説明

粉粒体充填装置

【課題】 充填設備の小型化、省スペース及び省エネルギーの達成、コストの削減、多品種少量生産工場への対応の実現、充填設備に関連する生産装置の洗浄時間の短縮を課題とする。
【解決手段】粉体充填装置1は粉体を貯留し給送するタンクユニット2と、タンクユニット2から給送される粉体を篩い、磁性異物を除去してから袋に充填する粉体充填ユニット3と備え、粉体充填ユニット3は、ロータリーシフタ7と、ロータリーシフタ7の直下に配置され磁性異物を除去する磁性異物除去部8と、磁性異物除去部8の直下に配置され磁性異物除去部8から排出される粉体を水平方向に移送するスクリューフィーダ9と、スクリューフィーダ9から排出される粉体を下方に排出させ袋詰めを行う粉体充填部10と、を備え、ロータリーシフタ7と、磁性異物除去部8と、スクリューフィーダ9と、粉体充填部10とが一体にユニット化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体を袋に充填する粉粒体充填装置、特に、小麦粉等の粉体を充填する粉粒体充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3に記載されている発明は、小麦粉の充填機であり、空気圧源と接続されるタンクと、タンクからの粉体を送り出すスクリューフィーダと、スクリューフィーダから排出される粉体を充填する粉体充填口とを備えたものである。
【0003】
【特許文献1】特開2003−165501
【特許文献2】特開2003−300505
【特許文献3】特開2005−212795
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の充填機では、粉粒体に混入する異物を除去するための装置がなく、異物の除去が不完全である。また、異物を除去するため、図11に示す通り、比較例としての粉粒体充填設備520は、粉粒体充填装置501を下流端に設置したものであり、ミックス粉の充填システム構成の一例として、空気配管ユニット521と、ダンピングサーバー522と、空気圧縮機523と、空気タンク524と、ロータリーバルブ525と、シフタ526a及び526bと、ボールバルブ527と、混合機528と、ブロワ529と、を設置したものが考えられる。空気圧縮機523及び空気タンク524により、空気配管ユニット521からの粉体をロータリーバルブ525を経てシフタ526aで篩い、上部の混合機528では2種類の粉粒体を混合し、下部の混合機528では1種類の粉粒体をシフタ526bで混合し、混合後の粉体を粉粒体充填装置501により、計量器511で計量しながら、容器Vに粉粒体を充填する。
しかしながら、このようなシステム構成例において問題となるのは、下流末端側の構成であり、粉粒体充填装置501の上流側の配管部に、異物の除去やダマ取りを行うシフタ526bを、別途、設置しなければならないという問題がある。従来、このシフタ526bと粉粒体充填装置501とは、各々独立した生産装置となっており、これらの2つの生産装置を配置するには、工場建物の2フロアー分の高さを必要とするか、もしくは、同フロアーに別途、設置する必要があった。
【0005】
また、これに加えて、食品、薬品等の産業では、針、釘等の磁性異物を除去するため、磁石式の磁性異物除去装置を粉体充填装置外の上流側配管のいずれかの場所に設置することが多い。従来、シフタと磁性異物除去装置とは、各々独立した生産装置となっており、粉体充填装置とあわせて、これらの3つの設備を個々に配置し、配管で接続するには、工場建物の2フロアー分以上の高さを必要とするか、もしくは、同フロアーに別途、設置する必要があった。したがって、粉粒体の異物除去、ダマ取りを行うため、装置が大型化し、粉粒体輸送ラインが長距離化し、省スペース及び省エネルギー上の問題が生じている。また、イニシャルコストもエネルギーコストも大きくなるため、少量多品種生産工場に適用できないという問題があった。
【0006】
食品工場、薬品工場等では、消費嗜好の細分化による少量多品種生産問題、アレルゲン問題、衛生問題、粉粒体残留による品質低下の問題等に対応するため、粉粒体製品の種類の切り替えをする毎に、袋詰めに係る充填設備に関連する複数の生産装置の洗浄を頻繁に行わざるを得ないため、多量の洗浄水が必要となるのみならず、洗浄に多大な労務費(労働時間)を費やし、しかも、洗浄中は生産がストップし、それらのロスが事業の収益を圧迫しているという問題がある。よって、当該ロスをいかに低減させるかが企業競争力維持のキーとなっている。具体的には、生産装置の洗浄をいかに丁寧に速やかに行うことができるかである。充填設備における生産装置を個別に設置せざるをえない現状では、生産装置の洗浄に加えて、当然、それらを接続する配管等の部品も洗浄の対象となるため、タイムロスは更に増加するのである。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、充填設備の小型化、粉粒体輸送ラインの短縮化、省スペース及び省エネルギーの達成、コストの削減、多品種少量生産工場への対応の実現、充填設備に関連する生産装置の洗浄時間の短縮を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、粉粒体を篩うシーブと、前記シーブ内で水平方向に配置される回転羽根と、を有するロータリーシフタと、前記ロータリーシフタの近辺に配置され、前記ロータリーシフタから排出される粉粒体を容器に充填する粉粒体充填部と、を備え、前記ロータリーシフタと、前記粉粒体充填部とが一体にユニット化される粉粒体充填装置である。
【0009】
請求項2の発明は、前記ロータリーシフタの排出部と、前記粉粒体充填部の間に、磁石で磁性異物を吸着する磁性異物除去装置を一体に設け、前記ロータリーシフタの篩室と磁性異物除去装置の除去室とが縦方向に連通する。
【0010】
請求項3の前記ロータリーシフタの供給部に、磁石で磁性異物を吸着する磁性異物除去装置を一体に設け、前記ロータリーシフタの篩室と磁性異物除去装置の除去室とが縦方向に連通し、定量性の供給機を設けることにより前記磁性異物除去装置に粉体を供給する。
【0011】
請求項2又は3のように、磁性異物除去装置とロータリーシフタの上下の位置を入れ替えた発明が成立する。シフタのシーブを保護する上で、磁性異物除去装置が上にあった方が好ましい場合がある。但し、この場合、磁性異物除去装置の磁石を機能させるには定量性のある粉体供給機(排出機)を磁性異物除去装置の上流側に配備する必要がある。
【0012】
請求項4の発明の前記ロータリーシフタの上部に粉粒体を貯留するタンクユニットを備え、該ユニットが、タンクと、フィルタと、粉体供給機と、が一体化され、前記フィルタが、前記タンク、前記ロータリーシフタ、及び、前記粉粒体充填部のフィルタを行う。
【0013】
請求項5の発明は、前記磁性異物除去装置が棒状磁石を備え、これをモータで回転する。
【0014】
請求項6の発明の前記粉体充填部が、前記磁性異物除去装置又はロータリーシフタからの粉体を給送するスクリューフィーダと、前記スクリューフィーダから排出される粉体を容器に充填する粉体充填口と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、以下の効果がある。
(1)シフタと粉粒体充填装置とがひとつのユニットになったので、粉粒体の充填前の最終的なダマ取り、異物除去をひとつのユニットで行うことのできる超コンパクトな充填装置を提供でき、省スペース及び省エネルギーに貢献する。また、空気輸送に適用する場合には粉粒体輸送ラインが短くなる。
【0016】
(2)装置個々の個別の洗浄と配管の洗浄が不要となり、内部の洗浄時間を大幅に短縮でき、粉粒体製品の切り替えに掛かるタイムロスを最小限に抑え、生産コストパフォーマンスを大幅に改善することができる。イニシャルコストもエネルギーコストが削減でき、また、少量多品種生産工場に最適である。
【0017】
(3)ロータリーシフタ7の異物発生に対する防御性能が優れる。空気輸送切替弁等の機器に由来する異物が発生したり、タンク内においてカビ、害虫等の異物が発生し難く、ロータリーシフターの最終篩としての機能が高い。
【0018】
請求項2又は3の発明によれば、ロータリーシフタと磁性異物除去装置とを一体に設けたので、一度に篩処理と磁性異物処理でき、また、室を共有するので、内部洗浄が容易になる。
【0019】
請求項3によれば、篩いの前に磁性異物を除去するので、磁性異物がシーブを損傷することを防止できる。
【0020】
請求項4の発明によれば、フィルタが同時に3つの装置を同時にフィルタするので、フィルタ効率が格段に向上する。
【0021】
請求項5の発明によれば、棒状磁石が粉体を攪拌するので、粉詰まりを防止できる。
【0022】
請求項6の発明によれば、スクリューフィーダでの粉体の詰まりや損傷を防止でき、耐久性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明実施形態の実施例1〜3について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0024】
先ず、実施例1の粉体充填装置1について図1〜図8を参照して説明する。粉体充填装置1は粉体を貯留し給送するタンクユニット2と、タンクユニット2から給送される粉体を篩い、磁性異物を除去してから袋に充填する粉体充填ユニット3と、から構成される。タンクユニット2は、タンク4と、タンク4に取り付けられ空気輸送されてくる粉気混相流を受け入れて粉体と空気とに分離してタンク4に貯留し空気を排出するフィルタ5と、タンク4の底面に貯留される粉体を下方に排出するテーブルフィーダ6と、から構成される。粉体充填ユニット3は、粉体を篩って異物除去やダマ取り等を行う長手方向が水平方向に配置されるロータリーシフタ7と、ロータリーシフタ7の直下に配置され釘、針、金属破片、ビス等の磁性異物を除去する磁性異物除去部8と、磁性異物除去部8の直下に配置され磁性異物除去部8から排出される粉体を水平方向に移送するスクリューフィーダ9と、スクリューフィーダ9から排出される粉体を下方に排出させる粉体充填部10と、粉体充填部10から排出される粉体が充填される袋Bを載置するとともに重量を計測する計量器11と、から構成される。また、タンクユニット2は、タンク4、フィルタ5、テーブルフィーダ6とが一体化されたものである。粉体充填ユニット3は、ロータリーシフタ7と、磁性異物除去部8と、スクリューフィーダ9と、粉体充填部10とが一体にユニット化されているものである。粉体充填装置1は内部の水洗が可能なサニタリー仕様である。以下、各部を詳細に説明する。
【0025】
粉体充填装置1は、タンクユニット2が粉体充填ユニット3の上側に固定されたものである。粉体充填ユニット3はケーシング30と、充填前に粉体の篩いと磁性異物除去と送り出しとを一括して行う充填前処理室31と、機械室32と、充填前処理室31と機械室32を区画する板材から構成される隔壁33と、側面カバー34とを備えている。粉体充填ユニット3の下部に設けた、車輪12を取り付け粉体充填ユニット3を支持する架台13と、フットスイッチ14と、制御盤15と、タンクユニット2を架台13上で支持する支柱16と、を備える。
【0026】
タンク4は、図1〜図3に示す通り、ケーシング40と、ケーシング40に形成され粉気混相流を受け入れる入口管41と、ケーシング40に形成されロータリーシフタ7で発生する粉塵を集塵するためロータリーシフタ7と連通する吸引管42と、ケーシング40に形成され粉体充填部10で発生する粉塵を集塵するため粉体充填部10と連通する吸引管43と、流下孔44が形成された底板45と、側面に形成された点検扉46と、を備えている。
【0027】
フィルタ5は、図1〜図3に示す通り、点検扉50と、タンク4の内部に形成される含粉空気室51と、タンク4の外部に一体形成される清浄空気室52と、含粉空気室51と清浄空気室52とを区画するセルプレート53と、セルプレート53の開口に取り付けられるリテーナ54と、リテーナ54に被着される濾布55と、清浄空気室52内の清浄空気を外部に排出するファン56と、リテーナと、リテーナが挿入されると、逆洗装置(図示略)と、を備えている。含粉空気室51は吸引管42及び吸引管43と接続されている。フィルタ5の詳細な構造は、特許第2634042号公報を参照されたい。
【0028】
テーブルフィーダ6は、図1〜図3に示す通り、軸方向が垂直方向に配置され本体が底板45に固定された回転軸60と、回転軸60を駆動するモータ61と、回転軸60から水平方向に延び出し粉体を流下孔44から掻き出す羽根62と、を備えたものである。
【0029】
ロータリーシフタ7は、ケーシング30の内部の上部に形成されたものであり、ケーシング30の内部に横架される回転軸70と、回転軸70を支持するベアリングユニット71と、流下孔44から流下する粉体を受け入れる受入室72と、受入室72内において回転軸70に形成されるスクリューフィーダ73、受入室72に連通する篩室74と、篩室74内に回転軸70の周囲に設置されたシーブ75と、シーブ75の内側において回転軸70から半径方向に延び出す羽根形状のビーター76と、回転軸70を駆動するモータ77と、内部を点検するための点検扉78と、吸引管42と接続する弁79と、を備えている。ロータリーシフタ7の詳細な構造は、特開昭63−69577号公報、特開平11−244784号公報、また、シーブ75の詳細な構造は、国際公開番号WO02/38290A1公報、WO2004/060584A1公報、及び、WO2005/102543A1号公報に示すので、参照されたい。
【0030】
磁性異物除去部8は、ケーシング30内の回転軸70の下側領域に横架される回転軸80と、回転軸80を支持するベアリングユニット81と、回転軸80を回転駆動するモータ82と、充填前処理室31内のロータリーシフタ7の排出部下に設けた棒状磁石から構成され回転軸80に脱着可能に取り付けられ回転軸80と一体的に回転する回転磁石83と、篩室74と縦方向に連通し回転磁石83が配置される磁性異物除去室84と、を備えたものであり、回転磁石83をシーブ75の直下に設けている。
【0031】
スクリューフィーダ9は、ケーシング30内の回転軸80の下側領域に横架される回転軸90と、回転軸90を支持するベアリングユニット91と、回転軸90を回転駆動するモータ92と、充填前処理室31内の回転磁石83の直下に形成され粉体を粉体充填部10に排出するスクリューフィーダ93と、粉体の出口管94と、圧縮空気を軸シールのハウジングへ供給してシールするマニホールド電磁弁95と、を備えている。回転軸90は外部に抜き出すことができるように、分解する構造を備えている。
【0032】
粉体充填部10は粉体充填ユニット3の近辺に配置され、スクリューフィーダ9から排出される粉体を袋Bに充填するものであり、出口管94と接続するフィルタ用カバー101と、フィルタ用カバー101の上部に形成され吸引管43と接続する接続管102と、粉体を落下させる落ち口103と、出口管94を閉鎖するストッパーゲート104と、を備えている。ストッパーゲート104は計量精度を上げるため、スクリューフィーダ9からの粉体の排出を瞬時にシャットアウトするものである。
【0033】
粉体充填装置1の動作を説明する。電源が投入されると、モータ61、モータ77、モータ82が回転を開始し、回転軸60と、3本の並列な回転軸70、回転軸80、回転軸90が回転する。粉体が入口管41からケーシング40内に供給されると、底板45に貯留してゆき、羽根62の回転によって流下孔44から受入室72に流下させる。受入室72に流下した粉体はスクリューフィーダ73により水平方向に給送され、シーブ75の内側領域に入り、ビーター76の回転により攪拌され、ダマ取りが行われるとともに篩上粉体がビーター76内に残留し、篩下粉体がシーブ75を通過し、篩室74から磁性異物除去室84に流下する。回転磁石83が回転し、粉体を攪拌しながら磁性異物を吸着する。回転磁石83を通過した粉体は、スクリューフィーダ93の入口部に流下し、水平方向に給送され、出口管94を経て、落ち口103に入り、落下し、袋Bに充填される。
【0034】
また、これと並行して、フィルタ5がフィルタリングを行い、ケーシング40内で舞い上がった粉体を濾布55に吸着し、また、篩室74内で舞い上がった粉体を含む空気を吸引管42を経て含粉空気室51に吸引するとともに、落ち口103から舞い落ちようとする粉体を含む空気を吸引管43を経て含粉空気室51に吸引し、濾布55に吸着する。つまり、フィルタ5がタンク4と、ロータリーシフタ7と、粉体充填部10のフィルタリングを同時に行う。
【0035】
粉体充填装置1の内部洗浄する場合には、濾布55をリテーナ54から取り外し、入口管41から洗浄水を流し込み、タンク4、フィルタ5、テーブルフィーダ6、ロータリーシフタ7、磁性異物除去部8、スクリューフィーダ9を経て、粉体充填部10から流下させる。これにより、粉体充填装置1の内部を一挙に洗浄することができる。洗浄後は、濾布55をリテーナ54に取り付ける。適宜、シーブ75も交換する。粉体充填装置1は、前回とは別の種類の粉体製品の充填を行うことができる。内部の水洗について問題となるのは、軸シールの部分である。マニホールド電磁弁95により、軸シールをエアパージすることによって、水の浸入を防ぐことによって、水洗い対応としている。基本的には通常の業務において、各部品を分解することはない。
【0036】
シーブ75の清掃は、点検扉78を開き、シーブ75を抜き出して清掃し、元に戻す。或いは、シーブ75を装着したままで、篩上粉体を取り出す。また、磁性異物の清掃は、磁性異物除去部8の蓋(図示略)を開き、回転軸80から回転磁石83を取り外して、磁性異物を除去し、回転軸80に回転磁石83を取り外すことにより行う。
【0037】
粉体充填装置1をシステムに組み込んだ一例としての粉体充填設備120について、図8を参照して説明する。粉体充填装置1は充填設備120の下流端に設置される。空気配管ユニット121と、ダンピングサーバー122と、空気圧縮機123と、空気タンク124と、ロータリーバルブ125と、シフタ126と、ボールバルブ127と、混合機128と、ブロワ129と、を設置する。空気圧縮機123及び空気タンク124により、空気配管ユニット121からの粉体をロータリーバルブ125を経てシフタ126で篩い、2種類の粉体を混合機128で混合し、混合後の粉体を粉体充填装置1で袋Bに充填する。なお、粉体充填装置1は上記例への適用に限定されることなく、種々なる態様で適用できることは無論である。
【0038】
以上説明した実施形態によれば、次の効果がある。
【0039】
(1)ロータリーシフタ7と、磁性異物除去部8と、スクリューフィーダ9と、粉体充填部10とがひとつのユニットになり、内部が連通しているので、粉体の充填前の最終的なダマ取り、異物除去をひとつのユニットで行うことのできるので、個別に生産装置を設置する場合よりも、超コンパクトな装置を提供でき、省スペース及び省エネルギーに貢献する。また、図8に示す通り、比較例の図11と対比し、粉体空気輸送ラインが短縮される。
【0040】
(2)内部洗浄は、粉体充填装置1の内部に洗浄水を流すだけであるので、洗浄に要する時間が、個別に設置された生産装置を個々に洗浄し且つ配管も洗浄する場合よりも大幅に短縮される。これにより、粉体製品の種類の切り替えに掛かるタイムロスを最小限に抑え、生産コストパフォーマンスを大幅に改善することができる。イニシャルコストもエネルギーコストが少ないので、少量多品種生産工場に最適である。HACCP、GMP準拠はもちろんのこと、水洗が可能なサニタリー仕様により、アレルゲン問題に対応できる。
【0041】
(3)ロータリーシフタ7の異物発生に対する防御性能が優れ、最終篩いとしての機能が高い。なお、図11のシステムの場合、シフター526bの後工程に空気輸送切替弁、タンク内集塵機(フィルター)、テーブルフィーダー等を設ける必要があり、その場合、その機器に由来する異物が発生したり、タンク内においてカビ、害虫等の異物が発生したりすることもあり、シフター526bの最終篩としての機能が劣っているが、ロータリーシフタ7はこの欠点を大幅に改善できる。
【0042】
(4)ロータリーシフタ7と、磁性異物除去部8とを一体に設けたので、一度に篩処理と磁性異物処理できる、内部洗浄が容易になる。
【0043】
(5)フィルタ5がタンク4、ロータリーシフタ7、粉体充填部10の3つの装置を同時にフィルタするので、フィルタ効率が格段に向上する。
【0044】
(6)回転磁石83が粉体を攪拌するので、スクリューフィーダ73での粉詰まりや損傷を防止でき、耐久性が向上する。
【0045】
(7)ロータリーシフタ7のシーブ75は誰にでも短時間で簡単に交換が可能であり、回転磁石83も簡単に分解できるため、鉄粉等の磁性異物の除去を速やかに行うことが可能である。また、スクリューフィーダ9のシャフトを抜き出すことができるため、きめ細かなメンテナンスを行うことが可能である。
【実施例2】
【0046】
実施例2の粉体充填装置201について図9〜図10を参照して説明する。粉体充填装置201は粉体充填装置1と概ね共通するので、共通点については実施例1の説明を援用し共通部品については200番台の番号を付与し、相違点について詳細に説明する。粉体充填装置1は、タンクユニット2の下に粉体充填ユニット3下に吊下げて設置したものであるのに対し、粉体充填装置201は、台ユニット202の上に粉体充填ユニット203を自立させて設置したものであり、また、粉体充填ユニット203の上にホッパ236を備えている、このホッパ236に、粉体の粉面のレベルを検出するレベルスイッチ237と、上部に設けたフェルール238と、点検窓239と、下端に開口する排出口248と、を備えている。レベルスイッチ237は外部からホッパ236への粉体供給を制御するのに用いられる。粉体は排出口248から受入口272へ粉体を流下する。なお、袋Bをクランプするクランプ298が粉体充填部210に設置されている。
【0047】
実施例2の汎用充填機として使用する自立型と実施例1のストックタンクに直接取り付ける吊下げ型の2つのタイプでユーザーニーズに対応できる。
【実施例3】
【0048】
この実施例3は実施例1のロータリーシフタ7と磁性異物除去部8の上下の位置を変更したものである。共通する構成については実施例1の説明を援用する。ロータリーシフタ7のシーブ75を保護する上で、磁性異物除去部8が直上にある方が好ましい。篩いの前に磁性異物を除去するので、磁性異物がシーブ75を損傷することを防止できるからである。ただし、テーブルフィーダ6は定量性がないため、磁性異物除去部8を機能させるにはテーブルフィーダ6に代えて定量性のある供給機(排出機)を磁性異物除去部8の上流側に配備する。なお、本実施例3は実施例2にも適用できる。
【0049】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於て、改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明実施形態の実施例1の粉体充填装置の平面図である。
【図2】同装置の正面図である。
【図3】同装置の右側面図である。
【図4】同充填ユニットの内部を示す縦断面図(正面面)である。
【図5】同装置の充填ユニットの右側面図である。
【図6】同粉体充填ユニットの左側面図である。
【図7】同粉体充填ユニットの内部を示す平面図である。
【図8】同粉体充填装置を組み込んだ充填設備のシステム構成図である。
【図9】実施例2の粉体充填装置の部分断面を含む正面図である。
【図10】同装置の右側面図である。
【図11】比較例の粉体充填設備のシステム構成図である。
【符号の説明】
【0051】
1…粉体充填装置 2…タンクユニット 3…粉体充填ユニット 4…タンク
5…フィルタ 6…テーブルフィーダ 7…ロータリーシフタ 8…磁性異物除去部
9…スクリューフィーダ 10…粉体充填部 11…計量器 12…車輪
13…架台 14…フットスイッチ 15…制御盤 30…ケーシング
31…充填前処理空間 32…機械室 33…隔壁 34…側面カバー
40…ケーシング 41…入口管 42…吸引管 43…吸引管 44…流下孔
45…底板 46…点検扉 50…点検扉 51…含粉空気室 52…清浄空気室
53…セルプレート 54…リテーナ 55…濾布 56…ファン 60…回転軸
61…モータ 62…羽根 70…回転軸 71…ベアリングユニット 72…受入室
73…スクリューフィーダ 74…篩室 75…シーブ 76…ビーター 77…モータ
78…点検扉 79…弁 80…回転軸 81…ベアリングユニット 82…モータ
83…回転磁石 84…磁性異物除去室 90…回転軸 91…ベアリングユニット
92…モータ 93…スクリューフィーダ 94…出口管 95…マニホールド電磁弁
101…フィルタ用カバー 102…接続管 103…落ち口
104…ストッパーゲート 120…充填設備 121…空気配管ユニット
122…ダンピングサーバー 123…空気圧縮機 124…空気タンク
125…ロータリーバルブ 126…シフタ 127…ボールバルブ 128…混合機
129…ブロワ 201…粉体充填装置 202…台ユニット
203…粉体充填ユニット 210…粉体充填部 237…レベルスイッチ
236…ホッパ 238…フェルール 248…排出口 272…受入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を篩うシーブと、前記シーブ内で水平方向に配置される回転羽根と、を有するロータリーシフタと、
前記ロータリーシフタの近辺に配置され、前記ロータリーシフタから排出される粉粒体を容器に充填する粉粒体充填部と、
を備え、
前記ロータリーシフタと、前記粉粒体充填部とが一体にユニット化される粉粒体充填装置。
【請求項2】
前記ロータリーシフタの排出部と、前記粉粒体充填部の間に、磁石で磁性異物を吸着する磁性異物除去装置を一体に設け、前記ロータリーシフタの篩室と磁性異物除去装置の除去室とが縦方向に連通する請求項1の粉粒体充填装置。
【請求項3】
前記ロータリーシフタの供給部に、磁石で磁性異物を吸着する磁性異物除去装置を一体に設け、前記ロータリーシフタの篩室と磁性異物除去装置の除去室とが縦方向に連通し、定量性の供給機を設けることにより前記磁性異物除去装置に粉体を供給する請求項1の粉粒体充填装置。
【請求項4】
前記ロータリーシフタの上部に粉粒体を貯留するタンクユニットを備え、該ユニットが、タンクと、フィルタと、粉体供給機と、が一体化され、前記フィルタが、前記タンク、前記ロータリーシフタ、及び、前記粉粒体充填部のフィルタを行う請求項1乃至3いずれかの粉粒体充填装置。
【請求項5】
前記磁性異物除去装置が棒状磁石を備え、これをモータで回転する請求項1乃至4いずれかの粉粒体充填装置。
【請求項6】
前記粉体充填部が、前記磁性異物除去装置又はロータリーシフタからの粉体を給送するスクリューフィーダと、前記スクリューフィーダから排出される粉体を容器に充填する粉体充填口と、を備える請求項2乃至5いずれかの粉粒体充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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