほか、市販されているpHメータを使って新鮮度(pH値)を測定する方法や、公知のグアヤコール判定によって米粒の呈色度合(変色度合)又はグアヤコール溶液の呈色度合によって新鮮度を判定する方法などであってもよい。
【0032】
さらに、上記実施例において精白米に添加した米飯品質改良剤の添加率は無洗米にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明における新鮮度測定装置の外観図である。
【図2】前記新鮮度測定装置の原理的な構成図である。
【図3】前記新鮮度測定装置における吸光度測定に関する参考図である。
【図4】前記新鮮度測定装置における吸光度測定(実測値)に関する参考グラフである。
【図5】図4の参考グラフ(吸光度測定(実測値))に基づいて、波長615nm,波長690nmの各吸光度及び両者の吸光度差を示した表と、該吸光度差に基づく新鮮度判定結果を示す。
【図6】本発明による米飯品質改良剤の添加量(添加率)を表1に示した。
【符号の説明】
【0034】
1 新鮮度測定装置
2 測定セル
2a セル挿入開口部
3 光源
4 ハーフミラー
5 フィルター
6 受光素子
7 フィルター
8 受光素子
9 中央演算処理部(CPU)
10 表示部
11 切換ボタン
T 透過光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米粒に添加する米飯品質改良剤の添加量を決定する方法であって、
米粒の新鮮度を測定する新鮮度測定工程と、該新鮮度測定工程で測定した新鮮度測定値に基づいて米飯品質改良剤の添加量を決定する添加量決定工程とを備えることを特徴とする米飯品質改良剤の添加量決定方法。
【請求項2】
前記新鮮度測定工程はpH判定法によって行ない、該pH判定法によって測定されたpH値を新鮮度値とすることを特徴とする請求項1に記載の米飯品質改良剤の添加量決定方法。
【請求項3】
前記添加量決定工程は、米粒が精白米の場合には、新鮮度値であるpH値が7.5以上のときは米飯品質改良剤を添加せず、pH値が7.5未満のときはpH値に基づいて米飯品質改良剤の添加量を決定し、一方、米粒が玄米の場合には、新鮮度値であるpH値が7.0以上のときは米飯品質改良剤を添加せず、pH値が7.0未満のときはpH値に基づいて米飯品質改良剤の添加量を決定することを特徴とする請求項2に記載の米飯品質改良剤の添加量決定方法。
【請求項4】
前記新鮮度測定工程は、米粒をpH指示薬液に入れて撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程で得られた撹拌液に光を照射して得られる、吸光度ピーク値を示す波長の吸光度と吸光度がほとんど変化しない波長領域の吸光度とを検出する吸光度測定工程と、該吸光度測定工程で検出した2つの吸光度の吸光度差を求め、この吸光度差を基にして米粒の新鮮度値を判定することを特徴とする請求項3に記載の米飯品質改良剤の添加量決定方法。
【請求項5】
前記pH指示薬液は、ブロモチモールブルー又はフェノールレッドを用いたものとすることを特徴とする請求項4に記載の米飯品質改良剤の添加量決定方法。
【請求項6】
前記米飯品質改良剤は、α−シクロデキストリンとクラスターデキストリンとを少なくとも配合してなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかにに記載の米飯品質改良剤の添加量決定方法。
【請求項7】
前記米飯品質改良剤は、香料を配合してなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかにに記載の米飯品質改良剤の添加量決定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−178361(P2008−178361A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15627(P2007−15627)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【Fターム(参考)】