説明

粘性材料充填方法

【課題】粘性材料を容器からシリンジに移送して充填する方法であって、容器およびシリンジを密閉状態で収容するためのチャンバを不可欠とすることなく、充填中に粘性材料内へのガスの混入を防止するものを提供する。
【解決手段】粘性材料14を収容している容器12内にプランジャ22を挿入し、ガスの流れに関して逆止機能を有する第1プラグ160をシリンジ20内に挿入し、容器12とシリンジ20とを互いに接続し、第1プラグ160に係合するようにロッド230をシリンジ20内に挿入し、プランジャ22を容器12内に押し込み、それにより、粘性材料14を容器12からシリンジ20に移送して充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性材料を容器からシリンジに移送して充填する技術に関するものであり、特に、その充填中に、粘性材料内へのガスの混入を防止する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粘性材料を取り扱う分野が既に存在する。そのような粘性材料の用途としては、機械部品または電子部品のシーラント、接着剤、電気・電子回路形成用ペースト、電子部品実装用はんだなどがある。そのような粘性材料は、例えば、航空宇宙産業や、電気・電子機器産業において使用される。
【0003】
粘性材料は、目標対象物への塗布の便宜上、容器からシリンジに移送して充填される場合がある。この場合、その充填中に、粘性材料が流動したり分断したりするために、粘性材料内にガスが混入してしまう可能性がある。一方、粘性材料内にガスが混入してしまうと、シリンジから間欠的に吐出される粘性材料の量が安定しないという問題や、粘性材料が最終的に硬化させられて使用される場合にその硬化した粘性材料中にボイドが形成されてしまうという問題がある。
【0004】
それらの問題を解決するために、特許文献1(特開2002−80005号公報)は、容器およびシリンジが配置される密閉空間を減圧し、それにより、容器およびシリンジ内の空間を減圧し、その状態で、容器内の粘性材料に機械的な外力を加えてその粘性材料を容器からシリンジに向かって吐出する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−80005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術を用いて粘性材料の充填を行う場合には、充填中に粘性材料内へのガスの混入を防止するために、充填装置が、容器およびシリンジの全体を密閉状態で収容するためのハウジングを有することが必要となる。そのため、この従来技術を採用する場合には、充填装置が大型化するとともに部品点数が増加する傾向があり、ひいては、重量およびコストが増加する傾向がある。
【0007】
このような事情を背景として、本発明は、粘性材料を容器からシリンジに移送して充填する技術であって、容器およびシリンジの全体を密閉状態で収容するためのハウジングを有することを不可欠とすることなく、シリンジ内への粘性材料の充填中にその粘性材料内にガスが混入することを防止するものを提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、粘性材料を容器からシリンジに移送して充填する方法であって、プランジャを前記容器内に挿入し、ガスの流れに関して逆止機能を有する第1プラグを前記シリンジ内に挿入し、前記容器と前記シリンジとを互いに接続し、前記第1プラグに係合するようにロッドを前記シリンジ内に挿入し、前記プランジャを前記容器内に押し込み、それにより、前記粘性材料を前記容器から押し出して前記シリンジに移送して充填するものが提供される。
【0009】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
【0010】
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
【0011】
(1) 粘性材料を容器からシリンジに移送して充填する粘性材料充填方法であって、
前記容器は、
容器ハウジングと、
その容器ハウジング内に形成され、前記粘性材料が収容されるべき容器内部空間と、
前記容器ハウジングに形成され、前記容器内部空間に連通した第1開口部および第2開口部と
を含み、
前記シリンジは、
シリンジハウジングと、
そのシリンジハウジング内に形成され、前記容器から前記粘性材料が移送されて充填されるべきシリンジ内部空間と、
前記シリンジハウジングに形成され、前記シリンジ内部空間に連通した第3開口部および第4開口部と
を含み、
当該粘性材料充填方法は、
前記容器内に前記粘性材料が収容されている状態で、前記容器の前記第1開口部から前記容器内にプランジャを挿入し、それにより、容器セットを準備する容器セット準備工程であって、その容器セットは、所定位置に保持されるものと、
第1プラグを前記シリンジ内にスライド可能に接触する状態で挿入し、それにより、シリンジセットを準備するシリンジセット準備工程であって、前記第1プラグは、前記シリンジ内に挿入された状態で、前記シリンジ内部空間を、前記第3開口部の側の第1部分空間と、前記第4開口部の側の第2部分空間とに仕切り、前記第1プラグは、さらに、前記第1部分空間から前記第2部分空間に向かう向きのガスの流れは許容するが、同じ向きの前記粘性材料の流れは制限するとともに、前記第2部分空間から前記第1部分空間に向かう向きのガスの流れも前記粘性材料の流れも阻止し、前記シリンジセットは、前記シリンジの前記第3開口部が前記容器の前記第2開口部に実質的に気密にかつ分離可能に接続された状態で保持されるものと、
前記シリンジ内において前記第1プラグに係合し、それにより、前記第1部分空間の容積が減少する向きの力を前記第1プラグに付与するロッドを前記シリンジ内に挿入するロッド挿入工程と、
前記プランジャを、前記容器内において前記第2開口部に向かって押し込み、それにより、前記容器内の前記粘性材料を前記第2開口部から押し出し、それにより、前記粘性材料を前記容器から前記シリンジの前記第1部分空間内に移送して充填する押出し工程と
を含む粘性材料充填方法。
【0012】
この方法によれば、シリンジ内への粘性材料の充填に先立ち、粘性材料が容器からシリンジの第1部分空間内に流入すると、その流入した粘性材料によって、第1部分空間内に存在するガスが圧縮され、それにより、シリンジ内において、第1部分空間が、シリンジの外部に連通した第2部分空間より高圧であるという差圧が発生する。その差圧により、第1部分空間内のガスが、シリンジの内周面と第1プラグの外周面との間の半径方向隙間を介して第2部分空間に流入し、ひいては、シリンジの第4開口部から外部に排出される。
【0013】
その結果、この方法によれば、第1部分空間内への粘性材料の充填中に、その充填の進行につれて、第1部分空間からガスが排出され、第1部分空間内の粘性材料内にガスが混入せずに済む。
【0014】
さらに、この方法によれば、シリンジ内の第1プラグに、第1部分空間の容積が減少する向きの力がロッドによって付与される。その付与される力は、シリンジ内に流入した粘性材料に第1プラグが接近する向きの力、すなわち、第1部分空間を圧縮する向きの力である。
【0015】
よって、この方法によれば、ロッドによる力の付与によっても、上述の差圧が発生し、ロッドによる力の付与が存在しない場合より、大きな差圧がシリンジ内に発生する。それにより、第1部分空間内に存在するガスが、シリンジの内周面と第1プラグの外周面との間の半径方向隙間を介して第2部分空間に流入する現象が促進される。
【0016】
このように、この方法によれば、容器からシリンジへの粘性材料の充填中にガスが粘性材料内に混入することを防止するために、容器およびシリンジ内の空間(特に、シリンジ内の空間)を真空化することが不可欠ではなくなる。その結果、容器およびシリンジの全体を密閉状態で収容するためのハウジングを設けることを不可欠とすることなく、シリンジ内への粘性材料の充填中にその粘性材料内にガスが混入することを防止し得る。
【0017】
なお付言するに、本項に係る方法は、容器にプランジャを挿入して容器セットを準備した後に、その容器セットを所定位置に保持する態様で実施したり、容器のみを所定位置に保持した後に、その保持されている容器にプランジャを挿入して容器セットを準備する態様で実施することが可能である。
【0018】
同様にして、この方法は、シリンジに第1プラグを挿入してシリンジセットを準備した後に、そのシリンジセットを所定位置に保持する態様で実施したり、シリンジのみを所定位置に保持した後に、その保持されているシリンジに第1プラグを挿入してシリンジセットを準備する態様で実施することが可能である。
【0019】
(2) さらに、
前記容器セットを、前記第1開口部が下側に、前記第2開口部が上側に位置する逆さま姿勢に保持する工程を含み、
前記押出し工程は、前記プランジャを、前記容器の前記第2開口部に向かって押し上げ、それにより、前記粘性材料を、反重力方向に、前記容器から前記シリンジの前記第1部分空間内に移送して充填する(1)項に記載の粘性材料充填方法。
【0020】
(3) さらに、
前記ロッドに上向きの力を付与することにより、前記第1部分空間への前記粘性材料の充填量の増加につれて前記シリンジ内を上昇する前記第1プラグの動きに追従した前記ロッドの上昇をアシストするアシスト工程を含む(2)項に記載の粘性材料充填方法。
【0021】
(4) 前記シリンジは、円形断面の内周面を有し、その内周面により、前記シリンジ内部空間が規定され、
前記第1プラグは、弾性変形可能な材料をカップ状に成形して構成され、それにより、前記内周面の内径と実質的に等しい外径を有する円形を成すシルエットを有しており、
その第1プラグは、先端部と末端部とを有しており、
当該粘性材料充填方法は、さらに、
前記第1プラグを、前記内周面内に、前記先端部が前記第3開口部を向くとともに、前記末端部において前記内周面に接触するように、前記シリンジ内に挿入する工程を含む(1)ないし(3)項のいずれかに記載の粘性材料充填方法。
【0022】
(5) 前記ロッドは、軸方向に圧縮力を伝達することが可能な真空チューブであり、
その真空チューブには、前記シリンジ内に挿入されるべき第2プラグが、前記真空チューブが前記第2プラグを実質的に気密に貫通する状態で装着されており、
前記第2プラグは、前記シリンジ内に挿入された状態で、前記第2部分空間を、前記第1プラグの側の第3部分空間と、前記第4開口部の側の第4部分空間とに仕切り、
その第2プラグは、前記第3部分空間から前記第4部分空間に向かうガスの流れとその逆向きのガスの流れとのうち少なくともその逆向きのガスの流れを阻止し、
前記真空チューブは、前記シリンジ内に挿入された状態で、前記第3部分空間に連通し、
前記ロッド挿入工程は、前記真空チューブおよび前記第2プラグを、その第2プラグが前記シリンジの内周面にスライド可能に接触する状態で前記シリンジ内に挿入し、
当該粘性材料充填方法は、さらに、
前記真空チューブを介して前記第3部分空間内のガスを吸引することにより、その第3部分空間を真空にし、それにより、前記第1部分空間を真空にする真空化工程を含む(1)ないし(4)項のいずれかに記載の粘性材料充填方法。
【0023】
この方法によれば、真空チューブ(例えば、それの近位端において第1部分空間に連通し、遠位端において、外部にある第1の真空源に連通する)により、シリンジ内の第3部分空間(すなわち、シリンジ内において、第1プラグと第2プラグとによって規定される空間)が真空化され、引き続き、その第3部分空間を第2の真空源として、第1部分空間が、シリンジと第1プラグとの間の半径方向隙間を経由したガスの流れにより、真空化される。
【0024】
それにより、シリンジ内の第1部分空間および第3部分空間が、真空チューブの遠位端に連通した前記第1の真空源より高圧であるという差圧が発生する。その差圧により、第1部分空間内に存在するガスが、シリンジの内周面と第1プラグの外周面との間の半径方向隙間を介して第3部分空間に流入し、ひいては、真空チューブを介してシリンジの外部に排出される。その結果、第1部分空間内への粘性材料の充填中に、その粘性材料内にガスが混入せずに済む。
【0025】
その結果、この方法によれば、シリンジ内の空間さえ真空化されれば、シリンジ内に流入された粘性材料がガスに接触せずに済むため、容器およびシリンジの全体を密閉状態で収容するためのハウジングを設けることを不可欠とすることなく、シリンジ内への粘性材料の充填中にその粘性材料内にガスが混入せずに済む。
【0026】
さらに、この方法によれば、充填前に粘性材料自体にガスが混入していた場合には、充填中に、脱泡、すなわち、その混入していたガスを粘性材料から抜くことも併せて行うことが可能となる。
【0027】
さらに、この方法によれば、シリンジ内の第1プラグに、そのシリンジ内に流入した粘性材料に接近する向きの力(すなわち、シリンジ内において第4開口部から第3開口部に向かう力)が真空チューブによって付与される。その付与される力の向きは、第1部分空間の容積を減少させる向きである。一方、第1部分空間の真空化も、第1部分空間の容積を減少させることを促進する。
【0028】
よって、この方法によれば、真空チューブによる力の付与と、第1部分空間の真空化との共同作用により、第1部分空間内に存在するガスが、シリンジと第1プラグとの間の半径方向隙間を介して、第1部分空間から排出されることが促進される。
【0029】
(6) 前記第2プラグは、前記第1プラグと実質的に同じ形状を有しており、
前記ロッド挿入工程は、前記シリンジ内に前記第2プラグを、前記第1プラグに対して直列に、かつ、その第1プラグと同じ向きで挿入する(5)項に記載の粘性材料充填方法。
ことが可能となる。
【0030】
(7) 粘性材料を容器からシリンジに移送して充填する粘性材料充填装置であって、
前記容器は、
容器ハウジングと、
その容器ハウジング内に形成され、前記粘性材料が収容されるべき容器内部空間と、
前記容器ハウジングに形成され、前記容器内部空間に連通した第1開口部および第2開口部と
を含み、
前記シリンジは、
シリンジハウジングと、
そのシリンジハウジング内に形成され、前記容器から前記粘性材料が移送されて充填されるべきシリンジ内部空間と、
前記シリンジハウジングに形成され、前記シリンジ内部空間に連通した第3開口部および第4開口部と
を含み、
当該粘性材料充填装置は、さらに、
前記容器内に前記粘性材料が収容されている状態で、前記容器の前記第1開口部から前記容器内にプランジャを挿入することによって準備される容器セットを所定位置に保持する容器セット保持部と、
第1プラグを前記シリンジ内にスライド可能に接触する状態で挿入することによって準備されるシリンジセットを、前記シリンジの前記第3開口部が前記容器の前記第2開口部に実質的に気密にかつ分離可能に接続された状態で保持するシリンジセット保持部であって、前記第1プラグは、前記シリンジ内に挿入された状態で、前記シリンジ内部空間を、前記第3開口部の側の第1部分空間と、前記第4開口部の側の第2部分空間とに仕切り、前記第1プラグは、さらに、前記第1部分空間から前記第2部分空間に向かう向きのガスの流れは許容するが、同じ向きの前記粘性材料の流れは制限するとともに、前記第2部分空間から前記第1部分空間に向かう向きのガスの流れも前記粘性材料の流れも阻止するものと、
前記シリンジ内において前記第1プラグに係合し、それにより、前記第1部分空間の容積が減少する向きの力を前記第1プラグに付与するロッドと、
前記プランジャを、前記容器内において前記第2開口部に向かって押し込み、それにより、前記容器内の前記粘性材料を前記第2開口部から押し出し、それにより、前記粘性材料を前記容器から前記シリンジの前記第1部分空間内に移送して充填する押出し部と
を含む粘性材料充填装置。
【0031】
(8) 脱泡すべき粘性材料を容器内に収容し、その容器を真空圧下に攪拌機を用いて回転させて攪拌脱泡する真空遠心攪拌脱泡方法であって、
前記攪拌機による容器の回転数および連続攪拌時間を、前記粘性材料に最終的に残存するボイドの大きさおよび/または数と、前記攪拌脱泡によって粘性材料の温度が上昇する量とがいずれも、可及的に最小化するように設定する設定工程と、
前記攪拌機により、前記粘性材料で充填された容器を、真空圧下において、前記設定された回転数で、かつ、前記設定された連続攪拌時間で、公転軸まわりに公転させつつ、その公転軸に対して偏心した自転軸まわりに自転させ、それにより、前記容器内において前記粘性材料を攪拌しつつ脱泡する攪拌脱泡工程と
を含む真空遠心攪拌脱泡方法。
【0032】
(9) 必要量での吐出が可能な状態で粘性材料を収容する容器セットであって、
軸線を有する内周面を有し、その内周面により、前記粘性材料を収容するためのチャンバが規定される容器と、
軸線を有する外周面を有し、その外周面において、前記容器の内周面内に軸方向にスライド可能に嵌合されるプランジャと
を含み、
そのプランジャは、軸方向に並んだ先端部と基端部とを有し、当該プランジャが前記容器内に挿入される際、前記先端部が先に、前記基端部が後に、それぞれ、前記容器の内周面に嵌合するように構成され、
そのプランジャの外周面の直径は、前記先端部において前記基端部より小さくなるように変化する容器セット。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に従う粘性材料充填方法(以下、単に「充填方法」という。)を実施するのに好適な粘性材料充填装置(以下、単に「充填装置」という。)を示す部分断面正面図である。
【図2】図2は、図1に示す充填装置を示す部分断面側面図である。
【図3】図3は、図1に示す充填装置のうちの要部を、使用状態において、拡大して示す部分断面正面図である。
【図4】図4(a)、(b)および(c)は、図1に示す充填装置を用いてシリンジに充填された粘性材料の一例であるシーラントの用途の一例を説明するための斜視図である。
【図5】図5は、図3における容器セットであって容器内にプランジャが挿入されて成るものを拡大して示す部分断面側面図である。
【図6】図6は、図3に示すシリンジを拡大して示す側面断面図である。
【図7】図7は、図3におけるシリンジセットであってシリンジ内に第1プラグが挿入されて成るものを拡大して示す側面断面図である。
【図8】図8は、図7における第1プラグを示す側面断面図である。
【図9】図9は、図3における吸引具を示す部分断面側面図である。
【図10】図10は、図7に示すシリンジセットを、図9に示す吸引具が挿入された状態で示す部分断面側面である。
【図11】図11は、図3に示す容器セット、シリンジセットおよび吸引具の組立体を示す斜視図図である。
【図12】図12は、前記充填方法を、それに先立って実施される粘性材料製造方法と共に示す工程図である。
【図13】図13は、本発明の第2実施形態に従う粘性材料充填方法(以下、単に「充填方法」という。)を実施するのに好適な粘性材料充填装置(以下、単に「充填装置」という。)の要部を使用状態において示す部分断面正面図である。
【図14】図14は、前記第2実施形態に従う充填方法を、それに先立って実施される粘性材料製造方法と共に示す工程図である。
【図15】図15は、図13に示す容器セット、シリンジセットおよびロッドを示す斜視図図である。
【図16】図16は、本発明の第3実施形態に従う粘性材料充填方法(以下、単に「充填方法」という。)を実施するのに好適な粘性材料充填装置(以下、単に「充填装置」という。)のうちの容器セットを示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0035】
図1には、本発明の第1実施形態に従う粘性材料充填方法(以下、単に「充填方法」という。)を実施するのに好適な粘性材料充填装置(以下、単に「充填装置」という。)10が部分断面正面図で示され、図2には、その充填装置10が部分断面側面図で示されている。図3には、使用状態にある充填装置10のうちの要部が、拡大された部分断面正面図で示されている。
【0036】
本充填方法は、図3に示すように、容器12内に収容された粘性材料14を容器12からシリンジ(材料を少量ずつに分配する小型容器であり、「ディスペンシング・シリンジ」ともいう。)20に移送して充填するために実施される。容器12内の粘性材料14は、その容器12内にプランジャ22が押し込まれることにより、容器12から押し出される。押し出された粘性材料14は、シリンジ20内に、真空雰囲気下で、充填される。粘性材料14の粘度は、例えば、約1,100Pa・s、または約11,100posである。
【0037】
粘性材料14の一例は、高粘性かつ非導電性のシーラントであり、そのシーラントの用途の一例は、航空機である。例えば、最近の航空機においては、図4(a)に示すように、それの外板を構成する非導電性のパネル30を内部フレーム(図示しない)に装着するために、金属製(導電性)のリベット32が、パネル30のうち、テーパ部を有する貫通穴34内に打ち込まれる。
【0038】
次に、図4(b)に示すように、打ち込まれたリベット32のうちの皿状のヘッド36が露出しないように、そのヘッド36の表面上に、非導電性のシーラント40が塗布される。この時点では、シーラント40が、パネル30の表面から隆起している。
【0039】
その後、図4(c)に示すように、そのシーラント40のうち、パネル30の表面から隆起している部分が作業者によって削り落とされることによって整形され、その結果、シーラント40の表面が、パネル30の表面と一致する。続いて、それらパネル30の表面とシーラント40の表面とが、同じ塗料によって塗装される。
【0040】
シリンジ20の一例は、図示しない塗布ガンに着脱可能に装着されるカートリッジである。この種の塗布ガンの一例が米国特許第7,690,530号に開示されており、その内容は、全体として、引用によって本明細書に合体させられる。
【0041】
粘性材料14で充填されたカートリッジ(すなわち、シリンジ20)が前記塗布ガンに装填されると、粘性材料14は、その塗布ガンにより、カートリッジから必要量ずつ吐出されて目標対象物(例えば、上述のリベット32)に塗布される。すなわち、本実施形態においては、シリンジ20および後述の第1プラグが、粘性材料14の充填と、粘性材料14の塗布との双方に使用されるのである。
【0042】
図5には、容器12が側面断面図で示されている。本実施形態においては、同じ容器12が、粘性材料14の製造(後に詳述する2液混合)と、その製造後における粘性材料14の脱泡(後に詳述する攪拌機による真空遠心脱泡)と、シリンジ20への充填に先立つ粘性材料14の貯蔵・輸送とに使用される。
【0043】
図5に示すように、容器12は、軸方向に延びる中空のハウジング(前記容器ハウジングの一例)50と、そのハウジング50内に同軸的に形成された円筒状のチャンバ52(前記容器内部空間の一例)とを有している。そのチャンバ52は、開口部54(前記第1開口部の一例)と底部56とを有している。底部56は、概して半球状を成す凹部を有している。このように底部56が連続的な形状を有することにより、チャンバ52内において粘性材料14が、底部56が平面である場合よりスムーズに流れ、その結果、粘性材料14の攪拌効率が向上する。容器12を構成する材料の一例は、POM(ポリアセタール)であり、別の例は、テフロン(登録商標)であるが、それらに限定されない。
【0044】
チャンバ52の底部56には、そのチャンバ52内に収容されている粘性材料14(A液とB液との混合物)を、シリンジ20に向けて排出するための排出通路57(前記第2開口部の一例)が形成されており、その排出通路57は、着脱可能なプラグ(図示しない)によって選択的に閉塞される。
【0045】
図5に示すように、容器12から粘性材料14を排出するために、その容器12のチャンバ52内にプランジャ22が押し込まれる。そのプランジャ22は、本体部58と、その本体部58の後端部に形成された係合部59とを有している。本体部58は、容器12のチャンバ52の内面形状を補完する外面形状(例えば、概して半球状を成す凸部を有する形状)を有している。係合部59は、本体部58より小径であり、そこに外力が充填装置10から負荷されることにより、プランジャ22が前進させられる。プランジャ22がチャンバ52内を排出通路57に向かって接近するにつれて、その排出通路57から粘性材料14が押し出される。
【0046】
図6には、シリンジ20が側面断面図で示されている。シリンジ20は、一様な断面で真っ直ぐに延びる筒状の本体部60と、その本体部60の両端部のうちの一方に接続された中空の底部62とを、互いに同軸的に有している。底部62は、それの先端において、本体部60より小径の筒部(前記第3開口部の一例)64を有する一方、本体部60と接続される側において、先細りのテーパ部66を有している。本体部60の他方の端部は、開口部68(前記第4開口部の一例)である。シリンジ20を構成する材料の一例は、POM(ポリアセタール)であるが、これに限定されない。
【0047】
本実施形態においては、粘性材料14が、容器12からシリンジ20内へ、そのシリンズ20の両端部のうちの一方に位置する筒部64を通過するように充填され、その充填後、粘性材料14を吐出して使用するために、その粘性材料14が、シリンジ20から、同じ通路、すなわち、筒部64(シリンジ20のうち最も小径である通路)を通過して排出される。すなわち、粘性材料14の、シリンジ20に対する出入りが、同じ最小径通路を通過するように行われるのである。
【0048】
本実施形態においては、粘性材料14を容器12からシリンジ20に移し変える際、容器12が、図5に示すように、チャンバ52の開口部54が下を向く一方、底部56の排出通路57が上を向く姿勢(逆さま姿勢)で空間内に保持される。この状態で、プランジャ22がチャンバ52内を上昇させられる。その結果、チャンバ52から粘性材料14が上向きに押し出される。
【0049】
さらに、粘性材料14を容器12からシリンジ20に移し変える際、シリンジ20が、開口部68が上を向く一方、底部62が下を向く姿勢で空間内に保持される。この状態で、容器12から上向きに押し出された粘性材料14が、シリンジ20の底部62から注入される。
【0050】
その結果、粘性材料14は、シリンジ20内に、それの底部62(下部)内に蓄積されるとともに、底部62から開口部68(上部)に向かって粘性材料14の蓄積部の最上表面が上昇するように、徐々に収容される。
【0051】
このように、本実施形態においては、粘性材料14がシリンジ20内に注入される際、そのシリンジ20の下部から注入されるため、上部から注入される場合とは異なり、新たな粘性材料14が重力によって落下して、先行する蓄積部に衝突することがない。その結果、粘性材料14がシリンジ20内に注入される際、そのシリンジ20内に蓄積される粘性材料14内にボイドが形成されてしまう可能性が、粘性材料14をシリンジ20の上部から注入する場合より軽減される。
【0052】
図1および図2に示すように、充填装置10は、それの下部において、容器12を着脱可能に保持する容器ホルダ機構70(前記容器セット保持部の一例)を有する一方、上部において、シリンジ20を着脱可能に保持するシリンジホルダ機構72(前記シリンジセット保持部の一例)を有している。
【0053】
容器ホルダ機構70は、接地されるベースプレート80と、そのベースプレート80より上方に位置する昇降不能なトッププレート82と、それらベースプレート80およびトッププレート82によって両端をそれぞれ固定された、垂直にかつ互いに平行に延びる複数本のシャフト(本実施形態においては、容器ホルダ機構70の垂直中心線を隔てて互いに対称的に配置された2本のシャフト)84とを有している。トッププレート82は、貫通穴90を有する。その貫通穴90は、容器ホルダ機構70の垂直中心線と同軸である。
【0054】
トッププレート82の下面にガイドプレート92が固定されている。このガイドプレート92は、貫通穴90と同軸のガイド穴94を有する。ガイド穴94は、ガイドプレート92を、厚さ方向に、一様な断面で貫通している。このガイド穴94は、図3に示すように、容器12の底部56の外径よりわずかに大きい内径を有しており、容器12はガイド穴94内にがたなく嵌合することが可能である。このガイド穴94のおかげで、容器12が、水平方向(容器12の直径方向)における位置に関し、トッププレート82に対して相対的に位置合わせされる。
【0055】
図3に示すように、容器12の底部56がガイド穴94に嵌合している状態において、容器12は、それの底部56の先端面(同一平面上にある)においてトッププレート92の下面に突き当たる。これにより、容器12は、垂直方向(容器12の軸線方向)における位置に関し、トッププレート82に対して相対的に位置合わせされる。
【0056】
図1および図2に示すように、容器ホルダ機構70は、さらに、昇降可能な可動プレート100を有する。その可動プレート100は、シャフト82に軸方向に摺動可能に嵌合する複数本のスリーブ102を有している。作業者は、ロック機構104を操作することにより、可動プレート100を、垂直方向における任意の位置に移動させて停止させることが可能である。
【0057】
可動プレート100は、段付きの位置決め穴106を、ガイド穴94と同軸的に有している。その位置決め穴106は、可動プレート100を厚さ方向に貫通している。この位置決め穴106は、ガイド穴94に近い側に大径穴110を有する一方、反対側に小径穴112を有しており、それら大径穴110と小径穴112との間に、ガイド穴94の側を向く肩面114を有している。
【0058】
大径穴110は、容器12の開口部54の外径より僅かに大きい内径を有しており、これにより、容器12は、水平方向(容器12の直径方向)における位置に関し、可動プレート100(ひいてはトッププレート82)に対して相対的に位置合わせされる。
【0059】
肩面114には、容器12の開口部54の先端面(同一平面上にある)が突き当たり、これにより、容器12は、垂直方向(容器12の軸線方向)における位置に関し、可動プレート100(ひいてはトッププレート82)に対して相対的に位置合わせされる。
【0060】
小径穴112は、プランジャ22の外径よりわずかに大きい内径を有しており、この小径穴112にプランジャ22が摺動可能に嵌合する。小径穴112は、プランジャ22の軸方向運動をガイドするガイド穴として機能する。
【0061】
容器12にプランジャ22が挿入されることによって容器セットが構成され、その容器セットは、可動プレート100が、トッププレート82から下方に十分に退避させられた状態で、トッププレート82にセットされる。その後、可動プレート100が、容器12の開口部54の先端面が肩面114に突き当たるまで、上昇させられる。この位置において、可動プレート100がシャフト84に固定される。これにより、容器セットの、容器ホルダ機構70への保持作業が終了する。
【0062】
図1および図2に示すように、容器ホルダ機構70は、さらに、アクチュエータとしてのエアシリンダ120(前記押出し部の一例)を、ガイド穴94と同軸的に有している。昇降部材としてのロッド122がエアシリンダ120から上方に延び出しており、そのロッド122の先端にプッシャ124が装着されている。プッシャ124は、図3に示すように、容器ホルダ機構70に保持された容器セットのうちのプランジャ22の係合部59に係合する。その係合状態においては、プッシャ124の前進に伴い、プランジャ22が容器12に対して前進し、チャンバ52の容積を減少させる。
【0063】
エアシリンダ120は複動式であり、プッシャ124の、初期位置から作用位置までの前進(加圧による上昇)と、作用位置から非作用位置までの後退(加圧による下降)と、任意の位置での停止(エアシリンダ120内の両ガス室からの排気が阻止される)とが作業者の操作に応じて選択的に行われる。エアシリンダ120は、図示しないが、切換バルブを有する空圧制御ユニットを介して高圧源(一次圧の高さは、例えば、0.2MPa)に接続されている。
【0064】
図2に示すように、容器ホルダ機構70は、さらに、ダンパとしてのガススプリング126を備えている。ガススプリング126は、垂直に延びるとともに、それの両端部において、ベースプレート80と可動プレート100とにそれぞれ、ピボット可能に連結されている。ガススプリング126は、ロック機構104がアンロック状態にあるときに、可動フレーム100が自重で下降する運動を制限するために設置されている。
【0065】
図1および図2に示すように、シリンジホルダ機構72は、トッププレート82に固定されたベースフレーム130と、アクチュエータとしてのエアシリンダ132と、トップフレーム134と、可動フレーム136とを備えている。
【0066】
エアシリンダ132は、垂直に延びて、トッププレート82とトップフレーム134とに固定された本体部140と、その本体部140に対して直線運動させられる昇降ロッド142とを有している。昇降ロッド142の上端部(本体部140から突出した端部)は、可動フレーム136に固定されている。
【0067】
エアシリンダ132は複動式であり、昇降ロッド142の、初期位置から作用位置までの前進(加圧による上昇)と、作用位置から非作用位置までの後退(加圧による下降)と、任意の位置での浮動(エアシリンダ132内の両ガス室からの排気がいずれも許可される)とが作業者の操作に応じて選択的に行われる。エアシリンダ132は、図示しないが、前記空圧制御ユニットを介して前記高圧源に接続されている。
【0068】
本体部140には、複数本のスリーブ(本実施形態においては、エアシリンダ132を隔てて互いに対称的に配置された2本の平行スリーブ)144が固定されている。それらスリーブ144に、垂直に延びる複数本のシャフト146が摺動可能に嵌合されている。それらシャフト146の上端部はいずれも、可動フレーム136に固定されている。
【0069】
シリンジホルダ機構72においては、ベースフレーム130、トップフレーム134、本体部140およびスリーブ144がそれぞれ静止部材であるのに対し、可動フレーム136、昇降ロッド142およびシャフト146はそれぞれ、互いに一体的に昇降させられる可動部材である。
【0070】
図2に示すように、シリンジホルダ機構72は、さらに、ダンパとしてのガススプリング150を備えている。ガススプリング150は、ベースフレーム130と、可動フレーム136との間を垂直に延びている。ガススプリング150は、2つのガス室(図示しない)を有するシリンダ152と、そのシリンダ152に対して伸縮させられるロッド154とを備えている。シリンダ152は、それの一端部においてベースフレーム130に、ピボット可能に連結されている。
【0071】
ロッド154の先端部は、可動フレーム136の下面に分離可能に係合させられている。したがって、ロッド154は、可動フレーム136によって圧縮させられることはあるが、伸張させられることはない。ロッド154は、圧縮状態において、可動フレーム136に上向きの力を付与し、それにより、可動フレーム136が上昇することをアシストする。
【0072】
図7に示すように、充填前のシリンジ20は、それに第1プラグ160が挿入された状態で、シリンジホルダ機構72によって保持される。図8に示すように、第1プラグ160は、弾性変形可能な材料(例えば、PP)をカップ状に成形して構成されている。第1プラグ160は、シリンジ20の内周面162(図7参照)の内径と実質的に等しい外径を有する円形を成すシルエットを有している。
【0073】
第1プラグ160は、先端部164と末端部166とを有している。第1プラグ160は、シリンジ20内に、先端部164がシリンジ20の底部62を向くとともに、末端部166においてシリンジ20の内周面162に接触するように、挿入される。シリンジ20に第1プラグ160が挿入されることにより、シリンジセットが構成される。第1プラグ160がシリンジ20内に、底部62の近傍位置において挿入されることにより、シリンジ20内の空間が、底部62の側の第1内部空間170と、開口部68の側の第2内部空間172とに仕切られる。
【0074】
第1プラグ160は、シリンジ20に挿入された状態において、ガス(一般的には、空気)に対して逆止機能を有する。
【0075】
具体的には、シリンジ20内において、第1内部空間170内の空気が第2内部空間172より高圧である場合には、第1内部空間170内の空気が、内周面162と第1プラグ160の外周面との間の隙間を経て、第2内部空間172に流出することが許可される。しかし、第1内部空間170内の空気が第2内部空間172より低圧である場合には、その差圧によってシリンジ20の内周面162と第1プラグ160の外周面とが互いに気密に密着する結果、第2内部空間172から第1内部空間170への空気の流れが阻止される。
【0076】
したがって、第1プラグ160の逆止機能のおかげで、第2内部空間172を真空にすれば第1内部空間170も真空になり、その後、第2内部空間172を大気圧に戻しても、第1内部空間170は真空圧に維持される。
【0077】
これに対し、第1プラグ160は、粘性材料14に対しては、それ自身の粘性ゆえに、内周面162と第1プラグ160の外周面との間の隙間を通過する抵抗が大きい。そのため、粘性材料14は、第1内部空間170から第2内部空間172への流れが完全に阻止されるか、完全ではないにしても、実質的に阻止される。これに対し、第2内部空間172から第1内部空間170への粘性材料14の流れは完全に阻止される。したがって、第1プラグ160により、粘性材料14を、第2内部空間172への漏れを発生させることなく、第1内部空間170内に収容することが可能となる。
【0078】
本実施形態においては、第1プラグ160は、シリンジ20内に充填された粘性材料14がそのシリンジ20から流出することを防止する機能を有する。ところで、粘性材料14で充填されたシリンジ20は、その後、前記カートリッジとして前記塗布ガンに装填される。その塗布ガンは、作業者によってトリガが引かれると、第1プラグ160を押し出すことにより、前記カートリッジから粘性材料14をシーラントとして必要量だけ、吐出させる。よって、第1プラグ160は、シリンジ20が前記塗布ガンに装填された状態では、粘性材料14を押し出すプランジャとして機能する。
【0079】
図3に示すように、本実施形態においては、容器12の底部56にシリンジ20の底部62が直接的に接続されるが、このような接続は、本発明を実施するうえに不可欠なことではなく、例えば、アダプタを介して間接的に接続してもよい。また、別の実施態様においては、1個の容器12に、互いに平行な複数本のシリンジ20が、共通のアダプタを介して接続される。
【0080】
本実施形態においては、容器12とシリンジ20とが、例えばおねじとめねじとの螺合により、互いに直接的に接続されることにより、容器12が充填装置10に保持されている状態において、シリンジ20が、直径方向と軸線方向との双方に関し、容器12に対して位置合わせされる。
【0081】
図3に示すように、前記容器セットが容器ホルダ機構70によって保持され、かつ、その容器セットに前記シリンジセットが接続されている状態で、吸引具180がシリンジ20内に挿入される。
【0082】
その吸引具180は、シリンジホルダ機構72によって保持されている。本実施形態においては、シリンジホルダ機構72が、吸引具180を保持し、その吸引具180がシリンジ20内に挿入されることにより、結果的に、シリンジ20がシリンジホルダ機構72によって保持されている。
【0083】
図9には、吸引具180が、部分断面側面図で示されている。この吸引具180は、剛性を有して真っ直ぐに延びる真空チューブ182と、その真空チューブ182の先端に固定された第2プラグ190とを有している。真空チューブ182は、鋼製のパイプ(合成樹脂製のパイプでも可)であり、外部の真空源(図示しない)へ向かう空気の流れを生起する通路として作用するのみならず、軸方向に圧縮力を伝達することが可能なロッドとしても作用する。図10には、吸引具180が、シリンジ20に装着された状態で示されている。
【0084】
第2プラグ190は、図8に示す第1プラグ160と実質的に同じ形状および材料構成を有している。図10に示すように、第2プラグ190は、先にシリンジ10内に挿入されている第1プラグ160に対して直列に、かつ、その第1プラグ160と同じ向きで挿入される。この挿入により、シリンジ20内の第2内部空間172が、第1プラグ160の側の第3部分空間200と、開口部68の側の第4部分空間202とに仕切られる。
【0085】
第2プラグ190は、第1プラグ160と同様に、シリンジ20に挿入された状態において、ガス(一般的には、空気)に対して逆止機能を有する。
【0086】
具体的には、シリンジ20内において、第3内部空間200内の空気が第4内部空間202より高圧である場合には、第3内部空間200内の空気が、シリンジ20の内周面162と第2プラグ190の外周面との間の隙間を経て、第4内部空間202に流出することが許可される。しかし、第3内部空間200内の空気が第4内部空間202より低圧である場合には、その差圧によって内周面162と第2プラグ190の外周面とが互いに気密に密着する結果、第4内部空間202から第3内部空間200への空気の流れが阻止される。
【0087】
したがって、第2プラグ190の逆止機能のおかげで、第4内部空間202が大気圧である状態で第3内部空間200を真空圧にすることが可能となる。
【0088】
図9に示すように、真空チューブ182は、先端部210と、後端部212とを有している。真空チューブ182は、後端部212において、図示しないフレキシブルなホースを介して前記空気圧制御ユニットに接続され、さらに、その空気圧制御ユニットを介して、前記真空源(圧力の高さは、例えば、大気圧である0.101325MPaより低い約0.1MPaまたはそれより強い負圧)接続されている。その真空源は、前記空気圧制御ユニットと共同して、前記真空化機構の一例を構成している。
【0089】
先端部210のうち、それの先端面から少し離れた位置に第2プラグ190が固定されている。真空チューブ182は、第2プラグ190を同軸的に貫通し、かつ、実質的に気密に密着している。先端部210は、それの先端面において、ストッパ214によって実質的に気密に閉塞されている。図10に示すように、先端部210は、ストッパ214の先端面において、第1プラグ160の先端部164の内面に突き当たり、これにより、第1プラグ160に対する第2プラグ190の接近限度(すなわち、第1プラグ160と第2プラグ190との間の最小接近距離)が一義的に決まる。
【0090】
図9に示すように、先端部210には、それを直径方向に貫通する吸引口216が、ストッパ214によって邪魔されない位置に形成されている。吸引口216は、真空チューブ182の内部通路218を経て、最終的に前記真空源に接続されている。図10に示すように、吸引口216は、ストッパ214が第1プラグ160に突き当たっている状態において、第3内部空間200に連通し、これにより、第4内部空間202が大気圧に維持された状態で、第3内部空間200が、吸引具180により、真空化されることが可能である。
【0091】
図11に示すように、第3内部空間200が真空化されると、第1内部空間170内の空気が、シリンジ20と第1プラグ160との間の半径方向隙間を経て第3内部空間200に流出し、その流出した空気は、さらに、真空チューブ182を介して、前記真空源によって吸引される。これにより、第1内部空間170が真空化される。このとき、第4内部空間202は、大気圧に維持される。
【0092】
図11に示すように、プランジャ22が容器12内に押し込まれることにより、その容器12から粘性材料14が底部56から押し出され、その押し出された粘性材料14は、真空圧下にある第1内部空間170に充填される。その充填される粘性材料14の容積が増加するにつれて、第1プラグ160が、その粘性材料14によって押されて、シリンジ20に対して上昇させられる。それに伴い、吸引具180がシリンジ20に対して上昇させられる。
【0093】
図1および図2に示すように、真空チューブ182が、可動フレーム136に固定されている。真空チューブ182は、充填装置10の垂直中心線(ガイド穴94の中心線と同軸)と同軸的に延びている。真空チューブ182に第2プラグ190が固定され、その第2プラグ190がシリンジ20内にがたなく挿入される。それにより、シリンジ20の、トッププレート82に対する位置に関し、位置合わせされる。
【0094】
次に、本充填方法を、図12に示す工程図を参照して具体的に説明するが、それに先立ち、粘性材料14の製造方法を説明する。
【0095】
粘性材料14は、高粘性の合成樹脂であり、また、一定温度(例えば、50℃)以上に加熱されると硬化し、一旦硬化すると、温度が低下しても性状が復元しない熱可塑性を有する。粘性材料14は、硬化していない状態で、一定温度(例えば、−20℃)以下に冷凍されると、粘性材料14における化学反応の進行(硬化)が停止する。その後、粘性材料14を加熱して解凍すると、粘性材料14における化学反応の進行(硬化)が再開されるという性質を有する。
【0096】
本実施形態においては、粘性材料14は、2液混合タイプであり、A液(硬化剤)およびB液(主剤)という2液を混合させることによって提供される。A液の一例は、米国PRC-DeSoto International社のPR-1776 B-2, Part A(促進剤であり、二酸化マンガン分散である。)であり、これに組み合わされるB液の一例は、米国PRC-DeSoto International社のPR-1776 B-2, Part B(ベース成分であり、充填変性ポリスルフィド樹脂である。)である。
【0097】
したがって、図12に示すように、粘性材料14を製造するために、まず、ステップS11において、容器12内において2液が混合される。次に、ステップS12において、容器12内に収容された粘性材料14に対して攪拌脱泡が攪拌機(図示しない)を用いて行われる。本実施形態においては、同じ容器12が、粘性材料14を製造するための2液の混合と、粘性材料14の、攪拌機による攪拌脱泡とに使用される。
【0098】
攪拌機の一例が、特開平11−104404号公報に開示されており、この公報の内容は、全体的に、引用によって本明細書に合体させられる。本実施形態においては、この種の攪拌機が、粘性材料14で充填された容器12を、真空圧下において、公転軸まわりに公転させつつ、その公転軸に対して偏心した自転軸まわりに自転させ、それにより、容器12内において粘性材料14を攪拌しつつ脱泡する。
【0099】
攪拌機内において、粘性材料14は、攪拌機による遊星運動に起因した遠心力により、攪拌される。さらに、粘性材料14内に混入した気泡は、攪拌機による遊星運動に起因した遠心力と、真空雰囲気に起因した負圧との共同作用により、粘性材料14から排出され、その結果、粘性材料14が脱泡される。これにより、粘性材料14にボイドが発生することが完全にまたは十分に防止される。
【0100】
この攪拌脱泡工程においては、攪拌機による容器12の回転数および連続攪拌時間が、粘性材料14に最終的に残存するボイドの大きさおよび/または数と、攪拌脱泡によって粘性材料14の温度が上昇する量とがいずれも、可及的に最小化するように設定されている。回転数が速いほど、連続攪拌時間が長いほど、ボイドの発生が抑制される程度が増加するが、粘性材料14は、ジュール熱によって高温化して硬化の開始時刻が早まり易い。このように、粘性材料14については、ボイド条件と温度条件とがトレードオフの関係にある。よって、本実施形態においては、ボイド条件と温度条件とが両立するように、回転数および連続攪拌時間が設定されている。
【0101】
以上のようにして粘性材料14が容器12内において混合されて攪拌脱泡されると、図12に示すように、充填装置10を用いて粘性材料14を容器12からシリンジ20に移送して充填する作業が開始される。
【0102】
まず、ステップS21において、作業者が、図5に示すように、粘性材料14で充填された容器12内にプランジャ20を挿入することにより、前記容器セットを準備する。次に、ステップS22において、作業者が、図3に示すように、前記容器セットを逆さま姿勢で充填装置10のうちの容器ホルダ機構70にセットすることにより、前記容器セットを充填装置10に保持させる。
【0103】
具体的には、可動プレート100は、前記容器セットが容器ホルダ機構70に保持されるのに先立ち、前記容器セットから下方に退避させられている。作業者は、まず、退避している可動プレート100に前記容器セットを逆さま姿勢で所定位置に載せる。その後、作業者は、可動プレート100を、前記容器セットと一緒に、容器12がトッププレート82に突き当たるまで上昇させる。最後に、作業者は、可動プレート100をその位置に固定する。
【0104】
続いて、ステップS23において、作業者が、図7に示すように、シリンジ20内に第1プラグ160を挿入することにより、前記シリンジセットを準備する。その後、ステップS24において、図3に示すように、先に充填装置10によって逆さま姿勢で保持されている容器セットに、前記シリンジセットを実質的に気密に接続し、それにより、前記シリンジセットを充填装置10に保持させる。
【0105】
前記シリンジセットの充填装置10への装着に先立ち、エアシリンダ132は、昇降ロッド142を押し出しており、その結果、吸引具180は、シリンジ20から上方に退避した位置にある。すなわち、前記シリンジセットの充填装置10への装着が吸引具180によって邪魔されないようになっているのである。
【0106】
続いて、ステップS25において、エアシリンダ132が昇降ロッド142を引き込むことにより、退避位置にある吸引具180を、シリンジ20内に挿入する。真空チューブ182のストッパ214が、シリンジ20内に先に存在する第1プラグ160に突き当たるまで、真空チューブ182および第2プラグ190を含む吸引具180がエアシリンダ132によって下降させられる。
【0107】
これにより、図3に示すように、シリンジ20内において第1プラグ160と第2プラグ190とが、互いに直列に、かつ、第1プラグ160が下に、第2プラグ190が上に位置するように、位置決めされることになる。第1プラグ160の前進限度は、例えば、容器12の底部56のうち、排出通路57を形成する部分の先端部との当接によって規定される。
【0108】
その後、エアシリンダ132は、前述の浮動位置に切り換えられ、その結果、真空チューブ182から第1プラグ160には、真空チューブ182の重量、および、その真空チューブ182と一緒に昇降する部材の重量との和から摺動抵抗を除外した値を有する力が作用する。その力は、第1プラグ160をシリンジ20の底部62に向かって押し付ける向きの力であって、第1部分空間170の容積を減少させる向きの力である。
【0109】
その後、ステップS26において、図11に示すように、真空チューブ182を介して第3部分空間200内の空気を前記真空源によって吸引することにより、第3部分空間200を真空にする。それに伴い、第1部分空間170が真空になる。第1部分空間170には、その後、容器12から粘性材料14が充填されるが、それに先立ち、第1部分空間170内には、粘性材料14に発生するボイドの原因となる空気が実質的に存在しないことになる。
【0110】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、真空チューブ182により、シリンジ20内の第3部分空間200が真空化され、引き続き、その第3部分空間200を第2の真空源として、第1部分空間170が、シリンジ20の内周面と第1プラグ160の外周面との間の半径方向隙間を介した空気の流れにより、真空化される。
【0111】
それにより、シリンジ20内の第1部分空間170および第3部分空間200が、真空チューブ182の遠位端に接続された前記外部の真空源より高圧であるという差圧が発生する。その差圧により、第1部分空間170内に存在する空気が、シリンジ20の内周面162と第1プラグ160の外周面との間の半径方向隙間を介して第3部分空間200に流入し、ひいては、真空チューブ182を介してシリンジ20の外部に排出される。その結果、第1部分空間170内への粘性材料14の充填中に、その粘性材料14内に空気が混入せずに済む。
【0112】
その結果、本実施形態によれば、シリンジ20内の空間さえ真空化されれば、シリンジ20内に流入された粘性材料14が空気に接触せずに済むため、容器12およびシリンジ20の全体を密閉状態で収容するためのハウジングを設けることを不可欠とすることなく、シリンジ20内への粘性材料14の充填中にその粘性材料14内に空気が混入せずに済む。
【0113】
よって、本実施形態によれば、充填中に粘性材料14内に空気が混入することを防止するために、容器12およびシリンジ20の全体を密閉状態で収容するためのハウジングを設けることが不可欠ではなくなるし、そのハウジングから空気を抜いて真空にすることも不可欠ではなくなる。
【0114】
その結果、本実施形態によれば、充填中に粘性材料14内に空気が混入することを防止するために、充填装置10が大型化する傾向も部品点数が増加する傾向も軽減され、ひいては、重量およびコストが増加する傾向も軽減される。
【0115】
さらに、本実施形態によれば、狭い作業空間しか存在しない作業環境においても、充填装置10を用いて粘性材料14の充填を行い得るし、また、同じ作業空間に同時に占有可能な容器12およびシリンジ20のそれぞれの数を増加させることが容易となる。
【0116】
さらに、本実施形態によれば、粘性材料14が充填されるべき第1部分空間170が真空化されるため、充填前に粘性材料14自体に空気が混入していた場合には、充填中に、脱泡、すなわち、その混入していた空気を粘性材料14から抜くことも併せて行うことが可能となる。
【0117】
さらに、本実施形態によれば、シリンジ20内の第1プラグ170に、そのシリンジ20内に流入した粘性材料14に接近する向きの力(すなわち、開口部68から、第1部分空間170に向かう力)が真空チューブ182によって付与される。その付与される力の向きは、第1部分空間170の容積を減少させる向きである。一方、第1部分空間170の真空化も、第1部分空間170の容積を減少させることを促進する。
【0118】
よって、本実施形態によれば、真空チューブ182による力の付与と、第1部分空間170の真空化との共同作用により、第1部分空間170内に存在する空気が、シリンジ20と第1プラグ160との間の半径方向隙間を介して、第1部分空間170から排出されることが促進される。
【0119】
さらに、本実施形態によれば、シリンジ20内の第1プラグ160に、そのシリンジ20内に流入した粘性材料に接近する向きの力が真空チューブ182によって付与される。その付与される力の向きは、第1部分空間170の容積を減少させる向きである。一方、前述の、第1部分空間170の真空化も、第1部分空間170の容積を減少させることを促進する。
【0120】
よって、本実施形態によれば、真空チューブ182による力の付与と、第1部分空間170の真空化との共同作用により、第1部分空間170内に存在する空気が、シリンジ20と第1プラグ160との間の半径方向隙間を介して、第1部分空間170から排出されることが促進される。
【0121】
続いて、ステップS27において、図1に示すように、エアシリンダ120がロッド122を押し出すことにより、まず、プッシャ124が、図3に示すように、プランジャ22の係合部59に背後から係合する。引き続き、エアシリンダ120がロッド122をさらに押し出すと、プランジャ22が上昇して容器12内に押し込まれる。それに伴い、容器12から粘性材料14が、重力に抗して押し出され、これにより、第1部分空間170内への充填が開始される。
【0122】
やがて、図3および図7に示す初期状態にある第1部分空間170の全体が粘性材料14で充填されるに至る。続いて、粘性材料14の充填が継続すると、第1部分空間170の容積が増加し、それに伴い、第1プラグ160、第2プラグ190、真空チューブ182および可動フレーム136が上昇しようとする。このとき、第1部分空間170内の粘性材料14は、自身の粘性と、シリンジ20の内周面162と第1プラグ160の外周面との間のわずかな半径方向隙間との共同作用により、第3部分空間200への流出が阻止される。
【0123】
粘性材料14のシリンジ20内への充填に先立ち、図2に示すガススプリング150は、可動フレーム136によって圧縮されている状態にある。その反作用として、ガススプリング150は、可動フレーム136を、吸引具180と共に、上昇させる力を、可動フレーム136に付与している。
【0124】
したがって、図3および図7に示す初期状態にある第1部分空間170の全体が粘性材料14で充填されるに至った後、第1部分空間170の容積がさらに増加すると、それに伴い、第1プラグ160、吸引具180(第2プラグ190および真空チューブ182を含む)および可動フレーム136が、第1部分空間170内の粘性材料14の圧力をそれほど上昇させることなく、上昇することが可能となる。すなわち、本実施形態においては、ステップS28において、吸引具180(第2プラグ190および真空チューブ182を含む)および可動フレーム136の上昇が、ガススプリング152によって機械的にアシストされているのである。
【0125】
その後、プランジャ22が前進限度まで前進して容器12にボトミングすると、ステップS29において、エアシリンダ132が昇降ロッド142を押し出すことにより、第1プラグ160をシリンジ20内に残したまま、吸引具180を上昇させ、それにより、吸引具180をシリンジ20から引き抜く。
【0126】
続いて、ステップS30において、前記シリンジセットが、容器12および充填装置10から取り外される。その後、ステップS31において、前記容器セットが、充填装置10から取り外される。以上で、1個の容器12から1本のシリンジ20への粘性材料14の移送充填が完了する。
【0127】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が多いため、異なる要素についてのみ詳細に説明し、共通する要素は、同一の符号を使用して引用することにより、重複した説明を省略する。
【0128】
第1実施形態においては、第1プラグ160に加えて第2プラグ190もシリンジ20内に挿入されるとともに、第1プラグ160に真空チューブ182が係合させられ、それにより、第1部分空間170が真空化されるようになっている。
【0129】
これに対し、本実施形態においては、第1実施形態に対し、第2プラグ190が省略されるとともに、図13に示すように、第1プラグ160に、前記真空源に接続されない単なるロッド230が係合させられ、それにより、そのロッド230は、第1プラグ160をシリンジ20の底部62に向かって押し付けるように機能するのみで、第1部分空間170の真空化は行わないようになっている。ロッド230の基本的な構成は、第2プラグ190に関連する部分を除き、図9に示す真空ロッド182と共通する。
【0130】
しかし、ロッド230は、真空チューブ182と同様にして、充填装置10によって保持される。具体的には、ロッド230は、エアシリンダ132によって昇降させられるとともに、ガススプリング152により、上昇力を付与される。ロッド230は、本実施形態においては、真空チューブ182と同様に、鋼製パイプとして構成されており、それにより、必要な剛性(軸方向に圧縮力を伝達するため)を確保しつつ、軽量化を実現する。これに代えて、ロッド230を、合成樹脂製パイプとしたり、鋼製または合成樹脂製の中実棒とすることが可能である。
【0131】
図14には、本実施形態に従う充填方法が工程図で示されている。本実施形態においては、すべてのステップのうち、ステップS25以後のステップのみが第1実施形態と異なるため、共通するステップについては重複した説明を省略し、異なるステップのみを説明する。
【0132】
ステップS25において、図12におけるステップS25と同様に、エアシリンダ132が昇降ロッド142を引き込むことにより、退避位置にあるロッド230をシリンジ20内に挿入する。ロッド230のストッパ214が、シリンジ20内に先に存在する第1プラグ160に突き当たるまで、ロッド230がエアシリンダ132によって下降させられる。これにより、図13に示すように、シリンジ20内において第1プラグ160とロッド230とが、互いに直列に、位置決めされることになる。第1プラグ160の前進限度は、例えば、容器12の底部56のうち、排出通路57を形成する部分の先端部との当接によって規定される。
【0133】
その後、エアシリンダ132は、前述の浮動位置に切り換えられ、その結果、ロッド230から第1プラグ160には、ロッド230の重量、および、そのロッド230と一緒に昇降する部材の重量との和から摺動抵抗を除外した値を有する力が作用する。その力は、第1プラグ160をシリンジ20の底部62に向かって押し付ける向きの力であって、第1部分空間170の容積を減少させる向きの力である。
【0134】
続いて、ステップS26において、図12におけるステップS27と同様に、図13に示すように、プランジャ22が上昇して容器12内に押し込まれる。それに伴い、容器12から粘性材料14が、重力に抗して押し出され、これにより、第1部分空間170内への充填が開始される。
【0135】
本実施形態においては、シリンジ20内への粘性材料の充填に先立ち、そのシリンジ20の第1部分空間170内に空気が存在し、しかも、充填中、第1部分空間170が真空化されることもない。
【0136】
しかしながら、本実施形態によれば、図15に示すように、粘性材料14が容器12からシリンジ20の第1部分空間170内に流入すると、第1部分空間170内に存在する空気が、流入した粘性材料14によって圧縮される。
【0137】
それにより、シリンジ20内において、第1部分空間170が、シリンジ20の外部に連通した第2部分空間172(大気圧)より高圧であるという差圧が発生する。その差圧により、第1部分空間170内の空気が、シリンジ20の内周面162と第1プラグ160の外周面との間の半径方向隙間を介して第2部分空間172に流入し、ひいては、シリンジ20の開口部68から外部に排出される。
【0138】
その結果、本実施形態によれば、第1部分空間170内への粘性材料14の充填中に、第1部分空間170から空気が排出され、第1部分空間170内の粘性材料14内に空気が混入せずに済む。
【0139】
さらに、本実施形態によれば、シリンジ20内の第1プラグ160に、第1部分空間170の容積が減少する向きの力がロッド230によって付与される。その付与される力は、シリンジ20内に流入した粘性材料14に第1プラグ160が接近する向きの力である。
【0140】
よって、本実施形態によれば、ロッド230による力の付与によっても、上述の差圧が発生し、ロッド230による力の付与が存在しない場合より、シリンジ20に大きな差圧が発生する。それにより、第1部分空間170内に存在する空気が、シリンジ20の内周面162と第1プラグ160の外周面との間の半径方向隙間を介して第2部分空間172に流入する現象が促進される。
【0141】
このように、本実施形態によれば、容器12からシリンジ20への粘性材料14の充填中に空気が粘性材料14内に混入することを防止するために、容器12およびシリンジ20内の空間(特に、シリンジ20内の空間)を真空化することが不可欠ではなくなる。その結果、容器12およびシリンジ20の全体を密閉状態で収容するためのハウジングを設けることを不可欠とすることなく、シリンジ20内への粘性材料14の充填中にその粘性材料14内に空気が混入することを防止し得る。
【0142】
やがて、図13に示す初期状態にある第1部分空間170の全体が粘性材料14で充填される(第1部分空間170内のもともとの空気がすべて粘性材料14で置換される)に至る。続いて、粘性材料14の充填が継続すると、第1部分空間170の容積が増加し、それに伴い、第1プラグ160、ロッド230および可動フレーム136が上昇しようとする。このとき、第1部分空間170内の粘性材料14は、自身の粘性と、シリンジ20の内周面162と第1プラグ160の外周面との間のわずかな半径方向隙間との共同作用により、第2部分空間172への流出が阻止される。
【0143】
粘性材料14のシリンジ20内への充填に先立ち、図2に示すガススプリング150は、可動フレーム136によって圧縮されている状態にある。その反作用として、ガススプリング150は、可動フレーム136を、ロッド230と共に、上昇させる力を、可動フレーム136に付与している。
【0144】
したがって、図3および図7に示す初期状態における第1部分空間170の全体が粘性材料14で充填されるに至った後、第1部分空間170の容積がさらに増加すると、それに伴い、第1プラグ160、ロッド230および可動フレーム136が、第1部分空間170内の粘性材料14の圧力をそれほど上昇させることなく、上昇することが可能となる。すなわち、本実施形態においては、ステップS27において、ロッド230および可動フレーム136の上昇が、ガススプリング152によって機械的にアシストされているのである。
【0145】
その後、プランジャ22が容器12にボトミングすると、ステップS28において、図12におけるステップS29と同様に、第1プラグ160をシリンジ20内に残したまま、ロッド230を上昇させ、それにより、ロッド230をシリンジ20から引き抜く。
【0146】
続いて、ステップS29において、図12におけるステップS30と同様に、前記シリンジセットが、容器12および充填装置10から取り外される。その後、ステップS31において、図12におけるステップS30と同様に、前記容器セットが、充填装置10から取り外される。以上で、1個の容器12から1本のシリンジ20への粘性材料14の移送充填が完了する。
【0147】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、容器セットのみが第1実施形態または第2実施形態と異なり、他の要素については、それら実施形態と共通するため、容器セットのみを詳細に説明し、共通する要素については、重複した説明を省略する。
【0148】
図16には、本実施形態に従う充填方法の実施に使用される容器セットが分解図で示されている。この容器セットは、基本的な構成を、図5に示す容器セットと共通にする。しかし、本実施形態における容器セットは、容器250が、本体部252およびプラグ254という、分離可能な2部品によって構成されている点と、プランジャ260のうち、容器250内に挿入される部分の直径が、軸方向において一様ではない点で、図5に示す容器セットとは異なる。
【0149】
具体的には、本体部252は、ハウジング50と、チャンバ52と、開口部54と、底部56とを含むように構成されている。底部56の中央部には、円形断面で軸方向に延びる貫通穴270が形成されている。プラグ254は、ベースプレート280と、そのベースプレート280の一側表面から延びる係合軸部282と、ベースプレート280の他側表面から延びる接続軸部284とを一体的に有するように構成されている。このプラグ254は、例えば、テフロン(登録商標)のような合成樹脂で形成されているが、別の材料で形成してもよい。このプラグ254は、それら3つの部分280,282および284を同時に貫通する貫通穴286を有している。
【0150】
プラグ254が本体部252に装着された状態で、係合軸部282は、底部56の貫通穴270に嵌合する。接続軸部284は、容器250をシリンジ20の底部62に実質的に気密に接続するために使用され、具体的には、接続軸部284は、底部62の筒部64内に嵌合する。本実施形態においては、接続軸部284の外周面におねじ部が形成される一方、筒部64の内周面にめねじ部が形成され、それら接続軸部284と筒部64とが互いに螺合することによって接続される。
【0151】
プラグ254は、本体部252に着脱可能に装着され、その装着状態を維持するために、プラグ254は本体部254に、ねじ止めのような方法で締結される。プラグ254が本体部252に装着されることによって容器250が完成し、この状態においては、粘性材料14が、貫通穴286を経由して、容器250のチャンバ52からシリンジ20内に移送される。すなわち、貫通穴286は、排出通路57と同じ機能を果たすのである。
【0152】
このように、本実施形態においては、プラグ254が本体部252から分離可能となっている。一方、プラグ254は、異なる複数本のシリンジ20に共通に使用されるため、特に、接続軸部284における摩耗が早い。したがって、本実施形態においては、本体部252の交換なしでプラグ254のみ交換可能となり、よって、プラグ254の交換に伴って本体部252を無駄に交換せずに済む。
【0153】
図16に示すように、プランジャ260の本体部58は、半球状を成す先端部290と、係合部59に隣接する基端部292と、両者間の中間に位置する中間部294とを有している。先端部290も基端部292も中間部294も、円形断面を有するが、先端部290の直径D2は、基端部292の直径D1より小さくされている。また、中間部294は、それの直径が、先端部290の直径D2と等しい直径から、基端部292の直径D1に等しい直径まで変化するテーパ状を成している。
【0154】
基端部292の直径D1は、本体部252のチャンバ52の直径(開口部54の直径と等しい)と実質的に一致するから、基端部292がチャンバ52内に挿入されている状態においては、基端部292の外周面とチャンバ52の内周面との間にわずかな、周方向に延びる半径方向隙間CL1しか存在しない。
【0155】
そのため、この状態においては、チャンバ52内に粘性材料14はもとより、チャンバ52内の粘性材料14の後面とプランジャ260の先端面との間に空気が存在していても、粘性材料14も空気も隙間CL1を経て外部に実質的に漏れることはない。
【0156】
これに対し、先端部290がチャンバ52内に挿入されている状態においては、先端部290の外周面とチャンバ52の内周面との間に、隙間CL1より半径方向寸法が大きい隙間CL2が形成される。そのため、この状態においては、多少の粘性材料14と、チャンバ52内の粘性材料14の後面とプランジャ260の先端面との間に存在する空気とが、隙間CL2を経て外部に漏れることが促進される。
【0157】
ところで、チャンバ52が粘性材料14で充填されている容器250にプランジャ260を挿入しようとすると、プランジャ260が、それの前方に位置する空気と共に、チャンバ52内に挿入される。その結果としてチャンバ52内に侵入した空気は、容器250内においてプランジャ260が前進限度に到達したために、すべての粘性材料14が容器250からシリンジ20に移送された状態において、そのシリンジ20の第1部分空間170内に存在することになる。
【0158】
その結果、シリンジ20の第1部分空間170内に粘性材料14が空気と共に存在することになる。この空気が存在すると、作業者が、前記塗布ガンで粘性材料14を吐出しようとしても、その吐出工程の最初の時点では、空気のみが吐出され、肝心の粘性材料14は吐出されないという不都合の原因となるし、さらに、そのような空気は、粘性材料14内に混入して、前記塗布ガンから吐出されて目標対象物に塗布された粘性材料14内においてボイドを形成する原因ともなる。
【0159】
これに対し、本実施形態においては、プランジャ260の容器250内への挿入が開始されると、まず、先端部290が容器250内に進入し、このとき、先端部290の外周面とチャンバ52の内周面との間に隙間CL2が形成される。先端部290と、チャンバ52内の粘性材料14との間に空気が存在すると、その空気は、前進する先端部290のによって押し退けられると、隙間CL2を経て外部に漏れ出すことになる。
【0160】
このとき、空気のみならず粘性材料14も、前進する先端部290によって押し退けられるが、粘性材料14は、それの粘性のため、隙間CL2を、空気ほど容易には漏れ出すことはない。すなわち、隙間CL2は、空気のみを選択的に漏れさせるように機能するフィルタとして機能するのである。
【0161】
プランジャ260の容器250への挿入に際してチャンバ52内に侵入するかもしれない空気の最大量は、チャンバ52内に充填された粘性材料14の後面の形状(通常は、平面)と、その充填された粘性材料14の粘性(材料形状の変形し易さ)と、先端部290の形状と、プランジャ260の断面積とに依存し、ある程度の精度で予測することが可能である。
【0162】
よって、チャンバ52内に侵入した最大量の空気のうちの実質的な全部が隙間CL2を経て容器250から漏れ出すのに必要なプランジャ260のストロークも予測可能である。その予測されたストロークが達成されるころに、中間部294が容器250に進入し、やがて、基端部292が容器250に進入し始めるように、先端部290の軸方向長さが予め設定されている。基端部292がチャンバ52内に挿入されると、そのチャンバ52から粘性材料14が漏れ出すことが阻止される。
【0163】
したがって、本実施形態によれば、容器250内にプランジャ260を挿入することに起因して容器250内に空気が侵入することが完全にないしは部分的に阻止されるため、粘性材料14ではなく空気が前記塗布ガンから吐出される可能性も、前記塗布ガンから吐出されて塗布された粘性材料14内にボイドが形成される可能性も軽減される。
【0164】
本明細書は、ここに記載されている技術の実施態様のいくつかの例における組成物、方法、システムおよび/または構造物ならびに用途についての十分な説明を提供する。当該技術の種々の実施態様を、ある程度の具体性を有するか、または少なくとも一つの個別の実施態様を参照して上述したが、当業者であれば、その開示された実施態様に対する多数の変更を、当該技術の精神からも範囲からも逸脱することなく、行うことが可能である。さらに、反対のことが特許請求の範囲の欄において明示されていないか、特定の順序が特許請求の範囲中の用語によって本質的に不可欠とされていない限り、いなかる作動をいなかる順序で行ってもよいことを理解すべきである。上記の説明に含まれるとともに添付図面に図示されるすべての事項は、特定の実施態様のみについての例示として解釈すべきであって、それら事項は、説明されている実施態様に限定するものではないということを意図している。詳細部または構造の変更は、後続する特許請求の範囲の欄中に定義されている当該技術の基本的な要素から逸脱することなく、行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性材料を容器からシリンジに移送して充填する粘性材料充填方法であって、
前記容器は、
容器ハウジングと、
その容器ハウジング内に形成され、前記粘性材料が収容されるべき容器内部空間と、
前記容器ハウジングに形成され、前記容器内部空間に連通した第1開口部および第2開口部と
を含み、
前記シリンジは、
シリンジハウジングと、
そのシリンジハウジング内に形成され、前記容器から前記粘性材料が移送されて充填されるべきシリンジ内部空間と、
前記シリンジハウジングに形成され、前記シリンジ内部空間に連通した第3開口部および第4開口部と
を含み、
当該粘性材料充填方法は、
前記容器内に前記粘性材料が収容されている状態で、前記容器の前記第1開口部から前記容器内にプランジャを挿入し、それにより、容器セットを準備する容器セット準備工程であって、その容器セットは、所定位置に保持されるものと、
第1プラグを前記シリンジ内にスライド可能に接触する状態で挿入し、それにより、シリンジセットを準備するシリンジセット準備工程であって、前記第1プラグは、前記シリンジ内に挿入された状態で、前記シリンジ内部空間を、前記第3開口部の側の第1部分空間と、前記第4開口部の側の第2部分空間とに仕切り、前記第1プラグは、さらに、前記第1部分空間から前記第2部分空間に向かう向きのガスの流れは許容するが、同じ向きの前記粘性材料の流れは制限するとともに、前記第2部分空間から前記第1部分空間に向かう向きのガスの流れも前記粘性材料の流れも阻止し、前記シリンジセットは、前記シリンジの前記第3開口部が前記容器の前記第2開口部に実質的に気密にかつ分離可能に接続された状態で保持されるものと、
前記シリンジ内において前記第1プラグに係合し、それにより、前記第1部分空間の容積が減少する向きの力を前記第1プラグに付与するロッドを前記シリンジ内に挿入するロッド挿入工程と、
前記プランジャを、前記容器内において前記第2開口部に向かって押し込み、それにより、前記容器内の前記粘性材料を前記第2開口部から押し出し、それにより、前記粘性材料を前記容器から前記シリンジの前記第1部分空間内に移送して充填する押出し工程と
を含む粘性材料充填方法。
【請求項2】
さらに、
前記容器セットを、前記第1開口部が下側に、前記第2開口部が上側に位置する逆さま姿勢に保持する工程を含み、
前記押出し工程は、前記プランジャを、前記容器の前記第2開口部に向かって押し上げ、それにより、前記粘性材料を、反重力方向に、前記容器から前記シリンジの前記第1部分空間内に移送して充填する請求項1に記載の粘性材料充填方法。
【請求項3】
さらに、
前記ロッドに上向きの力を付与することにより、前記第1部分空間への前記粘性材料の充填量の増加につれて前記シリンジ内を上昇する前記第1プラグの動きに追従した前記ロッドの上昇をアシストするアシスト工程を含む請求項2に記載の粘性材料充填方法。
【請求項4】
前記シリンジは、円形断面の内周面を有し、その内周面により、前記シリンジ内部空間が規定され、
前記第1プラグは、弾性変形可能な材料をカップ状に成形して構成され、それにより、前記内周面の内径と実質的に等しい外径を有する円形を成すシルエットを有しており、
その第1プラグは、先端部と末端部とを有しており、
当該粘性材料充填方法は、さらに、
前記第1プラグを、前記内周面内に、前記先端部が前記第3開口部を向くとともに、前記末端部において前記内周面に接触するように、前記シリンジ内に挿入する工程を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の粘性材料充填方法。
【請求項5】
前記ロッドは、軸方向に圧縮力を伝達することが可能な真空チューブであり、
その真空チューブには、前記シリンジ内に挿入されるべき第2プラグが、前記真空チューブが前記第2プラグを実質的に気密に貫通する状態で装着されており、
前記第2プラグは、前記シリンジ内に挿入された状態で、前記第2部分空間を、前記第1プラグの側の第3部分空間と、前記第4開口部の側の第4部分空間とに仕切り、
その第2プラグは、前記第3部分空間から前記第4部分空間に向かうガスの流れとその逆向きのガスの流れとのうち少なくともその逆向きのガスの流れを阻止し、
前記真空チューブは、前記シリンジ内に挿入された状態で、前記第3部分空間に連通し、
前記ロッド挿入工程は、前記真空チューブおよび前記第2プラグを、その第2プラグが前記シリンジの内周面にスライド可能に接触する状態で前記シリンジ内に挿入し、
当該粘性材料充填方法は、さらに、
前記真空チューブを介して前記第3部分空間内のガスを吸引することにより、その第3部分空間を真空にし、それにより、前記第1部分空間を真空にする真空化工程を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の粘性材料充填方法。
【請求項6】
前記ロッド挿入工程は、前記シリンジ内に前記第2プラグを、前記第1プラグに対して直列に、かつ、その第1プラグと同じ向きで挿入する請求項5に記載の粘性材料充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−46248(P2012−46248A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288781(P2010−288781)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【分割の表示】特願2010−187032(P2010−187032)の分割
【原出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(510229197)加賀ワークス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】