粒状固形食品輸送装置
【課題】粒状固形食品の破砕を抑制して輸送管内を空気輸送することができる粒状固形食品輸送装置を提供する。
【解決手段】基端が食品供給部1に接続されると共に、断面が円状で且つ鉛直方向の中心軸を有すると共に上端および下端がそれぞれ開口した筒形状を有するレシーバ2に対して末端が接線方向に接続されることにより末端の内側部18がレシーバ2の内周面19に滑らかに接続された輸送管3を介して、エジェクタ式の食品供給部1により加圧エアを用いて送出された粒状固形食品Mをレシーバ2まで空気輸送し、輸送管3からレシーバ2の内部に供給された粒状固形食品Mが重力により下端の開口から排出される。
【解決手段】基端が食品供給部1に接続されると共に、断面が円状で且つ鉛直方向の中心軸を有すると共に上端および下端がそれぞれ開口した筒形状を有するレシーバ2に対して末端が接線方向に接続されることにより末端の内側部18がレシーバ2の内周面19に滑らかに接続された輸送管3を介して、エジェクタ式の食品供給部1により加圧エアを用いて送出された粒状固形食品Mをレシーバ2まで空気輸送し、輸送管3からレシーバ2の内部に供給された粒状固形食品Mが重力により下端の開口から排出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粒状固形食品輸送装置に係り、特に、粒状固形食品を空気輸送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から食品の分野などにおいて、粉状または粒状の固形食品を輸送管に沿って空気の圧力で輸送する輸送装置が広く知られている。
例えば、特許文献1に提案された輸送装置では、輸送管の基端から先端に向けて空気を噴出することにより、輸送管の基端側に供給された米または麦などの粒状固形食品を輸送管の先端側まで空気輸送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような輸送装置によれば、粒状固形食品を輸送管の先端側まで空気輸送することができる。
しかしながら、複雑な形状を有するマカロニなどの粒状固形食品を空気輸送する場合には、輸送管の内壁との接触によりその一部が容易に破砕されるおそれがある。例えば、ペンネなどは細長い形状を有しており、その両端部に破砕が生じやすい。特に、輸送管の湾曲箇所では、空気輸送される粒状固形食品の多くが内壁に衝突するため、その多くが破砕されてしまう。
【0005】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、粒状固形食品の破砕を抑制して輸送管内を空気輸送することができる粒状固形食品輸送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る粒状固形食品輸送装置は、加圧エアを用いて粒状固形食品を送出するエジェクタ式の食品供給部と、断面が円状で且つ鉛直方向の中心軸を有すると共に上端および下端がそれぞれ開口した筒形状を有し、内部に供給された粒状固形食品を重力により下端の開口から排出するレシーバと、基端が前記食品供給部に接続されると共に、末端が前記レシーバに対して接線方向に接続されることにより末端の内側部が前記レシーバの内周面に滑らかに接続され、前記食品供給部から送出された粒状固形食品を前記レシーバまで空気輸送するための輸送管とを備えたものである。
【0007】
ここで、前記レシーバは、上端に開口が形成された円筒部と、前記円筒部の下端に連結され且つ逆円錐形状で下端に開口が形成されたホッパー部とを有することが好ましい。また、前記円筒部は、前記輸送管より進入した粒状固形食品が、前記円筒部の内周面を1周した時点で、前記輸送管の末端と前記円筒部との接続部に形成された接続開口部に差し掛からないように、前記接続開口部の上端から、1周した時点で前記接続開口部の下端に位置する様な、らせん状の誘導壁を円筒部内部に備えることができる。
また、前記輸送管は、空気輸送される粒状固形食品が前記輸送管の末端において内側部に当接するような遠心力が生じるように、前記レシーバと接続される直前において湾曲しており、かつその湾曲の曲率中心は、前記輸送管が前記レシーバに接続する点において前記レシーバの接線方向に延びる鉛直面に対して前記レシーバの中心軸と同じ側にあるのが好ましい。
【0008】
また、前記レシーバは、前記食品供給部よりも上方に配置され、前記輸送管が鉛直上向きになってからレシーバに接続されるまでの最終区間は、その中心軸が水平面に対し45度傾斜した円筒面の中心軸に対して45度の傾斜を保ちつつ前記円筒面に沿って起点から終点まで180度移動するらせん状に湾曲されたらせん部であるのが好ましい。
また、前記輸送管は、円状の横断面を有し、内側部が徐々に平面状に変形されてなるレシーバ導入部により、前記レシーバの内周面と接続することができる。また、前記輸送管は、少なくとも1つの直線部を含む横断面を有し、前記らせん部の起点から終点まで前記直線部が前記仮想の円筒面の前記直線部を通る法線に対して常時直角方向を向くように形成することもできる。また、少なくとも1つの直線部を含む横断面は、矩形形状であるのが好ましい。
【0009】
また、前記食品供給部は、基端開口部よりも先端開口部が下方に位置するように傾斜して配置されると共に前記基端開口部から粒状固形食品が導入される食品誘導管と、それぞれ前記食品誘導管の天井面および底面に開口し且つ前記天井面および底面に沿って前記食品誘導管の先端方向へ平板状に加圧エアを噴出するための上部エア噴出口および下部エア噴出口と、前記上部エア噴出口および前記下部エア噴出口から前記食品誘導管内へ加圧エアを噴出することにより前記食品誘導管内の粒状固形食品を加速させて前記先端開口部から送出する加圧エア供給部とを有するのが好ましい。
また、前記下部エア噴出口は、前記上部エア噴出口よりも前記先端開口部側に位置し、前記上部エア噴出口から噴出された加圧エアにより予備加速された粒状固形食品をさらに加速させるための加圧エアを噴出することができる。
【0010】
この発明において、「粒状固形食品」は、例えば、短い棒形状のマカロニ、シェル形状のマカロニ等、概ね粒状とみなすことのできる各種の食品を含むものとする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、上端および下端がそれぞれ開口した筒形状を有するレシーバを有し、輸送管の末端の内側面がレシーバの内周面に滑らかに接続されているので、粒状固形食品の破砕を抑制して輸送管内を空気輸送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る粒状固形食品輸送装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に用いられたレシーバの側面図である。
【図3】実施の形態1に用いられたレシーバの上面図である。
【図4】実施の形態1に用いられた輸送管のらせん部を示し、(A)はらせん部の上面図、(B)は図4(A)のY1方向からの側面図である。
【図5】輸送管のらせん部の形状を示す図である。
【図6】実施の形態1の変形例に用いられたレシーバの斜視図である。
【図7】実施の形態1の他の変形例に用いられたレシーバの側面図である。
【図8】実施の形態1のさらに他の変形例に用いられたレシーバの側面図である。
【図9】実施の形態2に係る粒状固形食品輸送装置の構成を示す図である。
【図10】実施の形態2に用いられた輸送管のらせん部を示し、(A)はらせん部の上面図、(B)は図10(A)のY2方向からの側面図である。
【図11】実施の形態2に用いられた輸送管の断面図である。
【図12】円弧状の横断面を有する輸送管を示す図である。
【図13】(A)は実施の形態2における円筒面とらせん部の横断面を示す図であり、(B)は実施の形態2の変形例における円筒面とらせん部の横断面を示す図であり、(C)は実施の形態2の他の変形例における円筒面とらせん部の横断面を示す図である。
【図14】実施の形態3で用いられた食品供給部の構成を示す平面図である。
【図15】図14のA−A線断面図である。
【図16】実施の形態3で用いられた食品供給部の動作を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係る粒状固形食品輸送装置の構成を示す。この粒状固形食品輸送装置は、加圧エアを用いて粒状固形食品Mを送出するエジェクタ式の食品供給部1と、食品供給部1よりも上方に配置されると共に断面が円形状で且つ中心軸が鉛直方向に延びた管形状を有するレシーバ2と、基端が食品供給部1に接続されると共に末端がレシーバ2に接続されて食品供給部1から送出された粒状固形食品Mをレシーバ2まで輸送する輸送管3とを有する。
【0014】
食品供給部1は、基端よりも先端が下方に位置するように傾斜して配置された食品誘導管4を備え、食品誘導管4の傾斜する底面にはエア噴出口5が形成されている。そして、このエア噴出口5には加圧エア供給部6が接続されており、加圧エア供給部6から加圧エアを送出することによりエア噴出口5から食品誘導管4の先端方向へ加圧エアが噴出される。また、食品誘導管4の基端には粒状固形食品を食品誘導管4に供給するための供給ホッパー7が連結されており、食品誘導管4の先端には輸送管3の基端が接続されている。
【0015】
レシーバ2は、輸送管3の末端と接続された円筒部8と、円筒部8の下端に連結され且つ逆円錐台形状で下端に食品排出口9が形成されたホッパー部10とを有する。なお、レシーバ2の直下には、食品排出口9から排出された粒状固形食品Mを回収するための回収ホッパー11が配置されている。
【0016】
輸送管3は、円状の横断面を有し、基端から末端に向けて直線部12、湾曲部13、直線部14、湾曲部15、およびらせん部16を順次接続して構成されている。直線部12は食品誘導管4と接続された基端側から水平に延び、続いて湾曲部13が鉛直面において円弧を描くように滑らかに上方に向けて湾曲され、直線部14がレシーバ2に向かって傾斜して延びた後、湾曲部15が鉛直面において円弧を描くように滑らかに湾曲して鉛直上向きとなり、らせん部16においてらせん状に湾曲されると共にその末端がレシーバ2に接続されている。
このような構成により、輸送管3内を空気輸送される粒状固形食品Mは、直線部12では水平に延びる底部に重力により当接され、湾曲部13では上方に向けて湾曲された底部に重力および遠心力により押し付けられ、直線部14では傾斜された底部に重力により当接され、湾曲部15では傾斜された底部から鉛直な内側部へと滑らかに湾曲された内壁に遠心力により押し付けられ、らせん部16ではらせん状に湾曲された内壁に遠心力により押し付けられながら滑走する。すなわち、輸送管3は、基端から末端に延びる内壁において、重力および遠心力により粒状固形食品Mが当接して滑走するための、滑らかに連続した所定の内壁部N1を有する。
なお、湾曲部13と湾曲部15の湾曲は、鉛直面内における両者の湾曲の角度を互いに足して90度となるように設定されている。例えば、湾曲部13が鉛直面内で60度だけ湾曲する場合には、湾曲部15は鉛直面内で30度湾曲される。これにより、湾曲部15は、鉛直上向きとされた状態でらせん部16と接続される。
【0017】
図2および図3にレシーバ2の構成を示す。レシーバ2の円筒部8には接続開口部17が形成されており、この接続開口部17を介して輸送管3の末端が円筒部8に対して接線方向に接続される。このように輸送管3と円筒部8を接続することで、輸送管3の末端の内側部18が円筒部8の内周面19に滑らかに接続される。
円筒部8は、輸送管3と接続された接続開口部17から内周面19に沿ってらせん状に延びる誘導壁20と、輸送管3から粒状固形食品Mと共に供給される空気の一部を上端から排出する空気排出口21とを有する。誘導壁20は、接続開口部17の上端から、内周面19に沿って1周した時点で接続開口部17の下端に位置するようにらせん状に延びており、輸送管3から接続開口部17を介して円筒部8内に進入した粒状固形食品Mは、円筒部8の内周面19に沿って1周した時点で接続開口部17に差し掛からずに接続開口部17の下方を移動していく。
円筒部8からホッパー部10に供給された粒状固形食品Mは、ホッパー部10の内周面22に沿ってらせん状に移動し、食品排出口9から排出される。
【0018】
図4(A)および(B)に、レシーバ2と接続された輸送管3のらせん部16を示す。らせん部16は、仮想的に設定された円筒面Sに沿って巻くように湾曲されている。具体的には、中心軸が水平面に対して45度上方に傾斜した円筒面Sを、湾曲部15の先端縁部とレシーバ2の接続開口部17の外縁部を外側から包んで両者に接するように設定する。らせん部16は、円筒面Sと湾曲部15の先端縁部との接点を起点Aとすると共に円筒面Sとレシーバ2の接続開口部17の外縁部との接点を終点Bとし、起点Aの位置から円筒面Sの内側に接しながら湾曲されて終点Bの位置まで延びている。そして、らせん部16は、鉛直上向きとなった湾曲部15の先端縁部と起点Aの位置で接続されると共にレシーバ2の接続開口部17の外縁部と終点Bの位置で接続された、輸送管3の最終区間を構成する。
また、らせん部16は、起点Aから終点Bまで円筒面Sに当接して延びる当接線T1を有する。当接線T1は、図5に示すように、起点Aから終点Bまで円筒面Sの中心軸Xの回りに180度移動するらせん状の軌跡を描いて湾曲され、円筒面Sの中心軸Xに対して、起点A、中間点Cおよび終点Bにおける角度k1、k2およびk3がそれぞれ45度をなしている。すなわち、当接線T1は、円筒面Sの中心軸Xに対して常に45度の傾斜を保ちつつ、円筒面Sに当接しながら起点Aから終点Bまで180度移動されている。
らせん部16がこのような形状を有することにより、らせん部16を空気輸送される粒状固形食品Mには、当接線T1に押し付けられるような遠心力が生じる。すなわち、当接線T1に沿った内壁は、輸送管3の基端から末端まで滑らかに延びる連続した内壁部N1の一部区間を構成し、粒状固形食品Mを起点Aから中間点Cを介して、終点Bの内側部18まで輸送する。
【0019】
次に、図1に示した粒状固形食品輸送装置の動作について説明する。
まず、食品供給部1において、加圧エア供給部6によりエア噴出口5から食品誘導管4の先端方向へ加圧エアが噴出される。この状態で、供給ホッパー7から食品誘導管4の基端側に例えば短い棒形状のマカロニからなる粒状固形食品Mを供給すると、粒状固形食品Mは、傾斜する食品誘導管4に沿って先端側まで滑落し、エア噴出口5から噴出されている加圧エアにより前方へ向かって加速される。このようにして、空気輸送される粒状固形食品Mが、固形食品供給部1から輸送管3の直線部12に供給される。
【0020】
輸送管3の直線部12に供給された粒状固形食品Mは、直線部12の底部を水平に延びる内壁部N1に重力により当接しながら空気輸送された後、湾曲部13に到達し、湾曲部13の湾曲に従って方向転換される。ここで、湾曲部13は水平方向から所定の角度だけ上方に向けて滑らかに湾曲されており、粒状固形食品Mは、底部に沿って滑らかに上方に湾曲された内壁部N1に押し付けられながら上方に方向転換される。
このように、粒状固形食品Mの輸送方向を水平方向から上方に方向転換する際に、遠心力を利用して、上方に向けて滑らかに湾曲された内壁部N1に当接させながら粒状固形食品Mを滑走させることで、粒状固形食品Mが輸送管3の内壁に衝突して破砕されるのを抑制することができる。
粒状固形食品Mは、湾曲部13から直線部14に到達し、直線部14の所定の角度で傾斜された底部に沿って延びる内壁部N1に重力により当接したまま滑走し、湾曲部15に到達する。
【0021】
湾曲部15に到達した粒状固形食品Mは、直線部14に接続された傾斜を有する底部から鉛直方向を向いた内側部へと滑らかに湾曲された内壁部N1に、遠心力により押し付けられながら滑らかに上方に向けて方向転換され、湾曲部15により鉛直上向きに輸送される。
続いて、粒状固形食品Mは、湾曲部15かららせん部16に到達し、図4(A)および(B)に示すように、らせん部16に沿って輸送される。すなわち、粒状固形食品Mは、内壁部N1の一部区間を形成し且つらせん部16内にらせん状に延びる当接線T1に遠心力により押し付けられながら、らせん状の軌跡を描いて輸送され、鉛直方向から水平方向に方向転換される。このようにして、輸送管3を空気輸送された粒状固形食品Mは、輸送管3の内壁部N1の末端と滑らかに接続されたレシーバ2の内周面19に沿うように、輸送管3からレシーバ2の接続開口部17に供給される。
【0022】
このように、重力および遠心力を利用して、輸送管3の基端から末端まで滑らかに連続する内壁部N1に当接させながら粒状固形食品Mを滑走させることで、粒状固形食品Mが輸送管3の内壁に衝突して破砕されるのを抑制することができる。また、湾曲されたらせん部16の曲率中心が、終点Bにおいてレシーバ2の接線方向に延びる鉛直面に対してレシーバ2の中心軸と同じ側にあるため、輸送管3の末端において粒状固形食品Mが内側部18に押圧されるような遠心力を発生させることができ、さらに内側部18とレシーバ2の内周面19とを滑らかに接続することで、粒状固形食品Mをレシーバ2の内周面19に沿って供給し、粒状固形食品Mがレシーバ2の内周面19に衝突するのを抑制することが可能となる。
【0023】
輸送管3から接続開口部17を介してレシーバ2内に供給された粒状固形食品Mは、図2および図3に示すように、誘導壁20により誘導されることで、内周面19に沿ってらせん状の軌跡を描きながら移動していく。このように、接続開口部17からレシーバ2内に供給された粒状固形食品Mが、内周面19を1周する間に接続開口部17の下方まで誘導されることで、先行する粒状固形食品Mと後続の粒状固形食品Mとが接続開口部17で衝突するのを回避することができる。
円筒部8かららせん軌道を描きながらホッパー部10に到達した粒状固形食品Mは、逆円錐形状の内周面22に沿ってらせん軌道の径を縮めながら重力により食品排出口9まで導かれ、食品排出口9から回収ホッパー11に排出される。ここで、粒状固形食品Mがレシーバ2内を移動している間に、輸送管3から粒状固形食品Mと共に供給された空気の一部はレシーバ2の上端に形成された空気排出口21から排出されており、空気輸送に使用された過剰な空気により粒状固形食品Mが食品排出口9から勢いよく排出されるのを低減することができる。このため、粒状固形食品Mの破砕を抑制すると共に粒状固形食品Mを散乱させずに整然とした状態で回収ホッパー11に排出することができる。
このようにして、粒状固形食品Mが食品供給部1から回収ホッパー11まで空気輸送される。
【0024】
本実施の形態によれば、輸送管3の基端から末端まで連続する滑らかな内壁部N1に粒状固形食品Mを当接させながら空気輸送することで、粒状固形食品Mを破砕することなく食品供給部1から回収ホッパー11まで輸送することができる。また、輸送管3の内壁部N1とレシーバ2の内周面19が滑らかに接続されることで、粒状固形食品Mを破砕することなく輸送管3からレシーバ2に供給することができる。
【0025】
なお、輸送管3の末端は、内壁部N1がレシーバ2の内周面19と滑らかに接続されていればよく、その横断面形状は円状のものに限られない。例えば、図6に示すように、横断面形状が円状から矩形上へと徐々に変形されるレシーバ導入部31を介して輸送管3がレシーバ2に接続されてもよく、これにより内壁部N1を含む円弧状の内側部が徐々に平面状に変形されて内側面32となることで、内側面32とレシーバ2の内周面19とを滑らかに接続することができる。
このように、内側部が徐々に平面状に変形されてなるレシーバ導入部31を用いることで、レシーバ2の内周面19と滑らかに接続される部分が広がり、レシーバ導入部31からレシーバ2に粒状固形食品Mを供給する際の破砕をさらに抑制することができる。
【0026】
また、レシーバ2の形状は、断面が円状で且つ中心軸が鉛直方向に延びた管形状を有すれば良く、円筒部8とホッパー部10とを接続したものに限られない。例えば、図7に示すように、全体が円筒形状を有するレシーバ33を用いることができる。レシーバ33の内周面は輸送管3の内壁部N1と滑らかに接続され、輸送管3からレシーバ33に供給された粒状固形食品Mはレシーバ33の内周面に沿ってらせん軌道を描きながら下降し、レシーバ2の下端に形成された食品排出口34から排出される。また、図8に示すように、全体が逆円錐形状を有するレシーバ35を用いることもできる。レシーバ35の内周面は輸送管3の内壁部N1と滑らかに接続され、輸送管3からレシーバ35に供給された粒状固形食品Mはレシーバ35の内周面に沿ってらせん軌道を描きながら下降し、レシーバ35の下端に形成された食品排出口36から排出される。
このように、内壁部N1とレシーバの内周面が滑らかに接続されることで、粒状固形食品Mの破砕を抑制して輸送管3からレシーバに供給することができる。
【0027】
また、上記の実施の形態では、短い棒形状のマカロニからなる粒状固形食品Mを例にとって説明したが、シェル形状のマカロニ、その他、粒状の固形食品に幅広く適用することができる。
マカロニ等からなる粒状固形食品を製造するに際しては、一般に、製造工程、検査工程、梱包工程等の多数の工程を経て出荷されることが多いが、これらの工程間にそれぞれこの発明に係る粒状固形食品輸送装置を用いることができる。すなわち、前工程における処理が済んだ粒状固形食品を供給ホッパー7に供給し、加圧エア供給部6から噴出される空気により輸送管3を介して上方に輸送すると共に、レシーバ2の食品排出口9から次工程へと供給すればよい。このように、前工程における処理が済んだ粒状固形食品を上方に位置する次工程に供給する際に、空気輸送を利用して粒状固形食品を破砕することなく上方に輸送することができる。また、レシーバ2の上部に空気排出口21が形成されているため、粒状固形食品を散乱させずに整然とした状態でレシーバ2の食品排出口9から次工程に供給することができる。
【0028】
また、輸送管3は、食品供給部1と回収ホッパー11との位置関係に応じて直線部12および14を除いてもよく、湾曲部13と湾曲部15が直接接続された構成とすることもできる。
【0029】
実施の形態2
図9に、実施の形態2に係る粒状固形食品輸送装置の構成を示す。この粒状固形食品輸送装置は、図1に示した実施の形態1の粒状固形食品輸送装置において、輸送管3の代わりに矩形状の横断面を有する輸送管41を食品供給部1とレシーバ2の間に接続したものである。
輸送管41は、実施の形態1と同様に、基端から末端に向けて直線部42、湾曲部43、直線部44、湾曲部45およびらせん部46を順次接続して構成されている。このような構成により、輸送管41を空気輸送される粒状固形食品Mは、直線部42では水平に延びる底面に重力により当接され、湾曲部43では上方に向けて湾曲された底面に重力および遠心力により押し付けられ、直線部44では傾斜された底面に重力により当接され、湾曲部45では傾斜された底面から鉛直な内側面へと滑らかに湾曲された内壁面に遠心力により押し付けられ、らせん部16ではらせん状に湾曲された内壁面に遠心力により押し付けられながら滑走する。すなわち、輸送管41は、基端から末端に延びる内壁面において、重力および遠心力により粒状固形食品Mが当接して滑走するための、滑らかに連続した所定の内壁面N2を有する。
【0030】
図10(A)および(B)にレシーバ2と接続された矩形状の横断面を有する輸送管41のらせん部46を示す。らせん部46は、実施の形態1と同様の円筒面Sを設定して円筒面Sと湾曲部45の先端縁部との接点を起点Aとすると共に円筒面Sとレシーバ2の接続開口部17の外縁部との接点を終点Bとすると、起点Aの位置から円筒面Sの内側に接しながら湾曲されて終点Bの位置まで延び、起点Aの位置において湾曲部45の先端縁部と接続されると共に終点Bの位置においてレシーバ2の接続開口部17の外縁部と接続されている。
このため、らせん部46は、起点Aから終点Bまで円筒面Sに当接して延びる当接面T2を有し、この当接面T2と共に起点Aから終点Bまで円筒面Sの中心軸Xの回りに180度のらせん状の軌跡で湾曲されている。すなわち、らせん部46は、矩形状の横断面を構成する4つの直線部のうち円筒面Sの中心軸Xに対して最も外側に位置する1つの直線部Lが起点Aから終点Bまで円筒面Sに接するように湾曲されており、この直線部Lが起点Aから終点Bまで至るいずれの点における横断面においても当接面T2上に含まれている。これにより、らせん部46は、起点Aから終点Bまで至るいずれの点における横断面においても直線部Lが直線部Lの中心点を通る円筒面Sの法線に対して常時直角方向を向くように形成される。
らせん部46がこのような形状を有することにより、らせん部46を空気輸送される粒状固形食品Mには、当接面T2に押し付けられるような遠心力が生じる。すなわち、当接面T2に沿った内壁面は、輸送管3の基端から末端まで滑らかに延びる連続した内壁面N2の一部区間を構成し、起点Aから終点Bの内側面47まで粒状固形食品Mを輸送する。
【0031】
まず、食品供給部1から輸送管41の直線部42に供給された粒状固形食品Mは、直線部42を水平に延びる底面からなる内壁面N2に重力により当接しながら滑走した後、湾曲部43を上方に向けて湾曲された底部からなる内壁面N2に重力および遠心力により押し付けられながら滑走する。続いて、直線部34に到達した粒状固形食品Mは、直線部34を傾斜された底部からなる内壁面N2に重力により当接しながら滑走し、続いて湾曲部45を傾斜された底部から鉛直な内側部へと滑らかに湾曲された内壁面N2に遠心力により押し付けられながら滑走した後、らせん部46をらせん状に湾曲され且つ中心軸の回りにねじられた内壁面N2に遠心力により押し付けられながら滑走する。
【0032】
このようにして、輸送管41を空気輸送された粒状固形食品Mは、輸送管41の内壁面N2の末端と滑らかに接続されたレシーバ2の円筒部8の内周面19に沿うように、輸送管41からレシーバ2に供給される。
このように、輸送管41の基端から末端まで連続する滑らかな内壁面N2に粒状固形食品Mを当接しながら空気輸送することで、粒状固形食品Mが他の内壁面に衝突して破砕されるのを抑制することができる。また、レシーバ2の内周面19と滑らかに接続された輸送管41の内壁面N2は、粒状固形食品Mに対して幅に余裕があるため、輸送方向にずれが生じた粒状固形食品Mであってもレシーバ2の内周面19に沿って供給することができる。さらに、輸送管41が矩形状の横断面を有することにより、図11に示すように、空気輸送される粒状固形食品Mを内壁面N2に密接させることができ、図12に示すような円弧状の横断面からなる内壁と比べ、粒状固形食品Mを安定して輸送することができる。
【0033】
なお、実施の形態2では、らせん部46は、矩形の横断面における1つの直線部Lが直線部Lの中心点を通る円筒面Sの法線に対して常時直角方向を向くように形成されたが、粒状固形食品Mを当接面T2に当接させながら空気輸送できればこれに限るものではない。例えば、らせん部46は、当接面T2の範囲内で粒状固形食品Mを当接するように形成できればよく、起点Aから終点Bまで直線部Lが、直線部L上のいずれかの点を通る円筒面Sの法線に対して常時直角方向を向くように形成してもよい。ただし、粒状固形食品Mがらせん部46の側面に接触するのを抑制するため、らせん部46は、直線部Lがその中心点を通る円筒面Sの法線に対して常時直角方向を向くように形成するのが好ましい。
また、実施の形態2では、図13(A)に示されるように、らせん部46は、横断面を構成する4つの直線部のうち円筒面Sの中心軸Xに対して最も外側に位置する直線部Lを円筒面Sに接しながら起点Aから終点Bまで湾曲されたが、粒状固形食品Mを当接面T2に当接させる同様の湾曲が形成できればこれに限るものではない。例えば、直線部Lに平行な直線部を起点Aから終点Bまで円筒面Sに接しながら湾曲して形成することができる。具体的には、図13(B)に示されるように、らせん部46の横断面を構成する4つの直線部のうち円筒面Sの中心軸に対して最も内側に位置する直線部Pを円筒面Sに接しながら起点Aから終点Bまで湾曲させることができる。また、図13(C)に示されるように、らせん部46の横断面において矩形の対角線の交点を通り直線部Lに平行な仮想の直線部Qを円筒面Sに接しながら起点Aから終点Bまで湾曲させることもできる。
【0034】
また、実施の形態2では、矩形状の横断面を有する輸送管41を用いたが、少なくとも1つの直線部を含む横断面を有していればよく、例えば、三角形などの多角形状の横断面またはいわゆる蒲鉾形状の横断面を有する輸送管を用いることができる。輸送管の横断面が三角形状である場合には3つの直線部を、蒲鉾形状である場合には1つの直線部をそれぞれ有し、らせん部においては、そのうちの1つの直線部が、その直線部上のいずれかの点を通る円筒面Sの法線に対して起点Aから終点Bまで常時直角方向を向くように形成される。
また、実施の形態1および2では、当接線T1および当接面T2は、水平面に対して中心軸Xが45度上方に傾斜した円筒面Sに当接すると共に、円筒面Sの中心軸Xに対して常に45度の傾斜を保ちつつ起点Aから終点Bまで180度移動することで水平方向を向いた末端がレシーバ2と接続されるように形成されたが、らせん部16および46の末端がレシーバ2の内周面19に滑らかに接続されていればよい。すなわち、当接線T1および当接面T2は、水平面に対する中心軸Xの傾斜を45度近傍とした円筒面Sに当接するように形成することができる。また、当接線T1および当接面T2は、円筒面Sの中心軸Xに対して45度近傍の傾斜を保ちつつ移動するように形成することもでき、さらに起点Aから終点Bまで180度近傍移動するように形成することもできる。これにより、粒状固形食品Mは、らせん部16および46からレシーバ2にわずかな角度だけ傾斜して供給されるが、らせん部16および46の末端とレシーバ2の内周面19が滑らかに接続されているためその破砕を抑制することができる。
【0035】
実施の形態3
図14および15に、実施の形態3に係る粒状固形食品輸送装置で用いられる食品供給部51の構成を示す。食品供給部51は、矩形の断面形状を有する誘導管52を備えている。誘導管52は、基端開口部53と先端開口部54とを有し、基端開口部53よりも先端開口部54が下方に位置するように傾斜して配置されている。また、誘導管52の傾斜する天井面および底面にそれぞれスリット状の上部エア噴出口55および下部エア噴出口56が形成されている。これら上部エア噴出口55および下部エア噴出口56は、それぞれ誘導管52の先端方向を向くように誘導管52の天井面および底面に開口している。
【0036】
誘導管52の大部分を覆うように誘導管52と一体にほぼ直方体形状の筐体57が形成されている。水平面に対して傾斜する誘導管52が筐体57内を貫通することにより、筐体57の内部は、誘導管52の上側に位置する密閉された上部エア室R1と誘導管52の下側に位置する密閉された下部エア室R2とに二分され、上部エア噴出口55が上部エア室R1に連通すると共に下部エア噴出口56が下部エア室R2に連通している。
【0037】
また、上部エア室R1に上部エア供給口58が開口すると共に下部エア室R2に下部エア供給口59が開口し、上部エア供給口58および下部エア供給口59を介して上部エア室R1および下部エア室R2にそれぞれ共通のエア供給管60が接続されている。さらに、エア供給管60に加圧エア供給部6が接続されている。
加圧エア供給部6からエア供給管60に加圧エアを送出することにより、上部エア供給口58および下部エア供給口59を介して上部エア室R1および下部エア室R2に加圧エアが供給され、スリット状の上部エア噴出口55および下部エア噴出口56から誘導管52の先端方向へそれぞれ平板状に加圧エアが噴出されるように構成されている。
【0038】
誘導管52の基端開口部53に、粒状固形食品を誘導管52に供給するための供給ホッパー7が連結されている。
一方、誘導管52の先端開口部54には、送出シュート61を介して輸送管3が接続されている。送出シュート61は、誘導管52の先端開口部54の断面形状と輸送管3の断面形状を滑らかに接続するものである。
【0039】
次に、実施の形態3に係る粒状固形食品輸送装置の動作について説明する。
まず、加圧エア供給部6によりエア供給管60を通して上部エア供給口58および下部エア供給口59から上部エア室R1および下部エア室R2に加圧エアを供給する。これにより、誘導管52のスリット状の上部エア噴出口55から誘導管1の天井面に沿って先端開口部54の方向へ平板状に加圧エアが噴出されると共に、スリット状の下部エア噴出口59から誘導管52の底面に沿って先端開口部54の方向へ平板状に加圧エアが噴出される。
【0040】
この状態で、供給ホッパー7から基端開口部53を通して誘導管52内に例えば短い棒形状のマカロニからなる粒状固形食品Mを供給すると、図16に示されるように、粒状固形食品Mは、傾斜する誘導管52の底面52aに沿って先端開口部54へと滑落するが、上部エア噴出口55から平板状に噴出されている加圧エアにより前方へ向かって予備加速され、続いて下部エア噴出口59から平板状に噴出されている加圧エアにより前方へ向かってさらに加速される。すなわち、粒状固形食品Mは、上下から平板状の加圧エアによって段階的に加速されることとなる。
【0041】
このため、粒状固形食品Mは、ほぼ回転することなく、誘導管52の底面52aを滑落したときの姿勢を保持しつつ加圧エアと共に先端開口部54から前方へ送出される。平板状に噴出されている加圧エアにより上下から段階的に加速されるので、特に、粒状固形食品Mの鉛直面内における回転が未然に回避される。このようにして、誘導管52の先端開口部54から粒状固形食品Mを破砕することなく送出することが可能となる。
誘導管52の先端開口部54から送出された粒状固形食品Mは、送出シュート61を抜けて輸送管3内に入り、輸送管3に案内されてレシーバ2まで輸送される。
【0042】
同様にして、供給ホッパー7から誘導管52内に多数の粒状固形食品Mが供給されると、これら多数の粒状固形食品Mは、順次、誘導管52の底面52aを滑落し、上部エア噴出口55および下部エア噴出口56からそれぞれ平板状に噴出される加圧エアにより前方へ向かって段階的に加速され、先端開口部54から送出シュート61を通って輸送管3内に送出され、輸送管3により輸送される。
【0043】
なお、上記の実施の形態では、上部エア噴出口55に連通する上部エア室R1と下部エア噴出口56に連通する下部エア室R2とが互いに隔離されていたが、これに限るものではなく、上部エア噴出口55および下部エア噴出口56の双方に連通する共通のエア室を形成し、加圧エア供給部6からこのエア室に加圧エアを供給することで上部エア噴出口55および下部エア噴出口56からそれぞれ平板状の加圧エアを噴出してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,51 食品供給部、2,33,35 レシーバ、3,41 輸送管、4,52 誘導管、5 エア噴出口、6 加圧エア供給部、7 供給ホッパー、8 円筒部、9,34,36 食品排出口、10 ホッパー部、11 回収ホッパー、12,14,42,44 直線部、13,15,43,45 湾曲部、16,46 らせん部、17 接続開口部、18 内側部、19,22,47 内周面、20 誘導壁、21 空気排出口、31 レシーバ導入部、32 内側面、52a 底面、53 基端開口部、54 先端開口部、55 上部エア噴出口、56 下部エア噴出口、57 筐体、58 上部エア供給口、59 下部エア供給口、60 エア供給管、61 送出シュート、A 起点、B 終点、S 円筒面、X 円筒面の中心軸、N1 内壁部、N2 内壁面、T1 当接線、T2 当接面、L,P,Q 直線部、R1 上部エア室、R2 下部エア室、M 粒状固形食品。
【技術分野】
【0001】
この発明は、粒状固形食品輸送装置に係り、特に、粒状固形食品を空気輸送する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から食品の分野などにおいて、粉状または粒状の固形食品を輸送管に沿って空気の圧力で輸送する輸送装置が広く知られている。
例えば、特許文献1に提案された輸送装置では、輸送管の基端から先端に向けて空気を噴出することにより、輸送管の基端側に供給された米または麦などの粒状固形食品を輸送管の先端側まで空気輸送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような輸送装置によれば、粒状固形食品を輸送管の先端側まで空気輸送することができる。
しかしながら、複雑な形状を有するマカロニなどの粒状固形食品を空気輸送する場合には、輸送管の内壁との接触によりその一部が容易に破砕されるおそれがある。例えば、ペンネなどは細長い形状を有しており、その両端部に破砕が生じやすい。特に、輸送管の湾曲箇所では、空気輸送される粒状固形食品の多くが内壁に衝突するため、その多くが破砕されてしまう。
【0005】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、粒状固形食品の破砕を抑制して輸送管内を空気輸送することができる粒状固形食品輸送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る粒状固形食品輸送装置は、加圧エアを用いて粒状固形食品を送出するエジェクタ式の食品供給部と、断面が円状で且つ鉛直方向の中心軸を有すると共に上端および下端がそれぞれ開口した筒形状を有し、内部に供給された粒状固形食品を重力により下端の開口から排出するレシーバと、基端が前記食品供給部に接続されると共に、末端が前記レシーバに対して接線方向に接続されることにより末端の内側部が前記レシーバの内周面に滑らかに接続され、前記食品供給部から送出された粒状固形食品を前記レシーバまで空気輸送するための輸送管とを備えたものである。
【0007】
ここで、前記レシーバは、上端に開口が形成された円筒部と、前記円筒部の下端に連結され且つ逆円錐形状で下端に開口が形成されたホッパー部とを有することが好ましい。また、前記円筒部は、前記輸送管より進入した粒状固形食品が、前記円筒部の内周面を1周した時点で、前記輸送管の末端と前記円筒部との接続部に形成された接続開口部に差し掛からないように、前記接続開口部の上端から、1周した時点で前記接続開口部の下端に位置する様な、らせん状の誘導壁を円筒部内部に備えることができる。
また、前記輸送管は、空気輸送される粒状固形食品が前記輸送管の末端において内側部に当接するような遠心力が生じるように、前記レシーバと接続される直前において湾曲しており、かつその湾曲の曲率中心は、前記輸送管が前記レシーバに接続する点において前記レシーバの接線方向に延びる鉛直面に対して前記レシーバの中心軸と同じ側にあるのが好ましい。
【0008】
また、前記レシーバは、前記食品供給部よりも上方に配置され、前記輸送管が鉛直上向きになってからレシーバに接続されるまでの最終区間は、その中心軸が水平面に対し45度傾斜した円筒面の中心軸に対して45度の傾斜を保ちつつ前記円筒面に沿って起点から終点まで180度移動するらせん状に湾曲されたらせん部であるのが好ましい。
また、前記輸送管は、円状の横断面を有し、内側部が徐々に平面状に変形されてなるレシーバ導入部により、前記レシーバの内周面と接続することができる。また、前記輸送管は、少なくとも1つの直線部を含む横断面を有し、前記らせん部の起点から終点まで前記直線部が前記仮想の円筒面の前記直線部を通る法線に対して常時直角方向を向くように形成することもできる。また、少なくとも1つの直線部を含む横断面は、矩形形状であるのが好ましい。
【0009】
また、前記食品供給部は、基端開口部よりも先端開口部が下方に位置するように傾斜して配置されると共に前記基端開口部から粒状固形食品が導入される食品誘導管と、それぞれ前記食品誘導管の天井面および底面に開口し且つ前記天井面および底面に沿って前記食品誘導管の先端方向へ平板状に加圧エアを噴出するための上部エア噴出口および下部エア噴出口と、前記上部エア噴出口および前記下部エア噴出口から前記食品誘導管内へ加圧エアを噴出することにより前記食品誘導管内の粒状固形食品を加速させて前記先端開口部から送出する加圧エア供給部とを有するのが好ましい。
また、前記下部エア噴出口は、前記上部エア噴出口よりも前記先端開口部側に位置し、前記上部エア噴出口から噴出された加圧エアにより予備加速された粒状固形食品をさらに加速させるための加圧エアを噴出することができる。
【0010】
この発明において、「粒状固形食品」は、例えば、短い棒形状のマカロニ、シェル形状のマカロニ等、概ね粒状とみなすことのできる各種の食品を含むものとする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、上端および下端がそれぞれ開口した筒形状を有するレシーバを有し、輸送管の末端の内側面がレシーバの内周面に滑らかに接続されているので、粒状固形食品の破砕を抑制して輸送管内を空気輸送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る粒状固形食品輸送装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に用いられたレシーバの側面図である。
【図3】実施の形態1に用いられたレシーバの上面図である。
【図4】実施の形態1に用いられた輸送管のらせん部を示し、(A)はらせん部の上面図、(B)は図4(A)のY1方向からの側面図である。
【図5】輸送管のらせん部の形状を示す図である。
【図6】実施の形態1の変形例に用いられたレシーバの斜視図である。
【図7】実施の形態1の他の変形例に用いられたレシーバの側面図である。
【図8】実施の形態1のさらに他の変形例に用いられたレシーバの側面図である。
【図9】実施の形態2に係る粒状固形食品輸送装置の構成を示す図である。
【図10】実施の形態2に用いられた輸送管のらせん部を示し、(A)はらせん部の上面図、(B)は図10(A)のY2方向からの側面図である。
【図11】実施の形態2に用いられた輸送管の断面図である。
【図12】円弧状の横断面を有する輸送管を示す図である。
【図13】(A)は実施の形態2における円筒面とらせん部の横断面を示す図であり、(B)は実施の形態2の変形例における円筒面とらせん部の横断面を示す図であり、(C)は実施の形態2の他の変形例における円筒面とらせん部の横断面を示す図である。
【図14】実施の形態3で用いられた食品供給部の構成を示す平面図である。
【図15】図14のA−A線断面図である。
【図16】実施の形態3で用いられた食品供給部の動作を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係る粒状固形食品輸送装置の構成を示す。この粒状固形食品輸送装置は、加圧エアを用いて粒状固形食品Mを送出するエジェクタ式の食品供給部1と、食品供給部1よりも上方に配置されると共に断面が円形状で且つ中心軸が鉛直方向に延びた管形状を有するレシーバ2と、基端が食品供給部1に接続されると共に末端がレシーバ2に接続されて食品供給部1から送出された粒状固形食品Mをレシーバ2まで輸送する輸送管3とを有する。
【0014】
食品供給部1は、基端よりも先端が下方に位置するように傾斜して配置された食品誘導管4を備え、食品誘導管4の傾斜する底面にはエア噴出口5が形成されている。そして、このエア噴出口5には加圧エア供給部6が接続されており、加圧エア供給部6から加圧エアを送出することによりエア噴出口5から食品誘導管4の先端方向へ加圧エアが噴出される。また、食品誘導管4の基端には粒状固形食品を食品誘導管4に供給するための供給ホッパー7が連結されており、食品誘導管4の先端には輸送管3の基端が接続されている。
【0015】
レシーバ2は、輸送管3の末端と接続された円筒部8と、円筒部8の下端に連結され且つ逆円錐台形状で下端に食品排出口9が形成されたホッパー部10とを有する。なお、レシーバ2の直下には、食品排出口9から排出された粒状固形食品Mを回収するための回収ホッパー11が配置されている。
【0016】
輸送管3は、円状の横断面を有し、基端から末端に向けて直線部12、湾曲部13、直線部14、湾曲部15、およびらせん部16を順次接続して構成されている。直線部12は食品誘導管4と接続された基端側から水平に延び、続いて湾曲部13が鉛直面において円弧を描くように滑らかに上方に向けて湾曲され、直線部14がレシーバ2に向かって傾斜して延びた後、湾曲部15が鉛直面において円弧を描くように滑らかに湾曲して鉛直上向きとなり、らせん部16においてらせん状に湾曲されると共にその末端がレシーバ2に接続されている。
このような構成により、輸送管3内を空気輸送される粒状固形食品Mは、直線部12では水平に延びる底部に重力により当接され、湾曲部13では上方に向けて湾曲された底部に重力および遠心力により押し付けられ、直線部14では傾斜された底部に重力により当接され、湾曲部15では傾斜された底部から鉛直な内側部へと滑らかに湾曲された内壁に遠心力により押し付けられ、らせん部16ではらせん状に湾曲された内壁に遠心力により押し付けられながら滑走する。すなわち、輸送管3は、基端から末端に延びる内壁において、重力および遠心力により粒状固形食品Mが当接して滑走するための、滑らかに連続した所定の内壁部N1を有する。
なお、湾曲部13と湾曲部15の湾曲は、鉛直面内における両者の湾曲の角度を互いに足して90度となるように設定されている。例えば、湾曲部13が鉛直面内で60度だけ湾曲する場合には、湾曲部15は鉛直面内で30度湾曲される。これにより、湾曲部15は、鉛直上向きとされた状態でらせん部16と接続される。
【0017】
図2および図3にレシーバ2の構成を示す。レシーバ2の円筒部8には接続開口部17が形成されており、この接続開口部17を介して輸送管3の末端が円筒部8に対して接線方向に接続される。このように輸送管3と円筒部8を接続することで、輸送管3の末端の内側部18が円筒部8の内周面19に滑らかに接続される。
円筒部8は、輸送管3と接続された接続開口部17から内周面19に沿ってらせん状に延びる誘導壁20と、輸送管3から粒状固形食品Mと共に供給される空気の一部を上端から排出する空気排出口21とを有する。誘導壁20は、接続開口部17の上端から、内周面19に沿って1周した時点で接続開口部17の下端に位置するようにらせん状に延びており、輸送管3から接続開口部17を介して円筒部8内に進入した粒状固形食品Mは、円筒部8の内周面19に沿って1周した時点で接続開口部17に差し掛からずに接続開口部17の下方を移動していく。
円筒部8からホッパー部10に供給された粒状固形食品Mは、ホッパー部10の内周面22に沿ってらせん状に移動し、食品排出口9から排出される。
【0018】
図4(A)および(B)に、レシーバ2と接続された輸送管3のらせん部16を示す。らせん部16は、仮想的に設定された円筒面Sに沿って巻くように湾曲されている。具体的には、中心軸が水平面に対して45度上方に傾斜した円筒面Sを、湾曲部15の先端縁部とレシーバ2の接続開口部17の外縁部を外側から包んで両者に接するように設定する。らせん部16は、円筒面Sと湾曲部15の先端縁部との接点を起点Aとすると共に円筒面Sとレシーバ2の接続開口部17の外縁部との接点を終点Bとし、起点Aの位置から円筒面Sの内側に接しながら湾曲されて終点Bの位置まで延びている。そして、らせん部16は、鉛直上向きとなった湾曲部15の先端縁部と起点Aの位置で接続されると共にレシーバ2の接続開口部17の外縁部と終点Bの位置で接続された、輸送管3の最終区間を構成する。
また、らせん部16は、起点Aから終点Bまで円筒面Sに当接して延びる当接線T1を有する。当接線T1は、図5に示すように、起点Aから終点Bまで円筒面Sの中心軸Xの回りに180度移動するらせん状の軌跡を描いて湾曲され、円筒面Sの中心軸Xに対して、起点A、中間点Cおよび終点Bにおける角度k1、k2およびk3がそれぞれ45度をなしている。すなわち、当接線T1は、円筒面Sの中心軸Xに対して常に45度の傾斜を保ちつつ、円筒面Sに当接しながら起点Aから終点Bまで180度移動されている。
らせん部16がこのような形状を有することにより、らせん部16を空気輸送される粒状固形食品Mには、当接線T1に押し付けられるような遠心力が生じる。すなわち、当接線T1に沿った内壁は、輸送管3の基端から末端まで滑らかに延びる連続した内壁部N1の一部区間を構成し、粒状固形食品Mを起点Aから中間点Cを介して、終点Bの内側部18まで輸送する。
【0019】
次に、図1に示した粒状固形食品輸送装置の動作について説明する。
まず、食品供給部1において、加圧エア供給部6によりエア噴出口5から食品誘導管4の先端方向へ加圧エアが噴出される。この状態で、供給ホッパー7から食品誘導管4の基端側に例えば短い棒形状のマカロニからなる粒状固形食品Mを供給すると、粒状固形食品Mは、傾斜する食品誘導管4に沿って先端側まで滑落し、エア噴出口5から噴出されている加圧エアにより前方へ向かって加速される。このようにして、空気輸送される粒状固形食品Mが、固形食品供給部1から輸送管3の直線部12に供給される。
【0020】
輸送管3の直線部12に供給された粒状固形食品Mは、直線部12の底部を水平に延びる内壁部N1に重力により当接しながら空気輸送された後、湾曲部13に到達し、湾曲部13の湾曲に従って方向転換される。ここで、湾曲部13は水平方向から所定の角度だけ上方に向けて滑らかに湾曲されており、粒状固形食品Mは、底部に沿って滑らかに上方に湾曲された内壁部N1に押し付けられながら上方に方向転換される。
このように、粒状固形食品Mの輸送方向を水平方向から上方に方向転換する際に、遠心力を利用して、上方に向けて滑らかに湾曲された内壁部N1に当接させながら粒状固形食品Mを滑走させることで、粒状固形食品Mが輸送管3の内壁に衝突して破砕されるのを抑制することができる。
粒状固形食品Mは、湾曲部13から直線部14に到達し、直線部14の所定の角度で傾斜された底部に沿って延びる内壁部N1に重力により当接したまま滑走し、湾曲部15に到達する。
【0021】
湾曲部15に到達した粒状固形食品Mは、直線部14に接続された傾斜を有する底部から鉛直方向を向いた内側部へと滑らかに湾曲された内壁部N1に、遠心力により押し付けられながら滑らかに上方に向けて方向転換され、湾曲部15により鉛直上向きに輸送される。
続いて、粒状固形食品Mは、湾曲部15かららせん部16に到達し、図4(A)および(B)に示すように、らせん部16に沿って輸送される。すなわち、粒状固形食品Mは、内壁部N1の一部区間を形成し且つらせん部16内にらせん状に延びる当接線T1に遠心力により押し付けられながら、らせん状の軌跡を描いて輸送され、鉛直方向から水平方向に方向転換される。このようにして、輸送管3を空気輸送された粒状固形食品Mは、輸送管3の内壁部N1の末端と滑らかに接続されたレシーバ2の内周面19に沿うように、輸送管3からレシーバ2の接続開口部17に供給される。
【0022】
このように、重力および遠心力を利用して、輸送管3の基端から末端まで滑らかに連続する内壁部N1に当接させながら粒状固形食品Mを滑走させることで、粒状固形食品Mが輸送管3の内壁に衝突して破砕されるのを抑制することができる。また、湾曲されたらせん部16の曲率中心が、終点Bにおいてレシーバ2の接線方向に延びる鉛直面に対してレシーバ2の中心軸と同じ側にあるため、輸送管3の末端において粒状固形食品Mが内側部18に押圧されるような遠心力を発生させることができ、さらに内側部18とレシーバ2の内周面19とを滑らかに接続することで、粒状固形食品Mをレシーバ2の内周面19に沿って供給し、粒状固形食品Mがレシーバ2の内周面19に衝突するのを抑制することが可能となる。
【0023】
輸送管3から接続開口部17を介してレシーバ2内に供給された粒状固形食品Mは、図2および図3に示すように、誘導壁20により誘導されることで、内周面19に沿ってらせん状の軌跡を描きながら移動していく。このように、接続開口部17からレシーバ2内に供給された粒状固形食品Mが、内周面19を1周する間に接続開口部17の下方まで誘導されることで、先行する粒状固形食品Mと後続の粒状固形食品Mとが接続開口部17で衝突するのを回避することができる。
円筒部8かららせん軌道を描きながらホッパー部10に到達した粒状固形食品Mは、逆円錐形状の内周面22に沿ってらせん軌道の径を縮めながら重力により食品排出口9まで導かれ、食品排出口9から回収ホッパー11に排出される。ここで、粒状固形食品Mがレシーバ2内を移動している間に、輸送管3から粒状固形食品Mと共に供給された空気の一部はレシーバ2の上端に形成された空気排出口21から排出されており、空気輸送に使用された過剰な空気により粒状固形食品Mが食品排出口9から勢いよく排出されるのを低減することができる。このため、粒状固形食品Mの破砕を抑制すると共に粒状固形食品Mを散乱させずに整然とした状態で回収ホッパー11に排出することができる。
このようにして、粒状固形食品Mが食品供給部1から回収ホッパー11まで空気輸送される。
【0024】
本実施の形態によれば、輸送管3の基端から末端まで連続する滑らかな内壁部N1に粒状固形食品Mを当接させながら空気輸送することで、粒状固形食品Mを破砕することなく食品供給部1から回収ホッパー11まで輸送することができる。また、輸送管3の内壁部N1とレシーバ2の内周面19が滑らかに接続されることで、粒状固形食品Mを破砕することなく輸送管3からレシーバ2に供給することができる。
【0025】
なお、輸送管3の末端は、内壁部N1がレシーバ2の内周面19と滑らかに接続されていればよく、その横断面形状は円状のものに限られない。例えば、図6に示すように、横断面形状が円状から矩形上へと徐々に変形されるレシーバ導入部31を介して輸送管3がレシーバ2に接続されてもよく、これにより内壁部N1を含む円弧状の内側部が徐々に平面状に変形されて内側面32となることで、内側面32とレシーバ2の内周面19とを滑らかに接続することができる。
このように、内側部が徐々に平面状に変形されてなるレシーバ導入部31を用いることで、レシーバ2の内周面19と滑らかに接続される部分が広がり、レシーバ導入部31からレシーバ2に粒状固形食品Mを供給する際の破砕をさらに抑制することができる。
【0026】
また、レシーバ2の形状は、断面が円状で且つ中心軸が鉛直方向に延びた管形状を有すれば良く、円筒部8とホッパー部10とを接続したものに限られない。例えば、図7に示すように、全体が円筒形状を有するレシーバ33を用いることができる。レシーバ33の内周面は輸送管3の内壁部N1と滑らかに接続され、輸送管3からレシーバ33に供給された粒状固形食品Mはレシーバ33の内周面に沿ってらせん軌道を描きながら下降し、レシーバ2の下端に形成された食品排出口34から排出される。また、図8に示すように、全体が逆円錐形状を有するレシーバ35を用いることもできる。レシーバ35の内周面は輸送管3の内壁部N1と滑らかに接続され、輸送管3からレシーバ35に供給された粒状固形食品Mはレシーバ35の内周面に沿ってらせん軌道を描きながら下降し、レシーバ35の下端に形成された食品排出口36から排出される。
このように、内壁部N1とレシーバの内周面が滑らかに接続されることで、粒状固形食品Mの破砕を抑制して輸送管3からレシーバに供給することができる。
【0027】
また、上記の実施の形態では、短い棒形状のマカロニからなる粒状固形食品Mを例にとって説明したが、シェル形状のマカロニ、その他、粒状の固形食品に幅広く適用することができる。
マカロニ等からなる粒状固形食品を製造するに際しては、一般に、製造工程、検査工程、梱包工程等の多数の工程を経て出荷されることが多いが、これらの工程間にそれぞれこの発明に係る粒状固形食品輸送装置を用いることができる。すなわち、前工程における処理が済んだ粒状固形食品を供給ホッパー7に供給し、加圧エア供給部6から噴出される空気により輸送管3を介して上方に輸送すると共に、レシーバ2の食品排出口9から次工程へと供給すればよい。このように、前工程における処理が済んだ粒状固形食品を上方に位置する次工程に供給する際に、空気輸送を利用して粒状固形食品を破砕することなく上方に輸送することができる。また、レシーバ2の上部に空気排出口21が形成されているため、粒状固形食品を散乱させずに整然とした状態でレシーバ2の食品排出口9から次工程に供給することができる。
【0028】
また、輸送管3は、食品供給部1と回収ホッパー11との位置関係に応じて直線部12および14を除いてもよく、湾曲部13と湾曲部15が直接接続された構成とすることもできる。
【0029】
実施の形態2
図9に、実施の形態2に係る粒状固形食品輸送装置の構成を示す。この粒状固形食品輸送装置は、図1に示した実施の形態1の粒状固形食品輸送装置において、輸送管3の代わりに矩形状の横断面を有する輸送管41を食品供給部1とレシーバ2の間に接続したものである。
輸送管41は、実施の形態1と同様に、基端から末端に向けて直線部42、湾曲部43、直線部44、湾曲部45およびらせん部46を順次接続して構成されている。このような構成により、輸送管41を空気輸送される粒状固形食品Mは、直線部42では水平に延びる底面に重力により当接され、湾曲部43では上方に向けて湾曲された底面に重力および遠心力により押し付けられ、直線部44では傾斜された底面に重力により当接され、湾曲部45では傾斜された底面から鉛直な内側面へと滑らかに湾曲された内壁面に遠心力により押し付けられ、らせん部16ではらせん状に湾曲された内壁面に遠心力により押し付けられながら滑走する。すなわち、輸送管41は、基端から末端に延びる内壁面において、重力および遠心力により粒状固形食品Mが当接して滑走するための、滑らかに連続した所定の内壁面N2を有する。
【0030】
図10(A)および(B)にレシーバ2と接続された矩形状の横断面を有する輸送管41のらせん部46を示す。らせん部46は、実施の形態1と同様の円筒面Sを設定して円筒面Sと湾曲部45の先端縁部との接点を起点Aとすると共に円筒面Sとレシーバ2の接続開口部17の外縁部との接点を終点Bとすると、起点Aの位置から円筒面Sの内側に接しながら湾曲されて終点Bの位置まで延び、起点Aの位置において湾曲部45の先端縁部と接続されると共に終点Bの位置においてレシーバ2の接続開口部17の外縁部と接続されている。
このため、らせん部46は、起点Aから終点Bまで円筒面Sに当接して延びる当接面T2を有し、この当接面T2と共に起点Aから終点Bまで円筒面Sの中心軸Xの回りに180度のらせん状の軌跡で湾曲されている。すなわち、らせん部46は、矩形状の横断面を構成する4つの直線部のうち円筒面Sの中心軸Xに対して最も外側に位置する1つの直線部Lが起点Aから終点Bまで円筒面Sに接するように湾曲されており、この直線部Lが起点Aから終点Bまで至るいずれの点における横断面においても当接面T2上に含まれている。これにより、らせん部46は、起点Aから終点Bまで至るいずれの点における横断面においても直線部Lが直線部Lの中心点を通る円筒面Sの法線に対して常時直角方向を向くように形成される。
らせん部46がこのような形状を有することにより、らせん部46を空気輸送される粒状固形食品Mには、当接面T2に押し付けられるような遠心力が生じる。すなわち、当接面T2に沿った内壁面は、輸送管3の基端から末端まで滑らかに延びる連続した内壁面N2の一部区間を構成し、起点Aから終点Bの内側面47まで粒状固形食品Mを輸送する。
【0031】
まず、食品供給部1から輸送管41の直線部42に供給された粒状固形食品Mは、直線部42を水平に延びる底面からなる内壁面N2に重力により当接しながら滑走した後、湾曲部43を上方に向けて湾曲された底部からなる内壁面N2に重力および遠心力により押し付けられながら滑走する。続いて、直線部34に到達した粒状固形食品Mは、直線部34を傾斜された底部からなる内壁面N2に重力により当接しながら滑走し、続いて湾曲部45を傾斜された底部から鉛直な内側部へと滑らかに湾曲された内壁面N2に遠心力により押し付けられながら滑走した後、らせん部46をらせん状に湾曲され且つ中心軸の回りにねじられた内壁面N2に遠心力により押し付けられながら滑走する。
【0032】
このようにして、輸送管41を空気輸送された粒状固形食品Mは、輸送管41の内壁面N2の末端と滑らかに接続されたレシーバ2の円筒部8の内周面19に沿うように、輸送管41からレシーバ2に供給される。
このように、輸送管41の基端から末端まで連続する滑らかな内壁面N2に粒状固形食品Mを当接しながら空気輸送することで、粒状固形食品Mが他の内壁面に衝突して破砕されるのを抑制することができる。また、レシーバ2の内周面19と滑らかに接続された輸送管41の内壁面N2は、粒状固形食品Mに対して幅に余裕があるため、輸送方向にずれが生じた粒状固形食品Mであってもレシーバ2の内周面19に沿って供給することができる。さらに、輸送管41が矩形状の横断面を有することにより、図11に示すように、空気輸送される粒状固形食品Mを内壁面N2に密接させることができ、図12に示すような円弧状の横断面からなる内壁と比べ、粒状固形食品Mを安定して輸送することができる。
【0033】
なお、実施の形態2では、らせん部46は、矩形の横断面における1つの直線部Lが直線部Lの中心点を通る円筒面Sの法線に対して常時直角方向を向くように形成されたが、粒状固形食品Mを当接面T2に当接させながら空気輸送できればこれに限るものではない。例えば、らせん部46は、当接面T2の範囲内で粒状固形食品Mを当接するように形成できればよく、起点Aから終点Bまで直線部Lが、直線部L上のいずれかの点を通る円筒面Sの法線に対して常時直角方向を向くように形成してもよい。ただし、粒状固形食品Mがらせん部46の側面に接触するのを抑制するため、らせん部46は、直線部Lがその中心点を通る円筒面Sの法線に対して常時直角方向を向くように形成するのが好ましい。
また、実施の形態2では、図13(A)に示されるように、らせん部46は、横断面を構成する4つの直線部のうち円筒面Sの中心軸Xに対して最も外側に位置する直線部Lを円筒面Sに接しながら起点Aから終点Bまで湾曲されたが、粒状固形食品Mを当接面T2に当接させる同様の湾曲が形成できればこれに限るものではない。例えば、直線部Lに平行な直線部を起点Aから終点Bまで円筒面Sに接しながら湾曲して形成することができる。具体的には、図13(B)に示されるように、らせん部46の横断面を構成する4つの直線部のうち円筒面Sの中心軸に対して最も内側に位置する直線部Pを円筒面Sに接しながら起点Aから終点Bまで湾曲させることができる。また、図13(C)に示されるように、らせん部46の横断面において矩形の対角線の交点を通り直線部Lに平行な仮想の直線部Qを円筒面Sに接しながら起点Aから終点Bまで湾曲させることもできる。
【0034】
また、実施の形態2では、矩形状の横断面を有する輸送管41を用いたが、少なくとも1つの直線部を含む横断面を有していればよく、例えば、三角形などの多角形状の横断面またはいわゆる蒲鉾形状の横断面を有する輸送管を用いることができる。輸送管の横断面が三角形状である場合には3つの直線部を、蒲鉾形状である場合には1つの直線部をそれぞれ有し、らせん部においては、そのうちの1つの直線部が、その直線部上のいずれかの点を通る円筒面Sの法線に対して起点Aから終点Bまで常時直角方向を向くように形成される。
また、実施の形態1および2では、当接線T1および当接面T2は、水平面に対して中心軸Xが45度上方に傾斜した円筒面Sに当接すると共に、円筒面Sの中心軸Xに対して常に45度の傾斜を保ちつつ起点Aから終点Bまで180度移動することで水平方向を向いた末端がレシーバ2と接続されるように形成されたが、らせん部16および46の末端がレシーバ2の内周面19に滑らかに接続されていればよい。すなわち、当接線T1および当接面T2は、水平面に対する中心軸Xの傾斜を45度近傍とした円筒面Sに当接するように形成することができる。また、当接線T1および当接面T2は、円筒面Sの中心軸Xに対して45度近傍の傾斜を保ちつつ移動するように形成することもでき、さらに起点Aから終点Bまで180度近傍移動するように形成することもできる。これにより、粒状固形食品Mは、らせん部16および46からレシーバ2にわずかな角度だけ傾斜して供給されるが、らせん部16および46の末端とレシーバ2の内周面19が滑らかに接続されているためその破砕を抑制することができる。
【0035】
実施の形態3
図14および15に、実施の形態3に係る粒状固形食品輸送装置で用いられる食品供給部51の構成を示す。食品供給部51は、矩形の断面形状を有する誘導管52を備えている。誘導管52は、基端開口部53と先端開口部54とを有し、基端開口部53よりも先端開口部54が下方に位置するように傾斜して配置されている。また、誘導管52の傾斜する天井面および底面にそれぞれスリット状の上部エア噴出口55および下部エア噴出口56が形成されている。これら上部エア噴出口55および下部エア噴出口56は、それぞれ誘導管52の先端方向を向くように誘導管52の天井面および底面に開口している。
【0036】
誘導管52の大部分を覆うように誘導管52と一体にほぼ直方体形状の筐体57が形成されている。水平面に対して傾斜する誘導管52が筐体57内を貫通することにより、筐体57の内部は、誘導管52の上側に位置する密閉された上部エア室R1と誘導管52の下側に位置する密閉された下部エア室R2とに二分され、上部エア噴出口55が上部エア室R1に連通すると共に下部エア噴出口56が下部エア室R2に連通している。
【0037】
また、上部エア室R1に上部エア供給口58が開口すると共に下部エア室R2に下部エア供給口59が開口し、上部エア供給口58および下部エア供給口59を介して上部エア室R1および下部エア室R2にそれぞれ共通のエア供給管60が接続されている。さらに、エア供給管60に加圧エア供給部6が接続されている。
加圧エア供給部6からエア供給管60に加圧エアを送出することにより、上部エア供給口58および下部エア供給口59を介して上部エア室R1および下部エア室R2に加圧エアが供給され、スリット状の上部エア噴出口55および下部エア噴出口56から誘導管52の先端方向へそれぞれ平板状に加圧エアが噴出されるように構成されている。
【0038】
誘導管52の基端開口部53に、粒状固形食品を誘導管52に供給するための供給ホッパー7が連結されている。
一方、誘導管52の先端開口部54には、送出シュート61を介して輸送管3が接続されている。送出シュート61は、誘導管52の先端開口部54の断面形状と輸送管3の断面形状を滑らかに接続するものである。
【0039】
次に、実施の形態3に係る粒状固形食品輸送装置の動作について説明する。
まず、加圧エア供給部6によりエア供給管60を通して上部エア供給口58および下部エア供給口59から上部エア室R1および下部エア室R2に加圧エアを供給する。これにより、誘導管52のスリット状の上部エア噴出口55から誘導管1の天井面に沿って先端開口部54の方向へ平板状に加圧エアが噴出されると共に、スリット状の下部エア噴出口59から誘導管52の底面に沿って先端開口部54の方向へ平板状に加圧エアが噴出される。
【0040】
この状態で、供給ホッパー7から基端開口部53を通して誘導管52内に例えば短い棒形状のマカロニからなる粒状固形食品Mを供給すると、図16に示されるように、粒状固形食品Mは、傾斜する誘導管52の底面52aに沿って先端開口部54へと滑落するが、上部エア噴出口55から平板状に噴出されている加圧エアにより前方へ向かって予備加速され、続いて下部エア噴出口59から平板状に噴出されている加圧エアにより前方へ向かってさらに加速される。すなわち、粒状固形食品Mは、上下から平板状の加圧エアによって段階的に加速されることとなる。
【0041】
このため、粒状固形食品Mは、ほぼ回転することなく、誘導管52の底面52aを滑落したときの姿勢を保持しつつ加圧エアと共に先端開口部54から前方へ送出される。平板状に噴出されている加圧エアにより上下から段階的に加速されるので、特に、粒状固形食品Mの鉛直面内における回転が未然に回避される。このようにして、誘導管52の先端開口部54から粒状固形食品Mを破砕することなく送出することが可能となる。
誘導管52の先端開口部54から送出された粒状固形食品Mは、送出シュート61を抜けて輸送管3内に入り、輸送管3に案内されてレシーバ2まで輸送される。
【0042】
同様にして、供給ホッパー7から誘導管52内に多数の粒状固形食品Mが供給されると、これら多数の粒状固形食品Mは、順次、誘導管52の底面52aを滑落し、上部エア噴出口55および下部エア噴出口56からそれぞれ平板状に噴出される加圧エアにより前方へ向かって段階的に加速され、先端開口部54から送出シュート61を通って輸送管3内に送出され、輸送管3により輸送される。
【0043】
なお、上記の実施の形態では、上部エア噴出口55に連通する上部エア室R1と下部エア噴出口56に連通する下部エア室R2とが互いに隔離されていたが、これに限るものではなく、上部エア噴出口55および下部エア噴出口56の双方に連通する共通のエア室を形成し、加圧エア供給部6からこのエア室に加圧エアを供給することで上部エア噴出口55および下部エア噴出口56からそれぞれ平板状の加圧エアを噴出してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,51 食品供給部、2,33,35 レシーバ、3,41 輸送管、4,52 誘導管、5 エア噴出口、6 加圧エア供給部、7 供給ホッパー、8 円筒部、9,34,36 食品排出口、10 ホッパー部、11 回収ホッパー、12,14,42,44 直線部、13,15,43,45 湾曲部、16,46 らせん部、17 接続開口部、18 内側部、19,22,47 内周面、20 誘導壁、21 空気排出口、31 レシーバ導入部、32 内側面、52a 底面、53 基端開口部、54 先端開口部、55 上部エア噴出口、56 下部エア噴出口、57 筐体、58 上部エア供給口、59 下部エア供給口、60 エア供給管、61 送出シュート、A 起点、B 終点、S 円筒面、X 円筒面の中心軸、N1 内壁部、N2 内壁面、T1 当接線、T2 当接面、L,P,Q 直線部、R1 上部エア室、R2 下部エア室、M 粒状固形食品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧エアを用いて粒状固形食品を送出するエジェクタ式の食品供給部と、
断面が円状で且つ鉛直方向の中心軸を有すると共に上端および下端がそれぞれ開口した筒形状を有し、内部に供給された粒状固形食品を重力により下端の開口から排出するレシーバと、
基端が前記食品供給部に接続されると共に、末端が前記レシーバに対して接線方向に接続されることにより末端の内側部が前記レシーバの内周面に滑らかに接続され、前記食品供給部から送出された粒状固形食品を前記レシーバまで空気輸送するための輸送管と
を備えた粒状固形食品輸送装置。
【請求項2】
前記レシーバは、上端に開口が形成された円筒部と、前記円筒部の下端に連結され且つ逆円錐形状で下端に開口が形成されたホッパー部とを有する請求項1に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項3】
前記円筒部は、前記輸送管より進入した粒状固形食品が、前記円筒部の内周面を1周した時点で、前記輸送管の末端と前記円筒部との接続部に形成された接続開口部に差し掛からないように、前記接続開口部の上端から、1周した時点で前記接続開口部の下端に位置する様な、らせん状の誘導壁を円筒部内部に備えた請求項2に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項4】
前記輸送管は、空気輸送される粒状固形食品が前記輸送管の末端において内側部に当接するような遠心力が生じるように、前記レシーバと接続される直前において湾曲しており、かつその湾曲の曲率中心は、前記輸送管が前記レシーバに接続する点において前記レシーバの接線方向に延びる鉛直面に対して前記レシーバの中心軸と同じ側にある請求項1〜3のいずれかに記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項5】
前記レシーバは、前記食品供給部よりも上方に配置され、
前記輸送管が鉛直上向きになってからレシーバに接続されるまでの最終区間は、その中心軸が水平面に対し45度傾斜した仮想の円筒面の中心軸に対して45度の傾斜を保ちつつ前記仮想の円筒面に沿って起点から終点まで180度移動するらせん状に湾曲されたらせん部である請求項1〜4のいずれかに記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項6】
前記輸送管は、少なくとも1つの直線部を含む横断面を有し、前記らせん部の起点から終点まで前記直線部が前記仮想の円筒面の前記直線部を通る法線に対して常時直角方向を向くように形成されている請求項5に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの直線部を含む横断面は、矩形形状である請求項6に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項8】
前記食品供給部は、
基端開口部よりも先端開口部が下方に位置するように傾斜して配置されると共に前記基端開口部から粒状固形食品が導入される食品誘導管と、
それぞれ前記食品誘導管の天井面および底面に開口し且つ前記天井面および底面に沿って前記食品誘導管の先端方向へ平板状に加圧エアを噴出するための上部エア噴出口および下部エア噴出口と、
前記上部エア噴出口および前記下部エア噴出口から前記食品誘導管内へ加圧エアを噴出することにより前記食品誘導管内の粒状固形食品を加速させて前記先端開口部から送出する加圧エア供給部と
を有する請求項1〜7のいずれかに記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項9】
前記下部エア噴出口は、前記上部エア噴出口よりも前記先端開口部側に位置し、前記上部エア噴出口から噴出された加圧エアにより予備加速された粒状固形食品をさらに加速させるための加圧エアを噴出する請求項8に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項1】
加圧エアを用いて粒状固形食品を送出するエジェクタ式の食品供給部と、
断面が円状で且つ鉛直方向の中心軸を有すると共に上端および下端がそれぞれ開口した筒形状を有し、内部に供給された粒状固形食品を重力により下端の開口から排出するレシーバと、
基端が前記食品供給部に接続されると共に、末端が前記レシーバに対して接線方向に接続されることにより末端の内側部が前記レシーバの内周面に滑らかに接続され、前記食品供給部から送出された粒状固形食品を前記レシーバまで空気輸送するための輸送管と
を備えた粒状固形食品輸送装置。
【請求項2】
前記レシーバは、上端に開口が形成された円筒部と、前記円筒部の下端に連結され且つ逆円錐形状で下端に開口が形成されたホッパー部とを有する請求項1に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項3】
前記円筒部は、前記輸送管より進入した粒状固形食品が、前記円筒部の内周面を1周した時点で、前記輸送管の末端と前記円筒部との接続部に形成された接続開口部に差し掛からないように、前記接続開口部の上端から、1周した時点で前記接続開口部の下端に位置する様な、らせん状の誘導壁を円筒部内部に備えた請求項2に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項4】
前記輸送管は、空気輸送される粒状固形食品が前記輸送管の末端において内側部に当接するような遠心力が生じるように、前記レシーバと接続される直前において湾曲しており、かつその湾曲の曲率中心は、前記輸送管が前記レシーバに接続する点において前記レシーバの接線方向に延びる鉛直面に対して前記レシーバの中心軸と同じ側にある請求項1〜3のいずれかに記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項5】
前記レシーバは、前記食品供給部よりも上方に配置され、
前記輸送管が鉛直上向きになってからレシーバに接続されるまでの最終区間は、その中心軸が水平面に対し45度傾斜した仮想の円筒面の中心軸に対して45度の傾斜を保ちつつ前記仮想の円筒面に沿って起点から終点まで180度移動するらせん状に湾曲されたらせん部である請求項1〜4のいずれかに記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項6】
前記輸送管は、少なくとも1つの直線部を含む横断面を有し、前記らせん部の起点から終点まで前記直線部が前記仮想の円筒面の前記直線部を通る法線に対して常時直角方向を向くように形成されている請求項5に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの直線部を含む横断面は、矩形形状である請求項6に記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項8】
前記食品供給部は、
基端開口部よりも先端開口部が下方に位置するように傾斜して配置されると共に前記基端開口部から粒状固形食品が導入される食品誘導管と、
それぞれ前記食品誘導管の天井面および底面に開口し且つ前記天井面および底面に沿って前記食品誘導管の先端方向へ平板状に加圧エアを噴出するための上部エア噴出口および下部エア噴出口と、
前記上部エア噴出口および前記下部エア噴出口から前記食品誘導管内へ加圧エアを噴出することにより前記食品誘導管内の粒状固形食品を加速させて前記先端開口部から送出する加圧エア供給部と
を有する請求項1〜7のいずれかに記載の粒状固形食品輸送装置。
【請求項9】
前記下部エア噴出口は、前記上部エア噴出口よりも前記先端開口部側に位置し、前記上部エア噴出口から噴出された加圧エアにより予備加速された粒状固形食品をさらに加速させるための加圧エアを噴出する請求項8に記載の粒状固形食品輸送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−112474(P2013−112474A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260025(P2011−260025)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(398012306)日清フーズ株式会社 (139)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(398012306)日清フーズ株式会社 (139)
【Fターム(参考)】
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