説明

粉体粉砕装置

【課題】粉体の衝突確率を高めて効率よく微細粉体を製造することができるようにする。
【解決手段】粉体粉砕装置10は、粉体粉砕槽11と複数の噴射ノズル13とを備える。粉体粉砕装置10は、各噴射ノズル13に対応して設けられ、粉体粉砕槽11内を中央領域15と外周領域16とに区画する、槽中央側が凸で且つ内壁側が凹に形成された区画部材14をさらに備える。噴射ノズル13には、区画部材14によって区画される外周領域16に位置する部分に、ガス流路を露出させる開口部133が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体粉砕装置及びそれを用いた微細粉体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
対向衝突型の粉体粉砕装置は、円筒状の粉体粉砕槽を有し、その内壁に複数の噴射ノズルが周方向に間隔をおいてそれぞれ槽中央側を向くように配設されていると共に、槽内上部に分級機が設けられた構成を有する。このような構成の粉体粉砕装置を用いた微細粉体の製造方法は、粉体粉砕槽内に仕込まれた粉体を、複数の噴射ノズルから噴射するガスに同伴させ、ガスの合流部において相互に衝突させて粉砕し、分級機によって微細粉体のみを選択的に回収する一方、回収されなかった大きい粒子を粉体粉砕槽内で繰り返し粉砕に供するというものである。
【0003】
特許文献1には、各噴射ノズルに、ジェット噴流に被粉砕物を安定供給するためのリングノズルを有するノズルガイドアダプタを装着した粉体粉砕装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、粉体粉砕槽内に、粉砕物を分級機に導く中央領域と分級された分級粗粉を下方に導く外周領域とに分離する分離板が設置された粉体粉砕装置が開示されている。
【0005】
特許文献3には、粉体粉砕槽内に同心状に内筒を設けた粉体粉砕装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3984120号公報
【特許文献2】特開2000−15126号公報
【特許文献3】特開2004−275935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、粉体の衝突確率を高めて効率よく微細粉体を製造することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の粉体粉砕装置は、粉体粉砕槽と、該粉体粉砕槽の内壁に周方向に沿って間隔をおいて配設され、各々、該粉体粉砕槽の内壁から突出すると共に噴射口が槽中央側を向いた複数の噴射ノズルと、を備え、該粉体粉砕槽内の粉体を、該複数の噴射ノズルの噴射口から噴射するガスに同伴させると共にガス合流部において相互に衝突させることにより粉砕するように構成されたものであって、
上記複数の噴射ノズルのそれぞれに対応するように設けられ、各々、上記粉体粉砕槽内を、該噴射ノズルの噴射口が露出する中央領域と、該中央領域に槽内上部で連通すると共に該噴射ノズルの基端部が含まれる外周領域と、に区画する、槽中央側が凸で且つ内壁側が凹に形成された複数の区画部材をさらに備え、
上記複数の噴射ノズルのそれぞれには、上記対応する区画部材によって区画される外周領域に位置する部分に、ガス流路を露出させる開口部が構成されている。
【0009】
本発明の微細粉体の製造方法は、本発明の粉体粉砕装置を用い、粉体粉砕槽内に仕込んだ粉体を、複数の噴射ノズルの噴射口から噴射するガスに同伴させると共にガス合流部において相互に衝突させることにより粉砕するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、各噴射ノズルに粉体粉砕槽内を中央領域及び外周領域を区画する区画部材が設けられ、そして、各噴射ノズルにおける区画部材によって区画される外周領域に位置する部分に、ガス流路を露出させる開口部が構成され、また、区画部材が、槽中央側が凸で且つ内壁側が凹に形成されていることにより、粉体粉砕槽内での粉体の流れが適正化され、その結果、粉体の衝突確率を高めて効率よく微細粉体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る粉体粉砕装置を示す縦断面図である。
【図2】実施形態に係る粉体粉砕装置を示す横断面図である。
【図3】噴射ノズル及び区画部材の縦断面図である。
【図4】噴射ノズルの変形例1を示す縦断面図である。
【図5】噴射ノズルの変形例2を示す縦断面図である。
【図6】噴射ノズルの変形例3を示す正面図である。
【図7】区画部材の変形例1を示す(a)正面図及び(b)縦断面図である。
【図8】区画部材の変形例2を示す(a)正面図及び(b)縦断面図である。
【図9】噴射ノズル及び区画部材の組合せの変形例を示す(a)正面図及び(b)縦断面図である。
【図10】(a)〜(d)は区画部材の変形例3〜6を示す縦断面図である。
【図11】噴射ノズルの変形例4を示す縦断面図である。
【図12】噴射ノズル及び区画部材の取付構造の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1及び2は、実施形態に係る対向衝突型の粉体粉砕装置10を示す。本実施形態に係る粉体粉砕装置10は、例えば、トナー材料の粉体から微細粉体のトナーを製造するのに用いられるものであり、例えば、体積基準におけるメジアン径(D50)が3.0〜10.0μmの微細粉体を製造することができる。
【0014】
本実施形態に係る粉体粉砕装置10は粉体粉砕槽11を備えている。
【0015】
粉体粉砕槽11は、中空の縦長円柱状に形成されており、例えば、槽高さが300〜3000mm、及び槽内径が100〜1000mmである。
【0016】
粉体粉砕槽11の内壁には、粉体供給源(不図示)から延びる粉体供給部12が接続されている。粉体供給部12には、粉体供給弁機構(不図示)が設けられており、粉体供給弁機構は制御部(不図示)に接続されている。
【0017】
本実施形態に係る粉体粉砕装置10は、複数の噴射ノズル13、及びそれらの噴射ノズル13のそれぞれに対応するように設けられた複数の区画部材14を備えている。
【0018】
図3は、噴射ノズル13及び区画部材14を示す。
【0019】
複数の噴射ノズル13は、粉体粉砕槽11の内壁における槽底から所定高さの位置に周方向に沿って間隔をおいて配設されている。また、複数の噴射ノズル13は、それぞれが粉体粉砕槽11の内壁から突出すると共に噴射口13aが槽中央側を向いており、それらの噴射口13aから噴射するガスが粉体粉砕槽11内で衝突するように配設されている。
【0020】
噴射ノズル13の数は、2個以上(図2では4個)であり、装置構成の簡略化の観点から、8個以下であることが好ましく、6個以下であることがより好ましく、4個以下であることがさらに好ましい。
【0021】
複数の噴射ノズル13は、ガスが粉体粉砕槽11内で衝突する配置であれば、図1に示すように槽底から同一高さに配設されていてもよく、また、相互に異なる高さに配設されていてもよい。その設置高さ、つまり、槽底からノズル中心までの高さは例えば50〜500mmである。
【0022】
複数の噴射ノズル13は、ガスが粉体粉砕槽11内で衝突する配置であれば、図2に示すように周方向に沿って等間隔に配設されていてもよく、また、周方向に沿って不均一な間隔に配設されていてもよい。
【0023】
但し、複数の噴射ノズル13が噴射するガスの衝突位置は粉体粉砕槽11の中心軸位置であることが好ましく、その場合、複数の噴射ノズル13は、槽底から同一高さに配設されていることが好ましい。複数の噴射ノズル13が槽底から同一高さに配設される場合、各噴射ノズル13は、通常はガスの噴射方向が水平方向となるようにセッティングされていればよいが、ガスの鉛直方向流れとガスの水平方向流れとのベクトル和からガスの衝突速度が最大となるように、ガスの噴射方向が水平方向を基準に上下20°以内にセッティングされていることが好ましく、上下15°以内であることがより好ましく、上下10°以内であることがさらに好ましい。
【0024】
また、この場合、複数の噴射ノズル13は、粉体を均一に衝突させる観点から、周方向に沿って等間隔に配設されていることが好ましい。従って、例えば、噴射ノズル13の数が3個の場合には、粉体粉砕槽11の中心を基準とする角度間隔が120°であることが好ましく、噴射ノズル13の数が4個の場合には、角度間隔が90°であることが好ましい。
【0025】
各噴射ノズル13は、粉体粉砕槽11の内壁からの突出長さが例えば後述のノズル本体131の先端のガス噴射孔131aの内径dの1.6〜24倍、具体的には20〜300mmとなるように粉体粉砕槽11を貫通して設けられている。各噴射ノズル13は、粉体粉砕槽11外の圧縮ガス源(不図示)に接続されている。圧縮ガス源は制御部に接続されている。
【0026】
各噴射ノズル13は、円筒状のノズル本体131とその先端部に着脱可能に同軸に取り付けられた円筒状のアダプタ132とを有する。
【0027】
ノズル本体131は、圧縮ガス源からの圧縮ガスをジェット噴流として噴射する機械的構造を有しており、先端のガス噴射孔131aの内径dが例えば3〜20mmである。
【0028】
アダプタ132は、ノズル本体131に外嵌め固定するための環状の本体固定部132aと円筒状のノズル先端部132bとが同軸に設けられ、それらが軸方向に延びる複数本の連結ロッド132cで連結された構成を有する。なお、アダプタ132は、粉体粉砕槽11の内壁や槽底等により支持された筒状乃至環状部材で構成され、図4に示すようにノズル本体131と別体で非接触に設けられていてもよい。
【0029】
ノズル先端部132bの開口はガスの噴射口13aを構成するが、その内径はノズル本体131の先端のガス噴射孔131aの内径dの1〜8倍であることが好ましく、3〜6倍であることがより好ましく、3〜5倍であることがさらに好ましく、具体的には10〜100mmであることが好ましく、40〜70mmであることがより好ましく、40〜50mmであることがさらに好ましい。ノズル先端部132bは、軸方向に沿って噴射口13aと同一の均一内径を有するように形成されている。なお、ノズル先端部132bは、特許文献1に記載された構成と同様、図5に示すように中間に縮径部が形成されていてもよい。また、ノズル先端部132bの開口形状は、図6に示すような正方形等の矩形乃至多角形であってもよい。
【0030】
各区画部材14は、槽中央側が凸で且つ内壁側が凹に形成され、対応する噴射ノズル13が軸位置に配置されると共に粉体粉砕槽11の内壁側に開口した陣笠形状の中空の円錐体部材で構成されている。区画部材14は、槽中央側が凸で且つ内壁側が凹に形成されていれば、図7(a)及び(b)に示すような中空の角錐体部材や図8(a)及び(b)に示すような中空の楕円錘体部材等、噴射ノズル13が軸位置に配置されると共に粉体粉砕槽11の内壁側に開口した他の中空の錐体部材であってもよい。また、図9(a)及び(b)に示すように、中空の角錐体部材の区画部材14と断面形状が正方形等の矩形であるノズル先端部132bとが組み合わされていてもよい。さらに、区画部材14は、上記の中空の錐体部材の他、図10(a)に示すように錐体の側面が内壁側に没入したような形状を有していてもよく、図10(b)に示すように錐体の側面が槽中央側に膨出したような形状を有していてもよく、図10(c)に示すように錐体の側面の頂部側部分が内壁側に没入し且つ裾側部分が槽中央側に膨出したような形状を有していてもよく、図10(d)に示すように錐体の側面の頂部側部分が槽中央側に膨出し且つ裾側部分が内壁側に没入したような形状を有していてもよい。なお、区画部材14は、必ずしも噴射ノズル13の軸位置に配置されていなくてもよい。
【0031】
各区画部材14は、対応する噴射ノズル13におけるアダプタ132のノズル先端部132bの基端側の端に小径側の端が結合することにより対応する噴射ノズル13に一体に設けられている。ここで、本出願では、区画部材14に一体に設けられた環状乃至筒状のガス流路形成部分は噴射ノズル13の一部分を構成するものとする。
【0032】
区画部材14は、対応する噴射ノズル13に対し、粉体粉砕槽11内を、噴射ノズル13の噴射口13aが露出する中央領域15と、中央領域15に槽内上部で連通すると共に粉体粉砕槽11の内壁から突出した噴射ノズル13の基端部13bが含まれる外周領域16とに区画する。
【0033】
これにより、噴射ノズル13は、その先端部分であるノズル先端部132bが区画部材14から中央領域15側に突出した構成となっている。ノズル先端部132bの区画部材14からの突出長さは、噴射ノズル13のノズル本体131の先端のガス噴射孔131aの内径dの0〜13倍であることが好ましく、0〜8倍であることがより好ましく、0.5〜5倍であることがさらに好ましく、2〜5倍であることがさらにより好ましく、具体的には0〜90mmであることが好ましく、5〜55mmであることがより好ましく、25〜55mmであることがさらに好ましい。なお、噴射ノズル13は、図11に示すように、ノズル先端部132bが区画部材14から突出した部分を有さない構成であってもよい。
【0034】
また、噴射ノズル13における外周領域16に位置する部分にはアダプタ132の連結ロッド132cが設けられた部分が含まれ、その部分が、ガス流路を露出させる開口部133に構成されている。この開口部133は、平面視において、区画部材14に収容されるように配置されている。開口部133の軸方向の長さ、つまり、連結ロッド132cの長さは、噴射ノズル13のノズル本体131の先端のガス噴射孔131aの内径dの0.8〜14倍であることが好ましく、1〜6倍であることがより好ましく、2.5〜5.5倍であることがさらに好ましく、具体的には10〜70mmであることが好ましく、30〜65mmであることがより好ましい。なお、開口部133は、図12に示すように、平面視において、区画部材14から粉体粉砕槽11の内壁側にはみ出すように配置されていてもよい。
【0035】
陣笠形状の区画部材14は、アダプタ132との結合部から粉体粉砕槽11の内壁に向かって斜め外向きに直線的に延びるように形成されており、また、その中央領域側表面14a及び外周領域側表面14bのいずれもが外方に行くに従って粉体粉砕槽11の内壁に近付くように形成されている。従って、この陣笠形状の区画部材14は、噴射ノズル13よりも上側の部分の中央領域側表面14a及び外周領域側表面14bが、上方に行くに従って粉体粉砕槽11の内壁に近付くように形成され、また、噴射ノズル13よりも下側の部分の中央領域側表面14a及び外周領域側表面14bが、下方に行くに従って粉体粉砕槽11の内壁に近付くように形成されている。陣笠形状の区画部材14は、外向きに直線的に延びている部分が軸方向に対してなす角度が60〜90°であることが好ましく、60〜80°であることがより好ましい。陣笠形状の区画部材14の粉体粉砕槽11の内壁側の開口外径は、噴射ノズル13のノズル本体131の先端のガス噴射孔131aの内径dの15〜40倍であることが好ましく、20〜35倍であることがより好ましく、具体的には200〜500mmであることが好ましく、250〜400mmであることがより好ましい。陣笠形状の区画部材14の開口端から粉体粉砕槽11の内壁までの間隙は例えば15〜235mmである。
【0036】
本実施形態に係る粉体粉砕装置10は、粉体粉砕槽11内上方に設けられた分級機17を備えている。
【0037】
分級機17は、分級ロータ17aとそれを回転駆動する駆動モータ17bとを有する。
【0038】
分級ロータ17aは、一対の円盤が外周部に一定間隔で設けられた多数の羽根で一体に連結された中空円柱状に形成されており、例えば、外径が50〜500mm及び高さが50〜500mmである。
【0039】
分級ロータ17aは、回転軸が粉体粉砕槽11の中心軸に一致すると共に、下面部が粉体粉砕槽11内におけるガスの合流部(衝突部)から例えば300〜1300mm上方に位置付けられるように設けられている。
【0040】
粉体粉砕槽11には、分級ロータ17aの上面部位置において上下を分ける隔壁が設けられて、その上部に上部隔室11aが構成されており、その上部隔室11aは分級ロータ17a内部に連通している。また、上部隔室11aからは粉体回収管18が延びて粉体回収部(不図示)に接続されている。上部隔室11a、粉体回収管18、又は粉体回収部には吸引機構(例えば、吸引ファン等)が設けられている。吸引機構は制御部に接続されている。
【0041】
なお、分級機17は、メッシュにより分級する構成のものやサイクロン形式のものであってもよいが、分離効率が高く、しかも、回転速度の設定によって回収する微細粉体の粒径を容易にコントロールできることから、図1に示すような分級ロータ17aを有するものが好ましい。また、分級ロータ17aを有する分級機17の場合、分級ロータ17aは、回転軸が水平方向に延びるように設けられていてもよい。
【0042】
粉体粉砕槽11は、複数の噴射ノズル13よりも下側の部分がボトム部19に構成されている。
【0043】
ボトム部19は、図1に示すように槽底が中央の最深部に向かうに従って先細りするようなコニカル形状に形成されている。ボトム部19には積載質量を検知するロードセル(不図示)が取り付けられている。ロードセルは制御部に接続されている。なお、ボトム部19は、槽底が平坦面に形成されていてもよく、また、特開2008−284485号公報や特開2010−119929号公報に開示された閉塞部材が設けられていてもよい。
【0044】
次に、本実施形態に係る粉体粉砕装置10を用いた微細粉体の製造方法について説明する。
【0045】
粉体粉砕装置10の制御部においてメインスイッチをオンにすると、粉体供給弁機構、圧縮ガス源、駆動モータ17b、吸引機構、及びロードセルがそれぞれ動作を開始する。
【0046】
粉体供給弁機構は、開状態となって粉体粉砕槽11内に原料となる粉体を供給する。原料となる粉体は、平均粒径が例えば50〜500μmの樹脂組成物からなるトナー材料等である。
【0047】
圧縮ガス源は、各噴射ノズル13に圧縮ガスを送る。各噴射ノズル13はガスを噴射する。このとき、ガスの平均流速を400〜550m/秒に制御することが好ましい。また、ガスの元圧を0.2〜1.2MPaに設定することが好ましい。用いるガスとしては、例えば、空気、窒素ガス、その他の不活性ガス等が挙げられる。
【0048】
駆動モータ17bは分級ロータ17aを回転させる。このとき、適当な分級効率が得られるという観点からは、分級ロータ17aの回転速度を20〜70m/秒に制御することが好ましい。また、分級ロータ17aから回収される粉体は、微細な粉体を得るという観点から、体積基準におけるメジアン径(D50)が10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることがさらに好ましい。
【0049】
吸引機構は、粉体粉砕槽11の上部隔室11aから粉体回収部に向かう吸引流を作り出す。
【0050】
ロードセルはボトム部19に積載されるものの質量を検知すると共にそれを信号として制御部に送る。
【0051】
制御部は、ロードセルが所定の質量、つまり、粉体のホールドアップ量(例えば30〜50kg)を検知するまでは粉体供給弁機構を開状態とし、その後はロードセルがホールドアップ量の検知を維持するように粉体供給弁機構を開閉制御する。
【0052】
以上の動作過程において、複数の噴射ノズル13から噴射されるガスは、粉体粉砕槽11内に仕込んだ粉体を同伴し、粉体粉砕槽11内の中央領域15において合流する。このとき、粉体は、ガスの合流部において相互に衝突して粉砕される。
【0053】
合流後のガスは、粉体粉砕槽11内の中央領域15において、一部が上昇気流となって粉砕された粉体を分級ロータ17aまで運搬する。このとき、粉体は、微細粉体が、分級ロータ17aの回転による遠心力よりも粉体粉砕槽11の上部隔室11aを介する吸引機構による吸引流による吸引力に大きな作用を受け、上部隔室11a及び粉体回収管18を介して粉体回収部に回収される。その他の粒子は、吸引力よりも遠心力に大きな作用を受けて槽内に弾かれる。
【0054】
上昇気流の天井部を巡った後の戻り下降気流(槽上部循環流)は、粉体粉砕槽11内において、分級機17で弾かれた粉体を下方に運搬する。この後、粉体の一部は、再び噴射ノズル13から噴射されるガスに同伴して粉砕に供され、また、他の一部は、区画部材14によって中央領域15から区画された外周領域16に運搬され、噴射ノズル13に構成された開口部133においてガスに同伴して粉砕に供される。
【0055】
また、合流後のガスは、一部が粉体を含む下降気流となる。下降気流がボトム部19の槽底を巡った後の戻り上昇気流(ボトム循環流)は、粉体粉砕槽11内において、粉体を上方に運搬する。この後、粉体の一部は、再び噴射ノズル13から噴射されるガスに同伴して粉砕に供され、また、他の一部は、区画部材14によって中央領域15から区画された外周領域16に運搬され、噴射ノズル13に構成された開口部133においてガスに同伴して粉砕に供される。
【0056】
そして、粉体粉砕槽11内では、分級機17で回収されない粒径の大きい粉体は繰り返し粉砕に供される。
【0057】
本実施形態に係る粉体粉砕装置10は、原料粉体としてトナー材料を粉砕する際、特に効果を発揮する。トナー材料は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有することが好ましい。
【0058】
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂などのビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、2種以上の樹脂成分が部分的に化学結合したハイブリッド樹脂等が挙げられ、特に限定されないが、これらの中では、着色剤の分散性の観点からポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂成分とビニル系樹脂成分とを有するハイブリッド樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂中50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましい。
【0059】
着色剤としては、トナー材料用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー、イソインドリンイエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜40質量部であることが好ましく、3〜10質量部であることがより好ましい。
【0060】
トナー材料には、上記結着樹脂及び着色剤に加えて、さらに、離型剤、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質などの補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
【0061】
その他に、上記原料粉体としてのトナー材料は、特開2004−126260号公報に記載のものを使用することができる。
【0062】
以上に説明した本実施形態に係る粉体粉砕装置10によれば、各噴射ノズル13に粉体粉砕槽11内を中央領域15及び外周領域16を区画する区画部材14が設けられ、そして、各噴射ノズル13における区画部材14によって区画される外周領域16に位置する部分に、ガス流路を露出させる開口部133が構成され、また、区画部材14が、槽中央側が凸で且つ内壁側が凹に形成されていることにより、粉体粉砕槽11内での粉体の流れが適正化され、その結果、粉体の衝突確率を高めて効率よく微細粉体を製造することができる。
【実施例】
【0063】
〔試験1〕
(原料粉体)
以下の方法により原料粉体を得た。
【0064】
<ポリエステルAの作製>
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1286g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン2218g、テレフタル酸1603g、及びオクチル酸スズ10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまでさらに反応させて樹脂を得た。得られた樹脂の軟化点は111.4℃、ガラス転移点は68.5℃、酸価は3.2であった。得られた樹脂をポリエステルAとした。
【0065】
<ポリエステルBの作製>
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン3308g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン341g、フマル酸792g、ハイドロキノン5g、及びオクチル酸スズ10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃から210℃まで5時間かけて昇温して反応させた後、8.3kPaにてさらに1時間反応させた。その後、無水トリメリット酸480gを投入し、1時間常圧で反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させて樹脂を得た。得られた樹脂の軟化点は155.8℃、ガラス転移点は64.7℃、酸価は33.2であった。得られた樹脂をポリエステルBとした。
【0066】
<原料粉体の製造>
ポリエステルA70質量部、ポリエステルB30質量部、着色剤1(BASF社製 商品名:Paliotol Yellow D1155)4.1質量部、着色剤2(大日本インキ社製 商品名:Super Magenta R)2.7質量部、カルナウバワックス(加藤洋行社製 商品名:C1)3.5質量部、パラフィンワックス(日本精蝋社製 商品名:HNP−9)3.0質量部、及び帯電制御剤(日本カーリット社製 商品名:LR−147)0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、得られた混合物をオープンロール型混練機により混練した。次いで、得られた混練物を空気中で冷却したのち、ロートプレックス(アルバイン製)にて粗粉砕し、平均粒径:300μmの粗粉砕物を得た。
【0067】
得られた粗砕物100質量部、シリカ(日本アエロジル社製 商品名:R972)5.0質量部、シリカ2(ワッカー社製 商品名:HVK2150)、シリカ3(ワッカー社製 商品名:HDK H13TX)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて混合して原料粉体(平均粒径:300μm)を得た。
【0068】
(粉体粉砕装置)
上記実施形態と同様の構成の対向衝突型の粉体粉砕装置を用いた。
【0069】
用いた粉体粉砕装置は、槽高さ1850mm及び槽内径680mmの粉体粉砕槽を備え、その粉体粉砕槽に4つのノズル本体が、粉体粉砕槽の内壁の槽底から所定高さの位置に周方向に等間隔(角度間隔90°)に中央を向いて設けられたものである。対向するノズル本体間距離は380mmであった。
【0070】
(体積基準におけるメジアン径(D50)の測定)
以下では、微細粉体の体積基準におけるメジアン径(D50)を、以下の装置及び条件で測定した。ここで、体積基準におけるメジアン径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度における粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
測定装置:コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン3.51(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:「エマルゲン(登録商標)109P」(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を前記電解液に溶解させた濃度5質量%の分散液
試料作製条件:前記分散液5mLに測定試料(微細粉体)10mgを添加して超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて試料分散液を作製した。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積基準におけるメジアン径(D50)を求めた。
【0071】
(微細粉体の製造)
上記原料粉体及び粉体粉砕装置を用い、以下の実施例1〜5及び比較例1の微細粉体の製造を行った。それぞれの内容については表1にも示す。
【0072】
−実施例1−
各ノズル本体に、陣笠形状の区画部材が設けられたアダプタを取り付けた。ノズル先端部の区画部材からの突出長さ(A)は41.5mm、噴射ノズルの噴射口内径(B)は48mm、区画部材の粉体粉砕槽の内壁側の開口外径(C)は319mm、区画部材の外向きに直線的に延びている部分が軸方向に対してなす角度(D)は72°、及び開口部長さ(E)は55mmであった。なお、A〜Eについては図3に示す。
【0073】
そして、粉体粉砕槽に原料粉体を仕込み、噴射ノズルからガスを噴射して微細粉体を製造し、これを実施例1とした。なお、噴射するガスとして空気を用いた。また、噴射ノズルの噴射口におけるガスの平均流速を530m/秒に制御すると共に、ガスの元圧を0.86MPaに設定した。分級機の分級ロータの回転周速度を63m/秒に設定した。
【0074】
粉砕処理により得られた微細粉体の単位時間当たりの質量は75.8kg/hであった。また、体積基準におけるメジアン径(D50)は5.4μmであった。
【0075】
−実施例2−
噴射ノズルの噴射口内径(B)が64mmである陣笠形状の区画部材を用いたことを除いて実施例1と同様に微細粉体を製造し、これを実施例2とした。
【0076】
粉砕処理により得られた微細粉体の単位時間当たりの質量は72.1kg/hであった。また、体積基準におけるメジアン径(D50)は5.4μmであった。
【0077】
−実施例3−
ノズル先端部の区画部材からの突出長さ(A)が41.5mmであり、噴射ノズルの噴射口内径(B)が56mmである陣笠形状の区画部材を用いたことを除いて実施例2と同様に微細粉体を製造し、これを実施例3とした。
【0078】
粉砕処理により得られた微細粉体の単位時間当たりの質量は71.6kg/hであった。また、体積基準におけるメジアン径(D50)は5.4μmであった。
【0079】
−実施例4−
ノズル先端部の区画部材からの突出長さ(A)が20mmである陣笠形状の区画部材を用いたことを除いて実施例2と同様に微細粉体を製造し、これを実施例4とした。
【0080】
粉砕処理により得られた微細粉体の単位時間当たりの質量は71.1kg/hであった。また、体積基準におけるメジアン径(D50)は5.4μmであった。
【0081】
−実施例5−
ノズル先端部の区画部材からの突出長さ(A)が61.5mmであり、開口部長さ(E)が27mmである陣笠形状の区画部材を用いたことを除いて実施例4と同様に微細粉体を製造し、これを実施例5とした。
【0082】
粉砕処理により得られた微細粉体の単位時間当たりの質量は70.2kg/hであった。また、体積基準におけるメジアン径(D50)は5.4μmであった。
【0083】
<比較例1>
区画部材及びアダプタを用いなかったことを除いて実施例1と同様に微細粉体を製造し、これを比較例1とした。
【0084】
粉砕処理により得られた微細粉体の単位時間当たりの質量は67.7kg/hであった。また、体積基準におけるメジアン径(D50)は5.4μmであった。
【0085】
【表1】

【0086】
(能力比)
表1に示す通り、比較例1の単位時間当たりの粉砕処理質量を基準(1.00)として、実施例1〜5の粉砕能力を評価したところ、実施例1が1.12、実施例2が1.06、実施例3が1.06、実施例4が1.05、及び実施例5が1.04であった。
【0087】
〔試験2〕
(粉体粉砕装置モデル)
装置モデルとして用いた粉体粉砕装置の基本構成は、槽高さ1483mm及び槽内径680mmの粉体粉砕槽を備え、その粉体粉砕槽に4つのノズル本体が、粉体粉砕槽の内壁の槽底から所定高さの位置に周方向に等間隔(角度間隔90°)に中央を向いて設けられたものとした。対向するノズル本体間距離は380mmとした。
【0088】
<装置モデル1>
各ノズル本体に、後述の構成の陣笠形状の区画部材が設けられたアダプタを取り付けたものを装置モデル1とした。ノズル先端部の区画部材からの突出長さ(A)は41.5mm、噴射ノズルの噴射口内径(B)は64mm、区画部材の粉体粉砕槽の内壁側の開口外径(C)は270mm、区画部材の外向きに直線的に延びている部分が軸方向に対してなす角度(D)は75°、及び開口部長さ(E)は27mmとした。なお、A〜Eについては図3に示す。
【0089】
<装置モデル2>
各ノズル本体に、後述の構成の正四角錘形状の区画部材が設けられたアダプタを取り付けたものを装置モデル2とした。ノズル先端部の断面形状は正方形とした。ノズル先端部の区画部材からの突出長さ(A)は41.5mm、噴射ノズルの噴射口の一辺の長さ(B)は57mm、区画部材の粉体粉砕槽の内壁側の開口の一辺の長さ(C)は239mm、区画部材の外向きに直線的に延びている部分が軸方向に対してなす角度(D)は74°、及び開口部長さ(E)は27mmとした。なお、A〜Eについては図9(a)及び(b)に示す。
【0090】
<比較装置モデル>
各ノズル本体に、区画部材が設けられたアダプタを取り付けないものを比較装置モデルとした。
【0091】
(シミュレーション)
装置モデル1及び2並びに比較装置モデルのそれぞれについて、ガスの入口圧力を0.86MPaとする流体シミュレーション及び粉体の体積基準におけるメジアン径(D50)40μmとする粒子軌跡シミュレーションをそれぞれ行い、噴射ノズルの前方を通過する粉体の通過頻度及び平均粒子速度を算出した。このとき、流体シミュレーションは、ガスとして空気の物性を有する圧縮性流体を用い、質量流量、運動量、及び運動エネルギーが収束するまで実施した。粒子軌跡シミュレーションでは、粒子密度を1200kg/m3として4000個の粒子をボトム部に配置し、流体シミュレーションの結果から得られた気流速度分布に従って流動を開始した後の1.5秒後から4.0秒後までの間に槽中心に設けた75mm×150mmの矩形の検査面を通過する粒径40μmの粒子の通過頻度及びその平均粒子速度を求めた。さらに、下記計算式に基づいて粒子の運動エネルギーを求めた。
【0092】
1/2×(粒子1個の質量)×(通過頻度)×(平均粒子速度)2×2.5〔J〕
(シミュレーション結果)
表2はシミュレーション結果を示す。
【0093】
【表2】

【0094】
粒径40μmの粒子の通過頻度は、装置モデル1では9961個/s、装置モデル2では8802個/s、及び比較装置モデルでは4664個/sであった。
【0095】
平均粒子速度は、装置モデル1では111m/s、装置モデル2では113m/s、及び比較装置モデルでは103m/sであった。
【0096】
粒子運動エネルギーは、装置モデル1では0.0062J、装置モデル2では0.0056J、及び比較装置モデルでは0.0025Jであった。
【0097】
比較装置モデルの粒子運動エネルギーを1として、装置モデル1及び2のそれぞれの粒子運動エネルギーを評価したところ、装置モデル1が2.5、装置モデル2が2.2であった。
【0098】
以上より、区画部材を用いた装置モデル1及び2の方が、区画部材を用いなかった比較装置モデルよりも、粒子運動エネルギーが高いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、粉体粉砕装置及びそれを用いた微細粉体の製造方法について有用である。
【符号の説明】
【0100】
10 粉体粉砕装置
11 粉体粉砕槽
11a 上部隔室
12 粉体供給部
13 噴射ノズル
13a 噴射口
13b 基端部
131 ノズル本体
131a ガス噴射孔
132 アダプタ
132a 本体固定部
132b ノズル先端部
132c 連結ロッド
133 開口部
14 区画部材
14a 中央領域側表面
14b 外周領域側表面
15 中央領域
16 外周領域
17 分級機
17a 分級ロータ
17b 駆動モータ
18 粉体回収管
19 ボトム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体粉砕槽と、該粉体粉砕槽の内壁に周方向に沿って間隔をおいて配設され、各々、該粉体粉砕槽の内壁から突出すると共に噴射口が槽中央側を向いた複数の噴射ノズルと、を備え、該粉体粉砕槽内の粉体を、該複数の噴射ノズルの噴射口から噴射するガスに同伴させると共にガス合流部において相互に衝突させることにより粉砕するように構成された粉体粉砕装置であって、
上記複数の噴射ノズルのそれぞれに対応するように設けられ、各々、上記粉体粉砕槽内を、該噴射ノズルの噴射口が露出する中央領域と、該中央領域に槽内上部で連通すると共に該噴射ノズルの基端部が含まれる外周領域と、に区画する、槽中央側が凸で且つ内壁側が凹に形成された複数の区画部材をさらに備え、
上記複数の噴射ノズルのそれぞれには、上記対応する区画部材によって区画される外周領域に位置する部分に、ガス流路を露出させる開口部が構成されている、粉体粉砕装置。
【請求項2】
上記複数の噴射ノズルのそれぞれは、その先端部分が上記区画部材から中央領域側に突出している、請求項1に記載された粉体粉砕装置。
【請求項3】
上記複数の噴射ノズルのそれぞれは、ノズル本体と、該ノズル本体の先端部に取り付けられたアダプタと、を有しており、
上記複数の区画部材のそれぞれは、上記対応する噴射ノズルのアダプタに一体に設けられている、請求項1又は2に記載された粉体粉砕装置。
【請求項4】
上記複数の区画部材のそれぞれは、上記対応する噴射ノズルが軸位置に配置されると共に上記粉体粉砕槽の内壁側に開口した中空の錐体部材で構成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載された粉体粉砕装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された粉体粉砕装置を用い、粉体粉砕槽内に仕込んだ粉体を、複数の噴射ノズルの噴射口から噴射するガスに同伴させると共にガス合流部において相互に衝突させることにより粉砕する、微細粉体の製造方法。
【請求項6】
上記噴射口から噴射するガスの平均流速が400〜550m/秒である、請求項5に記載された微細粉体の製造方法。
【請求項7】
上記微細粉体の体積基準におけるメジアン径(D50)が3.0〜10.0μmである、請求項5又は6に記載された微細粉体の製造方法。
【請求項8】
上記粉体がトナー材料である、請求項5乃至7のいずれかに記載された微細粉体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−183454(P2012−183454A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46618(P2011−46618)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】