説明

粉体塗装方法

【課題】塗膜の厚さがほぼ均一になり、ゆず肌や透けが発生せず、美麗な表面を得ることができる粉体塗装方法を提供する。
【解決手段】静電ガン12から圧縮ガスとともに噴射した粉体塗料を被塗装物13に付着させて、被塗装物13の表面に塗膜を形成する。静電ガン12と被塗装物13との間には、80kV以上、100kV以下の電圧を印加する。また、静電ガン12と被塗装物13との間に流れる電流を、10μA以上、20μA以下する。更に、粉体塗料を噴射するときの圧縮ガスの圧力を、3kgf/cm2以上、6kgf/cm2以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやサーバ等の電子機器の筺体は、金属又はプラスチックにより形成されている。近年、環境負荷やエコロジーが強く意識されるようになり、環境負荷が小さくエコロジーないわゆるグリーン製品の開発が注目されている。
【0003】
このため、電子機器の筺体には、プラスチックよりもリサイクルが容易な金属素材が多く使用されるようになった。例えば、電子機器の筺体に使用される金属には、鉄、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミニウム及びマグネシウム等がある。中でも、鉄の表面に亜鉛メッキを施した亜鉛メッキ鋼板が広く使用されている。
【0004】
電子機器の筺体に金属を使用する場合、通常、錆の防止や、外観品質(見た目の良さ)及び耐久性の向上を図るために、塗装が施される。現状、電子機器の筺体の塗装には、有機溶剤を用いた有機塗装が主流となっている。
【0005】
しかし、有機溶剤には、大気汚染の原因となる揮発性化合物(Volatile Organic Compounds:以下、「VOC」という)が含まれており、塗装時に有機溶剤が気化して大気中に放出されてしまうおそれがある。また、焼付乾燥時に有機溶剤が二酸化炭素と水とに分解され、温暖化現象の原因とされる二酸化炭素が環境中に放出される。
【0006】
有機溶剤を使用しない塗装方法として、粉体塗装が知られている。粉体塗装では、粉体塗料を噴射する静電ガンと被塗装物との間に電圧を印加し、帯電した粉体を被塗装物に付着させた後、所定温度で熱処理(焼付乾燥)して塗膜の表面を平滑化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−179803号公報
【特許文献2】特開2003−49120号公報
【特許文献3】特開平9−276791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
塗膜の厚さがほぼ均一になり、ゆず肌や透けが発生せず、美麗な表面を得ることができる粉体塗装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の技術の一観点によれば、静電ガンから圧縮ガスとともに噴射した粉体塗料を被塗装物に付着させて前記被塗装物の表面に塗膜を形成する粉体塗装方法において、前記静電ガンと前記被塗装物との間に印加する電圧を80kV以上、100kV以下とし、前記静電ガンと前記被塗装物との間に流れる電流を10μA以上、20μA以下とし、粉体塗料を噴射するときの前記圧縮ガスの圧力を3kgf/cm2以上、6kgf/cm2以下とする粉体塗装方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
上記の一観点に係る粉体塗装方法によれば、被塗装物の表面状態に拘わらず塗膜の厚さがほぼ均一になり、美麗な方面を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、蜂の巣状の穴が設けられた筺体の一例を表した図である。
【図2】図2は、実施形態に係る粉体塗装方法を説明する模式図(その1)である。
【図3】図3は、実施形態に係る粉体塗装方法を説明する模式図(その2)である。
【図4】図4(a),(b)は、被塗装物の表面状態を説明する模式図である。
【図5】図5は、塗装条件、塗装後の外観、良否の判定結果、膜厚測定結果及び良品率をまとめて表した図である。
【図6】図6は、横軸に印加電圧をとり、縦軸に電流をとって、判定が良とされたときの電流と電圧との関係を示した図である。
【図7】図7は、最適条件下での粉体塗料と溶剤塗装との比較結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
【0013】
溶剤塗装は、前述したようにVOCや二酸化炭素を環境中に放出するという欠点がある反面、下塗り(プライマー塗装)と上塗りとの2回塗装により、比較的容易に美麗な表面を得ることができるという利点がある。
【0014】
一方、粉体塗装は、VOCや二酸化炭素等の環境負荷が大きい物質を放出することがなく、1回の塗装で厚い塗膜を形成できるという利点がある反面、溶剤塗装のような美麗な表面を得ることが難しい。例えば図1のように蜂の巣状の穴が設けられた筺体19に粉体塗装を施すと、場所により塗膜の厚さにばらつきが発生しやすく、六角形の穴が丸みを帯びた穴になってしまう。
【0015】
また、平滑面に塗装する場合であっても、塗膜の厚さを厚くすると表面に微細な凹凸が発生し、「ゆず肌」と呼ばれる状態になってしまう。ゆず肌を防止するために塗膜の厚さを薄くすると、金属面が透けて見えてしまう。この状態は「透け」と呼ばれる。
【0016】
以下の実施形態では、被塗装物の表面に凹凸や穴があっても塗膜の厚さがほぼ均一になり、ゆず肌や透けが発生せず、美麗な表面を得ることができる粉体塗装方法について説明する。
【0017】
(実施形態)
図2,図3は、実施形態に係る粉体塗装方法を説明する模式図である。また、図4(a),(b)は、被塗装物の表面状態を説明する模式図である。
【0018】
まず、図2のように、塗装チャンバ11内に被塗装物13を配置する。そして、静電ガン12と被塗装物13との間に所定の電圧を印加しながら、静電ガン12から被塗装物13に圧縮空気とともに粉体塗料を噴射する。これにより、図4(a)のように、被塗装物13の表面に粉体塗料18aが付着する。
【0019】
なお、図2中の符号14は、粉体塗料回収装置を模式的に表している。また、圧縮空気は圧縮ガスの一例であり、空気の替わりに他のガスを使用してもよい。
【0020】
粉体塗料としては、例えばエチレン重合体、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂等を主成分とし、顔料、硬化剤、添加剤及びフィラーなどを配合して均一に加熱混練された分散体を使用することができる。それ以外の材料からなる粉体塗料を使用してもよい。
【0021】
本実施形態では、被塗装物13として亜鉛メッキ鋼板により形成された電子機器用筺体を想定している。しかし、被塗装物13の材料は亜鉛メッキ鋼板に限定するものではなく、少なくともその表面が、鉄、鉄鋼、ステンレス、アルミニウム又はマグネシウム等の金属であればよい。被塗装物13が、電子機器用筺体以外のものであってもよい。
【0022】
静電ガン12と被塗装物13との間に印加する電圧は、粉体塗料の塗布の均一性に関係する。
【0023】
静電ガン12と被塗装物13との間の電圧が80kV未満の場合は、粉体塗料を被塗装物13の表面に厚く(例えば40μm〜70μm)且つ均一に付着させることが困難になり、塗装むらや透けが発生しやすい。一方、静電ガン12と被塗装物13との間の電圧が100kVを超えると、ゆず肌が発生しやすい。このため、本実施形態に係る粉体塗装方法においては、静電ガン12と被塗装物13との間に印加する電圧を、80kV以上、100kV以下とする。
【0024】
静電ガン12と被塗装物13との間に流れる電流が10μA未満の場合は、粉体塗料を被塗装物13の表面に厚く且つ均一に付着させることが困難になり、塗装むらや透けが発生しやすい。一方、静電ガン12と被塗装物13との間に流れる電流が20μAを超えると、ゆず肌が発生しやすくなる。このため、本実施形態では、静電ガン12と被塗装物13との間に流れる電流を、10μA以上、20μA以下とする。
【0025】
粉体塗料を噴射するときの圧縮空気の圧力が3kgf/cm2未満の場合は、粉体塗料を被塗装物13の表面に厚く且つ均一に付着させることが困難になり、透けや下地露出が発生しやすい。また、粉体塗料を噴射するときの圧縮空気の圧力が6kgf/cm2を超えると、塗膜の表面に凹凸やゆず肌が発生しやすくなる。このため、本実施形態では、粉体塗料を噴射するときの圧縮空気の圧力を、3kgf/cm2以上、6kgf/cm2以下とする。
【0026】
上述した条件で被塗装物13に粉体塗料を付着させた後、図3のように、被塗装物13を加熱炉15内に移して熱処理(焼付乾燥)を行う。この熱処理により、図4(b)のように、粉体塗料が溶融して塗装面(塗膜18b)が平坦になり、美麗な表面状態が得られる。
【0027】
熱処理時の温度が180℃未満の場合は、粉体塗料の溶融が十分でなく、塗膜に光沢むらが発生しやすくなる。また、乾燥不足が発生してIPA(イソプロピルアルコール)による拭き取り試験で色落ちが発生することもある。
【0028】
一般的に粉体塗装に使用される粉体塗料は、溶剤塗装に使用される樹脂よりも耐熱性が高い。しかし、熱処理時の温度が220℃を超えると、色差と呼ばれる塗膜が変色する現象が発生しやすくなる。また、塗膜にクラックが発生することもある。このため、本実施形態では、熱処理時の温度を180℃以上、220℃以下とする。
【0029】
本実施形態では、上述したように、粉体塗装時の静電ガン12と被塗装物13との間に印加する電圧、粉体塗装時の電流、圧縮空気の圧力及び熱処理時の温度をそれぞれ所定の範囲に限定している。これにより、被塗装物13の表面状態(凹凸や穴の有無)に拘わらず、塗膜の厚さをほぼ均一にすることができ、美麗な表面を得ることができる。また、ゆず肌や透けの発生が防止できる。
【0030】
塗膜の厚さが40μm未満の場合は透けが発生する。また、1回の塗装工程において形成される塗膜の厚さが70μmを超えると、ゆず肌が発生しやすくなる。このため、上述の方法により形成する塗膜の厚さは、40μm以上、70μm以下とすることが好ましい。
【0031】
以下、種々の条件で実際に粉体塗装を実施して、塗膜の表面状態を調べた結果について説明する。
【0032】
なお、粉体塗料として、エポキシ樹脂とポリエステル樹脂との混合樹脂により形成したものを使用した。また、静電ガンと被塗装物との間に印加する電圧は、50kVから100kVの範囲で調整し、静電ガンと被塗装物との間に流れる電流は10μAから30μAの範囲で調整した。更に、粉体塗装時の圧縮空気の圧力は、1kgf/cm2から8kgf/cm2の範囲で調整した。更にまた、熱処理(焼付乾燥)時の温度は、185±5℃とし、熱処理時間は20分間から30分間とした。
【0033】
図5は、塗装条件、塗装後の外観、良否の判定結果、膜厚測定結果及び良品率をまとめて表した図である。なお、図5において、3−6kgf/cm2と記載したときには、3kgf/cm2を含み6kgf/cm2を含まない。また、1−3kgf/cm2及び6−8kgf/cm2と記載したときには3kgf/cm2のとき及び6kgf/cm2のときを含まない。
【0034】
この図5からわかるように、静電ガンと被塗装物との間に印加する電圧が50kVのときは、透けが発生しやすい。この場合は、判定は×(不可)又は△(やや不可)とした。なお、判定が△の場合は、良品が20%以下の割合で含まれる。
【0035】
静電ガンと被塗装物との間に印加する電圧が100kVであって、電流が20μA、圧力を3kgf/cm2以上、6kgf/cm2以下の場合には、塗膜の厚さが40μm〜70μmとなり、透けやゆず肌等の表面不良の発生も殆どなかった。また、良品率も60%以上であった。従って、判定は○(良)とした。
【0036】
特に、静電ガンと被塗装物との間に印加する電圧が100kV、電流が20μA、圧縮空気の圧力が6kgf/cm2の場合は、塗膜の表面状態が極めてよく、良品率も80%以上であった。従って、判定は◎(最適条件)とした。
【0037】
静電ガンと被塗装物との間に印加する電圧が100kVであっても、電流が10μAの場合及び圧縮空気の圧力が3kgf/cm2未満の場合は、透けが発生しやすい。従って、判定は×又は△とした。
【0038】
また、電圧が100kVであっても、電流が30μAの場合及び圧縮空気の圧力が6kgf/cm2を超える場合は、ゆず肌が発生しやすい。従って、判定は×又は△とした。
【0039】
静電ガンと被塗装物との間に印加する電圧が80kVであって、電流が10μA、圧力が3kgf/cm2以上、6kgf/cm2以下の場合には、塗膜の厚さが40μm〜50μmとなり、透けやゆず肌等の表面不良の発生も殆どなかった。また、良品率も60%以上であった。従って、判定は○とした。
【0040】
静電ガンと被塗装物との間に印加する電圧が80kVであっても、圧縮空気の圧力が3kgf/cm2未満の場合は透けが発生しやすい。また、静電ガンと被塗装物との間に印加する電圧が80kVであっても、電流が30μAの場合及び圧縮空気の圧力が6kgf/cm2を超える場合は、ゆず肌が発生しやすい。従って、判定は×又は△とした。
【0041】
なお、塗膜の厚さが薄く透けが発生する条件であっても、再度粉体塗装を行って塗膜の厚さを40μm〜100μmとすることにより、透けの発生が回避され、且つ表面の光沢も得ることができて、良品とすることができる場合もある。
【0042】
図6は、横軸に印加電圧をとり、縦軸に電流をとって、判定が良(○又は◎)とされたときの電流と電圧との関係を示した図である。ここでは、横軸が80kV、縦軸が10μAの点をAとし、横軸が100kV、縦軸が20μAの点をBとして、A−B間を結んだ線を示している。圧縮空気の圧力を3kgf/cm2〜6kgf/cm2とし、且つ、印加電圧及び電流を、図6に示すA−B線上の条件とすることにより、良好な結果が期待できる。
【0043】
次に、◎(最適条件)と判定した条件下で粉体塗装した場合の塗膜の評価結果を、最適条件下で溶剤塗装した場合の塗膜の評価結果と比較する。図7は、最適条件下での粉体塗料と溶剤塗装との比較結果を示す。なお、粉体塗装、溶剤塗装ともに、塗色はシステムオフブラックとした。
【0044】
塗膜の目標膜厚は40μmとした。この場合、粉体塗装では1回の塗装(1コート)で所望の厚さとすることができた。一方、溶剤塗装では、下塗り及び上塗りの2回の塗装(2コート)で所望の厚さとすることができた。
【0045】
塗膜の外観は、粉体塗装及び溶剤塗装のいずれの場合も良好であった。
【0046】
テープピール試験では、塗膜に1.5mmのピッチで縦方向及び横方向にそれぞれ100本のキズ(クロスカット)を設けた。そして、塗膜の表面に粘着テープを貼り付け、そのテープを引き剥がして、塗膜の剥離の有無を調べた。その結果、粉体塗装及び溶剤塗装のいずれの場合も剥離はなく、判定は良とした。
【0047】
温度サイクル試験は、MIL-STD-202G-106Gに準拠する方法で行い、10サイクル(1サイクルは1日)クリアした場合を良とした。その結果、粉体塗装及び溶剤塗装のいずれの場合も判定は良であった。
【0048】
IPA(イソプロピルアルコール)拭き取り試験は、10回のふき取りを行った。その結果、粉体塗装及び溶剤塗装のいずれの場合も色落ちなし、且つ素地露出なしであり、判定は良とした。
【0049】
エンピツ硬度試験では、エンピツ引っかき試験器を用いて塗膜の硬度を測定した。塗膜の硬度がエンピツ硬度でH以上の場合を良とした。溶剤塗装の場合の塗膜の硬度はH〜2Hであり、粉体塗装の場合の塗膜の硬度はH〜4Hであり、いずれも判定は良とした。
【0050】
上述の各試験において、最適条件における粉体塗装及び溶剤塗装のいずれにおいても、全て判定は良であった。その結果、本実施形態による粉体塗装方法により、溶剤塗装と同等の塗膜を得ることができることを確認できた。
【0051】
なお、粉体塗装及び溶剤塗装とも、最適条件下では良好な塗膜を形成することができたが、2コート塗装を要する溶剤塗装と比較して、粉体塗装では1コート塗装でよい。つまり、溶剤塗装の塗装工程数と比較して、粉体塗装の塗装工程数は少ない。このため、粉体塗装のほうが、塗装に要するコストを低減することが可能となる。なお、コスト低減の度合いは塗装対象の製品サイズにも依存する。
【0052】
また、粉体塗装は有機溶剤を一切用いる必要がない。これに対し、溶剤塗装では有機溶剤の使用が必須となる。このため、粉体塗装のほうが対環境性に優れている。特に、溶剤塗装では2コート以上の塗装が必要となるため、有機溶剤の使用量は塗装回数に依存して増加する。また、溶剤塗装時には、使用した有機溶剤の回収などの作業が必要になるが、これらの作業も塗装工程毎に必要となる。従って、溶剤塗装ではこれらの作業に要するコストも考慮しなければならない。
【0053】
なお、上記実施形態においては、1回の塗装工程における塗膜の厚さを30μmから70μmの範囲としているが、塗装工程を複数回繰り返して塗膜の厚さを70μm以上としてもよい。
【符号の説明】
【0054】
11…塗装チャンバ、12…静電ガン、13…被塗装物、14…粉体塗料回収装置、15…加熱炉、18a…粉体塗料、18b…塗膜、19…筺体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電ガンから圧縮ガスとともに噴射した粉体塗料を被塗装物に付着させて前記被塗装物の表面に塗膜を形成する粉体塗装方法において、
前記静電ガンと前記被塗装物との間に印加する電圧を80kV以上、100kV以下とし、
前記静電ガンと前記被塗装物との間に流れる電流を10μA以上、20μA以下とし、
粉体塗料を噴射するときの前記圧縮ガスの圧力を3kgf/cm2以上、6kgf/cm2以下とすることを特徴とする粉体塗装方法。
【請求項2】
前記被塗装物に前記粉体塗料を付着させた後、180℃以上、220℃以下の温度で熱処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の粉体塗装方法。
【請求項3】
横軸に印加電圧をとり、縦軸に電流をとったときに、前記静電ガンと前記被塗装物との間に印加する電圧及び前記静電ガンと前記被塗装物との間に流れる電流を、横軸が80kV、縦軸が10μAの点と、横軸が100kV、縦軸が20μAの点とを結ぶ線分上の条件とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体塗装方法。
【請求項4】
前記塗膜の厚さが40μm以上、70μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粉体塗装方法。
【請求項5】
粉体塗料を噴射する静電ガンと被塗装物との間の電圧を80kV以上、100kV以下とし、前記静電ガンと前記被塗装物との間に流れる電流を10μA以上、20μA以下とし、
前記静電ガンから前記粉体塗料を噴射するときの圧力を3kgf/cm2以上、6kgf/cm2以下として、前記被塗装物に粉体塗料を噴出して付着させ、前記粉体塗料が付着した被塗装物を180℃以上、220℃以下の温度で熱処理して形成された塗膜を有することを特徴とする筺体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−192385(P2012−192385A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60165(P2011−60165)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】