説明

粉粒体の混合方法および粉粒体の混合装置

【課題】主原料の粉粒体に、副原料の粉粒体を、効率よく且つ確実に混合することができ、商品価値と品質の安定を図る。
【解決手段】混合槽2内で回転する攪拌羽根31により主原料と副原料とを混合する粉粒体の混合方法において、前記混合槽2内部に粉粒体からなる主原料を投入し、前記攪拌羽根31を回転させて主原料を攪拌し、混合槽2内部に設けられた噴出手段50から吸湿性の高い粉粒体からなる副原料を粉粒体分散手段4に向けて噴出することにより分散させ、分散された副原料を主原料と混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸湿性を有する粉粒体を混合するのに最適な粉粒体の混合方法および粉粒体の混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、医薬品、化学品等の産業分野では、製品製造時において、複数種類の粉粒体同士が混合される場合が頻繁にある。このような粉粒体同士を混合する混合装置としては、上部に原料投入口部が設けられた混合用ミキサーと、この混合用ミキサー内で水平方向に回転する攪拌羽根と、混合用ミキサーの胴部側面に設けられ且つ破砕羽根を有する破砕機と、を備えているものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記混合装置を使用するにあたっては、まず、前記原料投入口部を開き、混合すべき複数種類の粉粒体をそれぞれ必要量ずつ、前記混合用ミキサー内に投入する。その後、前記攪拌羽根を回転させ、粉粒体を前記混合用ミキサー内部の周方向に回流させて粉粒体同士の混合作業を行う。同時に、前記攪拌羽根による攪拌、混合と同時に前記破砕羽根を回転させることにより、前記混合用ミキサー内部の周方向にそって回流する粉粒体を攪拌する。
【0004】
このようにして、粉粒体同士を所定時間攪拌、混合した後に、前記混合用ミキサーの下部に設けられた排出口部を解放し、混合された粉粒体を図示しないホッパー等の容器に排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−255348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、食品の産業分野における粉粒体としての唐揚げ粉には、主原料としての小麦粉に、隠し味としての醤油粉末(副原料)を配合したものがある。この醤油粉末は主原料としての小麦粉と比較して吸湿性が高く、原料投入口部から前記混合用ミキサーに投入される際に外気に晒されると、前記混合用ミキサー内部の主原料と混合される前に数分間で吸湿してしまう。この結果、前記混合用ミキサー内部において、吸湿状態の醤油粉末の粒子が主原料の粒子に付着して凝縮し、もって、醤油粉末と主原料とからなる塊(ダマ)が発生する。
【0007】
前記破砕羽根は、前記混合装置の内壁にそって回流する醤油粉末と主原料とを攪拌するものであるが、一旦、吸湿状態のダマが発生してしまうと、前記破砕羽根の攪拌によって、このダマを確実に粉粒体状に破砕するのは困難となる。
【0008】
このようにして発生したダマが唐揚げ粉に混在すると、商品価値が低下するため、従来では前記混合装置による混合工程の後に、唐揚げ粉を篩機にかけてダマを除去していた。しかしながら、係る篩機にて唐揚げ粉からダマを除去すると、製品歩留まりが悪くなる。
【0009】
また、主原料に対して醤油粉末を配合してから揚げ粉を製造するにあたっては、計量された所定量の主原料と、所定量の醤油粉末とを配合するのであるが、発生したダマを除去すると、主原料と醤油粉末との配合比率が相違してしまうため、品質が不安定となる。
【0010】
このようなダマの発生によって主原料と醤油粉末との配合比率が相違することを防止するために、ダマによるロスを見込んで主原料と醤油粉末とを投入する手段も講じられているが、発生するダマの量やダマに含まれる主原料と醤油成分の比率は、唐揚げ粉製造日における気温や湿度等の気候状況に左右されるため、品質を安定させるまでには至っていないのが現状である。
【0011】
本発明は、上述した従来の課題を解決するために提案されたものであって、主原料の粉粒体と、副原料の粉粒体とを効率よく且つ確実に混合することができ、もって、商品価値と品質の安定を図ることができる粉粒体の混合方法およびその装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明第一の粉粒体の混合方法は、粉粒体からなる主原料と、前記主原料よりも吸湿性の高い別の粉粒体からなる副原料とを混合する粉粒体の混合方法であって、混合槽内に主原料を投入する主原料投入工程と、前記混合槽内部に設けられた攪拌羽根を回転させて、前記主原料を攪拌する攪拌工程と、前記攪拌工程を実行しながら、前記混合槽内部に向かって前記副原料を導入する副原料導入工程と、を実行し、前記副原料導入工程では、前記混合槽内部に設けられた粉粒体分散手段に向かって前記副原料を噴出することによって、前記副原料を分散させながら前記混合槽内に導入することを特徴とする(以下、本発明第一方法と称する。)。
【0013】
ここで、「主原料よりも吸湿性の高い別の粉粒体からなる副原料」としては、例えば、主原料としての小麦粉よりも吸湿性が高い、醤油粉末を挙げることができる。
【0014】
本発明第一方法によれば、前記副原料が醤油粉末等の吸湿性の高い粉粒体であっても、前記副原料が水分を吸湿する前に粉粒体分散手段が副原料を分散させるから、副原料の粒子同士や、副原料の粒子と主原料の粒子とが、吸湿により凝縮するのを防止できる。分散された副原料は、攪拌羽根により主原料と混合されるため、ダマの発生が防止される。
【0015】
本発明第一方法においては、前記主原料投入工程の前に、前記混合槽内部の空気を除湿気体と置換して、前記混合槽内部の湿度を低下させる除湿工程を実行することが好ましい態様となる。かかる場合には、副原料が混合槽内部で吸湿するのをより一層防止でき、さらに、ダマの発生が防止される。
【0016】
本発明第二の粉粒体の混合方法は、粉粒体からなる主原料と、前記主原料よりも吸湿性の高い別の粉粒体からなる副原料とを混合する粉粒体の混合方法であって、混合槽内部の空気を除湿気体で置換して、前記混合槽内部の湿度を低下させる除湿工程を実行した後、前記混合槽内部に前記主原料と前記副原料とを投入し、混合することを特徴とする(以下、本発明第二方法と称する。)。
【0017】
前記本発明第二方法によれば、予め混合槽内部の空気を除湿気体で置換して混合槽内部の湿度を低下させておいてから、かかる混合槽内部で、主原料と副原料とを混合するので、ダマの発生が防止される。
【0018】
本発明第一の粉粒体の混合装置は、粉粒体からなる主原料と、前記主原料よりも吸湿性の高い別の粉粒体からなる副原料とを混合する粉粒体の混合装置であって、混合槽と、前記混合槽内部に投入された主原料を攪拌する攪拌羽根を備えた攪拌装置と、前記混合槽内部に向かって副原料を噴出する噴出手段と、前記副原料を乾燥空気とともに噴出手段に圧送する加圧空気供給装置と、前記混合槽内部に設けられた、前記噴出手段から噴出される副原料を分散させる粉粒体分散手段と、を具備してなり、前記粉粒体分散手段にて分散された前記副原料を、前記主原料と混合させることを特徴とする(以下、本発明第一装置と称する。)。
【0019】
前記本発明第一装置によれば、副原料が醤油粉末等の吸湿性の高い粉粒体であっても、前記副原料が水分を吸湿する前に粉粒体分散手段が副原料を分散させ、副原料の粒子同士や、副原料の粒子と主原料の粒子とが、吸湿により凝縮するのを防止できる。分散された副原料は、攪拌羽根により主原料と混合されるため、ダマの発生が防止される。
【0020】
前記本発明第一装置においては、前記混合槽には、その内部に存する空気を除湿気体で置換するための、前記混合槽内部に除湿気体を噴出する除湿気体噴出手段が設けられてなるものが好ましい態様となる。
【0021】
本発明第二の粉粒体の混合装置は、粉粒体からなる主原料と、前記主原料よりも吸湿性の高い別の粉粒体とを混合する粉粒体の混合装置であって、混合槽と、前記混合槽内部に投入された粉粒体を攪拌する攪拌羽根を備えた攪拌装置と、前記混合槽に備えられた、前記混合槽内部に存する空気を除湿気体で置換するための、前記混合槽内部に除湿気体を噴出する除湿気体噴出手段と、を具備してなることを特徴とする(以下、本発明第二装置と称する。)。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、副原料が醤油粉末等の吸湿性の高い粉粒体であっても、粉粒体からなる主原料と、粉粒体からなる副原料とによるダマの発生が防止できる。この結果、混合粉粒体の質を均一な状態とすることができ、粉粒体と粉粒体とを効率よく確実に混合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る混合装置の概略図である。
【図2】図2は、同装置の斜視図である。
【図3】図3は、同装置の要部を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態に係る混合装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は、本発明に係る混合装置の一実施形態を示す。
【0025】
本実施形態の粉粒体の混合装置1は、図1および図2に示すように、混合槽2と、混合槽2に設置されている攪拌羽根装置3とを備えている。
【0026】
前記混合槽2の上部には、前記混合槽2の内部に連通する粉粒体投入口部6が設けられており、さらに、前記粉粒体投入口部6の開口を開閉自在に閉塞する蓋体7が、前記粉粒体投入口部6に取り付けられている。また、前記混合槽2の下部には、混合物の排出口部8が形成されている。前記排出口部8は、蓋体9により開閉自在に閉塞されている。
【0027】
なお、前記蓋体7および前記蓋体9が、それぞれ閉塞状態にあるとき、前記混合槽2内部を気密状態にできるように、前記蓋体7と前記粉粒体投入口部6との間、及び前記蓋体9および前記排出口部8との間はシールされている。
【0028】
前記攪拌羽根装置3は、例えば、前記混合槽2の上部に設けられたモータ5を駆動源として回転するようになされた垂直方向の回転軸30と、この回転軸30の周囲に設けられた螺旋状の攪拌羽根31とから構成されている。
【0029】
前記混合槽2の胴部側壁には、粉粒体分散手段としてのカッタティングロータ4が設置されている。このカッタティングロータ4は、前記混合槽2の胴部の外部に固定された駆動源としてのモータ41と、このモータ41の回転軸43に固定されたカッター刃44とからなる。前記回転軸43は混合槽2の中心に向かうように水平方向に設けられている。前記回転軸43の方向は、水平方向に限られず、通常、水平方向から±30度の範囲内の方向に向けられる。前記カッター刃44は、前記混合槽2の内部に配置されている。本実施形態においては、図3に示すように、前記回転軸43の軸方向に複数枚重ね合わせた場合を例示するが、前記カッター刃44は、単数であっても軸方向に複数枚重ね合わせてもよく、その枚数は特に限定されるものではないが、2〜10枚(より好ましくは、3枚〜5枚)が好ましい態様となる。
【0030】
前記モータ41は、前記混合槽2の胴部外壁の外面側に固定され、その回転軸43が前記混合槽2の中央を向くように、前記混合槽2内部に突設されている。そして、前記カッター刃44は前記混合槽2内部で回転可能になっている。
【0031】
前記混合槽2の胴部には、混合される粉粒体を前記カッター刃44に向けて噴射するための噴出手段としてのノズル50が設けられている。このノズル50は、その先端が前記カッター刃44に向けられ且つ前記カッター刃44に接近するように、前記混合槽2内部に突設されている。なお、前記ノズル50の先端と前記カッター刃44との間隔は、前記ノズル50から噴出される副原料の粉粒体の種類等により、適宜決定される。
【0032】
また、前記ノズル50の基部側は、搬送管52を介して、粉粒体用タンク55に接続されている。前記粉粒体用タンク55は、副原料としての醤油粉末等の吸湿性の高い粉粒体が収容される。前期粉粒体用タンク55の下部には、バルブ付き排出部56が設けられており、このバルブ付き排出部56の下流側と、前記ノズル50とが、前記搬送管52により接続されている。前記バルブ付き排出部56の上流側には、加圧空気供給源としてのコンプレッサ(図示省略)から圧送されるドライエア(乾燥空気)が流入する搬送管57が接続されている。
【0033】
そして、前記コンプレッサから圧送される乾燥空気が、前記バルブ付き排出部56を流通する際に、前記粉粒体用タンク55に収容された副原料は、乾燥空気とともに搬送されるようになっている。
【0034】
また、前記搬送管57から分岐搬送管59が分岐されており、この分岐搬送管59は、開閉バルブ59aを介して粉粒体用タンク55の天面に接続されている。従って、前記コンプレッサで圧縮された乾燥空気は、分岐搬送管59を流れて前記粉粒体用タンク55内部に上方から供給されるため、副原料の排出をスム−ズに行なうことができる。なお、前記粉粒体用タンク55、前記バルブ付き排出部56および前記加圧空気供給源等により、加圧空気供給装置10が構成されている。
【0035】
また、前記混合槽2の上部には、前記混合槽2の内部に除湿気体を噴出する除湿気体噴出手段としてのノズル60が接続されている。このノズル60は搬送管61を介して除湿気体供給装置(図示省略)に接続されており、前記除湿気体供給装置から供給された除湿気体が、前記ノズル60から前記混合槽2内部に導入され、前記混合槽2の内部に存する空気と置換されるようになっている。この除湿気体としては、乾燥空気や不活性ガスを採用することができる。なお、前記混合槽2には、内部気体を置換する際に、排気される排気口部(図示省略)が適宜設けられている。
【0036】
本発明の混合装置1は上記の構成からなり、次に、かかる混合装置1を使用する場合について説明する。なお、混合される粉粒体としては、唐揚げ粉の主原料(小麦粉)と、副原料としての醤油粉末とを例示する。ここで、醤油粉末の配合重量は、唐揚げ粉の主原料の数%(最大でも10%)である。
【0037】
先ず、唐揚げ粉の主原料を投入する前に、前記ノズル60から除湿気体(乾燥空気)を噴出し、前記混合槽2の空気を除湿気体(乾燥空気)で置換して湿度を低下(乾燥)させる(特許請求の範囲における「除湿工程」の実行)。この除湿工程により、混合槽2の湿度は、例えば、20%〜25%に設定され、好ましくは、23%に設定される。このように、混合槽1内部をドライエア雰囲気に維持する。
【0038】
その後に、前記混合槽2の上部に形成された前記粉粒体投入口部6を介して、所定量に計量された唐揚げ粉の主原料を、前記混合槽1内部に投入する(特許請求の範囲における「主原料投入工程」の実行)。
【0039】
前記攪拌羽根装置3を作動させると、螺旋状の前記攪拌羽根31は、唐揚げ粉の主原料を前記混合槽1内部の周方向に回転させるとともに、上昇または下降させる(特許請求の範囲における「攪拌工程」の実行)。前記攪拌羽根31の回転速度は、40rpm〜50rpmの範囲に設定され、好ましくは、47rpmに設定されている。かかる螺旋状の攪拌羽根31により、唐揚げ粉の主原料は、ドライエア雰囲気内で攪拌され、乾燥状態が維持される。
【0040】
前記攪拌羽根2による攪拌、混合動作と同時に前記カッタティングロータ4を作動させると、前記モータ41が前記カッター刃44を高速回転させる。このカッター刃44の回転速度は、1500rpm〜3500rpmの範囲に設定され、好ましくは、2500rpmに設定されている。このように、カッター刃44の回転速度は、攪拌羽根31の回転速度よりも大きく(30〜80倍程度に)設定されている。
【0041】
一方、前記コンプレッサは、乾燥空気を前記搬送管57内に圧送する。この搬送管57内を圧送される乾燥空気は、前記バルブ付き排出部56を通過する際に、前記粉粒体用タンク55内の醤油粉末を吸い込むこととなる。従って、醤油粉末は、乾燥空気とともに搬送されて、前記ノズル50から勢いよく噴出(噴霧)される。醤油粉末は乾燥した状態で噴出された後に、高速回転している前記カッター刃44に衝突する(特許請求の範囲における「副原料導入工程」の実行)。
【0042】
このカッター刃44に衝突した醤油粉末は、前記カッター刃44を中心にして強制的に分散されるとともに攪拌される。このように分散された醤油粉末は、吸湿してダマになることなく瞬時に分散され、攪拌されている唐揚げ粉の主原料に、順次混合される。
【0043】
醤油粉末と唐揚げ粉の主原料との混合工程を所定時間行なった後に、前記排出口部8から適宜排出する。
【0044】
前記除湿工程は、唐揚げ粉の主原料を投入する前にだけ行なっても、唐揚げ粉の主原料と醤油粉末との混合が終了する時点まで行なっても、あるいは、この混合の途中で終了することも可能である。
【0045】
以上のように、乾燥空気で搬送されてきた醤油粉末は、吸湿する以前に分散され、唐揚げ粉の主原料に混合される。さらに、醤油粉末と唐揚げ粉の主原料とは、前記攪拌羽根31によって攪拌、混合されるため、醤油粉末は、唐揚げ粉の主原料に均等に混合されることとなる。このように、醤油粉末は、唐揚げ粉の主原料に均等に混合されることから、ダマの発生が防止され、従来と異なりダマを除去することがほとんど不要となる。
【0046】
この結果、唐揚げ粉の歩留まりが向上する。しかも、醤油粉末を、吸湿する以前に分散し、唐揚げ粉の主原料に混合できることから、製品製造日の気候状況に左右されることもなく、製品の品質が安定するとともに品質の向上を図ることが可能となる。
【0047】
しかも、唐揚げ粉は、吸湿したダマを発生し難いため、唐揚げ粉が前記混合槽2の内周面や、螺旋状の前記攪拌羽根31等の構成部品に付着し難くなり、これら構成部品の混合作業後の掃除を容易且つ迅速に行なうことが可能となる。
【0048】
また、醤油粉末は、前記混合槽2内部において、前記ノズル50から噴出されるため、唐揚げ粉および醤油粉末が飛散することなく、衛生的である。
【0049】
本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、ダマの発生を抑制すべく、除湿気体による置換(除湿工程)とカッタティングロータ4による副原料の分散手段を併用したが、かかるカッタティングロータ4を使用することなく、除湿気体による置換(除湿工程)のみ行なってもよい。
【0050】
すなわち、先ず、前記ノズル60から除湿気体を噴出し、前記混合槽2の空気を除湿気体(乾燥空気)で置換して湿度を低下(乾燥)させる。この除湿工程により、混合槽2の湿度は、例えば、20%〜25%に設定され、好ましくは、23%に設定される。このように、前記混合槽1内部をドライエア雰囲気に維持する。
【0051】
そして、その後に、所定量に計量された唐揚げ粉の主原料および醤油粉末を、それぞれ前記粉粒体投入口部6を介して前記混合槽1内部に投入(供給)する。さらに、投入された唐揚げ粉の主原料および醤油粉末を、螺旋状の前記攪拌羽根31を回転させて、攪拌、混合する。かかる場合であっても、前記混合槽1内部を乾燥させたドライエア雰囲気にしておいてから、唐揚げ粉の主原料および醤油粉末を混合するので、吸湿を避けた状態で唐揚げ粉の主原料および醤油粉末を混合することが可能となり、ダマの発生を防止するこが可能となる。また、醤油粉末は、前記ノズル50から噴出することも可能である。
【0052】
図4は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態は、粉粒体分散手段としてカッタティングロータ4に代えて、ノズル70を採用したものである。具体的には、乾燥空気を噴出するためのノズル70を、その先端側が前記ノズル50の先端側を向くように配置する。そして、前記ノズル70から圧縮された乾燥空気を、前記ノズル50から噴出される醤油粉末に向けて噴出する。前記ノズル70から噴出される乾燥空気は、醤油粉末を唐揚げ粉の主原料に分散させる。さらに、分散された醤油粉末は、前記攪拌羽根31により、唐揚げ粉の主原料と共に攪拌され、混合される。
【0053】
また、本実施の形態では、螺旋状の前記攪拌羽根31を備える前記混合装置1を例示したが、リボン羽根を備えるリボンミキサであってもよく、前記攪拌羽根31の形状等は特に限定さるものではない。
【0054】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0055】
1 混合装置
2 混合槽
3 攪拌羽根装置
4 カッタティングロータ(粉粒体分散手段)
10 加圧空気供給装置
30 回転軸
31 攪拌羽根
50 ノズル(噴出手段)
55 粉粒体用タンク
60 ノズル(除湿気体噴出手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体からなる主原料と、前記主原料よりも吸湿性の高い別の分粒体からなる副原料とを混合する粉粒体の混合方法であって、
混合槽内に前記主原料を投入する主原料投入工程と、
前記混合槽内部に設けられた攪拌羽根を回転させて、前記主原料を攪拌する攪拌工程と、
前記攪拌工程を実行しながら、前記混合槽内部に向かって前記副原料を導入する副原料導入工程と、
を実行し、
前記副原料導入工程では、前記混合槽内部に設けられた粉粒体分散手段に向かって前記副原料を噴出することによって、前記副原料を分散させながら前記混合槽内に導入することを特徴とする粉粒体の混合方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の粉粒体の混合方法において、
前記主原料投入工程の前に、前記混合槽内部の空気を除湿気体と置換して、混合槽内部の湿度を低下させる除湿工程を実行する粉粒体の混合方法。
【請求項3】
粉粒体からなる主原料と、前記主原料よりも吸湿性の高い別の粉粒体からなる副原料とを混合する粉粒体の混合方法であって、
混合槽内部の空気を除湿気体で置換して、混合槽内部の湿度を低下させる除湿工程を実行した後、
前記混合槽内部に主原料と副原料とを投入し、混合することを特徴とする粉粒体の混合方法。
【請求項4】
粉粒体からなる主原料と、前記主原料よりも吸湿性の高い別の粉粒体とを混合する粉粒体の混合装置であって、
混合槽と、
前記混合槽内部に投入された粉粒体を攪拌する攪拌羽根を備えた攪拌装置と、
前記混合槽内部に向かって副原料を噴出する噴出手段と、
前記副原料を乾燥空気とともに噴出手段に圧送する加圧空気供給装置と、
前記混合槽内部に設けられた、前記噴出手段から噴出される副原料を分散させる粉粒体分散手段と、
を具備してなり、
前記粉粒体分散手段にて分散された前記副原料を、前記主原料と混合させることを特徴とする粉粒体の混合装置。
【請求項5】
前記請求項4に記載の粉粒体の混合装置において、
前記混合槽には、その内部に存する空気を除湿気体で置換するための、前記混合槽内部に除湿気体を噴出する除湿気体噴出手段が設けられてなる粉粒体の混合装置。
【請求項6】
粉粒体からなる主原料と、前記主原料よりも吸湿性の高い別の粉粒体とを混合する粉粒体の混合装置であって、
混合槽と、
前記混合槽内部に投入された粉粒体を攪拌する攪拌羽根を備えた攪拌装置と、
前記混合槽に備えられた、前記混合槽内部に存する空気を除湿気体で置換するための、前記混合槽内部に除湿気体を噴出する除湿気体噴出手段と、
を具備してなることを特徴とする粉粒体の混合装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−46900(P2013−46900A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−145710(P2012−145710)
【出願日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【出願人】(393020281)東洋ハイテック株式会社 (8)
【Fターム(参考)】