説明

粒状物包装袋

【課題】 内部の空気を十分な速さで抜くことができ、しかも袋の表面の滑りが悪く袋を積み上げた場合でも、滑り落ちにくい粒状物包装袋を提供する。
【解決手段】 全面にわたって縦横方向とも1.0〜6.0mmのエンボスピッチで両面エンボスが施された2枚の合成樹脂フィルム1を、袋にした際の外側が凹面11、内側が凸面12となるように重ね合わせてなる袋であって、該袋の4辺のうち少なくとも1辺に熱接着部31と非熱接着部32とからなる断続熱接着部3が形成されていることを特徴とする粒状物包装袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は米、大豆、小豆などの穀物や肥料などの粒状物を包装するのに好適な袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米は紙、合成樹脂フィルムなどを貼り合わせた袋に入れて流通されている。ところが、この袋を輸送や保管のために積み上げた際に、袋内の空気が圧縮されて空気圧が高くなり、その空気圧によって破袋したり、袋内に閉じ込められた空気のために袋の安定性が損なわれるため、袋が滑り落ちて荷崩れするといった問題があった。
【0003】
このような問題を解決して、袋内の空気は速やかに抜けるが、外部から袋内に水や虫が侵入することのない各種形状の包装袋が提案されている。このような要求に答えるものとして、例えば、最近では袋の少なくとも1辺に熱接着部と非熱接着部からなる断続熱接着部を1重、或いは2重、3重に形成し、しかも非熱接着部の幅やその配置を適宜設計することで袋内部の米粒などの粒状物は飛び出さないが袋を積み上げたときには非熱接着部から内部の空気が抜ける袋が提案されている。しかしながら非熱接着部の幅を米粒などの粒状物が袋内部から飛び出さないように狭くすると空気が十分な速さで抜けないという問題があった。
【0004】
そして、そのような問題を解決するために、特許文献1には一部を未接着にして空気抜きの小孔を形設し、未接着部における接合面の少なくとも一方に、エンボス加工により微細凹凸を形成することで空気抜きのための小孔が閉塞することなくスムーズに空気が抜ける包装袋が、特許文献2には断続線状の融着部が配設された帯域の表裏のシートにエンボス加工を施すことが、特許文献3には積層フィルムの断続熱接着部が形成される領域に前もって凹凸を形成した状態で断続熱接着部を設けることが記載されている。
【0005】
しかしながら、いずれもこれらのエンボス加工による凹凸は袋の内面の、しかも非熱接着部付近にのみ設けるものであり、例えば、特許文献1、3の場合、エンボスの位置と非熱接着部との位置を合わせるのが困難となる場合があった。
【0006】
一方、表面にエンボス加工を施した合成樹脂フィルムは手触りや意匠性に優れていることから各種包装袋に多用されている。一般に、エンボス加工を施したフィルムは表面に凹凸を有しているので、エンボス加工を施していないフィルム同士に比べるとフィルム同士の接触面積が小さくなるので滑りやすくなると考えられてきた。したがって、上述したように積み上げた時に袋が滑り落ちて荷崩れすることが困る用途の袋に使用した例は見られなかった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−190992号公報
【特許文献2】特開2001−31115号公報
【特許文献3】特開2002−211585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、エンボスの位置と非熱接着部との位置合わせを気にすることなく製袋ができて、非熱接着部の間隔を例えば、米袋とした場合に米粒が抜けない程度にした場合でも内部の空気を十分な速さで抜くことができ、しかも袋同士の外面の滑りが防止されていて袋を積み上げた場合でも、滑り落ちにくい粒状物包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明は、
(1)全面にわたって縦横方向とも1.0〜6.0mmのエンボスピッチで両面エンボスが施された2枚の合成樹脂フィルムを、袋にした際の外側が凹面、内側が凸面となるように重ね合わせてなる袋であって、該袋の4辺のうち少なくとも1辺に熱接着部と非熱接着部とからなる断続熱接着部が形成されていることを特徴とする粒状物包装袋。
(2)全面にわたって縦横方向とも0.7〜6.0mmのエンボスピッチで両面エンボスされた合成樹脂フィルムを、袋にした際の外側が凹面、内側が凸面となるようにして、もう一方のエンボスが施されていない合成樹脂フィルムと重ね合わせてなる袋であって、該袋の4辺のうち少なくとも1辺に熱接着部と非熱接着部とからなる断続熱接着部が形成されていることを特徴とする粒状物包装袋。
(3)エンボス深さが20〜300μmであることを特徴とする(1)又は(2)記載の粒状物包装袋。
(4)合成樹脂フィルムが、内面印刷が施された基材フィルムとシーラントフィルムとを積層してなる積層フィルムであることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の粒状物包装袋。
をその要旨とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の粒状物包装袋は、全面にわたって両面エンボスが施された合成樹脂フィルムを使用するので絵柄が印刷されている場合は、エンボスの効果によって絵柄に深みがでるなど意匠性に優れているばかりでなく、エンボス加工を施していない合成樹脂フィルム同士に比べて滑りにくくなっているので積み上げたときの荷崩れを防止するという効果を有している。
しかも、両面エンボスによって袋の内側の全面にわたって凸部が存在するので非熱接着部から袋内の空気がスムーズに抜けると同時に、従来の欠点であった非熱接着部とエンボス加工部との位置関係を合わせる必要がないので袋の製造も簡便であるという効果も有している。
さらに、凸部の存在により袋に米などの粒状物を充填する際の口開きが良いという利点も有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、本発明の粒状物包装袋に用いる合成樹脂フィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリエチレン系樹脂やプロピレンの単独重合体やエチレン/プロピレン共重合体などのポリプロピレン系樹脂(PP)、或いはエチレン/ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;66ナイロン、6ナイロン、12ナイロン、メタキシレンジアミン/アジピン酸重縮合体などのポリアミド系樹脂(NY)などから選ばれる合成樹脂からなる単層若しくはそれらを積層した多層フィルムが挙げられる。
【0012】
特に、本発明においてはポリエチレンテレフタレート(PET)、66ナイロン、6ナイロンなどのポリアミド樹脂(NY)、ポリプロピレン系樹脂(PP)からなるフィルムを基材フィルムとして、それに低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリエチレン系樹脂からなるシーラントフィルムを積層した多層フィルムが好ましい。更に、本発明においては内面印刷が施された基材フィルム(内面側、すなわち接着面側に印刷を施したフィルム。)にシーラントフィルムを積層してなる多層フィルムを合成樹脂フィルムとして使用した場合に印刷した図柄に深み感を与えることができ意匠性が向上するのでより好ましい。具体的な合成樹脂フィルムとしてはNY/印刷層/LDPE/LLDPEのような構成の多層フィルムが挙げられる。
本発明で使用する合成樹脂フィルムの総厚みは50〜200μm、好ましくは70〜120μmである。
【0013】
更に、本発明においては袋を形成する際に、重ね合わす2枚の合成樹脂フィルムの少なくとも一方に全面にわたって両面エンボスされた上記合成樹脂フィルムを使用することが必要である。ここで両面エンボスとはフィルムの両面にエンボス模様が付されていることを意味している。例えば、エンボスロールと弾性変形可能なロールとの間に合成樹脂フィルムを挿入してエンボス加工を行うと合成樹脂フィルムのエンボスロール側にはエンボスロールに刻印された凸状部に対応する凹部を有し、反対面には凸状部に対応する凸部を有する両面エンボスされた合成樹脂フィルムが得られるのである。一方、エンボスロールと金属ロールなどのように変形しないロールとの間に合成樹脂フィルムを挿入してエンボス加工を行った場合は合成樹脂フィルムのエンボスロール側にはエンボスロールに刻印された凸状部に対応する凹部を有するものの反対側は凹凸のないフラットなフィルム面となるので本発明では使用できない。なお、本発明においては両面エンボスされる前の合成樹脂フィルムの元の面を基準として凹部を有する面を凹面、凸部を有する面を凸面と表現することとする。
【0014】
また、両面エンボスにおけるエンボスの形状については、亀甲、ダイヤ、絹目など特に制限はないが、両面エンボスされたフィルム同士を2枚重ねて袋を形成する場合にはエンボスのピッチが縦方向、横方向とも1.0〜6mm、好ましくは1.2〜5.0mm、より好ましくは1.5〜4.5mmである。エンボスのピッチが1.0mm未満では滑りを防止する効果に乏しいばかりか逆に滑りやすくなるので好ましくなく、6.0mmを超えると後述する非熱接着部にエンボス加工された部分が存在しなくなる可能性が生じるので好ましくない。
一方、両面エンボスされたフィルムと非エンボスフィルムとを重ねて袋を形成する場合にはエンボスのピッチが縦方向、横方向とも0.7〜6mm、好ましくは0.8〜5.0mmである。エンボスのピッチが0.7mm未満では滑りを防止する効果に乏しく、6.0mmを超えると後述する非熱接着部にエンボス加工された部分が存在しなくなる可能性が生じるので好ましくない。
また、エンボス深さは20〜300μm、特に30〜130μmであることが好ましい。なお、エンボス深さとは、エンボス加工によって形成された凸部の高さを意味していて、具体的には凸部を含む厚みから元の合成樹脂フィルムの厚みを差し引いた値である。
【0015】
さて、本発明の粒状物包装袋は上述した全面にわたって両面エンボスされた合成樹脂フィルムを用いて製造するのであるが、エンボス面が、図1に示すように袋にした際の外側が凹面11、内側が凸面12となるように全面にわたって両面エンボスされた2枚の合成樹脂フィルム1を重ね合わせるか、或いは図2に示すように袋にした際の外側が凹面11、内側が凸面12となるように全面にわたって両面エンボスされた合成樹脂フィルム1とエンボスが施されていない合成樹脂フィルム2とを重ね合わせるようにする必要がある。すなわち、袋の外側の両面を凹面とするか、或いは外側の一方が凹面、もう一方がフラットな非エンボス面とすることで得られた袋を積み上げた場合の滑りが防止され、荷崩れを防止することが可能となるのである。逆に、外側が凸面同士、或いは凸面とフラットな非エンボス面としたのではフラットな非エンボス面同士となる従来の袋より滑りやすくなるので好ましくない。
【0016】
次いで、2枚の重ね合わせた合成樹脂フィルムを4辺のうちの少なくとも1辺が熱接着部31と非熱接着部32とからなる断続熱接着部3となるようにシール(熱接着部を形成)する必要がある。この断続熱接着部3の形状については1重、或いは2重、3重の何れであっても特に問題はなく、また、熱接着部32の形状も台形状、三角形状、スポット状、四角形状、半円形状など何れでも特に問題はないが、断続熱接着部3を袋の両側部に形成し、しかも非接着部32が袋の内部側の間隔が狭く、外部側が広くなるようにすれば米粒などの粒状物が飛び出しにくく空気が抜けやすいので好ましい。なお、非接着部32の最も狭い箇所の間隔は3.0〜5.0mmの間にするのが好ましい。
【実施例】
【0017】
以下に本発明を実施例にしたがって詳細に説明する。
なお、合成樹脂フィルムとしては内面側に図柄を印刷したナイロンフィルムを基材フィルムとして、印刷面側に低密度ポリエチレンを介して直鎖状低密度ポリエチレンをサンドラミネートして得られた総厚みが95μmである積層フィルム(NY/LDPE/LLDPE)を使用した。
なお、動摩擦係数はASTM D1894に準拠して測定した。
また、摩擦角は2.7度/秒で傾斜できるテーブルにフィルムを取り付け、その上に表面にフィルムを取り付けたスレッドメタル(重さ1.0kg、幅63.5mm、長さ101.6mm)を置いて傾斜させ、スレッドメタルが滑り始めるときの角度で評価した。したがって、動摩擦係数、摩擦角ともに滑りにくくなるほど数値が大きくなる。
【0018】
実施例1
上述した合成樹脂フィルムのナイロンフィルム側が凹面となるようにダイヤ模様の両面エンボス(袋の長さ方向のエンボスピッチが4.0mm、幅方向のエンボスピッチが2.8mm、エンボス深さが35μm)を施した。次いで得られた合成樹脂フィルムのナイロンフィルム側が各々外側になるように重ね合わせて両側部が断続熱接着部3(非熱接着部32が片側に8カ所であって、非熱接着部の間隔が袋内部側で3.5mm、外部側で20mm)となるように幅10mmでシールし、底部には連続シールを施して本発明の粒状物包装袋を得た。
得られた袋のナイロンフィルム面(凹面)同士の動摩擦係数は袋の長さ方向で0.65、幅方向で0.40であり、摩擦角は袋の長さ方向で33.3度、幅方向で36.8度であった。
また、得られた袋に所定量の米を詰め、開口部をシールして封鎖した後5段に積み上げたところ袋内の空気はスムーズに抜け、また安定性にも優れていた。
【0019】
比較例1
合成樹脂フィルムにエンボス処理が施されていない以外は実施例1と同様にして粒状物包装袋を得た。得られた袋の外側同士の動摩擦係数は0.32、摩擦角は16.6度(縦横方向とも同じ)であって滑りを防止するには不十分であった。
また、得られた袋に所定量の米を詰め、開口部をシールして封鎖した後5段に積み上げたが非熱接着部が十分に開かず袋内の空気がスムーズに抜けなかった。
【0020】
実施例2
亀甲模様の両面エンボス(袋の長さ方向のエンボスピッチが2.1mm、幅方向のエンボスピッチが1.4mm、エンボス深さが115μm)とした以外は実施例1と同様にして本発明の粒状物包装袋を得た。得られた袋のナイロンフィルム面(凹面)同士の動摩擦係数は袋の長さ方向で0.39、幅方向で0.33であり、摩擦角は袋の長さ方向で27.5度、幅方向で23.8度であった。
また、得られた袋に所定量の米を詰め、開口部をシールして封鎖した後5段に積み上げたところ袋内の空気はスムーズに抜け、また安定性にも優れていた。
【0021】
実施例3
実施例1で使用した両面エンボスされた合成樹脂フィルムのナイロンフィルム面(凹面)が外側になるように置き、エンボスを施していない合成樹脂フィルムと重ねた以外は実施例1と同様にして本発明の粒状物包装袋を得た。得られた袋の凹面とフラット面(非エンボス)との動摩擦係数は袋の長さ方向で0.79、幅方向で0.40であり、摩擦角は袋の長さ方向で35.1度、幅方向で35.6度であった。
また、得られた袋に所定量の米を詰め、開口部をシールして封鎖した後5段に積み上げたところ袋内の空気はスムーズに抜け、また安定性にも優れていた。
【0022】
実施例4
上述した合成樹脂フィルムのナイロンフィルム側が凹面となるように絹目模様の両面エンボス(袋の長さ方向のエンボスピッチが0.9mm、幅方向のエンボスピッチが0.9mm、エンボス深さが65μm)を施した。ついで、当該両面エンボスフィルムのナイロンフィルム面(凹面)が外側になるように置き、エンボスを施していない合成樹脂フィルムと重ねた以外は実施例1と同様にして本発明の粒状物包装袋を得た。得られた袋の凹面とフラット面(非エンボス)との動摩擦係数は袋の長さ方向で0.83、幅方向で0.78であり、摩擦角は袋の長さ方向で33.8度、幅方向で47.2度であった。
また、得られた袋に所定量の米を詰め、開口部をシールして封鎖した後5段に積み上げたところ袋内の空気はスムーズに抜け、また安定性にも優れていた。

【0023】
比較例2
実施例4で使用した絹目模様の両面エンボスを使用した以外は実施例1と同様にして粒状物包装袋を得た。得られた袋のナイロンフィルム面(凹面)同士の動摩擦係数は袋の長さ方向で0.19、幅方向で0.22であり、摩擦角は袋の長さ方向で23.3度、幅方向で24.3度であった。
また、得られた袋に所定量の米を詰め、開口部をシールして封鎖した後5段に積み上げたところ袋内の空気はスムーズに抜けた。
【0024】
以上の結果から、全面にわたって両面エンボスが施された合成樹脂フィルムを凹面が外側になるように2枚重ねて形成した袋の場合、実施例1、2にかかる1.0mm以上のエンボスピッチで両面エンボス加工が施されたフィルムでは、比較例1にかかる通常の非エンボスフィルム同士の場合に比べて滑り性が低下し、滑り防止に効果的であるのに対して、比較例2にかかるエンボスピッチが1.0mm未満のエンボスピッチで両面エンボス加工が施されたフィルムでは滑り防止効果がないことは明らかである。
また、全面にわたって両面エンボスが施された合成樹脂フィルムを凹面が外側になるようにして、もう一方のエンボス加工が施されていないフィルムと重ね合わせて形成した袋の場合、実施例3、4からも明らかなように、比較例1にかかる通常の非エンボスフィルム同士の場合に比べて極めて良好な滑り防止効果を示した。特に、エンボスピッチが0.9mmであっても実施例4からも明らかなように十分な滑り防止効果を有していた。
なお、実施例1−4の袋は内側(内面側)に凸面がくるように袋が形成されているので非熱接着部からの空気の抜けもエンボス加工が施されていない比較例1の袋に比べてスムーズであった。
【0025】
参考例
実施例1、2で使用した両面エンボスフィルムのLLDPE面(凸面)同士の滑り性と比較例1の非エンボスLLDPE面同士の滑り性と比較した結果、
比較例1の非エンボスLLDPE面同士の動摩擦係数が0.22、摩擦角が14.7度であったのに対して、実施例1で使用した両面エンボスフィルムのLLDPE面(凸面)同士の動摩擦係数は0.14(長さ方向)、摩擦角は10.6度(長さ方向)であった。また、実施例2で使用した両面エンボスフィルムのLLDPE面(凸面)同士の動摩擦係数は0.22、摩擦角は13.5度であり、両面エンボスの凸面同士では滑り防止が見られないばかりか、接触面積が少なくなる為かかえって滑りやすくなっていた。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の粒状物包装袋は全面に両面エンボスが施すだけで、これまで困難であった滑り防止効果が得られるばかりでなく任意の箇所に断続熱接着部を設けることができるので安価で特別な技術を要することなく米、大豆、小豆等の穀物や肥料等の粒状物の包装に適した袋を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の粒状物包装袋の一例を示す平面図(A)とそのX−X’の中央部付近の拡大部分断面図(B)である。
【図2】本発明の粒状物包装袋の他の一例を示す平面図(A)とそのY−Y’の中央部付近の拡大部分断面図(B)である。
【符号の説明】
【0028】
1 両面エンボスされた合成樹脂フィルム
11 凹面
12 凸面
2 エンボスされていない合成樹脂フィルム
3 断続熱接着部
31 熱接着部
32 非熱接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全面にわたって縦横方向とも1.0〜6.0mmのエンボスピッチで両面エンボスが施された2枚の合成樹脂フィルムを、袋にした際の外側が凹面、内側が凸面となるように重ね合わせてなる袋であって、該袋の4辺のうち少なくとも1辺に熱接着部と非熱接着部とからなる断続熱接着部が形成されていることを特徴とする粒状物包装袋。
【請求項2】
全面にわたって縦横方向とも0.7〜6.0mmのエンボスピッチで両面エンボスされた合成樹脂フィルムを、袋にした際の外側が凹面、内側が凸面となるようにして、もう一方のエンボスが施されていない合成樹脂フィルムと重ね合わせてなる袋であって、該袋の4辺のうち少なくとも1辺に熱接着部と非熱接着部とからなる断続熱接着部が形成されていることを特徴とする粒状物包装袋。
【請求項3】
エンボス深さが20〜300μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の粒状物包装袋。
【請求項4】
合成樹脂フィルムが、内面印刷が施された基材フィルムとシーラントフィルムとを積層してなる積層フィルムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粒状物包装袋。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−137455(P2007−137455A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332040(P2005−332040)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(000206473)大倉工業株式会社 (124)
【Fターム(参考)】