説明

精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料

【課題】特殊な水溶性ヘミセルロースを添加したり、また豆乳を予めプロテアーゼで加水分解したりすることなく、長期保存しても均質安定性の優れた、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ様調味料を提供する。
【解決手段】粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物を食塩、食酢などを含有する水性調味液と混和し、均質化して、精製油脂及び卵黄を含まないpH3.0〜4.7のマヨネーズ風調味料を得る。このマヨネーズ風調味料全体に対して20〜70%(w/w)の豆乳発酵物と水性調味液を配合する場合には、特に均質安定性に優れ食感が良好なマヨネーズ風調味料が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵豆乳を利用したマヨネーズ風調味料の改良に関し、精製油脂及び卵黄を含まず、長期保存しても均質安定性に優れたマヨネーズ風調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中高年齢層の増加に伴い、健康に対する意識が非常に高まりをみせている。特に油脂はカロリーが高いため肥満の原因になり、また卵黄はコレステロールを多量に含んでいるため動脈硬化を引き起こす一因となる等の理由から、食生活においてこれらの摂取を低減することが望ましいとされている。
一方、豆乳を乳酸発酵して得られる豆乳発酵物を利用してマヨネーズ風調味料を得ることが従来知られている。またそのような調味料が酸性下で凝集やざらつき、分離などを生じやすいという欠点を解消するために、特殊な水溶性ヘミセルロースを添加する方法(例えば、特許文献1参照)、あるいは豆乳を予めプロテアーゼで酵素分解し、次いで乳酸菌による乳酸発酵を行って得られた豆乳発酵物を利用する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。しかし、豆乳発酵物を利用したマヨネーズ風調味料であって、前記のような工程を必要としない、長期保存しても均質安定性に優れた精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料は知られていない。
【特許文献1】特開2001−29038号公報
【特許文献2】特開昭61−63260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、特殊な水溶性ヘミセルロースを添加したり、また豆乳をプロテアーゼで加水分解したりすることなく、長期保存しても均質安定性の優れた、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料を得ることを課題とする。なお、本発明でいう精製油脂とは、動物組織又は油糧種子(大豆、ナタネ、ヒマワリ、ゴマ、ピーナッツ等)から搾油又は抽出などにより分離した油脂を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、豆乳発酵物を利用してマヨネーズ風調味料を得るにあたり、粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物を食塩、食酢などを含有する水性調味液と均質に混和するときは、特殊な水溶性ヘミセルロースなどを添加したり、また予め豆乳をプロテアーゼで加水分解したりすることなく、長期保存しても均質安定性に優れた、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料が得られることを知り、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は以下に関する。
(1)粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物と水性調味液とを含有し、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料。
(2)粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物をマヨネーズ風調味料全体に対し20〜70%(w/w)含有する上記(1)に記載のマヨネーズ風調味料。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、マヨネーズの原料でありながらその摂取量の低減化が望まれている精製油脂及び卵黄を添加することなく、マヨネーズ同様の均質安定性や食感を有するマヨネーズ風調味料を提供することが可能になり、このような調味料は、油脂やコレステロールの過剰摂取が引き起こす疾病の予防の一助となることが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0008】
(豆乳)
本発明のマヨネーズ風調味料に使用する、粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物を得るために使用する豆乳としては任意の豆乳が使用できるが、3%(w/w)以上、特に4〜16%(w/w)の大豆固形分及びシュークロース、マルトース、スタキオースまたはラフィノースから選択される1種以上の糖を3%(w/w)以上、特に5〜15%(w/w)含有する豆乳が好ましい。
【0009】
(乳酸菌)
本発明のマヨネーズ風調味料に使用する、粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物は、例えば豆乳に乳酸菌を添加して乳酸発酵することにより得ることができる。使用する乳酸菌としては、発酵によって、多糖等の粘性に寄与し得る物質を多く生産できる菌種が好ましい。そのような乳酸菌としては、例えば、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc paramesenteroides、Leuconostoc pseudomesenteroides、Leuconostoc citreum、Leuconostoc dextranicum等が挙げられる。より具体的には、例えば、Leuconostoc pseudomesenteroides(ATCC12291)、Leuconostoc citreum(NRIC 1579)、Leuconostoc paramesenteroides(NISL 7218)が挙げられる。なお、上記菌種名に関し、「NRIC」とは東京農業大学応用生物科学部菌株保存室が保存する菌株を意味し、「NISL」とは、財団法人野田産業科学研究所が保存する菌株を意味する。
これらの乳酸菌は、豆乳の発酵工程において多糖を生産し、粘度6.0Pa・s以上の滑らかなクリーム状の物性を有する豆乳発酵物を安定的に製造することができるので好ましい。
【0010】
(乳酸発酵)
豆乳の発酵には公知の方法を用いればよく、例えば、豆乳に糖類を添加し、そこに前述の乳酸菌を加えて発酵させ、豆乳の粘性を高めるために好適な培養時間と培養条件下、例えば、30〜35℃で4時間以上の発酵を行わせ、適宜発酵物の粘度を測定しながら発酵させる方法が挙げられる。このようにして豆乳の粘度が6.0Pa・s以上、特に6.0〜20Pa・sである豆乳発酵物が得られる。
【0011】
本発明のマヨネーズ風調味料において、粘度が6.0Pa・s以上である豆乳発酵物を使用することは重要である。すなわち、粘度が6.0Pa・s未満の豆乳発酵物を使用するときは、該豆乳発酵物と水性調味液とを混合した場合に、pH4.7以下の低pH条件下においては組成物(調味液)が凝集、分離を起こし、または起こし易くなる問題点を有するので好ましくない。これに対し粘度が6.0Pa・s以上である豆乳発酵物を使用するときは、特殊な水溶性ヘミセルロースなどを添加したり、また豆乳をプロテアーゼで加水分解したりすることなく、pH4.7以下の低pH条件下となる場合でも組成物が凝集、分離しなくなり、均質安定性に優れたマヨネーズ風調味料が得られる。
なお、粘度の測定は公知の方法、例えば、B型粘度計を用いて測定することができる。
【0012】
前記の豆乳発酵物は、例えば、調味料として摂食するのに好ましいクリーミーな(滑らかな)食感及びさわやかな酸味と豆乳由来のコクのある旨味を有するので、本発明のマヨネーズ風調味料の原料として好ましいものである。このような前記豆乳発酵物の特性が本発明のマヨネーズ風調味料における濃厚な味とクリーミーな(滑らかな)食感、及び長期保存に耐え得る高い均質安定性に寄与している。本発明におけるマヨネーズ風調味料とは、マヨネーズに類似の食感・風味・物性を有する調味料、マヨネーズを主原料とする調味料に類似の食感・風味・物性を有する各種調味料をいう。
【0013】
(水性調味液)
本発明で使用する水性調味液とは、任意の水性の調味液を意味し、例えば、米酢、穀物酢、果実酢、ワインビネガー等の醸造酢;濃口醤油、淡口醤油、白醤油等の醤油類;味醂、みりん風調味料等の甘味調味料;ワインや日本酒等の酒類;酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸溶液;食塩;グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の化学調味料溶液;砂糖、水飴、蜂蜜等の甘味料溶液;清澄なだし汁や動物又は植物蛋白質加水分解物等のアミノ酸調味料;発酵調味料、酵母エキス、魚介類エキス、野菜抽出物、海草エキス等のエキス類等の1種又は2種以上を含有する水性調味液が挙げられる。
【0014】
(その他の原材料)
その他の原材料としては、一般的な乳化調味料、例えば、マヨネーズや各種乳化液状ドレッシング類に使用されている、例えば、食塩、糖類、味噌、辛子、胡椒、胡麻ペーストやにんにくペースト、ハーブ粉末、ナツメグ、セージ、タイム、シナモン、これらの抽出物等の香辛料、核酸系調味料、果汁、野菜や果実、種実類等、例えばトマト、にんじん、タマネギ、にんにく、ゴマ、リンゴ、ゆず、オレンジ、モモ、イチゴ、パイナップル、ミカン、ブドウ等の加工処理物(ピューレ、ペースト、練状物、細断粒状物、磨砕物、粉末等)が挙げられる。なお必要により、加工澱粉や寒天、キサンタンガム、コーンスターチ、ペクチン等の各種安定剤や増粘剤を適量添加することができる。
【0015】
(本発明のマヨネーズ風調味料の調製)
前記豆乳発酵物、前記水性調味液、及び必要に応じその他の原材料を混合して均質化し、有機酸又は食酢を用いてpHを3.0〜4.7に調整して本発明のマヨネーズ風調味料を調製する。本発明のマヨネーズ風調味料においてpHを4.7以下となるように調整することは重要であり、pHが4.7を超える場合、得られるマヨネーズ風調味料は酸味が不足し、嗜好性に劣るものとなる。
【0016】
なお、このようなマヨネーズ風調味料の原料として、従来はサラダオイル、コーンオイル、サフラワーオイル等の各種精製油脂の1種又は2種以上を、例えば1〜70%使用するが、本発明のマヨネーズ風調味料はそのような精製油脂を添加しないことを特徴とする。すなわち本発明は、豆乳発酵物及び/またはその他の原料に由来するわずかな油脂分のみを利用して、良好な食感および風味を有する均質安定性に優れたマヨネーズ風調味料の製造を可能にし、精製油脂の添加による高カロリー化、高コレステロール化を抑制できる精製油脂無添加のマヨネーズ風調味料の提供を可能にする。
【0017】
(マヨネーズ風調味料の含有量の調整)
本発明のマヨネーズ風調味料においては、粘度が6.0Pa・s以上である豆乳発酵物を該マヨネーズ風調味料全量に対して5〜75%(w/w)の範囲で使用可能である。豆乳発酵物の使用量が非常に少ない場合、例えば、5%未満の場合は、精製油脂及び卵黄を使用せずにマヨネーズ同様の均質安定性を確保することが困難となる傾向がある。また、反対に豆乳発酵物の使用量が75%を越える場合には、水性調味液に対する豆乳の風味が濃厚となり、マヨネーズ風調味料としては風味がややかけ離れたものとなる。これに対し、豆乳発酵物の使用量が5〜75%(w/w)の範囲にあるときには、マヨネーズ風調味料として良好な風味を有しつつ、精製油脂及び卵黄を使用せずにマヨネーズ同様の均質安定性を確保することが可能である。より好ましくは豆乳発酵物の使用量は20〜70%(w/w)である。その場合には、pH4.7以下での均質安定性をより良好なものとすることができ、低pH条件下でも凝集、分離が起こりにくく、しかもその他の原材料との配合バランスがとれ良好な風味を有するマヨネーズ風調味料を得ることが可能となる。さらに、豆乳発酵物の使用量を40〜70%(w/w)とする場合においては、本発明のマヨネーズ風調味料は特に良好な均質安定性を有し、例えば澱粉等のいわゆる糊料の添加を低減あるいは省略してもマヨネーズ同様の粘度を有する。
【0018】
本発明のマヨネーズ風調味料全量に対する各素材の好適な配合比(%)を以下に示す。
豆乳発酵物 :20〜70%(w/w)
水飴 :15〜35%(w/w)
食酢(酢酸5%(w/w)) :5〜10%(w/w)
食塩 :2〜5%(w/w)
澱粉 :0〜5%(w/w)
香辛料 :0.1〜5%(w/w)
精製油脂 :含まず
卵黄 :含まず
pH :4.7〜3.0
【0019】
以下、実験例及び実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
【0020】
実験例1
1.粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物の調製
1)豆乳の調製
フィルターろ過済みの20%シュークロース溶液を等量加えることで、終濃度において10%シュークロースを含有する大豆固形分7%の豆乳(以下、「発酵前の豆乳」と称する)を調製した。調製した上記豆乳を滅菌済みのカップ等の容器に充填した。
2)乳酸菌の調製
乳酸菌Leuconostoc paramesenteroides(NISL 7218)を乳酸菌用調製培地(1.0%大豆ペプトン、0.5%酵母エキス、1.0%グルコース、0.5%酢酸ナトリウム)にて30℃、20時間培養した。培養液10mlを遠心分離(3,000g×5min)して菌体を回収した。
3)発酵
上記で回収した菌体を、調製した豆乳に全量添加し、30℃、24時間恒温状態にて発酵を行い、本発明のマヨネーズ風調味料の製造に用いる豆乳発酵物を得た。
2.粘度0.4Pa・sの豆乳発酵物(比較例)の調製
豆乳中で多糖生成が低い菌種である、Leuconostoc mesenteroides(NISL 7201)を用いて、上記と同様に糖を含有する豆乳にて発酵を行い、比較例の豆乳発酵物を得た。
3.本発明のマヨネーズ風調味料に用いる豆乳発酵物及び比較例のマヨネーズ風調味料に用いる豆乳発酵物の評価
上記により得られた豆乳発酵物の粘度を、B型粘度計を用いて測定した(測定条件:No.3ローター、25℃、12−60回転)。表1に示すように、Leuconostoc paramesenteroides(NISL 7218)を用いて発酵させた場合は、6.15Pa・sという高い粘度を有する豆乳発酵物が得られた。一方、Leuconostoc mesenteroides(NISL 7201)を用いて発酵させた場合には、0.4Pa・sの粘度を有する豆乳発酵物が得られたが、本発明に用いる豆乳発酵物のように高粘度の豆乳発酵物を得ることができなかった。
【0021】
【表1】

【実施例1】
【0022】
(本発明1)
実験例1で得られた粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物を用いて、以下に示す配合割合で各原材料を混合し、マヨネーズ風調味料(本発明1)を得た。
<配合割合>
成分 配合1 配合2 配合3 配合4 配合5
豆乳発酵物 40 70 100 120 140
食酢 20 20 20 20 20
水 140 110 80 60 40
注1:食酢(水性調味液)は、5%(w/w)酢酸濃度のリンゴ酢を使用。
注2:配合量はgで記載。
【0023】
(比較例1)
また、比較のため上記実施例1の方法において、「粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物」を用いる代わりに、実験例1の比較例で得られた「粘度0.4Pa・sの豆乳発酵物」を用いる以外は全く同様にして、マヨネーズ風調味料(比較例1)を得た。
【0024】
(対照1)
また、対照として、上記実施例1の方法において「粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物」を用いる代わりに、実験例1で用いた「発酵前の豆乳」を用いる以外は全く同様にして、マヨネーズ風調味料(対照1)を得た。
【0025】
上記の本発明1、比較例1及び対照1のマヨネーズ風調味料を各10ml分取し、15ml容遠心分離用試験管に入れ、5℃、20分間、1,000rpmにて遠心後、分離状態を目視観察すると共に、分離された透明な上層の液量を測定した。
また、上層以外の不透明部分(沈殿、ふわふわとした中間層、および遠心分離前の乳化状態と同様の液状部分を含む)を下層として、その量を測定した。
マヨネーズ風調味料全体に対する上層の割合(x%)、及び下層の割合((100−x)%)を算出し、分離状態(乳化安定性)の尺度とした。
以上の遠心分離及び静置保存による乳化安定性評価結果を表2〜表6に示す。
【0026】
【表2】

【0027】
【表3】

【0028】
【表4】

【0029】
【表5】

【0030】
【表6】

【0031】
表2〜表5の結果から、粘度が0.4Pa・sの豆乳発酵物を用いたマヨネーズ風調味料(比較例1の区分)及び乳酸発酵処理しない無処理の「豆乳」を用いたマヨネーズ風調味料(対照1の区分)においては固液分離が認められる欠点を有することがわかる。これに対し、粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物を用いたマヨネーズ風調味料は、配合1〜配合5いずれにおいても固液分離は全く起こらず、いずれも均質安定性が非常に高いことがわかる。
さらに、この遠心分離後の試験管を垂直に立てて室温にて7日間静置保存後に、分離状態を確認したところ、比較例1ではさらに経時的な分離が進行していたのに比べ、本発明では分離の進行がほとんど確認されず、良好な均質安定性が維持されていた。なお、対照においては最初の遠心分離段階で十分に沈殿を形成していたため、その後の保存による分離の進行はほとんど見られなかった。
以上の結果から、6.0Pa・s以上である豆乳発酵物を水性調味液と混合してマヨネーズ風調味料を調製する時には、pH4.7以下の低pH条件下となる場合でも凝集、分離が起こらず均質安定性に優れたマヨネーズ風調味料が得られることがわかる。
【実施例2】
【0032】
(本発明2)
配合割合
粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物:300g
水飴 :230g
食塩 :34g
リンゴ酢(酢酸5%(w/w)) :80ml
加工澱粉 :28g
小麦発酵調味料(粉末) :10g
香辛料(マスタード) :2g
黄色素(着色料) :0.5g
水 :合計容量が1000mlとなるように添加
合計値 :1000ml
上記配合割合にて各原料を混和して均質化させ、pH4.3のマヨネーズ風調味料(本発明2)を製造した。
得られたマヨネーズ風調味料は良好な均質安定性を示し、食感は滑らかでマヨネーズの風味も良好であった。また、このマヨネーズ風調味料を200ml容ガラス製密封容器に入れ、室温にて4ヶ月間静置した時も分離は観察されず、均質性が維持されていた。
【0033】
(比較例2)
比較のため、実施例2のマヨネーズ風調味料の調製において、「粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物300g」を使用する代わりに、上記実験例1で得られた「粘度0.4Pa・sの豆乳発酵物300g」を用いる以外は、全く同様にして比較例2のマヨネーズ風調味料を得た。得られたマヨネーズ風調味料は、本発明2のものと比べて、均質でなく、舌触りがざらついた感じであり、マヨネーズ風調味料としての風味もやや劣るものであった。
【実施例3】
【0034】
(本発明3)
配合割合
粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物:500g
水飴 :230g
食塩 :34g
リンゴ酢(酢酸5%(w/w)) :80ml
小麦発酵調味料(粉末) :10g
香辛料(マスタード) :2g
黄色素(着色料) :0.5g
水 :合計容量が1000mlとなるように添加
合計値 :1000ml
上記配合割合にて各原料を混和して均質化させ、pH4.3のマヨネーズ風調味料(本発明3)を製造した。
得られたマヨネーズ風調味料は良好な均質安定性を示し、食感は滑らかでマヨネーズの風味も良好であった。また、このマヨネーズ風調味料を200ml容ガラス製密封容器に入れ、室温にて4ヶ月間静置した時も分離は観察されず、均質性が維持されていた。
【0035】
(比較例3)
比較のため、実施例3のマヨネーズ風調味料の調製において、「粘度6.15Pa・sの豆乳発酵物500g」を使用する代わりに、上記実験例1で得られた「粘度0.4Pa・sの豆乳発酵物500g」を用いる以外は、全く同様にして比較例2のマヨネーズ風調味料を得た。得られたマヨネーズ風調味料は、本発明3のものと比べて、均質でなく、舌触りがざらついた感じであり、マヨネーズ風調味料としての風味もやや劣るものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物と水性調味液とを含有し、精製油脂及び卵黄を含まないマヨネーズ風調味料。
【請求項2】
粘度が6.0Pa・s以上の豆乳発酵物をマヨネーズ風調味料全体に対し20〜70%(w/w)含有する請求項1に記載のマヨネーズ風調味料。