説明

粉体処理装置および粉体処理設備

【課題】粉体が粉砕されることなく、大量の粉体を1回で処理できると共に、粉体の特性に影響されず、すなわち、黒鉛のような塑性変形しない粉体から融点の低い粉体まで球形化処理、さらに複合化処理することができる粉体処理装置および粉体処理設備を提供する。
【解決手段】高速回転する円筒状の回転子2aと、回転子2aの外側に間隙5を形成するように回転子2aと同軸に配置された円筒状の固定子3aとを備えた本体部4と、本体部4の一端に設けられ、処理原料を気流と共に間隙5に供給する供給口6と、本体部4の他端に設けられ、処理原料が回転子2aと固定子3aとの間で球形化された処理物を間隙5から排出させる排出口7とを備えた粉体処理装置1において、固定子3aの内周面に、固定子3aの軸線に対して直交する円周溝14a、または、軸線に対して60度以上90度未満の角度をなすらせん溝が形成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鱗片状、不定(多角)形または表面に凹凸のある粉体、および、粉砕しやすい粉体の球形度や表面の平滑度を向上させる球形化処理、さらに、粉体(母粉体)の表面に他の粉体(子粉体)を付着させて粉体を複合化処理する粉体処理装置および粉体処理設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、電子技術用材料、光学技術用材料、高分子材料、医用材料として使用される粉体において、粉体形状の改善、特に、不規則粒形の球形化により流動性や充填性等を向上させるニーズが高くなってきた。さらに、粉体物性の改善、特に、2種以上の粉体の複合化により粉体表面を改質し、機能性を向上させるニーズも高くなってきた。このような粉体の球形化処理、さらに複合化処理に使用される粉体処理装置および粉体処理設備として、従来、特許文献1、2では、円筒状をなす回転子とその回転子の外側に僅少な間隙を存して嵌挿された固定子とを備えた本体と、本体の一端に備えられ、粉体を気流と共に回転子の接線方向に供給する供給口と、本体の他端に備えられ、球形化、さらに複合化された粉体と気流とを回転子の接線方向に排出させる排出口とを備える粉体処理装置が記載されている。
【0003】
この粉体処理装置においては、回転子の外側表面および固定子の内側表面には母線と平行な多数の突起材が周方向に連続して設けられている。そして、回転子の回転により、各々の突起材間に形成される間隙に多数の微少渦流を形成して、気流中に分散した不規則粒形の粉体または2種以上の粉体が相互に強力に接触するようにしている。その結果、粉体処理装置では、粉体が連続して球形化、さらに複合化される。
【0004】
また、粉体処理設備としては、粉体処理装置の上流側に、粉体を粉体処理装置に供給するための気流を発生させる気流発生手段と、この気流を加熱および/または冷却するための熱交換手段と、この温度調整された気流中に粉体を分散させるための原料供給器(原料混合機を含む)とを配設し、粉体処理装置の下流側に、粉体処理装置で処理(球形化、さらに複合化)された粉体を気流から分離、捕集するための捕集器と、粉体処理設備内で気流を流動させるための送風機とを配設したものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平05-032094号公報(2頁左欄10〜38行、3頁左欄34行〜右欄21行、第1図、第3図)
【特許文献2】特公平5−032095号公報(2頁左欄27行〜右欄9行、3頁左欄41行〜右欄33行、第1図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の特許文献1に記載の粉体処理装置においては、球形化処理に際し、60℃以下程度で塑性変形し易くなるような(融点の低い)粉体は球形化処理が可能であったが、塑性変形に100℃以上を必要とする(融点の高い)粉体、黒鉛のような塑性変形しない粉体の球形化処理は不可能であった。そのため、球形化処理を可能にするために、粉体処理装置の回転子の回転数を高くすることも検討されたが、回転数を高くすると、突起材間に形成される間隙に強い渦流が発生し、粉体の球形化よりも、粉体が粉砕し易くなり、粉体の細径化が進み易いという問題があった。
【0007】
そして、特許文献2に記載の粉体処理装置においても、複合化処理に際し、粉砕されやすい粉体を処理する場合には、回転子と固定子との間に形成される間隙を広くすることや回転数を下げた運転条件とすることで粉体が粉砕されないようにする必要があった。ここで、回転数を下げた場合には、間隙内に形成される渦流が弱くなり、複合化作用が低下するという問題があった。これは、使用できる回転数範囲が限られ、複合化作用そのものの調整範囲が狭まることとなる。また、間隙を調整するためには、固定子の内径あるいは回転子の外径を変える必要があり、部品交換による調整となり、自由に運転条件を調整することは難しいこととなる。
【0008】
また、従来の粉体処理装置の固定子の軸方向の溝を無くし、平滑な円筒にすると、回転子の回転を高くしても、粉体が粉砕しないで球形化処理、さらに複合化処理されることがわかった。ただし、この方法では、球形化処理、さらに複合化処理の進み具合が遅く、粉体を装置に1回通過しただけでは、粉体が十分に球形化処理、さらに複合化処理されず、装置に何回も通す必要があり、粉体の大量処理が困難であるという問題があった。さらに、従来の粉体処理装置においては、通常の1/3程度まで風量(流量)を下げると球形化処理、さらに複合化処理が進むことがわかった。しかしながら、風量を下げると、粉体の流れが不安定になると共に、処理温度の上昇が大きくなり、熱に弱い粉体(融点の低い粉体)においては、粉体同士の融着が発生し、球形化処理、さらに複合化処理が不可能になるという問題があった。
【0009】
したがって、1回の球形化処理、さらに複合化処理で粉体の処理を進めるためには、風量を下げることなく、装置内を粉体が通過する時間(滞留時間)を長くする必要がある。従来の装置においては、固定子と回転子の全長を長くすればよいが、装置の重量増加による機械的強度、設置スペース、コスト等の問題で限界があった。
【0010】
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく創案されたもので、その目的は、粉体が粉砕されることなく、大量の粉体を1回で球形化処理、さらに複合化処理できると共に、粉体の特性に影響されず、すなわち、黒鉛のような塑性変形しない粉体から融点の低い粉体まで球形化処理、さらに複合化処理することができる粉体処理装置および粉体処理設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明に係る粉体処理装置は、高速回転する円筒状の回転子と、前記回転子の外側に間隙を形成するように当該回転子と同軸に配置された円筒状の固定子とを備えた本体部と、前記本体部の一端に設けられ、処理原料を気流と共に前記間隙に供給する供給口と、前記本体部の他端に設けられ、前記処理原料が前記回転子と前記固定子との間で球形化された処理物を前記間隙から排出させる排出口とを備えた粉体処理装置において、前記固定子の内周面に、当該固定子の軸線に対して直交する複数の円周溝、または、前記軸線に対して回転子の回転方向に60度以上90度未満の角度をなすらせん溝が形成された形成された粉体処理装置として構成したものである。
【0012】
前記構成によれば、供給口から間隙に気流と共に供給された処理原料が、回転子の回転により発生した旋回流により、固定子に押し付けられながら、間隙内を供給口から排出口に向けて通過する。この際、固定子内周面に円周溝またはらせん溝が設けられていることにより、旋回流による遠心力で処理原料が溝底に押し付けられる。そして、処理原料が溝から出るには遠心力と逆方向に移動することとなるので、処理原料は容易には溝から出られず、溝内に長時間滞留することとなる。また、滞留時間を長くするために風量(気流の流速)を下げる必要がなくなる。そのため、壁面と処理原料との接触、および、処理原料同士の接触が多くなり、処理原料の球形化処理が進み、処理能力が向上すると共に、球形化処理により発生する熱を気流によって冷却でき、処理温度の温度上昇が少なくなる。また、従来の粉体処理装置に設けられた軸線と平行な突起材により形成された間隙と異なり、間隙内に強力な渦流が発生することを抑えることが可能となり、処理原料の粉砕が防止される。さらに、回転子と固定子との間で球形化処理された処理物は、間隙から排出口に気流と共に排出される。
【0013】
また、本発明に係る粉体処理装置は、前記固定子の内周面に、前記複数の円周溝が形成された第1溝形成領域と、この第1溝形成領域に連続して形成され、前記軸線に対して回転子の回転方向に0度を超え45度以下の角度をなす傾斜縦溝が形成された第2溝形成領域とを設けた粉体処理装置として構成したものであってもよい。
【0014】
前記構成によれば、さらに、旋回流による遠心力で、供給口から間隙に気流と共に供給された処理原料が第1溝形成領域の円周溝内に長時間滞留することとなり、風量を下げる必要がなくなる。そのため、処理温度を上昇させずに、かつ、処理原料の粉砕を抑えながら球形化処理することができ、処理減原料の球形化処理が進み、処理能力が向上する。また、球形化処理された処理物は、排出口から気流と共に排出される。
【0015】
また、固定子に複数の傾斜縦溝が形成された第2溝形成領域が設けられることにより、粉体が分散する。例えば、固定子の供給口側に第2溝形成領域が設けられた場合には気流と共に間隙に供給される処理原料が分散され、中間部に設けられた場合には、間隙内に凝集した処理原料または球形化処理された処理物が分散され、排出口側に設けられた場合には凝集した処理物が分散される。そのため、処理原料の球形化処理が促進される。
【0016】
なお、本発明に係る粉体処理装置は、前記回転子の外周面に、当該回転子の軸線に対して平行な複数の縦凸部、または、前記軸線に対して回転子の回転方向に0度を超え45度以下の角度をなす複数の傾斜凸部が形成された粉体処理装置として構成したものであってもよい。
前記構成によれば、回転子の外周面に形成された縦凸部または傾斜凸部により、処理原料を固定子の溝内で旋回させる作用が強力になり、球形化処理がより一層促進される。
【0017】
本発明に係る粉体処理装置は、前記回転子の外周面に、当該回転子の軸線に対して平行な複数の縦凸部、または、前記軸線に対して回転子の回転方向に0度を超え45度以下の角度をなす複数の傾斜凸部が形成された凸部形成領域と、この凸部形成領域に連続して形成され、前記凸部形成領域の最小外径より大きく最大外径以下の外径を有し、平滑に形成された円筒領域とを設けた粉体処理装置として構成したものであってもよい。
【0018】
前記構成によれば、処理原料が固定子の溝底に押し付けられずに、回転子の凸部形成領域における縦凸部間または傾斜凸部間に形成された凹部を移動するようなことが発生した場合でも、円筒領域を設けることにより、凹部を移動する処理原料を、固定子の溝底に移動させ、球形化処理を行なうことが可能となる。そのため、処理原料の球形化処理がより一層促進される。
【0019】
本発明に係る粉体処理装置は、前記処理原料として2種以上の処理原料を使用し、2種以上の処理原料が前記回転子と前記固定子との間で複合化された処理物を前記間隙から前記排出口に排出する粉体処理装置として構成することができる。
【0020】
前記構成によれば、壁面と処理原料との接触、および、処理原料同士の接触が多くなり、処理原料の複合化処理が進み、処理能力が向上すると共に、複合化処理により発生する熱を気流によって冷却でき、処理温度の温度上昇が少なくなる。また、従来の粉体処理装置に設けられた軸線と平行な突起材により形成された間隙と異なり、間隙内に強力な渦流が発生することを抑えることが可能となり、処理原料の粉砕が防止される。さらに、回転子と固定子との間で複合化処理された処理物は、間隙から排出口に気流と共に排出される。
【0021】
本発明に係る粉体処理設備は、本発明に係る粉体処理装置と、前記粉体処理装置の下流側に配置され、前記供給口に供給され、かつ前記排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、前記粉体処理装置の上流側に配置され、当該粉体処理装置の上流側に形成される気流と共に処理原料を前記供給口に供給するべく、当該処理原料を前記粉体処理装置の上流側に形成される気流に対して供給する原料供給装置と、前記排風装置の上流側に配置され、前記排出口から排出された気流から前記粉体処理装置で球形化された処理物を回収する回収装置とを備える粉体処理設備であって、前記供給口に供給される気流の温度を冷却する冷却装置を前記粉体処理装置の上流側に備えた粉体処理設備として構成したものである。
【0022】
前記構成によれば、原料供給装置を備えることにより、供給口への処理原料の供給量が調整される。また、排風装置を備えることにより、処理原料と共に供給口に供給される気流の流速、粉体処理装置の間隙内を流通する気流の流速(風量)および球形化された処理物と共に排出口から排出される気流の流速が調整される。また、回収装置を備えることにより、球形化された処理物が効率よく回収される。さらに、冷却装置を備えることにより、粉体処理装置内に供給される処理原料の温度が低くなり、球形化処理の際の処理温度が低くなる。それにより、処理原料の融着を抑えることができる。その結果、処理原料の球形化処理が進み、処理能力が向上する。特に、融点の低い処理原料において顕著となる。
【0023】
本発明に係る粉体処理設備は、前記排出口から分岐した気体導入ダクトを備え、前記気体導入ダクトに連続開閉ダンパを設ける粉体処理設備として構成することができる。
【0024】
前記構成によれば、気体導入ダクトを備え、そのダクトに連続開閉ダンパを設けることにより、ダンパが閉じた際には粉体処理装置内を流れる気流が速くなり、開けた際には気流が遅くなる。ダンパを連続的に開閉することで粉体処理装置内の気流が脈動し、気流が速くなると処理原料は粉体処理装置内を供給口側から排出口側に移動し、気流が遅くなると固定子の円周溝またはらせん溝内に滞留する。したがって、ダンパの開閉タイミングを調整することで、処理原料の滞留時間を長くすることが可能となり、球形化処理が進み、処理能力が向上する。また、球形化処理された処理物は一定速の速い気流により排出口から排出されるため、処理物の排出口内への付着等が発生することがない。
【0025】
本発明に係る粉体処理設備は、前記連続開閉ダンパの上流を前記冷却装置と前記原料供給装置との間に接続する粉体処理設備として構成することができる。
【0026】
前記構成によれば、連続開閉ダンパの上流に冷却装置を備えることとなり、気体導入ダクトを介して排出口内に冷却された気流が供給され、球形化処理された処理物を冷却することが可能となる。その結果、処理物の排出口内への付着等が発生することがない。
【0027】
本発明に係る第2の粉体処理設備は、本発明に係る粉体処理装置と、前記粉体処理装置の上流側に配置され、気流と共に処理原料を前記供給口に供給する原料供給装置と、前記粉体処理装置の下流側に配置され、前記供給口に供給され、かつ前記排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、前記排風装置の上流側に配置され、前記排出口から排出された気流から前記粉体処理装置で球形化された処理物を回収する回収装置とを備える粉体処理設備であって、前記供給口に供給される気流の温度を加熱する加熱装置を前記粉体処理装置の上流側に備えた粉体処理設備として構成したものである。
【0028】
前記構成によれば、本発明に係る先の粉体処理設備と同様に、処理原料の供給量、粉体処理設備を流通する気流の流速が調整されると共に、球形化された処理物が効率よく回収される。また、加熱装置を備えることにより、粉体処理装置内に供給される処理原料の温度が高くなり、球形化処理の際の温度が高くなる。それにより、処理原料を軟化させながら球形化処理することができる。その結果、処理原料の球形化処理が進み、処理能力が向上する。特に、融点の高い処理原料において顕著となる。なお、供給口に供給される気流を加熱(昇温)しても、球形化処理の際の温度が、処理原料の融着が発生する温度にまで高くなることはない。
【0029】
発明に係る第2の粉体処理設備は、前記排出口から分岐した気体導入ダクトを備え、前記気体導入ダクトに連続開閉ダンパを設ける粉体処理設備として構成することができる。
【0030】
前記構成によれば、本発明に係る先の粉体処理設備と同様に、連続開閉ダンパを設け、その開閉タイミングを調整することで、処理原料の滞留時間を長くすることが可能となり、球形化処理が進み、処理能力が向上する。また、球形化処理された処理物は一定速の速い気流により排出口から排出されるため、処理物の排出口内への付着等が発生することがない。
【0031】
本発明に係る第2の粉体処理設備は、前記連続開閉ダンパの上流に冷却装置を備える粉体処理設備として構成することができる。
【0032】
前記構成によれば、連続開閉ダンパの上流に冷却装置を備えることにより、気体導入ダクトを介して排出口内に冷却された気流が供給され、球形化処理された処理物を冷却することが可能となる。その結果、処理物の排出口内への付着等が発生することがない。
【0033】
本発明に係る粉体処理設備は、前記処理原料として2種以上の処理原料を使用し、2種以上の処理原料を供給する複数の原料供給装置が前記粉体処理装置の上流側に備えられ、前記粉体処理装置で複合化された処理物が前記回収装置で回収される粉体処理設備として構成することができる。
【0034】
前記構成によれば、複数の原料供給装置から個別に温度調節された気流に対して供給され、温度調節された気流と共に粉体処理装置内に供給された2種以上の処理原料は、粉体処理装置の供給口側の間隙で混合され、母粉体(粒径の大きい粉体)となる処理原料表面に、子粉体(粒径の小さい粉体)となる処理原料が付着する。そして、排出口側の間隙に近づくにつれて、両処理原料が複合化される。
【0035】
本発明に係るさらに別の粉体処理設備は、2種以上の処理原料が回転子と固定子との間で複合化された処理物を排出口に排出するようにした本発明に係る粉体処理装置と、前記粉体処理装置の下流側に配置され、前記供給口に供給され、かつ前記排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、前記粉体処理装置の上流側に配置され、当該粉体処理装置の上流側に形成される気流と共に2種以上の処理原料を前記供給口に供給するべく、当該処理原料を前記粉体処理装置の上流側に形成される気流に対して供給する複数の原料供給装置と、前記排風装置の上流側に配置され、前記排出口から排出された気流から前記粉体処理装置で複合化された処理物を回収する回収装置とを備える粉体処理設備として構成したものである。
【0036】
前記構成によれば、複数の原料供給装置から個別に粉体処理装置内に供給された2種以上の処理原料は、粉体処理装置の供給口側の間隙で混合され、母粉体(粒径の大きい粉体)となる処理原料表面に、子粉体(粒径の小さい粉体)となる処理原料が付着する。そして、排出口側の間隙に近づくにつれて、両処理原料が複合化される。
【0037】
本発明に係る粉体処理設備は、前記原料供給装置の下流側に、さらに前記2種類以上の処理原料を混合する原料混合装置が備えられている粉体処理設備として構成したものである。
【0038】
前記構成によれば、原料混合装置によって、2種以上の処理原料が混合され、母粉体(粒径の大きい粉体)となる処理原料表面に、子粉体(粒径の小さい粉体)となる処理原料が付着した混合処理原料が生成される。この混合処理原料が粉体処理装置(間隙)に供給されることによって、供給口側の間隙で処理原料の付着が進行する請求項12の粉体処理設備と異なり、供給口側から排出口側の間隙の全領域で処理原料が複合化される。したがって、複合化処理時間が長くなり、より強固な複合化状態が達成される。
【0039】
本発明に係る粉体処理設備は、前記処理原料として予め混合された2種以上からなる処理原料を使用し、当該予め混合された処理原料を供給する1つの原料供給装置が前記粉体処理装置の上流側に備えられ、前記粉体処理装置で複合化された処理物が前記回収装置で回収される粉体処理設備として構成することができる。
【0040】
前記構成によれば、1つの原料供給装置によって、予め混合された2種以上からなる処理原料が温度調節された気流と共に粉体処理装置(間隙)に供給されることによって、供給口側から排出口側の間隙の全領域で処理原料が複合化される。したがって、複合化処理時間が長くなり、より強固な複合化状態が達成される。
【0041】
本発明に係るまた別の粉体処理設備は、2種以上の処理原料が回転子と固定子との間で複合化された処理物を排出口に排出するようにした本発明に係る粉体処理装置と、前記粉体処理装置の下流側に配置され、前記供給口に供給され、かつ前記排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、前記粉体処理装置の上流側に配置され、当該粉体処理装置の上流側に形成される気流と共に、予め混合された2種以上の処理原料を前記供給口に供給するべく、当該処理原料を前記粉体処理装置の上流側に形成される気流に対して供給する1つの原料供給装置と、前記排風装置の上流側に配置され、前記排出口から排出された気流から前記粉体処理装置で複合化された処理物を回収する回収装置とを備える粉体処理設備として構成したものである。
【0042】
前記構成によれば、1つの原料供給装置によって、予め混合された2種以上の処理原料が気流と共に粉体処理装置(間隙)に供給されることによって、供給口側から排出口側の間隙の全領域で処理原料が複合化される。したがって、複合化処理時間が長くなり、より強固な複合化状態が達成される。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る粉体処理装置によれば、固定子の外周面に円周溝またはらせん溝を形成することにより、または、固定子の外周面に円周溝またはらせん溝を形成した第1溝形成領域と、縦溝または傾斜縦溝を形成した第2溝形成領域とを設けることにより、間隙(溝内)の渦流の発生が抑えられ、旋回流が発生するため、処理原料の溝内での滞留時間が長くなると共に、処理温度の上昇も抑えられる。その結果、粉体が粉砕されることなく、大量の粉体を1回で処理できると共に、粉体の特性に影響されず、すなわち、黒鉛のような塑性変形しない粉体から融点の低い粉体まで球形化処理、さらに複合化処理することができる。
【0044】
また、粉体処理装置によれば、回転子の外周面に、縦凸部または傾斜凸部を形成することにより、また、縦凸部または傾斜凸部を形成した凸部形成領域と円筒領域とを設けることにより、球形化処理時間、さらに複合化処理時間が短縮化されると共に、球形化処理、さらに複合化処理された処理物の粒径が均一となる。
【0045】
本発明に係る粉体処理設備によれば、冷却装置または加熱装置を粉体処理装置の上流側に備えることにより、また、複数の原料供給装置(原料混合装置を含む)、または、予め混合された処理原料を供給する1つの原料供給装置を備えることにより、粉体が粉砕されることなく、大量の粉体を1回で処理できると共に、粉体の特性に影響されず、すなわち、黒鉛のような塑性変形しない粉体から融点の低い粉体まで球形化処理、さらに複合化処理することができる。
【0046】
また、粉体処理設備によれば、排出口から分岐した気体導入ダクトを備え、そのダクトに連続開閉ダンパを設けることにより、また、連続開閉ダンパの上流を冷却装置と原料供給装置との間に接続することにより、さらに、連続開閉ダンパの上流に冷却装置を備えることにより、球形化処理時間、さらに複合化処理時間が短縮化されると共に、球形化処理、さらに複合化処理された処理物の粒径が均一となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)は本発明に係る粉体処理装置の構成を示す断面図、(b)は回転子および固定子の断面形状を示す要部拡大断面図である。
【図2】(a)〜(d)は固定子の内周面を示す断面図である。
【図3】(a)、(b)は固定子に形成された円周溝またはらせん溝の断面形状を示す要部拡大断面図である。
【図4】(a)〜(c)は他の回転子の外周面を示す正面図、(d)は(c)の要部拡大断面図である。
【図5】(a)、(b)は回転子に形成された縦凸部または傾斜凸部の断面形状を示す要部拡大断面図である。
【図6】他の縦凸部または傾斜凸部の断面形状を示す要部拡大断面図である。
【図7】本発明に係る粉体処理設備(球形化処理用)の構成を示す模式図である。
【図8】本発明に係る他の粉体処理設備(球形化処理用)の構成を示す模式図である。
【図9】本発明に係る他の粉体処理設備(球形化処理用)の構成を示す模式図である。
【図10】本発明に係る他の粉体処理設備(球形化処理用)の構成を示す模式図である。
【図11】本発明に係る粉体処理設備(複合化処理用)の構成を示す模式図である。
【図12】本発明に係る他の粉体処理設備(複合化処理用)の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明に係る粉体処理装置および粉体処理設備の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明において、粉体とは、有機、無機系を問わず、トナー、黒鉛、ナイロン、酸化チタン等に代表される、平均粒径が数百μm以下の粉末を言う。そして、粉体処理とは、不規則粒形の粉体(例えば、平均粒径が5〜50μmの粉体)を球形化処理すること、または、粉体(母粉体:例えば、平均粒径が5〜50μmの粉体)の表面に他の粉体(子粉体:母粉体の平均粒径に対して好ましくは1/10以下、より好ましくは1/100の粉体)を付着させて粉体を複合化する、すなわち、異なる機能を有する2種以上の粉体を複合化処理することを意味する。また、複合化処理においては、複合化した粉体の球形化処理も同時に行なわれる。
【0049】
図1(a)は粉体処理装置の構成を示す断面図、(b)は回転子および固定子の断面形状を示す要部拡大断面図、図2(a)〜(d)は固定子の内周面を示す断面図、図3(a)、(b)は固定子に形成された円周溝またはらせん溝の断面形状を示す要部拡大断面図、図4(a)〜(c)は他の回転子の外周面を示す正面図、(d)は(c)の要部拡大断面図、図5(a)、(b)は回転子に形成された縦凸部または傾斜凸部の断面形状を示す要部拡大断面図、図6は他の縦凸部または傾斜凸部の断面形状を示す要部拡大断面図、図7〜図12は粉体処理設備の構成を示す模式図である。
【0050】
なお、本発明に係る粉体処理装置および粉体処理設備の実施の形態では、本体部の回転子および固定子の軸線が垂直となるように設けた図面を例示して説明しているが、本発明はこれらの図例に限定されるものではない。すなわち、本発明における回転子および固定子の軸線は、垂直以外の角度に設けてもよく、例えば、水平に設けてもよい。
【0051】
<粉体処理装置>
本発明においては、粉体の球形化処理および複合化処理のいずれにおいても、同一構成の粉体処理装置が使用される。まず、粉体処理装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の粉体処理装置は、図1(a)に示すように、粉体処理装置1が、回転子2aと固定子3aとを備えた本体部4と、本体部4の一端に設けられた供給口6と、本体部4の他端に設けられた排出口7とを備える。以下、各構成について説明する。
【0052】
(1)本体部
本体部4は、回転子2aと、回転子2aの外側に間隙5を形成するように回転子2aと同軸に配置された固定子3aとを備える。ここで、図1(b)に示すように、間隙5は、回転子2aの最外周面と、固定子3aの最内周面、すなわち固定子3aに形成された後記する円周溝14a間に形成された山部の頂点面との距離Sであって、0.5〜5mmが好ましい。なお、後記するように、回転子の外周面に縦凸部16aまたは傾斜凸部16b(図4(a)、(b)、図5(a)参照)が形成されている場合には、回転子の最外周面は各凸部の頂点面となる。また、後記するように、固定子の内周面にらせん溝14b、縦溝15aまたは傾斜縦溝15b(図2(b)〜(d)参照)が形成されている場合には、固定子の最内周面は各溝間に形成された山部の頂点面となる。距離Sが0.5mm未満の場合には、間隙5内での処理原料同士の接触、処理原料と最外周面(回転子2a)または最内周面(固定子3a)との接触が著しくなり、最外周面または最内周面に焼付き現象を起こし易くなる。また、距離Sが5mmを超える場合には、間隙5内に旋回流が発生し難くなり、処理原料の球形化処理、さらに複合化処理が進み難くなる。
【0053】
(第1の回転子)
回転子2aは、回転軸9を有し、この回転軸9が頂板11に設けられた軸受12bおよび基台10に設けられた軸受12aにより支持されることにより、基台10の上に垂直に置かれている。また、回転軸9の下端部には駆動装置(図示せず)により駆動されるVプーリー13が装着されている。そして、この駆動装置の駆動により、回転子2aは回転軸9を中心に高速、例えば、通常周速100〜130m/s、最高周速170m/sで回転する。また、回転子2aは、円筒状に金属等で作製された円筒体であって、その外周面を硬質クロムメッキまたは超鋼等の溶射により耐磨耗処理されていることが好ましい。
【0054】
(第1の固定子)
固定子3aは、前記したように、回転子2aの外側に間隙5を形成するように回転子2aと同軸に配置されたもので、円筒状に金属等で作製された円筒体であって、その内周面を硬質クロムメッキまたは超鋼等の溶射により耐磨耗処理されていることが好ましい。なお、固定子3aはライナ型、一体型のいずれでもよい。また、固定子3aは、冷却ジャケット8を備えることが、より好ましい。
【0055】
図2(a)に示すように、固定子3aには、その内周面に、固定子3aの軸線に対して直交する円周溝14aが多段に形成されている。また、固定子3aは、図2(b)に示すように、軸線に対して回転子の回転方向に60度以上90度未満の角度θ1をなすらせん溝14bが形成されたものであってもよい。また、らせん溝は図示しないが、複数条のらせん溝であってもよい。
【0056】
ここで、らせん溝14bの角度θ1が90度の場合が円周溝14aであって、角度θ1が60度未満であると、溝内に旋回流が発生しないため、処理原料の溝内での滞留時間を長くできず、球形化処理、さらに複合化処理が進まない。また、らせん溝14bの固定子3aの下端から上端に向けての旋回方向は、回転子2aの回転方向と同一方向、異なる方向のいずれでもよいが、溝内に旋回流が発生し易い同一方向が好ましい。
【0057】
円周溝14aまたはらせん溝14bの溝形状は、図3(a)に示すような四角(台形)、図3(b)に示すような三角(溝14c参照)、または、図示しないがU字であることが好ましい。そして、溝形状の寸法は、溝幅W2が5〜50mm、溝深さD1が3〜20mm、溝側面の角度は上流側の溝角度θ3が45〜90度、下流側の溝角度θ4が90〜150度が好ましい。また、溝間に形成された山の山頂幅W1が0〜50mmが好ましく、磨耗を考慮すると2〜50mmがより好ましい。さらに、溝底と溝側面の角r1、r2が0〜10mm、山頂と溝側面の角R1、R2が0〜10mmが好ましい。なお、溝幅W2、溝深さD1が下限値未満であると、渦流が発生し易く、処理原料に破砕がおき易くなる。溝幅W2、溝深さD1、山頂幅W1、角r1、r2、R1、R2が上限値を超えると、または、溝角度θ3、θ4が所定範囲外となると、旋回流が発生し難くなり、処理原料の溝内での滞留時間が短くなり易い。
【0058】
(供給口、排出口)
図1(a)に示すように、供給口6は、本体部4の一端(下端)に設けられ、処理原料を気流と共に回転子2aと固定子3aとの間に形成された間隙5に供給するためのものである。また、排出口7は、本体部4の他端(上端)に設けられ、回転子2aと固定子3aとの間で球形化、さらに複合化された処理物を間隙5から排出するためのものある。そして、処理原料の供給および処理物の排出を容易なものとするために、供給口6、排出口7は共に、回転子2aの接線方向に設けられていることが好ましい。図において、供給口6、排出口7の配置は、互いに180度の角度をなす方向に配置されているが、同一方向(角度0度)または他の角度(例えば、90度)をなす方向に配置されていてもよい。また、本体部4の他端(上端)に供給口6、一端(下端)に排出口7を設けてもよい。
【0059】
次に、粉体処理装置の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の粉体装置(図示せず)は、前記した第1実施形態の粉体処理装置を構成する固定子3aに代えて、図2(c)、(d)に示す固定子3bを使用したものである。他の構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0060】
(第2の固定子)
固定子3bは、固定子3a(図2(a)、(b)参照)と同様に、円筒状に金属等で作製された円筒体であって、その内周面に第1溝形成領域Aと、この第1溝形成領域Aに連続して形成された第2溝形成領域Bとが設けられている。第1溝形成領域Aは、処理原料を球形化、さらに複合化する作用を有する領域で、第2溝形成領域Bは、処理原料または球形化処理、さらに複合化処理された処理物を分散する作用を有する領域である。第2溝形成領域Bは、固定子3bの上端側(図1の排出口7側)、中間部、下端部(図1の供給口6側)のいずれの位置に設けてもよい。また、第1溝形成領域Aおよび第2溝形成領域Bは複数設けてもよい。そして、第2溝形成領域Bの第1溝形成領域Aに対する軸方向での長さの比(B/A)は、球形化作用(複合化作用)および分散作用を考慮して、1/5〜1/2が好ましい。ここで、長さは、各領域の合計長さである。さらに、固定子3bの内周面が、耐磨耗処理されていることが好ましい。
【0061】
(第1溝形成領域)
第1溝形成領域Aは、固定子3bの内周面に、固定子3bの軸線に対して直交する円周溝14a、または、軸線に対して回転子の回転方向に60度以上90度未満の角度をなすらせん溝14b(図示せず)が形成された領域である。円周溝14a、らせん溝14bについては、第1実施形態(第1の固定子3a)と同様なので、説明を省略する。
【0062】
(第2溝形成領域)
第2溝形成領域Bは、固定子3bの内周面に、固定子3bの軸線に対して平行な縦溝15a、または、軸線に対して回転子の回転方向に0度を超え45度以下の角度θ2をなす傾斜縦溝15bが形成された領域である。傾斜縦溝15bの角度θ2が0度の場合が縦溝15aであって、角度θ2が45度を超えると、傾斜縦溝15bによる処理原料または処理物の分散作用がなくなる。また、傾斜縦溝15bの固定子3bの下端から上端に向けての傾斜方向は、回転子2aの回転方向の前方側、後方側のいずれでもよいが、処理原料が溝内へ供給され易い、または、処理物が溝内から排出され易い後方側への傾斜が好ましい。
【0063】
縦溝15aおよび傾斜縦溝15bの溝形状は、四角(台形)またはU字であることが好ましい(図5(a)凹部19a、図6(b)の凹部19c参照)。そして、溝形状の寸法は、図示しないが、溝深さが5〜15mm、溝間に形成された山の山頂幅が2〜10mm、山頂ピッチが5〜50mmが好ましい。溝深さ、山頂幅または山頂ピッチが下限値未満であると粉砕作用が強くなり、上限値を超えると分散作用が低下し易い。
【0064】
次に、粉体処理装置の好ましい実施形態について説明する。
好ましい粉体処理装置(図示せず)は、前記した第1、2実施形態の粉体処理装置を構成する回転子2aに代えて、図4(a)、(b)に示す回転子2bを使用したものである。他の構成は第1、2実施形態と同様なので説明を省略する。
【0065】
(第2の回転子)
回転子2bは、回転子2a(図1参照)と同様に、円筒状に金属等で作製された円筒体であって、その外周面に、回転子2bの軸線に対して平行な縦凸部16a、または、軸線に対して回転子の回転方向に0度を超え45度以下の角度θ5をなす傾斜凸部16bが形成されている。傾斜凸部16bの角度θ5が0度の場合が縦凸部16aであって、角度θ5が45度超えると、傾斜凸部16bによる旋回流の向上作用が小さくなる。また、傾斜凸部16bの回転子2bの下端から上端に向けての傾斜方向は、回転子2bの回転方向の前方側、後方側のいずれでもよいが、旋回流が向上し易い後方側が好ましい。
【0066】
縦凸部16aまたは傾斜凸部16bの凸部間に形成される凹部形状は、四角(台形)(図5(a)の凹部19a参照)、三角(図6(a)の凹部19b参照)またはU字(図6(b)の凹部19c参照)であることが好ましく、凹部の底面は、回転子2bの外周面と平行な円弧または平面で形成される。また、回転子2bは、縦凸部16aまたは傾斜凸部16bの代わりに、ブレード16c(図6(c)参照)を回転子外表面に埋め込んだものであってもよい。
【0067】
図5(a)に示すように、縦凸部16aまたは傾斜凸部16bの凸部形状の寸法は、凸部高さD2が5〜15mm、凸部頂点幅W3が0〜10mm、頂点ピッチPが5〜100mm、凸部底面の角r3が0<r3<2D2が好ましい。凸部高さD2、頂点ピッチPが下限値未満であると、凹部19aでの渦流が強くなり、処理原料を固定子の溝底部に押し付ける力が低下し、処理原料の溝内での滞留時間が短くなり易い。凸部高さD2、凸部頂点幅W3、頂点ピッチP、角r3が上限値を超えると旋回流が発生し難くなり、処理原料の溝内での滞留時間が短くなり易い。なお、頂点ピッチPは、20〜60mmがより好ましい。
【0068】
図5(b)に示すように、縦凸部16aまたは傾斜凸部16bは、回転子2bの回転方向前方側または後方側に傾斜した形状でもよい。そして、前方側の凸部側面17の傾斜角度θ6は−5〜45度、後方側の凸部側面18の傾斜角度θ7は−45〜45度であることが好ましい。ここで、傾斜角度θ6は、凸部側面17の延長線と、回転子2bの回転中心と凸部頂点面の前方側の角とを結ぶ直線で形成されたもので、傾斜角度θ7は、凸部側面18の延長線と、回転子2bの回転中心と凸部頂点面の後方側の角とを結ぶ直線で形成されたものである。
【0069】
また、他の好ましい実施形態の粉体処理装置(図示せず)は、前記した第1、2実施形態の粉体処理装置を構成する回転子2aに代えて、図4(c)、(d)に示す回転子2cを使用したものである。他の構成は第1、2実施形態と同様なので説明を省略する。
【0070】
(第3の回転子)
回転子2cは、回転子2a(図1参照)と同様に、円筒状に金属等で作製された円筒体であって、その外周面に、凸部形成領域Cと、この凸部形成領域Cに連続して形成された円筒領域Dとが設けられている。なお、回転子2cの外周面の複数箇所に、凸部形成領域Cと円筒領域Dとを設けてよい。また、回転子2cの外周面が耐磨耗処理されていることが好ましい。さらに、回転子2cは、1つの円筒体の外周面に凸部形成領域C、円筒領域Dの両者を加工して設けたもの、または、凸部形成領域Cを外周面に設けた円筒体と、円筒領域Dを外周面に設けた円筒体とを一体に結合したもののいずれでもよい。
【0071】
凸部形成領域Cは、処理原料を球形化処理、さらに複合化処理する作用を有する領域である。そして、円筒領域Dは、縦凸部16aまたは傾斜凸部16b(図示せず)間に形成された凹部を移動する処理原料を、図2に示す固定子3a、3bの円周溝14aまたはらせん溝14bの溝底に移動させて球形化処理、さらに複合化処理する作用を有する領域である。なお、各円筒領域Dの長さは、50mm以下が好ましい。また、円筒領域Dの合計長さは、凸部形成領域Cの合計長さに対して20%以下であることが好ましい。各円筒領域Dの長さが50mmを超える、または、円筒領域Dの合計長さが20%を超えると、処理原料の球形化処理、さらに複合化処理に強く関与する凸部形成領域Cの面積が小さくなり、処理原料が球形化処理、さらに複合化処理され難くなる。
【0072】
(凸部形成領域)
凸部形成領域Cは、回転子2cの外周面に、回転子2cの軸線に対して平行な縦凸部16a、または、軸線に対して回転子の回転方向に0度を超え45度以下の角度をなす傾斜凸部16b(図示せず)が形成された領域である。縦凸部16aまたは傾斜凸部16bについては、第2の回転子2bと同様なので、説明を省略する。
【0073】
(円筒領域)
円筒領域Dは、前記凸部形成領域Cに連続して形成され、凸部形成領域Cの最小外径より大きく最大外径以下の外径を有する、平滑に形成された領域である。ここで、円筒領域Dの外径が、凸部形成領域Cの最小外径(図5(a)の凹部19a底部の位置での外径)より小さいと、凹部19a内の処理原料を固定子3a、3bへ移動させる作用がなくなる。また、円筒領域Dの外径が、凸部形成領域Cの最大外径(図5(a)の縦凸部16a頂点面または傾斜凸部16b頂点面の位置での外径)を超えると、凹部19a内の処理原料の固定子3a、3bへの移動の妨げとなり易い。
【0074】
<粉体処理設備>
次に、粉体処理設備について説明する。まず、粉体の球形化処理に使用される粉体処理設備(球形化処理用)の第1実施形態について説明する。
図7に示すように、粉体処理設備(球形化処理用)20aは、図1〜図6において説明した粉体処理装置1を使用するものであって、その粉体処理装置1の上流側に配置され、供給ダクト29を介して、気流と共に処理原料を粉体処理装置1(図1の供給口6)に供給する原料供給装置21と、粉体処理装置1の下流側に配置され、排出ダクト30を介して空気を吸引することによって、粉体処理装置1(供給口6)に供給され、かつ、粉体処理装置1(図1の排出口7)から排出される気流を発生させる排風装置22と、その排風装置22の上流側に配置され、粉体処理装置1(排出口7)から排出された気流から粉体処理装置1で球形化された処理物を回収する回収装置23とを備え、さらに、粉体処理装置1(供給口6)に供給される気流の温度を冷却する冷却装置24を粉体処理装置1の上流側に備える。
【0075】
原料供給装置21は、スクリュー式またはテーブル式等の従来公知の供給装置を使用し、その種類は問わない。回収装置23は、サイクロン23a、バッグフィルタ23b等の従来公知の回収装置を使用し、図7ではサイクロン23a、バッグフィルタ23bを併用しているが、バッグフィルタ23bのみでもよい。
【0076】
冷却装置24は、従来公知のクーラ等を使用し、気流の冷却のみならず除湿も行なうことが好ましい。冷却温度については、処理原料によって適宜設定され、例えば、トナーの場合には、気流を0〜5℃に冷却する。また、図7では、冷却装置24を原料供給装置21の上流側に設けたが、原料供給装置21の下流側に設けてもよい。そして、粉体処理設備(球形化処理用)20aが冷却装置24を備えることにより、処理原料の球形化処理能力(処理量)が向上し、特に、処理原料が低融点原料の場合、または、処理原料の供給量が多い場合に顕著である。
【0077】
図8に示すように、粉体処理設備(球形化処理用)20aは、粉体処理装置1(排出口7)から分岐した気体導入ダクト25を備え、その気体導入ダクト25に連続開閉ダンパ26を設けることが好ましい。
気体導入ダクト25に導入される気体は、外気であって、窒素等の不活性ガスを使用してもよい。連続開閉ダンパ26は、ロータリー式、バタフライ式またはゲート式等の従来公知のダンパを使用する。この連続開閉ダンパ26の使用により、粉体処理装置1内の気流の速度(流量)が調整され、粉体処理装置1内での処理原料の滞留時間を長くすることができ、球形化処理能力が向上する。また、一定速の速い気流により、粉体処理装置1(排出口7)から処理物が排出されるため、排出口7内への処理物の付着、下流に配置された回収装置23への悪影響を防止し易い。なお、原料供給装置21より上流側に固定ダンパ31を設け、外気側と粉体処理装置1側との流量バランス調整を行なってもよい。
【0078】
図9に示すように、連続開閉ダンパ26の上流を冷却装置24と原料供給装置21との間に接続することが好ましい。これにより、球形化された処理物を冷却することができ、粉体処理装置1(排出口7)内での処理物の付着を防止できる。
【0079】
次に、粉体処理設備(球形化処理用)の第2実施形態について説明する。
図10に示すように、粉体処理設備(球形化処理用)20bは、前記した第1実施形態の粉体処理設備(球形化処理用)20a(図8参照)の冷却装置24に代えて、加熱装置27を備える。他の構成は、第1実施形態の粉体処理設備(球形化処理用)20aと同様なので、他の構成については説明を省略する。
【0080】
加熱装置27は、従来公知のヒータ等を使用し、加熱温度については、処理原料によって適宜設定される。また、図10では、加熱装置27を原料供給装置21の上流側に設けたが、原料供給装置21の下流側に設けてもよい。そして、粉体処理設備(球形化処理用)20bが加熱装置27を備えることにより、処理原料の球形化処理能力が向上し、特に、処理原料が、熱に強い高融点原料で、高温で球形化処理が進む場合に顕著である。
【0081】
粉体処理設備(球形化処理用)20bは、前記粉体処理設備(球形化処理用)20aと同様に、気体導入ダクト25を備え、その気体導入ダクト25に連続開閉ダンパ26を設けることが好ましい。また、連続開閉ダンパ26の上流に冷却装置28を備えることが好ましい。この冷却装置28を備えることにより、昇温して球形化された処理物を冷却することができ、粉体処理装置1(排出口7)内での処理物の付着を防止できる。
なお、粉体処理設備(球形化処理用)20a、20bは、処理原料の特性によって、必ずしも、冷却装置24、28および加熱装置27を備えていなくてもよい。
【0082】
次に、粉体の複合化処理に使用される粉体処理設備(複合化処理用)の第1実施形態を図11に示す。図11に示すように、粉体処理設備(複合化処理用)20cは、図1〜図6において説明した粉体処理装置1を使用するものであって、原料供給装置21(図7参照)として、2種の処理原料を個別に供給する第1原料供給装置21a、第2原料供給装置21bを使用すること以外は、図7に示す粉体処理設備(球形化処理用)20aと同一構成を備える。このような構成により、処理原料の複合化処理能力(処理量)が向上し、特に、処理原料が低融点原料の場合、または、処理原料の供給量が多い場合に顕著である。
【0083】
そして、第1原料供給装置21a、第2原料供給装置21bは、粉体処理設備(球形化処理用)20aの原料供給装置21と同様な装置を使用し、他の構成については、粉体処理設備(球形化処理用)20aと同様なので説明を省略する。
【0084】
次に、粉体処理設備(複合化処理用)の第2実施形態を図12に示す。図12に示すように、粉体処理設備(複合化処理用)20dは、粉体処理設備(複合化処理用)20c(図11参照)の第1原料供給装置21a、第2原料供給装置21bの下流側に、原料混合装置21cを備えるものであって、2種の処理原料を予め混合した後、混合した処理原料を粉体処理装置1に供給するものである。また、混合された処理原料の供給量を調節するために、原料混合装置21cの下流側に第3原料供給装置21dを備えてもよい。このような構成により、処理原料の複合化処理能力(処理量)がより一層向上する。
【0085】
そして、第1〜3原料供給装置21a、21b、21dは、粉体処理設備(球形化処理用)20aの原料供給装置21と同様な装置を使用し、原料混合装置21cは従来公知の混合装置を使用する。また、他の構成については、粉体処理設備(複合化処理用)20cと同様なので説明を省略する。
【0086】
また、粉体処理設備(複合化処理用)20c、20dは、図示しないが、粉体処理装置1から分岐した気体導入ダクト25、連続開閉ダンパ26(図8参照)を備えることが好ましい。また、連続開閉ダンパ26の上流を冷却装置24と第1原料供給装置21aまたは第3原料供給装置21dとの間に接続することが好ましい。このような構成により、処理原料の複合化処理能力がさらに向上すると共に、粉体処理装置1内への処理物の付着、下流に配置された回収装置23への悪影響が防止される。さらに、冷却装置24は、第1原料供給装置21aまたは第3原料供給装置21dの上流側に設けたが、下流側に設けてもよい。
【0087】
さらに、粉体処理設備(複合化処理用)20c、20dは、図示しないが、前記の冷却装置24に代えて加熱装置27(図10参照)を備えるものであってもよい。このような構成により、処理原料の複合化処理能力が向上し、特に、処理原料が、熱に強い高融点原料で、高温で複合化処理が進む場合に顕著である。なお、加熱装置27を備えた粉体処理設備(複合化処理用)においても、気体導入ダクト25、連続開閉ダンパ26(図10参照)を設けることが好ましく、連続開閉ダンパ26の上流に冷却装置28(図10参照)を備えることがより好ましい。これによって、粉体処理装置1内での処理物の付着を防止できる。そして、加熱装置27は第1原料供給装置21aまたは第3原料供給装置21dの上流側および下流側のいずれに備えてもよい。
【0088】
なお、粉体処理設備(複合化処理用)20c、20dの第1実施形態及び第2実施形態においては、処理原料の特性によって、必ずしも、冷却装置24および加熱装置(図示せず)を備えていなくてもよい。また、粉体処理設備(複合化処理用)20c、20dの第1実施形態及び第2実施形態では、複数の原料供給装置を用いているが、複数の処理原料を予め設備外で十分に混合しておき、予混合された処理原料を1つの原料供給装置で供給するようにしてもよい(図示せず)。
【0089】
次に、粉体処理装置および粉体処理設備(球形化処理用)における球形化処理方法について、図1(a)、図1(b)、図7を参照して説明する。
(1)粉体処理設備(球形化処理用)20aの排風装置22を駆動して、供給ダクト29内、粉体処理装置1内、排出ダクト30内に気流を発生させる。
(2)粉体処理装置1の回転子2aを、図示しない駆動装置の駆動により、高速回転させ、回転子2aの外側に形成された間隙5内に、すなわち、固定子3aの内周面に形成された円周溝14a内に旋回流を発生させる。
(3)粉体処理設備(球形化処理用)20aの原料供給装置21を駆動して、供給ダクト29内に処理原料を供給する。供給ダクト29内の気流によって、気流内に分散した処理原料が、粉体処理装置1の供給口6に供給される。
(4)供給口6から気流と共に供給された処理原料は、固定子3aの円周溝14aに発生した旋回流によって、円周溝14aに押し付けられながら、固定子3aの下端から上端に移動する。このとき、処理原料は、円周溝14aの壁面と強く接触、または、処理原料同士が強く接触して、球形化される。球形化された処理物は、間隙5から排出口7に排出される。
(5)排出口7に排出された処理物は、排出ダクト30内の気流により、回収装置23であるサイクロン23a、バッグフィルタ23bに、順次、排出される。ここで、サイクロン23a、バッグフィルタ23bによって、球形化された処理物が回収される。
【0090】
また、粉体処理装置および粉体処理設備(複合化処理用)における複合化処理方法について、図1(a)、図1(b)、図11、図12を参照して説明する。
(1)粉体処理設備(複合化処理用)20cの排風装置22を駆動して、供給ダクト29内、粉体処理装置1内、排出ダクト30内に気流を発生させる。
(2)粉体処理装置1の回転子2aを、図示しない駆動装置の駆動により、高速回転させ、回転子2aの外側に形成された間隙5内に、すなわち、固定子3aの内周面に形成された円周溝14a内に旋回流を発生させる。
(3)粉体処理設備(複合化処理用)20cの第1原料供給装置21a、第2原料供給装置21bを駆動して、第1処理原料(母粉体)、第2処理原料(子粉体)を個別に供給ダクト29内に供給する。供給ダクト29内の気流によって、気流内に分散した第1、2処理原料が、粉体処理装置1の供給口6に供給される。
(4)供給口6から気流と共に供給された第1、2処理原料は、固定子3aの円周溝14aに発生した旋回流によって、円周溝14aに押し付けられながら、固定子3aの下端から上端に移動する。このとき、第1、2処理原料は、円周溝14aの壁面と強く接触、または、処理原料同士が強く接触する。それにより、第1処理原料(母粉体)の表面に第2処理原料(子粉体)が付着し、複合化される。複合化された処理物は、間隙5から排出口7に排出される。
(5)排出口7に排出された処理物は、排出ダクト30内の気流により、回収装置23であるサイクロン23a、バッグフィルタ23bに、順次、排出される。ここで、サイクロン23a、バッグフィルタ23bによって、複合化された処理物が回収される。
【0091】
また、粉体処理設備(複合化処理用)20dでは、前記(3)の手順は、以下のとおりである。第1原料供給装置21a、第2原料供給装置21bを駆動して、原料混合装置21cに第1処理原料(母粉体)、第2処理原料(子粉体)を供給する。原料混合装置21cを駆動して、第1処理原料(母粉体)と第2処理原料(子粉体)とを均一に混合すると共に、第1処理原料(母粉体)の表面に第2処理原料(子粉体)が付着した混合処理原料が生成される。この混合処理原料が、第3原料供給装置21dの駆動によって、供給ダクト29内に供給され、供給ダクト29内の気流によって、粉体処理装置1の供給口6に供給される。また、前記(4)の手順では、第1処理原料(母粉体)の表面に第2処理原料(子粉体)が付着した混合処理原料が複合化される。なお、第3原料供給装置21dを使用しないで、原料混合装置21cから供給ダクト29内に混合処理原料を供給してもよい。これ以外の手順は、粉体処理設備(複合化処理用)20cと同様であるので、説明は省略する。
【0092】
また、粉体処理設備(複合化処理用)20c、20dでは、複数の原料供給装置21a、21b、21cから処理原料を供給しているが、複数の処理原料を予め設備外で十分に混合しておき、予混合された処理原料を1つの原料供給装置から供給するようにしてもよい(図示せず)。
【0093】
前記では、第1実施形態の粉体処理装置1および粉体処理設備(球形化処理用)20a、粉体処理設備(複合化処理用)20c、20dについて説明したが、他の実施形態においても球形化処理方法および複合化処理方法は同様であるので、説明は省略する。
【符号の説明】
【0094】
1 粉体処理装置
2a、2b、2c 回転子
3a、3b 固定子
4 本体部
5 間隙
6 供給口
7 排出口
14a 円周溝
14b らせん溝
15a 縦溝
15b 傾斜縦溝
16a 縦凸部
16b 傾斜凸部
20a、20b、20c、20d 粉体処理設備
21 原料供給装置
21a 第1原料供給装置
21b 第2原料供給装置
21c 原料混合装置
22 排風装置
23 回収装置
24、28 冷却装置
27 加熱装置
A 第1溝形成領域
B 第2溝形成領域
C 凸部形成領域
D 円筒領域
θ1、θ2、θ5 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速回転する円筒状の回転子と、前記回転子の外側に間隙を形成するように当該回転子と同軸に配置された円筒状の固定子とを備えた本体部と、前記本体部の一端に設けられ、処理原料を気流と共に前記間隙に供給する供給口と、前記本体部の他端に設けられ、前記処理原料が前記回転子と前記固定子との間で球形化された処理物を前記間隙から排出させる排出口とを備えた粉体処理装置において、
前記固定子の内周面に、当該固定子の軸線に対して直交する複数の円周溝、または、前記軸線に対して回転子の回転方向に60度以上90度未満の角度をなすらせん溝が形成されたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項2】
高速回転する円筒状の回転子と、前記回転子の外側に間隙を形成するように当該回転子と同軸に配置された円筒状の固定子とを備えた本体部と、前記本体部の一端に設けられ、処理原料を気流と共に前記間隙に供給する供給口と、前記本体部の他端に設けられ、前記処理原料が前記回転子と前記固定子との間で球形化された処理物を前記間隙から排出させる排出口とを備えた粉体処理装置において、
前記固定子の内周面に、当該固定子の軸線に対して直交する複数の円周溝、または、前記軸線に対して回転子の回転方向に60度以上90度未満の角度をなすらせん溝が形成された第1溝形成領域と、この第1溝形成領域に連続して形成され、前記軸線に対して平行な縦溝、または、当該軸線に対して回転子の回転方向に0度を超え45度以下の角度をなす傾斜縦溝が形成された第2溝形成領域とを設けたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項3】
前記回転子の外周面に、当該回転子の軸線に対して平行な複数の縦凸部、または、前記軸線に対して回転子の回転方向に0度を超え45度以下の角度をなす複数の傾斜凸部が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粉体処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の粉体処理装置と、
前記粉体処理装置の下流側に配置され、前記供給口に供給されかつ前記排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、
前記粉体処理装置の上流側に配置され、当該粉体処理装置の上流側に形成される気流と共に処理原料を前記供給口に供給するべく、当該処理原料を前記粉体処理装置の上流側に形成される気流に対して供給する原料供給装置と、
前記排風装置の上流側に配置され、前記排出口から排出された気流から前記粉体処理装置で球形化された処理物を回収する回収装置とを備える粉体処理設備であって、
前記供給口に供給される気流の温度を冷却する冷却装置を前記粉体処理装置の上流側に備えたことを特徴とする粉体処理設備。
【請求項5】
前記排出口から分岐した気体導入ダクトを備え、前記気体導入ダクトに連続開閉ダンパを設けることを特徴とする請求項4に記載の粉体処理設備。
【請求項6】
前記連続開閉ダンパの上流を前記冷却装置と前記原料供給装置との間に接続することを特徴とする請求項5に記載の粉体処理設備。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の粉体処理装置と、
前記粉体処理装置の上流側に配置され、気流と共に処理原料を前記供給口に供給する原料供給装置と、
前記粉体処理装置の下流側に配置され、前記供給口に供給され、かつ前記排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、
前記排風装置の上流側に配置され、前記排出口から排出された気流から前記粉体処理装置で球形化された処理物を回収する回収装置とを備える粉体処理設備であって、
前記供給口に供給される気流の温度を加熱する加熱装置を前記粉体処理装置の上流側に備えたことを特徴とする粉体処理設備。
【請求項8】
前記排出口から分岐した気体導入ダクトを備え、前記気体導入ダクトに連続開閉ダンパを設けることを特徴とする請求項7に記載の粉体処理設備。
【請求項9】
前記連続開閉ダンパの上流に冷却装置を備えることを特徴とする請求項8に記載の粉体処理設備。
【請求項10】
前記処理原料として2種以上の処理原料を使用し、
2種以上の処理原料を供給する複数の原料供給装置が前記粉体処理装置の上流側に備えられ、
前記粉体処理装置で複合化された処理物が前記回収装置で回収されることを特徴とする請求項4ないし請求項9のいずれか一項に記載の粉体処理設備。
【請求項11】
前記原料供給装置の下流側に、さらに前記2種類以上の処理原料を混合する原料混合装置が備えられていることを特徴とする請求項10に記載の粉体処理設備。
【請求項12】
前記処理原料として予め混合された2種以上からなる処理原料を使用し、
当該予め混合された処理原料を供給する1つの原料供給装置が前記粉体処理装置の上流側に備えられ、
前記粉体処理装置で複合化された処理物が前記回収装置で回収されることを特徴とする請求項4ないし請求項9のいずれか一項に記載の粉体処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−63432(P2013−63432A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−242522(P2012−242522)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【分割の表示】特願2006−152847(P2006−152847)の分割
【原出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(503245465)株式会社アーステクニカ (54)
【Fターム(参考)】