説明

粉末状化粧料

【課題】
白浮きせず、適度でかつ均一なツヤ感を有し、肌なじみの良好な使用感を発揮し、しかもソフトフォーカス効果を有する粉末状化粧料を提供する。
【解決手段】
(A)アスペクト比が100以上でかつ平均粒子径10〜100μmのマイカと、(B)平均粒子径1〜15μmの真珠光沢顔料を含有する、粉末状化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトフォーカス効果を発揮し、白浮きせず、適度でかつ均一なツヤ感を有し、肌なじみの良好な粉末状化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末状化粧料である粉おしろいは、タルクなどの粉体を主成分として、主として乳化ファンデーションや油性ファンデーションの上に塗布して、“あぶらびかり”やベタツキを押さえて、マットで透明感のある肌色を演出したり、汗や皮脂を押さえて化粧持ちを良くする目的で使用されている。(非特許文献1)
【0003】
そこで滑らかで均一な伸び、広がりを付与するために、アスペクト比が150〜250のマイカを用いた粉末状化粧料(特許文献1参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】光井武夫編「新化粧品学第2版」 405頁、2001年1月18日、株式会社南山堂発行
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−13438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、高アスペクト比の粉体を用いた場合、ツヤがありすぎ、手かった印象の仕上がりになる問題点があった。そこで、本発明においては白浮きせず、適度でかつ均一なツヤ感を有し、肌なじみの良好な使用感を発揮し、しかもソフトフォーカス効果を有する粉末状化粧料を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、(A)アスペクト比が100以上でかつ平均粒子径10〜100μmのマイカと、(B)平均粒子径1〜15μmの真珠光沢顔料を含有する、粉末状化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の粉末状化粧料はソフトフォーカス効果を発揮し、白浮きせず、適度でかつ均一なツヤ感を有し、肌なじみの良好な使用感を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1及び比較例1〜3のソフトフォーカス効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を実施するための形態を説明するが、本明細書中で平均粒子径はレーザー回析式粒度分布測定により測定した値で示す。
【0011】
本発明の粉末状化粧料は、(A)アスペクト比が100以上でかつ平均粒子径10〜100μmのマイカと、(B)平均粒子径1〜15μmの真珠光沢顔料を必須成分として含有する。
【0012】
(A)のアスペクト比が100以上でかつ平均粒子径10〜100μmのマイカとしては、化粧料に配合しうるものであれば特に限定されない。市販品の例として、山口雲母工業所社製マイカFA−450、同NCF−322、同TM−10、同TM−20等が挙げられる。マイカのアスペクト比が100未満の場合、肌なじみ、きしみ感、ツヤ感、白浮き、ソフトフォーカス効果のいずれの効果も発揮しなくなる場合がある。かかるマイカの配合量は、粉末状化粧料全量に対し10〜99質量%が好ましく、さらには20〜99質量%がより好ましい。
【0013】
(B)の平均粒子径1〜15μmの真珠光沢顔料としては、化粧料に配合しうるものであれば特に限定されない。真珠光沢顔料は、真珠光沢を有する通常の雲母チタンの他に、酸化スズ被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、黒酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄・黒酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン処理雲母チタン、コンジョウ処理雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ処理雲母チタン、酸化クロム処理雲母チタン、黒酸化チタン処理雲母チタン、アクリル樹脂被覆アルミニウム末(色材を含有してもよい)、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等を使用することができる。市販品の例として、Flamenco Satin Pearl(BASF社製)、Timiron Super Silk(Merck社製)、PRESTIGE Silver Pigments soft silver(ECKART社製)などが挙げられる。真珠光沢顔料の平均粒子径が15μmを超えると、ソフトフォーカス効果が得られなくなる。かかる真珠光沢顔料の配合量は、粉末状化粧料全量に対し、0.1〜5質量%が好ましい。5質量%を超えて配合すると、白浮きや、過剰なツヤの原因となる場合がある
【0014】
また、これら成分(A)、(B)の粉体は、前記感触を損ねない範囲で、例えば、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等による処理等、通常公知の方法で表面処理されているものを用いても良い。
【0015】
本発明の粉末状化粧料には、上記必須成分のほかに、通常化粧料に用いられる成分として、例えば成分(A)、(B)以外の粉体、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、抗炎症剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、着色剤、美容剤、制汗剤等を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
【0016】
本発明の粉末状化粧料の製造方法は、特に限定されるものではなく、高速混合機で混合後、アトマイザーなどの粉砕処理後、篩過して製品として成型する。
【0017】
本発明の粉末状化粧料の具体例としては白粉、デオドラントパウダー、パヒュームパウダー、ボディパウダー等が挙げられる。これらの中でも、白粉が本発明の効果が顕著に発揮されるため好ましい。
【実施例】
【0018】
以下に本発明を実施例を用いて説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0019】
表1に示した処方にて、粉末状化粧料を定法により調製し、使用感の評価を行った。
【0020】
【表1】

【0021】
使用感評価基準
ベースのテカリ:抑える ○、抑えない ×
白浮き :しない ○、する ×
ツヤ感:ありすぎる ◎、ある ○、適度 △、ない ×
ソフトフォーカス効果:ある ○、ない×
【0022】
ソフトフォーカス効果の測定
表1に示した実施例1及び比較例1〜3を用いてソフトフォーカス効果の測定を行った。測定は変角測色計(日本電色工業株式会社製、工学部GC,計測部シグマ90)を用い、投光角45°、受光角−70°〜70°の条件で測定した。
【0023】
図1に示した通り、本発明の実施例1は、比較例より−40°〜20°の反射強度が高く、35°〜60°にある正反射光が低く、高いソフトフォーカス効果を示していた。
【0024】
表1に示したとおり使用感的には、実施例1は、肌なじみきしみ感が良好で、適度なツヤ感を有し、白浮きしないという良好な使用感であった。これに対し、アスペクト比の低いマイカを配合した比較例1,2においては全ての評価項目において良好な結果が得られなかった。また平均粒子径の大きい真珠光沢顔料を配合した比較例3は、ツヤ感がありすぎ、ソフトフォーカス効果も認められなかった。
【0025】
実施例2
マイカ(注2) 80.0(質量%)
タルク 17.0
真珠光沢顔料(注4) 2.0
ジメチコン 1.0
(注4)Flamenco satin Pearl(BASF社製)粒子径3−12μm
【0026】
実施例3
マイカ(注2) 50.0(質量%)
タルク 48.0
真珠光沢顔料(注5) 1.0
ジメチコン 1.0
(注5)Timiron Super Silk(Merck社製)粒子経5−10μm

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アスペクト比が100以上でかつ平均粒子径10〜100μmのマイカと、(B)平均粒子径1〜15μmの真珠光沢顔料を含有する、粉末状化粧料。

【図1】
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【公開番号】特開2011−105673(P2011−105673A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264261(P2009−264261)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】