粒状材料の円筒形脱塵装置
【課題】プラスチックペレットなどの粒状材料から、効果的に脱塵できる装置を提供する。
【解決手段】円筒形の脱塵装置10であり、空気供給導管50上に支持された円錐形洗浄デッキ32の先端部に中心が設定された円錐台形供給ホッパー21に材料を送り込む上部材料供給開口17を有する。洗浄デッキ表面のスロットおよび開口33に空気を吹き込み、粒状材料から塵および屑を分離する。供給ホッパー21と円筒形スリーブとの間を通過した塵を含んだ空気は、円形捕集器15に流入し、排出される。洗浄デッキ32に対してスリーブ内で供給ホッパー21を上下動させることによって、洗浄デッキ32上の材料の流量を調節する。この際、先端部が、材料が洗浄デッキ上に流れ込む間隙の寸法を設定するストッパーとして働く。処理された材料が下部排出開口45を通過している間、塵を含んだ空気が、半径方向にある導管18により円形捕集器15から排出される。
【解決手段】円筒形の脱塵装置10であり、空気供給導管50上に支持された円錐形洗浄デッキ32の先端部に中心が設定された円錐台形供給ホッパー21に材料を送り込む上部材料供給開口17を有する。洗浄デッキ表面のスロットおよび開口33に空気を吹き込み、粒状材料から塵および屑を分離する。供給ホッパー21と円筒形スリーブとの間を通過した塵を含んだ空気は、円形捕集器15に流入し、排出される。洗浄デッキ32に対してスリーブ内で供給ホッパー21を上下動させることによって、洗浄デッキ32上の材料の流量を調節する。この際、先端部が、材料が洗浄デッキ上に流れ込む間隙の寸法を設定するストッパーとして働く。処理された材料が下部排出開口45を通過している間、塵を含んだ空気が、半径方向にある導管18により円形捕集器15から排出される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願に関する相互参照】
【0001】
本出願は、2009年3月18日に出願され、”粒状材料の円筒形脱塵装置“を発明の名称とする米国仮特許出願第61/161,402号の国内優先権を主張する出願である。本明細書は、この仮特許出願の内容を援用するものである。
【技術分野】
【0002】
本願発明は、プラスチックペレット、粉砕再生材料(リグラインド)、タブレット、粒子、鉱物などの粒状材料を浄化処理し、これら材料を取り扱うことに関する。具体的には、本発明は、円筒形に構成し、360度全周にわたって浄化処理できるようにして運転容量を増強した脱塵装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特に、粗粉体、粒子、ペレットなどの粒状材料を輸送し、これを利用する分野ではよく知られているように、製品粒子からできるだけ汚染物を除去しておくことが重要である。通常、粒状物は、流体にいくぶん近い振る舞いをする材料の流れを実際に発生する加圧式管状システム内で混合、包装または利用される施設内で輸送されるものである。これら材料が配管内を移動すると、粒子同士間だけでなく、配管壁部と流れ内の粒子との間でも大きな摩擦が発生する。この摩擦が発生すると、粒子粉塵、破壊された粒子、粒子屑やストリーマー(材料の流れの邪魔になるか、酷い場合には流れを完全に止める長く、絡み合った塊に“成長”するリボン状の部分)が発生する。製品粒子からできるだけ汚染物を除去しておくことの重要性やその価値と同じくらい、このような輸送システムの特性についてもよく知られている。
【0004】
本開示で使用する用語“汚染物”は、広範囲な異物だけでなく、前述した破壊された粒子、粉塵、粒子屑やストリーマーも含む用語である。いずれにせよ、汚染物は、高品質製品の製造にとって有害であり、状況にもよるが、作業員などの健康にも有害であり、一部の汚染物の場合には、発火源に曝されると、爆発の原因になる粉塵雲を発生する危険因子にもなり得る。
【0005】
製品品質を考慮し、一次原料としての成型可能なプラスチックに絞って考えると、粉塵、一次原料の非均質な材料、粒子屑やストリーマーなどの一次材料とは組成が異なる異物は、必ずしも融点温度が一次製品とは同じでなく、融解し成型する場合には、傷を発生させるものである。これら傷が発生すると、完成製品に色のバラつきや気泡を発生させ、時には欠陥や汚れの原因になり、製品を市販できなくなる。また、射出成型機の熱により、粉塵が蒸発し、完成製品に小さな気泡を発生させる傾向も出てくる。熱は、また、粉塵を燃焼させ、実際には炭化粉塵である“黒点”の原因にもなる。時には、成型機に粉塵ポケットが発生すると、これが融解しないため、通常“軟点”や“白点”と呼ばれる欠陥の原因になる。なお、重要なことは、これら同じ不均質材料の場合、一次製品と同じ温度では融解しないため、融解しない汚染物が成型機と摩擦を起こし、これを早期に摩耗させる結果、運転を休止せざるを得なくなり、減産の原因になり、また生産性が落ち、保守点検作業が増え、従って全生産コストが高くなることである。
【0006】
1991年7月30日にJerome I.Paulsonに付与されたUSP5,035,331に開示されている装置などの従来の粒状材料脱塵装置の場合、装置内に傾斜平面として形成された第1洗浄デッキおよび第2洗浄デッキを有し、これら洗浄デッキにそって流れる粒状材料に加圧空気を通す開口を設ける。2つの洗浄デッキの間のベンチュリゾーンを粒状材料が通過し、この通過作用が、洗浄デッキの粒状材料に流れる空気の作用と相まって、粉塵および他の汚染物を上方に排出するとともに、装置から空気流れを排出する。
【0007】
2008年6月3日にJerome I.Paulson、Heinz Schneider、Paul Wagnerに付与されたUSP7,380,670には、洗浄デッキを連続的に設けたコンパクトな脱塵装置を利用し、洗浄デッキおよびベンチュリゾーンを倍増することによって能力を増強することが開示されているが、この場合には、流れ込む粒状材料を2つの洗浄デッキ間で等しく分割する必要がある。上記USP5,035,331および7,380,670では、流れ込んでくる粒状材料に磁束場を作用させて、粒状ペレットの方に汚染物を吸引する静電荷を中性化し、洗浄デッキの粒状材料から汚染物を分離する能力を増強している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】USP5,035,331
【特許文献2】USP7,380,670
【0009】
従って、従来の平面型洗浄デッキ脱塵装置と同等な洗浄デッキ運転能力およびベンチュリゾーン運転能力を維持した状態で、脱塵装置全体を大型化することなく、多量の粒状材料から汚染物を除去して粒状材料を浄化処理できる脱塵装置を実現することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、プラスチックペレットなどの粒状材料から360度全周にわたって粉塵およびその他の屑を除去できる脱塵装置を提供することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、粒状材料を全面に受け取り、360度全周にわたって粒状材料から脱塵処理できる円錐形洗浄デッキを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、円錐形洗浄デッキ装置全面に粒状材料の流れを作り出す材料供給装置を提供できる点にある。
【0013】
本発明の第1の作用効果は、脱塵装置を大型化することなく、脱塵装置に流れる粒状材料の流量を増量できる点にある。
【0014】
本発明の第2の作用効果は、粒状材料供給装置と円錐形洗浄デッキとの間の距離を操作することによって、円錐形洗浄デッキ上を流れる粒状材料の流量を調節できる点にある。
【0015】
本発明の第2の特徴は、粒状材料供給装置を円錐形洗浄デッキに対して上下に動かすことによって円錐形洗浄デッキ表面上の粒状材料の流量を調節できる点にある。
【0016】
本発明の第3の特徴は、円錐台形状の粒状材料供給装置に挿入したときに、円錐形洗浄デッキの先端部がストッパーとして働き、円錐形洗浄デッキの表面上の粒状材料の流量を変更できる点である。
【0017】
本発明の第3の目的は、空気流れの方向を円筒形洗浄デッキの下側に切り換えて、洗浄デッキに形成した開口を介して洗浄デッキ表面から向きを外向きに向ける空気供給ダクトを有する円筒形脱塵装置を提供することである。
【0018】
本発明の第4の目的は、洗浄デッキを流れる空気の流れを受け取り、粒状材料から取り除かれた粉塵および屑を洗浄デッキの表面上に運ぶために、洗浄デッキ装置の上に設けられる空気排出導管を提供することである。
【0019】
本発明の第4の特徴は、空気排出導管が、空気導管に対向する部分において空気流れ絞り手段を形成した円形捕集器を有する点にある。
【0020】
本発明の第3の作用効果は、円形捕集器の流れ絞り手段が、排出導管に対向する捕集室の容量を小さくすることによって、捕集された空気の向きを排出導管の方に向けることにある。
【0021】
本発明の第5の特徴は、排出導管を円形捕集装置から半径方向に延設した点にある。
【0022】
本発明の第4の作用効果は、半径方向に延設した導管によって、円形捕集装置の両側から均一に円形捕集装置に流入する空気を捕集する点にある。
【0023】
本発明の第5の作用効果は、円錐形洗浄デッキの位置を空気供給導管上に固定した点にある。
【0024】
本発明の第5の目的は、洗浄デッキ上に流れ込む粒状材料の流量を変更する、外部から操作できる調節機構を提供することである。
【0025】
本発明の第6の特徴は、円形捕集器に取り付けた調節機構に材料供給機構を接続して、円形捕集器の外部のねじ付きノブを回転させることによって、あるいは遠隔操作可能な空気シリンダーまたは空気圧シリンダーを操作することによって材料供給機構の上下位置を選択できるように構成した点にある。
【0026】
本発明の第7の特徴は、円錐台形状の材料供給ホッパーを有する材料供給機構にプラスチックバンパーを設け、これに円筒形スリーブを係合することによって、ねじ付き調節機構により位置が調節されたときに、供給ホッパーの上下動を維持するように構成した点にある。
【0027】
本発明の第6の作用効果は、円錐台形状供給ホッパーのために選択された上下位置に関係なく、この供給ホッパーの中心位置を円錐形洗浄デッキの先端部に設定し、洗浄デッキに流れる粒状材料の流量を設定できるよう構成した点にある。
【0028】
本発明の第6の目的は、粒状材料から塵および汚染物を除去する内部構成部材の動作をチェックできるように、脱塵装置の一部に透明ハウジングを設けることである。
【0029】
本発明の第8の特徴は、円筒形脱塵装置のハウジングに、円錐形洗浄デッキに対応する透明円筒形部分を設けて、粒状材料が円錐形洗浄デッキ上に流れている間、脱塵装置の浄化処理動作をチェックできるように構成した点にある。
【0030】
本発明の第7の作用効果は、洗浄デッキの浄化処理動作をチェックできるため、浄化処理動作の効果を判断できるうえに、これに対応して製品流量または空気供給量を調節できるため、浄化処理動作の効率を最大化できる点にある。
【0031】
本発明の第8の作用効果は、外側ハウジングの中心部分を透明化したため、ベンチュリゾーン内の乱流状態をチェックできる上に、流量の調節が必要かどうかも判断できる点にある。
【0032】
本発明の第7の目的は、構成に耐久性があり、製造コストも低い上に、保守点検も必要もなく、組み立てが簡単で、使用も楽な上に使用効率の高い、360度全周にわたって粒状材料を浄化処理できる円筒形脱塵装置を提供することである。
【0033】
以上の、および明記しなかった目的、特徴および作用効果は、本発明によれば、空気供給導管に支持した円錐形洗浄デッキの先端部分に中心を設定した円錐台形状供給ホッパーに粒状材料を導入する上部材料供給開口を有する円筒形脱塵装置によって実現することができる。洗浄デッキ表面のスロットおよび開口から空気を吹き込み、粒状材料から塵および屑を分離する。供給ホッパーと円筒形スリーブの間を介して塵を含んだ空気を円形捕集器に送り込み、脱塵装置から排出する。先端部分が、粒状材料が洗浄デッキに流れ込む間隙の大きさを設定するストッパーとして働く洗浄デッキに対してスリーブ内で供給ホッパーを上下動させることによって洗浄デッキに流れる粒状材料の流量を調節できる。脱塵処理された材料は、下部の排出開口から排出されるとともに、塵を含んだ空気は、円形捕集器から半径方向排出導管から排出される。
【0034】
本発明の作用効果については、特に添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読めば、明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の原理に基づく円形脱塵装置の斜視図である。
【図2】図1に示した円形脱塵装置の右側正面図であって、粒状材料が円錐形洗浄デッキに最大の流量で流れこむように、洗浄デッキに対して最大高さに供給ホッパーの位置を設定した状態を示す図である。
【図3】図2と同じ状態ではあるが、円錐形洗浄デッキに対して供給ホッパーの位置を下げて、これらの間の間隙を最小限に抑えるとともに、洗浄デッキに流れ込む粒状材料の流量を低く抑えた状態を示す円筒形脱塵装置の右側正面図である。
【図4】空気供給導管および空気排出導管に臨んだ状態にある円筒形脱塵装置を示す正面図であって、図2に示す最大流量位置に供給ホッパーを設定した状態を示す図である。
【図5】図4と同じ状態ではあるが、図3に示す最少流量位置に供給ホッパーを下げた状態を示す円筒形脱塵装置の正面図である。
【図6】材料供給開口に臨んだ状態にある円筒形脱塵装置を示す上面図である。
【図7】材料排出開口に臨んだ状態にある円筒形脱塵装置の底面図である。
【図8】円筒形脱塵装置の各構成部分を示す展開図である。
【図9】図6の9−9線に対応する円筒形脱塵装置の横断斜視図であって、洗浄デッキ、供給ホッパー、ハウジングおよび脱塵装置から塵を含んだ空気を排出する円形捕集器の関係を示すために、セクショニングなしに洗浄デッキおよび供給ホッパーを保持した状態を示す図である。
【図10】図示を明瞭にするため、供給ホッパーおよび円形捕集器のトッププレートを取り外した状態にある、円形捕集器とスリーブを示す斜視図である。
【図11】円形捕集器の内部を示すために、トッププレートを取り外した状態にある円形捕集器を示す水平横断斜視図である。
【図12】円錐形洗浄デッキを示す正面図である。
【図13】図12の洗浄デッキを示す底面図である。
【図14】図2に示す最大流量位置に供給ホッパーを設定したときの洗浄デッキ、供給ホッパー、円形捕集器およびスリーブの関係を示す円形捕集器を示す一部垂直横断面図である。
【図15】図14と同様な状態ではあるが、図3に示す最少流量位置に供給ホッパーを設定した状態を示す一部垂直横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
まず図1〜9を参照して、本発明の原理に基づく円筒形脱塵装置を説明する。本発明の円筒形脱塵装置の場合、Jerome I. Paulsonに1991年6月3日に付与されたUSP5,035,331に開示されている公知脱塵技術を利用するもので、この脱塵技術では、スロットを形成したスロープ式洗浄デッキに加圧空気を送り、粒状材料が通過するベンチュリゾーンに空気を送る。なお、本発明では、公知の汚染物除去技術については、今まで知られていない異なる構成で構成する。
【0037】
脱塵装置10は、全体として円筒形の構成を有している。脱塵装置20を内部中心に設けた状態で、外側ハウジング12を円筒形構成部材で構成する。ハウジング12については、下部円筒形部材13、中心円筒形ハウジング部材14および上部円形捕集器部材15を有し、そしてこの円形捕集器部材15を中心ハウジング部材14に取り付けるとともに、円形捕集器部材15と下部ハウジング部材13との間に中心ハウジング部材14を固定する固定具121によって下部ハウジング部材13に接続する。円形捕集器部材15を通って下向きに延設して、後で詳しく説明するように、供給ホッパー21に係合するフランジ式供給スリーブ11によって、材料供給開口111を形成する。
【0038】
外側円筒形ハウジング12については、3つの部分に分けて構成し、浄化処理および保守点検のための分解を容易にすることが好ましい。なお、当業者ならば理解できるように、一体型のハウジングを利用することも可能である。中心ハウジング14については半透明として描いているが、下部ハウジング部材13については、ステンレス鋼などの剛性のある金属材料で構成して、以下に詳しく説明するように、空気供給導管50を支持する能力を強化することが好ましい。中心ハウジング部材14については、半透明か透明のポリカーボネートで構成して、洗浄デッキ装置30の動作をチェックできるようにするのが好ましい。洗浄デッキ装置30における浄化処理動作をチェックできることは、製品流量および空気供給量を調節する必要があるかどうかを判断する効果的な方法である。ベンチュリゾーン49内の乱流状態をチェックすることも、判断手段として優れている。乱流があまりにも強すぎる場合には、浄化処理済み粒状材料を製品排出開口45に落とさずに、空気排出開口に回し、システムから排出する。この場合、空気流量を下げる必要がある。乱流が十分な場合には、製品流量を小さくするか、あるいは空気流量を大きくできる。
【0039】
円形捕集器材15については、中心ハウジング部材14にシールできるように、中心ハウジング部材14の上部に取り付ける。図10および図11に明示するように、円形捕集器15には、中心開口17をもつ環状チャンバー16を形成し、この開口を介して材料供給ホッパー21を取り付け、浄化処理すべき粒状材料を送り出す。円形捕集器15は、半径方向に配列した排出パイプ18を利用し、これを介して、塵や汚染物を含む空気を脱塵装置10から排出する。以下に詳しく説明するように、塵を含んだ空気は、材料供給ホッパー21の周囲を通って、下部内壁161から、環状内壁161とこれよりも高い位置にある外壁162との間に形成された環状チャンバー16に流れ込む。
【0040】
排出導管18から最も離れた位置にある環状チャンバー16の末端部分には、スロープ式バッフル163を形成し、これによって環状チャンバー16の末端部分の容量を絞り、空気速度を加速して、塵および汚染物を環状チャンバー16周囲から排出導管18に送り出す。排出パイプ18には、負圧を加えて、脱塵装置10からの空気の流れを強くすることが好ましい。排出パイプ18の出口に半径方向に空気排出リング15を設けると、ハウジング12から排出される空気の流れがサイクロン化するため、速度が増し、空気排出リング15内の圧力がさらに低くなり、塵を含んだ空気をハウジング12から空気排出リング15に引き寄せることができる。
【0041】
円筒形脱塵装置10上部の取り付けフランジ112を通常の方法で供給ホッパー(図示省略)に接続し、粒状材料を円筒形脱塵装置10に供給する。この上部取り付けフランジ112については、円形捕集器部材15の上に間隔を開けて設けて、磁束場を発生する磁性コイル19を取り付ける位置を確保することが好ましい。そして、この磁束場が、粒状材料と汚染部粒子との間の静電荷を中性化し、以下に詳しく説明するように、洗浄デッキ装置30の浄化処理動作を強化する。
【0042】
円形捕集器15が、円錐台形状供給ホッパー21を支持するが、このホッパーの側部をほぼ漏斗状に構成しているため、供給ホッパー(図示省略)によって供給される粒状材料の方向を、円錐台形状供給ホッパー21底部の排出開口22の方に向けことができる。排出開口22の下方に延長する供給ホッパー21の最下部には、逆円錐形偏向部材23を設ける。以下に詳しく説明する目的のために、この偏向部材23は、排出開口の円周方向に延設する。材料供給ホッパー21内にスリーブ113を受け取り、これによって粒状材料の方向をホッパー21の方に向ける。
【0043】
図8、図9、図14および図15に明示するように、材料供給ホッパー21については、円形捕集器15に支持される対応する調節機構25に相互接続する、対向関係で半径方向に延設した取り付けアーム24を設けることが好ましい。すなわち、材料供給ホッパー21を円形捕集器15から垂下させ、これに対して上下動できるようにする。調節機構25としては、手動式で、ノブ26を有する機械式装置を使用でき、これらノブ26には、取り付けアーム24の末端部分でねじ式ナット28に係合するねじ式ロッド27を上下に延設する。この調節機構25のノブ26が回転すると、取り付けアーム24およびこれに接続された供給ホッパー21が、スリーブ113に対して、また円形捕集器15に対して上下動する。脱塵装置10を大型化する場合には、手動式調節機構25の代わりに、遠隔操作式の空気シリンダーまたは空気圧シリンダー(図示省略)を利用することができる。また、材料供給ホッパー21には、その外面にプラスチックバンパー29を固定して、下部内壁161の内側垂直側部にこれを係合させるとともに、ホッパー21の中心を円錐形洗浄デッキ装置30に対して設定するのが好ましい。
【0044】
材料供給ホッパー21が上下動すると、円錐形洗浄デッキ装置30の先端部31に対して逆円錐形偏向器部材23および排出開口22の位置が変化する。逆円錐形偏向器部材23が洗浄デッキ装置30上を下方に動くと、先端部31が排出開口22に入り込み、偏向部材23と洗浄デッキ装置30との間の間隙39の大きさを小さくすることによって、排出開口22を通過する材料の流れを絞る。すなわち、洗浄デッキ装置30に対する材料供給ホッパー22の位置が下がるほど、排出開口22を通過する粒状材料の流量が低くなる。間隙39の大きさは、洗浄デッキ32上に流される粒状ペレットの所望の流量および相対的な大きさに依存するものである。洗浄デッキ32の先端部31の中心を排出開口22内に設定しているため、この先端部31が、洗浄デッキ32上を円周方向に流れる粒状材料の均質流れの向きを変える。また、偏向部材23は、洗浄デッキ上を流れる粒状材料の層流流れの向きを変えるが、粒状ペレットが、供給ホッパー21から落下した後に洗浄デッキ32から跳ね出すことはない。円形捕集器15の外側に、流量を示すマークを刻んでおくことが好ましい。
【0045】
下部ハウジング部材13に支持した空気供給導管50は、下部ハウジング部材13を半径方向に走り、所定量の加圧空気を円筒形脱塵装置10に供給する。具体的に図示していないが、当業者ならば、必要に応じて、空気供給導管50は支柱などに支持し、下部ハウジング部材13に対して固定静止位置に取り付けることができことを理解できるはずである。また、当業者ならば、具体的な用途で必要な空気流量および空気圧力から空気供給導管50の具体的な直径を設定することができるはずである。
【0046】
空気供給導管50には、下部ハウジング部材13を介して、円筒形脱塵装置10の中心に設けられた、垂直上向きに延長するレグ53まで延長する全体として水平に延長するレグ51を形成する。垂直延長レグ53の端部(図示省略)は、図7に明示するように、洗浄デッキ装置30のボトムプレート36を通り、空気の流れの向きを円錐形洗浄デッキ装置30の内部に向ける。洗浄デッキ装置30については、垂直に延長するレグ53に取り付けることが好ましく、その位置を空気供給導管50に固定して、洗浄デッキ装置30上を流れる粒状材料の流量を設定できるように、上下運動する材料供給ホッパー21の位置を設定できる。
【0047】
洗浄デッキ装置30については、円筒形取り付け部分35に固定するか、この円筒形取り付け部分35を形成した逆円錐形として形成する。この取り付け部分35には、空気供給導管50の端部に係合するボトムプレート36の中心に設けられる取り付け開口37を形成するため、洗浄デッキ装置30を空気供給導管50に着脱自在に取り付けることができる。スロープ式洗浄デッキ32には、スロット/円形開口として形成された複数の開口33を形成する。これら複数の開口33は、以下に詳しく説明するように、洗浄デッキ32の全円周面にわたって形成され、円錐形洗浄デッキ32上を流れる粒状材料の空気の流れの方向を変えるものである。
【0048】
図13に明示するように、円筒形取り付け部分35のボトム部材36には、その周囲に複数の円周方向に離間した通気口38を設ける。以下に詳しく説明するように、これら通気口38により洗浄デッキ装置30から空気が逃げ出し、円筒形取り付け部材35から下向きに流れ、次に円筒形取り付け部材35の外側外周と中心ハウジング部材14との間の円形捕集器15に向かって上向きに流れて、ベンチュリゾーン49を作り出し、洗浄デッキ32から排出される粒状材料をさらに浄化処理する。脱塵装置10を利用して粒状材料を浄化処理する開放式材料処理システムの場合には、十分な流量の空気がベンチュリゾーン49に上向きに流れるため、ボトムプレート36に通気口38を設ける必要がなく、空気供給導管50を通って洗浄デッキ装置30に供給される空気のすべてが、開口33に流れ込み、粒状材料を浄化処理することになる。
【0049】
洗浄デッキ32に形成した開口33によって、空気流れが均一に洗浄デッキ32に流れるため、洗浄デッキ32上に流れる粒状材料から汚染物粒子を除去することができる。開口33は、図示では、洗浄デッキ32上に離散的な線のパターンで描かれているが、当業者ならば、他の開口パターンでも空気の流れを洗浄デッキ32上でより効率的に分配できることを理解できるはずである。すなわち、洗浄デッキ32上に描かれている開口33は、開口付き洗浄デッキ32の開口パターンを限定するものではなく、その概略を示すものである。
【0050】
図9に明示するように、下部ハウジング部材13は、製品排出装置40として設けたもので、下部取り付けフランジ41を有し、これによって円筒形脱塵装置10を、脱塵装置10から排出される浄化処理済み粒状ペレットを利用する装置(図示省略)に接続する。また、この製品排出装置40は、下部ハウジング部材13から中央製品排出開口45まで延長する円錐台形案内パン42を有する。円筒形取り付け部分35の外周と上部ハウジング部材14との間のベンチュリゾーン49を通過した浄化処理済み粒状材料がこの案内部材42の上に落下し、排出開口45に向かって流れる。
【0051】
円筒形脱塵装置10をクリーニング処理し、保守点検するためは、取り付けられている供給ホッパー21および偏向部材23とともに、円形捕集器15を中心ハウジング部材14から取り外し、固定具121を取り外すことによって、ハウジング12から、フランジ式材料供給スリーブ11とともに取り外す。例えば、フランジ式供給スリーブ11および磁性コイル19を円形捕集器15から取り外し、クリーニング処理し、保守点検する。
【0052】
円形捕集器15および対応する供給ホッパー21を取り外した後、洗浄デッキ装置30を空気供給導管50の端部から取り外す。さらに、下部ハウジング部材13から中心ハウジング部材14を取り外すと、洗浄デッキ装置30のクリーニング作業効率が高くなり、下部ハウジング部材13および取り付けられている空気供給導管50を製品排出装置40とともに独立してクリーニング処理できる。円筒形脱塵装置10をモジュラー部分に解体すると、脱塵装置10のクリーニング作業が簡単になる。この後、各構成部分を元通りに組み立てる。
【0053】
脱塵装置10の運転時、粒状製品が脱塵装置10の供給開口111から排出開口45に流動する。加圧空気は空気供給導管50から洗浄デッキ装置30に流入する。加圧空気は、円筒形取り付け部分35のボトム部材36の通気口38を通って、またスロープ式洗浄デッキ32の開口33を通って、洗浄デッキ装置30から出ていく。出てきた空気は、中心ハウジング部材14上部の円形捕集器15に流れ込み、円筒形脱塵装置10から空気排出導管18を通って排出される。
【0054】
上記のように、空気が円筒形脱塵装置10を通過している間、粒状材料が重力によって供給ホッパー21を下降し、供給ホッパー21の円錐形によって絞られ、この絞られた粒状材料の流れが、排出開口22から排出される。排出開口22の中心において排出開口22に突出する洗浄デッキ32の先端部31が、その周囲で粒状材料を均等に分割し、分割された粒状材料がスロープ式洗浄デッキ32を連続的に下降する。粒状材料の流量は、洗浄デッキ装置30に対して供給ホッパー21の位置を調節して、洗浄デッキ32の上部と偏向部材23との間の間隙39の幅を変えることによって、制御できる。
【0055】
洗浄デッキ32の開口33から外側に流出する空気が、粒状材料に第1の浄化作用を与えて、粒状材料がスロープ式洗浄デッキ32上を通過している間、粒状材料から汚染物を除去分離する。開口33が洗浄デッキ32の長さにそって延長しているため、粒状材料が、その全長にそって洗浄デッキ32の浄化作用を受ける。最後に、粒状材料がスロープ式洗浄デッキ32から落下し、円筒形取り付け部35にそって流下する。ボトムプレート部材36の外側円周の通気口38から出る空気の流れは、ベンチュリゾーン49を介して円筒形取り付け部35から落下している粒状材料を通過し、粒状材料が第2の浄化作用を受ける。
【0056】
ベンチュリゾーン49の大きさのため、空気がベンチュリゾーン49を通過している間、通気口から出る空気を加速できる。この空気の速度は、粒状材料が浄化作用を積極的に受ける程度に高くなければならないが、粒状材料が上昇し、製品排出装置40への粒状材料の移動を妨害する程度まで高くなってはならない。ベンチュリゾーン49の大きさは、製品に依存するもので、洗浄デッキ装置30の大きさによって、あるいは外側ハウジング12の大きさによって調節できる。従って、ベンチュリゾーン49の大きさを小さくする場合には、空気供給導管50の上下に延長するレグ53により大きな洗浄デッキ装置30を取り付けることができる。さらに、洗浄デッキ装置30に対する偏向部材23の上下の位置決めも、製品に依存し、これに応じて偏向部材23を所望の位置に固定できる。
【0057】
ベンチュリゾーン49を通過した後、粒状材料は案内部材42に落下し、製品排出開口45に案内され、円筒形脱塵装置10から排出される。洗浄デッキ32およびベンチュリゾーン49を通過した製品材料の流れから分離された塵やその他の汚染物を含む空気は、これら塵および汚染物を上方に円形捕集器15まで運び、ここで、空気排出導管18により円筒形脱塵装置10から塵を含んだ空気が除去される。
【0058】
所定時間にわたって円筒形脱塵装置10によって浄化処理される粒状材料の量で表わされる運転キャパシティーは、円筒形脱塵装置10が360度全周にわたって浄化処理できるため、米国特許第5,035,331号および同第7,380,670号に開示されている従来技術であるフラットプレート式脱塵装置に比較して、より高いものである。即ち、円筒形脱塵装置10は、従来のフラットプレート式脱塵装置で確保できる以上に、ハウジング12のサイズ全体にする洗浄デッキ面積を広く確保できる。また、ベンチュリゾーン49は、従来のフラットプレート式脱塵装置のように洗浄デッキの端部に単に配設されるのではなく、洗浄デッキ装置30周囲の円周方向に配設されるものである。
【0059】
以上、本開示を読めば、本発明の特徴や作用効果などを説明するために開示してきた細部、材料、工程や各部材の構成などは、当業者ならば、本発明の範囲の原理内で変更することができるはずである。以上の説明などは、本発明の好適な実施態様を説明するものであるが、本発明の範囲から逸脱することなく、上記以外の実施態様にも、以上の説明に基づく考え方を利用できると考えられる。従って、特許請求の範囲は、本発明を広くだけでなく、説明してきた具体的な形で保護することを意図している。
【符号の説明】
【0060】
10:脱塵装置
12:外側ハウジング
13:下部円筒形ハウジング部材
14:中心ハウジング部材
15:上部円形捕集器
16:環状チャンバー
18:排出導管
21:供給ホッパー
22:排出開口
23:逆円錐形偏向部材
24:取り付けアーム
25:調節機構
27:ねじ付きロッド
30:洗浄デッキ装置
32:洗浄デッキ
36:ボトムプレート
45:製品排出開口
49:ベンチュリゾーン
50:空気供給導管
【関連出願に関する相互参照】
【0001】
本出願は、2009年3月18日に出願され、”粒状材料の円筒形脱塵装置“を発明の名称とする米国仮特許出願第61/161,402号の国内優先権を主張する出願である。本明細書は、この仮特許出願の内容を援用するものである。
【技術分野】
【0002】
本願発明は、プラスチックペレット、粉砕再生材料(リグラインド)、タブレット、粒子、鉱物などの粒状材料を浄化処理し、これら材料を取り扱うことに関する。具体的には、本発明は、円筒形に構成し、360度全周にわたって浄化処理できるようにして運転容量を増強した脱塵装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特に、粗粉体、粒子、ペレットなどの粒状材料を輸送し、これを利用する分野ではよく知られているように、製品粒子からできるだけ汚染物を除去しておくことが重要である。通常、粒状物は、流体にいくぶん近い振る舞いをする材料の流れを実際に発生する加圧式管状システム内で混合、包装または利用される施設内で輸送されるものである。これら材料が配管内を移動すると、粒子同士間だけでなく、配管壁部と流れ内の粒子との間でも大きな摩擦が発生する。この摩擦が発生すると、粒子粉塵、破壊された粒子、粒子屑やストリーマー(材料の流れの邪魔になるか、酷い場合には流れを完全に止める長く、絡み合った塊に“成長”するリボン状の部分)が発生する。製品粒子からできるだけ汚染物を除去しておくことの重要性やその価値と同じくらい、このような輸送システムの特性についてもよく知られている。
【0004】
本開示で使用する用語“汚染物”は、広範囲な異物だけでなく、前述した破壊された粒子、粉塵、粒子屑やストリーマーも含む用語である。いずれにせよ、汚染物は、高品質製品の製造にとって有害であり、状況にもよるが、作業員などの健康にも有害であり、一部の汚染物の場合には、発火源に曝されると、爆発の原因になる粉塵雲を発生する危険因子にもなり得る。
【0005】
製品品質を考慮し、一次原料としての成型可能なプラスチックに絞って考えると、粉塵、一次原料の非均質な材料、粒子屑やストリーマーなどの一次材料とは組成が異なる異物は、必ずしも融点温度が一次製品とは同じでなく、融解し成型する場合には、傷を発生させるものである。これら傷が発生すると、完成製品に色のバラつきや気泡を発生させ、時には欠陥や汚れの原因になり、製品を市販できなくなる。また、射出成型機の熱により、粉塵が蒸発し、完成製品に小さな気泡を発生させる傾向も出てくる。熱は、また、粉塵を燃焼させ、実際には炭化粉塵である“黒点”の原因にもなる。時には、成型機に粉塵ポケットが発生すると、これが融解しないため、通常“軟点”や“白点”と呼ばれる欠陥の原因になる。なお、重要なことは、これら同じ不均質材料の場合、一次製品と同じ温度では融解しないため、融解しない汚染物が成型機と摩擦を起こし、これを早期に摩耗させる結果、運転を休止せざるを得なくなり、減産の原因になり、また生産性が落ち、保守点検作業が増え、従って全生産コストが高くなることである。
【0006】
1991年7月30日にJerome I.Paulsonに付与されたUSP5,035,331に開示されている装置などの従来の粒状材料脱塵装置の場合、装置内に傾斜平面として形成された第1洗浄デッキおよび第2洗浄デッキを有し、これら洗浄デッキにそって流れる粒状材料に加圧空気を通す開口を設ける。2つの洗浄デッキの間のベンチュリゾーンを粒状材料が通過し、この通過作用が、洗浄デッキの粒状材料に流れる空気の作用と相まって、粉塵および他の汚染物を上方に排出するとともに、装置から空気流れを排出する。
【0007】
2008年6月3日にJerome I.Paulson、Heinz Schneider、Paul Wagnerに付与されたUSP7,380,670には、洗浄デッキを連続的に設けたコンパクトな脱塵装置を利用し、洗浄デッキおよびベンチュリゾーンを倍増することによって能力を増強することが開示されているが、この場合には、流れ込む粒状材料を2つの洗浄デッキ間で等しく分割する必要がある。上記USP5,035,331および7,380,670では、流れ込んでくる粒状材料に磁束場を作用させて、粒状ペレットの方に汚染物を吸引する静電荷を中性化し、洗浄デッキの粒状材料から汚染物を分離する能力を増強している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】USP5,035,331
【特許文献2】USP7,380,670
【0009】
従って、従来の平面型洗浄デッキ脱塵装置と同等な洗浄デッキ運転能力およびベンチュリゾーン運転能力を維持した状態で、脱塵装置全体を大型化することなく、多量の粒状材料から汚染物を除去して粒状材料を浄化処理できる脱塵装置を実現することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、プラスチックペレットなどの粒状材料から360度全周にわたって粉塵およびその他の屑を除去できる脱塵装置を提供することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、粒状材料を全面に受け取り、360度全周にわたって粒状材料から脱塵処理できる円錐形洗浄デッキを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、円錐形洗浄デッキ装置全面に粒状材料の流れを作り出す材料供給装置を提供できる点にある。
【0013】
本発明の第1の作用効果は、脱塵装置を大型化することなく、脱塵装置に流れる粒状材料の流量を増量できる点にある。
【0014】
本発明の第2の作用効果は、粒状材料供給装置と円錐形洗浄デッキとの間の距離を操作することによって、円錐形洗浄デッキ上を流れる粒状材料の流量を調節できる点にある。
【0015】
本発明の第2の特徴は、粒状材料供給装置を円錐形洗浄デッキに対して上下に動かすことによって円錐形洗浄デッキ表面上の粒状材料の流量を調節できる点にある。
【0016】
本発明の第3の特徴は、円錐台形状の粒状材料供給装置に挿入したときに、円錐形洗浄デッキの先端部がストッパーとして働き、円錐形洗浄デッキの表面上の粒状材料の流量を変更できる点である。
【0017】
本発明の第3の目的は、空気流れの方向を円筒形洗浄デッキの下側に切り換えて、洗浄デッキに形成した開口を介して洗浄デッキ表面から向きを外向きに向ける空気供給ダクトを有する円筒形脱塵装置を提供することである。
【0018】
本発明の第4の目的は、洗浄デッキを流れる空気の流れを受け取り、粒状材料から取り除かれた粉塵および屑を洗浄デッキの表面上に運ぶために、洗浄デッキ装置の上に設けられる空気排出導管を提供することである。
【0019】
本発明の第4の特徴は、空気排出導管が、空気導管に対向する部分において空気流れ絞り手段を形成した円形捕集器を有する点にある。
【0020】
本発明の第3の作用効果は、円形捕集器の流れ絞り手段が、排出導管に対向する捕集室の容量を小さくすることによって、捕集された空気の向きを排出導管の方に向けることにある。
【0021】
本発明の第5の特徴は、排出導管を円形捕集装置から半径方向に延設した点にある。
【0022】
本発明の第4の作用効果は、半径方向に延設した導管によって、円形捕集装置の両側から均一に円形捕集装置に流入する空気を捕集する点にある。
【0023】
本発明の第5の作用効果は、円錐形洗浄デッキの位置を空気供給導管上に固定した点にある。
【0024】
本発明の第5の目的は、洗浄デッキ上に流れ込む粒状材料の流量を変更する、外部から操作できる調節機構を提供することである。
【0025】
本発明の第6の特徴は、円形捕集器に取り付けた調節機構に材料供給機構を接続して、円形捕集器の外部のねじ付きノブを回転させることによって、あるいは遠隔操作可能な空気シリンダーまたは空気圧シリンダーを操作することによって材料供給機構の上下位置を選択できるように構成した点にある。
【0026】
本発明の第7の特徴は、円錐台形状の材料供給ホッパーを有する材料供給機構にプラスチックバンパーを設け、これに円筒形スリーブを係合することによって、ねじ付き調節機構により位置が調節されたときに、供給ホッパーの上下動を維持するように構成した点にある。
【0027】
本発明の第6の作用効果は、円錐台形状供給ホッパーのために選択された上下位置に関係なく、この供給ホッパーの中心位置を円錐形洗浄デッキの先端部に設定し、洗浄デッキに流れる粒状材料の流量を設定できるよう構成した点にある。
【0028】
本発明の第6の目的は、粒状材料から塵および汚染物を除去する内部構成部材の動作をチェックできるように、脱塵装置の一部に透明ハウジングを設けることである。
【0029】
本発明の第8の特徴は、円筒形脱塵装置のハウジングに、円錐形洗浄デッキに対応する透明円筒形部分を設けて、粒状材料が円錐形洗浄デッキ上に流れている間、脱塵装置の浄化処理動作をチェックできるように構成した点にある。
【0030】
本発明の第7の作用効果は、洗浄デッキの浄化処理動作をチェックできるため、浄化処理動作の効果を判断できるうえに、これに対応して製品流量または空気供給量を調節できるため、浄化処理動作の効率を最大化できる点にある。
【0031】
本発明の第8の作用効果は、外側ハウジングの中心部分を透明化したため、ベンチュリゾーン内の乱流状態をチェックできる上に、流量の調節が必要かどうかも判断できる点にある。
【0032】
本発明の第7の目的は、構成に耐久性があり、製造コストも低い上に、保守点検も必要もなく、組み立てが簡単で、使用も楽な上に使用効率の高い、360度全周にわたって粒状材料を浄化処理できる円筒形脱塵装置を提供することである。
【0033】
以上の、および明記しなかった目的、特徴および作用効果は、本発明によれば、空気供給導管に支持した円錐形洗浄デッキの先端部分に中心を設定した円錐台形状供給ホッパーに粒状材料を導入する上部材料供給開口を有する円筒形脱塵装置によって実現することができる。洗浄デッキ表面のスロットおよび開口から空気を吹き込み、粒状材料から塵および屑を分離する。供給ホッパーと円筒形スリーブの間を介して塵を含んだ空気を円形捕集器に送り込み、脱塵装置から排出する。先端部分が、粒状材料が洗浄デッキに流れ込む間隙の大きさを設定するストッパーとして働く洗浄デッキに対してスリーブ内で供給ホッパーを上下動させることによって洗浄デッキに流れる粒状材料の流量を調節できる。脱塵処理された材料は、下部の排出開口から排出されるとともに、塵を含んだ空気は、円形捕集器から半径方向排出導管から排出される。
【0034】
本発明の作用効果については、特に添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読めば、明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の原理に基づく円形脱塵装置の斜視図である。
【図2】図1に示した円形脱塵装置の右側正面図であって、粒状材料が円錐形洗浄デッキに最大の流量で流れこむように、洗浄デッキに対して最大高さに供給ホッパーの位置を設定した状態を示す図である。
【図3】図2と同じ状態ではあるが、円錐形洗浄デッキに対して供給ホッパーの位置を下げて、これらの間の間隙を最小限に抑えるとともに、洗浄デッキに流れ込む粒状材料の流量を低く抑えた状態を示す円筒形脱塵装置の右側正面図である。
【図4】空気供給導管および空気排出導管に臨んだ状態にある円筒形脱塵装置を示す正面図であって、図2に示す最大流量位置に供給ホッパーを設定した状態を示す図である。
【図5】図4と同じ状態ではあるが、図3に示す最少流量位置に供給ホッパーを下げた状態を示す円筒形脱塵装置の正面図である。
【図6】材料供給開口に臨んだ状態にある円筒形脱塵装置を示す上面図である。
【図7】材料排出開口に臨んだ状態にある円筒形脱塵装置の底面図である。
【図8】円筒形脱塵装置の各構成部分を示す展開図である。
【図9】図6の9−9線に対応する円筒形脱塵装置の横断斜視図であって、洗浄デッキ、供給ホッパー、ハウジングおよび脱塵装置から塵を含んだ空気を排出する円形捕集器の関係を示すために、セクショニングなしに洗浄デッキおよび供給ホッパーを保持した状態を示す図である。
【図10】図示を明瞭にするため、供給ホッパーおよび円形捕集器のトッププレートを取り外した状態にある、円形捕集器とスリーブを示す斜視図である。
【図11】円形捕集器の内部を示すために、トッププレートを取り外した状態にある円形捕集器を示す水平横断斜視図である。
【図12】円錐形洗浄デッキを示す正面図である。
【図13】図12の洗浄デッキを示す底面図である。
【図14】図2に示す最大流量位置に供給ホッパーを設定したときの洗浄デッキ、供給ホッパー、円形捕集器およびスリーブの関係を示す円形捕集器を示す一部垂直横断面図である。
【図15】図14と同様な状態ではあるが、図3に示す最少流量位置に供給ホッパーを設定した状態を示す一部垂直横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
まず図1〜9を参照して、本発明の原理に基づく円筒形脱塵装置を説明する。本発明の円筒形脱塵装置の場合、Jerome I. Paulsonに1991年6月3日に付与されたUSP5,035,331に開示されている公知脱塵技術を利用するもので、この脱塵技術では、スロットを形成したスロープ式洗浄デッキに加圧空気を送り、粒状材料が通過するベンチュリゾーンに空気を送る。なお、本発明では、公知の汚染物除去技術については、今まで知られていない異なる構成で構成する。
【0037】
脱塵装置10は、全体として円筒形の構成を有している。脱塵装置20を内部中心に設けた状態で、外側ハウジング12を円筒形構成部材で構成する。ハウジング12については、下部円筒形部材13、中心円筒形ハウジング部材14および上部円形捕集器部材15を有し、そしてこの円形捕集器部材15を中心ハウジング部材14に取り付けるとともに、円形捕集器部材15と下部ハウジング部材13との間に中心ハウジング部材14を固定する固定具121によって下部ハウジング部材13に接続する。円形捕集器部材15を通って下向きに延設して、後で詳しく説明するように、供給ホッパー21に係合するフランジ式供給スリーブ11によって、材料供給開口111を形成する。
【0038】
外側円筒形ハウジング12については、3つの部分に分けて構成し、浄化処理および保守点検のための分解を容易にすることが好ましい。なお、当業者ならば理解できるように、一体型のハウジングを利用することも可能である。中心ハウジング14については半透明として描いているが、下部ハウジング部材13については、ステンレス鋼などの剛性のある金属材料で構成して、以下に詳しく説明するように、空気供給導管50を支持する能力を強化することが好ましい。中心ハウジング部材14については、半透明か透明のポリカーボネートで構成して、洗浄デッキ装置30の動作をチェックできるようにするのが好ましい。洗浄デッキ装置30における浄化処理動作をチェックできることは、製品流量および空気供給量を調節する必要があるかどうかを判断する効果的な方法である。ベンチュリゾーン49内の乱流状態をチェックすることも、判断手段として優れている。乱流があまりにも強すぎる場合には、浄化処理済み粒状材料を製品排出開口45に落とさずに、空気排出開口に回し、システムから排出する。この場合、空気流量を下げる必要がある。乱流が十分な場合には、製品流量を小さくするか、あるいは空気流量を大きくできる。
【0039】
円形捕集器材15については、中心ハウジング部材14にシールできるように、中心ハウジング部材14の上部に取り付ける。図10および図11に明示するように、円形捕集器15には、中心開口17をもつ環状チャンバー16を形成し、この開口を介して材料供給ホッパー21を取り付け、浄化処理すべき粒状材料を送り出す。円形捕集器15は、半径方向に配列した排出パイプ18を利用し、これを介して、塵や汚染物を含む空気を脱塵装置10から排出する。以下に詳しく説明するように、塵を含んだ空気は、材料供給ホッパー21の周囲を通って、下部内壁161から、環状内壁161とこれよりも高い位置にある外壁162との間に形成された環状チャンバー16に流れ込む。
【0040】
排出導管18から最も離れた位置にある環状チャンバー16の末端部分には、スロープ式バッフル163を形成し、これによって環状チャンバー16の末端部分の容量を絞り、空気速度を加速して、塵および汚染物を環状チャンバー16周囲から排出導管18に送り出す。排出パイプ18には、負圧を加えて、脱塵装置10からの空気の流れを強くすることが好ましい。排出パイプ18の出口に半径方向に空気排出リング15を設けると、ハウジング12から排出される空気の流れがサイクロン化するため、速度が増し、空気排出リング15内の圧力がさらに低くなり、塵を含んだ空気をハウジング12から空気排出リング15に引き寄せることができる。
【0041】
円筒形脱塵装置10上部の取り付けフランジ112を通常の方法で供給ホッパー(図示省略)に接続し、粒状材料を円筒形脱塵装置10に供給する。この上部取り付けフランジ112については、円形捕集器部材15の上に間隔を開けて設けて、磁束場を発生する磁性コイル19を取り付ける位置を確保することが好ましい。そして、この磁束場が、粒状材料と汚染部粒子との間の静電荷を中性化し、以下に詳しく説明するように、洗浄デッキ装置30の浄化処理動作を強化する。
【0042】
円形捕集器15が、円錐台形状供給ホッパー21を支持するが、このホッパーの側部をほぼ漏斗状に構成しているため、供給ホッパー(図示省略)によって供給される粒状材料の方向を、円錐台形状供給ホッパー21底部の排出開口22の方に向けことができる。排出開口22の下方に延長する供給ホッパー21の最下部には、逆円錐形偏向部材23を設ける。以下に詳しく説明する目的のために、この偏向部材23は、排出開口の円周方向に延設する。材料供給ホッパー21内にスリーブ113を受け取り、これによって粒状材料の方向をホッパー21の方に向ける。
【0043】
図8、図9、図14および図15に明示するように、材料供給ホッパー21については、円形捕集器15に支持される対応する調節機構25に相互接続する、対向関係で半径方向に延設した取り付けアーム24を設けることが好ましい。すなわち、材料供給ホッパー21を円形捕集器15から垂下させ、これに対して上下動できるようにする。調節機構25としては、手動式で、ノブ26を有する機械式装置を使用でき、これらノブ26には、取り付けアーム24の末端部分でねじ式ナット28に係合するねじ式ロッド27を上下に延設する。この調節機構25のノブ26が回転すると、取り付けアーム24およびこれに接続された供給ホッパー21が、スリーブ113に対して、また円形捕集器15に対して上下動する。脱塵装置10を大型化する場合には、手動式調節機構25の代わりに、遠隔操作式の空気シリンダーまたは空気圧シリンダー(図示省略)を利用することができる。また、材料供給ホッパー21には、その外面にプラスチックバンパー29を固定して、下部内壁161の内側垂直側部にこれを係合させるとともに、ホッパー21の中心を円錐形洗浄デッキ装置30に対して設定するのが好ましい。
【0044】
材料供給ホッパー21が上下動すると、円錐形洗浄デッキ装置30の先端部31に対して逆円錐形偏向器部材23および排出開口22の位置が変化する。逆円錐形偏向器部材23が洗浄デッキ装置30上を下方に動くと、先端部31が排出開口22に入り込み、偏向部材23と洗浄デッキ装置30との間の間隙39の大きさを小さくすることによって、排出開口22を通過する材料の流れを絞る。すなわち、洗浄デッキ装置30に対する材料供給ホッパー22の位置が下がるほど、排出開口22を通過する粒状材料の流量が低くなる。間隙39の大きさは、洗浄デッキ32上に流される粒状ペレットの所望の流量および相対的な大きさに依存するものである。洗浄デッキ32の先端部31の中心を排出開口22内に設定しているため、この先端部31が、洗浄デッキ32上を円周方向に流れる粒状材料の均質流れの向きを変える。また、偏向部材23は、洗浄デッキ上を流れる粒状材料の層流流れの向きを変えるが、粒状ペレットが、供給ホッパー21から落下した後に洗浄デッキ32から跳ね出すことはない。円形捕集器15の外側に、流量を示すマークを刻んでおくことが好ましい。
【0045】
下部ハウジング部材13に支持した空気供給導管50は、下部ハウジング部材13を半径方向に走り、所定量の加圧空気を円筒形脱塵装置10に供給する。具体的に図示していないが、当業者ならば、必要に応じて、空気供給導管50は支柱などに支持し、下部ハウジング部材13に対して固定静止位置に取り付けることができことを理解できるはずである。また、当業者ならば、具体的な用途で必要な空気流量および空気圧力から空気供給導管50の具体的な直径を設定することができるはずである。
【0046】
空気供給導管50には、下部ハウジング部材13を介して、円筒形脱塵装置10の中心に設けられた、垂直上向きに延長するレグ53まで延長する全体として水平に延長するレグ51を形成する。垂直延長レグ53の端部(図示省略)は、図7に明示するように、洗浄デッキ装置30のボトムプレート36を通り、空気の流れの向きを円錐形洗浄デッキ装置30の内部に向ける。洗浄デッキ装置30については、垂直に延長するレグ53に取り付けることが好ましく、その位置を空気供給導管50に固定して、洗浄デッキ装置30上を流れる粒状材料の流量を設定できるように、上下運動する材料供給ホッパー21の位置を設定できる。
【0047】
洗浄デッキ装置30については、円筒形取り付け部分35に固定するか、この円筒形取り付け部分35を形成した逆円錐形として形成する。この取り付け部分35には、空気供給導管50の端部に係合するボトムプレート36の中心に設けられる取り付け開口37を形成するため、洗浄デッキ装置30を空気供給導管50に着脱自在に取り付けることができる。スロープ式洗浄デッキ32には、スロット/円形開口として形成された複数の開口33を形成する。これら複数の開口33は、以下に詳しく説明するように、洗浄デッキ32の全円周面にわたって形成され、円錐形洗浄デッキ32上を流れる粒状材料の空気の流れの方向を変えるものである。
【0048】
図13に明示するように、円筒形取り付け部分35のボトム部材36には、その周囲に複数の円周方向に離間した通気口38を設ける。以下に詳しく説明するように、これら通気口38により洗浄デッキ装置30から空気が逃げ出し、円筒形取り付け部材35から下向きに流れ、次に円筒形取り付け部材35の外側外周と中心ハウジング部材14との間の円形捕集器15に向かって上向きに流れて、ベンチュリゾーン49を作り出し、洗浄デッキ32から排出される粒状材料をさらに浄化処理する。脱塵装置10を利用して粒状材料を浄化処理する開放式材料処理システムの場合には、十分な流量の空気がベンチュリゾーン49に上向きに流れるため、ボトムプレート36に通気口38を設ける必要がなく、空気供給導管50を通って洗浄デッキ装置30に供給される空気のすべてが、開口33に流れ込み、粒状材料を浄化処理することになる。
【0049】
洗浄デッキ32に形成した開口33によって、空気流れが均一に洗浄デッキ32に流れるため、洗浄デッキ32上に流れる粒状材料から汚染物粒子を除去することができる。開口33は、図示では、洗浄デッキ32上に離散的な線のパターンで描かれているが、当業者ならば、他の開口パターンでも空気の流れを洗浄デッキ32上でより効率的に分配できることを理解できるはずである。すなわち、洗浄デッキ32上に描かれている開口33は、開口付き洗浄デッキ32の開口パターンを限定するものではなく、その概略を示すものである。
【0050】
図9に明示するように、下部ハウジング部材13は、製品排出装置40として設けたもので、下部取り付けフランジ41を有し、これによって円筒形脱塵装置10を、脱塵装置10から排出される浄化処理済み粒状ペレットを利用する装置(図示省略)に接続する。また、この製品排出装置40は、下部ハウジング部材13から中央製品排出開口45まで延長する円錐台形案内パン42を有する。円筒形取り付け部分35の外周と上部ハウジング部材14との間のベンチュリゾーン49を通過した浄化処理済み粒状材料がこの案内部材42の上に落下し、排出開口45に向かって流れる。
【0051】
円筒形脱塵装置10をクリーニング処理し、保守点検するためは、取り付けられている供給ホッパー21および偏向部材23とともに、円形捕集器15を中心ハウジング部材14から取り外し、固定具121を取り外すことによって、ハウジング12から、フランジ式材料供給スリーブ11とともに取り外す。例えば、フランジ式供給スリーブ11および磁性コイル19を円形捕集器15から取り外し、クリーニング処理し、保守点検する。
【0052】
円形捕集器15および対応する供給ホッパー21を取り外した後、洗浄デッキ装置30を空気供給導管50の端部から取り外す。さらに、下部ハウジング部材13から中心ハウジング部材14を取り外すと、洗浄デッキ装置30のクリーニング作業効率が高くなり、下部ハウジング部材13および取り付けられている空気供給導管50を製品排出装置40とともに独立してクリーニング処理できる。円筒形脱塵装置10をモジュラー部分に解体すると、脱塵装置10のクリーニング作業が簡単になる。この後、各構成部分を元通りに組み立てる。
【0053】
脱塵装置10の運転時、粒状製品が脱塵装置10の供給開口111から排出開口45に流動する。加圧空気は空気供給導管50から洗浄デッキ装置30に流入する。加圧空気は、円筒形取り付け部分35のボトム部材36の通気口38を通って、またスロープ式洗浄デッキ32の開口33を通って、洗浄デッキ装置30から出ていく。出てきた空気は、中心ハウジング部材14上部の円形捕集器15に流れ込み、円筒形脱塵装置10から空気排出導管18を通って排出される。
【0054】
上記のように、空気が円筒形脱塵装置10を通過している間、粒状材料が重力によって供給ホッパー21を下降し、供給ホッパー21の円錐形によって絞られ、この絞られた粒状材料の流れが、排出開口22から排出される。排出開口22の中心において排出開口22に突出する洗浄デッキ32の先端部31が、その周囲で粒状材料を均等に分割し、分割された粒状材料がスロープ式洗浄デッキ32を連続的に下降する。粒状材料の流量は、洗浄デッキ装置30に対して供給ホッパー21の位置を調節して、洗浄デッキ32の上部と偏向部材23との間の間隙39の幅を変えることによって、制御できる。
【0055】
洗浄デッキ32の開口33から外側に流出する空気が、粒状材料に第1の浄化作用を与えて、粒状材料がスロープ式洗浄デッキ32上を通過している間、粒状材料から汚染物を除去分離する。開口33が洗浄デッキ32の長さにそって延長しているため、粒状材料が、その全長にそって洗浄デッキ32の浄化作用を受ける。最後に、粒状材料がスロープ式洗浄デッキ32から落下し、円筒形取り付け部35にそって流下する。ボトムプレート部材36の外側円周の通気口38から出る空気の流れは、ベンチュリゾーン49を介して円筒形取り付け部35から落下している粒状材料を通過し、粒状材料が第2の浄化作用を受ける。
【0056】
ベンチュリゾーン49の大きさのため、空気がベンチュリゾーン49を通過している間、通気口から出る空気を加速できる。この空気の速度は、粒状材料が浄化作用を積極的に受ける程度に高くなければならないが、粒状材料が上昇し、製品排出装置40への粒状材料の移動を妨害する程度まで高くなってはならない。ベンチュリゾーン49の大きさは、製品に依存するもので、洗浄デッキ装置30の大きさによって、あるいは外側ハウジング12の大きさによって調節できる。従って、ベンチュリゾーン49の大きさを小さくする場合には、空気供給導管50の上下に延長するレグ53により大きな洗浄デッキ装置30を取り付けることができる。さらに、洗浄デッキ装置30に対する偏向部材23の上下の位置決めも、製品に依存し、これに応じて偏向部材23を所望の位置に固定できる。
【0057】
ベンチュリゾーン49を通過した後、粒状材料は案内部材42に落下し、製品排出開口45に案内され、円筒形脱塵装置10から排出される。洗浄デッキ32およびベンチュリゾーン49を通過した製品材料の流れから分離された塵やその他の汚染物を含む空気は、これら塵および汚染物を上方に円形捕集器15まで運び、ここで、空気排出導管18により円筒形脱塵装置10から塵を含んだ空気が除去される。
【0058】
所定時間にわたって円筒形脱塵装置10によって浄化処理される粒状材料の量で表わされる運転キャパシティーは、円筒形脱塵装置10が360度全周にわたって浄化処理できるため、米国特許第5,035,331号および同第7,380,670号に開示されている従来技術であるフラットプレート式脱塵装置に比較して、より高いものである。即ち、円筒形脱塵装置10は、従来のフラットプレート式脱塵装置で確保できる以上に、ハウジング12のサイズ全体にする洗浄デッキ面積を広く確保できる。また、ベンチュリゾーン49は、従来のフラットプレート式脱塵装置のように洗浄デッキの端部に単に配設されるのではなく、洗浄デッキ装置30周囲の円周方向に配設されるものである。
【0059】
以上、本開示を読めば、本発明の特徴や作用効果などを説明するために開示してきた細部、材料、工程や各部材の構成などは、当業者ならば、本発明の範囲の原理内で変更することができるはずである。以上の説明などは、本発明の好適な実施態様を説明するものであるが、本発明の範囲から逸脱することなく、上記以外の実施態様にも、以上の説明に基づく考え方を利用できると考えられる。従って、特許請求の範囲は、本発明を広くだけでなく、説明してきた具体的な形で保護することを意図している。
【符号の説明】
【0060】
10:脱塵装置
12:外側ハウジング
13:下部円筒形ハウジング部材
14:中心ハウジング部材
15:上部円形捕集器
16:環状チャンバー
18:排出導管
21:供給ホッパー
22:排出開口
23:逆円錐形偏向部材
24:取り付けアーム
25:調節機構
27:ねじ付きロッド
30:洗浄デッキ装置
32:洗浄デッキ
36:ボトムプレート
45:製品排出開口
49:ベンチュリゾーン
50:空気供給導管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状材料から汚染物を除去するモジュール構成の脱塵装置において、
上部の製品供給開口および下部の製品排出開口を有する円筒形ハウジング、
下部の供給ホッパー排出開口まで延長する供給ホッパー、
下部において上記ハウジングによって支持され、上記ハウジング内の中心に設けられた上下配向レグまで延長する空気供給装置、
上記の上下配向レグに取り付けられ、頂点が上記供給ホッパー排出開口内の中心に設定される配向の逆円錐形洗浄デッキ装置、および
上記ハウジングの上部に着脱自在に取り付けられた空気排出捕集器を有することを特徴とする脱塵装置。
【請求項2】
上記洗浄デッキ装置に対して上記供給ホッパーを選択的に上下動させる調節機構に上記供給ホッパーが支持された請求項1に記載の脱塵装置。
【請求項3】
上記供給ホッパーが、上記空気排出捕集器の中心開口内に設置され、上記調節機構によって上下動されたときに、上記供給ホッパーを上記中心開口内にセンタリングされるようにスペーサが上記供給ホッパーの外部に固定された請求項2に記載の脱塵装置。
【請求項4】
上記空気排出捕集器が、この空気排出捕集器の中心開口を取り囲む環状チャンバーを有し、この環状チャンバーが、上記中心開口および外壁を構成する内壁によって構成され、そしてこの外壁の高さを上記内壁より高く設定し、上記供給ホッパーと上記内壁との間を通過した空気が上記内壁上から上記環状チャンバーに流入するように構成した請求項1に記載の脱塵装置。
【請求項5】
上記空気排出捕集器に、半径方向に延設する排出導管を設け、この導管を上記環状チャンバーに流れ連絡するように構成した請求項4に記載の脱塵装置。
【請求項6】
上記環状チャンバーが、上記空気排出導管に対して対向する端部においてバッフル板を有し、この環状チャンバーの横断面積を絞り、この端部内の空気の速度を加速させる請求項5に記載の脱塵装置。
【請求項7】
上記洗浄デッキ装置が、逆円錐形の洗浄デッキを有し、この洗浄デッキの頂点を上記ホッパー排出開口内に設定して、上記供給ホッパーからの材料の流れを制御し、そしてこの洗浄デッキに、円錐形表面周囲において複数の開口を設け、上記洗浄デッキからの空気を流すように構成した請求項1に記載の脱塵装置。
【請求項8】
上記洗浄デッキ装置を上記空気供給装置に取り付け、上記空気供給装置によって、上記洗浄デッキ装置の内部の空気の向きを、上記開口に流れるように設定する請求項7に記載の脱塵装置。
【請求項9】
上記洗浄デッキ装置が、さらに、上記空気供給装置を通す中心開口をもつボトムプレート部材を有し、このボトムプレート部材の円周縁部に通気口を設け、空気がこれら通気口に流れ、上記洗浄デッキ装置と上記ハウジングとの間を上昇して、ベンチュリゾーンを形成する請求項8に記載の脱塵装置。
【請求項10】
上記円筒形ハウジングが、上記洗浄デッキ装置に対応する透明な中心ハウジング部材を有し、これによって洗浄デッキ装置の運転状態をチェックできるようにした請求項1に記載の脱塵装置。
【請求項11】
粒状材料から汚染物を浄化処理する脱塵装置であって、
製品供給開口および製品排出開口を有する全体として円筒形のハウジング、
上記製品供給開口と流れ連絡し、汚染された粒状材料が通る供給ホッパー排出開口を有する円錐台形供給ホッパー、
上記供給ホッパー排出開口に形成された先端まで延設し、上記の汚染された粒状材料の流れの向きを円錐形洗浄デッキ上に均一に向ける洗浄デッキ装置であって、上記ハウジングから間隔をおいて設けた洗浄デッキ装置、
空気を洗浄デッキに送って、上記の汚染された粒状材料を浄化処理するために上記円錐形デッキに設けた複数の開口、
上記洗浄デッキ装置と流れ連絡し、所定量の空気をこの洗浄デッキ装置に送り込み、上記開口通って上記洗浄デッキ装置から逃げ出る上記空気によって、上記洗浄装置を通っている間に上記の汚染された粒状材料から汚染物を浄化処理する空気供給装置、および
上記ハウジングから汚染物を含んだ空気を排出する空気排出捕集器であって、中心に上記粒状材料を上記供給ホッパーに送る開口を設けた空気排出捕集器を有することを特徴とする脱塵装置。
【請求項12】
上記洗浄デッキ装置に対する上下運動を調節する調節機構によって上記供給ホッパーを上記空気排出捕集器から支持した請求項11に記載の脱塵装置。
【請求項13】
上記空気排出捕集器が、この空気排出捕集器の中心開口を取り囲む環状チャンバーを有し、この環状チャンバーが、上記中心開口および外壁を構成する内壁によって構成され、そしてこの外壁の高さを上記内壁より高く設定し、上記供給ホッパーと上記内壁との間を通過した空気が上記内壁上から上記環状チャンバーに流入するように構成した請求項11に記載の脱塵装置。
【請求項14】
上記空気排出捕集器に、半径方向に延設する排出導管を設け、この導管を上記環状チャンバーに流れ連絡するように構成した請求項13に記載の脱塵装置。
【請求項15】
上記洗浄デッキ装置が、さらに、上記空気供給装置を通す中心開口をもつボトムプレート部材を有し、このボトムプレート部材の円周縁部に通気口を設け、空気がこれら通気口に流れ、上記洗浄デッキ装置と上記ハウジングとの間を上昇して、ベンチュリゾーンを形成する請求項14に記載の脱塵装置。
【請求項1】
粒状材料から汚染物を除去するモジュール構成の脱塵装置において、
上部の製品供給開口および下部の製品排出開口を有する円筒形ハウジング、
下部の供給ホッパー排出開口まで延長する供給ホッパー、
下部において上記ハウジングによって支持され、上記ハウジング内の中心に設けられた上下配向レグまで延長する空気供給装置、
上記の上下配向レグに取り付けられ、頂点が上記供給ホッパー排出開口内の中心に設定される配向の逆円錐形洗浄デッキ装置、および
上記ハウジングの上部に着脱自在に取り付けられた空気排出捕集器を有することを特徴とする脱塵装置。
【請求項2】
上記洗浄デッキ装置に対して上記供給ホッパーを選択的に上下動させる調節機構に上記供給ホッパーが支持された請求項1に記載の脱塵装置。
【請求項3】
上記供給ホッパーが、上記空気排出捕集器の中心開口内に設置され、上記調節機構によって上下動されたときに、上記供給ホッパーを上記中心開口内にセンタリングされるようにスペーサが上記供給ホッパーの外部に固定された請求項2に記載の脱塵装置。
【請求項4】
上記空気排出捕集器が、この空気排出捕集器の中心開口を取り囲む環状チャンバーを有し、この環状チャンバーが、上記中心開口および外壁を構成する内壁によって構成され、そしてこの外壁の高さを上記内壁より高く設定し、上記供給ホッパーと上記内壁との間を通過した空気が上記内壁上から上記環状チャンバーに流入するように構成した請求項1に記載の脱塵装置。
【請求項5】
上記空気排出捕集器に、半径方向に延設する排出導管を設け、この導管を上記環状チャンバーに流れ連絡するように構成した請求項4に記載の脱塵装置。
【請求項6】
上記環状チャンバーが、上記空気排出導管に対して対向する端部においてバッフル板を有し、この環状チャンバーの横断面積を絞り、この端部内の空気の速度を加速させる請求項5に記載の脱塵装置。
【請求項7】
上記洗浄デッキ装置が、逆円錐形の洗浄デッキを有し、この洗浄デッキの頂点を上記ホッパー排出開口内に設定して、上記供給ホッパーからの材料の流れを制御し、そしてこの洗浄デッキに、円錐形表面周囲において複数の開口を設け、上記洗浄デッキからの空気を流すように構成した請求項1に記載の脱塵装置。
【請求項8】
上記洗浄デッキ装置を上記空気供給装置に取り付け、上記空気供給装置によって、上記洗浄デッキ装置の内部の空気の向きを、上記開口に流れるように設定する請求項7に記載の脱塵装置。
【請求項9】
上記洗浄デッキ装置が、さらに、上記空気供給装置を通す中心開口をもつボトムプレート部材を有し、このボトムプレート部材の円周縁部に通気口を設け、空気がこれら通気口に流れ、上記洗浄デッキ装置と上記ハウジングとの間を上昇して、ベンチュリゾーンを形成する請求項8に記載の脱塵装置。
【請求項10】
上記円筒形ハウジングが、上記洗浄デッキ装置に対応する透明な中心ハウジング部材を有し、これによって洗浄デッキ装置の運転状態をチェックできるようにした請求項1に記載の脱塵装置。
【請求項11】
粒状材料から汚染物を浄化処理する脱塵装置であって、
製品供給開口および製品排出開口を有する全体として円筒形のハウジング、
上記製品供給開口と流れ連絡し、汚染された粒状材料が通る供給ホッパー排出開口を有する円錐台形供給ホッパー、
上記供給ホッパー排出開口に形成された先端まで延設し、上記の汚染された粒状材料の流れの向きを円錐形洗浄デッキ上に均一に向ける洗浄デッキ装置であって、上記ハウジングから間隔をおいて設けた洗浄デッキ装置、
空気を洗浄デッキに送って、上記の汚染された粒状材料を浄化処理するために上記円錐形デッキに設けた複数の開口、
上記洗浄デッキ装置と流れ連絡し、所定量の空気をこの洗浄デッキ装置に送り込み、上記開口通って上記洗浄デッキ装置から逃げ出る上記空気によって、上記洗浄装置を通っている間に上記の汚染された粒状材料から汚染物を浄化処理する空気供給装置、および
上記ハウジングから汚染物を含んだ空気を排出する空気排出捕集器であって、中心に上記粒状材料を上記供給ホッパーに送る開口を設けた空気排出捕集器を有することを特徴とする脱塵装置。
【請求項12】
上記洗浄デッキ装置に対する上下運動を調節する調節機構によって上記供給ホッパーを上記空気排出捕集器から支持した請求項11に記載の脱塵装置。
【請求項13】
上記空気排出捕集器が、この空気排出捕集器の中心開口を取り囲む環状チャンバーを有し、この環状チャンバーが、上記中心開口および外壁を構成する内壁によって構成され、そしてこの外壁の高さを上記内壁より高く設定し、上記供給ホッパーと上記内壁との間を通過した空気が上記内壁上から上記環状チャンバーに流入するように構成した請求項11に記載の脱塵装置。
【請求項14】
上記空気排出捕集器に、半径方向に延設する排出導管を設け、この導管を上記環状チャンバーに流れ連絡するように構成した請求項13に記載の脱塵装置。
【請求項15】
上記洗浄デッキ装置が、さらに、上記空気供給装置を通す中心開口をもつボトムプレート部材を有し、このボトムプレート部材の円周縁部に通気口を設け、空気がこれら通気口に流れ、上記洗浄デッキ装置と上記ハウジングとの間を上昇して、ベンチュリゾーンを形成する請求項14に記載の脱塵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−264438(P2010−264438A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−59097(P2010−59097)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(509268462)ペレトロン コーポレーション (2)
【氏名又は名称原語表記】Pelletron Corporation
【住所又は居所原語表記】499 Running Pump Road,Lancaster,PA 17601 U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59097(P2010−59097)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(509268462)ペレトロン コーポレーション (2)
【氏名又は名称原語表記】Pelletron Corporation
【住所又は居所原語表記】499 Running Pump Road,Lancaster,PA 17601 U.S.A.
【Fターム(参考)】
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