粒状燃料用自動投入機、およびそれを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置
【課題】 一定形状・寸法に成型加工された木質系ペレットに留まらず、形状・寸法が一定しない木材チップや、籾殻などの廉価にて入手し易い様々な再生可能エネルギーを地産地消可能とすると共に、それら粉粒状燃料の自動供給を円滑なものにする新たな粒状燃料用自動投入技術を提供する。
【解決手段】 供給管部20の一端を送出端21とし、同送出端21とは反対がわの端部22に拡開導入部23を一体化して投入パイプ2を形成し、該投入パイプ2拡開導入部23の後部に、粒状燃料Vを受容可能な器型の燃料受容部4を配し、該燃料受容部4よりも後方に配した投入用回転駆動源5に軸流螺旋翼3の基端30を連結し、且つ同軸流螺旋翼3を投入パイプ2内に縦貫してなる粒状燃料用自動投入機1である。
【解決手段】 供給管部20の一端を送出端21とし、同送出端21とは反対がわの端部22に拡開導入部23を一体化して投入パイプ2を形成し、該投入パイプ2拡開導入部23の後部に、粒状燃料Vを受容可能な器型の燃料受容部4を配し、該燃料受容部4よりも後方に配した投入用回転駆動源5に軸流螺旋翼3の基端30を連結し、且つ同軸流螺旋翼3を投入パイプ2内に縦貫してなる粒状燃料用自動投入機1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粒状物や粉状物の搬送技術に関連するものであり、特に、ボイラーやストーブ、燃焼炉などの燃焼室に粒状燃料や粉状燃料などを円滑に供給可能とする燃料用自動投入装置、および、それを利用した粒状燃料用燃焼装置などを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
施設園芸やその他の施設型農業用のビニールハウスやガラス温室などの栽培施設は、温度、湿度、遮光、通風、灌水、施肥、病害虫予防などにつき、一年を通して一日たりとも欠かせない、きめ細かな管理を必要とし、特に、冬期間の適正な室温管理は、最も重要な課題と言っても過言ではなく、従来より灯油や軽油、重油など、輸送や取扱いが容易で1L当たりの発熱量が多く、燃焼の自動制御に適した化石燃料が多く利用されてきたが、近年では、自然環境への配慮や経済性の観点から、大電力の使用や化石燃料からの脱却を目標に、再生可能エネルギーの利用が推奨されるようになり、間伐材や木質系建築廃材などを再生した木質ペレットの本格的利用が模索、実用化されるようになってはきているものの、木質ペレットは、粒状を呈しているために燃料供給の安定化や自動制御が困難であるという技術的課題があった。
【0003】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記する特許文献1(1)ないし1(5)に提案されているものに代表されるように、木材を円柱形小片状に圧縮成型した木質ペレットを軸流型のスクリューコンベアで燃焼室に自動的に供給可能とした木質ペレット専用の燃焼装置などや、同特許文献1(6)ないし1(9)に見られるような、粉粒状物質や高粘度液状物質などを目詰まりなどを生じること無く、円滑に搬送可能とした無軸型スクリューコンベアやスパイラル型動力軸を有するポンプなどが散見される。
【0004】
しかし、前者特許文献1(1)ないし1(5)に示されているような木質ペレット専用の燃焼装置などは、いずれも有軸のため、同一寸法・形状に圧縮成型された木質ペレットのみを搬送、供給するのにはある程度有効であるものの、それ以外の、形状が一定でない樹皮や小枝片などを含んだ木材チップや、殻片や枝片を含む粉・粒混在状の籾殻などをそのまま燃料として利用することは不可能であり、それらを無理に利用しようとすると、軸流型のスクリューコンベアに目詰まりを生じ、燃料供給がストップしてしまう虞があるという欠点があり、本願出願人は、こうした欠点を補うため、特許文献1(6)ないし1(9)の無軸型スクリューコンベアを円筒内に同心上配置としてなるコンベアを燃焼装置に組み込んで試作し、粉粒状燃料の目詰まりを防止可能か否かの実験を繰り返し試みてきたが、特に、無軸型スクリューコンベア基端がわの粒状燃料導入部付近で、目詰まりを発生してしまい、そのままでは円滑な搬送ができないという問題のあることが判明した。
【特許文献1】(1)特許4212349号公報 (2)特許3660295号公報 (3)特開2010−25508号公報 (4)特開2009−30859号公報 (5)特開2008−32357号公報 (6)特開2005−8393号公報 (7)特開2006−75953号公報 (8)特開2006−123134号公報 (9)特開2008−128089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種木質燃料用の燃焼装置などは、何れも既製の木質系ペレットを専用燃料として開発されているため、それ以外の木材チップや籾殻などの粉粒混在状の燃料を燃焼室まで円滑に搬送投入できないという欠点が残るものであり、これまで木質ペレット専用の燃焼装置などには採用されていないが、従前より、粉粒物や高粘度液状物質などの搬送に実用化されている無軸型スクリューコンベアを組み込んだ燃焼装置は、本願出願人による長期に渡る試作、実験運転によって樹皮や枝片などが混在し、形状が一定でない木材チップなどを搬送する場合、特に誘導パイプ基端がわ導入部分付近や、同誘導パイプ中途部の下がわ内周壁面との間で目詰まりを発生し易いという致命的欠陥があることを突き止め、様々な形態の固形燃料や、それらの混合燃料などを、目詰まりせず、安定且つ確実に移送可能とするための構成につき、更なる改善の必要性を痛感するに至ったものである。
【0006】
(発明の目的)
そこで、この発明は、一定形状・寸法に成型加工された木質系ペレットに留まらず、形状・寸法が一定しない木材チップや籾殻など、廉価にて入手し易い様々な再生可能エネルギー資源を、安全且つ簡便に地産地消できるようにするために、それら粉粒状燃料の自動供給を確実、円滑に達成可能なものにする新たな粒状燃料用自動投入技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の粒状燃料用自動投入機、およびそれを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の粒状燃料用自動投入機は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとした構成を要旨とする粒状燃料用自動投入機である。
【0008】
この基本的な構成からなる粒状燃料用自動投入機は、その表現を変えて示すならば、所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませ、投入用回転駆動源で回転駆動する該軸流螺旋翼が、燃料受容部に収容した粒状燃料を供給管部に向け移送すると、当該拡開導入部が、軸流螺旋翼と供給管部内周壁との間に目詰まりを生じないよう円滑に誘導できるようにしてなるものとした構成からなる粒状燃料用自動投入機となる。
【0009】
そして、より具体的には、所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した弾性素材製円筒状コイルバネからなる無軸型軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとした構成からなる粒状燃料用自動投入機ということができる。
【0010】
(関連する発明)
上記した粒状燃料用自動投入機に関連し、この発明には、それを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置も包含している。
即ち、燃焼室を内蔵した燃焼装置外装体の外がわから、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわだけを、水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該燃焼室内適所に向けて貫通・接続し、この発明の基本をなす粒状燃料用自動投入機を組み合せてなるものとした粒状燃料用燃焼装置である。
【0011】
この粒状燃料用燃焼装置を表現を変えて示すと、燃焼室を内蔵する燃焼装置外装体の外がわ適所には、中継容器部および同中継容器部から垂下させた投下管からなる燃料ホッパの、同投下管下端がわを、地上水平面に対し40°ないし70°、望ましくは50°ないし60°の下向き傾斜姿勢で、この燃焼室内適所に向けて貫通、接続するようにし、同燃料ホッパ中継容器部の上部適所には、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわを、水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該投下管上端に臨ませるよう組み込み、この発明の基本をなす粒状燃料用自動投入機を組合せてなるものとした粒状燃料用燃焼装置ということができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおりの構成からなる粒状燃料用自動投入機によれば、従前までのものとは違い、その新規且つ固有の構成から、投入パイプ供給管部の基端がわに形成した拡開導入部により、軸流螺旋翼が掻き進める粒状燃料を供給管部がわへ次第に誘導し、拡開導入部を有さない従前までのものと比較して格段に円滑な移送を実現化するものとなり、軸流螺旋翼と供給管部後端がわ内周壁との間に粒状燃料を咬んで搬送停止に陥るのを確実に防止することができ、しかも木質系ペレットのように一定形状に成型された燃料だけでなく、木材チップや籾殻などの不定形状の粉状・粒状を混在させる燃料であっても何等の問題も生じさせることもなく、円滑に誘導移送することができるという秀れた特徴を発揮する上、軸流螺旋翼を弾性素材製円筒状コイルバネからなる無軸型としたものにあっては、その柔軟性と軸心部分の貫通状空間とにより、それまでの有軸スパイラル型の螺旋翼を採用した場合に比較し、粒状燃料の目詰まり防止効果に格段に秀れたものとなり、さらに、軸流螺旋翼の回転軸心を投入パイプ供給管部の内径円断面形中心よりも左右何れか一方の斜め上方か、または鉛直上方かの何れか一方向に偏心させて配置するよう組み込んでなるものでは、従来型のものの場合、重力作用によって供給管部下がわ内周壁面とこれに対峙する軸流螺旋翼との間に粒状燃料を目詰まりし易かったのに対し、この投入器の供給管部下がわ内周壁面と、これに対峙する軸流螺旋翼との間に充分な余裕空間を形成しうることになって目詰まりを解消し、一層確実且つ円滑に移送可能なものにすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
【0013】
加えて、投入用回転駆動源が、温度センサーを有する自動制御部および/または手動入力部を有するものとし、軸流螺旋翼の回転数を自在に制御可能としてなる粒状燃料用自動投入機にあっては、利用者が手動入力部を介し、直接的に単位時間当たりの粒状燃料投入量を入力、操作することが可能となり、さらにまた、自動制御部が、温度センサーの検出値に基づき、予め設定した温度より低い温度の場合には燃料投入を開始し、または、燃料投入速度を高めるよう制御し、また、予め設定した温度よりも高い温度の場合には、燃料投入を停止、あるいは、燃料投入速度を低下するよう、フィードバック制御および/またはフィードフォワード制御可能なものとなり、より安全で効率的な燃焼制御を実現化できるものとなる。
【0014】
この発明の粒状燃料用自動投入機を組合せてなる粒状燃料用燃焼装置は、従前までのものとは違い、上記したとおり当該粒状燃料用自動投入機、固有の特徴ある構成から、木質系ペレット以外の木材チップや籾殻などといった形状の定まらない粒状、チップ状のものの混在状燃料であっても、燃焼室まで円滑且つ確実に移送することを可能にするものとなり、またその軸流螺旋翼の回転制御により、単位時間当たりの粒状燃料供給量および間歇時間などを自在に変更、調節可能にするものとなるから、従来型では殆ど期待することができなかった秀れた経済性を達成可能なものとするという効果が得られることになる。
【0015】
加えて、この発明の粒状燃料用自動投入機との間に燃料ホッパを介在、組み合せてなる粒状燃料用燃焼装置の場合には、燃料ホッパが燃焼室内火炎を緩衝するものとなって、粒状燃料用自動投入機がわへの延焼を防止でき、さらに、該燃料ホッパの投下管下端がわを地上水平面に対し、40°ないし70°、望ましくは50°ないし60°の下向き傾斜姿勢で、燃焼室内に向け貫通・接続するようにしてあることから、粒状燃料用自動投入機へ補給した粒状燃料が、燃料ホッパ内に留まることなく、燃焼室内に向け円滑且つ速やかに落下、供給可能なものとなり、より安全で安定した燃焼を得ることができるという秀れた特徴を発揮できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
粒状燃料用自動投入機の投入パイプは、軸流螺旋翼を回転自在に内蔵し、その基端がわから先端がわに粒状燃料を円滑に誘導、移送可能とする機能を担い、所定内径、所定長の円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型漏斗状とした拡開導入部を一体化してなるものとしなければならず、拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型またはパイプ型の何れか一方とした燃料受容部を配したものとすべきであり、拡開導入部は、その内周壁面形状を円錐面形、球面形、楕円体面形、その他の三次元曲面形、多角錐面形、多角体面形やそれらの組合せなどの何れかからなる横転杯型漏斗状のものとすることが可能である。
【0017】
粒状燃料用自動投入機の軸流螺旋翼は、投入パイプ拡開導入部後部燃料受容部に供給された粒状燃料を投入パイプ供給管部先端がわへ向けて順次、円滑に搬送可能とする機能を担い、投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した螺旋状で、その基端を燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に連結し、且つその中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとしなければならず、有軸スクリュー翼の外、無軸スパイラル翼とすることができ、より具体的には、後述する実施例に示すように、弾性素材製円筒状コイルバネからなるものとすることなどが可能であり、翼断面形状は、円形、楕円形、長円形、卵形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、台形、その他の曲線形、多角形、またはそれらの組合せなどとすることが可能である。
【0018】
軸流螺旋翼の投入用回転駆動源は、軸流螺旋翼を粒状燃料の搬送に適した所定の回転数、回転トルクで安定的に回転駆動可能とする機能を担い、少なくとも任意の一定回転数で回転駆動可能なものとしなければならず、任意の一定回転数の外、所定時間毎に回転数を切り換えて回転、間歇回転、またはそれらの回転状態を適宜切り換えて回転駆動可能としたものとすることができる外、後述する実施例に示すように、粒状燃料の燃焼室内温度か、加熱または加温対象物などの温度を検知可能な温度センサーを有する自動制御部および/または手動入力部を有し、温度センサーの検知値や、利用者の設定入力値などに応じて、軸流螺旋翼の回転数や間歇回転などの動作を自在に制御可能なものとすることができる。
【0019】
投入用回転駆動源の自動制御部は、時間や加熱対象物の温度などの各種条件に基づいて自動的にか、または手動入力部で設定入力した稼働パターンや、選択入力した稼働モードなどに従うようにするかして、軸流螺旋翼の回転数を自動制御可能とする機能を担い、投入用回転駆動源用の電源、バッテリー、増幅器などからの電力供給を自動制御可能なものとしなければならず、マイコン、ソリッドステート・リレー、プログラマブルロジックコントローラ、または、有接点リレー方式や無接点リレー方式のシーケンサなど様々な制御装置からなるものとすることが可能であり、また、手動入力部は、利用者の手動入力による粒状燃料投入量操作を可能とする機能を担うものであり、自動制御部を手動制御可能とするものの外、自動制御部を手動停止・起動可能なものとしたり、投入用回転駆動源への電力供給を手動入力で可変可能とするようにした可変抵抗のボリュームスイッチやチャンネルスイッチ、または数値入力可能なボタンスイッチなどとすることができる。
【0020】
粒状燃料用自動投入機の燃料受容部は、投入パイプ拡開導入部に先立ち、所定量の粒状燃料を一時的に備蓄または収容可能とする領域を形成する機能を分担し、投入パイプ拡開導入部と投入用回転駆動源との間で、軸流螺旋翼の基端寄り中途部を包囲可能な器型またはパイプ型の何れか一方としなければならず、後述する実施例にも示してあるように、該燃料受容部の上部に粒状燃料用供給口を形成したものとするのが望ましいが、左右方向から横向きに、下方から上向きに、または斜め方向からなど、該燃料受容部周囲の様々な方向の何れかからでも粒状燃料を供給可能なものとすることができる。
【0021】
粒状燃料用燃焼装置は、粒状燃料用自動投入機から粒状燃料の投入を受け、安全且つ効率的に燃焼し、これによって発生した熱を燃焼室外の空気や水、油、その他の熱媒質に効率的に伝達し、様々な産業上利用可能な発熱源になるという機能を果たし、後述する実施例に示すように、燃焼室を内蔵した燃焼装置外装体の外がわから、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわだけを水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、この燃焼室内適所に向けて貫通・接続してなるものとすることができる外、該燃焼室を内蔵した燃焼装置外装体の外がわ適所から、中継容器部および同中継容器部から垂下するようにした投下管からなる燃料ホッパの、該投下管下端がわを地上水平面に対し、40°ないし70°、望ましくは50°ないし60°の下向き傾斜姿勢で、該燃焼室内適所に向けて貫通・接続し、同燃料ホッパ中継容器部の上部適所には、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわを水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該投下管上端に臨ませるよう組み込んでなるものなどとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面は、この発明の粒状燃料用自動投入機、およびそれを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】粒状燃料を投下する自動投入機を断面化して示す側面図である。
【図2】粒状燃料用自動投入機を断面化して示す側面図である。
【図3】粒状燃料用自動投入機を断面化して示す平面図である。
【図4】図3の矢印A方向から軸流螺旋翼の供給管部内偏心配置例を示す正面図である。
【図5】図3の矢印A方向から軸流螺旋翼の供給管部内偏心配置例を示す正面図である。
【図6】図3の矢印A方向から軸流螺旋翼の供給管部内偏心配置例を示す正面図である。
【図7】粒状燃料用自動投入機を示す側面図である。
【図8】粒状燃料用自動投入機を示す平面図である。
【図9】パイプ型燃料受容部の自動投入機を断面化して示す側面図である。
【図10】パイプ型燃料受容部の自動投入機を断面化して示す平面図である。
【図11】有軸軸流螺旋翼の粒状燃料用自動投入機を示す側面図である。
【図12】有軸軸流螺旋翼の粒状燃料用自動投入機を示す平面図である。
【図13】粒状燃料用燃焼装置を断面化して示す側面図である。
【図14】粒状燃料用燃焼装置を一部断面化して示す平面図である。
【図15】粒状燃料用燃焼装置を断面化して示す正面図である。
【図16】粒状燃料用燃焼装置の他の例を断面化して示す正面図である。
【実施例1】
【0023】
図1ないし図8に示す事例は、供給管部20の一端を送出端21とし、同送出端21とは反対がわの端部22に拡開導入部23を一体化して投入パイプ2を形成し、該投入パイプ2拡開導入部23の後部に、粒状燃料Vを受容可能な器型の燃料受容部4を配し、該燃料受容部4よりも後方に配した投入用回転駆動源5に軸流螺旋翼3の基端30を連結し、且つ同軸流螺旋翼3を投入パイプ2内に縦貫してなるものとした、この発明の粒状燃料用自動投入機における代表的な一実施例を示すものである。
【0024】
図1ないし図8の各図からも明確に把握できるとおり、この発明の粒状燃料用自動投入機1は、その投入パイプ2が、所定内径・所定長の円筒直管形とした供給管部20の一端を送出端21とし、同送出端21とは反対がわの端部22に、内径を遠心方向に拡大させて横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部23を一体化してなるものに形成し、該投入パイプ2拡開導入部23、および同拡開導入部23の後部を含む範囲は、天面を開放した矩形器型で、所定量の粒状燃料Vを受容可能な容積の燃料受容部4で包囲し、該燃料受容部4よりも後方に配した投入用回転駆動源5の出力軸50に、当該投入パイプ2供給管部20の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した弾性素材製円筒状コイルバネからなる軸流螺旋翼3の基端30を連結し、且つ同軸流螺旋翼3の中途部31を投入パイプ2内に縦貫し、この軸流螺旋翼3の自由先端32を供給管部20送出端21に臨ませてなるものとし、図4ないし図6の何れか1つに示すよう、軸流螺旋翼3の回転軸心3Cは、投入パイプ2供給管部20の内径円断面形中心2Cよりも左右何れか一方の斜め上方か、または、鉛直上方かの何れか一方向に偏心して配置するよう組み込んでなるものとしてある。
図4ないし図6の軸流螺旋翼3の外径と供給管部20内径との寸法差は、理解し易くするため強調して図示してあり、実際の上下隙間の寸法差は、例えば3ないし8mm程度などといった僅かなものである。
【0025】
さらに、図1に示すように、当該粒状燃料用自動投入機1には、その投入用回転駆動源5が、温度センサー62を有する自動制御部51および手動入力部52を有し、軸流螺旋翼3の回転数を自在に制御可能なものとしてあり、また、燃料受容部4の適所に、自動制御部51の制御を受け、投入用回転駆動源5の動作に連動し、粒状燃料Vの所定量を供給可能とした自動燃料補充機6を組み合わせてなるものとしてある。
【実施例2】
【0026】
図9および図10に示すように、当該粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の燃料受容部4は、拡開導入部23後端に連続し、投入用回転駆動源5直前に配した後端隔壁40まで連続する一定内径のパイプ状に形成し、その上部に平面形矩形状の漏斗部41を一体化形成してなるものとすることが可能であり、また、図11および図12に示すように、当該粒状燃料用自動投入機1軸流螺旋翼3は、有軸スクリューコンベア型のものに置き換えることが可能である。
【実施例3】
【0027】
図13ないし図15に示す事例は、燃焼装置外装体80内蔵の燃焼室81に、外がわから燃料ホッパ9投下管91を貫通し、該燃料ホッパ9中継容器部90に、粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の供給管部20を接続してなるものとした、この発明の粒状燃料用自動投入機1を組み込んでなる粒状燃料用燃焼装置の一例を示すものであり、当該粒状燃料用燃焼装置8は、矩形箱型の燃焼装置外装体80内、前端寄りの範囲に横転ドラム型の燃焼室81を内蔵し、正面中央に燃焼室81用の開閉扉82を設け、該燃焼装置外装体80内壁と燃焼室81外壁との間に空気循環路空間83を形成し、該燃焼装置外装体80の天面中央であって燃焼室81の後端寄り直上付近に送風ファン84を内蔵した吸気ダクト85を立設し、該燃焼装置外装体80後端寄りの側壁から送気ダクト86を水平に延伸し、図13および図15に鎖線矢印で示すように、吸気ダクト85から空気循環路空間83に吸入し、加熱した空気を送気ダクト86から送出可能なものとし、さらに、該燃焼室81天面適所には、図示しない外気供給ファンを設けると共に、同燃焼室81後端から燃焼装置外装体80後端壁を横断貫通し、延伸した排気管路87は、煤煙除去器88を通じて屋外まで誘導、延伸されたものとしてある。
【0028】
図13ないし図16に示すように、当該粒状燃料用燃焼装置8は、燃焼装置外装体80の外がわ適所から、中継容器部90および同中継容器部90から垂下した投下管91よりなる燃料ホッパ9の、該投下管91下端がわを地上水平面に対し、傾斜角度αが60°(図15に示す)の下向き傾斜姿勢で、該燃焼室81内適所に向けて貫通、接続するようにし、同燃料ホッパ9中継容器部90の上部適所には、実施例2の図9および図10中に示した、粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の供給管部20先端がわを水平姿勢とし、同投下管91上端に臨ませるよう組み込んだものとしてあり、さらに、図13および図14に示すように、この粒状燃料用自動投入機1燃料受容部4上には、漏斗型補充タンク61下端の補充管中途箇所に、自動制御部51からの制御を受けて開閉動作する開閉弁62を設けるようにした自動燃料補充機6を組み合わせたものとしてある。
【0029】
図14および図15に示すように、燃料ホッパ9中継容器部90には、中継容器部90内が粒状燃料V着火温度に達した場合、これを検知して常時閉鎖された電磁バルブを自動的に緊急開放する消火センサー93と、該消火センサー93を通じて中継容器部90内に消火水を圧送可能な消火ホース94とからなる自動消火機構92を組み込んでなるものとしてあり、また、図16に示すように、当該粒状燃料用燃焼装置8は、燃焼装置外装体80の外がわから、傾斜姿勢αを25°とした粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の供給管部20先端がわを燃焼室81内適所に向けて貫通、接続した上、燃料受容部4上に、図13および図14に示してあるような自動燃料補充機6を組み込んでなるものとしてある。
【0030】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の粒状燃料用自動投入機1は、図1ないし図3に示すように、弾性素材製円筒状コイルバネからなる無軸型の軸流螺旋翼3を採用し、且つ、燃料受容部4に臨む投入パイプ2の端部22に拡開導入部23を形成してあるから、木質系ペレットに留まらず、従前まで利用不可能であった木材チップや籾殻などの粉状燃料や粒状燃料Vも目詰まりすることなく、投入パイプ2供給管部20内に円滑に誘導、移送することが可能である上、図4ないし図6に示すように、軸流螺旋翼3の回転軸心3Cを投入パイプ2供給管部20の内径円断面形中心2Cよりも左右何れか一方の斜め上方とするか、または、鉛直上方かの何れか一方向に偏心して配置するかするよう組み込み、投入パイプ2供給管部20内周壁底面と軸流螺旋翼3の下がわ周縁との隙間が、他の周縁よりも僅かに広く確保するようにしてあることから、さらに、目詰まりの発生を阻止して円滑且つ均一の搬送を実現化するものとなる。
【0031】
そして、図1に示すものでは、温度センサー62を有する自動制御部51および手動入力部52を有しており、温度センサー62の検知温度が、予め設定した温度よりも低ければ、投入用回転駆動源5を起動して、図示のように粒状燃料Vの送出を開始するものとなり、検出温度が、予め設定した温度よりも高ければ、投入用回転駆動源5を停止して粒状燃料Vの送出をストップするよう自動制御することが可能である。
【0032】
また、この図1に示してある自動制御部51は、温度センサー62の検知温度が予め設定した適温範囲にある場合、一定時間毎に投入用回転駆動源5を駆動し、粒状燃料Vの一定量を送り出すようにすることが可能であり、検知温度が、予め設定した温度範囲よりも低くなったときには、投入用回転駆動源5の回転速度を高め、粒状燃料Vの単位時間当たりの供給量を増加し、検知温度が、予め設定した温度範囲よりも高くなったときには、投入用回転駆動源5の回転速度を抑え、粒状燃料Vの単位時間当たりの供給量を減少させるよう自動制御するものとすることが可能であり、当該粒状燃料用自動投入機1に組み合せた自動燃料補充機6もまた、投入用回転駆動源5の回転数に連動し、粒状燃料Vを安定供給するよう自動制御するものとなる。
【0033】
(実施例2の作用・効果)
図9および図10に示してある事例では、粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の拡開導入部23後端に続く燃料受容部4を、円筒形状且つ一体、連続型のものとし、上部に漏斗部41を形成してなるものは、燃料受容部4に投入した粒状燃料(図示せず)を一段と確実であって、軸流螺旋翼3のピッチ間に無駄なく供給することが可能となり、一層安定した粒状燃料の円滑供給を実現化するものとなる。
【0034】
そして、図11および図12に示すもののように、有軸型の軸流螺旋翼3を採用するようにした粒状燃料用自動投入機1は、それまでの図1ないし図10に示してある無軸型の軸流螺旋翼3を採用した粒状燃料用自動投入機1に比較し、軸を有して流通断面積が小さくなってしまうため、形状の安定しない木材チップや籾殻などを円滑に搬送する性能に劣るものとなってしまうが、投入パイプ2の拡開導入部23、および、図4ないし図6に示すような投入パイプ2内軸流螺旋翼3の上寄り、偏心配置などとすることによって、従来型スクリューコンベアに比較すると、目詰まり発生率を格段に低減化でき、安定且つ円滑な搬送の実現化に大いに寄与するものとなる。
【0035】
(実施例3の作用・効果)
さらに、図13ないし図15に示してあるとおりの粒状燃料用自動投入機1を組み込んだ粒状燃料用燃焼装置8に依るものでは、施設栽培用ビニールハウス室(図示せず)内に設置した場合、その吸気ダクト85および送気ダクト86を共にビニールハウス室内に開放し、排気管路87をビニールハウス室外に導出、開放するよう設置したものとし、電源を供給して運転を開始する場合には、漏斗型補充タンク61に必要量の粒状燃料Vを投入し、これとは別に燃焼室81中央付近にも少量の点火用粒状燃料Vを投入、着火した上に、図示しない外気供給ファンを起動し、燃焼室81内着火点付近にビニールハウス室内空気を強制的に供給して火力を高めるようにしてから、粒状燃料用自動投入機1投入用回転駆動源5、および自動燃料補充機6開閉弁62を起動するものであり、自動制御部51は、夫々手動入力部52にて手動入力操作し、その入力値に応じたタイマー式の自動制御や、ビニールハウス室内気温を測定可能とするよう設置した温度センサー60の検出値に基づく、リレー、マイコンなどにより、投入用回転駆動源5および開閉弁67を連動させるよう、夫々自動制御可能なものとすることができる。
【0036】
図13ないし図15に示す、自動燃料補充機6から粒状燃料用自動投入機1燃料受容部4に供給した粒状燃料V(図1参照)は、軸流螺旋翼3のゆっくりとした回転で少量ずつ燃料ホッパ9中継容器部90底部の投下管91上端開口直上付近から落下供給され、60°の傾斜角度αに設定した同投下管91を通じ、燃焼室81中央付近の点火用粒状燃料V上に円滑に落下し、次々に燃焼するよう動作すると共に、該投下管91は急勾配姿勢となっていて、粒状燃料V投下直後に常時空になり、燃焼室81から投下管91への延焼を防止することができ、燃焼室81内の高温燃焼で発生した燃焼排気は、排気管路87、煤煙除去器88を通じて冷却、清浄化後、施設栽培用ビニールハウス室外の外気中に排気するものとなる一方、図13および図15に鎖線白抜き矢印で示すように、吸気ダクト85の送風ファン84を起動し、ビニールハウス室内空気を燃焼装置外装体80内の空気循環路空間83に強制的に供給し、燃焼室81外周壁や、燃焼装置外装体80内排気管路87を介して加熱し、その温風を送気ダクト86からビニールハウス室内に強制循環するものとなる。
【0037】
ビニールハウス室内気温が、予め設定した気温を超えると、温度センサー62がそれを検知し、自動制御部51が、粒状燃料用自動投入機1投入用回転駆動源5を停止し、且つ、自動燃料補充機6開閉弁67を閉鎖状態に停止し、温度の上昇を自動的に抑制するものとなり、このとき粒状燃料供給が停止した燃焼室81内は、燃え残りの粒状燃料Vが、木炭状の残り火となって長時間に渡り着火温度を維持するものとなり、その後に、ビニールハウス室内気温が、予め設定した気温より低下すると、温度センサー62がそれを検知し、自動制御部51が、粒状燃料用自動投入機1投入用回転駆動源5を起動すると共に、自動燃料補充機6開閉弁67の開閉動作を開始し、粒状燃料供給を自動的に再開するものとなり、このように粒状燃料供給を再開した場合には、燃焼室81内に残った粒状燃料Vの木炭状の残り火に、新たな粒状燃料を投入し、これに燃え移りながら再燃焼を開始するものとなる。
【0038】
万が一何等かの原因により、図13ないし図15に示す、燃料ホッパ9投下管91を通じ燃焼室81の火炎が中継容器部90内に進入、延焼して異常高温になった場合、自動消火機構92消火センサー93が緊急開放し、消火ホース94を通じて消火水を自動放水し、自動的に消火するものとなる。
【0039】
図16に示す、当該粒状燃料用燃焼装置8は、図13ないし図15に示した、燃料ホッパ9を廃止し、粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の供給管部20先端21がわを傾斜姿勢α(25°)で燃焼室81内適所に向け、直接的に貫通・接続してあり、図13ないし図15に示したもののように、燃料ホッパ9を装着した場合に比較して部品点数を削減し、製造コストを低減することができ、さらにまた、図示していないが、燃焼室81に対して粒状燃料用自動投入機1を水平姿勢に接続し、その上に自動燃料補充機6を搭載したものとした場合には、自動燃料補充機6の補充タンク61を一段と低い位置に設置可能となり、粒状燃料V(図示せず)を地上から該補充タンク61まで持ち上げる高さを低くし、補給作業の労働負担を大幅に軽減することができるものとなる。
【0040】
(結 び)
叙述の如く、この発明の粒状燃料用自動投入機、およびそれを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、簡素且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、従前からの木質系ペレット専用の固形燃料供給・燃焼技術に比較し、これまでそのままボイラーやストーブなどの自動供給燃料としては、全く使用不可能とされてきた木材チップや籾殻などの異形状燃料も、円滑且つ安全に利用可能なものとなり、地元農林業で発生する間伐材や農業廃棄物などを有益な燃料として地産地消可能とすることができ、これまで価格の安定しない輸入化石燃料に頼らざるを得ず、大きな経済的負担を負わなければならなかった施設栽培農家はもとより、間伐材や籾殻などの産業破棄物に多大な経費を遣って適正に廃棄処理しなければならなかった農林業界にとって有利な供給先が新たに生み出されることになり、再生可能エネルギーの利用を格段に促進でき、さらに小型・軽量化すれば、光熱費の高騰に悩み、自然環境に優しい生活を希望する一般家庭や各企業施設の暖房などへの応用の可能性も広がるから、給湯機器業界や暖房機業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0041】
1 粒状燃料用自動投入機
2 投入パイプ
20 同 供給管部
21 同 送出端
22 同 反対端部
23 同 拡開導入部
2C 供給管部内径中心
3 軸流螺旋翼
30 同 基端
31 同 中途部
32 同 自由先端
3C 軸流螺旋翼回転軸心
4 燃料受容部
40 同 後端隔壁
41 同 漏斗部
5 投入用回転駆動源
50 同 出力軸
51 同 自動制御部
52 同 手動入力部、
6 自動燃料補充機
60 同 温度センサー
61 同 補充タンク
62 同 開閉弁
8 粒状燃料用燃焼装置
80 同 燃焼装置外装体
81 同 燃焼室
82 同 開閉扉
83 同 空気循環路空間
84 同 送風ファン
85 同 吸気ダクト
86 同 送気ダクト
87 同 排気管路
88 同 煤煙除去器
9 燃料ホッパ
90 同 中継容器部
91 同 投下管
92 同 自動消火機構
93 同 消火センサー
94 同 消火ホース
α 投下管91の傾斜角度
V 粒状燃料
【技術分野】
【0001】
この発明は、粒状物や粉状物の搬送技術に関連するものであり、特に、ボイラーやストーブ、燃焼炉などの燃焼室に粒状燃料や粉状燃料などを円滑に供給可能とする燃料用自動投入装置、および、それを利用した粒状燃料用燃焼装置などを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
施設園芸やその他の施設型農業用のビニールハウスやガラス温室などの栽培施設は、温度、湿度、遮光、通風、灌水、施肥、病害虫予防などにつき、一年を通して一日たりとも欠かせない、きめ細かな管理を必要とし、特に、冬期間の適正な室温管理は、最も重要な課題と言っても過言ではなく、従来より灯油や軽油、重油など、輸送や取扱いが容易で1L当たりの発熱量が多く、燃焼の自動制御に適した化石燃料が多く利用されてきたが、近年では、自然環境への配慮や経済性の観点から、大電力の使用や化石燃料からの脱却を目標に、再生可能エネルギーの利用が推奨されるようになり、間伐材や木質系建築廃材などを再生した木質ペレットの本格的利用が模索、実用化されるようになってはきているものの、木質ペレットは、粒状を呈しているために燃料供給の安定化や自動制御が困難であるという技術的課題があった。
【0003】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記する特許文献1(1)ないし1(5)に提案されているものに代表されるように、木材を円柱形小片状に圧縮成型した木質ペレットを軸流型のスクリューコンベアで燃焼室に自動的に供給可能とした木質ペレット専用の燃焼装置などや、同特許文献1(6)ないし1(9)に見られるような、粉粒状物質や高粘度液状物質などを目詰まりなどを生じること無く、円滑に搬送可能とした無軸型スクリューコンベアやスパイラル型動力軸を有するポンプなどが散見される。
【0004】
しかし、前者特許文献1(1)ないし1(5)に示されているような木質ペレット専用の燃焼装置などは、いずれも有軸のため、同一寸法・形状に圧縮成型された木質ペレットのみを搬送、供給するのにはある程度有効であるものの、それ以外の、形状が一定でない樹皮や小枝片などを含んだ木材チップや、殻片や枝片を含む粉・粒混在状の籾殻などをそのまま燃料として利用することは不可能であり、それらを無理に利用しようとすると、軸流型のスクリューコンベアに目詰まりを生じ、燃料供給がストップしてしまう虞があるという欠点があり、本願出願人は、こうした欠点を補うため、特許文献1(6)ないし1(9)の無軸型スクリューコンベアを円筒内に同心上配置としてなるコンベアを燃焼装置に組み込んで試作し、粉粒状燃料の目詰まりを防止可能か否かの実験を繰り返し試みてきたが、特に、無軸型スクリューコンベア基端がわの粒状燃料導入部付近で、目詰まりを発生してしまい、そのままでは円滑な搬送ができないという問題のあることが判明した。
【特許文献1】(1)特許4212349号公報 (2)特許3660295号公報 (3)特開2010−25508号公報 (4)特開2009−30859号公報 (5)特開2008−32357号公報 (6)特開2005−8393号公報 (7)特開2006−75953号公報 (8)特開2006−123134号公報 (9)特開2008−128089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種木質燃料用の燃焼装置などは、何れも既製の木質系ペレットを専用燃料として開発されているため、それ以外の木材チップや籾殻などの粉粒混在状の燃料を燃焼室まで円滑に搬送投入できないという欠点が残るものであり、これまで木質ペレット専用の燃焼装置などには採用されていないが、従前より、粉粒物や高粘度液状物質などの搬送に実用化されている無軸型スクリューコンベアを組み込んだ燃焼装置は、本願出願人による長期に渡る試作、実験運転によって樹皮や枝片などが混在し、形状が一定でない木材チップなどを搬送する場合、特に誘導パイプ基端がわ導入部分付近や、同誘導パイプ中途部の下がわ内周壁面との間で目詰まりを発生し易いという致命的欠陥があることを突き止め、様々な形態の固形燃料や、それらの混合燃料などを、目詰まりせず、安定且つ確実に移送可能とするための構成につき、更なる改善の必要性を痛感するに至ったものである。
【0006】
(発明の目的)
そこで、この発明は、一定形状・寸法に成型加工された木質系ペレットに留まらず、形状・寸法が一定しない木材チップや籾殻など、廉価にて入手し易い様々な再生可能エネルギー資源を、安全且つ簡便に地産地消できるようにするために、それら粉粒状燃料の自動供給を確実、円滑に達成可能なものにする新たな粒状燃料用自動投入技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の粒状燃料用自動投入機、およびそれを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の粒状燃料用自動投入機は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとした構成を要旨とする粒状燃料用自動投入機である。
【0008】
この基本的な構成からなる粒状燃料用自動投入機は、その表現を変えて示すならば、所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませ、投入用回転駆動源で回転駆動する該軸流螺旋翼が、燃料受容部に収容した粒状燃料を供給管部に向け移送すると、当該拡開導入部が、軸流螺旋翼と供給管部内周壁との間に目詰まりを生じないよう円滑に誘導できるようにしてなるものとした構成からなる粒状燃料用自動投入機となる。
【0009】
そして、より具体的には、所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した弾性素材製円筒状コイルバネからなる無軸型軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとした構成からなる粒状燃料用自動投入機ということができる。
【0010】
(関連する発明)
上記した粒状燃料用自動投入機に関連し、この発明には、それを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置も包含している。
即ち、燃焼室を内蔵した燃焼装置外装体の外がわから、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわだけを、水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該燃焼室内適所に向けて貫通・接続し、この発明の基本をなす粒状燃料用自動投入機を組み合せてなるものとした粒状燃料用燃焼装置である。
【0011】
この粒状燃料用燃焼装置を表現を変えて示すと、燃焼室を内蔵する燃焼装置外装体の外がわ適所には、中継容器部および同中継容器部から垂下させた投下管からなる燃料ホッパの、同投下管下端がわを、地上水平面に対し40°ないし70°、望ましくは50°ないし60°の下向き傾斜姿勢で、この燃焼室内適所に向けて貫通、接続するようにし、同燃料ホッパ中継容器部の上部適所には、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわを、水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該投下管上端に臨ませるよう組み込み、この発明の基本をなす粒状燃料用自動投入機を組合せてなるものとした粒状燃料用燃焼装置ということができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおりの構成からなる粒状燃料用自動投入機によれば、従前までのものとは違い、その新規且つ固有の構成から、投入パイプ供給管部の基端がわに形成した拡開導入部により、軸流螺旋翼が掻き進める粒状燃料を供給管部がわへ次第に誘導し、拡開導入部を有さない従前までのものと比較して格段に円滑な移送を実現化するものとなり、軸流螺旋翼と供給管部後端がわ内周壁との間に粒状燃料を咬んで搬送停止に陥るのを確実に防止することができ、しかも木質系ペレットのように一定形状に成型された燃料だけでなく、木材チップや籾殻などの不定形状の粉状・粒状を混在させる燃料であっても何等の問題も生じさせることもなく、円滑に誘導移送することができるという秀れた特徴を発揮する上、軸流螺旋翼を弾性素材製円筒状コイルバネからなる無軸型としたものにあっては、その柔軟性と軸心部分の貫通状空間とにより、それまでの有軸スパイラル型の螺旋翼を採用した場合に比較し、粒状燃料の目詰まり防止効果に格段に秀れたものとなり、さらに、軸流螺旋翼の回転軸心を投入パイプ供給管部の内径円断面形中心よりも左右何れか一方の斜め上方か、または鉛直上方かの何れか一方向に偏心させて配置するよう組み込んでなるものでは、従来型のものの場合、重力作用によって供給管部下がわ内周壁面とこれに対峙する軸流螺旋翼との間に粒状燃料を目詰まりし易かったのに対し、この投入器の供給管部下がわ内周壁面と、これに対峙する軸流螺旋翼との間に充分な余裕空間を形成しうることになって目詰まりを解消し、一層確実且つ円滑に移送可能なものにすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
【0013】
加えて、投入用回転駆動源が、温度センサーを有する自動制御部および/または手動入力部を有するものとし、軸流螺旋翼の回転数を自在に制御可能としてなる粒状燃料用自動投入機にあっては、利用者が手動入力部を介し、直接的に単位時間当たりの粒状燃料投入量を入力、操作することが可能となり、さらにまた、自動制御部が、温度センサーの検出値に基づき、予め設定した温度より低い温度の場合には燃料投入を開始し、または、燃料投入速度を高めるよう制御し、また、予め設定した温度よりも高い温度の場合には、燃料投入を停止、あるいは、燃料投入速度を低下するよう、フィードバック制御および/またはフィードフォワード制御可能なものとなり、より安全で効率的な燃焼制御を実現化できるものとなる。
【0014】
この発明の粒状燃料用自動投入機を組合せてなる粒状燃料用燃焼装置は、従前までのものとは違い、上記したとおり当該粒状燃料用自動投入機、固有の特徴ある構成から、木質系ペレット以外の木材チップや籾殻などといった形状の定まらない粒状、チップ状のものの混在状燃料であっても、燃焼室まで円滑且つ確実に移送することを可能にするものとなり、またその軸流螺旋翼の回転制御により、単位時間当たりの粒状燃料供給量および間歇時間などを自在に変更、調節可能にするものとなるから、従来型では殆ど期待することができなかった秀れた経済性を達成可能なものとするという効果が得られることになる。
【0015】
加えて、この発明の粒状燃料用自動投入機との間に燃料ホッパを介在、組み合せてなる粒状燃料用燃焼装置の場合には、燃料ホッパが燃焼室内火炎を緩衝するものとなって、粒状燃料用自動投入機がわへの延焼を防止でき、さらに、該燃料ホッパの投下管下端がわを地上水平面に対し、40°ないし70°、望ましくは50°ないし60°の下向き傾斜姿勢で、燃焼室内に向け貫通・接続するようにしてあることから、粒状燃料用自動投入機へ補給した粒状燃料が、燃料ホッパ内に留まることなく、燃焼室内に向け円滑且つ速やかに落下、供給可能なものとなり、より安全で安定した燃焼を得ることができるという秀れた特徴を発揮できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
粒状燃料用自動投入機の投入パイプは、軸流螺旋翼を回転自在に内蔵し、その基端がわから先端がわに粒状燃料を円滑に誘導、移送可能とする機能を担い、所定内径、所定長の円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型漏斗状とした拡開導入部を一体化してなるものとしなければならず、拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型またはパイプ型の何れか一方とした燃料受容部を配したものとすべきであり、拡開導入部は、その内周壁面形状を円錐面形、球面形、楕円体面形、その他の三次元曲面形、多角錐面形、多角体面形やそれらの組合せなどの何れかからなる横転杯型漏斗状のものとすることが可能である。
【0017】
粒状燃料用自動投入機の軸流螺旋翼は、投入パイプ拡開導入部後部燃料受容部に供給された粒状燃料を投入パイプ供給管部先端がわへ向けて順次、円滑に搬送可能とする機能を担い、投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した螺旋状で、その基端を燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に連結し、且つその中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとしなければならず、有軸スクリュー翼の外、無軸スパイラル翼とすることができ、より具体的には、後述する実施例に示すように、弾性素材製円筒状コイルバネからなるものとすることなどが可能であり、翼断面形状は、円形、楕円形、長円形、卵形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、台形、その他の曲線形、多角形、またはそれらの組合せなどとすることが可能である。
【0018】
軸流螺旋翼の投入用回転駆動源は、軸流螺旋翼を粒状燃料の搬送に適した所定の回転数、回転トルクで安定的に回転駆動可能とする機能を担い、少なくとも任意の一定回転数で回転駆動可能なものとしなければならず、任意の一定回転数の外、所定時間毎に回転数を切り換えて回転、間歇回転、またはそれらの回転状態を適宜切り換えて回転駆動可能としたものとすることができる外、後述する実施例に示すように、粒状燃料の燃焼室内温度か、加熱または加温対象物などの温度を検知可能な温度センサーを有する自動制御部および/または手動入力部を有し、温度センサーの検知値や、利用者の設定入力値などに応じて、軸流螺旋翼の回転数や間歇回転などの動作を自在に制御可能なものとすることができる。
【0019】
投入用回転駆動源の自動制御部は、時間や加熱対象物の温度などの各種条件に基づいて自動的にか、または手動入力部で設定入力した稼働パターンや、選択入力した稼働モードなどに従うようにするかして、軸流螺旋翼の回転数を自動制御可能とする機能を担い、投入用回転駆動源用の電源、バッテリー、増幅器などからの電力供給を自動制御可能なものとしなければならず、マイコン、ソリッドステート・リレー、プログラマブルロジックコントローラ、または、有接点リレー方式や無接点リレー方式のシーケンサなど様々な制御装置からなるものとすることが可能であり、また、手動入力部は、利用者の手動入力による粒状燃料投入量操作を可能とする機能を担うものであり、自動制御部を手動制御可能とするものの外、自動制御部を手動停止・起動可能なものとしたり、投入用回転駆動源への電力供給を手動入力で可変可能とするようにした可変抵抗のボリュームスイッチやチャンネルスイッチ、または数値入力可能なボタンスイッチなどとすることができる。
【0020】
粒状燃料用自動投入機の燃料受容部は、投入パイプ拡開導入部に先立ち、所定量の粒状燃料を一時的に備蓄または収容可能とする領域を形成する機能を分担し、投入パイプ拡開導入部と投入用回転駆動源との間で、軸流螺旋翼の基端寄り中途部を包囲可能な器型またはパイプ型の何れか一方としなければならず、後述する実施例にも示してあるように、該燃料受容部の上部に粒状燃料用供給口を形成したものとするのが望ましいが、左右方向から横向きに、下方から上向きに、または斜め方向からなど、該燃料受容部周囲の様々な方向の何れかからでも粒状燃料を供給可能なものとすることができる。
【0021】
粒状燃料用燃焼装置は、粒状燃料用自動投入機から粒状燃料の投入を受け、安全且つ効率的に燃焼し、これによって発生した熱を燃焼室外の空気や水、油、その他の熱媒質に効率的に伝達し、様々な産業上利用可能な発熱源になるという機能を果たし、後述する実施例に示すように、燃焼室を内蔵した燃焼装置外装体の外がわから、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわだけを水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、この燃焼室内適所に向けて貫通・接続してなるものとすることができる外、該燃焼室を内蔵した燃焼装置外装体の外がわ適所から、中継容器部および同中継容器部から垂下するようにした投下管からなる燃料ホッパの、該投下管下端がわを地上水平面に対し、40°ないし70°、望ましくは50°ないし60°の下向き傾斜姿勢で、該燃焼室内適所に向けて貫通・接続し、同燃料ホッパ中継容器部の上部適所には、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわを水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該投下管上端に臨ませるよう組み込んでなるものなどとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面は、この発明の粒状燃料用自動投入機、およびそれを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】粒状燃料を投下する自動投入機を断面化して示す側面図である。
【図2】粒状燃料用自動投入機を断面化して示す側面図である。
【図3】粒状燃料用自動投入機を断面化して示す平面図である。
【図4】図3の矢印A方向から軸流螺旋翼の供給管部内偏心配置例を示す正面図である。
【図5】図3の矢印A方向から軸流螺旋翼の供給管部内偏心配置例を示す正面図である。
【図6】図3の矢印A方向から軸流螺旋翼の供給管部内偏心配置例を示す正面図である。
【図7】粒状燃料用自動投入機を示す側面図である。
【図8】粒状燃料用自動投入機を示す平面図である。
【図9】パイプ型燃料受容部の自動投入機を断面化して示す側面図である。
【図10】パイプ型燃料受容部の自動投入機を断面化して示す平面図である。
【図11】有軸軸流螺旋翼の粒状燃料用自動投入機を示す側面図である。
【図12】有軸軸流螺旋翼の粒状燃料用自動投入機を示す平面図である。
【図13】粒状燃料用燃焼装置を断面化して示す側面図である。
【図14】粒状燃料用燃焼装置を一部断面化して示す平面図である。
【図15】粒状燃料用燃焼装置を断面化して示す正面図である。
【図16】粒状燃料用燃焼装置の他の例を断面化して示す正面図である。
【実施例1】
【0023】
図1ないし図8に示す事例は、供給管部20の一端を送出端21とし、同送出端21とは反対がわの端部22に拡開導入部23を一体化して投入パイプ2を形成し、該投入パイプ2拡開導入部23の後部に、粒状燃料Vを受容可能な器型の燃料受容部4を配し、該燃料受容部4よりも後方に配した投入用回転駆動源5に軸流螺旋翼3の基端30を連結し、且つ同軸流螺旋翼3を投入パイプ2内に縦貫してなるものとした、この発明の粒状燃料用自動投入機における代表的な一実施例を示すものである。
【0024】
図1ないし図8の各図からも明確に把握できるとおり、この発明の粒状燃料用自動投入機1は、その投入パイプ2が、所定内径・所定長の円筒直管形とした供給管部20の一端を送出端21とし、同送出端21とは反対がわの端部22に、内径を遠心方向に拡大させて横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部23を一体化してなるものに形成し、該投入パイプ2拡開導入部23、および同拡開導入部23の後部を含む範囲は、天面を開放した矩形器型で、所定量の粒状燃料Vを受容可能な容積の燃料受容部4で包囲し、該燃料受容部4よりも後方に配した投入用回転駆動源5の出力軸50に、当該投入パイプ2供給管部20の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した弾性素材製円筒状コイルバネからなる軸流螺旋翼3の基端30を連結し、且つ同軸流螺旋翼3の中途部31を投入パイプ2内に縦貫し、この軸流螺旋翼3の自由先端32を供給管部20送出端21に臨ませてなるものとし、図4ないし図6の何れか1つに示すよう、軸流螺旋翼3の回転軸心3Cは、投入パイプ2供給管部20の内径円断面形中心2Cよりも左右何れか一方の斜め上方か、または、鉛直上方かの何れか一方向に偏心して配置するよう組み込んでなるものとしてある。
図4ないし図6の軸流螺旋翼3の外径と供給管部20内径との寸法差は、理解し易くするため強調して図示してあり、実際の上下隙間の寸法差は、例えば3ないし8mm程度などといった僅かなものである。
【0025】
さらに、図1に示すように、当該粒状燃料用自動投入機1には、その投入用回転駆動源5が、温度センサー62を有する自動制御部51および手動入力部52を有し、軸流螺旋翼3の回転数を自在に制御可能なものとしてあり、また、燃料受容部4の適所に、自動制御部51の制御を受け、投入用回転駆動源5の動作に連動し、粒状燃料Vの所定量を供給可能とした自動燃料補充機6を組み合わせてなるものとしてある。
【実施例2】
【0026】
図9および図10に示すように、当該粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の燃料受容部4は、拡開導入部23後端に連続し、投入用回転駆動源5直前に配した後端隔壁40まで連続する一定内径のパイプ状に形成し、その上部に平面形矩形状の漏斗部41を一体化形成してなるものとすることが可能であり、また、図11および図12に示すように、当該粒状燃料用自動投入機1軸流螺旋翼3は、有軸スクリューコンベア型のものに置き換えることが可能である。
【実施例3】
【0027】
図13ないし図15に示す事例は、燃焼装置外装体80内蔵の燃焼室81に、外がわから燃料ホッパ9投下管91を貫通し、該燃料ホッパ9中継容器部90に、粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の供給管部20を接続してなるものとした、この発明の粒状燃料用自動投入機1を組み込んでなる粒状燃料用燃焼装置の一例を示すものであり、当該粒状燃料用燃焼装置8は、矩形箱型の燃焼装置外装体80内、前端寄りの範囲に横転ドラム型の燃焼室81を内蔵し、正面中央に燃焼室81用の開閉扉82を設け、該燃焼装置外装体80内壁と燃焼室81外壁との間に空気循環路空間83を形成し、該燃焼装置外装体80の天面中央であって燃焼室81の後端寄り直上付近に送風ファン84を内蔵した吸気ダクト85を立設し、該燃焼装置外装体80後端寄りの側壁から送気ダクト86を水平に延伸し、図13および図15に鎖線矢印で示すように、吸気ダクト85から空気循環路空間83に吸入し、加熱した空気を送気ダクト86から送出可能なものとし、さらに、該燃焼室81天面適所には、図示しない外気供給ファンを設けると共に、同燃焼室81後端から燃焼装置外装体80後端壁を横断貫通し、延伸した排気管路87は、煤煙除去器88を通じて屋外まで誘導、延伸されたものとしてある。
【0028】
図13ないし図16に示すように、当該粒状燃料用燃焼装置8は、燃焼装置外装体80の外がわ適所から、中継容器部90および同中継容器部90から垂下した投下管91よりなる燃料ホッパ9の、該投下管91下端がわを地上水平面に対し、傾斜角度αが60°(図15に示す)の下向き傾斜姿勢で、該燃焼室81内適所に向けて貫通、接続するようにし、同燃料ホッパ9中継容器部90の上部適所には、実施例2の図9および図10中に示した、粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の供給管部20先端がわを水平姿勢とし、同投下管91上端に臨ませるよう組み込んだものとしてあり、さらに、図13および図14に示すように、この粒状燃料用自動投入機1燃料受容部4上には、漏斗型補充タンク61下端の補充管中途箇所に、自動制御部51からの制御を受けて開閉動作する開閉弁62を設けるようにした自動燃料補充機6を組み合わせたものとしてある。
【0029】
図14および図15に示すように、燃料ホッパ9中継容器部90には、中継容器部90内が粒状燃料V着火温度に達した場合、これを検知して常時閉鎖された電磁バルブを自動的に緊急開放する消火センサー93と、該消火センサー93を通じて中継容器部90内に消火水を圧送可能な消火ホース94とからなる自動消火機構92を組み込んでなるものとしてあり、また、図16に示すように、当該粒状燃料用燃焼装置8は、燃焼装置外装体80の外がわから、傾斜姿勢αを25°とした粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の供給管部20先端がわを燃焼室81内適所に向けて貫通、接続した上、燃料受容部4上に、図13および図14に示してあるような自動燃料補充機6を組み込んでなるものとしてある。
【0030】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の粒状燃料用自動投入機1は、図1ないし図3に示すように、弾性素材製円筒状コイルバネからなる無軸型の軸流螺旋翼3を採用し、且つ、燃料受容部4に臨む投入パイプ2の端部22に拡開導入部23を形成してあるから、木質系ペレットに留まらず、従前まで利用不可能であった木材チップや籾殻などの粉状燃料や粒状燃料Vも目詰まりすることなく、投入パイプ2供給管部20内に円滑に誘導、移送することが可能である上、図4ないし図6に示すように、軸流螺旋翼3の回転軸心3Cを投入パイプ2供給管部20の内径円断面形中心2Cよりも左右何れか一方の斜め上方とするか、または、鉛直上方かの何れか一方向に偏心して配置するかするよう組み込み、投入パイプ2供給管部20内周壁底面と軸流螺旋翼3の下がわ周縁との隙間が、他の周縁よりも僅かに広く確保するようにしてあることから、さらに、目詰まりの発生を阻止して円滑且つ均一の搬送を実現化するものとなる。
【0031】
そして、図1に示すものでは、温度センサー62を有する自動制御部51および手動入力部52を有しており、温度センサー62の検知温度が、予め設定した温度よりも低ければ、投入用回転駆動源5を起動して、図示のように粒状燃料Vの送出を開始するものとなり、検出温度が、予め設定した温度よりも高ければ、投入用回転駆動源5を停止して粒状燃料Vの送出をストップするよう自動制御することが可能である。
【0032】
また、この図1に示してある自動制御部51は、温度センサー62の検知温度が予め設定した適温範囲にある場合、一定時間毎に投入用回転駆動源5を駆動し、粒状燃料Vの一定量を送り出すようにすることが可能であり、検知温度が、予め設定した温度範囲よりも低くなったときには、投入用回転駆動源5の回転速度を高め、粒状燃料Vの単位時間当たりの供給量を増加し、検知温度が、予め設定した温度範囲よりも高くなったときには、投入用回転駆動源5の回転速度を抑え、粒状燃料Vの単位時間当たりの供給量を減少させるよう自動制御するものとすることが可能であり、当該粒状燃料用自動投入機1に組み合せた自動燃料補充機6もまた、投入用回転駆動源5の回転数に連動し、粒状燃料Vを安定供給するよう自動制御するものとなる。
【0033】
(実施例2の作用・効果)
図9および図10に示してある事例では、粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の拡開導入部23後端に続く燃料受容部4を、円筒形状且つ一体、連続型のものとし、上部に漏斗部41を形成してなるものは、燃料受容部4に投入した粒状燃料(図示せず)を一段と確実であって、軸流螺旋翼3のピッチ間に無駄なく供給することが可能となり、一層安定した粒状燃料の円滑供給を実現化するものとなる。
【0034】
そして、図11および図12に示すもののように、有軸型の軸流螺旋翼3を採用するようにした粒状燃料用自動投入機1は、それまでの図1ないし図10に示してある無軸型の軸流螺旋翼3を採用した粒状燃料用自動投入機1に比較し、軸を有して流通断面積が小さくなってしまうため、形状の安定しない木材チップや籾殻などを円滑に搬送する性能に劣るものとなってしまうが、投入パイプ2の拡開導入部23、および、図4ないし図6に示すような投入パイプ2内軸流螺旋翼3の上寄り、偏心配置などとすることによって、従来型スクリューコンベアに比較すると、目詰まり発生率を格段に低減化でき、安定且つ円滑な搬送の実現化に大いに寄与するものとなる。
【0035】
(実施例3の作用・効果)
さらに、図13ないし図15に示してあるとおりの粒状燃料用自動投入機1を組み込んだ粒状燃料用燃焼装置8に依るものでは、施設栽培用ビニールハウス室(図示せず)内に設置した場合、その吸気ダクト85および送気ダクト86を共にビニールハウス室内に開放し、排気管路87をビニールハウス室外に導出、開放するよう設置したものとし、電源を供給して運転を開始する場合には、漏斗型補充タンク61に必要量の粒状燃料Vを投入し、これとは別に燃焼室81中央付近にも少量の点火用粒状燃料Vを投入、着火した上に、図示しない外気供給ファンを起動し、燃焼室81内着火点付近にビニールハウス室内空気を強制的に供給して火力を高めるようにしてから、粒状燃料用自動投入機1投入用回転駆動源5、および自動燃料補充機6開閉弁62を起動するものであり、自動制御部51は、夫々手動入力部52にて手動入力操作し、その入力値に応じたタイマー式の自動制御や、ビニールハウス室内気温を測定可能とするよう設置した温度センサー60の検出値に基づく、リレー、マイコンなどにより、投入用回転駆動源5および開閉弁67を連動させるよう、夫々自動制御可能なものとすることができる。
【0036】
図13ないし図15に示す、自動燃料補充機6から粒状燃料用自動投入機1燃料受容部4に供給した粒状燃料V(図1参照)は、軸流螺旋翼3のゆっくりとした回転で少量ずつ燃料ホッパ9中継容器部90底部の投下管91上端開口直上付近から落下供給され、60°の傾斜角度αに設定した同投下管91を通じ、燃焼室81中央付近の点火用粒状燃料V上に円滑に落下し、次々に燃焼するよう動作すると共に、該投下管91は急勾配姿勢となっていて、粒状燃料V投下直後に常時空になり、燃焼室81から投下管91への延焼を防止することができ、燃焼室81内の高温燃焼で発生した燃焼排気は、排気管路87、煤煙除去器88を通じて冷却、清浄化後、施設栽培用ビニールハウス室外の外気中に排気するものとなる一方、図13および図15に鎖線白抜き矢印で示すように、吸気ダクト85の送風ファン84を起動し、ビニールハウス室内空気を燃焼装置外装体80内の空気循環路空間83に強制的に供給し、燃焼室81外周壁や、燃焼装置外装体80内排気管路87を介して加熱し、その温風を送気ダクト86からビニールハウス室内に強制循環するものとなる。
【0037】
ビニールハウス室内気温が、予め設定した気温を超えると、温度センサー62がそれを検知し、自動制御部51が、粒状燃料用自動投入機1投入用回転駆動源5を停止し、且つ、自動燃料補充機6開閉弁67を閉鎖状態に停止し、温度の上昇を自動的に抑制するものとなり、このとき粒状燃料供給が停止した燃焼室81内は、燃え残りの粒状燃料Vが、木炭状の残り火となって長時間に渡り着火温度を維持するものとなり、その後に、ビニールハウス室内気温が、予め設定した気温より低下すると、温度センサー62がそれを検知し、自動制御部51が、粒状燃料用自動投入機1投入用回転駆動源5を起動すると共に、自動燃料補充機6開閉弁67の開閉動作を開始し、粒状燃料供給を自動的に再開するものとなり、このように粒状燃料供給を再開した場合には、燃焼室81内に残った粒状燃料Vの木炭状の残り火に、新たな粒状燃料を投入し、これに燃え移りながら再燃焼を開始するものとなる。
【0038】
万が一何等かの原因により、図13ないし図15に示す、燃料ホッパ9投下管91を通じ燃焼室81の火炎が中継容器部90内に進入、延焼して異常高温になった場合、自動消火機構92消火センサー93が緊急開放し、消火ホース94を通じて消火水を自動放水し、自動的に消火するものとなる。
【0039】
図16に示す、当該粒状燃料用燃焼装置8は、図13ないし図15に示した、燃料ホッパ9を廃止し、粒状燃料用自動投入機1投入パイプ2の供給管部20先端21がわを傾斜姿勢α(25°)で燃焼室81内適所に向け、直接的に貫通・接続してあり、図13ないし図15に示したもののように、燃料ホッパ9を装着した場合に比較して部品点数を削減し、製造コストを低減することができ、さらにまた、図示していないが、燃焼室81に対して粒状燃料用自動投入機1を水平姿勢に接続し、その上に自動燃料補充機6を搭載したものとした場合には、自動燃料補充機6の補充タンク61を一段と低い位置に設置可能となり、粒状燃料V(図示せず)を地上から該補充タンク61まで持ち上げる高さを低くし、補給作業の労働負担を大幅に軽減することができるものとなる。
【0040】
(結 び)
叙述の如く、この発明の粒状燃料用自動投入機、およびそれを組み込んだ粒状燃料用燃焼装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、簡素且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、従前からの木質系ペレット専用の固形燃料供給・燃焼技術に比較し、これまでそのままボイラーやストーブなどの自動供給燃料としては、全く使用不可能とされてきた木材チップや籾殻などの異形状燃料も、円滑且つ安全に利用可能なものとなり、地元農林業で発生する間伐材や農業廃棄物などを有益な燃料として地産地消可能とすることができ、これまで価格の安定しない輸入化石燃料に頼らざるを得ず、大きな経済的負担を負わなければならなかった施設栽培農家はもとより、間伐材や籾殻などの産業破棄物に多大な経費を遣って適正に廃棄処理しなければならなかった農林業界にとって有利な供給先が新たに生み出されることになり、再生可能エネルギーの利用を格段に促進でき、さらに小型・軽量化すれば、光熱費の高騰に悩み、自然環境に優しい生活を希望する一般家庭や各企業施設の暖房などへの応用の可能性も広がるから、給湯機器業界や暖房機業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【符号の説明】
【0041】
1 粒状燃料用自動投入機
2 投入パイプ
20 同 供給管部
21 同 送出端
22 同 反対端部
23 同 拡開導入部
2C 供給管部内径中心
3 軸流螺旋翼
30 同 基端
31 同 中途部
32 同 自由先端
3C 軸流螺旋翼回転軸心
4 燃料受容部
40 同 後端隔壁
41 同 漏斗部
5 投入用回転駆動源
50 同 出力軸
51 同 自動制御部
52 同 手動入力部、
6 自動燃料補充機
60 同 温度センサー
61 同 補充タンク
62 同 開閉弁
8 粒状燃料用燃焼装置
80 同 燃焼装置外装体
81 同 燃焼室
82 同 開閉扉
83 同 空気循環路空間
84 同 送風ファン
85 同 吸気ダクト
86 同 送気ダクト
87 同 排気管路
88 同 煤煙除去器
9 燃料ホッパ
90 同 中継容器部
91 同 投下管
92 同 自動消火機構
93 同 消火センサー
94 同 消火ホース
α 投下管91の傾斜角度
V 粒状燃料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとしたことを特徴とする粒状燃料用自動投入機。
【請求項2】
所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませ、投入用回転駆動源で回転駆動する該軸流螺旋翼が、燃料受容部に収容した粒状燃料を供給管部に向け移送すると、当該拡開導入部が、軸流螺旋翼と供給管部内周壁との間に目詰まりを生じないよう円滑に誘導できるようにしてなるものとしたことを特徴とする粒状燃料用自動投入機。
【請求項3】
所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した弾性素材製円筒状コイルバネからなる無軸型軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとしたことを特徴とする粒状燃料用自動投入機。
【請求項4】
軸流螺旋翼の回転軸心は、投入パイプ供給管部の内径円断面形中心よりも左右何れか一方の斜め上方か、または鉛直上方かの何れか一方向に偏心して配置するよう組み込んでなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の粒状燃料用自動投入機。
【請求項5】
投入用回転駆動源は、温度センサーを有する自動制御部および/または手動入力部を有し、軸流螺旋翼の回転数を自在に制御可能なものとしてなる、請求項1ないし4何れか一項記載の粒状燃料用自動投入機。
【請求項6】
燃焼室を内蔵した燃焼装置外装体の外がわから、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわだけを、水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該燃焼室内適所に向けて貫通・接続し、請求項1ないし5何れか一項記載の粒状燃料用自動投入機を組合せてなるものとした粒状燃料用燃焼装置。
【請求項7】
燃焼室を内蔵する燃焼装置外装体の外がわ適所には、中継容器部および同中継容器部から垂下させた投下管からなる燃料ホッパの、同投下管下端がわを、地上水平面に対し40°ないし70°、望ましくは50°ないし60°の下向き傾斜姿勢で、この燃焼室内適所に向けて貫通、接続するようにし、同燃料ホッパ中継容器部の上部適所には、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわを、水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該投下管上端に臨ませるよう組み込み、請求項1ないし6何れか一項記載の粒状燃料用自動投入機を組み合せてなるものとした粒状燃料用燃焼装置。
【請求項1】
所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとしたことを特徴とする粒状燃料用自動投入機。
【請求項2】
所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませ、投入用回転駆動源で回転駆動する該軸流螺旋翼が、燃料受容部に収容した粒状燃料を供給管部に向け移送すると、当該拡開導入部が、軸流螺旋翼と供給管部内周壁との間に目詰まりを生じないよう円滑に誘導できるようにしてなるものとしたことを特徴とする粒状燃料用自動投入機。
【請求項3】
所定内径の所定長円筒直管形とした供給管部の一端を送出端とし、同送出端とは反対がわの端部には、内径を遠心方向に拡大し、横転杯型のように漏斗状とした拡開導入部を一体化して投入パイプを形成し、該投入パイプ拡開導入部の後部に、粒状燃料を受容可能な器型かパイプ型かの何れか一方とした燃料受容部を配し、該燃料受容部よりも後方に配した投入用回転駆動源の出力軸に、当該投入パイプ供給管部の所定内径より僅かに小さな所定外径、所定ピッチに設定した弾性素材製円筒状コイルバネからなる無軸型軸流螺旋翼の基端を連結し、且つこの軸流螺旋翼の中途部を投入パイプ内に縦貫し、その自由先端を供給管部送出端に臨ませてなるものとしたことを特徴とする粒状燃料用自動投入機。
【請求項4】
軸流螺旋翼の回転軸心は、投入パイプ供給管部の内径円断面形中心よりも左右何れか一方の斜め上方か、または鉛直上方かの何れか一方向に偏心して配置するよう組み込んでなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の粒状燃料用自動投入機。
【請求項5】
投入用回転駆動源は、温度センサーを有する自動制御部および/または手動入力部を有し、軸流螺旋翼の回転数を自在に制御可能なものとしてなる、請求項1ないし4何れか一項記載の粒状燃料用自動投入機。
【請求項6】
燃焼室を内蔵した燃焼装置外装体の外がわから、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわだけを、水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該燃焼室内適所に向けて貫通・接続し、請求項1ないし5何れか一項記載の粒状燃料用自動投入機を組合せてなるものとした粒状燃料用燃焼装置。
【請求項7】
燃焼室を内蔵する燃焼装置外装体の外がわ適所には、中継容器部および同中継容器部から垂下させた投下管からなる燃料ホッパの、同投下管下端がわを、地上水平面に対し40°ないし70°、望ましくは50°ないし60°の下向き傾斜姿勢で、この燃焼室内適所に向けて貫通、接続するようにし、同燃料ホッパ中継容器部の上部適所には、粒状燃料用自動投入機投入パイプの供給管部先端がわを、水平姿勢か、または僅かに下向き傾斜姿勢かの何れか一方の姿勢で、該投下管上端に臨ませるよう組み込み、請求項1ないし6何れか一項記載の粒状燃料用自動投入機を組み合せてなるものとした粒状燃料用燃焼装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−15236(P2013−15236A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146827(P2011−146827)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(511161085)最 上 蘭 園 有限会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(511161085)最 上 蘭 園 有限会社 (3)
【Fターム(参考)】
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