説明

粉砕された堅果の殻を用いたハニカム製造方法および該方法により生成されたハニカム体

無機原材料、堅果の殻を含む気孔形成剤、および成形助剤を混合して、可塑化されたバッチを形成するステップであって、上記堅果の殻からなる気孔形成剤は、20μm≦dp50≦70μmの粒子サイズ分布を有するものであるステップ、および上記可塑化されたバッチを、交差する壁によって形成された複数のチャンネルを有するハニカム体に形成するステップを含む、ハニカム体の製造方法が開示されている。この方法で形成された未焼成ハニカムおよび多孔質セラミック・ハニカムも開示されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本願は、「粉砕された堅果の殻を用いたハニカム製造方法および該方法により生成されたハニカム体」と題して、2008年2月29日付けで提出された米国仮特許出願第61/067614号の優先権を主張した出願である。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ハニカム体およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
近年、それらの固有の燃料効率の良さおよび耐久性により、ディーゼルエンジンに対しより多くの関心が寄せられている。ディーゼル排気を高度の排気規格に適合するようにコントロールするために、ディーゼルエンジン製造業者およびエミッション・コントロール関連会社は、システムおよび部品を改良して、厳しいエミッション要求仕様を達成している。エミッション・コントロールの一つの態様は、排気流中に存在する微粒子のレベルのコントロールを含む。例えばディーゼル微粒子は、主として炭素煤からなる。このような炭素煤をディーゼル排気から除去するための有効な一つの方法は、ディーゼル・フィルタ、またはディーゼル酸化触媒(DOC)とディーゼル・フィルタとの組合せを使用することである。最も広く使用されているディーゼル・フィルタは、セラミックからなる多孔質の壁の表面および内部で上記煤を捕捉することによってディーゼル排気を濾過する多孔質セラミック・ディーゼル微粒子フィルタ(「壁流通式フィルタ」と呼ばれることもある)である。このディーゼル微粒子フィルタは、排気流をそれ程妨げることなく、すなわち、大きな望ましくない背圧を発生させることなく、煤の濾過を行なうように構成されている。
【0004】
一般に、このようなDOCを備えたディーゼル微粒子フィルタは、1個のハニカム構造体内に配置されたほぼ平行な複数のセルチャンネルを形成する多孔質セラミックからなる壁構造を備えている。このフィルタの場合、少なくとも一部のセルチャンネルには、それらの長さ方向に沿って栓が施され、これにより、エンジンの排気ガスの少なくとも一部が強制的にフィルタの多孔質の壁を通らされる。このようなフィルタは、それらの表面上に、酸化触媒またはNOx触媒等の触媒被膜を随意的にさらに備えていてもよい。種々の微粒子フィルタが特許文献1〜5に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,329,162号明細書
【特許文献2】米国特許第4,390,355号明細書
【特許文献3】米国特許第4,416,676号明細書
【特許文献4】米国特許第4,509,966号明細書
【特許文献5】米国特許第4,840,827号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、種々の用途に関して、このようなDOCを備えたハニカムフィルタは、直径が13インチ(33cm)以上と比較的大型に形成されている。これに加えて、背圧を低下させかつ触媒被膜の付加を可能にするために、全気孔率が45%以上と比較的高い全気孔率をフィルタが示すことが望ましい。一般的に、このような高い気孔率を形成するためには、多量の気孔形成剤材料が使用されなければならない。その結果、このようなDOCを備えたハニカム・セラミックフィルタの製造に付随する大きな問題は、多量の気孔形成剤に起因する、乾燥および/または焼成時にひび割れを生じることである。したがって、製造時におけるひび割れを軽減した、比較的大きい気孔率を有するハニカム体、特に大型の多孔質セラミック・ハニカム体を得るための著しい前進が検討されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態によれば、そして第1の態様においては、ハニカム体の製造方法が提供され、この方法は、無機原材料、堅果の殻からなる気孔形成剤、および成形助剤を混合して、可塑化されたバッチを形成するステップであって、上記堅果の殻からなる気孔形成剤は、20μm≦dp50≦70μmの粒子サイズ分布を有する堅果の殻を含み、ここでdp50は、粒子容積の50%が、より小さい粒径中央値であるステップ、および上記可塑化されたバッチを、押出し成形等により、交差する壁によって形成された複数のチャンネルを有するハニカム体に形成するステップを含む。さらなる実施の形態によれば、上記堅果の殻が、dp10≧10μmの粒子サイズ分布を示し、ここでdp10は、粒子容積の10%が、より小さい粒径を有する粒径である。
【0008】
例えば粒子サイズ分布の粒子サイズの管理された中央値および/または小さい粒子区分を提供するというような、上述のように粒子サイズ分布を管理するように処理された堅果の殻を利用することは、多くの利点を含んでいる。特に、このような粒子サイズを管理された堅果の殻を用いることによって、処理上の多く利点が実現されることが可能である。例えば、高い気孔率を有する多孔質セラミック・ハニカムを製造する場合等に、大きい容積パーセンテージを有する堅果の殻からなる気孔形成剤が用いられる場合、特に比較可能な量の澱粉またはグラファイトの気孔形成剤と比較して、乾燥時および/または焼成時のひび割れが実質的に減少する。さらに、このような堅果の殻からなる気孔形成剤の使用は、形状保持特性の改善および収縮の軽減を提供し、したがって、押出し成形されたハニカム体の原型をより良好に保つことができる。この特徴は、周縁輪郭寸法の管理が大きな課題である、大型の重いハニカム体の製造に関して極めて望ましい点である。それに加えて、このような堅果の殻からなる気孔形成剤を使用すると、亀裂およびその他の外皮の欠陥を減らすことによって、外皮の品質を向上させることができる。さらに、堅果の殻からなる気孔形成剤の粒子サイズ分布の小さい粒子区分を管理すると、収縮の変化のみでなく、収縮をさらに減らすことができる。これに加えて、小さい粒子区分の管理を伴った堅果の殻からなる気孔形成剤の使用は、生成されたセラミック・ハニカム体の比較的狭い気孔サイズ分布を可能にする。
【0009】
さらに明白にするために、粒子サイズを管理された胡桃の殻、ペカンの殻等は、気孔形成剤として、ひび割れの発生率が極めて低い比較的大型のハニカム体(例えば、75平方インチ(503cm)よりも大きい前面面積、すなわち閉塞された前面面積プラス開放されている前面面積)の製造に用いることができることが発見された。堅果の殻からなる気孔形成剤は、無機材料源の重量を100%として、5重量%から80重量%までの間、または、例えば20〜50重量%の量が含まれていればよい。
【0010】
本発明のさらなる実施の形態によれば、交差する壁から形成された複数のセルチャンネルを備えた未焼成体(水分を含むまたは乾かされた)等のハニカム体が提供され、これらの壁は、マグネシア源、チタニア源、アルミナ源、シリカ源またはそれらの組合せからなる群から選ばれた無機材料と、堅果の殻からなる気孔形成剤と、可塑化されたバッチを形成するための成形助剤との混合物から形成され、その場合、堅果の殻からなる気孔形成剤は、20μm≦dp50≦70μmの粒子サイズ分布を有し、ここで、dp50は、粒径の中央値であり、粒子容積の50%が、より小さい粒径を有する。上記成形助剤は、水等の液状ビヒクル、および/または、例えばメチルセルロース等のセルロース材料を含む。これに加えて、堅果の殻からなる気孔形成剤は、随意的に、または付加的にdp10≦10μmを含み、ここでdp10は、粒子容積の10%が、より小さい粒径を有する。
【0011】
本発明の方法を使用することによって生成される多孔質セラミック・ハニカム体は、複数の気孔を備えたセラミック材料と、d≦1.10の気孔サイズ分布とを含む多孔質の相互連結されたセル壁を備えており、ここで、d=(d90−d10)/d50である。いくつかの実施の形態においては、d≦1.00、d≦0.90またはd≦0.80が示されている。ここで用いられているd10は、気孔容積の10%が、より小さい気孔径を有し、d50は、気孔径の中央値であり、気孔容積の50%が、より小さい気孔径を有し、かつd90は、気孔容積の90%が、より小さい気孔径を有する(水銀ポロシメータで測定した場合)。
【0012】
最も好ましい実施の形態においては、比較的大きく生成されたセラミック・ハニカムの壁全体の気孔率(%P)は、%P≧45%、%P≧50%、%P≧55%、または%P≧60%によって特徴付けられる。さらに、このようなセラミック・ハニカムの実施の形態は、壁の気孔サイズ分布のサイズの小さい部分がd≦0.5の比較的狭い気孔径を有し、ここで、d=(d50−d10)/d50ならびにd10およびd50は上述に説明されている。いくつかの実施の形態においては、非常に狭い小さいサイズ部分が提供され、その場合、d≦0.40、d≦0.35、d≦0.30、またはd≦0.25である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態によるハニカム体を示す斜視図である。
【図2】本発明のさらなる実施の形態による多孔質セラミック・ハニカム体を示す斜視図である。
【図3】本発明の態様による、種々の堅果の殻からなる気孔形成剤に関する粒径に対する分布(%)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の態様によれば、本発明は、特にこのようなハニカムが大型である場合に、処理時におけるこのようなハニカカムの改良された乾燥を可能にしたことを一つの利点とする、施栓された壁流通式フィルタまたは流通基体等の多孔質セラミック・ハニカム体の製造方法に関する。これに加えて、この方法は、典型的な実施の形態によって示されているように、小さい気孔区分(≦d50)に関しても、全体の気孔区分に関しても、比較的狭い気孔サイズ分布を有する多孔質セラミック・ハニカム体を生成させる。好ましい実施の形態においては、この方法は、%P≧45%、%P≧50%、%P≧55%、さらには%P≧60%もの高い全気孔率(%P)を有する。この%P範囲を有する壁流通式フィルタは、例えば排気流からの煤等の微粒子を濾過するために有用である。狭い気孔サイズ分布を有する壁を備えたこのような比較的高い気孔率を有するハニカムは、触媒付きフィルタ、ディーゼル酸化触媒、あるいはNOx触媒またはSCR触媒等のウォッシュコートおよび/または触媒を壁が備えている場合に特に有用である。
【0015】
管理された粒子サイズを有する堅果の殻からなる気孔形成剤を用いたこの方法は、コージェライトおよびチタン酸アルミニウムからなる群から選ばれた相を有する材料等の酸化物を主成分とする多孔質セラミック・ハニカム体の製造に対して卓越した適応性を有することをも認識すべきである。これらの材料の例は下記に記載されている。しかしながら、この方法は、炭化珪素、窒化珪素、NZP,ムライト、ゼオライト、βリシア輝石、アルミナ、チタン酸マグネシウム・アルミニウム等の他のセラミック材料形式を有するハニカムの製造に対しても適応性を有することも認識すべきである。
【0016】
焼成されたハニカム体の多孔質のセル壁に関する気孔サイズ分布が比較的狭いことが以下に詳細に説明されている。気孔分布の粗い区分(d50を超える)の狭い気孔分布は比較的大きい気孔のパーセンテージを減らすことによって初期の濾過効率を改善する。同様に、ハニカム体の強度をも改善する。小さい気孔区分(≦d50)を管理することは、ハニカムフィルタ体における全体の背圧を低下させることに関して効果があるdファクタ(d)を改善するのみでないことが判明している。したがって、本発明の別の広い態様によれば、セラミック・ハニカム体の気孔サイズ分布の全体の幅(d)は、堅果の殻からなる気孔形成剤の使用によって比較的狭く制御される。これは、澱粉等の他の気孔形成剤の使用に伴うひび割れに関する傾向を克服または緩和する。ここで用いられている気孔分布幅dは、セラミック・ハニカムの多孔質の壁の気孔サイズ分布の全体の幅の尺度、すなわち、ハニカム壁の気孔サイズ分布の全体の狭さである。全体の幅dは、下記の関係式で与えられる。すなわち、
=(d90−d10)/d50
ここで、d10は、気孔容積の10%がより小さい気孔径を有する気孔径であり、
50は、気孔容積の50%がより小さい気孔径を有する気孔径中央値であり、
90は、気孔容積の90%がより小さい気孔径を有する気孔径である。
【0017】
さらに詳細に説明すると、下記の表3において、比較的狭い幅dを得るコージェライトを含むいくつかの実施の形態が開示されている。特に、ここに記載されている種々の実施例によってd≦1.50が達成されている。いくつかの実施の形態は、d≦1.0、d≦0.90、さらにはd≦0.80もの狭い幅を達成している。
【0018】
本発明の別の広い態様においては、焼成されたハニカムの気孔サイズ分布の小さい気孔区分(d50以下の分布部分)さえも比較的狭く管理することができる。ここで用いられているように、dは、気孔サイズ分布の、より小さい気孔サイズ部分(d50よりも小さい)の比較的狭さを特徴付ける尺度である。ここで、dは下記の等式で与えられる。すなわち、
=(d50−d10)/d50
ここで、d10およびd50は上述の通り。
【0019】
ここに記載されているコージェライト相を含む多くの実施の形態は、d≦0.35を示している。このような狭い気孔サイズ分布は、この材料が微粒子フィルタ(被膜有りおよび無し)における壁を形成するために用いられた場合に、全体の圧力低下を小さくする。具体的フィルタが図2に示され、かつ説明されている。本発明のさらに別の実施の形態は、d≦0.30、d≦0.25、またはd≦0.22さえも示している。
【0020】
さらに、上述の処理効果の少なくともいくつかを維持しながら、セラミック・ハニカムの多孔質のセル壁を形成する酸化物を主成分とする多孔質材料の気孔径の中央値(d50)は、10μmと30μmとの間、10μmと25μmとの間、または10μmと20μmとの間に管理される。
【0021】
表2および表3に示されているような本発明の典型的な実施の形態によれば、図1および図2のハニカム体の壁は、MgAlSi18の理論式を有するコージェライトを主として含む酸化物を主成分とする材料から製造される。別の典型的な実施の形態においては、図1および図2のハニカム体の壁が、表4および表5に示されているように、主としてチタン酸アルミニウムを含んでいる。
【0022】
酸化物を主成分とする材料が主としてコージェライト相を含む場合には、Mg(マグネシウム)の代わりにFe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、およびMn(マンガン)、Al(アルミニウム)の代わりにGa(ガリウム)、Si(珪素)の代わりにGe(ゲルマニウム)のいうように、他の成分への限られた置換が可能であることを理解すべきである。さらに、コージェライト相は、54個の酸素につき、アルカリ金属(IA族)の3個の原子、アルカリ土類金属(IIA族)の2個の原子、または稀土類金属(スカンジウム、イットリウム、またはランタニド金属)の1個の原子を含んでいてもよい。
【0023】
このようなコージェライトを含む材料の種々の実施例のバッチ組成および特性が下記の表3および表4に記載されている。特に、本発明により生成されたコージェライト・セラミック・ハニカムに関する気孔サイズ分布は、d10≧9μm、d10≧10μm、またはd10≧12μmを有する気孔構造を備えることができる。さらにこの気孔構造は、d90≦50μm、d90≦40μm、またはd90≦30μmのように管理されることができる。これらのハニカムに関する気孔径の中央値d50は、10μm≦d50≦30μm、10μm≦d50≦25μm、または≦d50≦20μmである。
【0024】
表3に報告されているように、本発明のコージェライト・ハニカムは、膨張計によって測定されたときに、25℃から800℃までの少なくとも一方向において、CTE≦25×10−7/℃、CTE≦20×10−7/℃、またはCTE≦15×10−7/℃の熱膨張係数(CTE)の平均値を示すであろう。
【0025】
本発明の典型的なコージェライト・ハニカムは、下記の特性の組合せを有するコージェライト・セラミック・ハニカムである。すなわち、
%P≧45%
MPD≧10μm
≦0.6 ここでd=(d50−d10)/d50
CTE≦25×10−7/℃(25℃から800℃まで)
より詳細には、本発明の典型的なコージェライト・ハニカムは、下記の特性の組合せを有するコージェライト・セラミック・ハニカムである。すなわち、
%P≧50%
MPD≧10μm
≦0.4 ここでd=(d50−d10)/d50
CTE≦20×10−7/℃(25℃から800℃まで)
本発明の実施の形態にとれば、この方法により生成され、かつハニカム未焼成体を焼成した結果としてのハニカム体は、図2に示されているような多孔質セラミック・ハニカムフィルタとして構成され、かつハニカム構造101の形態の多孔質材料からなる本体を有する。この材料は、ここで説明されているように、管理された気孔構造を備え、かつ押出し成形によって形成されるのが好ましい。焼成されたハニカムは、多孔質のセル壁106によって分離された複数のほぼ平行なセルチャンネル(入口セルチャンネル108および出口セルチャンネル110)を備えている。本発明のハニカム未焼成体は、壁が焼成されていないにも拘わらず、同じ構造を備えている。焼成されたハニカムにおいては、上記セルチャンネルの一部は、それ自体が多孔質の栓112を備えている。いくつかの実施の形態によれば、セルチャンネルの一部は入口端102において、セルチャンネルの一部は出口端104において、例えば、米国特許第4,329,162号明細書、米国特許第6,809,139号明細書、米国特許2006/0272306号明細書、国際公開第03/074599号パンフレット、または国際公開第2008/008332号パンフレットに記載されているように、上記ハニカム体の組成と同一のまたは類似した組成を有するペーストで栓を施されている。これらの栓112は、セルチャンネル108,110の端部に配置されるのが好ましく、かつ変えることはできるが、一般に5〜20mmの深さを有する。これらの栓は、米国特許第4,557,773号明細書に記載されている典型的な工程によって形成されることができる。各施栓された入口チャンネル108は、使用時にセル壁106を通り抜けて流れるように、施栓された出口チャンネル110に隣接して配置されている。栓の配列は、別の適当なパターンまたは配列を採用してもよいが、図2に示されているように、施栓された任意の端面上において市松模様を形成するように一つおきに配置されているのが好ましい。さらに、栓が一方の端部のみに施されていても、両端に施されていても、あるいは一部のチャンネルのみに施されて、他のチャンネルにはその全長に亘って栓が施されていなくてもよい。
【0026】
チャンネルの施栓により形成される流路は、排気流の少なくとも一部がこのフィルタを出る以前に多孔質セラミックのセル壁を通過するように処理されることが必要なために、栓を有するハニカム体は、「微粒子」フィルタまたは「壁流通式」フィルタとして知られている。したがって、このような多孔質セラミック・ハニカムフィルタは、排気から微粒子物質を濾過する、例えば排気流から煤を除去/濾過するのに有用である。このようなフィルタはさらに、NOx触媒または酸化触媒等の触媒を備えることができる。ここではフィルタが例示されているが、生成されたハニカムは、NOx触媒、DOC触媒、SCR触媒またはその他の触媒に適用される基体に望ましい、栓を備えていない用途に関しても有用性を有する。
【0027】
さらに、本発明の堅果の殻からなる気孔形成剤を用いることによって齎される形状保持効果の故に、比較的薄い壁の厚さを備えながら低いセル密度を有するハニカムも製造可能である。例えば、cpsi(1平方インチ当たりのセル数)で表されるセル密度(CD)を壁の厚さ(Twall)で除算した比、すなわちCD/Twall)が30よりも大きい、40よりも大きい、または50よりも大きいハニカムが低いスランピング(ハニカム自体の重量による変形)をもって製造することが可能である。これらのハニカムは、約100セル/平方インチ(15.5セル/cm)から約400セル/平方インチ(62セル/cm)までのセル密度と、約5μmと30μmとの間の、5μmと20μmとの間の、または7μmと15μmとの間の壁の厚さとを有することができる。
【0028】
さらなる態様において、本発明は、その詳細が下記に記載されているハニカム体の製造方法に関する。この方法は、無機材料源を、堅果の殻からなる気孔形成剤および成形助剤と混合して可塑化されたバッチを形成するステップを含む。上記堅果の殻からなる気孔形成剤は、粉砕、切断、擂り潰し、またはその他の粒子を形成するための適当な方法の何れかによって形成される。堅果の殻の粒子は、胡桃の殻、ペカンの殻等が好ましい。胡桃の殻は
西洋胡桃の殻が最も好ましい。しかしながら、黒胡桃の殻も使用可能である。
【0029】
特に、堅果の殻からなる気孔形成剤は、小さい粒子区分の幅および/または範囲によって画成された狭い粒子サイズ分布を示すように修正されて提供される。ここで用いられている「気孔形成剤」とは、未焼成ハニカム体の乾燥および/または加熱時の燃焼によって蒸発するまたは気化せしめられる束の間の粒子材料として定義され、気孔形成剤を用いないで得られるよりも一般的に大きな気孔率および/または粗い気孔径の中央値を有する所望の気孔率が得られる。
【0030】
いくつかの実施の形態によれば、堅果の殻からなる気孔形成剤は、多孔質セラミック・ハニカム体を形成するためのバッチ混合物中に含まれ、十分な粉砕によって、または篩い分け、分級(空気分級器による等)または20μm≦dp50≦70μm、20μm≦dp50≦50μm、または25μm≦dp50≦45μmをもって粒子径の中央値(dp50)が齎されるようにコントロールされる。堅果の殻からなる気孔形成剤に対しこの粗さを与えると、このdp50の範囲を有する堅果の殻の種類によっては、より細かい種類によるよりも焼成および気孔形成剤の燃焼の間における発熱反応を軽減し、したがってひび割れを最少化することが発見された。
【0031】
これに加えて、細かい粒子区分(≦dp50)の部分を除去または一部分に限定すると、収縮および/または収縮の変化を軽減することに関して効果を有する。特に、本発明の別の広範な実施の形態によれば、堅果の殻からなる気孔形成剤の狭い粒子サイズ分布は、dp10≧10μm、dp10≧12μm、dp10≧15μm、またはdp10≧20μmになるようにコントロールされ、ここでdp10は、粒子容積の10%が、より小さい粒子サイズを有する粒子サイズである。さらに堅果の殻の気孔径(d90)は、dp90≦100μmまたはdp90≦90μmにコントロールされ、ここでdp90は、粒子容積の90%が、より小さい粒径を有する粒径である。ここに挙げられた全ての粒子の粒子サイズは、Microtrac粒子サイズ・アナライザ等のレーザー回折技法によって測定された。
【0032】
本発明のさらなる実施の形態によれば、堅果の殻からなる気孔形成剤は、dpf≦0.54、dpf≦0.50、dpf≦0.40、またはdpf≦0.30によって特徴付けられる狭い粒子サイズ分布を備えている。この堅果の殻からなる気孔形成剤は、西洋胡桃の殻、黒胡桃の殻、ペカンの殻等から得られる。
【0033】
上記気孔形成剤は、無機原材料の100%に対する、5〜80重量%の間、10〜60重量%の間、または20〜50重量%の間の上乗せ添加(%SA)によって構成される。特に、堅果の殻からなる気孔形成剤の気孔サイズ分布が操作されて、ここで説明されているような所望の全体の幅が得られることを認識すべきである。特に、粒子サイズ幅(dpb)は、dpb≦1.60、dpb≦1.55、dpb≦1.50、またはdpb≦1.45に管理される。
【0034】
胡桃の殻からなる一つの典型的な気孔形成剤は、図3の10に示されているような粒子サイズ分布を示し、約27μmの粒子サイズの中央値を示すが、分布中に大量の細かい粒子を含んでいる。この材料は、効果的に燃焼させることができるが、焼成されたハニカムが比較的大きく収縮する(約7%)ことが判った。この材料は、空気分級によって処理されかつ修正されて、より粗い部分(符号20が付されている)と、より細かい部分(符号30が付されている)とに大雑把に分けられた。図3は、細かい粒子部分が除去された、符号20が付されている好ましい粒子サイズ分布を示す。この管理された分布20は、約30μmと50μmとの間の平気粒子サイズdp50を備えている。この管理された分布20は、dpf≦0.54を備えている。分布10から細かい粒子サイズ区分を除去すると、収縮のばらつきのみでなく、収縮を飛躍的に軽減することができる。特に、細かい区分をされにコントロールすることにより、収縮は約7%から約4%に軽減された。興味深いのは、区分30をもって作製されたハニカムは、全てひび割れを生じ、かつ極めて高い収縮率(約8%)を示した。粒径の中央値および細かい区分の管理は、低いひび割れ率および低い収縮率を有する多孔質物品を生成させることができる。
【0035】
別の広範な実施の形態によれば、本発明は、セラミック・ハニカム体を形成するために用いられる可塑化されたバッチ混合物のみでなく、このバッチ混合物から形成される未焼成ハニカム体に関するものである。上記バッチは、無機原材料と、上述の堅果の殻からなる気孔形成剤と、成形助剤との混合物からなる。上記無機原材料は、マグネシア源、アルミナ源、シリカ源、およびチタニア源からなる群から選ばれた少なくとも2種類の酸化物を含む。コージェライト形成用バッチ混合物の場合、上記無機原材料は、マグネシア源、アルミナ源、およびシリカ源を含む。チタン酸アルミニウム形成用バッチ混合物の場合、上記無機原材料は、アルミナ源、シリカ源、およびチタニア源を含む。
【0036】
上記バッチは、一種類または複数種類の滑剤、一時的なバインダ、および液状ビヒクルを含む成形助剤をも含んでいる。好ましい一時的なバインダは、メチルセルロース、エチルヒドロキシ・エチルセルロース、ヒドロキシブチル・メチルセルロース、ヒドロキシ・メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、ヒドロキシエチル・メチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、およびそれらの混合物である。メチルセルロースおよび/またはメチルセルロース誘導体は、本発明の実施における有機バインダとして特に適しており、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロースまたはこれらの組合せが好ましい。
【0037】
水は好ましい液状ビヒクルである。しかしながら、この液状ビヒクルは、上記バインダが中に溶解して上記セラミック先駆体バッチに可塑性を与え、かつ上記粉末を湿らせるものであれば如何なる媒体であってもよい。上記溶媒は、水または水と混合可能な溶媒等の水性溶媒であるが、これらに限定されない。最も有用なものは、上記バインダおよび粉末に水和反応を提供する水性溶媒である。一般に、水性液状ビヒクルの量は、上乗せ添加(%SA)で約20重量%から約70重量%である。上記滑剤は、タル油またはLiga等の脂肪酸を含む。上記無機原材料は有機成形助剤(および液状ビヒクル)と混合されて、等質の可塑性バッチ混合物を形成する。
【0038】
バッチ混合物は Littleford ミキサ等の適当な混合装置内で混合された後、可塑化されかつハニカム未焼成体に形成され、随意的に乾かされ、次いで例えば炉内で焼成されて、多孔質ハニカム体を形成する。可塑化および成形は、例えば米国特許第6,080.348号明細書に教示されているように、二重スクリュー押出し成形機またはラム押出し成形機から押出しダイを通じて可塑性バッチ混合物を押し出す工程によって行なわれるのが好ましい。押出し成形されたハニカム未焼成体10は、図1に示されているようなハニカム構造を有し、交差する壁からなる複数のセルチャンネルを備えている。当業者に知られている他の成形方法も利用可能である。形成されたハニカム未焼成体10は、上述のような管理された粒子サイズ分布、すなわち、dp50を粒子サイズ分布の中央値とするときの20μm≦dp50≦70μmの粒子サイズ分布を有する堅果の殻からなる気孔形成剤を含んで形成されている。好ましい備えた堅果の殻からなる気孔形成剤は、西洋胡桃の殻が最も好ましく、上述のように、細かい粒子の部分が取り除かれた管理された分布粉を有することが最も好ましい、粉砕された胡桃の殻から製造される。
【0039】
コージェライト材料の形成において、無機原材料は、一種類または複数種類のマグネシア源の材料、一種類または複数種類のアルミナ源の材料、および一種類または複数種類のシリカ源の材料を含むことが好ましい。原材料混合物は、例えばタルク、アルミナおよびシリカの組合せを含有することが好ましい。
【0040】
好ましい実施の形態において、コージェライト形成用無機原材料は、タルク、アルミナ、ベーマイト、水晶等のシリカ源を含み、かつベントナイト粘土またはアタパルガイト(atapulgite)粘度をさらに含んでいてもよい。炭酸ストロンチウムおよび/または酸化イットリウム等の他のバッチ添加物を加えてもよい。下記のような無機原材料の粒子サイズの中央値は、マイクロメータで測定され、およびここに記載されているMicrtrac 装置によるレーザー回折技法によって測定されるような、粒子サイズの容積分布から得られる。
【0041】
マグネシア・シリカ形成源である好ましいタルクは、約9μmよりも大きい、いくつかの実施の形態においては15μmよりも大きい平均粒子サイズを有するが、35μm未満の平均粒子サイズを有することが好ましい。タルク源はまた焼成されたタルクを含んでいてもよい。このタルクは、全無機材料の35〜45重量%の範囲内の量で提供されるのが好ましい。
【0042】
カオリンも、コージェライトの理論量を得るために他の無機材料を調整するのが適当であるが、原材料として用いることができる。もし存在する場合には、カオリン粘度の重量%は12〜20重量%の範囲内にすべきである。この値よりも大きいカオリンの重量%は、生成されたフィルタに関し、より高い圧力低下を招くことになる。
【0043】
シリカ形成源は、水晶、クリストバライト、溶融シリカまたはゾル・ゲルシリカ等の非結晶シリカ、ゼオライト、および珪藻土シリカおよびそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。水晶が最も好ましい。シリカ源の粒子サイズの平均中央値は、10μmよりも大きいことが好ましく、かつ10〜35μmの間の範囲が好ましい。
【0044】
アルミナ形成源は、他の原材料の不存在において十分に高い温度で加熱された場合に、実質的に純粋な酸化アルミニウムを生成する粉末が好ましい。このアルミナ形成源は、アルファ・アルミナ、ガンマ・アルミナまたはロー・アルミナ等の遷移アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム(三水和アルミニウム)またはこれらの組合せである。αアルミナ(Al)とベーマイトとの組合せが最も好ましい。アルミナ形成源の粒子サイズの重み付けされた平均中央値は、10μm未満、または5μm未満の粒子サイズの中央値を有することが好ましい。
【0045】
堅果の殻からなる気孔形成剤に加えて、本発明の実施の形態は、グラファイト等の第2の気孔形成剤をバッチ材料混合物内にさらに含んでいることが好ましい。胡桃の殻とグラファイトとの組合せを含む実施例が記載されている。この組合せは、熱膨張係数を低下させるために有用である。例えば、胡桃の殻と澱粉、胡桃の殻とポリマーの組合せ等も採用可能である。
【0046】
図1に示されているように、コージェライト形成用未焼成ハニカム10は、表1および表2に挙げられている本発明の気孔形成剤の種々の実施例を含む乾燥した成分を秤量することによって用意された。次に乾燥した成分は、水等の液状ビヒクル、および滑剤と混合され、かつステンレス鋼製が好ましい混練機内で練られて、押出し成形可能な可塑性を有する塊にされる。この可塑性を有する塊は、例えば米国特許第5,205,991号明細書に記載されているように、好ましくは押出し成形されて未焼成体に形成され、次いで、マイクロウェーブ乾燥、高周波乾燥、空気乾燥、またはそれらの組合せによって乾かされる。乾かされると、この多セルハニカム未焼成体は正確な長さに切断される。
【0047】
押出し成形された未焼成体10は、入口端12から出口端13まで延びる交差するセル壁(「ウェブ」と呼ばれることもある)14によって少なくとも或る程度形成された、複数のほぼ平行なセルチャンネル11を有するハニカム構造を備えている。この未焼成体10はまた、上記ハニカム構造の周囲に形成された、押出し成形された平滑な外皮15を備えているのが好ましいが、これは随意的であって、後工程において形成されてもよい。各セル壁14の厚さは、約0.005〜0.03インチ(約127〜762μm)が好ましい。好ましい実施の形態においては、多セルハニカム構造が、ハニカム構造内に形成されたほぼ背方形の断面形状を有する複数の平行なセルチャンネル11から構成されている。あるいは、長方形、円形、楕円形、三角形、八角形、六角形、またはそれらの組合せを含む、別の断面形状をハニカム構造に採用してもよい。ここで用いられている「ハニカム構造」とは、交差するセル壁から形成された、概して反復するパターンを備えた、長手方向に延びる複数のセルからなる結合された構造を意味する。このハニカムは、焼成後にセラミック・シール材料によって一体に接合されて、セグメント化されたハニカムを形成する、セグメント(不図示)の形態を採ることもある。
【0048】
乾燥後、上記ハニカムは炉内において、好ましくは1〜100℃/時の、好ましくは20〜70℃/時の、最も好ましくは25〜50℃/時の平均加熱速度で、1380℃から1440℃までの、または1440℃から1425℃までの最高温度で焼成され、かつこの最高温度を1〜30時間、5〜25時間、または10〜20時間維持される。焼成後、少なくとも一部のセルチャンネルには、米国特許第4,557,773号明細書に記載されているように、栓が施されて微粒子フィルタを形成する。この場合、入口チャンネルは出口端において施栓され、かつ出口チャンネルは入口端において施栓される態様で、上記栓が各端部において市松模様に配置されるのが好ましい。施栓されたフィルタは、つぎに再焼成される。
【0049】
細かい粒子の区分を有するように管理された堅果の殻を利用すると、例えば6%未満、5%未満、または4%以下の収縮率が可能になる。収縮率は、押出し成形された湿った状体の物品に対する焼成されたハニカムで測定される。ここでは、湿った状態の寸法と焼成されたばかりの寸法との差を、湿った状体の寸法で除算し、その結果に100パーセントを掛けたものを収縮率と定義している。
【0050】
本発明で用いられている実施の形態の堅果の殻に関するコントロールされた粒子サイズ分布が表1に記載されており、典型的な種類が図3に示されている。特に、下記に与えられた粒子サイズは、レーザー回折技法によって測定された。ここに報告されている値は、Microtrac FRA9200シリーズの粒子サイズ・アナライザによって測定された。好ましい実施例においては、堅果の殻からなる気孔形成剤は、dp10≧10μmでかつ20μm≦dp50≦70μmの組合せを伴った粒子サイズ分布を有し、ここで、dp10は、粒子容積の10%が、より小さい粒径を有する粒径であり、dp50は、粒子容積の50%が、より小さい粒径を有する粒径の中央値である。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0051】
表4および表5は、多孔質セラミック・ハニカム体の多孔質の壁を形成する、酸化物を主成分とする材料が、チタン酸アルミニウムからなる主相を含む本発明のいくつかの実施例を示す。上述のコージェライト・ハニカムの実施例と同様に、気孔形成剤として堅果の殻を利用することによって、全体の狭い気泡サイズ分布のみならず、低い収縮率および低いひび割れ発生率が得られている。
【0052】
これに加えて、上乗せ添加(%SA)で5重量%と60重量%との間の堅果の殻からなる気孔形成剤の量のコントロールによって、チタン酸アルミニウムからなるハニカムの全気孔率がコントロールされるが、多くの用途に関しては10%SAと30%SAとの間である。さらに詳細には、これらの実施例のハニカム体はチタン酸アルミニウム相およびd≦1.1、d≦1.0、d≦0.9、またはd≦0.8によって特徴付けられる狭い全体の分布を含む。さらに、d≦0.5、d≦0.40、d≦0.35、またはd≦0.30によって示されているように、小さい気孔区分の狭さも達成される。
【0053】
これに加えて、チタン酸アルミニウム相を含むハニカム体は、%P≧45%または%P≧50%である全気孔率%Pを有して生成される。さらに、主としてチタン酸アルミニウム相を備えたハニカム体は、d90≦30μmまたはd90≦25μmになるように管理された粗い区分を含む。これに加えて、チタン酸アルミニウム相を含むこれらの典型的なハニカムに関して、d50が10μmと20μmとの間、さらには12μmと17μmとの間にコントロールされる。チタン酸アルミニウム相を含むハニカム体に関し証明されたCTEは、全て25℃と1000℃との間で測定した場合に、少なくとも一方向においてCTE≦15×10−7/℃またはCTE≦10×10−7/℃である。いくつかのチタン酸アルミニウムの実施の形態は、全て25℃と800℃との間で測定した場合に、CTE≦6×10−7/℃、CTE≦5×10−7/℃、またはCTE≦4×10−7/℃をさらに証明した。チタン酸アルミニウムアルミニウム組成を有しかつ下記の特性の組合せを有するハニカム体は、上記方法および未焼成体によって生成される。すなわち、
%P≧45%
MPD≧10μm
≦0.6 ここでd=(d50−d10)/d50
CTE≦15×10−7/℃、25℃から1000℃
特に、チタン酸アルミニウムアルミニウム組成を有しかつ下記の特性の組合せを有するハニカム体は、上記方法および未焼成体によって生成される。すなわち、
%P≧45%
MPD≧10μm
≦0.4 ここでd=(d50−d10)/d50
CTE≦10×10−7/℃、25℃から1000℃
以上、図示されかつ典型的ないくつかの実施の形態について本発明が詳細に説明されたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、かつ添付の請求項に規定された本発明の範囲から離れることなしに別の方法も用いることができることを考慮すべきである。
【符号の説明】
【0054】
10 ハニカム未焼成体
11 セルチャンネル
12 入口端
13 出口端
14 セル壁
15 外皮
101 ハニカム構造
102 入口端
104 出口端
106 セル壁
108 入口セルチャンネル
110 出口セルチャンネル
112 栓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム体の製造方法であって、
無機原材料、気孔形成剤、および成形助剤を混合して、可塑化されたバッチを形成するステップであって、前記気孔形成剤は、20μm≦dp50≦70μmの粒子サイズ分布を有する堅果の殻を含み、ここでdp50は、粒子容積の50%が、より小さい粒径を有する粒径中央値であるステップ、および
前記可塑化されたバッチを、交差する壁によって形成された複数のチャンネルを有するハニカム体に形成するステップ、
を含むことを特徴とする、ハニカム体の製造方法。
【請求項2】
前記気孔形成剤が、ペカンの殻、黒胡桃の殻、および西洋胡桃の殻からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記堅果の殻が、dp10≧10μmの粒子サイズ分布を示し、ここでdp10は、粒子容積の10%が、より小さい粒径を有する粒径であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
前記堅果の殻が、dp90≦100μmの粒子サイズ分布を示し、ここでdp90は、粒子容積の90%が、より小さい粒径を有する粒径であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
前記気孔形成剤が、第2の気孔形成剤と組み合わせた前記堅果の殻を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−515309(P2011−515309A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−548739(P2010−548739)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/001277
【国際公開番号】WO2009/108362
【国際公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】