説明

粘着式の固着具、およびその固着方法、および粘着式の固着具を備えている手摺構造

【課題】作業経験の有無とは無関係に、誰もが粘着式の固着具を適正に固着して充分な固着強度を発揮でき、高度の安全性と信頼性を満足できる粘着式の固着具を提供する。
【解決手段】それぞれ固着面Wに押付けて接着される第1粘着具5と第2粘着具6、および第2粘着具6の外面を覆うカバー7とを備えている。第2粘着具6とカバー7は、第1粘着具5に設けた締結軸14と、締結軸14に組付けた固定具41・42とで第1粘着具5に固定する。第1粘着具5と第2粘着具6との間に、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持するスペーサ29を配置する。第1粘着具5の粘着面10aのみを固着面Wに接着し、次に固定具41を締結軸14にねじ込んでスペーサ29を圧縮変形させ、第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wに強制的に接着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着材を固着要素とする粘着式の固着具と、その固着方法、さらに粘着式の固着具を備えている手摺構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の粘着式の固着具に関して、特許文献1の吸着盤が公知であり、そこでは、吸着盤の吸着作用と、粘着材の粘着作用とで固着具を壁面等に固着している。詳しくは、円盤状の台座と、台座の内面に収容される吸着リップと、吸着リップの中央に固定した操作軸を昇降操作する減圧カムと、台座の開口内縁に貼付けられる、再接着性の粘着シートなどで吸着盤(固着具)を構成している。吸着リップは、エラストマー層と、エラストマー層の吸着面側に設けられる粘着層とで構成する。粘着層および操作軸は、エラストマー層を成形する過程でインサートされて一体化してある。この吸着盤は、吸着リップの粘着層と、台座に設けた粘着シートを壁面に同時に押付けて密着させ、さらに台座で支持した操作軸を減圧カムで操作して、吸着リップの吸着面を皿状に凹ませて減圧することにより固着状態を保持している。
【0003】
本発明の固着具は、粘着材の接着作用のみで固着具を壁面に固着するが、類似する粘着式の固着具は、例えば特許文献2に開示されている。そこでは、固着リングと、固着リングの内面において回転自在に、しかも壁面へ向かって接離自在に支持される円盤と、固着リングの接着面に設けられる感圧接着剤層と、円盤の接着面に設けられるホットメルト接着剤層とで固着具を構成している。使用時には、固着リングを壁面に押付けて固着具の全体を仮接着する。さらに、円盤の外面中央に設けたソケット穴に電動ドリルの駆動ビットを係合し、円盤を壁面に押付けた状態で回転駆動することにより、ホットメルト接着剤層を摩擦熱で溶融させて、固着具を壁面に固着する。つまり、特許文献2の固着具は、感圧接着剤層の接着力と、ホットメルト接着剤層が固化したときの接着力とで固着具を壁面に固着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−308025号公報(段落番号0028〜0029、図1)
【特許文献2】特表平10−510032号公報(第15頁1〜26行、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の吸着盤によれば、吸着リップの減圧吸着作用と、粘着層および粘着シートの粘着作用とで吸着盤を壁面に対して強固に固着できる。しかし、吸着盤を壁面に固着した状態では、吸着リップに設けた粘着層もエラストマー層とともに皿状に凹むので、壁面の表面の状況によっては減圧状態が破壊されやすい。吸着盤を固着した状態の粘着層は、その周縁部側のみが壁面に密着しているが、壁面に先の密着面を径方向へ横切る緩やかな凹凸があるような場合に、減圧状態が破壊されるおそれがある。そのため、安全性を考慮すると、吸着盤を問題なく適用できる壁面がタイル壁や、ガラス面などの比較的平坦な壁面に限定されてしまう。
【0006】
その点、特許文献2の粘着式の固着具は、感圧接着剤層と、ホットメルト接着剤層のそれぞれを壁面に同心円状に接着させるので、固着具を安定した状態で壁面に固定でき、しかも適用可能な壁面の範囲を拡大できる。しかし、ホットメルト接着剤層を壁面との摩擦熱で溶融させて固着するので、固着具の壁面に対する固着強度がばらつきやすい点に問題がある。壁面の表面性状の違いに応じて摩擦係数が大きく異なり、ホットメルト接着剤層の溶融状態が様々に変化し、さらに、作業者の経験の違いによってホットメルト接着剤層の溶融加減が一定しないからである。
【0007】
本発明に係る粘着式の固着具は、特許文献2の粘着式の固着具とは異なり、円形の粘着部と、この粘着部の周囲を囲む無端枠状の粘着部のそれぞれを壁面に押付けて接着するが、この種のいわば全粘着式の固着具においても、固着強度がばらつきやすい問題がある。多くの場合は、固着部を壁面に押付ける際に、各粘着部が充分な力で押付けられていないこと、押付け力が局部的に偏る状態で押付けられること、各粘着部を押付けた状態において、接着面に空気がかみ込んでいることなどが原因である。
【0008】
本発明の粘着式の固着具は、例えば玄関、トイレ、浴室などに設置される手摺の取付け構造として適用するが、このように人の体重を支える器具に適用される固着具には、高度の安全性と信頼性を備えていることが求められる。全粘着式の固着具において、高度の安全性と信頼性を発揮できるようにするには、壁面に固定した固着具の固着強度が充分であることが最も基本的な事項となる。しかし、先にも述べたように、粘着式の固着具の固着強度は、施工時の作業者の経験の有無に左右されてばらつきやすく、施工後の固着強度が設計上の固着強度を満たしていない状況が、少なからず発生している。
【0009】
本発明の目的は、作業経験の有無とは無関係に、誰でもが粘着式の固着具を適正に固着して充分な固着強度を発揮でき、高度の安全性を有し、信頼性に優れた粘着式の固着具を提供することにある。
本発明の目的は、作業経験の有無とは無関係に、誰でもが粘着式の固着具を適正に固着して充分な固着強度を発揮でき、高度の安全性を有し、信頼性に優れた粘着式の固着具の固着方法と、粘着式の固着具を備えている手摺構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る粘着式の固着具は、それぞれ固着面Wに押付けて接着される第1粘着具5と第2粘着具6、および第2粘着具6の外面を覆うカバー7とを備えている。第2粘着具6とカバー7とは、第1粘着具5に設けた締結軸14と、締結軸14に組付けた固定具41・42とで第1粘着具5に固定される。第1粘着具5と第2粘着具6との間に、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持するスペーサ29を配置する。図7に示すように、第1粘着具5の粘着面10aのみを固着面Wに接着した状態で、固定具41で第2粘着具6をスペーサ29を圧縮変形させながら固着面Wへ向かって変位させて、第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wに接着することを特徴とする。
【0011】
第2粘着具6と対向するカバー7の内面に押付体35を設ける。締結軸14に組付けた固定具42でカバー7を第2粘着具6に押付けて、第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wに押圧保持する。
【0012】
第1粘着具5は、第1粘着ベース8と、第1粘着ベース8の接着面9側に配置される第1粘着材10とで構成されて、第1粘着ベース8に締結軸14が固定してある。図1に示すように、第1粘着材10の粘着面10aの中央部寄りに、空気チャンバー16を固着面Wから離れる向きに凹み形成する。
【0013】
スペーサ29は、締結軸14の軸心方向へ弾性変形可能な弾性体で形成する。第2粘着具6を固定具41で固定した状態において、スペーサ29は自己の弾性変形限度内で圧縮変形している。
【0014】
第1粘着具5の円盤状に形成した第1粘着ベース8に、円形の第1粘着材10を配置する。第2粘着具6の多角形状に形成した第2粘着ベース18に、外周形状が多角形で、内周形状が第1粘着材10の周囲を囲む円形の第2粘着材20を配置する。第2粘着ベース18に対応して多角形状に形成したカバー7の内面に、第2粘着ベース18の外面および隅部近傍の周壁を介して第2粘着材20を押付ける押付体35を設ける。
【0015】
図8に示すように、第2粘着具6を固定する固定具は、前記締結軸14にピン55を介して倒伏可能に連結される押圧カム41で構成する。押圧カム41は、第2粘着ベース18の外面のカム受面60にそれぞれ接当する第1カム面58と第2カム面59とを備えている。第1カム面58がカム受面60に接当する待機位置から、第2カム面59がカム受面60に接当する作動位置に押圧カム41を傾倒操作することにより、スペーサ29を圧縮変形させて第2粘着具6の接着面20aを固着面Wに接着する。
【0016】
本発明の固着方法に係る固着具は、固着面Wに押付けて接着される第1粘着具5と、第1粘着具5に設けた締結軸14に組付けられる第2粘着具6およびカバー7と、第1粘着具5と第2粘着具6との間に配置されて、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持するスペーサ29を含む。固着方法は、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持した状態で、第1粘着具5の粘着面10aのみを固着面Wに押付けて接着する1次接着過程。締結軸14に組付けた固定具41で第2粘着具6を固着面Wへ向かって変位させて、スペーサ29を圧縮変形させながら第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wに接着する2次接着過程。締結軸14に組付けた固定具42でカバー7を第2粘着具6に押付けて、第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wに強圧する押圧保持過程とからなる。
【0017】
本発明に係る粘着式の固着具を備えている手摺構造は、複数個の粘着式の固着具1・1と、各固着具1・1に組付けられる複数の手摺ブラケット2・2と、複数の手摺ブラケット2・2で支持される手摺棒3を備えている。固着具1は、それぞれ固着面Wに押付けて接着される第1粘着具5と第2粘着具6、および第2粘着具6の外面を覆うカバー7とを備えている。第2粘着具6は、第1粘着具5に設けた締結軸14と、締結軸14に組付けた固定具41とで第1粘着具5に固定される。第1粘着具5と第2粘着具6との間に、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持するスペーサ29を配置する。第1粘着具5の粘着面10aのみを固着面Wに接着した状態で、固定具41で第2粘着具6をスペーサ29を圧縮変形させながら固着面Wへ向かって変位させて、第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wに接着する。手摺ブラケット2は、締結軸14にねじ込んだナット42でカバー7とともに、第2粘着具6を介して第1粘着具5に固定する。
【発明の効果】
【0018】
本発明においては、第1粘着具5、第2粘着具6、カバー7と、両粘着具5・6の間に配置されるスペーサ29と、第2粘着具6とカバー7を固定する締結軸14および固定具41・42などで固着具1を構成した。固着具1を固着面Wに固着する際には、第2粘着具6をスペーサ29で接着待機状態に位置保持した状態で、第1粘着具5の粘着面10aのみを固着面Wに接着する。さらに、固定具41で第2粘着具6を固着面Wへ向かって変位させて、スペーサ29を圧縮変形させながら第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wに接着する。
【0019】
以上のように、本発明の固着具1においては、固着面Wに接着した第1粘着具5を土台にし、さらに第1粘着具5に設けた締結軸14で第2粘着具6を支持して、固定具41で第2粘着具6を機械的に変位操作して固着面Wに接着するようにした。このように、2個の接着具5・6を固着面Wに順に接着すると、接着面積が同じ1個の接着具をいきなり固着面に接着する場合に比べて、押付け力の不足、押付け力の局部的な偏り、あるいは空気のかみ込みを極力避けることができる。第1粘着具5を固着面Wに接着する際には、第2粘着具6がスペーサ29で接着待機状態に位置保持されているので、第1粘着具5のみを接着すればよく、第1粘着具5を固着面Wに対して的確に押圧できるからである。また、締結軸14で支持した状態の第2粘着具6を固定具41で機械的に変位操作して、固定具41の押付け力によって第2粘着具6を固着面Wに接着するので、第2粘着具6を充分な押付け力で的確に接着できるからである。
【0020】
従って、本発明の固着具によれば、作業経験の有無とは無関係に、誰でもが粘着式の固着具1を適正に固着して充分な固着強度を発揮でき、とくに、人の体重を支える器具の取付け構造として固着具1を使用する場合には、安全性と信頼性とを向上できることとなる。また、第1粘着具5と第2粘着具6のそれぞれを固着面Wに粘着させて固定するので、固着面Wの表面性状の違いとは無関係に固着具1を取付けることができる利点もある。
【0021】
カバー7を組付けた状態において、カバー7に設けた押付体35で第2粘着具6を固着面Wに押圧する固着具1によれば、第2粘着具6に作用する固定具41の押圧力と、カバー7に作用する固定具42の押圧力とを、粘着面20aに同時に作用させることができる。また、第2粘着具6を押付体35で押圧保持して、粘着面20aが固着面Wから剥離しようとするのを押付体35で規制できる。従って、固着具1をさらに強固に固着面Wに固着して、固着具1の安全性と信頼性とをさらに向上できる。
【0022】
第1粘着材10の粘着面10aの中央部寄りに、空気チャンバー16を凹み形成すると、第1粘着具5を固着面Wに押付けて接着するとき、第1粘着材10と固着面Wとの間に挟まれた空気を空気チャンバー16へ移動させることができる。これにより、空気チャンバー16を除く第1粘着材10の粘着面10aの全てを固着面Wに粘着させて、第1粘着具5の固着強度を増強できるうえ、第1粘着具5の固着強度が大きい分だけ、第2粘着具6およびカバー7をより安定した状態で固定できる。
【0023】
締結軸14の軸心方向へ弾性変形可能な弾性体でスペーサ29を形成し、第2粘着具6を固定した状態において、スペーサ29が自己の弾性変形限度内で圧縮変形する固着具1によれば、固着具1の固着面Wに対する着脱を繰り返し行うことができる。例えば、固着面Wに固着した固着具1の位置が適切でない場合に、固定具41・42による固定状態を解除すると、スペーサ29を伸張させて圧縮前の状態に復帰できるので、固着具1の固着面Wに対する着脱を何度でも繰り返して行うことができる。ちなみに、スペーサ29は第2粘着具6を固定具41で固定した状態において、塑性変形して圧潰する素材で形成することができるが、その場合には、固着具1の固着面Wに対する固定位置を変更するごとに、新たなスペーサ29と交換する必要があり余分な手間が掛かる。
【0024】
第2粘着ベース18に、第1粘着材10を内包する多角形状の第2粘着材20を設ける固着具1において、カバー7の内面に設けた押付体35で、第2粘着ベース18の外面を押付けると、第2粘着材20の全体を固着面Wに強固に押付けることができる。とくに、固定具41による押圧力が作用しにくい、多角形状の第2粘着材20の隅部近傍を押付体35で強固に押付けて、固着具1の固着力を増強できる。
【0025】
固定具を押圧カム41で構成する固着具1によれば、押圧カム41を待機位置から作動位置に傾倒操作するだけのワンタッチ動作で、スペーサ29を圧縮変形させて第2粘着具6の接着面20aを固着面Wに接着できる。従って、第2粘着具6の固着面Wに対する固定あるいは取外しを簡便に行うことができるうえ、押圧カム41の固着力を常に一定にして、第2粘着具6を過不足のない固着力で常に適正に固定できる。
【0026】
本発明の固着方法においては、1次接着過程で第1粘着具5のみを固着面Wに接着し、2次接着過程で第2粘着具6を固定具41で固着面Wに接着し、さらに押圧保持過程で固定具42でカバー7を第2粘着具6に押付けて、粘着面20aを固着面Wに強圧するようにした。このように、第1粘着具5と、第2粘着具6と、カバー7を順番に操作して固着具1を固着面Wに固定すると、接着面積が同じ1個の接着具をいきなり固着面に接着する場合に比べて、押付け力の不足、押付け力の局部的な偏り、あるいは空気のかみ込みを極力避けることができる。従って、本発明の粘着式の固着具の固着方法によれば、作業経験の有無とは無関係に、誰でもが粘着式の固着具1を適正に固着して充分な固着強度を発揮でき、とくに、人の体重を支える器具の取付け構造として固着具1を使用する場合には、安全性と信頼性とを向上できる。
【0027】
本発明に係る手摺構造においては、固着面Wに接着した第1粘着具5を土台にして、第2粘着具6を固着面Wに接着したのち、手摺ブラケット2とカバー7をナット42で両粘着具5・6に機械的に固定して、手摺棒3を手摺ブラケット2に連結するようにした。このように、固着面Wに接着される第1粘着具5および第2粘着具6を支持構造にして手摺構造を構築すると、固着面Wの表面性状に左右されることもなく、固着具1を固着面Wに確実に固着できるので、手摺構造の適用範囲を拡大できる。また、固定具41およびナット42を操作して、第2粘着具6、手摺ブラケット2、カバー7を機械的に固定するので、作業経験の有無とは無関係に、誰でもが粘着式の固着具を適正に固着して充分な固着強度を発揮でき、粘着式の固着具を備えた手摺構造の安全性と信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る手摺構造を示す図2におけるA−A線断面図である。
【図2】本発明に係る手摺構造の正面図である。
【図3】本発明に係る固着具と手摺ブラケットの分解斜視図である。
【図4】本発明に係る固着具の分解斜視図である。
【図5】図1におけるB−B線断面図である。
【図6】図1におけるC−C線断面図である。
【図7】本発明に係る固着具の固着過程を示す説明図である。
【図8】本発明に係る固着具の別の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】図8に係る固着具の固着過程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施例) 図1ないし図7は本発明に係る粘着式の固着具を手摺構造に適用した実施例を示す。図2において手摺構造は、2個の粘着式の固着具1・1と、各固着具1に組付けられる手摺ブラケット2・2と、両手摺ブラケット2・2で支持される縦長の手摺棒3とで構成してある。
【0030】
図3において固着具1は、例えば壁面からなる固着面Wに押付けて接着される第1粘着具5と第2粘着具6、および第2粘着具6の外面を覆うカバー7とを備えている。第1粘着具5は、円盤状の第1粘着ベース8と、第1粘着ベース8の接着面9(図1参照)の側に配置される第1粘着材10とで構成する。第1粘着ベース8は、耐薬品性と耐衝撃性を備えたABS樹脂製の射出成形品からなり、その外面の中央にはボス11が一体に膨出する状態で形成してある。接着面9の中央部分には凹み深さが0.1mmの円形の凹部12が形成してある(図4参照)。ボス11の周面の4個所には、回止めリブ13が一体に形成してあり、ボス11の中央部分には締結軸14が埋設してある。締結軸14は第1粘着ベース8を成形する過程で、成形用の金型の内部に装填されてインサート固定されており、その軸部分はねじ軸15になっている。
【0031】
第1粘着材10は、粘弾性と粘着性に富むウレタン系エラストマーで形成してあり、図4に示すように円形に形成してある。この第1粘着材10を第1粘着ベース8の接着面9に貼付けて凹部12に沿わせることにより、固着面Wに接着される第1粘着材10の粘着面10aの中央部に、固着面Wから離れる向きの空気チャンバー16が凹み形成される。このように、第1粘着材10の粘着面10aの中央部に空気チャンバー16を形成すると、第1粘着材10を固着面Wに接着するとき、第1粘着材10と固着面Wとの間に挟まれた空気を空気チャンバー16へ移動させることができる。従って、空気チャンバー16を除く第1粘着材10の粘着面10aの全てを固着面Wに密着させて、第1粘着具5の固着面Wに対する固着強度を向上できる。
【0032】
第2粘着具6は、第1粘着ベース8の外面を覆う正方形状の第2粘着ベース18と、第2粘着ベース18の接着面19(図1参照)の側に配置される第2粘着材20とで構成する。第2粘着ベース18は、第1粘着ベース8と同じABS樹脂製の射出成形品からなり、その外面の中央には円形のボス21が一体に膨出する状態で形成してある。また、第2粘着ベース18の内面の側には、第1粘着ベース8を収容する漏斗状の第1ポケット22と、スペーサ29を収容する断面円形の第2ポケット23とが凹み形成してある。図5に示すように、ボス21の周面の4個所には、断面が四角形状の回止め突起24が十文字状に形成され、その内面に先の回止めリブ13を収容する4個の溝25が形成してある。ボス21の外端は締結座26になっており、その中央に、締結軸14を通すための挿通穴27が形成してある。
【0033】
第2粘着材20は、第1粘着材10と同じウレタン系エラストマーで形成してあり、その外形は第2粘着ベース18に合致して正方形状に形成され、中央には接着状態において第1粘着材10の周囲を囲む開口28が形成してある。このように、第2粘着材20は外周形状が四角形で、開口28の内周形状が第1粘着材10の周囲を囲む円形に形成してある。固着面Wに接着される第2粘着材20の粘着面を符号20aで示している(図1参照)。先の第1粘着材10の厚みと、第2粘着材20の厚みとは同じである。
【0034】
第1粘着具5と第2粘着具6を順に固着面Wに接着するために、両粘着具5・6の間に、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持するためのスペーサ29を配置している。スペーサ29は軸心方向へ弾性変形可能な弾性体からなり、詳しくは丸軸状のゴム成形品で形成されて、その中央に締結軸14を挿通するための挿通穴が形成してある。第2粘着具6はスペーサ29と共に締結軸14に挿通されたのち、締結軸14にねじ込んだナット41(固定具)で仮組み状態に保持される。
【0035】
カバー7は、周囲形状が正方形状のABS樹脂製のプラスチック成形品からなり、その外面の中央に受座32が周囲壁より外向きに膨出する状態で形成してある。図6に示すように、受座32の中央には、先のボス21に嵌まり込む丸筒状のボス穴33が形成され、このボス穴33の周囲4個所に回止め突起24と係合する回止め溝34が形成してある。また、第2粘着ベース18と対向するカバー7の内面には、第2粘着ベース18の周壁を介して第2粘着ベースを押圧する押付体35が設けてある。
【0036】
図5に示すように押付体35は、円形リブ36と、円形リブ36の周囲を囲む四角形リブ37と、カバー7の周側壁と四角形リブ37とを四隅部分において橋絡する一対の隅リブ38とで構成してある。これらのリブ36〜38は、カバー7のボス穴33をボス21に嵌込んだ状態において、第2粘着ベース18の外面に接当する。カバー7は、手摺ブラケット2とともに締結軸14に挿通されて、先のナット41とは別のプラスチックナット(固定具)42で締結固定される。プラスチックナット42はポリアミド樹脂で形成してあり、緩み防止機能を備えている。
【0037】
図1および図3において、手摺ブラケット2は、手摺棒3用の連結筒部45を備えたブラケット本体46と、ブラケット本体46に着脱されるブラケットカバー47とで構成する。ブラケット本体46は、ABS樹脂製のプラスチック成形品からなり、その下部に第2粘着ベース18のボス21に外嵌する丸筒状の連結座48を有し、連結座48の外方に先のプラスチックナット42を受止める締結座49が一体に形成してある。締結座49の中央には、締結軸14を挿通する挿通穴50が形成してある。連結筒部45は、締結座49と直交する状態で横向きに突設されており、その内端面にビス座51が設けてある。ブラケットカバー47はABS樹脂製のプラスチック成形品からなり、ブラケット本体46に圧嵌装着した状態において、先のプラスチックナット42および締結軸14の外面を覆っている。
【0038】
上記のように構成した固着具1は、1次接着過程と、2次接着過程と、押圧保持過程とを含む固着方法で固着面Wに固着することができる。さらに、押圧保持過程に並行して手摺ブラケット2を固着具1に固定して、手摺棒3を手摺ブラケット2に組付けることができる。この固着方法における固着具1は、固着面Wに押付けて接着される第1粘着具5と、第1粘着具5に設けた締結軸14に組付けられる第2粘着具6およびカバー7を備えている。さらに、第1粘着具5と第2粘着具6との間に配置されて、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持するスペーサ29を備えている。
【0039】
1次接着過程では、図7(a)に示すように、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持した状態で、第1粘着具5の粘着面10aのみを固着面Wに押付けて接着する。詳しくは、締結軸14にスペーサ29と第2粘着ベース18の挿通穴27を挿通したのち、スペーサ29を第2ポケット23に収容した状態で、ナット41を締結軸14にねじ込んで仮組みし、第2粘着具6を接着待機状態に位置保持する。これにより、第2粘着具6の粘着面20aを、第1粘着具5の粘着面10aより固着面Wから離れる状態に位置保持することができる。この状態で、第1粘着具5の粘着面10aを固着面Wの所定位置に押付けて接着する。
【0040】
このとき、粘着面10aに空気チャンバー16を設けておくことにより、第1粘着材10と固着面Wとの間に挟まれた空気を空気チャンバー16へ移動させて、空気チャンバー16を除く第1粘着材10の粘着面10aの全てを固着面Wに密着させることができる。従って、空気チャンバー16以外の部分において空気がかみ込まれるのを防止して、第1粘着具5の固着面Wに対する固着強度を向上できる。
【0041】
2次接着過程では、締結軸14に組付けたナット(固定具)41で第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wに押付けて接着する。具体的には、締結軸14に仮組みしたナット41をねじ込むことにより、スペーサ29を圧縮変形させながら、第2粘着具6を固着面Wに接近させることができる。図7(b)に示すようにナット41を充分にねじ込んだ状態では、第2粘着具6の粘着面20aをナット41の締結力で固着面Wに強制的に押付けて接着することができる。
【0042】
上記のように、先に固着面Wに固定した第1粘着具5を土台にして、第1粘着具5に固定した締結軸14を利用して第2粘着具6をナット41で固着面Wに強圧すると、作業者の経験の有無とは無関係に、第2粘着具6を固着面Wに的確に固着できる。このとき、図7(b)に示すように、正方形に形成した粘着面20aのうち、第1粘着具5の粘着面10aと同心状の円形領域が固着面Wに強固に接着される。なお、第2粘着具6を固着面Wに固着した状態におけるスペーサ29は、自己の弾性変形限度内で圧縮変形しているので、ナット41を緩めると伸張して圧縮前の状態に復帰できる。
【0043】
押圧保持過程では、締結軸14に組付けたプラスチックナット(固定具)42でカバー7を第2粘着具6に固定する。詳しくは、図7(c)に示すように、カバー7を締結軸14に挿通し、さらにブラケット本体46の連結座48がボス21に外嵌する状態で、締結座49の挿通穴50を締結軸14に挿通する。さらに、平座金を介してプラスチックナット42を締結軸14にねじ込み、ブラケット本体46とカバー7を第2粘着具6に固定する。プラスチックナット42を充分に締込んだ状態では、ブラケット本体46の連結座48と、連結座48に隣接するカバー7の受座32とが密着して、カバー7の内面に設けた押付体35が第2粘着具6の外面に強圧される。これにより、第2粘着具6の粘着面20aを円形リブ36と、四角形リブ37とで固着面Wに確実に押付けることができる。とくに、2次接着過程において押付け力が不足しがちな粘着面20aの四隅領域を、隅リブ38で強圧して固着面Wに確実に接着させることができる。
【0044】
手摺ブラケット2を固着具1と一体化したのち、ブラケット本体46の連結筒部45に、手摺棒3の端部に固定した締結ブロック52を差込み、ビス座51に挿通したビス53を締結ブロック52にねじ込むことにより手摺棒3を固定できる(図1参照)。同様にして、手摺棒3の他方の端部をブラケット本体46にビス53で締結することにより、固着面Wに手摺構造を取付けることができる。
【0045】
以上に説明した粘着式の固着具によれば、比較的面積が小さな第1粘着具5を固着面Wに接着したのち、第1粘着具5を土台にして、締結軸14にねじ込んだナット41で第2粘着具6を機械的に固着面Wに強圧することができる。従って、第1粘着具5および第2粘着具6の固着面Wに対する固着力が、作業者によってばらつくのを解消できる。また、第1粘着具5および第2粘着具6が固着面Wに対して、局部的に偏って押付けられることもない。さらに、第1粘着具5を固着面Wに接着するとき、第1粘着材10と固着面Wとの間に挟まれた空気を空気チャンバー16へ移動させて、空気チャンバー16を除く第1粘着材10の粘着面10aの全てを固着面Wに密着させることができる。
【0046】
従って、作業者の経験の有無とは無関係に、誰でもが粘着式の固着具1を固着面Wに対して適正に固着して充分な固着強度を発揮させることができる。また、固着具1が人の体重を支える器具の支持構造として適用される場合であっても、高度の安全性と信頼性とを満たす状態で固着具1を固着面Wに固着できる。ホットメルト接着剤層を壁面との摩擦熱で溶融させる固着具とは異なり、第1、第2の両粘着具5・6の粘着面10a・20aをそれぞれ固着面Wに接着して固着具1を固定するので、固着面Wの表面性状の違いに左右されることなく固着具1を固着面Wに確実に固定できる利点もある。
【0047】
図8および図9は固着具の別の実施例を示す。そこでは、締結軸14にピン55を介して傾倒可能に連結した押圧カム(固定具)41で、第2粘着具6を第1粘着具5に固定できるようにした。押圧カム41は、締結軸14を間に挟む一対のカム板56と、カム板56どうしを橋絡する操作ボス57を一体に備えており、カム板56の周面に第1カム面58と第2カム面59とが形成してある。
【0048】
また、第2粘着ベース18のボス21の外端には、両カム面58・59を受止める平坦なカム受面60が形成してある。押圧カム41は図9に示すように、第1カム面58がカム受面60に接当する待機位置と、図8に示すように第2カム面59がカム受面60に接当する作動位置との間でピン55の回りに傾倒操作できる。押圧カム41を作動位置に傾倒した状態では、スペーサ29を縮小変形させながら、第2粘着具6の粘着面20aを固着面Wにワンタッチで接着できる。押圧カム41の姿勢の切換えは、図9に示すように、操作ボス57に差込み係合した操作軸61で行う。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0049】
上記の実施例では、カバー7をブラケット本体46と共にプラスチックナット42で締結したが、その必要はなく、ブラケット本体46の連結座48と締結座49に相当する構造をカバー7と一体に形成しておくと、カバー7をプラスチックナット42で直接に締結することができる。また、掛止フック、あるいは吊下げリングをプラスチックナット42でカバー7と共に締結して、掛止フックおよび吊下げリングを固着具1を介して固着面Wに固定することができる。
【0050】
また、上記の実施例では、スペーサ29を弾性変形可能なゴム成形品で形成したがその必要はなく、圧縮コイルばね、皿ばね、あるいは捻じりコイルバネなどで構成することができる。また、スペーサ29は、ナット41を最後まで締めこんだ場合に、塑性変形して圧潰する素材で形成することができる。その場合には、固着面Wに取付けてあった第2粘着具6を第1粘着具5から一旦取り外したのち、新規なスペーサ29を締結軸14に組付けることにより、固着面Wに対する固着具1の取付けを支障なく行うことができる。
【0051】
第2粘着具6の外形は、円形や楕円形、あるいは四角形以外の多角形状に形成することができる。押圧体35の構造は、第2粘着具6の外形の違いに応じて適宜変更すべきであるので、実施例で説明した構造には限定しない。例えば、第2粘着具6の外形が円形である場合には、隅リブ38を省略して、二重円状の円形リブで押圧体35を形成することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 固着具
2 手摺ブラケット
3 手摺棒
5 第1固着具
6 第2固着具
7 カバー
8 第1粘着ベース
10 第1粘着材
10a 第1固着具の粘着面
18 第2粘着ベース
20 第2粘着材
20a 第2固着具の粘着面
35 押圧体
41 ナット、押圧カム(固定具)
42 プラスチックナット(固定具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ固着面(W)に押付けて接着される第1粘着具(5)と第2粘着具(6)、および第2粘着具(6)の外面を覆うカバー(7)とを備えている粘着式の固着具であって、
第2粘着具(6)とカバー(7)とは、第1粘着具(5)に設けた締結軸(14)と、締結軸(14)に組付けた固定具(41・42)とで第1粘着具(5)に固定されており、
第1粘着具(5)と第2粘着具(6)との間に、第2粘着具(6)を接着待機状態に位置保持するスペーサ(29)が配置されており、
第1粘着具(5)の粘着面(10a)のみを固着面(W)に接着した状態で、固定具(41)で第2粘着具(6)をスペーサ(29)を圧縮変形させながら固着面(W)へ向かって変位させて、第2粘着具(6)の粘着面(20a)を固着面(W)に接着することを特徴とする粘着式の固着具。
【請求項2】
第2粘着具(6)と対向するカバー(7)の内面に押付体(35)が設けられており、
締結軸(14)に組付けた固定具(42)でカバー(7)を第2粘着具(6)に押付けて、第2粘着具(6)の粘着面(20a)を固着面(W)に押圧保持する請求項1に記載の粘着式の固着具。
【請求項3】
第1粘着具(5)が、第1粘着ベース(8)と、第1粘着ベース(8)の接着面(9)側に配置される第1粘着材(10)とで構成されて、第1粘着ベース(8)に締結軸(14)が固定されており、
第1粘着材(10)の粘着面(10a)の中央部寄りに、空気チャンバー(16)が固着面(W)から離れる向きに凹み形成してある請求項1または2に記載の粘着式の固着具。
【請求項4】
スペーサ(29)が、締結軸(14)の軸心方向へ弾性変形可能な弾性体で形成されており、
第2粘着具(6)を固定具(41)で固定した状態において、スペーサ(29)が自己の弾性変形限度内で圧縮変形している請求項1から3のいずれかひとつに記載の粘着式の固着具。
【請求項5】
第1粘着具(5)の円盤状に形成した第1粘着ベース(8)に、円形の第1粘着材(10)が配置されており、
第2粘着具(6)の多角形状に形成した第2粘着ベース(18)に、外周形状が多角形で、内周形状が第1粘着材(10)の周囲を囲む円形の第2粘着材(20)が配置されており、
第2粘着ベース(18)に対応して多角形状に形成したカバー(7)の内面に、第2粘着ベース(18)の外面および隅部近傍の周壁を介して第2粘着材(20)を押付ける押付体(35)が設けてある請求項2、3または4のいずれかひとつに記載の粘着式の固着具。
【請求項6】
第2粘着具(6)を固定する固定具が、前記締結軸(14)にピン(55)を介して倒伏可能に連結される押圧カム(41)で構成されており、
押圧カム(41)は、第2粘着ベース(18)の外面のカム受面(60)にそれぞれ接当する第1カム面(58)と第2カム面(59)とを備えており、
第1カム面(58)がカム受面(60)に接当する待機位置から、第2カム面(59)がカム受面(60)に接当する作動位置に押圧カム(41)を傾倒操作することにより、スペーサ(29)を圧縮変形させて第2粘着具(6)の接着面(20a)を固着面(W)に接着できる請求項1から5のいずれかひとつに記載の粘着式の固着具。
【請求項7】
固着面(W)に押付けて接着される第1粘着具(5)と、第1粘着具(5)に設けた締結軸(14)に組付けられる第2粘着具(6)およびカバー(7)と、第1粘着具(5)と第2粘着具(6)との間に配置されて、第2粘着具(6)を接着待機状態に位置保持するスペーサ(29)を含む粘着式の固着具の固着方法であって、
第2粘着具(6)を接着待機状態に位置保持した状態で、第1粘着具(5)の粘着面(10a)のみを固着面(W)に押付けて接着する1次接着過程と、
締結軸(14)に組付けた固定具(41)で第2粘着具(6)を固着面(W)へ向かって変位させて、スペーサ(29)を圧縮変形させながら第2粘着具(6)の粘着面(20a)を固着面(W)に接着する2次接着過程と、
締結軸(14)に組付けた固定具(42)でカバー(7)を第2粘着具(6)に押付けて、第2粘着具(6)の粘着面(20a)を固着面(W)に強圧する押圧保持過程とからなる粘着式の固着具の固着方法。
【請求項8】
複数個の粘着式の固着具(1・1)と、各固着具(1・1)に組付けられる複数の手摺ブラケット(2・2)と、複数の手摺ブラケット(2・2)で支持される手摺棒(3)を備えている手摺構造であって、
固着具(1)は、それぞれ固着面(W)に押付けて接着される第1粘着具(5)と第2粘着具(6)、および第2粘着具(6)の外面を覆うカバー(7)とを備えており、
第2粘着具(6)は、第1粘着具(5)に設けた締結軸(14)と、締結軸(14)に組付けた固定具(41)とで第1粘着具(5)に固定されており、
第1粘着具(5)と第2粘着具(6)との間に、第2粘着具(6)を接着待機状態に位置保持するスペーサ(29)が配置されており、
第1粘着具(5)の粘着面(10a)のみを固着面(W)に接着した状態で、固定具(41)で第2粘着具(6)をスペーサ(29)を圧縮変形させながら固着面(W)へ向かって変位させて、第2粘着具(6)の粘着面(20a)を固着面(W)に接着でき、
手摺ブラケット(2)が、締結軸(14)にねじ込んだナット(42)でカバー(7)とともに、第2粘着具(6)を介して第1粘着具(5)に固定してある粘着式の固着具を備えている手摺構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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