説明

粉体被覆システムの摩耗構成部品の改良

粉体被覆システムの摩耗構成部品に、本発明の一態様の符号化した視覚的要素を設ける。符号化した視覚的要素は、部品の製造業者又は特徴の表示を提供することができる。成形部品では、符号化した視覚的要素は、異なる色のオーバーモールド部品として実施することができ、或る色の材料が別の色のベース構成部品にオーバーモールドされる。オーバーモールド材料は、エラストマーであり、且つ一体外側リングを有するように形成して、摩耗構成部品を例えばベンチュリポンプ又はスプレーガンに摩擦嵌合させることができる一方で、別個のOリングの必要がなくなり、Oリングを受け入れる溝を部品の外面に加工又は形成する必要もなくなる。同様に、一体フランジを形成して、別個のスナップリング及びスナップリングを受け入れる溝の必要をなくすことができる。オーバーモールド材料の色分けは、摩耗の表示を提供するように実施することもできる。代替的に、部品は、2つ以上の材料の層構造として構成して、視覚的に符号化された要素を用いて又は用いずに摩耗の表示を提供することができる。本発明の別の態様は、交換部品を成形部品等のシングルピース部品として形成するという概念である。このタイプの部品は、一体形成される弾性リング及び/又は一体形成されるフランジを部品の外面に組み込んで、Oリング及びスナップリングの代わりにするように形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体被覆システムに関し、特に、交換可能な摩耗部品を含む粉体被覆システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願]
本出願は、2003年6月9日に出願された米国仮特許出願第60/320,256号の利益を主張する。
【0003】
[発明の背景]
製品の粉体被覆は、電気的に接地された加工物に静電荷を有する粉体被覆材料を噴霧することを伴う、既知の技法である。粉体被覆材料は、加工物に引き付けられて付着し、加工物を被覆する。続いて、加熱により被覆材料を加工物に定着させる。
【0004】
噴霧すべき粉体被覆材料は、ベンチュリポンプにより粉体供給ラインから引き出される。ポンプ内では、材料が、急速に流れる空気流と混ざり合う。この混合は、ポンプのスロートホルダに取り外し可能に挿入される管状のプラスチック部品であるベンチュリスロート内で行われる。空気に乗せて運ばれる粉体と空気ととの混合物は、ホースを通ってスプレーガンへ流れる。ホースは、ホースコネクタによりガンに接続される。粉体材料は、スプレーノズルを通ってガンから出る。
【0005】
スロートを通る粉体の流れは、スロートのプラスチック材料を摩滅させるため、スロートは、システムの摩耗部品、すなわち、所定の量を超えて摩耗すると定期的に取り外して交換される部品に指定される。
【0006】
一部の粉体被覆システムでは、種々のサイズのスロートを設けることができる。例えば、既知の一システムでは、「標準流量」スロート及び「低流量」スロートを、ポンプのスロートホルダに選択的に挿入することができる。2つのスロートは、外側は同一だが、内径のみが異なる。したがって、プラグゲージ又は内径の目視検査を用いて、正しいスロートが交換されることを確認する必要がある。このプロセスは、時間がかかり非効率的であり得る。
【0007】
粉体ポンプのベンチュリスロートは、粉体被覆システムの摩耗部品の一例にすぎない。粉体被覆ガンのスプレーノズル、及びホースをガンに接続するホースコネクタは、粉体被覆システムの摩耗部品の他の2つの例である。摩耗部品は、粉体被覆材料がこれらの部品内を流れる際に粉体被覆材料が接触する構成部品である。粉体被覆材料が摩耗部品内を流れることにより、接触される部品の材料が摩滅し、その部品を定期的に交換する必要が生じる。
【0008】
部品を交換する場合、それらが正規の製造業者により製造された部品と交換されたか、又は第三者の製造業者により製造された部品と交換されたかを知ることが有用であろう。多くの場合、訓練を受けたサービス員のみがその違いを判断することができる。この判断は、部品の保証適用範囲に影響を及ぼす可能性があり、システムに生じているいかなる問題にも対処するのに有用な情報を提供することができる。
【0009】
交換部品の別の問題は、部品が交換するほど十分に摩耗しているか否かを目視検査により判断することが困難な場合があることである。
【0010】
システムの摩耗部品は、通常、工具を必要とせずに容易に分解、洗浄、及び交換できるように、摩擦嵌合される。例えば、スプレーガンノズルは、2つの外部Oリングを有する加工されたプラスチック管状部材である。Oリングは、ガン本体にノズルをシールして、摩擦嵌合させる。同様に、ベンチュリポンプスロートは、スロートホルダにスロートを摩擦嵌合させる2つの外部Oリングを有する加工されたプラスチック部品である。さらに、スロートは、スロートホルダ内で長手方向にスロートを位置決めする、すなわち、挿入中のスロートの内方移動を制限するショルダを提供する、外部スナップリングを有する。これらの部品をマルチピース組立体として形成することにより、製造費用が嵩み、且つ装置を整備する際の部品の交換が複雑になる。
【0011】
粉体がガンから出る場所であるノズルの外面を滑らかに仕上げ、ガンバレルへの移行部に継ぎ目をなくすことにより、粉体が表面に蓄積することが防止される。この設計では、特に表面上にいくらかの粉体がある場合には、ガン本体からノズルを取り外すことが困難になり得る。
【発明の開示】
【0012】
[発明の概要]
本発明は、粉体被覆システム及びその構成部品に関する。本発明は、上述の問題を解決するために、粉体被覆システムの予備部品の設計を改良することを対象とする。
【0013】
本発明の第1の態様は、「符号化」を用いて、粉体被覆装置の摩耗部品が正規の製造業者により製造されたものか、又は第三者の製造業者により製造されたものかを識別することである。符号化という用語は、摩耗部品に製造業者の商標又は名称を記すことが実行可能ではない場合に、部品上でその製造業者を示すために、色の組み合わせ又は他のマーキング手段を摩耗部品の外面に施すという概念を示すために用いられる。
【0014】
本発明の第2の態様は、符号化を摩耗部品のタイプ又は摩耗部品の特定の特徴を識別する方法として用いるという概念を含む。
【0015】
本発明の第3の態様は、成形プラスチックから形成される粉体被覆システムの摩耗構成部品の場合、成形された構成部品に別の色のベース材料をオーバーモールドすることにより、符号化を実施することができることである。異なる色又は色の組み合わせにより、製造業者の表示を提供することができる。また、部品が粉体ポンプの高流量ベンチュリ部材であるか低流量ベンチュリ部材であるか等の部品の特徴を、異なる色又は色の組み合わせにより識別することができる。したがって、符号化という用語は、例えば部品の製造業者又は特徴を示すための色の組み合わせ又は外側のマークであり得る、ノズルの外面上の視覚的要素を提供するという概念を含む。
【0016】
第4の態様は、オーバーモールド材料を用いて部品を符号化する場合、オーバーモールド材料がエラストマーであれば、例えばベンチュリポンプ又はスプレーガンに摩耗構成部品を摩擦嵌合させることができるため、個別の組み立てステップを必要とするOリング又はスナップリングの必要がなくなることである。
【0017】
第5の態様は、オーバーモールド材料を用いて部品を符号化する場合、符号化は、以下でより詳細に説明するように、摩耗の表示を提供するように施すことができることである。
【0018】
第6の態様は、同様に以下でより詳細に説明するように、交換部品をガンから取り外して新たな部品と交換することをより容易にする把持面をより容易に提供するような方法で、符号化を用いることができることである。
【0019】
第7の態様は、本発明の符号化態様とは独立しており、交換部品を成形部品等のワンピースとして成形して、一体形成される弾性リング及び/又は一体形成されるフランジを部品の外面に組み込むことを可能にするという概念である。これにより、別個のOリング及びスナップリングが必要なくなるとともに、例えばOリング又はスナップリングを受け入れるための溝を部品の外面に加工又は形成する必要がなくなる。本発明のこの態様は、視覚的に符号化された要素を有する摩耗部品だけでなく、視覚的に符号化された要素を有さない単色の摩耗部品にも適用される。
【0020】
第8の態様は、同様に本発明の符号化態様とは独立しており、2つの材料から摩耗部品を構成することにより、粉体と最初に接触する材料が摩滅すると、第2の材料が露出されて所定の摩耗度を示すようにするという概念である。本発明のこの態様も、視覚的に符号化された要素を有する摩耗部品だけでなく、視覚的に符号化された要素を有さない単色の摩耗部品にも適用される。
【0021】
本発明のさらに別の態様は、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法である。この方法は、ベース構成部品を設けるステップと、ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップとを含む。ベース構成部品及び第2の構成部品は、所望の符号化効果を与えるように異なる色であってもよい。
【0022】
本発明のさらに別の態様は、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法である。この方法は、粉体被覆材料と最初に接触することが意図される第1の表面を有し、且つ反対側の第2の表面を有する第1の材料層を設けるステップと、第1の材料層の第2の表面と接触する第2の材料層を設けるステップであって、第2の材料層の材料は第1の材料層の材料とは異なる、第2の材料層を設けるステップとを含む。第2の材料層は、第1の材料層が粉体被覆材料との接触により摩滅すると見えるようになる。
【0023】
本発明のさらなる態様は、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法である。この方法は、第1の材料を設けるステップと、第1の材料よりも比較的弾性がある第2の材料を設けるステップと、第1の材料を第2の材料に接合するステップであって、それにより、第2の材料の一部が摩耗部品の外面上に見えるように摩耗部品を形成する、接合するステップとを含む。
【0024】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の現在好ましい実施形態の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0025】
本発明の上述の特徴及び他の特徴は、添付図面を参照して本発明の以下の説明を検討すれば、本発明が関係する当業者には明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[発明の詳細な説明]
本発明は、粉体被覆システムに関し、特に、交換可能な摩耗部品を含む粉体被覆システムに関する。本発明は、様々な構成の種々の被覆システム及びその構成部品に適用可能である。本発明を表すものとして、図1〜図4は、本発明により構成される構成部品12、特に粉体ポンプスロートを含む、粉体被覆システム10を示す。
【0027】
システム10は、粉体をスプレーガン22に供給する粉体供給源20を含む。粉体供給源20は、粉体入口26からベンチュリポンプ24への流動化粉体源を提供する。供給源20は通常、米国特許第5,018,909号(その全体がこの参照により本明細書に援用される)に示すような流動化粉体ホッパである。
【0028】
圧縮空気源28aから空気入口28b及び28cを通してベンチュリポンプ24に、既知の方法で空気が供給される。入口28bを通してエジェクタノズルに供給される空気は、粉体をポンプに引き込む吸引を生み出すことからフロー空気(flow air)として知られている。入口28cを通して供給される空気は、空気対粉体の比を変化させることからディフューザ空気(diffuser air)として知られている。
【0029】
ベンチュリポンプ24は、金属のポンプ本体30を含む。スロートホルダ32が、ポンプ本体30に取り外し可能に嵌合される。スロートホルダ32は金属から作製される。以下で説明するように、スロート12はスロートホルダ32に嵌合される。
【0030】
既知の方法で、スロート12内を流れる空気がベンチュリ効果をもたらし、それにより粉体入口26から空気流(stream of flowing air)に粉体を引き込む。空気及び粉体は、スロート12内で混ざり合う。空気は空気に乗せて運ばれる粉体とともに出口34を通ってポンプ24から出て、概略的に36で示すホースを通ってスプレーガン22に流れる。米国特許第5,518,344号及び米国特許第6,428,242号(それらの全体が参照により本明細書に援用される)は、それぞれ、ポンプ、ホースとガンとの接続部、ならびにガンとホースとの接続部を示す。
【0031】
スロート12(図2〜図4)は、本体部分40及びオーバーモールド部分70を含む。スロート12の本体部分40は、プラスチック材料から成形される。好ましい材料は、超高分子量ポリエチレンであるTivarであり、剛性の非エラストマー材料である。Tivarは、Poly Hi Solidur, Inc.(Neenah, Wisconsin)の登録商標である。種々のグレードのTivarが利用可能であるが、好ましいグレードは成形可能な最高グレードである。
【0032】
スロート12の本体部分40は、軸42を中心とした細長い管状構成を有する。本体部分40は、軸42を中心とした流体流路48を画定する内面46を有する、ほぼ円筒状の壁44を含む。流体流路48は、スロート12内に軸方向に延びる。内面46は、スロート12の内径である直径を有する。スロート12の内径は、外側に広がった入口部分49を除いて、スロートの全長にわたって一定である。
【0033】
スロートの壁44は、スロート12の外径を画定する円筒状の外面50を有する。外面50は、スロート12の比較的大きな直径の入口部分52に位置する。スロートの壁44は、外面50からテーパ状部分54に沿ってスロート12の縮径された出口部分56まで、内方に向かってテーパ状になっている。スロート12の出口部分56は、スロートの残りの部分よりも小さい外径を有するが、内径は同じである。
【0034】
スロート12の内径により、ポンプ24を通る粉体の流量が制御される。内径が大きいほど流量が増え、内径が小さいほど流量が減る。図2に示すタイプのスロート12は通常、2つの異なるスロートサイズ及び流量、すなわち、標準流量及び低流量で利用可能である。部品間の違いは、スロート12の内径だけである。
【0035】
スロート12の入口部分52の外面50には、ショルダ60が形成される。ショルダ60は、スロート12の本体部分40とワンピースとして成形される。ショルダ60は、外面50から半径方向外方に延びる環状構成を有する。
【0036】
スロート12の入口部分52の外面50には、ショルダ60の軸方向内方に凹部又は成形溝62(図3)が形成される。成形溝62は、ショルダ60と本体部分40のテーパ状セクション54との間の距離のほぼ全体にわたって軸方向に延びる。成形溝62の深さは、所望に応じて選択することができ、図示の実施形態では、成形溝は、スロート12の本体部分40の入口部分52の肉厚の約半分の深さを有する。したがって、成形溝62の場所では、スロート12の本体部分40の肉厚は減る。
【0037】
スロート12のオーバーモールド部分70は、本体部分40とは異なる材料から作製される。オーバーモールド部分70は、硬化すると本体部分40にしっかりと接着する成形可能な材料から作製され、且つエラストマーである。好ましい材料は、Advanced Elastomer Systems LP(Akron, Ohio)から入手可能なSantoprene(登録商標)というブランド名の熱可塑性エラストマーである。
【0038】
スロート12のオーバーモールド部分70を作製する材料は、本体部分40の色とは異なる色であることが好ましい。色の違いは、スロート12の2つの部分40及び70を互いに容易に区別することができるように選択されることが好ましい。
【0039】
スロート12のオーバーモールド部分70は、既知のオーバーモールドプロセスにより、本体部分40の成形溝62に成形される。オーバーモールド部分70は、スロート12の本体部分40の入口部分52の周りに延びるスリーブとして形成される。オーバーモールド部分70は、円筒状の外面72及び円筒状の内面74を有し、これらはいずれも軸42と平行に延びる。オーバーモールド部分70の外面72は、本体部分40の外面50とほぼ同じ直径を有することが好ましい。
【0040】
オーバーモールド部分70は、2つの環状突出部又はリング76及び78を有するように形成される。リング76及び78は、一対のOリングの外側部分と似た形状にされ、スロート12のオーバーモールド部分70の残りの部分とワンピースとして形成される。リング76及び78はそれぞれ、オーバーモールド部分70の外面72から半径方向外方に突出する。リング76は弧状の外面80を有する。同様に、リング78は弧状の外面82を有する。
【0041】
図2に示すようにスロート12がスロートホルダ32に挿入されると、本体部分40のショルダ60がスロートホルダの端と係合する。この係合により、スロートホルダ32内への、すなわち図2で見た場合に右方向への、スロート12の移動の限度が定まる。
【0042】
リング76及び78は、弾性であり、且つスロート12とスロートホルダ32との間をシールするように変形する。リング76及び78はまた、スロートホルダ32と摩擦嵌合する。その結果、スロート12は、オーバーモールド部分70の摩擦嵌合により、特にリング76及び78により、スロートホルダ32内の所定の位置に取り外し可能に保持される。システム10の摩耗構成部品であるスロート12は、スロートホルダに対するリング76及び78の摩擦嵌合に打ち勝つのに十分な力で引き出すことにより、スロートホルダ32から取り外すことができる。リング76及び78により与えられるスロートホルダ32へのスロート12の摩擦嵌合により、スロートを洗浄及び交換するために分解することが容易になる。
【0043】
スロート12のオーバーモールド部分70と本体部分40との配色の違いにより、スロートはいくつかの利点を得る。まず、異なるスロート12に異なる色のオーバーモールド部分70を設けることにより、スロート12を識別することが可能である。例えば、本体部分40は同じ色のまま、低流量スロート12のオーバーモールド部分又はスリーブ70を、標準流量スロート12のオーバーモールド部分70とは異なる色にすることができる。これを行えば、スロート12が内径を除いて物理的に同一であっても、スリーブ70を一瞥しただけでサイズを示すことができる。このように色でスロート12を区別することは、内径の測定で区別するよりも正確且つ効率的である。
【0044】
スロート12の符号化により、摩耗部品が本出願人により製造されたものであることを示すこともできる。符号化により、システム10の摩耗構成部品の摩耗表示を提供することもできる。特に、好ましい一実施形態では、スロート12は、その長さの少なくとも一部に沿って、オーバーモールド部分70の領域が、多層構造である。流路48を流れる粉体との接触によりスロート12が摩耗すると、本体部分40の材料が内側から浸食される。その材料の浸食が十分になると、オーバーモールド部分70の内面74がスロート12の内側から見えるようになる。オーバーモールド部分70の色は本体部分40の色とは異なるため、これが起こると、スロート12が摩耗しているため交換すべきであることが容易に明らかとなる。オーバーモールド部分70から半径方向内方への本体部分40の肉厚は、スロート12を交換すべき時を示すように選択することができる。
【0045】
さらに、上述のようにスロート12を成形本体部分40及びオーバーモールド部分70とともに形成することにより、部品の数及びスロートを組み立てるのに必要な労働量が減る。例えば、図5は、上述のような従来技術のスロート90を示す。従来技術のスロート90は、別個のスナップリング92及び2つのOリング94を有する。本発明のスロート12では、スナップリング92は省かれ、スロートの本体部分40の残りの部分とワンピースとして成形されるショルダ60がスナップリング92の代わりとなる。Oリング94は省かれ、オーバーモールド部分70のリング76及び78がOリング94の代わりとなる。本発明の新たなワンピース設計は、ユーザ又はサービス員に大きな利点を与える。スロート部材を交換する場合、サービス員は、部品を交換するためにスロート部材に加えてOリング及びスナップリングを持つ必要がない。さらに、Oリング及びスナップリングをスロート部材に組み付けることは、これらの部品が小さくて掴みにくい場合にはサービス員によっては多少煩わしいプロセスであると感じられるが、このような組み付けの必要がない。さらに、Oリング及びスナップリングは、組み立て中に破損することが時々あり、予備のOリング及びスナップリングが手元にない場合、装置の整備がさらに複雑になる。さらに、従来技術のスロート90は2つのOリング及び1つのスナップリングを受け入れる必要があるため、通常は加工部品として設計され、これは通常、成形部品よりも高価である。
【0046】
図6は、図1のシステムの粉体スプレーガン22の概略図である。ガン22は本体96を含む。1つ又は複数の入口ホース98が、空気及び粉体をガンに供給する。空気及び粉体は、本発明により構成されるノズル100を通ってガン22から出る。
【0047】
ノズル100(図7)は、本体部分102及びオーバーモールド部分104を有する。ノズル100の本体部分102は、硬質材料から成形され、これはスロート12の本体部分40を作製する材料と同じであり得る。
【0048】
本体部分102は、スリット110を有するテーパ状の出口端108で終わる丸形の管状壁106を含み、スリット110から粉体被覆材料が噴霧される。壁106は、軸114を中心として、ノズル100の外径を画定する円筒状の外面112を有する。
【0049】
ノズル100の本体部分102は、入口部分116も含む。ノズル100の入口部分116は、軸114と平行に延びる円筒状の内面118及び外面120を有する円筒壁として形成される。外面120の直径は、本体部分102の外面112の直径よりも小さい。本体部分102の環状の第1のショルダ面122が、外面112と120との間に延びる。本体部分102の環状の第2のショルダ面124が、ノズル100の内側終端126付近の場所で入口壁116の外面120から半径方向外方へ延びる。
【0050】
その結果、凹部又は成形溝130は、ノズル100の第1のショルダ面122と第2のショルダ面124との間に形成される。成形溝130は、ノズル100の本体部分102の入口壁116の長さのほぼ全体に軸方向に延びる。成形溝130の深さは、所望に応じて選択することができる。図示の実施形態では、成形溝は、入口壁116の肉厚とほぼ等しい深さを有する。
【0051】
ノズル100のオーバーモールド部分104は、既知のオーバーモールドプロセスにより、本体部分102の成形溝130に成形される。オーバーモールド部分104は、ノズル100の本体部分102の入口壁116の周りに延びるスリーブとして形成される。オーバーモールド部分104は、円筒状の外面132及び円筒状の内面134を有し、これらはいずれも軸114と平行に延びる。オーバーモールド部分104の外面132は、本体部分102の外面112の直径よりも小さい直径を有する。
【0052】
ノズル100のオーバーモールド部分104は、本体部分102とは異なる材料から作製される。オーバーモールド部分104は、硬化すると本体部分102にしっかりと接着する成形可能な材料から作製され、且つエラストマーである。オーバーモールド部分104は、スロート12のオーバーモールド部分70と同じ材料から作製されることが好ましい。
【0053】
ノズル100のオーバーモールド部分104を作製する材料は、本体部分102の色とは異なる色であることが好ましい。色の違いは、ノズル100の2つの部分102及び104を互いに容易に区別することができるように選択されることが好ましい。
【0054】
オーバーモールド部分104は、2つの環状突出部又はリング140及び142を有するように形成される。リング140及び142は、一対のOリングの外側部分と似た形状にされ、ノズル100のオーバーモールド部分104の残りの部分とワンピースとして形成される。リング140及び142はそれぞれ、オーバーモールド部分104の外面から半径方向外方に突出する。リング140は弧状の外面144を有する。同様に、リング142は弧状の外面146を有する。
【0055】
さらに、オーバーモールド部分104は、環状の把持リング又はフランジ150を有するように形成される。リング150は、ノズル100の本体部分102の表面にあるショルダ面122に対して位置する。リング150は、外面132から半径方向外方に延びる。リング150は、本体部分102の外面112の外径と等しい外径を有する、円筒状の外面152を有する。
【0056】
ノズル100がガン本体96に挿入されると、ノズルのオーバーモールド部分104の把持リング150は、ガン本体の端と係合する。この係合により、ガン本体96内への、すなわち図6及び図7で見た場合に左方向への、ノズル100の移動の限度が定まる。
【0057】
リング140及び142は、弾性であり、且つノズル100とガン本体96との間をシールするように変形する。リング140及び142は、ガン本体96と摩擦嵌合する。その結果、ノズル100は、オーバーモールド部分104の摩擦嵌合により、特にリング140及び142により、ガン本体96内の所定の位置に保持される。システム10の摩耗構成部品であるノズル100は、ガン本体96に対するリング140及び142の摩擦嵌合に打ち勝つのに十分な力で引き出すことにより、ガン本体から取り外すことができる。リング140及び142により与えられるガン本体96へのノズル100の摩擦嵌合により、ノズルを洗浄及び交換するために分解することが容易になる。
【0058】
ノズル100がガン本体96とこのように組み立てられると、把持リング150はガン本体の外側に位置する。したがって、リング150の外面152は、ノズル100をガン本体96から取り外すのを補助するように手動で係合させることができる。把持リング150は、エラストマー材料から作製されるオーバーモールド部分104の一部であるため、把持リングは、ガン本体96からのノズル100の取り外しを補助するための、従来技術の設計で設けられるよりも優れた把持面を提供する。
【0059】
さらに、ノズル100は、その長さの、オーバーモールド部分104の領域に隣接した部分に沿って、多層構造である。内部を流れる粉体との接触によりノズル100が摩耗すると、本体部分102の材料が内側から浸食される。その材料の浸食が十分になると、オーバーモールド部分104がノズル100の内側から見えるようになる。オーバーモールド部分104の色は本体部分102の色とは異なるため、これが起こると、ノズル100が摩耗しているため交換すべきであることが容易に明らかとなる。オーバーモールド部分104から半径方向内方への本体部分の入口部分116の肉厚は、ノズル100を交換すべき時を示すように選択することができる。
【0060】
上述のようにノズル100を成形本体部分102及びオーバーモールド部分104とともに形成することにより、部品の数及びノズル160を組み立てるのに必要な労働量が減る。図8は、従来技術のノズル160の図である。従来技術のノズル160は、別個のOリング162を有する。本発明のノズル100では、Oリングは省かれ、オーバーモールド部分のリング140及び142がOリングの代わりとなる。マルチピースの摩耗部品組立体と比較した場合のシングルピースの交換可能な摩耗部品の利点は、シングルピースのベンチュリスロート摩耗部品に関して前述した利点と同じである。さらに、従来技術のノズル160は、通常は成形部品よりも製造費用が高いOリング用の2つの溝を含まなければならないため、加工プラスチック部品である。
【0061】
Oリング用の溝に加えて、従来技術のノズル160は外溝164を有し、これは比較的高価な加工プロセスによりノズルに形成されることにも留意されたい。ノズル160は硬質の滑らかな材料から作製されるため、溝164はノズルの把持及びガン本体からの取り外しを補助するために設けられる。上記のように、本発明では、オーバーモールド部分104の一部である把持リング150は、溝164の代わりとなり、ノズル100に溝164を形成する必要をなくす。
【0062】
本発明を粉体システムの摩耗部品に適用することができる方法のさらに別の例を説明するために、図9は、本発明により構成されるホースコネクタ200の断面図である。ホースコネクタは、システム10のスプレーガン22で使用可能である。
【0063】
ホースコネクタ200は、本体部分202及びオーバーモールド部分204を有する。ホースコネクタ200の本体部分202は、硬質材料から成形され、これはスロート12の本体部分40及びノズル100の本体部分102を作製する材料と同じ材料であり得る。
【0064】
本体部分202は、成形溝208が形成される拡径嵌合セクション206を有する。ホースコネクタ200のオーバーモールド部分204は、既知のオーバーモールドプロセスにより、本体部分202の成形溝208に成形される。オーバーモールド部分204は、円筒状の外面210及び円筒状の内面212を有するスリーブとして形成される。
【0065】
ホースコネクタ200のオーバーモールド部分204は、本体部分202とは異なる材料、好ましくはスロート12のオーバーモールド部分70及びノズル100のオーバーモールド部分104と同じエラストマー材料から作製される。ホースコネクタ200のオーバーモールド部分204を作製する材料は、本体部分202の色とは異なる色であることが好ましい。色の違いは、ホースコネクタ200の2つの部分202及び204を互いに容易に区別することができるように選択されることが好ましい。
【0066】
オーバーモールド部分204は、環状突出部又はリング216を有するように形成される。リング216は、Oリングの外側部分と似た形状にされ、ホースコネクタ200のオーバーモールド部分204の残りの部分とワンピースとして成形される。リング216は、オーバーモールド部分204の外面210から半径方向外方に突出する。リング216は弧状の外面218を有する。
【0067】
ホースコネクタ200がガン本体96に挿入されると、ホースコネクタのオーバーモールド部分204のリング216が、ホースコネクタとガン本体との間をシールするように変形する。リング216はまた、ガン本体96と摩擦嵌合する。その結果、ホースコネクタ200は、オーバーモールド部分204の摩擦嵌合により、特にリング216により、ガン本体96内の所定の位置に保持される。システム10の摩耗構成部品であるホースコネクタ200は、ガン本体96に対するリング216の摩擦嵌合に打ち勝つのに十分な力で引き出すことにより、ガン本体から取り外すことができる。リング216により与えられるガン本体96へのホースコネクタ200の摩擦嵌合により、ホースコネクタを洗浄及び交換するために分解することが容易になる。
【0068】
さらに、内部を流れる粉体との接触によりホースコネクタ200が摩耗すると、オーバーモールド部分204がホースコネクタの内側から見えるようになる。オーバーモールド部分204の色は本体部分202の色とは異なるため、ホースコネクタ200が摩耗しているため交換すべきであることが明らかとなる。オーバーモールド部分204から半径方向内方への本体部分202の肉厚は、ホースコネクタ200を交換すべき時を示すように選択することができる。
【0069】
上述のようにホースコネクタ200を成形本体部分202及びオーバーモールド部分204とともに形成することにより、部品の数及びホースコネクタを組み立てるのに必要な労働量が減る。図10は、従来技術のホースコネクタ220の図である。従来技術のホースコネクタ220は、別個のOリング222を有する。本発明のホースコネクタ200では、Oリングは省かれ、オーバーモールド部分204のリング216がOリングの代わりとなる。さらに、従来技術のホースコネクタ220は加工プラスチック部品であり、これは通常、成形部品よりも高価である。
【0070】
したがって、本発明の一態様が、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法であることは明らかなはずである。この方法は、ベース構成部品を設けるステップと、ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップとを含む。ベース構成部品及び第2の構成部品は、所望の符号化効果を与えるように異なる色であってもよい。第2の構成部品は、摩耗部品のエラストマー外側部分、特に摩耗部品上の1つ又は複数のエラストマー外側リングを提供することができる。第2の構成部品は、摩耗部品上の一体フランジを提供してもよい。
【0071】
本発明の別の態様は、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法である。この方法は、粉体被覆材料と最初に接触することが意図される第1の表面を有し、且つ反対側の第2の表面を有する第1の材料層を設けるステップと、第1の材料層の第2の表面と接触する第2の材料層を設けるステップであって、第2の材料層の材料は第1の材料層の材料とは異なる、第2の材料層を設けるステップとを含む。第2の材料層は、第1の材料層が粉体被覆材料との接触により摩滅すると見えるようになる。
【0072】
この方法では、第1の材料層及び第2の材料層は、上述の符号化目的のために、また第1の材料層の摩滅の表示を改善するために、異なる色であり得る。第2の材料層は、第1の材料層にオーバーモールドすることができ、また、摩耗部品のエラストマー外側部分、特に摩耗部品上の1つ又は複数のエラストマー外側リングを提供することができる。第2の材料層は、摩耗部品上の一体フランジを提供してもよい。
【0073】
本発明のさらなる態様は、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法である。この方法は、第1の材料を設けるステップと、第1の材料よりも比較的弾性がある第2の材料を設けるステップと、第1の材料を第2の材料に接合するステップであって、それにより、第2の材料の一部が摩耗部品の外面上に見えるように摩耗部品を形成する、接合するステップとを含む。この方法では、第2の材料層を設けるステップは、摩耗部品に1つ又は複数のエラストマー外側リングを設けることを含んでもよい。また、この方法では、第1の材料を設けるステップは、粉体被覆材料と最初に接触することが意図される第1の表面を有し、且つ反対側の第2の表面を有する第1の材料層を設けることを含んでもよく、接合するステップは、第1の材料層の第2の表面と接触する第2の材料の第2の材料層を設けることを含んでもよく、第2の材料層は、第1の材料層が粉体被覆材料との接触により摩滅すると見えるようになる。さらに、第1の材料を設けるステップは、第1の色の第1の材料を設けることを含んでもよく、第2の材料を設けるステップは、第1の色とは異なる第2の色の第2の材料を設けることを含んでもよい。
【0074】
3つの好ましい実施形態に関して本発明の種々の態様を説明してきたが、本発明が、製造業者の商標又は名称が記された予備部品を作製せずに予備部品の製造を識別することを可能にするための、視覚的に符号化された要素の使用等、多くの方法で予備部品設計を改良することは、当業者には明らかであろう。さらに、又は代替的に、視覚的に符号化された要素を用いて、部品の特徴を示すことができる。さらに、部品をシングルピース組立体として形成して、製造費用を低減する一方で、現場で予備部品を交換できる容易性を高めることができる。
【0075】
本発明の種々の好ましい実施形態に関する上記の説明から、本発明の教示を粉体被覆システムの他の摩耗構成部品に適用できること、また、好ましい実施形態で説明したものが本発明の教示を説明するために用いられる例にすぎないことを、当業者は理解するであろう。さらに、粉体被覆システムの摩耗部品の符号化は、現在好ましい実施形態ではオーバーモールドプロセスを用いて行われるが、オーバーモールド以外の方法を用いて、摩耗部品を符号化し、本発明の種々の利点のいくつか又は全てを得ることができることは、当業者には明らかであろう。例えば、オーバーモールドプロセスを用いる代わりに、以下の方法、すなわち、カラーバンドを受け入れるように加工又は他の方法で形成された凹部を有しても有さなくてもよい部品の外面に、カラーバンド又はストライプを収縮包装する方法、接着剤を用いて部品の外面にストライプ、バンド又は他のマーキングを施す方法、レーザマーキング、塗装、又は別の被覆プロセスを用いて、部品の外面にストライプ又は他のマーキングを施す方法、又は、部品の外面にリング又は他の受容領域を加工又は他の方法で形成し、その凹部にスナップリング又は他の要素を装着する方法で、符号化を行うことができる。他の技法を用いて、部品の外面に符号化した視覚的要素を提供することもできる。本発明の符号化態様に加えて、交換部品を成形部品等のシングルピース部品として形成するという概念により、一体形成される弾性リング及び/又は一体形成されるフランジを部品の外面に組み込んで、Oリング及びスナップリングの代わりにすると同時に、Oリング又はスナップリングを受け入れる溝を部品の外面に加工又は形成する必要をなくすことができる。本発明の別の態様は、2つの材料から摩耗部品を構成することにより、粉体と最初に接触する材料が摩滅すると、第2の材料が露出されて所定の摩耗度を示すようにすることである。本発明のこれら最後の2つの態様は、視覚的に符号化された要素を有する摩耗部品だけでなく、視覚的に符号化された要素を有さない単色の摩耗部品にも適用される。したがって、本発明の種々の変更形態が当業者には明らかとなるであろうが、これらの変更は添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明によるベンチュリスロートとともに示すポンプを含む、粉体被覆システムの概略図である。
【図2】スロートホルダ内に示す、図1のスロートの拡大断面図である。
【図3】図1のスロートのさらなる拡大断面図である。
【図4】図3のスロートの立面図である。
【図5】スロートホルダ内に示す従来技術のベンチュリスロートの、図2と同様の断面図である。
【図6】本発明により構成されるノズルを含む、図1のシステムの一部を形成する粉体スプレーガンの概略図である。
【図7】図6のノズルの断面図である。
【図8】従来技術のノズルの、図7と同様の断面図である。
【図9】本発明により構成されるホースコネクタの断面図である。
【図10】従来技術のホースコネクタの、図9と同様の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの異なる材料から成形される、粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項2】
ノズル又はスロート又はホースコネクタである、請求項1に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項3】
第1の材料から成形される本体部分と、前記第1の材料とは異なる第2の材料から成形される二次部分とを有する、請求項1に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項4】
前記二次部分は、エラストマーであり、且つ前記摩耗部品を装着することができる被覆システム装置に前記摩耗部品を摩擦嵌合させる形状にされる、請求項3に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項5】
前記二次部分は、一対のOリングとして形成される、請求項3に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項6】
前記二次部分は、前記摩耗部品の前記本体部分とは異なる色である、請求項3に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項7】
前記二次部分は、エラストマーであり、且つ前記摩耗部品を装着することができる被覆システム装置に前記摩耗部品を摩擦嵌合させる形状にされる、請求項6に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項8】
前記二次部分は、前記摩耗部品を装着することができる被覆システム装置において前記摩耗部品の長手方向位置を定めるためのショルダを含む、請求項3に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項9】
スロートであり、前記二次部分は、スロートホルダに前記摩耗部品を摩擦嵌合させるエラストマー材料から成り、前記スロートの前記本体部分は、前記スロートホルダにおいて前記スロートの長手方向位置を定めるためのショルダを形成する、請求項3に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項10】
前記摩耗部品の前記二次部分は、前記摩耗部品の前記本体部分とは異なる色である、請求項9に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項11】
ガン本体に嵌合するノズルであり、前記二次部分は、前記ガン本体内に配置されて該ガン本体に前記摩耗部品を摩擦嵌合させる第1のセクションと、前記ガン本体の外側にある、前記ノズルの把持面を提供する第2のセクションとを有するエラストマー材料から成る、請求項3に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項12】
前記ノズルの前記二次部分は、前記ノズルの前記本体部分とは異なる色である、請求項11に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項13】
ホースコネクタであり、前記二次部分は、ガン本体に前記ホースコネクタを摩擦嵌合させるエラストマー材料から成る、請求項3に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項14】
粉体被覆システムの摩耗部品であって、粉体用の流路を部分的に画定する第1の壁部分を有し、前記第1の壁部分は、第1の材料層及び第2の材料層を含む、粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項15】
前記第1の材料層及び前記第2の材料層は異なる色である、請求項14に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項16】
前記第1の材料層は、前記第2の材料層よりも広範囲に延びて、第2の壁部分を形成し、前記第2の壁部分は、前記第1の材料層のみからできており、前記第1の壁部分の前記第1の材料層は、前記第2の壁部分の前記第1の材料層よりも薄い、請求項14に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項17】
前記第2の材料層は、前記摩耗部品の前記第1の壁部分の前記第1の材料層の上にあり、それにより、前記第1の壁部分の前記第1の材料層が十分に摩耗すると、前記第2の材料層が前記流路から見えるようになる、請求項15に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項18】
前記第2の材料層は、前記摩耗部品を装着することができる被覆システム装置に該摩耗部品を摩擦嵌合させるエラストマー材料から成る、請求項15に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項19】
少なくとも1つのプラスチック材料から成形される、粉体被覆システムの成形摩耗部品であって、エラストマーであり、且つ該成形摩耗部品を装着することができる被覆システム装置に該成形摩耗部品を摩擦嵌合させる形状にされる部分を有する、粉体被覆システムの成形摩耗部品。
【請求項20】
第1の材料から成形される本体部分と、前記第1の材料とは異なる第2の材料から前記本体部分にオーバーモールドされる二次部分とを有する、請求項19に記載の粉体被覆システムの成形摩耗部品。
【請求項21】
前記本体部分及び前記オーバーモールド部分の一方は、前記成形摩耗部品を装着することができる被覆システム装置において前記成形摩耗部品の長手方向位置を定めるためのショルダを含む、請求項19に記載の粉体被覆システムの成形摩耗部品。
【請求項22】
粉体被覆材料スプレーガンのノズルであって、前記ガンから該ノズルを取り外すための把持面を形成する、該ノズルの外面の比較的より弾性がある部分を有する、粉体被覆材料スプレーガンのノズル。
【請求項23】
前記ノズルの外面の比較的より弾性がある部分は、前記ガン本体内に部分的に受け入れられ、エラストマーであり、且つ前記ガン本体に前記ノズルを摩擦嵌合させる形状にされる部分を含む、前記ノズルの成形部分である、請求項22に記載の粉体被覆材料スプレーガンのノズル。
【請求項24】
前記成形部分は、ノズル本体のオーバーモールド部分である、請求項22に記載の粉体被覆材料スプレーガンのノズル。
【請求項25】
前記オーバーモールド部分は、前記ノズル本体とは異なる色である、請求項22に記載の粉体被覆材料スプレーガンのノズル。
【請求項26】
粉体被覆システムの摩耗構成部品であって、粉体被覆材料が接触し、該粉体被覆材料が前記粉体被覆システム内を流れると前記粉体被覆材料により摩滅され、外面を有し、前記外面は符号化した視覚的要素を含む、粉体被覆システムの摩耗構成部品。
【請求項27】
前記符号化した視覚的要素は、前記摩耗構成部品の製造業者の表示を提供する、請求項26に記載の粉体被覆システムの摩耗構成部品。
【請求項28】
前記符号化した視覚的要素は、前記摩耗構成部品の特徴の表示を提供する、請求項26に記載の粉体被覆システムの摩耗構成部品。
【請求項29】
前記符号化した視覚的要素は、第1の色の第1の部分及び第2の色の第2の部分を有するように前記摩耗構成部品を構成することを含む、請求項26に記載の粉体被覆システムの摩耗構成部品。
【請求項30】
粉体被覆ガンのスプレーノズルである、請求項26に記載の粉体被覆システムの摩耗構成部品。
【請求項31】
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一方は成形される、請求項29に記載の粉体被覆システムの摩耗構成部品。
【請求項32】
前記第1の部分は成形構成部品であり、前記第2の部分はオーバーモールド構成部品である、請求項31に記載の粉体被覆システムの摩耗構成部品。
【請求項33】
粉体被覆材料を搬送するポンプの構成部品であって、前記粉体被覆材料が前記ポンプ内を流れると前記粉体被覆材料が接触し、外面を有し、前記外面は符号化した視覚的要素を有する、粉体被覆材料を搬送するポンプの構成部品。
【請求項34】
前記符号化した視覚的要素は、前記構成部品の製造業者の表示を提供する、請求項33に記載の粉体被覆材料を搬送するポンプの構成部品。
【請求項35】
前記符号化した視覚的要素は、前記耗構成部品の特徴の表示を提供する、請求項33に記載の粉体被覆材料を搬送するポンプの構成部品。
【請求項36】
前記符号化した視覚的要素は、第1の色の第1の部分及び第2の色の第2の部分を有するように前記構成部品を構成することを含む、請求項33に記載の粉体被覆材料を搬送するポンプの構成部品。
【請求項37】
粉体ポンプのベンチュリスロートである、請求項33に記載の粉体被覆材料を搬送するポンプの構成部品。
【請求項38】
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一方は成形される、請求項36に記載の粉体被覆材料を搬送するポンプの構成部品。
【請求項39】
前記第1の部分は成形構成部品であり、前記第2の部分はオーバーモールド構成部品である、請求項36に記載の粉体被覆材料を搬送するポンプの構成部品。
【請求項40】
粉体被覆システムの摩耗部品であって、一体形成される弾性リングを外面に有するシングルピース構成部品として構成される、粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項41】
一体形成されるフランジをさらに備える、請求項40に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項42】
外面に形成される視覚的に符号化された要素をさらに備える、請求項40に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項43】
前記視覚的に符号化された要素は、前記摩耗部品の製造業者を特定する情報の表示を提供する、請求項40に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項44】
前記視覚的に符号化された要素は、前記摩耗部品の特徴に関する情報を提供する、請求項40に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項45】
2つの異なる材料から構成されるオーバーモールド部品を備える、請求項40に記載の粉体被覆システムの摩耗部品。
【請求項46】
粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法であって、
ベース構成部品を設けるステップと、
該ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップと
を含む、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項47】
前記ベース構成部品を設けるステップは、第1の色のベース構成部品を設けることを含み、前記ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップは、前記第1の色とは異なる第2の色の第2の構成部品をオーバーモールドすることを含む、請求項46に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項48】
前記ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップは、前記摩耗部品のエラストマー外側部分を設けることを含む、請求項47に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項49】
前記ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップは、前記摩耗部品上の1つ又は複数のエラストマー外側リングを設けることを含む、請求項48に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項50】
前記ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップは、前記摩耗部品上に一体フランジを設けることを含む、請求項46に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項51】
前記ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップは、前記摩耗部品のエラストマー外側部分を設けることを含む、請求項46に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項52】
前記ベース構成部品に第2の構成部品をオーバーモールドするステップは、前記摩耗部品上の1つ又は複数のエラストマー外側リングを設けること、及び前記摩耗部品上の一体フランジを設けることを含む、請求項51に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項53】
粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法であって、
粉体被覆材料と最初に接触することが意図される第1の表面を有し、且つ反対側の第2の表面を有する第1の材料層を設けるステップと、
前記第1の材料層の前記第2の表面と接触する第2の材料層を設けるステップであって、前記第2の材料層の材料は前記第1の材料層の材料とは異なる、第2の材料層を設けるステップと
を含み、前記第2の材料層は、前記第1の材料層が粉体被覆材料との接触により摩滅すると見えるようになる、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項54】
前記第1の材料層を設けるステップは、第1の色の第1の材料層を設けることを含み、前記第2の材料層を設けるステップは、前記第1の色とは異なる第2の色の第2の材料層を設けることを含む、請求項53に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項55】
前記第2の材料層を設けるステップは、前記第1の材料層に前記第2の材料層をオーバーモールドすることを含む、請求項53に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項56】
前記第2の材料層を設けるステップは、前記摩耗部品のエラストマー外側部分を設けることを含む、請求項53に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項57】
前記第2の材料層を設けるステップは、前記摩耗部品上の1つ又は複数のエラストマー外側リングを設けることを含む、請求項56に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項58】
前記第2の材料層を設けるステップは、前記摩耗部品上の一体フランジを設けることを含む、請求項56に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項59】
粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法であって、
第1の材料を設けるステップと、
該第1の材料よりも比較的弾性がある第2の材料を設けるステップと、
前記第1の材料を前記第2の材料に接合するステップであって、それにより、前記第2の材料の一部が前記摩耗部品の外面上に見えるように該摩耗部品を形成する、接合するステップと
を含む、粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項60】
前記第2の材料層を設けるステップは、前記摩耗部品上の1つ又は複数のエラストマー外側リングを設けることを含む、請求項59に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項61】
前記第1の材料を設けるステップは、粉体被覆材料と最初に接触することが意図される第1の表面を有し、且つ反対側の第2の表面を有する第1の材料層を設けることを含み、前記接合するステップは、前記第1の材料層の前記第2の表面と接触する前記第2の材料の第2の材料層を設けることを含み、前記第2の材料層は、前記第1の材料層が粉体被覆材料との接触により摩滅すると見えるようになる、請求項59に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。
【請求項62】
前記第1の材料を設けるステップは、第1の色の第1の材料を設けることを含み、前記第2の材料を設けるステップは、前記第1の色とは異なる第2の色の第2の材料を設けることを含む、請求項59に記載の粉体被覆システムの摩耗部品を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−501710(P2007−501710A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533601(P2006−533601)
【出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/018104
【国際公開番号】WO2004/110646
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】