説明

粘膜の断絶部を処置する無臭の処方剤

本発明は、粘膜の断絶部を処置する処方剤を生成する方法であって、フェノール化合物を提供する工程、および精製されたフェノール化合物を硫酸で処理してスルホン酸とスルホン酸塩を生成させる工程を包含する方法を含む。また、本発明は、該方法によって調製された処方剤も含む。本発明の一つの実施形態は、特定のタイプの粘膜の断絶部を処置するための一連の処方剤を生成する方法を含む。この方法は、所定の濃度のフェノール、グアヤコール、スルホン酸、および、必要に応じて、水を提供する工程、グアヤコールおよびフェノールを硫酸および水と反応させて、フェノールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸、ならびに、いくつかの形態では、遊離水と遊離酸を生成して、所定濃度の、フェノールスルホン酸の所定の異性体、グアヤコールスルホン酸の所定の異性体、および、必要に応じて、遊離酸および遊離水を有する処方剤を生成する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘膜の断絶部を処置するための無臭の処方剤に関する。また、本発明は、該処方剤を作製する方法および該処方剤を使用する方法に関する。本明細書において、発明は、さらに、顔の皮膚、足裏や肘の皮膚などの皮膚を剥離する方法も含む。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、「皮膚の断絶(部)」という用語は、生物の粘膜組織に存在するか、それに負わされた不連続性(discontinuity)を意味する。粘膜の断絶部には、物理的な力または他のメカニズムによって生じた内部的または外部的な身体の傷害または病変部を含む。物理的な力とは、機械的に、化学的に、ウイルスによって、細菌によって、または熱によって誘発された物理的な力の一つ以上のことである。物理的な力は、生物の生体構造の正常な連続性を破壊する。
【0003】
粘膜の断絶部には、打撲傷、皮膚が無傷の外傷、裂傷、および鈍器による外傷などがある。断絶部には、事故または手術による外傷が含まれる。
【0004】
大けがやその他の断絶部に苦しむ患者は、治癒および痛みを軽減することによって恩恵を受ける。けがの治癒メカニズムには、粘膜などの組織が修復される一連のプロセスが含まれる。特に、修復では、特定の組織が再生する。新しい組織は再構成される。
【0005】
けがの治癒は、一般的に3段階からなる。第1段階は、最長約3日間続く炎症期である。第2段階は、約3日から12日間続く細胞増殖期である。第3段階は、約3日から6ヶ月間続く再構築期である。
【0006】
第1の炎症期には、血小板の凝集および凝固によって、血漿蛋白質および血液細胞を捉えるマトリックスが形成され、さまざまな種類の細胞の流入が誘導される。第2の細胞増殖期には、新しい結合組織または肉芽組織および血管が形成される。第3の再構築期には、肉芽組織に代わって、瘢痕組織の形成をもたらす、コラーゲン繊維およびエラスチン繊維のネットワークが形成される。
【0007】
けがによって細胞が傷害を受けたり死んだりすると、傷害を受けた細胞を蘇生させ、また、死んだ細胞に代わる新しい細胞を産生させるための創傷治癒処置が望まれる。治癒過程で、細胞傷害性の逆転、炎症の抑制、および細胞の生存および増殖の促進などが生じる。一般的に、創傷は、治癒の初期段階では。酸化的損傷を抑制するために低量の酸素を必要とし、治癒の後期段階では、線維芽細胞によるコラーゲンの形成を促進させるために高量の酸素が必要となる。
【0008】
粘膜の断絶部の一つのタイプにアフタ性潰瘍が含まれる。アフタ性潰瘍は、遺伝、外傷、ホルモンの変化、および胃腸という要因だけでなく、必要に応じて、ウイルスによって生じることがあると考えられている。
【0009】
アフタ性潰瘍は、単一から多数、円から卵形までの形をもつ。この潰瘍は、2〜40mmの大きさである。この潰瘍は、舌、頬、唇、軟性および硬性のペレット食道(soft and hard pallet)、歯肉、咽頭、および口の底の粘膜に生じる。また、性器、肛門、および結膜の粘膜にも生じる。
【0010】
アフタ性潰瘍は非常に痛い病変である。この潰瘍は、小さな斑点のある赤い病変部として出現する。潰瘍のある領域は直ちに壊死を起こして、直径約2〜5mmの輪郭がはっきりした円形の潰瘍となる。潰瘍形成は非常に深く、表面組織に相当する黄白色の基底をもつ。潰瘍の辺縁部は若干硬変して、粘膜辺縁部の周りには紅斑性の領域ができる。辺縁部の紅斑は、二次的な細菌の関与の程度によって、軽いものから広範なものまである。
【0011】
アフタ性潰瘍は、約7日間存在してから、次第に治癒してゆく。通常の場合、10〜14日程度で治癒し、瘢痕を残さない傾向がある。特徴的なのは、これらの潰瘍の一つ以上が再発するというパターンがあることである。潰瘍は、一ヶ月もたつと再発するため、何年もの間潰瘍がなくならないという人もいる。既存の病変部が治癒すると、新しい潰瘍が形成される。別のケースでは、アフタ性潰瘍の発生が年に2、3回起きることもある。また、これらの病変は、しばしば、何らかの強い感情的ストレスの後に出現するが、環境が次第に変化した後や慣れない環境における感情的状況の後に最初に現れることもある。
【0012】
アフタ性潰瘍は、女性に生じる頻度がより高いことが分かっている。この潰瘍は、月経期の数日前に出現する。女性では、最初にアフタ性口内炎が現れてから月経が始まる。これらの病変に感受性の女性では、妊娠期間中はこれらの病変が現れないことが、しばしば報告されている。これらの病変は、男性においてよりも女性において、より高い頻度で現れる傾向がある。潰瘍は、どの年齢層でも生じるが、成人で生じる頻度の方が高い。
【0013】
「再発性壊死性粘膜腺周囲炎」という用語は、融合して長く深い潰瘍化領域を形成するアフタを描写するために使用される。症状という観点から言うと、アフタ性病変が起こる約24〜48時間に、チクチクする感じとも形容される、はっきりとしない不快感がその領域に生じる。組織が壊死して潰瘍が形成されるにつれて、病変部がひどく痛むようになる。アフタ性病変は、しばしば、もっとも痛い口腔内潰瘍形成と考えられている。この不快感は、疲労している時に特に強くなることがある。
【0014】
この病気の組織病理学は、顕微鏡写真が非特異的であって、通常、粘膜の潰瘍化を示すものである。表面上皮は、破壊された中心領域を示す。結合組織は、リンパ球、多形核白血球、形質細胞、および組織球によって高密度に浸潤される。潰瘍形成領域の底部と側部には活性型の線維芽細胞が存在する証拠がある。
【0015】
アフタ性潰瘍の鑑別診断には、外傷性潰瘍、急性ヘルペス口内炎、薬物性口内炎、および多形性紅斑が含まれる。アフタ性口内炎の診断は、臨床症状および病歴に基づく。生検は、極端な不快感を伴うため、通常不要であり、別のものと診断されると考えられる他の病変を排除するのに必要でないかぎり回避される。
【0016】
アフタ性病変の不快感を治癒および/または軽減するために、薬剤中の多くの物質が使用されている。例えば、フェノール、クロム酸、ミョウバンおよび硝酸銀などの焼灼薬が長年使用されてきた。これらの薬剤は、小さな神経終末を破壊することによって痛みを軽減する。この病変の治癒時間は、表面上皮に対するこれらの薬剤の腐食薬作用、および潰瘍化領域の基部および側部における線維形成のために長くなる。ビタミンも試されているが、整合した結果は得られていない。抗生物質も使用されているが、矛盾した結果となっている。
【0017】
ある観察者が、オーレオマイシンを1日に3回、局所的に投与すると明らかな効果が表れることを発見した。治療によって、潰瘍の存続時間が約10〜5日から短縮され、鎮痛効果が1時間半から2時間続いた。一時的な緩和も求められており、時には、マグネシウムのミルクまたはヘビーシロップを使用して行われることもある。別のより異質な治療薬も試されているが、ほとんどまたは全く成功していない。これらの治療薬には、牛痘ウイルスによるワクチン接種および栄養補助剤が含まれる。
【0018】
米国特許第3,920,835号、第3,984,556号、および第3,988,470号はすべて、Van Scottらに発行されたものであり、それぞれ、にきび、ふけ、および指掌角化症を処置するための方法を開示している。これらの方法は、通常、患部に、医薬上許容されうる担体に入ったアルファヒドロキシ酸、アルファ−ケト酸およびそのエステル、ならびに3−ヒドロキシ酪酸からなるグループから選択される、2から6個の炭素原子を含む低級脂肪族化合物を約1%から20%含む局所用組成物を塗布することを含む。
【0019】
Taudaらに発行された米国特許第4,416,982号は、過酸化水素をフェノールまたはアニリン誘導体とパーオキシダーゼ存在下で反応させて、過酸化水素を分解する方法を開示している。
【0020】
先行技術である処方剤の一つは、ミネソタ州St.PaulにあるNorthern Research Laboratoriesが製造している。この処方剤は、強いフェノール臭を有するえび茶色の物質である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0021】
(要旨)
本発明の一つの実施形態は、特定のタイプの粘膜の断絶部を処置するための一連の処方剤を生成する方法を含む。この方法は、所定の濃度のフェノール、グアヤコール、スルホン酸、および、必要に応じて、水を提供する工程、グアヤコールおよびフェノールを硫酸および水と反応させて、フェノールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸、ならびに、いくつかの形態では、遊離水と遊離酸を生成して、所定濃度の、フェノールスルホン酸の所定の異性体、グアヤコールスルホン酸の所定の異性体、および、必要に応じて、遊離酸および遊離水を有する処方剤を生成する工程を含む。
【0022】
本発明の別の実施形態は、フェノールスルホン酸およびフェノールスルホン酸の異性体;グアヤコールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸の異性体、およびモノ型およびビス型のグアヤコールスルホン酸;フェノールスルホン酸アンモニウム;およびグアヤコールスルホン酸カリウムを含む、粘膜の断絶部を処置するための処方剤を含む。
【0023】
本発明の別の実施形態は、25〜80重量%の濃度のフェノールスルホン酸;25〜80重量%の濃度のグアヤコールスルホン酸;13〜32重量%の濃度の遊離硫酸;および0〜3重量%の水を含む、粘膜の断絶部を処置するための処方剤を含む。
【0024】
本発明の別の実施形態の一つは、25〜80重量%の濃度のフェノールスルホン酸;0〜5重量%の濃度のフェノールスルホン酸アンモニウム;25〜80重量%の濃度のグアヤコールスルホン酸;0〜32重量%の濃度の遊離硫酸;および0〜3重量%の水を含む、皮膚の断絶部を処置するための処方剤を含む。
【0025】
別の実施形態は、注射器、および注射器の中に入れた本発明に係る処方剤を含む、粘膜の断絶部を処置するための装置を含む。
【0026】
本発明の別の実施形態の一つは、フェノールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸、フェノールスルホン酸アンモニウム、グアヤコールスルホン酸カリウム、水および遊離酸を含む成分;および、所定の量の2つ以上の成分を一緒に混合して、特定のタイプの粘膜の断絶部を処置するための処方剤を生成するよう調整された機械装置を含むシステムを含む。
【0027】
別の実施形態の一つは、表皮剥脱用組成物を含む。表皮剥脱用組成物は、フェノールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸、および、必要に応じて、スルホサリチル酸を含む混合物を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(詳細な説明)
方法およびシステムという形態において、本発明は、特定のタイプの粘膜の断絶部を処置するよう調整された一連の処方剤を生成する方法およびシステムを含む。この方法は、フェノール、グアヤコールスルホン酸、および、必要に応じて、水を提供する工程、および、グアヤコールおよびフェノールを硫酸と、および必要に応じて、水と反応させて、フェノールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸、ならびに、いくつかの形態では、遊離水と遊離酸を生成する工程を含む。所定の濃度のグアヤコール、フェノールスルホン酸、遊離酸および水は、所定の濃度のフェノールスルホン酸の4種類の異性体、グアヤコールスルホン酸の7種類の異性体、および、いくつかの実施形態において、遊離酸および遊離水を有する処方剤を生み出す。特定の異性体の濃度および濃度比は、時間、温度、および、所定の異性体の濃度プロファイルを生み出す反応物濃度など、特定の反応パラメータを選択することによって、予め定めておく。
【0029】
別の実施形態において、フェノールスルホン酸をさらに水酸化アンモニウムなどの水酸化物で処理して、フェノールスルホン酸アンモニウムを生成させる。グアヤコールスルホン酸を水酸化カリウムまたは水酸化亜鉛などの水酸化物で処理して、グアヤコールスルホン酸カリウムを生成させる。
【0030】
本発明に係るシステムは、フェノールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸、スルホサリチル酸、フェノールスルホン酸アンモニウム、グアヤコールスルホン酸カリウム、水、および米国薬局方(NF)硫酸という成分を含む。また、このシステムは、所定量の成分を一緒に混合して、特定のタイプの粘膜の断絶部を処置するための処方剤を生成するよう調整された機械装置も含む。
【0031】
本発明の別の実施形態は、皮膚の表皮を剥脱する方法を含む。この方法は、洗浄した皮膚を、フェノールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸およびスルホサリチル酸などのスルホン化フェノール化合物を2種類以上含む溶液またはクリームまたはローションまたはペーストまたはゲルまたは泡に、皮膚を温めてヒリヒリする感じを生じさせるのに効果的な時間曝露することを含む。この溶液またはクリームまたはローションまたはペーストまたはゲルまたは泡は、フェノールスルホン酸、およびグアヤコールスルホン酸およびスルホサリチル酸の一つ以上の混合物を含む。いくつかの実施形態は選択的に遊離酸を含む。一つの実施形態において、この混合物は以下のものを含む。
【0032】

成分 濃度範囲
フェノールスルホン酸 25〜80重量%
グアヤコールスルホン酸 25〜80重量%
フェノールスルホン酸アンモニウム 0〜5%重量%
遊離硫酸 0〜3重量%
水 13〜30重量%
着色剤 0.075〜0.020重量%

本発明に係る剥離剤の一つは、フェノールスルホン酸の2種類の異性体とグアヤコールスルホン酸の4種類の異性体とを含む。この処方剤には、希釈剤として水が加えられる。本発明に係る別の剥離剤はクエン酸を含む。足の剥離剤として用いる実施形態は、フェノールスルホン酸アンモニウムおよびフェノールスルホン酸亜鉛を含む。これらの実施形態は、希釈剤として水またはアルコールまたは水とアルコールの混合液を含む。
【0033】
本発明に係る剥離用処方剤は、角質層を、その下にある皮膚組織には浸透しないようにして柔化させると考えられている。剥離剤は、皮膚、特に、皮膚の表面にある病変部を、その下にある層を傷つけることなく浄化する沈降反応を生じさせる。この浄化は、病変部の修復および新しい皮膚の増殖を助ける。
【0034】
この溶液の特定の実施形態の一つは、以下の濃度範囲を有する。
【0035】

成分 濃度範囲
フェノールスルホン酸 25〜80重量%
グアヤコールスルホン酸 25〜80重量%
フェノールスルホン酸アンモニウム 0〜32重量%
遊離硫酸 0〜32重量%
水 13〜30重量%
着色剤 0.000〜0.075重量%。
【0036】
別の処方剤の実施形態は以下の通りである。
成分 濃度範囲
フェノールスルホン酸 25〜80重量%
グアヤコールスルホン酸 25〜80重量%
フェノールスルホン酸アンモニウム 0〜5重量%
遊離硫酸 0〜3重量%
水 13〜30重量%
着色剤 0.000〜0.075重量%

本明細書において、「粘膜の断絶(部)」という用語は、口腔、鼻腔、胃腸管、呼吸管、結膜、膣、結腸、膀胱、および尿道の湿った内側面の病変、潰瘍形成、または炎症を意味する。
【0037】
本明細書において、「剥離」は、上皮の、または組織の表面から表面細胞を剥離または脱落させることを意味する。組織の表面とは、顔の皮膚、足の裏、ひざ、ひじ、脚、腕、およその他の皮膚領域の皮膚などであるが、これらに限定されるものではない。また、剥離は、足の裏や踵の皮膚、肘の皮膚、およびその他の身体部位上の硬くなった皮膚など、硬化した皮膚を剥離または脱落させることも含む。
【0038】
「医薬品」とは、皮膚に投与され、異常な生物学的状態または病気を治療または予防する上で恩恵または効果をもたらす処方剤を意味する。
【0039】
「皮膚萎縮」とは、哺乳動物の皮膚の真皮層の薄層化および/または全面的な劣化を意味し、しばしば、コラーゲンおよび/または弾性の程度、および線維芽細胞の倍増によって特徴付けられる。皮膚萎縮は、老化作用の自然な結果であるが、光損傷、火傷、または化学薬品による損傷などの内因的または外因的な原因によって、または煙草の煙などの汚染源やアレルゲンへの曝露によってもたらされることもある。皮膚萎縮は、しばしば、アルファヒドロキシカルボン酸による治療によって生じる好ましからぬ副作用である。
【0040】
一例では、粘膜の断絶部の一タイプである歯肉炎を処置するための処方剤は硫酸を含み、遊離酸をほとんど含まないか、全く含まない。別例において、硫酸入りの処方剤に含まれるフェノールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸は、粘膜の断絶部の別のタイプである歯周病を処置するために使用される。一般的に、フェノールスルホン酸、スルホサリチル酸、およびグアヤコールスルホン酸を含むが、遊離酸を全く含まない処方剤は、顔の剥離剤として、またはアフタ性口内炎の治療として役立つ。フェノールスルホン酸、スルホサリチル酸、フェノールスルホン酸、および遊離酸を含む処方剤は、足に使用するための皮膚剥離剤として役立つ。
【0041】
製品としての形態では、本発明は、フェノールスルホン酸、スルホサリチル酸、グアヤコールスルホン酸、およびいくつかの実施形態では、フェノールスルホン酸アンモニウム、遊離硫酸、および水を含む、粘膜の断絶部を処置する処方剤を含む。一つの実施形態において、この処方剤は、図1Bに示したように単離および精製されるフェノール化合物を含む。
【0042】
精製されたフェノール化合物が図2に示されており、フェノール、グアヤコール、サリチル酸、レゾルシノール、およびヒドロキノンを含む。精製されたフェノール類を硫酸で処理すると、図1Bに示すように、スルホン酸とスルホン酸塩が生成する。このスルホン酸塩を、亜鉛、カリウムおよびナトリウムの一つ以上で処理すると塩が生成する。別の塩の例には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、および、特に、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、カリウム、および鉄の塩が含まれる。さまざまな供給源から取得されるフェノール化合物は、本発明に係る処方剤を生成する上で有用である。
【0043】
アフタ性口内炎、口内炎、慢性歯周炎および歯肉炎などの口腔内における粘膜の断絶部を処置するために、フェノールおよびグアヤコールのスルホン酸を含む処方剤が用いられる。皮膚病など、皮膚の粘膜断絶部を処置するために、フェノールおよびグアヤコールのスルホン酸塩を含む処方剤が用いられる。フェノールスルホン酸塩を含む処方剤も、皮膚のリサーフェシング用製品として利用することができる。これらの酸および塩製品の分解について図2に示す。
【0044】
フェノールを硫酸で処理すると、反応生成物は、4種類のフェノールスルホン酸異性体を含む。グアヤコールを硫酸で処理すると、反応生成物は、グアヤコールスルホン酸の7種類の異性体、モノ型およびビス型を含む。フェノールスルホン酸の別の供給源には、4種類の異性体が含まれる。グアヤコールスルホン酸の別の供給源には、4種類の異性体がグアヤコールスルホン酸の7種類の異性体、モノ型およびビス型が含まれる。
【0045】
本発明に係る方法、システムおよび処方剤は、先行技術による製品がもつフェノールの臭いと味をもたないため、本発明に係る方法およびシステムは、木クレオソート(Beechwood creosote)で調製される処方剤を生成するために使用される方法およびシステムに対し顕著に進歩したものである。さらに、酸類と塩類が、木クレオソートからも、互いからも分離されており、木クレオソートを必要としない処理工程で合成され、また、口腔および皮膚をそれぞれ処理することを目的とした量になるよう体系的かつ特異的に混合されるため、本発明に係る処方剤の効能は非常に高い。
【0046】
処方剤の実施形態の一つは、口腔の粘膜の断絶部を処置するためのものである。この処方剤組成物は、30重量%の濃度のフェノールスルホン酸;32重量%の濃度のグアヤコールスルホン酸;24重量%の濃度の遊離硫酸;11.9重量%の濃度の水;および0.075重量%のFD&C赤色40号を含む。この処方剤は、1.59g/mLの密度、全部で9.1mM/gの酸性度、およびセ氏25度で1025cPsの粘度を有する。
【0047】
処方剤は、アプリケータで塗布する。歯周病の治療にかかる塗布接触時間は、感染した歯周ポケット(tooth pocket)1個あたり5から30秒である。一つの実施形態では、アプリケータは充填済み注射器である。別の実施形態では、アプリケータは、局所麻酔剤、および、充填済み注射器など塗布用装置を備える、キットである。局所用の部分麻酔剤は、消毒綿など、従来からのアプリケータによって塗布される。本明細書において、「部分麻酔剤」とは、局所的なしびれ感または鎮痛をもたらす薬剤、または、侵害受容経路(求心性および/または遠心性)の局部的遮断をもたらし、かつオピオイドレセプターのアゴニストでもアンタゴニストでもない薬剤を意味する。部分麻酔剤は、既知の部分麻酔剤でも、開発中のものでもよい。本発明とともに使用するのに適した部分麻酔剤の例には、アンブカイン、アモラノン、アミルカイン、ベノキシネート、ベンゾカイン、ベトキシカイン、ビフェナミン、ブピバカイン、ブタカイン、ブタンベン、ブタニリカイイン、ブテタミン、ブトキシカイン、カルティカイン、クロロプロカイン、コカエチレン、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン、ジメチソキン、ジメトカイン、ジペロドン、ジクロニン、エコゴニジン、エコゴニン、ユープロシン、フェナルコミン、フォルモカイン、ヘキシルカイン、ヒドロキシテテラカイン、イソブチルp−アミノベンゾエート、ロイシノカイン、レボキサドロール、リドカイン、メピバカイン、メピリルカイン、メタブトキシカイン、塩化メチル、ミルテカイン、ナエパイン、オクタカイン、オルトカイン、オキセサゼイン、パレントキシカイン、フェナカイン、フェノール、ピペロカイン、ピリドカイン、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、プロパンカイン、プロパラカイン、プロピポカイン、プロポキシカイン、シュードコカイン、ピロカイン、ロピバカイン、サリチルアルコール、テトラカイン、トリカイン、トリメカイン、ゾラミン、または医薬上許容されうるそれらの塩、またはそれらの混合物などがある。麻酔剤は、実施形態によっては、別々にパッケージされていることもあれば、処方剤の中に取り込まれていることもある。
【0048】
キットおよび処方剤の実施形態には、鎮痛剤を含むものがある。適当な鎮痛剤の例には、アセクロフェナク、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチルサリチル酸、アルクロフェナック、アルミノプロフェン、アロキシプリン、ビス(アセチルサリチル酸)アルミニウム、アミノクロルテノキサジン、2−アミノ−4−ピコリン、アミノプロピロン、アミノピリン、サリチル酸アンモニウム、アムトネチン・グアシル(amtohnetin guacil)、アンチピリン、サリチル酸アンチピリン、アントラフェニン、アパゾン、アスピリン、ベノリレート、ベノキサプロフェン、ベンズピペリロン、ベンジダミン、ベルモプロフェン、ブロムフェナック、p−ブロモアセトアニリド、5−ブロモサリチル酸アセテート、ブセチン、ブフェキサマック、ブマジゾン、ブタセチン、アセチルサリチル酸カルシウム、カルバマゼピン、カルビフェン、カルサラム、クロルテノキサジン、サリチル酸コリン、シンコフェン、シラマドール、クロメタシン、クロニキシン、クロプロパミド、クロテタミド、デキソキサドロール(dexoxadrol)ジフェナミゾール、ジフィウニサル(difiunisal)、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミニウム、ジピロセチル、ジピロン、エモルファゾン、エンフェナム酸、エピリゾール、エテルサラート、エテンザミド、エトキサゼン、エトドラク、フェルビナク、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルフェナム酸、フルオレソン、フルピルチン、フルプロクアゾン(fluproquazone)、フルルビプロフェン、フォスフォサル、ゲンチシン酸、グラフェニン、イブフェナック、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラク、イソラドール、イソニキシン、ケトプロフェン、ケトロラク、p−ラクトフクネチド(lactophcnetide)、レフェタミン、ロモキシカム、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸リジン、アセチルサリチル酸マグネシウム、メトトリメプラジン、メトフォリン、モフェゾラク、モラゾン、サリチル酸モルフォリンナプロキセン、ネフォパム、ニフェナゾン、5’−ニトロ−2’−プロポキシアセトアニリド、パルサルミド、ペリソキサール、フェナセチン、フェナゾピリジン塩酸、フェノコール、フェノピラゾン、フェニルアセチルサリチル酸、フェニルサリチル酸、フェニラミドール、ピペブゾン、ピペリロン、プロパセタモール、プロピフェナゾン、ラミフェナゾン、メチル硫酸リマゾリウム、サラセタミド、サリシン、サリチルアミド、
o−酢酸サリチルアミド、サリチル硫酸、サルサラート、サルベリン、シメトリド、サリチル酸ナトリウム、スプロフェン、タルニフルメート(talniflumate)、テノキシカム、テロフェナマート、テトランドリン、チノリジン、トルフェナム酸、トラマドール、トロペシン、ヴィミノール、キセンブシン、およびゾメピラクなどがある。
【0049】
歯肉炎など、口腔の粘膜の断絶部を処置するための処方剤について許容されうる成分の範囲は以下の通りである。
成分 濃度範囲
フェノールスルホン酸 25〜80重量%
グアヤコールスルホン酸 25〜80重量%
スルホサリチル酸 0〜30重量%
クエン酸 0〜30重量%
フェノールスルホン酸アンモニウム 0〜32重量%
遊離硫酸 0〜32重量%
水 13〜30重量%
皮膚の粘膜の断絶部を処置するための処方剤について許容されうる成分の範囲は以下の通りである。
成分 濃度範囲
フェノールスルホン酸 25〜80重量%
グアヤコールスルホン酸 25〜80重量%
フェノールスルホン酸アンモニウム 0〜5重量%
遊離硫酸 0〜3重量%
水 0〜30重量%
着色剤 0.075〜0.020重量%
これらの粘膜の断絶部には、口内炎などの痛みなどがある。
【0050】
本発明に係る別の処方剤の実施形態は、歯周病を処置するためのものである。許容されうる濃度範囲は以下の通りである。
成分 濃度範囲
フェノールスルホン酸 25〜80重量%
グアヤコールスルホン酸 25〜80重量%
フェノールスルホン酸アンモニウム 0〜32重量%
遊離硫酸 0〜32重量%
水 0〜30重量%
着色剤 0.00〜0.075重量%
粘度は70から1000cPsである。全酸性度は7.20から9.20mM/gである。濃度は1.46から1.59g/mLである。塗布時間は5秒から少なくとも60秒までである。アプリケータは、実施形態によっては、バイアル、充填済みの注射器、もしくは綿棒、またはこれらを組み合わせたものなどである。処方剤は、選択的に、緑色や青色の着色剤を含む。
【0051】
本発明に係る処方剤は、実施形態の一つにおいて、口腔粘膜に対し、液状の化学的焼灼剤として使用される。治療作用のメカニズムには、壊死組織に浸透して溶かすことを含む、溶媒および角質溶解によるメカニズムが含まれる。また、このメカニズムは、吸湿および脱水によるメカニズムも含まれる。特に、本処方剤は組織の浮腫を軽減させる。溶媒化は発熱反応である。溶媒化によって酸性化が自由になる。また、このメカニズムは、変性剤および角質凝固剤によるものである。処方剤は酸性化壊死および酸化を引き起こす。また、処方剤は、天然の保護包帯として働く代用痂皮/凝結塊が生成するのを助ける。
【0052】
本発明に係る処方剤は、使用者に瞬時にして痛みの緩和をもたらし、潰瘍の治癒を促進する。本処方剤は、感染性微生物を殺すため、潰瘍や他の粘膜の断絶部に一回塗布しても有効である。本発明に係る処方剤は自己限定的であるため、正常な粘膜には害を及ぼさない。本処方剤の反応は、水和、隔膜形成、および酸の中和に制限されている。
【0053】
本発明に係る処方剤を適用する装置が図3に示されており、注射器と綿棒を含む。実施形態の一つでは、注射器は充填済みである。実施形態の一つでは、本発明に係る処方剤は、綿棒装置の中に封入されている。別の実施形態では、処方剤は、処方剤を一滴ずつ輸送する輸送装置をもつ容器の中に封入されている。別の実施形態では、処方剤は定量される。別の実施形態の一つでは、処方剤は、処方剤を加熱または冷却するための装置を含む容器の中に封入されている。この装置は、本発明に係る処方剤に隣接して置かれた、破れやすいシールによって仕切られて隔離されている薬品であって、一緒になると発熱反応か吸熱反応を起こす薬品を含む。実施形態の一つでは、これらの薬品は、処方剤と壁で隔てられている。使用者が破れやすいシールを破ると薬品が混ざる。熱または冷気が壁を通して処方剤に伝わる。パッケージに入った本願処方剤が、販売のために薬局やドラッグストアに輸送される。別の実施形態では、麻酔剤と一緒に本願処方剤をパッケージする。麻酔剤は、まず、粘膜の断絶部に塗布される。
【0054】
方法という形態において、本発明の実施形態の一つは、口腔および皮膚における粘膜の断絶部の治療剤を調製する方法を含む。方法の実施形態の一つを以下の実施例で説明する。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
硫酸の中でフェノールスルホン酸を調製した。その方法は、水がセ氏95度になるよう再循環水槽を設置した。次に、3.23モルのフェノールを含む米国薬局方(USP)液状フェノールの利用可能な保存液の重量を計算した。フェノールの分子量は94.11である。3.23モルのフェノールの重量は、3.23×94.11+303.97グラムである。米国薬局方液状フェノールの純度は、一般的に89.0%から91.5%である。製造業者の分析証明書に記載された純度値か、または、内部品質管理分析による純度値を用いて、3.23モルのフェノールを輸送するのに必要な米国薬局方液状フェノールの利用可能な保存液の重量を計算した。
【0056】
7.08モルを含む利用可能な硫酸(NF)の量を計算した。硫酸NFの純度は、一般的に95.0%から98%である。1リットルのCorning製パイレックス(登録商標)瓶第1395号をMettler製天秤PG−5002−Sの上に置いた。保存用瓶から約400mLの米国薬局方液状フェノールを600mLビーカーに入れた。米国薬局方液状フェノールであるフェノールを、重量にして3.23モルの量になるよう、利用可能な保存液を用いてビーカーから加えた。液状フェノールの量を計算して、3.23モルのフェノールを提供した。
【0057】
約400mLの保存用硫酸NFを、600mLのPyrex製ビーカーに加えた。液状フェノールを含む1リットルのCorning製ボトルをMettler製天秤に載せたままで、7.08モルの硫酸を提供すると計算された利用可能な保存硫酸NFの重量を用いて、保存用硫酸NFとして、ビーカーから重量にして7.08モルの硫酸をボトルに加えた。
【0058】
フェノール/硫酸混合液が入ったボトルの中に5cmのマグネチック・スターラーバーを置いた。ボトルと混合液を、ボトル上に置かれた標準的なCorning製低温ファスナー(Closure)によって封入した。この混合液を電磁撹拌プレート上で30分間混合した。このボトルを、予めセ氏95度に加熱しておいた再循環式水槽に入れて14時間から24時間おいた。
【0059】
このボトルを14〜24時間後に水槽から取り出した。ボトルを室温まで冷却させてから、識別用ステッカーを付けた。
【0060】
硫酸の中でグアヤコールスルホン酸を調製した。再循環水槽中の水をセ氏65度になるよう暖めた。1.63モルのグアヤコールを含む、精製試薬である利用可能な保存用グアヤコールの重量を計算した。3.41モルの硫酸を含む利用可能な硫酸(NF)の量を計算した。1リットルのCorning製パイレックスボトル第1395号をMettler製天秤PG−5002−Sの上に置いた。利用可能な保存ボトルからの精製試薬であるグアヤコール約400mLを600mLビーカーに入れた。精製試薬であるグアヤコールを、重量にして1.63モルの量になるよう、ビーカーからボトルに加えた。
【0061】
このパイレックスボトルの中に5cmのマグネチック・スターラーバーを置いた。ボトルを電磁撹拌プレート上に置いて低速で撹拌した。スタンドを撹拌プレートの横に置いた。温度計をスタンドに取り付けて、グアヤコールの中に温度計の先端を入れた。250mLのシリンダーもこのスタンドに取り付けて、先端をパイレックスボトルの口に差し込んだ。
【0062】
約400mLの保存用硫酸NFを、600mLのPyrex製ビーカーに加えた。別の600mLビーカーをMettler製天秤PG−5002−S上に置いた。3.41モルの量の硫酸を保存用硫酸NFとして、第2のビーカーに加えた。円筒状の栓を閉鎖位置においたままで、測りとられた量の硫酸NFを、第2のビーカーから、測定量のグアヤコールを含むパイレックスボトルの上に取り付けられた添加用シリンダーに移した。撹拌しながら、硫酸を10から20mLの等量液にして、添加用シリンダーからグアヤコールの中に加えた。混合液の温度を監視して、セ氏55から56度を維持して、すべての酸をボトルの中に入れた。
【0063】
硫酸をすべて混合液に加えた後30分間反応混合液を撹拌した。ボトル上の標準的なCorning製低温ファスナー(Closure)によって混合液を封入した。このボトルを、予めセ氏65度に加熱しておいた再循環式水槽に入れて14時間から24時間おいた。ボトルを14〜24時間後に水槽から取り出して、室温になるまで冷却させた。そして、ボトルにマークを付けた。
【0064】
次に、フェノールスルホン酸溶液とグアヤコールスルホン酸溶液とを品質管理にかけた。品質管理から解放された後、1000グラムのフェノールスルホン酸と500グラムのグアヤコールスルホン酸を、2リットルのCorning製パイレックスボトル第1395号の中で、Mettler製天秤PG−5002−Sを用いて調製した。1.125グラム量のFD&C赤色40号の粉末着色剤を計量してフェノールスルホン酸/グアヤコールスルホン酸混合液に加えた。このボトルを何回も転倒させて、色が均一に拡散するまで混合した。こうして、着色されたフェノールスルホン酸/グアヤコールスルホン酸混合液が使用可能になった。
【0065】
(実施例2)
顔面の剥離剤を調製した。実施例1に記載したように、フェノールスルホン酸の溶液を調製した。ただし、利用可能な保存液状フェノールUSPの重量は、フェノールが4.0モルになるよう計算され調製された。4.0モルを含む利用可能な保存用硫酸NFの量を計算した。硫酸NFの重量は392.32グラムであった。4.0モルの硫酸NFを実施例1に記載されたとおりに処理した。400mLの量の米国薬局方液状フェノールを600mLビーカーに加えた。4.0モルの量の米国薬局方液状フェノールであるフェノールを、Mettler製天秤PS−5002−Sを用いて、1LのCorning製パイレックス第1395号ボトルに加えた。
【0066】
別の600mLのパイレックス製ビーカーに、約400mLの保存用硫酸NFを加えた。液状フェノールを含む1LのCorning製ボトルをMettler天秤の上に載せたままで、保存用硫酸NFである硫酸を、重量にして4.0モルボトルに加えた。
【0067】
フェノール/硫酸混合液が入ったボトルの中に5cmのマグネチック・スターラーバーを置き、Corning製低温ファスナーで封入した。溶液を30分間混合した。そして、このボトルを、予めセ氏95度に加熱しておいた再循環式水槽に入れて14時間から24時間置いた。14〜24時間後、ボトルを水槽から取り出して、室温まで冷却させてから、ステッカーでマークした。
【0068】
3.50モルのグアヤコールを含んだ、精製試薬である利用可能な保存用グアヤコールの重量を計算した。また、3.50モルの硫酸を含んだ利用可能な保存用硫酸NFの量も計算した。1LのCorning製パイレックスボトル第1395号をMettler製天秤PG−5002−Sの上に置いた。精製試薬であるグアヤコール約400mLを600mLビーカーに入れた。3.50モルの量のグアヤコールを、ビーカーから1Lパイレックスボトルに加えた。実施例1に記載されたとおり、10から20mLの等量液にして、セ氏55から65度で一定の撹拌を維持しつつ、すべての酸がボトルの中に入ってしまうまで、3.50モルの量のグアヤコールを1Lパイレックスボトルに加えた。すべての硫酸を加えてしまい、Corning製低温ファスナーをボトルに設置した後、混合液を30分間続けて撹拌した。このボトルを、予めセ氏65度に加熱しておいた再循環式水槽に入れて14時間から24時間おいた。ボトルを14〜24時間後に水槽から取り出して、室温になるまで冷却させてから、品質管理のためにマークを付けた。
【0069】
750グラム量のフェノールスルホン酸溶液と750グラムのグアヤコールスルホン酸溶液を2LのCorning製パイレックスボトルに入れて合わせた。1.5グラム量のシトロネラル香料を加えた。ボトルを何度も転倒させて均一に混ざるまで、これらの酸を混合した。
【0070】
また、本方法は、精製されたフェノールを硫酸で処理してスルホン酸およびスルホン酸塩を生成する工程も含む。本方法は、さらに、スルホン酸を使用して、アフタ性口内炎、慢性歯周病、口内炎、および歯肉炎など、口腔内の粘膜の断絶部を処理することを含む。本方法は、スルホン酸塩を使用して、皮膚性障害を治療し、皮膚のリサーフェシングを行うことを含む。
【0071】
(実施例3)
足に使用する剥離剤を調製した。実施例1に記載したように、フェノールスルホン酸の溶液を調製した。ただし、利用可能な保存用液状フェノールUSPの重量を、フェノールが5.0モルになるよう計算し調製した。5.0モルを含む利用可能な保存用硫酸NFの量を計算した。硫酸NFの重量は490.4グラムであった。5.0モルの硫酸NFを実施例1に記載されたとおりに処理した。470.55gmsの量の液状フェノールUSPを600mLビーカーに加えた。5.0モルの量の液状フェノールUSPであるフェノールを、Mettler製天秤PS−5002−Sを用いて、1LのCorning製パイレックス第1395号ボトルに加えた。
【0072】
別の600mLのパイレックス製ビーカーに、約400mLの保存用硫酸NFを加えた。液状フェノールを含む1LのCorning製ボトルをMettler天秤の上に載せたままで、保存用硫酸NFである硫酸を、重量にして5.0モル、ボトルに加えた。
【0073】
フェノール/硫酸混合液が入ったボトルの中に5cmのマグネチック・スターラーバーを置き、Corning製低温ファスナーで封入した。溶液を30分間混合した。そして、このボトルを、予めセ氏95度に加熱しておいた再循環式水槽に入れて14時間から24時間置いた。14〜24時間後、ボトルを水槽から取り出して、室温まで冷却させてから、ステッカーでマークした。
【0074】
フェノールスルホン酸とビーカーをMettler製天秤の上に置いた。300グラム量の試薬級のフェノールスルホン酸アンモニウムをフェノールスルホン酸に加えた。30グラム量の試薬級のフェノールスルホン酸亜鉛をフェノールスルホン酸に加えた。1.5グラム量のシトロネラル香料を加えた。これらの酸を、パワーハンドブレンダーを用いて激しく撹拌して混合した。
【0075】
(実施例4)
口内炎の治療薬を調製した。実施例1に記載したように、フェノールスルホン酸の溶液を調製した。ただし、利用可能な保存用液状フェノールUSPの重量を、フェノールが2.4モルになるよう計算し調製した。5.26モルを含む利用可能な保存用硫酸NFの量を計算した。硫酸NFの重量は515.90グラムであった。5.26モルの硫酸NFを実施例1に記載されたとおりに処理した。400mL量の液状フェノールUSPを600mLビーカーに加えた。2.4モル量の液状フェノールUSPであるフェノールを、Mettler製天秤PS−5002−Sを用いて、1LのCorning製パイレックス第1395号ボトルに加えた。
【0076】
別の600mLのパイレックス製ビーカーに、約400mLの保存用硫酸NFを加えた。液状フェノールを含む1LのCorning製ボトルをMettler製天秤の上に載せたままで、保存用硫酸NFである、重量にして5.26モルの硫酸をボトルに加えた。
【0077】
フェノール/硫酸混合液が入ったボトルの中に5cmのマグネチック・スターラーバーを置き、Corning製低温ファスナーで封入した。溶液を30分間混合した。そして、このボトルを、予めセ氏95度に加熱しておいた再循環式水槽に入れて14時間から24時間置いた。14から24時間後、ボトルを水槽から取り出して、室温まで冷却させてから、ステッカーでマークした。
【0078】
2.3モルのグアヤコールを含んだ、精製試薬である利用可能な保存用グアヤコールの重量を計算した。また、4.82モルの硫酸を含んだ利用可能な保存用硫酸NFの量も計算した。1LのCorning製パイレックスボトル第1395号をMettler製天秤PG−5002−Sの上に置いた。精製試薬であるグアヤコール約400mLを600mLビーカーに入れた。2.3モルの量のグアヤコールを、ビーカーから1Lパイレックスボトルに加えた。実施例1に記載されたとおり、10から20mLの等量液にして、セ氏55から65度で一定の撹拌を維持しつつ、すべての酸がボトルの中に入ってしまうまで、4.82モルの量のグアヤコールを1Lパイレックスボトルに加えた。すべての硫酸を加えてしまい、Corning製低温ファスナーをボトルに設置した後、撹拌を30分間続けた。このボトルを、予めセ氏65度に加熱しておいた再循環式水槽に入れて14時間から24時間おいた。ボトルを14から24時間後に水槽から取り出して、室温になるまで冷却させてから、品質管理のためにマークを付けた。
【0079】
750グラム量のフェノールスルホン酸溶液と750グラムのグアヤコールスルホン酸溶液を2LのCorning製パイレックスボトルに入れて合わせた。1.5グラム量のシトロネラル香料を加えた。ボトルを何度も転倒させて均一に混ざるまで、これらの酸を混合した。
【0080】
また、本方法は、精製されたフェノールを硫酸で処理してスルホン酸およびスルホン酸塩を生成する工程も含む。本方法は、さらに、スルホン酸を使用して、アフタ性口内炎、慢性歯周病、口内炎、および歯肉炎など、口腔内の粘膜の断絶部を処理することを含む。本方法は、スルホン酸塩を使用して、皮膚性障害を治療し、皮膚のリサーフェシングを行うことを含む。
【0081】
本発明の別の実施形態は、剥離用組成物を含む。本発明に係る剥離用組成物には、クリーム、ゲル、泡、およびペーストなどがある。処方剤は、スルホン酸化フェノールの剥離用物質を約4パーセントまで含む、水、水性アルコール、グリコール、または不活性担体などの希釈剤を含む。剥離用物質で局所適用を目的とするものは、いくつかの実施形態で、非毒性であって、医薬上、美容上、または皮膚科学上許容できるローション剤、チンキ剤、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、または軟膏を形成するために、例えば水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミネラルオイル、およびこれらの混合物などの担体成分、賦形剤成分、または媒体成分を含む。さらに、必要であれば、保湿剤または湿潤剤を本願組成物に加える。
【0082】
希釈剤以外にも、スルホン酸化フェノールの処方剤は、いくつかの実施形態で、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、乳化剤、中和剤、着色剤、UV吸収剤もしくはフィルター、保存剤、および/またはゲル化剤など、その他にも標準的なアジュバントを含む。処方剤に用いられる場合、アジュバントは約0.5%から30%の量で存在する。
【0083】
(皮膚軟化剤)
許容されうる皮膚軟化剤は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、およびオクチルドデシルミリスチン酸などの飽和脂肪酸、蜜蝋、ベヘニルアルコールおよびセチルアルコールなどの飽和脂肪アルコールもしくは不飽和脂肪アルコール、などの炭水化物、ミネラルオイル、ペトロラタム、スクアレン、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシル化ラノリンアルコール、ヒドロキシル化ラノリンおよびアセチル化ラノリンなどのラノリンおよびラノリン誘導体、コレステロールおよびその誘導体、アーモンド油、ピーナッツ油、コムギ胚芽油、アマニ油、ホホバ油、アンズの種、クルミ、ヤシの実、ピスタチオナッツ、ゴマ種子、ナタネなどの油、ジュニパータール油、コーン油、モモの種油、ケシ油、松根油、ヒマシ油、ダイズ油、アボカド油、ベニバナ油、ココナッツ油、ヘーゼルナッツ油、オリーブ油、グレープシード油、およびヒマワリ種子油などの動物性および植物性のトリグリセリド、およびジイソステアリルマレートおよびジイソステアリルジメレートおよびトリイソステアリルトリメレートを含む。
【0084】
本明細書において使用するのに適した皮膚軟化剤は、イソセチルアルコール、パルミチン酸オクチル、ネオペンタン酸イソステアリル、およびステアリン酸イソセチルステアリル、天然または合成の油脂であって、鉱物油、植物油および動物油から選択されるもの、脂肪およびロウ、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、アルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールのエーテルおよびエステル、脂肪酸、ならびにそれらの混合物などである。
【0085】
(乳化剤)
適当な乳化剤には、ステアリン酸グリセリルおよびラウレス23、ステアリン酸PEG20、ミンク−アミドプロピルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロライドなどがある。
【0086】
本発明に係る処方剤で使用される典型的な保湿剤には、グリセリン、ペトロラタム、およびマレイン酸化植物油などがある。
【0087】
いくつかの実施形態では、スルホン化フェノール物質をゲル化剤とともに処方する。適当なゲル化剤には、水溶性ポリマーまたはコロイド状に水溶性のポリマーが含まれ、また、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム−10、グアールガム、ヒドロキシプロピルアールガム、およびキサンタンガムなどのセルロースエーテルが含まれる。この他に本発明において利用できるゲル化剤には、アクリル酸/エチルアクリル酸コポリマーおよびカルボキシビニルポリマーなどがある。また、利用できるのは、無水マレイン酸−アルキルメチルビニルエーテルおよびコポリマー、天然ガム、およびポリメタクリル酸コポリマーである。この他の適当なゲル化剤には、トリヒドロキシステアリン、ヒドロキシステアリン酸アルミニウムマグネシウムなどのオレオゲルが含まれる。
【0088】
本発明に係る処方剤の実施形態には、保存剤を含むものがある。保存剤には、安息香酸ナトリウムおよびプロピルパラベン、ならびにこれらの材料が含まれる。さらに別の材料には、香料、ナイロンなどの充てん剤、日焼け止、塩化ナトリウムなどの電解質、蛋白質、抗酸化剤、およびキレート剤、ならびに紫外線吸収剤などがある。紫外線吸収剤には、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、オキシチル(oxytyl)ジメチルPABA(パディメート0)、ケイ皮酸オクチルメトキシ、サリチル酸オクチル、オクトクリレン、p−メチルベンジリデンカンフル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、およびこれらの物質の混合物などがある。
【0089】
本発明に係る剥離剤組成物は、細胞再生を促進し、皮膚を平滑化し、硬くなった皮膚を剥離し、皮膚のしみを除去し、コーンの大きさ(corn size)を減少させ、肌の色を整えると考えられている。
【0090】
これら、および当業者によって選択される他の媒体に加えて、当然ながら、本発明に係る医薬組成物および化粧用組成物は、例えば、限定的ではないが、顔のしみ、角化症、およびしわを改善または除去する成分;鎮痛成分;麻酔成分;抗にきび剤;抗細菌剤、抗酵母菌剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗ふけ剤、抗皮膚炎剤、止痒剤、抗メティック剤(anti−metic)、抗炎症剤、抗−超角質溶解剤、抗乾皮症剤、制汗剤、乾癬治療剤、抗脂漏剤、ヘアコンディショナーおよびヘアトリートメント、老化防止剤、しわ取り剤、美白剤、脱色剤、ビタミン類、なめし剤、ホルモン類、レチノイド、パルミチン酸ビタミンA、および酢酸ビタミンEなどの成分を含む。
【0091】
また、本発明は、上皮剥離を促進し、および/または上皮再生を促進する方法を含む。この方法は、本発明に係る組成物の有効量を、上皮剥離を促進し、および/または上皮再生を促進するのに有効な期間、対象者の皮膚の一領域に局所的に投与することを含む。
【0092】
また、本発明は、皮膚の肌理および/または外観を改善する方法を提供する。この方法は、本発明に係る剥離剤の有効量を、皮膚の肌理および/または外観を改善するのに有効な期間、対象者の皮膚の一領域に局所的に投与することを含む。実施形態の一つにおいて、適用時間は30秒から30分までである。
【0093】
また、本発明は、皮膚の異常な状態、病気および疾患を治療または予防する方法を提供する。この方法は、フェノールスルホン酸の2種類の異性体、グアヤコールスルホン酸の4種類の異性体、および必要に応じて、スルホサリチル酸を含む、本発明に係る剥離剤の有効量を、皮膚の異常な状態、病気および疾患を治療または予防するのに有効な期間、対象者の皮膚の一領域に局所的に投与することを含む。時間の長さは30秒から30分である。
【0094】
状態、病気および疾患には、乾燥肌、重症の乾皮症、ふけ、にきび、角化症、湿疹、皮膚が小片になって剥離する状態、しみ、過度の色素沈着、炎症性皮膚炎、加齢に関連した皮膚の変化、洗浄剤を必要としている皮膚、ならびに皮膚萎縮および乾癬などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
本明細書に記載された方法のために、本発明に係る剥離剤を有効量投与する方法は、皮膚の一部に投与する場合には局所適用による。剥離剤の量と皮膚への局所適用の頻度は、具体的な皮膚性障害、皮膚性障害の重症度、関係する皮膚の位置および/またはタイプ、対象者の皮膚の感受性、および所望の治療程度などの要因によって大きく変わる。対象者の必要に応じて標準的な投薬量を投与することは、当業者が適宜なしうることである。一例として、日常の適用は、1週間に約1回から1日に1回までである。
【0096】
別の投与方式は慢性投与である。慢性投与は、数ヶ月から何年にもわたる期間行われる。また、慢性投与は、1週間に約1回から1日に1回までである。
【0097】
足または他の身体部位で硬くなった皮膚を処置するためのキットの実施形態は、本発明に係る剥離剤、該処方剤のための容器、および、剥離処方剤を適用した後に、皮膚の硬くなったところを削り取るための装置を含む。この装置は、研磨用パッド、ブラシ、研磨用板、または他の研磨用装置の一つ以上を含む。
【0098】
剥離剤の実施形態には、スパ、サロン、その他スキンケアに特化した施設で適用されるものもあれば、購入者によって家庭で適用されるものもある。剥離剤の実施形態には、ドラッグストア、食料雑貨品店、およびデパートで売られるものもある。
【0099】
本明細書に開示された発明は、発明の精神と一般的な特徴から解離することなく、別の具体的形態で実施することができ、それらのいくつかが示されているのであるから、本明細書に記載されている実施形態は、あらゆる点において、例示的なものであって限定的なものではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付された請求の範囲に示されており、請求の範囲と同等の意味および範囲に含まれる変更もすべて、それに含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1a】図1aは、硫酸、木クレオソート、および純水を含む、先行技術による処方剤の概略図である。
【図1b】図1bは、本発明に係る処方剤、ならびに皮膚および口腔の症状の治療におけるその使用法についての概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る処方剤中の化学物質の式を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る処方剤の属性を説明したものである。
【図4】図4〜6は、特定の皮膚症状を処置するために使用される本発明に係る処方剤の属性を説明したものである。
【図5】図4〜6は、特定の皮膚症状を処置するために使用される本発明に係る処方剤の属性を説明したものである。
【図6】図4〜6は、特定の皮膚症状を処置するために使用される本発明に係る処方剤の属性を説明したものである。
【図7】図7は、本発明に係る処方剤を適用するための装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘膜の断絶部を処置するための一連の処方剤を生成する方法であって、
所定の濃度で、フェノール、グアヤコール、スルホン酸、および、必要に応じて、水を提供する工程、
該グアヤコールおよびフェノールを、硫酸および水と反応させて、フェノールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸を生成して、そして、いくつかの実施形態において、遊離水および遊離酸と反応させて、所定濃度の、フェノールスルホン酸の所定の異性体、グアヤコールスルホン酸の所定の異性体、および、必要に応じて、遊離酸および遊離水を有する処方剤を生成する工程
を包含する、方法。
【請求項2】
前記フェノールスルホン酸が、水酸化物で処理されて、フェノールスルホン酸アンモニウムが生成され、ここで、該水酸化物としては、水酸化アンモニウムが挙げられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グアヤコールスルホン酸が、水酸化物で処理されて、グアヤコールスルホン酸カリウムが生成され、ここで、該水酸化物としては、水酸化カリウムまたは水酸化亜鉛が挙げられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
スルホン酸塩からスルホン酸を分離する工程をさらに包含する、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
アフタ性口内炎、慢性歯周病、および歯肉炎のうちの一つ以上を処置するためにフェノールスルホン酸をパッケージする工程をさらに包含する、請求項4に記載の方法
【請求項6】
1以上の皮膚性障害を処置するため、そして、皮膚のリサーフェシングするため、または口内炎を処置するために、スルホン酸塩をパッケージする工程をさらに包含する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法によって製造される製品。
【請求項8】
請求項4に記載の方法によって製造される製品。
【請求項9】
請求項3に記載の方法によって製造される製品。
【請求項10】
粘膜の断絶部を処置するための処方剤であって、
フェノールスルホン酸およびフェノールスルホン酸の異性体;
グアヤコールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸の異性体、ならびにモノ型およびビス型のグアヤコールスルホン酸;
フェノールスルホン酸アンモニウム;および
グアヤコールスルホン酸カリウム
を含む、処方剤。
【請求項11】
口内粘膜の断絶部を処置するための処方剤であって、
25〜80重量%の濃度のフェノールスルホン酸;
25〜80重量%の濃度のグアヤコールスルホン酸;
0〜32重量%の濃度の遊離硫酸;および
0〜3重量%の濃度の水
を含む、処方剤。
【請求項12】
皮膚の粘膜の断絶部を処置するための処方剤であって、
25〜80重量%の濃度のフェノールスルホン酸;
0〜5重量%の濃度のフェノールスルホン酸アンモニウム;
25〜80重量%の濃度のグアヤコールスルホン酸;
0〜32重量%の濃度の遊離硫酸;および
0〜3重量%の水
を含む、処方剤。
【請求項13】
キットであって、請求項10、11または12に記載の処方剤、該処方剤を入れるための容器、および該処方剤を粘膜の断絶部に運搬するための機械的装置を備える、キット。
【請求項14】
粘膜の断絶部を処置するための装置であって、注射器、および該注射器の中に含まれる請求項7記載の処方剤
を含む、装置。
【請求項15】
フェノールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸、フェノールスルホン酸アンモニウム、グアヤコールスルホン酸カリウム、水および遊離酸を含む成分;および、
所定の量の2つ以上の該成分を一緒に混合して、特定のタイプの粘膜の断絶部を処置するための処方剤を生成するよう調整された機械装置
を含む、システム。
【請求項16】
サリチル酸およびスルホサリチル酸の一つ以上をさらに含む、請求項17記載のシステム。
【請求項17】
請求項17記載のシステムであって、フェノールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸、フェノールスルホン酸アンモニウム、グアヤコールスルホン酸カリウムが、歯肉炎を処置するための処方剤を調製されるために計量され、
該処方剤が、遊離酸をほとんど含まないか、全く含まない、
システム。
【請求項18】
請求項17記載のシステムであって、前記フェノールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸が、遊離のスルホン酸を有する処方剤を生成させるために計量され、該処方剤が、歯周病を処置するために使用される、システム。
【請求項19】
請求項17記載のシステムであって、ここで、前記フェノールスルホン酸およびグアヤコールスルホン酸が、顔面用剥離剤として、または口内炎の治療薬として使用するのに有効な濃度に計量される、システム。
【請求項20】
請求項17記載のシステムであって、前記フェノールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸および遊離酸が、足用剥離剤として使用するのに有効な濃度に計量されるシステム。
【請求項21】
フェノールスルホン酸、グアヤコールスルホン酸、および、必要に応じて、スルホサリチル酸を含む混合物を含む、剥離用組成物。
【請求項22】
皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、および乳化剤、中和剤、着色剤、およびUV吸収剤もしくはフィルター、および保存剤のうちの一つ以上をさらに含む、請求項21記載の剥離用組成物。
【請求項23】
前記混合物がゲルである、請求項21記載の剥離用組成物。
【請求項24】
前記混合物が、クリームまたはペーストまたは泡状物である、請求項21記載の剥離用組成物。
【請求項25】
前記混合物がpH2〜6の範囲にある、請求項21記載の剥離用組成物。
【請求項26】
前記フェノールスルホン酸が、前記混合物の容量のうち少なくとも約24%までの濃度を有する、請求項21記載の剥離用組成物。
【請求項27】
フェノールスルホン酸の濃度が、前記混合物の容量のうち約4%である、請求項21記載の剥離用組成物。
【請求項28】
クエン酸をさらに含む、請求項21記載の剥離用組成物。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−517924(P2006−517924A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500789(P2006−500789)
【出願日】平成16年1月5日(2004.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/000133
【国際公開番号】WO2004/062580
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
PYREX
【出願人】(505252001)エピエン メディカル, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】