説明

糖尿病の治療

【課題】糖尿病患者での血糖制御を向上させる。
【解決手段】インスリンおよびグルカゴン様インスリン刺激ペプチドまたは関連ペプチドを投与することからなる食療法によりインスリンを必要とする糖尿病の治療法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は糖尿病の治療についての方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
U.S.ナショナル・インスティテュート・オブ・ヘルスにより行われているディアベティス・コントロール・アンド・コンプリケーション・トライアル(DCCT)の最近の知見は、糖尿病患者の血中グルコース濃度を常態に戻すために可能なことはすべて行って、毛細血管の損傷を回避または遅らせることが重要であると強調している。インスリン増強療法はその試験により血糖制御を改善することが証明されているが、低血糖症となる危険性を伴う。このことは、安全に試みることができる血糖制御の範囲を限定することとなり、その結果、血中グルコース濃度の真の正常化はインスリン療法単独ではなし得ない。
【0003】
グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミドまたはグルカゴン様インスリン刺激(insulinotropic)ペプチド(GLIP)は正常なヒトにおける血糖症に応じてインスリン放出を強化する胃腸ペプチドである。
グルカゴン様インスリン刺激ペプチドは、II型または非インスリン依存性糖尿病にて単独でまたは経口用低血糖症剤と組み合わせて用いられると示唆されている(グトニアク(Gutniak)ら、(1992)、N.E.J.M. vol.326、1316頁;国際特許出願番号WO93/18786)。これらの文献には、II型糖尿病患者におけるペプチドと経口用低血糖症剤の間の相乗効果が明記されている。
【0004】
本願発明者は、意外にも、グルカゴン様インスリン刺激ペプチドの投与がインスリンを必要とする糖尿病の患者にて血糖の制御を向上させることを見いだした。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
グルカゴン様インスリン刺激ペプチドの投与がインスリンを必要とする糖尿病の患者にて血糖の制御を向上させることを見いだした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様によれば、適当な食療法にある哺乳動物に、有効量のインスリンおよび有効量のペプチド、すなわち、
(a)グルカゴン様ペプチド1(7−37);
(b)グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミド;および
(c)(a)または(b)の有効なフラグメントまたはアナログ
からなる群より選択されるペプチドを投与することからなる、哺乳動物におけるインスリンを必要とする糖尿病の治療方法が得られる。
【0007】
本発明のさらなる態様によれば、ペプチド、すなわち、
(a)グルカゴン様ペプチド1(7−37);
(b)グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミド;および
(c)(a)または(b)の有効なフラグメントまたはアナログ
からなる群より選択されるペプチドが、加えてインスリンでの処理からなる適当な食療法にて、インスリンを必要とする糖尿病の治療における用途としての医薬の製造に用いられる。
【0008】
本発明のさらなる態様によれば、ペプチド、すなわち、
(a)グルカゴン様ペプチド1(7−37);
(b)グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミド;および
(c)(a)または(b)の有効なフラグメントまたはアナログ
からなる群より選択されるペプチドが、インスリンを必要とする糖尿病を治療するための、インスリンも含む医薬の製造にて用いられる。
【0009】
本発明のさらなる態様によれば、有効量のペプチド、すなわち、
(a)グルカゴン様ペプチド1(7−37);
(b)グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミド;および
(c)(a)または(b)の有効なフラグメントまたはアナログ
からなる群より選択されるペプチドと、医薬上許容される担体とからなるインスリンを必要とする糖尿病を治療するための医薬組成物が得られる。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、哺乳動物におけるI型糖尿病の治療法であって、有効量のペプチド、すなわち、
(a)グルカゴン様ペプチド1(7−37);
(b)グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミド;および
(c)(a)または(b)の有効なフラグメントまたはアナログ
からなる群より選択されるペプチドを哺乳動物に投与することからなる方法が得られる。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、ペプチド、すなわち、
(a)グルカゴン様ペプチド1(7−37);
(b)グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミド;および
(c)(a)または(b)の有効なフラグメントまたはアナログ
からなる群より選択されるペプチドが、I型糖尿病の治療にて用いるための医薬の製造にて用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図面の概要
サスタカール(Sustacal)食を単独で(○)、またはサスタカール食をGLIPと一緒に(●)注入した後のI型糖尿病対象における、図1Aはグルコースの、図1BはC−ペプチドの、図1Cはヒト膵臓ポリペプチド(HPP)の、図1Dはグルカゴンの、および図1Eはガストリンの血中濃度を示す。
【0013】
グルコースを単独で(○)、またはIV GLIPと一緒に(●)注入している間のI型糖尿病対象における、図2Aはグルコースの、図2BはC−ペプチドの血中濃度を示す。
【0014】
サスタカール食およびセイラインを注入(○)またはサスタカール食と0.75pmのGLIP/kg/分を一緒に(▲)注入した後のI型糖尿病対象における、図3Aはグルコースの血中濃度(時間0での基線値からの変化量(△)として表す)を、図3BはC−ペプチドの血中濃度(時間0での基線値からの変化量(△)として表す)を示す。
【0015】
サスタカール食を単独で(○)、または直前に100μgのGLIPを皮下注射し、サスタカール食で(●)処理した後の正常な対象における、図4Aはグルコースの、図4BはC−ペプチドの、図4Cはインスリンの、および図4Dはヒト膵臓ポリペプチド(HPP)の血中濃度を示す。
【0016】
サスタカール食を単独で(○)、または直前に100μgのGLIPを皮下注射し、サスタカール食で(●)処理した後のI型糖尿病対象における、図5Aはグルコースの、図5BはC−ペプチドの、図5Cはインスリンの、および図5Dはヒト膵臓ポリペプチド(HPP)の血中濃度を示す。
【0017】
サスタカール食の前に、正規のヒトインスリン5単位および50μgのGLIPを皮下投与したI型糖尿病対象における、図6Aはグルコースの、図6はC−ペプチドの、図6Cはインスリンの、図6Dはヒト膵臓ポリペプチド(HPP)の、図6EはGLIP(GLIP−1)の、図6Fはガストリンの血中濃度を示す。
【0018】
発明の詳細な記載
グルカゴン様ペプチド1フラグメント、グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミドおよびグルカゴン様ペプチド1(7−37)は、ヒトおよび他の哺乳動物にて、基本的に同様のインスリン刺激および他の生化学作用を示す。
グルカゴン1(7−36)アミドを、本明細書中、GLIPと称する。
【0019】
本発明は、有効量のGLIPまたは他のグルカゴン様ペプチド1関連性ペプチドを単独でまたはインスリン投与の食療法と組み合わせて投与することによるI型糖尿病の治療法を提供する。
【0020】
本明細書においては「GLIP」の使用に言及しているが、本発明の治療法は当業者であれば、GLIP、グルカゴン様ペプチド1(7−37)、GLIPまたはグルカゴン様ペプチド1(7−37)を包含する有効なペプチド、またはGLIPまたはグルカゴン1(7−37)の有効なフラグメントもしくはアナログを用いて行われることがわかるであろう。
【0021】
図2に示されるように、GLIPの静脈内グルコースとのIV投与が、実験の対象にて内因性インスリンの分泌を刺激し、血中グルコース濃度の制御の改善を付与する。これらの対象は、実質的に内因性インスリン分泌を保持することにより特徴付られるIDDMの緩解期またはいわゆる「ハネムーン」期にある。
【0022】
同用量のGLIP(1.2pm/kg/分)は、図4のパネルAに示されるように、食後のこれらの対象における血中グルコース濃度にて著しい制御を示した。これらの条件下、GLIP注入もまたC−ペプチドの血中濃度が有意に増加することを妨げた。
【0023】
サスタカール食の後、試験対象は膵臓ポリペプチド(PP)の正常な分泌を示したが、この応答はGLIP注入の間にはなかった(図1、パネルC)。このPP応答の排除は、GLIP投与の結果として食物が胃から小腸に遅れて通過することによるものと考えられる。胃腸ペプチド分泌の一般的抑制によるものでないことは、これらの対象の胃の中の食物の存在に対する正常なガストリン応答により示される。
【0024】
GLIPの投与は、GLIPのない食事で刺激された血漿中グルカゴン濃度の平均的上昇を防止した。ガストリン濃度には有意な影響を与えなかった。
食事と一緒に低用量のGLIP(0.75ピコモル/kg/分)の投与は、図3に見られるように、血中のグルコースおよびC−ペプチドをいくらか増加させた。グルコースの増加は対照実験における増加よりも小さかったが、C−ペプチドの増加は対照実験と同程度であった。
【0025】
GLIPはヒトおよび他の哺乳動物において空腹を遅らせることが知られている(ウェッターグレン(Wettergren)ら、(1993)、Digestive Disease and Sciences、v.38、p.665)。図4に示されているように、食事の摂取前に、GLIPを正常な対象に皮下投与すると、血中グルコース濃度の上昇に30ないし60分の遅れがある。この遅れは空腹の阻害によるものと思われる。
【0026】
試験食の摂取前にI型糖尿病患者にGLIPを皮下投与すると、GLIPを投与しなかった時の対照値と比べて、血中グルコース濃度の低下が見られた(図5、パネルA)。膵臓ポリペプチド(HPP)濃度の上昇の遅れ(パネルD)は、空腹の遅れを示唆している。パネルBおよびCからわかるように、低グルコース濃度を説明するのに、対照の濃度と比べてインスリン分泌が強化されていることはない。
【0027】
I型糖尿病患者にGLIP投与することで見られる血糖制御の改良は、インスリンの作用を確立するのに要する時間をおいて、血中グルコースの食後の上昇の遅れによるものかもしれない。
【0028】
GLIP投与のインスリンと一緒に、I型糖尿病患者における規定食の後のグルコースの血中における予期する上昇を抑制することにおける効能は、実施例6および図6に見られる。50μgのGLIPを、通常、試験食で測定した場合に必要なインスリンの半分の用量と一緒に投与した。図6、パネルAに示されるように、血中グルコースは8mM以上には上昇しなかった。このサイズの食事および通常の半分のインスリン用量では、GLIPの作用の不在下、かなり高い血中グルコース濃度が期待された。例えば、この食事で、インスリン無しでは、血中グルコース濃度は、図5、パネルAに見られるように15mMに達した。
【0029】
図6、パネルEからわかるように、GLIPは約2時間で血液中から取り除かれ、食前のGLIP投与はその後の食事の管理に干渉しないと考えられた。
GLIPを用いて、残りの内因性インスリン分泌能を有するI型糖尿病患者の血糖制御を向上させる場合、そのホルモンのインスリン刺激効果およびその空腹を遅らせる効果は共にその血糖制御の向上に起因するであろう。ある緩解期のI型対象は、外因性インスリンがなくても、GLIPを単独で投与することにより十分に制御されるかもしれない。
【0030】
しかしながら、I型糖尿病の患者の大多数において、GLIPとインスリンの両方を含む食療法を用いる治療が必要なようである。これらの研究は、血糖症に対するGLIPの観察される効果がインスリン放出の刺激に依存するのではなく、したがって残りのインスリン分泌能を保持する糖尿病患者に限定されないことを示唆する。
【0031】
本発明によれば、I型糖尿病患者がGLIPを使用すると、血糖制御が向上し、血中グルコースが食後に大きく逸脱することが少なくなる。このことは血中グルコース濃度をできる限り正常化させ、糖尿病合併症を減少させるという現代の主張と一致する。
【0032】
さらには、本発明によれば、インスリンの投与とGLIPの投与を組み合わせる食療法は、厳密にはI型と分類されないであろうインスリンを必要とする糖尿病の患者に適用できる。
【0033】
インスリンを必要とする糖尿病患者は、インスリンを用いることなく低血糖症を回避することができない糖尿病患者である。本発明はさらには病因学的にはII型であるが、インスリン治療を必要とする糖尿病患者の治療法を提供する。
【0034】
糖尿病患者は、食物を摂取する場合の要件および正午のインスリン投与が特に面倒であり、仕事および他の活動の邪魔であると思うことが頻繁にある。要すればより長く作用するインスリンを投与することと共に、GLIPを朝食時に糖尿病対象に投与することによって、糖尿病患者は昼食を省略するか、または食事の規模を大きく減少させることができ、それにより正午におけるインスリンの必要性が回避される。
【0035】
昼食を遅くすると、朝食前にGLIPとインスリンの両方を投与した場合の栄養物の吸収の遅れはまた低血糖症の危険性を減少させるであろう。
【0036】
本明細書に記載の実験はまた、GLIPおよびインスリンの両方を含む食療法が多くの場合にインスリンの投与量を少なくして使用できるであろうことを示唆する。これはさらに低血糖症を回避するという利点がある。
【0037】
本明細書に記載の治療法にて用いられるGLIPまたはその関連ペプチドは、経口的、経鼻的または非経口的に投与されてもよい。非経口的投与は、種々の経路、例えば皮下または静脈内注入もしくは皮下または静脈内注射によるものであってもよい。
【0038】
糖尿病患者が所望の血糖制御を得るのに必要なGLIPまたはGLIPとインスリンの食療法は、糖尿病患者を管理する当業者であれば容易に決定することができる。
【0039】
当該分野における当業者に理解されるように、いずれの適当なインスリン調製物も、本明細書に記載の組み合わせた投与法にてGLIP投与と共に用いてもよい。
【0040】
適当なインスリンは、吸収後の一定期間を通して血中グルコース制御を維持するために、長期作用性インスリンを添加するかまたはすることなく、食後の一定期間を通して血中グルコース制御を維持するための標準または即効性インスリンを包含する。
【0041】
必要なGLIPの投与量は、実験用量により達成される血糖制御の程度を評価することで各対象について最適なものとすることができる。
【0042】
対象におけるGLIPの効果のレベルをモニター観察する別の常法は、GLIPの実験用量に応じて膵臓ポリペプチドの血中濃度をモニター観察することである。
【0043】
例えば、即効性および遅効性インスリンの混合物で糖尿病患者を治療するのに、かかる投与量および治療法を調整することは今日取るに足りないことである。即効性の遅効性インスリンに対する割合が種々のこれらの混合調製物は市販されており、適切な割合は、個々の患者について実験的用量のより選択されなければならない。ある患者では異なる比率のインスリン調製物を用い、種々の規模の食事を取ってもよい。同様に試験することにより、適当なGLIPおよびインスリン投与法を選択してもよい。
【0044】
GLIPおよびインスリンを別々に投与してもよく、または単一処方として調製かつ投与してもよい。
【実施例】
【0045】
実施例1
サスタカール(アップジョン(Upjohn))(30mg/kgデリバリー)の規定食を取った後、緩解期I型糖尿病の7人の患者を実験した。試験前日には患者は通常のインスリン治療のプログラムを続け、試験日には朝のインスリン注射を省略し、8:00amに絶食に入った。ある試験日には、対象はサスタカール食を取り、その直後に、GLIP(英国、ペニンスラからの合成ヒトGLIP−(7−36)アミド)の静脈内注入を1.2pm/kg/分の注入速度で開始した。注入を120分間続けた。グルコース、C−ペプチド、ガストリン、グルカゴンおよびHPPの血中濃度を、180分までの実験を行う前、およびその間一定間隔で採取した試料を標準的ラジオイムノアッセイによりモニターした。別の試験日には、対象はサスタカール食だけを取り、同じ分析体を同様にモニターした。
結果を表1に示す。
【0046】
実施例2
静脈内グルコース注入の間、緩解期I型糖尿病の4人の患者を実験した。対象を実施例1に記載にしたがって調製するが、サスタカール食の代わりにグルコース(20g、60分間にわたって一定速度)を静脈内注入した。試験日には、静脈内GLIPをその対象に60分間投与し(1.2pm/kg/分、60分間)、別の試験日には、IVグルコースを単独で投与した。グルコースおよびC−ペプチドの血中濃度を実施例1のようにモニター観察した。
結果を図2に示す。
【0047】
実施例3
サスタカール食を摂取した後、GLIP(0.75pm/kg/分)を120分間注入する間、緩解期I型糖尿病の4人の患者を実験した。
試験を実施例1の記載にしたがって行い、血中グルコースおよびC−ペプチド濃度を測定した。別の試験日に、同様にサスタカール食を摂取した後、セイライン注入の間、対象を実験した。
結果を図3に示す。
【0048】
実施例4
サスタカール食を単独でまたはすぐ前に100μgのGLIPの皮下注射を伴って、7人の正常なボランティアを実験した。
結果を図4に示す。*は処理の間に統計的に有意な差異があることを示す(p<0.05)。
グルコース、HPP、C−ペプチドおよびインスリンの血中濃度の増加の遅れが認められた。実験を50μgまたは200μg用量のGLIPで繰り返し、各々、比例してより短いおよびより長い遅れが観察された。
【0049】
実施例5
7人のI型糖尿病対象を実験した。対象は試験日には朝のインスリン注射を抜き、サスタカール食を1日単独で、別の日にはすぐ前に100μgのGLIPを皮下注射を伴ってサスタカール食を取った。
結果を図5に示す。*は処理の間に統計的に有意な差異があることを示す(p<0.05)。
【0050】
実施例6
1匹のI型糖尿病対象にGLIPをインスリンと一緒に投与し、食後の血糖症に対する効果を観察した。対象に、実施例1に記載されているようにサスタカール食を摂取する直前に皮下注射体の50μgGLIPおよび5単位のインスリンを投与した。結果を図6に示す。GLIPの血中濃度を標準ラジオイムノアッセイによりモニター観察した。
これらの記載は単に本発明の好ましい具体例にすぎず、本発明はこれらの具体例の態様に限定されるものではなく、変形および修飾はすべて本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1A〜Eは、各々、サスタカール食を単独で、またはサスタカール食をGLIPと一緒に注入した後のI型糖尿病対象における、図1Aがグルコースの、図1BがC−ペプチドの、図1Cがヒト膵臓ポリペプチド(HPP)の、図1Dがグルカゴンの、および図1Eがガストリンの血中濃度を示す。
【図2】図1A〜Bは、グルコースを単独で、またはIV GLIPと一緒に注入している間のI型糖尿病対象における、図2Aがグルコースの、図2BがC−ペプチドの血中濃度を示す。
【図3】図3A〜Bは、サスタカール食およびセイラインを注入またはサスタカール食とGLIPを一緒に注入した後のI型糖尿病対象における、図3Aがグルコースの血中濃度を、図3BがC−ペプチドの血中濃度を示す。
【図4】図4A〜Dは、サスタカール食を単独で、または直前に100μgのGLIPを皮下注射し、サスタカール食で処理した後の正常な対象における、図4Aがグルコースの、図4BがC−ペプチドの、図4Cがインスリンの、および図4Dがヒト膵臓ポリペプチドの血中濃度を示す。
【図5】図5A〜Dは、サスタカール食を単独で、または直前にGLIPを皮下注射し、サスタカール食で処理した後のI型糖尿病対象における、図5Aがグルコースの、図5BがC−ペプチドの、図5Cがインスリンの、および図5Dがヒト膵臓ポリペプチドの血中濃度を示す。
【図6】図6A〜Fは、サスタカール食の前に、正規のヒトインスリン5単位およびGLIPを皮下投与したI型糖尿病対象における、図6Aがグルコースの、図6がC−ペプチドの、図6Cがインスリンの、図6Dがヒト膵臓ポリペプチドの、図6EがGLIP(GLIP−1)の、図6Fがガストリンの血中濃度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)グルカゴン様ペプチド1(7−37);および
(b)グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミドからなる群より選択されるペプチドを含む緩解期の患者におけるI型糖尿病を治療するための医薬組成物。
【請求項2】
ペプチドが、グルカゴン様ペプチド1(7−36)アミドである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
さらにインスリンを含む請求項1または2記載の医薬組成物。
【請求項4】
ペプチドが、内因性インスリンの分泌を刺激するのに有効な量にある請求項1〜3のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項5】
ペプチドが、血中グルコース濃度を正常化するのに有効な量にある請求項1〜3のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項6】
ペプチドが、血中グルコース濃度を正常化し、空腹を遅れさせるのに有効な量にある請求項1〜3のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項7】
インスリンおよびペプチドが、食事摂取前の選択された時期に、患者への投与のための有効量にある請求項3記載の医薬組成物。
【請求項8】
有効量が、食後の血中グルコース濃度における上昇を遅れさせる請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
グルコース濃度における上昇を遅れさせるインスリンの有効量が、ペプチドの不存在下でグルコース濃度における上昇を遅れさせることを必要とする有効量より少ない請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
ペプチドが、グルカゴン様ペプチド1(7−37)またはグルカゴン様ペプチド1(7−36)アミドの有効なフラグメントまたはアナログである請求項1〜9のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項11】
皮下注射による投与に適合する請求項1〜10のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項12】
ペプチドの用量が100μgである請求項1〜11のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項13】
ペプチドの用量が200μgである請求項1〜12のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項14】
患者がヒトである請求項1〜13のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の医薬組成物を含む緩解期I型糖尿病の治療用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−131640(P2007−131640A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29369(P2007−29369)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【分割の表示】特願平7−529262の分割
【原出願日】平成7年5月12日(1995.5.12)
【出願人】(505335980)ロンドン・ヘルス・サイエンシズ・センター・リサーチ・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】