説明

粒子の表面改質のための方法

官能性粒子の製造方法は、粒子、粒子と反応性を有する表面処理剤、及び溶媒を含む原材料を提供することを含む。原材料は、粒子を表面処理剤と反応させて官能性粒子を提供するのに十分な温度に維持された連続的熱水反応器を通して指向される。本発明の方法は、官能性粒子を約4時間未満で提供することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、官能性粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属酸化物粒子のような特定の粒子を組み込んだ複合材料は、例えば、粒子が、粒子を包囲する通常有機ポリマーであるマトリックス材料と相溶性を有する場合に有用であり得る。相溶性を達成する1つの技法は、粒子の表面を化学的に改質することによる。
【0003】
粒子の表面改質を達成する技法は公知である。例えば、加水分解アルコキシシランは、金属酸化物粒子の表面上のヒドロキシル基と反応してシラン官能性粒子を提供できる。溶媒溶液(例えば、水とアルコールの混合物)の沸点以下で操作されるバッチ反応器システム内では、これらの反応は、2時間〜約24時間のいずれかの時間で完了し得る。この表面改質プロセスの長い反応時間は、製造コストを高く保っている。その高いコストのため、官能性粒子の経済的な用途は限定されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、官能性ナノ粒子を含む官能性粒子の製造のための連続プロセスを提供する。一態様において、本発明は、官能性粒子の製造方法を提供し、方法は、
粒子と、
粒子と反応性を有する表面処理剤と、
溶媒と、を含む原材料を提供し、
粒子を表面処理剤と反応させて約4時間未満で官能性粒子を提供するのに十分な温度に維持された連続的熱水反応器を通して、原材料を指向させる、ことを含む。
【0005】
本発明の実施形態の態様を記載するために本明細書で使用される様々な用語は、当業者に公知の意味と同一の意味を有するものと理解されよう。明確さのため、特定の用語は、本明細書に記載する意味を有すると理解するべきである。
【0006】
「ベーマイト」は、主ににγ−水酸化酸化アルミニウム(γ−AlOOH)である材料を指す。
【0007】
「連続的熱水」は、水性媒質又は有機媒質を、媒質の沸騰を防止するのに必要な圧力以上の圧力において、この媒質の通常沸点を超える温度で加熱する方法を指す。連続的熱水方法を用いる反応器(例えば、連続的熱水反応器)内において、原材料は加熱領域へ連続的に導入され、加熱領域から流出物が連続的に除去される。
【0008】
「有機マトリックス」は、ポリマー材料又はポリマー材料の前駆体(例えば、モノマー若しくはオリゴマー)を指す。
【0009】
「実質的に対称的な粒子」は、長さ、幅及び高さの測定値が実質的に同一である点で比較的対称的な粒子を指し、そのような粒子の平均縦横比は約1である。
【0010】
本明細書で使用されるとき、端点による数値範囲の引用は、その範囲に包含される全ての数値を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5を含む)。
【0011】
本明細書に含まれる不定冠詞「a」又は「an」に続く名詞の単数形は、文脈が特に明白に定めない限り、その名詞の複数形を包含すると推測されるべきである。
【0012】
特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用されている量又は成分量、性質の測定値等を表す全ての数は、全ての例において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、別途指示がない限り、先行の本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値的パラメータは、本開示の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低でも、それぞれの数値的パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法の適用によって少なくとも解釈されるべきである。本開示の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかし、いずれの数値もそれらの試験測定値それぞれにおいて見られる標準偏差から必然的に生じる誤差を本来含有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施形態の記載において、実施形態の構成要素が参照番号により識別され、同様の参照番号が同様の構成要素を示す図面を参照する。
【図1】本発明の方法で使用される連続的熱水反応器システムの概略図。
【0014】
当業者は、詳細な説明、実施例及び添付の特許請求の範囲を含む開示の残部に記載される実施形態を更に考慮することにより、本発明の特徴を理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、未処理粒子の表面上の官能基と反応性を有する1種以上の表面処理剤を使用する、官能性粒子の製造方法を提供する。「反応性」とは、表面処理剤が、共有結合、イオン結合、水素結合等のいずれかを介して、未処理粒子の表面上の官能基と相互作用することを意味する。本発明の方法は、粒子と表面処理剤とを急速に反応させて、ミクロ粒子及びナノ粒子を含む官能性粒子を提供するのに十分な圧力及び温度に維持された連続的熱水反応器システム内において、粒子の表面処理に関する先行技術による合成手法と比較して短縮された時間内で反応物を急速に処理することを促進する。本発明のいくつかの実施形態において、粒子は実質的に対称的なミクロ粒子又はナノ粒子である。例として、実質的に対称的な粒子は、実質的に球形、実質的に立方体等のものを含む。別の実施形態では、本発明に有用な粒子は、3つの空間測定値の全てにおいて対称的ではない。そのような非対称の粒子は、例えば、個々の粒子が長手方向軸と横方向軸とを含み、長手方向が横方向軸よりも長い、針状又は長円形であってもよい。換言すれば、実質的に対称的な粒子が、一般に、実質的に等しい長さ、幅及び高さを有する一方、非対称の粒子は、他の2つよりも大きいか又は小さい少なくとも1つの空間測定値を有する。
【0016】
本発明の方法は、周囲気圧で操作される通常使用されているバッチ反応器内よりも急速に、官能性粒子、いくつかの実施形態では官能性ナノ粒子を提供する。本発明の方法で得られる官能性粒子は、例えば、耐摩耗性コーティング、高屈折率コーティング、又は紫外線放射の効果に抵抗するコーティングとして使用される複合材料に組み込むことができる。更に、本発明のプロセスは、プロセスの急速かつ連続した性質により、急速な反応速度、改善された反応制御、高いスループットの可能性、及び必要な労働力の低減を促進する。その結果、本発明のプロセスは、例として、ガラス繊維樹脂複合材料、及び光学品質フィルムを含む様々な複合材料のいずれかに使用される官能性粒子、いくつかの実施形態では官能性ナノ粒子の製造に関連した製造コストを低下させる手段を提供する。
【0017】
本発明のプロセスの出発物質は、最初に集められ、混合されて原材料とされ、原材料は未反応粒子、溶媒及び1種以上の表面処理剤を含む。水性媒質(例えば、水が主要な溶媒)中で未反応粒子はヒドロゾルを形成し、これに表面処理剤が添加される。場合により、表面処理剤(1種又は複数種)を水性ゾルと相溶性を有するものとするのに必要であれば、水性原材料の処方中に共溶媒を含ませる。いくつかの実施形態において、粒子はヒドロゾル中に分散される(水が主要な溶媒として機能する)。いくつかの実施形態において、粒子はオルガノゾル中に分散される(有機溶媒(1種又は複数種)が用いられる)。更に別の実施形態において、粒子は混合ゾル中に分散される(液体媒質が水と有機液体の両方を含む)。
【0018】
ゾル処方中、未反応粒子が溶媒に添加される。本発明の実施形態において、粒子は、比較的均一な寸法を有し、ゾル中に含まれている際に凝集しない。しかしながら、有用な粒子は、最終的な官能性製品の所望の用途に応じて、任意の様々な寸法を有し得る。いくつかの実施形態において、粒子は、1マイクロメートル以上の平均厚さを有する点で、ミクロ粒子である。いくつかの実施形態において、粒子は、約30マイクロメートルまでの平均厚さを有する。いくつかの実施形態において、粒子は、約1マイクロメートル未満、いくつかの実施形態では約500nm未満、いくつかの実施形態では約100nm未満、いくつかの実施形態では約50nm未満の平均厚さ(例えば、長さ、幅又は高さ)を有する点で、ナノ粒子である。いくつかの実施形態において、粒子は、約10nm未満の平均厚さを有する。
【0019】
いくつかの実施形態において、粒子は非対称である。そのような非対称の粒子は、ミクロ粒子であってよい。いくつかの実施形態において、非対称の粒子は、ナノ粒子であってよい。いくつかの実施形態において、非対称のナノ粒子は、1000ナノメートル以下であるが、一般に少なくとも3ナノメートルの平均長さを有する針状ナノ粒子であってよい。いくつかの実施形態において、針状粒子は、5〜1000ナノメートルの範囲内、いくつかの実施形態では、5〜500ナノメートルの範囲内の平均長さを有してよい。いくつかの実施形態において、針状粒子は、10〜500ナノメートル、10〜400ナノメートル、10〜200ナノメートル、10〜100ナノメートル等の範囲内の長さを有してよい。いくつかの実施形態において、針状ナノ粒子は、一般に20ナノメートル以下、15ナノメートル以下、12ナノメートル以下、10ナノメートル以下、8ナノメートル以下、6ナノメートル以下、又は5ナノメートル以下の平均幅を有する。平均幅は、例えば、1〜20ナノメートル、1〜15ナノメートル、1〜10ナノメートル、2〜10ナノメートル等の範囲内であってよい。
【0020】
未反応粒子は、様々な材料のいずれかを含み得る。いくつかの実施形態において、粒子は有機材料を含み、別の実施形態では、粒子は無機材料を含む。本発明の実施形態において、粒子は、例えば、金属、無機酸化物、無機硫化物、無機アンチモン化物、無機塩、無機窒化物、金属粒子、金属被覆粒子を含むが、これらに限定されない無機材料の広いカテゴリーから選択されてよい。好適な有機材料は、例えば、カーボンブラック及び有機顔料を含む。無機顔料も使用し得る。
【0021】
無機粒子を使用する本発明の実施形態において、粒子は、例えば、金、白金、銀、ニッケル及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる粒子等の金属粒子を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、カーボンブラック及び有機顔料等の有機粒子が本発明の方法に有用である。赤色酸化鉄、黄色763ED(クロム酸Pb)、緑色Co(Al、Cr)、ナトリウムアルミノスルホシリケート(ウルトラマリンブルー)、炭酸ストロンチウム、リン酸亜鉛、炭酸水酸化マグネシウム及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせ等の無機顔料も使用し得る。
【0023】
無機酸化物は、本発明の方法に使用するのに好適であり得る。好適な酸化物としては、ジルコニア、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化ケイ素(シリカ)三酸化アンチモン、酸化ホウ素、亜酸化ホウ素、酸化ビスマス(III)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、酸化クロム(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化マグネシウム−MgO、酸化マンガン(IV)(二酸化マンガン−MnO)が挙げられる。
【0024】
いくつかの実施形態において、好適な粒子は、硫化銅(I)−CuS、硫化銅(II)−CuS及び硫化亜鉛−ZnSを含み得るが、これらに限定されない無機硫化物の粒子を含む。いくつかの実施形態において、好適な粒子には、リン化インジウム、リン化アルミニウム、真鍮、金属被覆ガラス、炭化ホウ素−BC、窒化ホウ素−BN、炭化カルシウム−CaC、水酸化カルシウム、水酸化銅(II)、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸コバルト(II)、炭酸銅(II)、硝酸銅(II)、硫酸銅(II)、炭酸リチウム、硝酸リチウム−LiNO、硫酸リチウム−LiSO、炭酸マグネシウム−MgCO、リン酸マグネシウム−Mg(PO、硫酸マグネシウム−MgSO、硫酸マンガン(II)一水和物−MnSO・HO、リン酸マンガン(II)−Mn(PO、炭酸ニッケル(II)−NiCO、水酸化ニッケル(II)−Ni(OH)、硝酸ニッケル(II)−Ni(NO、二酸化ケイ素−SiO、二酸化チタン(酸化チタン(IV))−TiO、炭酸亜鉛−ZnCO、酸化亜鉛−ZnO、硫酸亜鉛−ZnSOの粒子が挙げられる。
【0025】
これら微粒子材料のうちの2つ以上の組み合わせが、本発明の範囲内にて想定される。
【0026】
本発明の所定の実施形態において、未反応粒子は、二酸化ケイ素(SiO、即ち「シリカ」)を含む。好適な二酸化ケイ素粒子は、ナノ粒子又はミクロ粒子としてであってよい。いくつかの実施形態において、二酸化ケイ素粒子は、中実粒子(例えば、中空ではない)である。いくつかの実施形態において、二酸化ケイ素粒子は、中空ガラスミクロスフェアであってよい。別の実施形態では、二酸化ケイ素粒子は、中実(例えば、中空ではない)ガラスビーズであってよい。いくつかの実施形態では、コロイド状シリカが好ましい。コロイド状チタニア、コロイド状アルミナ、コロイド状ジルコニア、コロイド状バナジア、コロイド状クロミア、コロイド状酸化鉄、コロイド状酸化アンチモン、コロイド状酸化スズ、及びこれらのうちの2つ以上の混合物等の他のコロイド状金属酸化物を使用することができる。好適なコロイド状粒子は、単一の酸化物、例えばシリカ等を含むことができ、又は上部に他の種類の酸化物が堆積された1種類の酸化物からなるコアを含むことができる。いくつかの実施形態において、好適なコロイド状粒子は、上部に金属酸化物が堆積された金属酸化物以外のコアを含む。
【0027】
コロイド状ミクロ粒子又はナノ粒子は、比較的均一な寸法を有し、凝集、沈殿、ゲル化、又はゾル粘度の劇的な増大を避けるため、実質的に凝集しない状態に留まることが好ましい。いくつかの実施形態において、本発明での使用に特に望ましい粒子のクラスは、無機粒子のゾル(例えば、液体媒質中の無機粒子のコロイド状分散体)、特に非晶質シリカのゾルを含む。このようなゾルは、種々の技術により調製することができ、種々の形態であってよく、形態としては、ヒドロゾル(水が液体媒質として機能する場合)、オルガノゾル(有機液体が用いられる場合)、及び混合ゾル(液体媒質が水と有機液体の両方を含む場合)が挙げられる。例えば、それらの開示全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第2,801,185号(Iler)及び同第4,522,958号(Das et al.)を参照されたい。The Chemistry of Silica、John Wiley & Sons,New York(1979)の中のR.K.Ilerも参照されたい。
【0028】
好適なシリカヒドロゾルは、Naperville、IllinoisのOndeo Nalco Chemical Companyから商標名「Nalco 2329」及び「Nalco 2327」で入手可能なもの等、種々の粒径及び濃度で市販されている。好適なシリカゾルの他の供給源は、Houston、TexasのNissan Chemical America Corporationから商標名「Nissan MP2040」で市販されている。シリカヒドロゾルは、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩の水性溶液を、(得られた溶液のナトリウム含有率が、酸化ナトリウムに基づき約1重量パーセント未満であるように)酸でpH約8又は9に部分的に中和することにより調製することができる。シリカヒドロゾルを調製する他の方法、例えば、電気透析、ケイ酸ナトリウムのイオン交換、シリコン化合物の加水分解、及びシリコン元素の溶解が公知である。
【0029】
本発明では、原材料は、粒子を一般にゾル中で表面処理剤と混合することにより調製される。本発明の方法は、有機ポリマー等の有機マトリックス材料と相溶性を有する官能性粒子を提供する。好適な表面処理剤としては、オルガノシラン、オルガノチタネート、オルガノジルコネート、オルガノ酸、オルガノアミン、オルガノチオール、ホスフィン酸及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
粒子がコロイド状二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタンを含む用途では、ゾル中の粒子の濃度は一般に約60重量%〜約15重量%、いくつかの実施形態では55重量%〜30重量%、いくつかの実施形態では約35重量%〜45重量%である。
【0031】
加えて、粒径が多大に異なる粒子の混合物を本発明に従って表面処理してよい。粒径の好適な組み合わせのいくつかの例は、約20nmの厚さを有する粒子と、約142nmの厚さを有する粒子等のより大きい粒子との混合物を含む。加えて、20nmの粒子と200nmの粒子を、また20nmの粒子と500nmの粒子を混合してもよい。これらの混合された粒径の好適な重量比は、広い範囲内にあることができ、いくつかの実施形態では1/20〜20/1である。
【0032】
本発明の実施形態において、粒子表面の反応性基(例えば、ヒドロキシル基)は、表面処理剤(1種又は複数種)と相互作用して官能性粒子を形成するよう使用される。特定の実施形態では、粒子表面上の反応性基(例えば、ヒドロキシル基)は、表面処理剤(1種又は複数種)と共有結合する。いくつかの実施形態において、粒子表面上の反応性基は、表面処理剤(1種又は複数種)とイオン結合する。
【0033】
酸化物粒子(例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム等)を使用する本発明の実施形態では、好適な表面処理剤は、粒子の表面に沿ったヒドロキシル基と反応性を有するものを含む。いくつかの実施形態において、好適な表面処理剤は、オルガノシランを含む。いくつかの実施形態において、好適なオルガノシランは、1つの有機置換基と3つの加水分解性置換基とを含む。例示的なオルガノシランには、[2−(3−シクロヘキセニル)エチル]トリメトキシシラン、トリメトキシ(7−オクテン−1−イル)シラン、イソオクチルトリメトキシ−シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−アクロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、−9−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシランオクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−tブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘプタメチル(2−[トリス(2−メトキシエトキシ)シリル]エチル)トリシロキサン(米国特許第20030220204号に記載されているような)ポリジメチルシロキサン、例えば、置換及び非置換アリールシランを含むアリールシラン、例えば、例えば、メトキシ及びヒドロキシ置換アルキルシランを含む、置換及び非置換アルキルシランを含むアルキルシラン、並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0034】
ポリウレタン環境中で使用されるべきシリカ粒子の好適な表面処理は、好適な2又は3官能性ポリオールを3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネートと反応させて、ウレタン結合を形成することにより生じ得る。好適なポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール(Tone 2221、Midland MIのDow Chemicalから入手可能)、Desmophenポリエステル樹脂ポリオール(Bayer MaterialScience、Pittsburgh、PA)、ヒドロキシル末端ポリブタジエン及びポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールが挙げられる。
【0035】
酸化物粒子とともに使用するのに好適な他の表面処理剤には、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、βカルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、商品名「Silquest A1230」(Wilton、ConnecticutのMomentive Specialtiesから市販されている)で識別される、独自仕様のシラン表面改質剤を使用することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、好適な表面処理剤には、アルキルアミン及び/又はアリールアミンが挙げられる。特定の実施形態において、C〜C30アルキル及びアリールアミン、特にポリエチレングリコール−官能性アミン(例えば、ジェファミン材料、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、及びそれらの組み合わせを含む表面処理剤を使用することができる。別の実施形態では、好適な表面処理剤は、チオール、特にC〜C30アルキル及びアリールチオールを含むものを含む。別の実施形態では、カルボン酸を含む表面処理剤、特にC〜C30アルキル及びアリールカルボン酸を含むものが所望され得る。更に別の実施形態では、ホスフィン酸を含む表面処理剤、特にC〜C30アルキル及びアリールホスフィン酸を含むものが所望され得る。
【0037】
水が主要な溶媒として使用される実施形態では、場合により有機共溶媒をゾルに添加して、表面処理剤及び官能性粒子の溶解性を促進してよい。好適な共溶媒は、様々な水混和性有機溶媒のいずれかを含む。いくつかの実施形態において、共溶媒(1種又は複数種)は、例えば、1−メトキシ−2−プロパノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、及び/又は1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、メタノール、メトキシ(エトキシ(エトキシ))エタノール、並びにこれらのうちの2つ以上の混合物を含む群から選択されてよい。
【0038】
カーボンブラック等の炭素質粒子をトルエン、ベンゼン又はエチルベンゼン等の溶媒中で表面処理してよい。いくつかの実施形態において、そのような炭素質粒子の粒子濃度は、約5重量%〜約25重量%の範囲内であり、表面処理負荷は約0.05重量%〜約0.1重量%である。いくつかの実施形態において、表面処理剤は、ジルコネート、チタネート及び有機アリール/アルキルアミン、並びにそれらの組み合わせから選択される。
【0039】
原材料は調製された後、連続的熱水反応器に通される。公知の構造の連続的熱水反応器を、本発明のプロセスに使用することができる。好適な連続的熱水反応器は、Adschiri et al.,J.Ceram.Soc.,75(4),1019−1022(1992)による論文及び米国特許第5,453,262号(Dawson et al)に記載されている。これらの構造において、連続的熱水反応器システムの加熱される部分は、電気抵抗ヒーターで包囲された直線状の管を含む。
【0040】
以下、図面を参照し、連続的熱水反応器システム100を図1に概略的に示す。原材料110は、表面処理剤(1種又は複数種)、ゾル中の粒子(例えば、コロイド状シリカナノ粒子)を含む。原材料110は、タンク115内で混合され、タンク内に配置される。タンク115は、管又はパイプ117によりポンプ120に接続されている。同様の管又はパイプを用いて、反応器システム100の他の構成要素を接続することができる。管又はパイプ117は、例えば、ポリマー材料又はセラミック材料等の任意の好適な(例えば、非反応性)材料から構成されてよい。いくつかの実施形態において、管又はパイプ117は、連続的熱水反応システム100の加熱されない高圧のかからない部分において、ポリエチレン管又はポリプロピレン管であってよい。ポンプ120を用いて、原材料110をタンク115から管又はパイプ117を通して管状反応器130の入口132内に揚送する。管状反応器130内の圧力に抗して揚送する能力のある任意の種類のポンプ120が用いられ得る。管状反応器130内への原材料110の流れは、ポンプ120により制御され、かつ一定の流速であっても、又は一定でない若しくはパルス状の流速であってもよい。
【0041】
本明細書において使用される用語「管状反応器」は連続的熱水反応システムの加熱される部分(即ち、加熱領域)を指す。管状反応器130は、図1では管のコイルとして示されているが、管状反応器は任意の好適な形状を有し得ることが理解されよう。管状反応器の形状は、多くの場合、管状反応器の所望の長さ及び管状反応器を加熱するために用いられる方法に基づいて選択される。例えば、管状反応器は、直線状、U字形、又はコイル状であることができる。管状反応器の内部部分は、空であってよく、又はバッフル、球、若しくは内部を通過する成分を混合するための他の公知の手段を含んでもよい。
【0042】
図1に示すように、管状反応器130は、加熱容器150内の加熱媒質140内に定置される。加熱媒質140は、例えば、実質的に高い温度に加熱できる油、砂等であることができる。いくつかの実施形態において、加熱媒質は、表面処理剤(例えば、オルガノシラン)の加水分解及び縮合温度を超える温度に加熱される。好適な油としては、例えば、ピーナツ油、カノーラ油等の植物油が挙げられる。一部の植物油は、油の酸化を防ぐ又は最低限に抑えるため、好ましくは、加熱されたとき窒素下で保持される。他の好適な油には、Duratherm Extended Fluids(Lewiston、NY)から商標名「DURATHERM S.」で市販されているもの等のポリジメチルシロキサンが挙げられる。加熱容器150は、加熱媒質を保持でき、管状反応器130に関して使用される加熱温度に耐える任意の好適な容器であることができる。加熱容器150は、任意の好適な手段を用いて加熱することができる。多数の実施形態において、加熱容器150は、電気的に加熱されたコイル(図示せず)の内部に位置する。代替的に、例えば、誘導加熱器、燃料燃焼加熱器、加熱テープ、及び蒸気コイル等の他の種類の加熱器を加熱容器150、加熱媒質140、又はその両方の代わりに使用することができる。
【0043】
管状反応器130は、官能性粒子の調製に使用される温度及び圧力に耐える能力のある任意の材料で形成され得る。管状反応器130は、表面処理反応の反応条件に暴露された際の損傷に抵抗性の材料から構成されることが好ましい。例えば、表面処理剤として有機酸を使用する場合、連続的熱水反応器システム内で原材料中にカルボン酸が存在する場合があり、又は副生物として生成される場合があり、管状反応器は、そのような酸の存在下で腐蝕又は他の損傷に抵抗性を有する必要がある。いくつかの例示的な実施形態では、管状反応器はステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素を主成分とする鋼等により形成される。
【0044】
本発明の実施形態において、加熱媒質140は、管状反応器130内の原材料を、媒質の沸騰を防止するために必要な圧力以上の圧力において、原材料中に使用されている溶媒の通常沸点を超える温度に維持する。原材料は管状反応器130の加熱領域内に連続的に導入され、管状反応器の加熱領域から流出物が連続的に除去される。原材料の導入及び流出物の除去は、一定であっても、又は断続的(例えば、パルス状)であってもよい。
【0045】
実施形態において、管状反応器130の内部表面はフッ素化ポリマー材料を含み、フッ素化ポリマー材料は、例えば、フッ素化ポリオレフィンを含み得る。いくつかの実施形態において、ポリマー材料は、TEFLON(登録商標)等のポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)であり、TEFLON(登録商標)はDuPont(Wilmington、Delaware)の商標名である。いくつかの管状反応器は、PTFEを含むホース等のフッ素化ポリマーホースを有し、ホースは、編組ステンレス鋼ハウジング等の金属ハウジング内に収容されている。フッ素化ポリマー材料を通した熱伝導は、原材料中の粒子と表面処理剤(1種又は複数種)とを連続的熱水条件下で官能性粒子に変換するのに十分である。フッ素化ポリマー表面は、例えば、ステンレス鋼から構成されるもの等の熱水反応器から金属を浸出し得るカルボン酸を含む原材料溶液及び/又は反応生成物とともに使用するのに特に有利である。
【0046】
管状反応器130の第2末端部134は、好適な冷却装置160に接続している。いくつかの実施形態において、冷却装置160は、冷却媒質が充填された外側ジャケットを備える管又はパイプの部分を含む熱交換器である。別の実施形態では、冷却装置160は、冷却水を収容する容器内に定置された管又はパイプのコイル状部分を含む。これらのいずれの実施形態においても、反応器流出物は、管の部分を通過させられ、この管状反応器の温度から、100℃以下、80℃以下、60℃以下、40℃以下、又は25℃以下の温度まで冷却される。いくつかの実施形態において、管の部分は、管状反応器の温度から、10℃以下の温度まで冷却される。ドライアイス又は冷蔵コイルを収容する他の冷却装置を用いることもできる。冷却後、反応器流出物は製品回収容器180に排出することができる。管状反応器130からの流出物は、容器180内に排出される前に、凝固点以下まで冷却されないことが好ましい。
【0047】
管状反応器内部の圧力は少なくとも部分的にバックプレッシャーバルブ170により制御されてよく、バックプレッシャーバルブ170は一般に冷却装置160及び試料回収容器180の間に配置される。バックプレッシャーバルブ170は、連続的熱水反応システム100の出口の圧力を制御し、管状反応器130内部の圧力の制御を助ける。多くの場合、バックプレッシャーは少なくとも0.7MPa(100ポンド/平方インチ)、少なくとも1.4MPa(200ポンド/平方インチ)、少なくとも2.1MPa(300ポンド/平方インチ)、少なくとも2.8MPa(400ポンド/平方インチ)、少なくとも3.5MPa(500ポンド/平方インチ)、少なくとも4.2MPa(600ポンド/平方インチ)、又は少なくとも4.9MPa(700ポンド/平方インチ)である。いくつかの実施形態において、バックプレッシャーは、約4.9MPa(700ポンド/平方インチ)を越える。バックプレッシャーは管状反応器130内部での沸騰を防止するほど十分高くあるべきである。
【0048】
管状反応器130の寸法は変更でき、原材料の流速とともに、管状反応器内部に反応物に好適な滞留時間を与えるように選択され得る。本明細書において使用される用語「滞留時間」は、原材料が連続的熱水反応器システムの加熱領域内部にある平均の時間の長さを指す。即ち、滞留時間は、原材料が管状反応器130内部にある平均時間であり、管状反応器の体積を原材料の流速で割ったものに等しい。滞留時間が原材料を官能性粒子に変換するのに十分であるならば、好適な長さの任意の管状反応器を使用することができる。管状反応器は、少なくとも0.5メートル、少なくとも1メートル、少なくとも2メートル、少なくとも5メートル、少なくとも10メートル、少なくとも15メートル、少なくとも20メートル、少なくとも30メートル、少なくとも40メートル、又は少なくとも50メートルの長さを有することが多い。いくつかの実施形態において、管状反応器の長さは、1000メートル未満、500メートル未満、400メートル未満、300メートル未満、200メートル未満、100メートル未満、80メートル未満、60メートル未満、40メートル未満、又は20メートル未満である。
【0049】
比較的小さな内径を有する管状反応器が通常は好ましい。例えば、約3センチメートル以下の内径を有する管状反応器は、これらの反応器により達成され得る原材料の比較的高い加熱速度のために、使用されることが多い。また、より大きな内径を有するものに比べて、より小さな内径を有する反応器の場合、管状反応器130全域の温度勾配がより小さい。しかしながら、管状反応器130の内径が小さすぎると、反応器の壁に堆積する材料に起因して稼働中に反応器が詰まる、又は部分的に詰まる可能性が増加する。管状反応器130の内径は、少なくとも0.1センチメートル、少なくとも0.15センチメートル、少なくとも0.2センチメートル、少なくとも0.3センチメートル、少なくとも0.4センチメートル、少なくとも0.5センチメートル、又は少なくとも0.6センチメートルであることが多い。いくつかの実施形態では、管状反応器130の直径は、3センチメートル以下、2.5センチメートル以下、2センチメートル以下、1.5センチメートル以下、又は1.0センチメートル以下である。いくつかの管状反応器は、0.1〜3.0センチメートル、0.2〜2.5センチメートル、0.3〜2センチメートル、0.3〜1.5センチメートル、又は0.3〜1センチメートルの範囲内の内径を有する。
【0050】
管状反応器130の内径を増大させるのではなく、平行な様式で配置された、より小さい内径を有する複数の管状反応器を用いることが好ましい場合がある。例えば、より大量の官能性粒子を製造するために、管状反応器130の内径を増加させるのではなく、約3センチメートル以下の内径を有する複数の管状反応器を同時に操作することができる。
【0051】
管状反応器130は、異なる内径を有し、かつ異なる材料から形成された2つ以上の管部分に分割することができる。例えば、第1の管部分の直径を第2の管部分と比較して小さくして、第2の管部分内で処理温度に保持されるに前に、より小径の管内で原材料溶液のより急速な加熱を促進することができる。一実施形態において、管状反応器130の第1の部分は、1センチメートルの内径を有するステンレス鋼の管から形成されてよく、第2の部分は、ステンレス鋼ハウジング内部に収容され、かつ2センチメートルの内径を有するPTFE管から形成されてもよい。
【0052】
原材料を官能性粒子に変換するために十分長ければ、管状反応器を通じる原材料の任意の好適な流速が用いられ得る。スループットを増大させ、管状反応器の壁への材料の堆積を最小化するためには、より高い流速が望ましい。流速は、多くの場合、原材料を官能性粒子に変換するのに必要な滞留時間に基づいて選択される。管状反応器の長さが増加したとき、又は管状反応器の長さと直径の両方が増加したとき、より多い流量を用いることができることが多い。管状反応器を通じる流れは層流又は乱流のいずれかであってよい。
【0053】
本発明の実施形態において、管状反応器は、表面処理剤(1種又は複数種)の加水分解及び縮合反応温度よりも高い温度に保持される。温度は、少なくとも130℃、少なくとも140℃、又は少なくとも150℃であることが多い。温度が高すぎると、管状反応器の圧力が、許容不可能なほど高くなり得る。温度は、一般に230℃以下、225℃以下、又は220℃以下である。多数の実施形態において、反応温度は、130℃〜230℃、140℃〜220℃、140℃〜200℃、150℃〜200℃、又は150℃〜180℃の範囲内であるよう選択される。
【0054】
管状反応器内の滞留時間は、管状反応器の長さを変更することと、原材料溶液の流速を変更することによって変化させ得る。多数の実施形態において、滞留時間は少なくとも2分間、少なくとも4分間、少なくとも6分間、少なくとも8分間、又は少なくとも10分間である。滞留時間は、一般に4時間以下、2時間以下、90分間以下、60分間以下、又は50分間以下である。多数の実施形態において、滞留時間は、2〜90分間、2〜60分間、5〜60分間、又は5〜50分間の範囲内である。
【0055】
いくつかの実施形態において、加水分解反応は、表面処理剤を原材料溶液に添加する前に開始され得る。加水分解された表面処理剤と粒子ゾルを混合することによって、反応器を通じる原材料の流速をより高く(滞留時間をより短く)することができる。反応器温度と他の反応条件(例えば、共溶媒の追加、加水分解時間)の適切な調整により、表面改質反応の効率の最大化を助けることができる。
【0056】
熱水反応器からの流出物は、水性媒質中の官能性粒子を含む。いくつかの実施形態において、官能性粒子を有機(例えば、ポリマー)マトリックスと混合する前に、流出物中の水の一部が除去されてよい。いくつかの実施形態において、連続的熱水反応器からの流出物は、水を除去するために好適な温度で乾燥することができる。水の少なくとも一部を除去するのに、公知の任意の好適な手段を使用することができる。例えば、蒸発、乾燥、及び溶媒交換等の方法を使用することができる。いくつかの実施形態において、水の一部は、原材料が熱水反応器内に供給される前に、粒子ゾル又は原材料から除去され得る。水の除去は、膜分離法、蒸発、乾燥等により達成されることができる。
【0057】
有機マトリックスは、処理された流出物から水の殆どを除去する前に、又は除去した後のいずれかにて添加することができる。有機マトリックスが水の殆どを除去する前に添加され、有機マトリックスの沸点が水の沸点よりも高い場合、水は蒸留、回転蒸発、又はオーブン乾燥等の方法を用いて除去され得る。
【0058】
有機マトリックスは、通常はポリマー材料又は重合性基を有するモノマー若しくはオリゴマー等のポリマー材料の前駆体を含む。任意の好適な技術が、官能性粒子と有機マトリックスとの混合に使用できる。例えば、有機マトリックスがポリマー材料の前駆体の場合、官能性粒子は重合反応に先立って添加できる。ポリマー材料が熱可塑性材料の場合、ポリマー材料及び官能性粒子は、射出又はブラベンダー混合等のプロセスを用いて混合できる。多くの場合、ポリマー材料の前駆体を含む複合材料は、重合の前に成形又は被覆される。
【0059】
モノマーの代表的な例としては、(メタ)アクリレート、スチレン、エポキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。反応性オリゴマーの代表的な例としては、(メタ)アクリレート化されたポリエステル、(メタ)アクリレート化されたポリウレタン、又はアクリリックが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマー材料の代表的な例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びポリイミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
複合材料を形成するための例示的な一方法は、熱水反応器からの流出物を、蒸留又は回転蒸発、流下液膜蒸発、間隙乾燥、噴霧乾燥等の方法を用いて、約40パーセント固形分以上に濃縮することを含む。濃縮物に、共溶媒及び表面改質剤を添加することができる。有機マトリックスの添加後、共溶媒及び水を除去する。濃縮工程中、又は表面改質後に、溶解したカルボン酸及び/又はそのアニオンの少なくとも一部を除去し得る。
【0061】
ポリマー材料等の有機マトリックスに官能性粒子を添加することは有利であり得る。例えば、官能性粒子は、ポリマー材料の引張り強さを増大させるために添加されてよく、又は有機マトリックスに濃厚剤として添加されてもよい。官能性粒子は可視光波長よりも小さい場合があるため、有機マトリックス中の官能性粒子の存在は、肉眼で感知できないことが多い。即ち、有機マトリックスの引張り強さ又は厚さは、有機マトリックスの外観に影響を与えずに増大することができる。例えば、官能性粒子は高い光透過率が所望される用途において、有機マトリックス中に浮遊又は分散させることができる。
【実施例】
【0062】
本発明の追加の実施態様は、次の非限定例にて説明される。
【0063】
手順1:連続的フロー熱水反応器(0.5L)
図1に示したものと同様の連続的フロー熱水反応器システムを組み立て、官能性粒子を提供するのに使用した。原材料をガラス容器からAmerican Lewa Ecodosダイアフラムポンプの入口へ、更に管状反応器内に重力送りし、反応器は、温度制御された油浴内に浸漬された編組ステンレス鋼外装を有する15.24メートル(50フィート)の0.635cm(0.25インチ)ID Teflon管からなっていた。システムの圧力は、TESCOMバックプレッシャー調整器により付与された。原材料を管状反応器を通して揚送し、反応器中で規定の時間量(反応器容積/反応物の流速から計算)を消費した後、反応生成物を、冷水浴内に浸漬した3.05メートル(10フィート)の0.635cm(0.25インチ)ODステンレス鋼管を通して直ちに冷却した。アッシュクロフト圧力計を、反応器管に至る入口と、冷却コイルの出口の後方に取り付けた。生成物を好適な容器内に回収した。
【0064】
手順2:連続的フロー熱水反応器(2.9L HTR)
図1に示したものと同様の連続的フロー熱水反応器システムを組み立て、官能性粒子を提供するのに使用した。原材料をステンレス鋼容器からAmerican Lewa Ecodosダイアフラムポンプの入口へ、更に管状反応器内に重力送りし、反応器は、温度制御された油浴内に浸漬された、ID Teflon管を有する12.19メートルの0.95cm及び18.22メートルの1.25cmステンレス鋼管、並びに編組ステンレス鋼外装からなっていた。油を供給し、xxxオイルヒーターの使用を介して反応容器まで加熱した。システムの圧力は、TESCOMバックプレッシャー調整器により付与された。原材料を管状反応器を通して揚送し、反応器中で規定の時間量(反応器容積/反応物の流速から計算)を消費した後、反応生成物を、3.05メートル(10フィート)の0.635cm(0.25インチ)ODのステンレス鋼の二重管熱交換器を通して直ちに冷却した。アッシュクロフト圧力計を、反応器管に至る入口と、冷却コイルの出口の後方に取り付けた。生成物を18.9L(5ガロン)のHDPEペール内に回収した。
【0065】
手順3:連続的フロー熱水反応器(17L)
図1に示したものと同様の連続的フロー熱水反応器システムを組み立て、官能性粒子を提供するのに使用した。原材料をステンレス鋼容器からAmerican Lewa Ecodosダイアフラムポンプの入口へ、更に17リットルの管状反応器内に重力送りし、反応器は、温度制御された油浴内に浸漬された、ID Teflon管を有する12.19メートルの0.95cm、18.22メートルの1.25cm、及び121.92メートルの1.25cmステンレス鋼管、並びに編組ステンレス鋼外装からなっていた。油を供給し、オイルヒーターの使用を介して反応容器まで加熱した。システムの圧力は、TESCOMバックプレッシャー調整器により付与された。原材料を管状反応器を通して揚送し、反応器中で規定の時間量(反応器容積/反応物の流速から計算)を消費した後、反応生成物を、3.05メートル(10フィート)の2.54cm(1.0インチ)ODのステンレス鋼の二重管熱交換器を通して直ちに冷却した。アッシュクロフト圧力計を、反応器管に至る入口と、冷却コイルの出口の後方に取り付けた。生成物を208.2L(55ガロン)のHDPEペール内に回収した。
【0066】
手順4:破壊靱性試験のための一般的手順
変更した負荷速度0.050インチ/分(0.13cm/分)を用いた以外は、ASTM D 5045−99に従って破壊靱性を測定した。圧縮引張幾何学を使用し、被検査物は公称寸法3.18cm×3.05cm×0.64cm(1.25インチ(in.)×1.20in.×0.25in.)を有していた。以下のパラメータを使用した。W=2.54cm(1.00in.)、a=1.27cm(0.50in.)、B=0.64cm(0.25in.)。試験されるそれぞれの樹脂に関して、6〜10個の試料を試験した。K及びKICの両方に関する平均値を、使用した試料数及び標準偏差とともに、メガパスカル×メートルの平方根、即ち、MPa(m1/2)の単位で報告した。ASTM D 5045−99の有効性要件にかなう試料のみを計算に使用した。
【0067】
手順5:バーコル硬度試験のための一般的手順
バーコル硬度(H)を、ASTM D 2583−95(2001に再認可)に従って測定した。バーコル硬度計(Model GYZJ−934−1、Barber−Colman Company、Leesburg、Virginiaから入手可能)を使用して、公称厚さ0.64cm(0.25in.)を有する被検査物を測定した。それぞれの試料について5〜10回測定し、平均値を報告した。
【0068】
手順6:曲げ弾性率(E’)及びガラス転移温度(Tg)の測定のための一般的手順
曲げ貯蔵弾性率、E’を、RSA2 Solids Analyzer(Piscataway、New JerseyのRheometrics Scientific,Inc,から獲得)を使用して、二重カンチレバービームモードにて測定した。試料の寸法は、長さ50ミリメートル、幅6ミリメートル、厚さ1.5ミリメートルの公称測定値を有した。40ミリメートルのスパンを使用した。2回の走査を行い、第1の走査は−25℃〜+125℃の温度プロファイルを有し、第2の走査は−25℃〜+150℃の温度プロファイルを有した。走査は両方とも昇温5℃/分、周波数1ヘルツ、及び歪み0.1%を用いた。試料を、第1の走査後、冷却剤を使用して20℃/分の概算速度で冷却し、その後、直ちに第2の走査を行った。第2の走査上で、+25℃にてMPaで測定した曲げ弾性率を報告した。第2の走査のタンデルタピークを、ガラス転移温度(Tg)として報告した。
【0069】
表1に列挙した材料は、実施例1〜20及び比較例A〜Fに記載されている官能性粒子を調製するために使用された。
【0070】
【表1−1】

【0071】
【表1−2】

【0072】
(実施例1)
米国特許第7,241,437号の実施例4〜7に従って、熱チューブ反応器を使用して酢酸ジルコニルの加水分解を行い、ジルコニア粒子を生成した。このプロセスからの生成物は、水中40重量%のジルコニア粒子からなるゾルであった。表面処理剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを1−メトキシ−2−プロパノールとともにゾルに加えた。メトキシプロパノール(MpOH)を、使用したゾルの重量と等しい量で原材料に加えた。ジルコニアゾル100グラム当たり10グラムの割合でシランを加えた。ジルコニア粒子の官能化は、手順1に記載のように行った。油浴を加熱して、管状反応器を150℃に維持した。原材料(ジルコニア、水、1−メトキシ−2−プロパノール、及びシラン)を、管状反応器内での平均48分間の滞留時間に相当する速度10ミリメートル/分で反応器内に揚送し、官能性ジルコニア粒子を生じた。粒子はテトラヒドロフラン(THF)中に分散可能であり、それによりそれらの有機流体との相溶性と、官能化反応の成功に関する間接的な目安が提供される。
【0073】
比較例A〜D
従来のバッチ反応システムを用いて、比較例A〜Dのそれぞれに関して複合材料を調製した。シリカゾル、シラン及びメトキシプロパノールを、標準的な研究室器具内にて95℃で22時間混合した。比較例A、B及びDに関しては、得られた表面処理シリカゾルをGoetz et al.に付与された米国特許第5,648,407号に記載されている方法に従って、溶媒交換及び溶媒の真空ストリッピングにより樹脂システム中に混ぜ合わせた。比較例Cに関しては、得られた表面処理シリカゾルを、「Resin Systems Including Reactive Surface−Modified Nanoparticles」(Goenner et al.)と題された係属中のPCT特許出願第US 2007/077130号に記載されている方法に従って、溶媒交換及び溶媒の真空ストリッピングにより樹脂システム中に混ぜ合わせた。最初に、乾燥した表面改質SiOを、ローターステーターミキサーを用いて溶媒中に分散することにより試料を作製した。次いで、適切な樹脂を加え、溶媒を回転蒸発により除去した。粒子を適切なエポキシ又はビニルエステル中に分散し、比較的低い粘度の液体を達成することにより、高度の表面官能化を確認した。比較例A〜Dの複合材料に関する実際の処方を、表2に示す。
【0074】
【表2】

【0075】
(実施例2〜8)
官能性シリカ粒子を、手順1〜3に記載したように連続的フロー熱水反応器内で調製した。実施例の原材料は、シリカゾルの撹拌水性分散体を使用して調製した(表4参照)。表面処理剤(シラン)をゾルに加え、得られたゾル/シラン混合物を室温(23℃)で5分間攪拌した。第2の表面処理剤と共溶媒との混合物を、ゾル/シラン混合物に5分間かけて加え、得られた分散体を、反応器に供給する前に、連続的に撹拌した。原材料の処方中に使用した反応物の構成を、表3に示す。表4に記載した流速及び反応器温度にて、分散体を連続的フロー熱水反応器に供給した。実施例2、3及び5に、メトキシプロパノールに代わるアルコールの使用を説明する。実施例5及び6は、より大きい直径を有するより長い反応器を使用した本発明の拡張性を説明する。実施例8の場合、シリカゾルを、メトキシプロパノールとの混合前に、膜分離法により固形分62重量%に濃縮した。
【0076】
粒子はテトラヒドロフラン(THF)中に分散可能であり、それによりそれらの有機流体との相溶性と、官能化反応の成功に関する間接的な目安が提供される。
【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
実施例2〜5、7、及び8に例示した表面処理シリカゾルを、Goetz et alに付与された米国特許第5,648,407号に記載されている方法に従って、溶媒交換及び溶媒の真空ストリッピングにより樹脂システム中に混ぜ合わせ、実施例6で合成したゾルを、「Resin Systems Including Reactive Surface−Modified Nanoparticles」(Goenner et al.)と題された係属中のPCT特許出願第US 2007/077130に概略されている方法により混ぜ合わせた。粒子を適切なエポキシ又はビニルエステル樹脂内に分散し、比較的低い粘度の液体を達成することにより、高度の表面官能化を確認した。表5に、ナノ複合材料の組成を示す。
【0080】
【表5】

【0081】
物理的特性試験のために、比較例A、B、D及び実施例2〜5及び7〜8の実施例の硬化試料を使用して、被検査物を調製した。1.5化学量論量のEthacure 100をエポキシ樹脂ゾルに加えて、最終的なシリカ濃度30%を得た。容器を密封し、SpeedMixer(商標)二重非対称遠心分離機(Model DAC 600 FVZ−sp、Flack Tek,Incorporated、Landrum、South Carolinaから入手可能)を使用して、内容物を2000rpmで30秒間混合した。容器を密封し、SpeedMixer(商標)を使用して内容物を2000rpmで30秒間混合した。混合後、ナノ粒子含有ゲルコートを、Frekote(登録商標)44NC(Henkel Corporation、Rocky Hill、CTリリース物質で処理したフロートガラス鋳型へ移動した。次いで、試料を110℃で2時間硬化させた後、160℃で1.5時間、後硬化させた。比較例A、B、D及び実施例2〜5及び7〜8に従って形成した試料を、手順4(破壊靱性試験のための一般的手順)に従って更に評価した。データを表6に示す。
【0082】
【表6】

【0083】
物理的特性試験のために、比較例D及び実施例6の実施例の硬化試料を使用して、被検査物を調製した。蓋を有する広口プラスチック容器内に、得られたナノ粒子含有ゲルコート及び1.25重量%のナフテン酸コバルトを配置した。容器を密封し、SpeedMixer(商標)二重非対称遠心分離機(Model DAC 600 FVZ−sp、Flack Tek,Incorporated、Landrum、South Carolinaから入手可能)を使用して、内容物を2000rpmで30秒間混合した。次いで、1.0重量%の過酸化メチルエチルケトン(MEKP)溶液(約35重量%溶液)を加えた。容器を密封し、SpeedMixer(商標)を使用して内容物を2000rpmで30秒間混合した。混合後、ナノ粒子含有ゲルコートを、VALSPAR MR 225リリース物質で処理したフロートガラス鋳型へ移動した。次いで、試料を室温で24時間硬化させた後、70℃で4時間、後硬化させた。実施例6及び比較例Cに従って形成した試料を、手順4(破壊靱性試験のための一般的手順)に従って更に評価した。
【0084】
手順5(バーコル硬度試験のための一般的手順)並びに手順6(曲げ弾性率(E’)及びガラス転移温度(Tg)測定のための一般的手順)。データを表7に示す。
【0085】
【表7】

【0086】
(実施例9〜13)
粒子と表面処理剤との水性混合物を、約5〜25重量%固形分(表8)にて形成し、室温で撹拌する。表面処理剤の当初濃度は、使用した粒子の寸法に基づき決定する。得られた混合物をダイアフラムポンプ(例えば、Lewa Ecodos series C80Sモデルポンプ、American LEWA、Holliston、Mass)の使用により、表8に記載したような様々な流速及び反応器温度で揚送する。材料を、反応器の出口で回収する。場合により、実施例10の場合、圧力供給機構を通して粒子/溶媒混合物を供給することが可能であり、その機構は、原材料ゾルを好適な圧力定格キャニスタ内に負荷し、推進剤として窒素ガスを使用することを含む。
【0087】
粒子はテトラヒドロフラン(THF)中に分散可能であり、それによりそれらの有機流体との相溶性と、官能化反応の成功に関する間接的な目安が提供される。
【0088】
【表8】

【0089】
(実施例14)
官能性針状ベーマイトを調製した。最初に、ギ酸、酢酸、及び水の混合物中の粉末アルミニウムを消化して得られた前駆材料から、未処理針状ベーマイト粒子を調製した。球状アルミニウム粉末27グラム、氷酢酸48.2グラム、ギ酸19グラム及び水405.8グラムを、還流凝縮器、マグネットスターラー、及び加熱マントルを装備した1000mLの丸底フラスコ内で混合した。反応物を約80℃に加熱し、発熱反応が開始し、熱を放出して温度が80℃を十分越えるよう操作した。1〜2時間後、温度が80℃に戻り安定した。次いで、加熱マントルの温度設定点を上げ、反応混合物を9〜16時間で約100℃上昇させた。次いで、得られた反応生成物を室温に冷却し、最初にWhatman Filter Papers #50(Whatman International Ltd.、Maidstone、England)を使用し、次いでWhatman Filter Papers #54を使用して濾過した。得られた生成物溶液は、約10重量%Alであった。この溶液を、続いて処理する前に、追加の脱イオン水1000gにより更に希釈した。次いで、米国仮特許出願第61/017,267号(整理番号62926US002)に記載されているように、熱チューブ反応器プロセスを用いて、この溶液から反応器温度170℃を使用して平均滞留時間48分間で針状ベーマイト粒子を合成した。
【0090】
得られたコロイド状生成物を、70℃の真空炉内で一夜、トレイ乾燥させて、過剰のカルボン酸を除去した。乾燥フレーク25グラムを475グラムの脱イオン水中に分散し、1−メトキシ−2−プロパノール500グラムを水性溶液に加えた。フェニルトリメトキシシラン15グラムを表面処理剤として使用し、これを激しく撹拌しながら混合物に加えた。次いで、得られた溶液を上記の手順1に従って連続的フロー熱水反応器を通して揚送し、加熱油の温度を170℃に設定した。管状反応器内での平均滞留時間は、48分間であった。
【0091】
(実施例15)
ベーマイト粒子を、実施例14に記載した方法で合成した。得られた熱水反応器からのコロイド状生成物を70℃の真空炉内で一夜、トレイ乾燥させて、過剰のカルボン酸を除去した。次いで、乾燥フレーク20グラムを480グラムの脱イオン水中に分散し、1−メトキシ−2−プロパノール500グラムを水性溶液に加えた。最後に、フェニルホスホン酸1.58グラムを、激しく撹拌しながら混合物に加えた。この溶液を、油浴温度を150℃に設定して、平均滞留時間48分間で熱水反応器を通して揚送した。反応器から材料を回収し、生成物0.6グラムをTHF中に分散し、未処理粒子が示さなかった有機流体との相溶性を示した。
【0092】
(実施例16)
この実施例は、熱水反応器を使用した、非常に小さい(5nm)SiOナノ粒子の成功した表面官能化を示す。公称15重量%固形分を有する水系のSiOゾルであるNalco 2326 2000gを、3.8L(1ガロン)のHDPE水差し内に注いだ。別個の1ガロンのHDPE水差し内に、1−メトキシ−2−プロパノール3200gを共溶媒として加えた。共溶媒にイソオクチルトリメトキシシランである表面処理剤132.0gを加え、手動で混合した。SiOゾルを18.9L(5ガロン)のHDPEペールに移動し、空気式撹拌を開始した。次いで、共溶媒と表面処理剤との溶液を、SiOゾルを収容する18.9L(5ガロン)のペール内にゆっくり注いだ。得られた原材料を10分間混合した後、熱水反応器へのフローを開始した。バックプレッシャー調整器を2.1MPa(300psig)に維持した。熱水反応器の油温度を150℃に維持した。ポンプを使用して流速を制御し、それにより滞留時間を制御した。流速11mL/分を用いて、450mLの反応器内での滞留時間40.9分を得た。流出物をHDPE容器内に回収した。流出物の一部を、予熱した150℃の炉内で1時間乾燥させた。乾燥した材料を、乳鉢と乳棒でひいた。トルエン中に10重量%のSiO粒子を含む溶液をバイアル内で調製した。混合物溶液を収容するバイアルを、激しく振盪した。固体を含まない透明溶液の上方に大きい白色フォーム頭部が生成し、SiO2粒子がイソオクチルトリメトキシシランで官能化されたことを示す。
【0093】
(実施例17)
この実施例では、表面処理剤の加水分解工程と、それに続く、共溶媒として1−メトキシ−2−プロパノールを使用した、非常に小さい(5nm)SiO粒子の熱水反応器を介した、成功した表面官能化を説明する。共溶媒としての1−メトキシ−2−プロパノール135.41gを、0.95L(32オンス)のガラス瓶内に注いだ。この共溶媒に、脱イオン水68.56gを加えた。次いで酢酸3.47g、続いてイソオクチルトリメトキシシランである表面処理剤34.30gを加えた。密封及び振盪した後、混合物相は2相に分離し、より密度が低い不溶性のイソオクチルトリメトキシルシランが上部相であった。撹拌バーを瓶に加えた。混合物を撹拌しながらホットプレート上に配置し、約45℃まで加熱した。当初、2相が存在することにより、撹拌により不透明な混合物が生じた。約20分以内に、混合物は透明な1相溶液となった。
【0094】
3.8L(1ガロン)のHDPE水差しに、水系のSiOゾルであるNalco 2326 499.2gを加えた。水差しに共溶媒としての1−メトキシ−2−プロパノール671.9gを加えた。次いで水差しを密封し、激しく振盪した。Nalco 2326及び共溶媒混合物を18.9L(5ガロン)のHDPEペールに移動し、空気式撹拌を開始した。加水分解した表面処理剤溶液を18.9L(5ガロン)のペールにゆっくり加えた。次いで、得られた原材料を10分間混合し、熱水反応器へのフローを開始した。バックプレッシャー調整器を2.1MPa(300psig)に維持した。熱水反応器の油温度を150℃に維持した。ポンプを使用して流速を11mL/分に制御し、450mLの反応器内での滞留時間40.9を得た。流出物をHDPE容器内に回収した。流出物の一部を、予熱した150℃の炉内で1時間乾燥させた。乾燥した材料を、乳鉢と乳棒でひいた。トルエン中に10重量%のSiO粒子を含む溶液をバイアル内で調製した。混合物溶液を収容するバイアルを、激しく振盪した。固体を含まない透明溶液の上方に大きい白色フォーム頭部が生成し、SiO粒子がイソオクチルトリメトキシシランで官能化されたことを示す。
【0095】
(実施例18)
実施例18では、表面処理剤の加水分解と、続く共溶媒としてプロパノールを使用した熱水反応器内での非常に小さい(5nm)SiO粒子の表面官能化の使用を説明する。共溶媒としてのイソプロパノール135.38gを、0.95L(32オンス)のガラス瓶内に注いだ。この共溶媒に、脱イオン水68.50gを加えた。次いで酢酸3.49g、続いてイソオクチルトリメトキシシラン34.31gを加えた。撹拌バーを瓶に加え、混合物を撹拌しながらホットプレート上に配置し、加熱を作動させた。この混合物は約45℃で約30分間加熱及び撹拌した。3.8L(1ガロン)のHDPE水差しに、水系のSiOゾルであるNalco 2326 502.0gを加えた。この水差しにイソプロパノール285.5gを加えた。次いで水差しを密封し、激しく振盪した。SiOゾル及び共溶媒混合物を18.9L(5ガロン)のHDPEペールに移動し、空気式撹拌を開始した。次いで、加水分解した表面処理剤を18.9L(5ガロン)のHDPEペール内にゆっくり注いだ。これにより原材料混合物の調製が完了した。次いで、原材料を10分間混合した後、熱水反応器へのフローを開始した。バックプレッシャー調整器を2.1MPa(300psig)に維持した。熱水反応器の油温度を150℃に維持した。ポンプを使用して流速を制御し、それにより滞留時間を制御した。流速12mL/分を用いて、450mLの反応器内での滞留時間37.5分を得た。流出物をHDPE容器内に回収した。流出物の一部を、予熱した150℃の炉内で1時間乾燥させた。乾燥した材料を、乳鉢と乳棒でひいた。トルエン中に10重量%のSiO2粒子を含む溶液を、バイアル内で調製した。混合物溶液を収容するバイアルを、激しく振盪した。固体を含まない透明溶液の上方に大きい白色フォーム頭部が生成し、SiO2粒子がイソオクチルトリメトキシシランで首尾よく官能化されたことを示す。
【0096】
(実施例19)
実施例19では、表面処理剤の加水分解と、続くエタノール/メタノール共溶媒混合物を使用した非常に小さい(5nm)SiO2粒子の熱水反応器を介した成功した表面官能化の使用を説明する。エタノール108.49g及びメタノール27.62gを、0.95L(32オンス)のガラス瓶内に注いだ。共溶媒溶液に、脱イオン水68.90gを加えた。次いで酢酸3.90g、続いてイソオクチルトリメトキシシラン34.60gを加えた。撹拌バーを瓶に加え、混合物を撹拌しながらホットプレート上に配置し、加熱を作動させた。この混合物を約45℃で約時間加熱及び撹拌した。3.8L(1ガロン)のHDPE水差しに、水系のSiO2ゾルであるNalco 2326 502.0gを加えた。この水差しにメタノール227.83gとメタノール56.56gを加えた。次いで水差しを密封し、激しく振盪した。次いで、Nalco 2326及び共溶媒混合物を18.9L(5ガロン)のHDPEペールに移動し、空気式撹拌を開始した。次いで、加水分解した表面処理剤を18.9L(5ガロン)のHDPEペール内にゆっくり注いだ。これにより原材料混合物の調製が完了した。次いで、原材料を10分間混合し、熱水反応器へのフローを開始した。バックプレッシャー調整器を2.1MPa(300psig)に維持した。熱水反応器の油温度を150℃に維持した。ポンプを使用して流速を12mL/分に制御し、450mLの反応器内での滞留時間37.5を得た。流出物をHDPE容器内に回収した。流出物の一部を、予熱した150℃の炉内で1時間乾燥させた。乾燥した材料を、乳鉢と乳棒でひいた。トルエン中に10重量%のSiO2粒子を含む溶液を、バイアル内で調製した。混合物溶液を収容するバイアルを、激しく振盪した。固体を含まない透明溶液の上方に大きい白色フォーム頭部が生成し、SiO2粒子がイソオクチルトリメトキシシランで首尾よく官能化されたことを示す。
【0097】
(実施例20)
実施例20では、SiOゾル濃縮のための膜分離法、表面処理剤の加水分解、及び続く1−メトキシ−2−プロパノール共溶媒を使用した熱水反応器を介した非常に小さい(5nm)SiO粒子の成功した表面官能化の使用を説明する。水を除去しゾルを濃縮するために、水系のSiOゾルであるNalco 2326 2000gを、Spectrum Labs(Rancho Dominguez、CA)製の膜分離フィルター(M211S−100−01P)を通して流した。ゾルの固形物の重量パーセントを、16.6%から28.1%に増大した。共溶媒としての1−メトキシ−2−プロパノール340.6gを、0.95L(32オンス)のガラス瓶内に注いだ。この共溶媒に、172gの脱イオン水を加えた。次いで8.61gの酢酸、続いてイソオクチルトリメトキシシランである表面処理剤86.08gを加えた。密封及び続く振盪後、混合物相は2相に分離し、より密度が低い不溶性のイソオクチルトリメトキシルシランが上部相であった。撹拌バーを瓶に加えた。混合物をホットプレート上に配置し、撹拌及び加熱を作動させた。混合物は、約45℃の温度に到達した。当初、2相が存在することにより、撹拌により不透明な混合物が生じた。約20分以内に、混合物は透明な1相溶液となった。3.8L(1gガロン)のHDPE水差しに、水系のSiO2ゾルである濃縮Nalco 2326 748.9gを加えた。水差しに共溶媒としての1−メトキシ−2−プロパノール373.94gを加えた。次いで水差しを密封し、激しく振盪した。濃縮Nalco 2326及び共溶媒混合物を18.9L(5ガロン)HDPEのHDPEペールに移動し、空気式撹拌を開始した。次いで、加水分解した表面処理剤を18.9L(5ガロン)のHDPEペール内にゆっくり注いだ。これにより原材料混合物の調製が完了した。次いで、原材料を10分間混合した後、熱水反応器へのフローを開始した。バックプレッシャー調整器を2.1MPa(300psig)に維持した。熱水反応器の油温度を150℃に維持した。ポンプを使用して流速を制御し、それにより滞留時間を制御した。流速11mL/分を用いて、450mLの反応器内での滞留時間40.9分を得た。流出物をHDPE容器内に回収した。流出物の一部を、予熱した150℃の炉内で1時間乾燥させた。乾燥した材料を、乳鉢と乳棒でひいた。トルエン中に10重量%のSiO2粒子を含む溶液を、バイアル内で調製した。混合物溶液を収容するバイアルを、激しく振盪した。固体を含まない透明溶液の上方に大きい白色フォーム頭部が生成し、SiO2粒子がイソオクチルトリメトキシシランで首尾よく官能化されたことを示す。
【0098】
本発明の実施形態を十分詳細に記載してきたが、当業者は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、両方とも予測でき、また予測されない変更又は改良を記載された実施形態に為し得ることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
官能性粒子の製造方法であって、
粒子と、
前記粒子と反応性を有する表面処理剤と、
溶媒と、を含む原材料を提供し、
前記粒子を表面処理剤と反応させて約4時間未満で官能性粒子を提供するのに十分な温度に維持された連続的熱水反応器を通して、前記原材料を指向させる、ことを含む、方法。
【請求項2】
前記連続的熱水反応器の温度が前記溶媒の通常沸点を超え、前記連続的熱水反応器が、1気圧を超え、かつ前記溶媒の沸騰を防止するのに十分な内圧に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
連続的熱水反応器を通して前記原材料を指向させることが、約3時間未満で前記官能性粒子を提供する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
連続的熱水反応器を通して前記原材料を指向させることが、約90分未満で前記官能性粒子を提供する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
連続的熱水反応器を通して前記原材料を指向させることが、約60分未満で前記官能性粒子を提供する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
連続的熱水反応器を通して前記原材料を指向させることが、約30分未満で前記官能性粒子を提供する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
連続的熱水反応器を通して前記原材料を指向させることが、約15分未満で前記官能性粒子を提供する、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
原材料の提供が、溶媒中で粒子のゾルを形成し、該ゾルを表面処理剤と混合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記溶媒が、水である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ゾルが、前記表面処理剤と混合する前に濃縮される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記原材料が、1−メトキシ−2−プロパノール、エタノール、イソプロパノール、メトキシ(エトキシ)エトキシ)エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、2−プロポキシエタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、及び/又は1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサメチルホスホロアミド、メタノール、及びこれらのうちの2つ以上の混合物からなる群より選択される水混和性有機共溶媒を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記溶媒が、有機溶媒である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記有機溶媒が、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、エチルベンゼン、テトラヒドロフラン、ヘプタン、ヘキサン1−メトキシ−2−プロパノール、2−プロポキシエタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコール、イソプロパノール、メタノール、及びこれらうちの2つ以上の混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
原材料の提供が、溶媒中で粒子のスラリーを形成し、該スラリーを前記表面処理剤と混合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記溶媒が、水である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ゾルが、前記表面処理剤と混合する前に濃縮される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記原材料が、1−メトキシ−2−プロパノール、エタノール、イソプロパノール、メトキシ((エトキシ)エトキシ)エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、2−プロポキシエタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、及び/又は1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサメチルホスホロアミド、メタノール、及びこれらのうちの2つ以上の混合物からなる群より選択される水混和性有機共溶媒を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記表面処理剤が、原材料中に含められる前に加水分解される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記表面処理剤の加水分解が、酢酸により触媒される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記表面処理剤の前加水分解を熱により触媒する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記粒子が、実質的に球状である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記粒子が、約1ナノメートル〜約30マイクロメートルの平均厚さを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記実質的に球状の粒子が、約100nm未満の平均厚さを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記実質的に球状の粒子が、約50nm未満の平均厚さを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記実質的に球状の粒子が、約10nm未満の平均厚さを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記粒子が、実質的に立方体形態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記粒子が、金属、無機酸化物、無機硫化物、無機アンチモン化物、無機塩、無機窒化物、金属被覆粒子及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記金属が、金、白金、銀、ニッケル及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記無機酸化物が、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、三酸化アンチモン、酸化ホウ素、亜酸化ホウ素、酸化ビスマス(III)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、酸化クロム(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化マグネシウム、酸化マンガン(IV)及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群より選択される金属酸化物である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記無機硫化物が、硫化銅(I)、硫化銅(II)、硫化亜鉛、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記粒子が、有機顔料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記粒子が、カーボンブラックを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記粒子が、ガラスビーズを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記粒子が、中空ガラスミクロスフェアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記表面処理剤が、[2−(3−シクロヘキセニル)エチル]トリメトキシシラン、トリメトキシ(7−オクテン−1−イル)シラン、メチルトリメトキシ−シラン、イソオクチルトリメトキシ−シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、−9−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−tブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及びこれらのうちの2つ以上の組み合わからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記表面処理剤が、C〜C30アルキルアミン、C〜C30アリールアミン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記表面処理剤が、C〜C30アルキルチオール、C〜C30アリールチオール及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記表面処理剤が、C〜C30アルキル酸、C〜C30アリール酸及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記管状反応器が、少なくとも約120℃の温度に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記管状反応器が、約230℃以下の温度に維持される、請求項1に記載の方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2011−515569(P2011−515569A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502046(P2011−502046)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/038367
【国際公開番号】WO2009/120846
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】