説明

糸継装置及びそれを備えた繊維機械

【課題】流体の流量を糸継ぎすべき糸条の特性に応じた適切な流量に即座に切り替えて選択することのできる、糸継装置及びそれを備えた繊維機械を提供する。
【解決手段】糸継ぎを行う流体式の糸継装置であって、流体の流量を調整する流量調整機構14を備え、流量調整機構14は、流体の流路の開口面積を絞る絞り部材32を備え、絞り部材32は、段階的に異なる流路の開口面積を選択可能に構成されており、開口面積の選択を切り替えることにより、流体の流量を段階的に選択することとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸継ぎを行う流体式の糸継装置、及びそれを備えた繊維機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、糸条の巻き返しを行ってパッケージを形成するワインダーや、繊維束を紡績糸にした上で巻き取ってパッケージを形成する紡績機が知られており、これらの繊維機械は、糸切れや糸欠点検出装置による糸切断時等にパッケージ側の糸端と給糸側の糸端とを糸継ぎする糸継装置を備えている。
【0003】
糸継装置として、糸継ぎすべき両糸端の解撚と、解撚された両糸端の接続とを流体(例えば、圧縮空気)を用いて行う流体式の糸継装置が知られている(特許文献1参照。)。特許文献1記載の糸継装置は、両糸端を解撚する解撚ノズルと、解撚後の両糸端を接続する糸継ノズルとを備えており、この糸継装置によれば、まず両糸端がそれぞれ解撚ノズル内に吸い込まれ、解撚ノズル内に供給される流体の作用によって解撚されて繊維がほぐされる。次に両糸端の解撚部が糸継ノズル内に移動し、糸継ノズルに供給される流体の作用により旋回され、絡み合わされて接続される。
【0004】
ところで、糸条の特性(種類、番手、糸色等)が異なると、糸端の解撚のしやすさ及び接続のしやすさが異なるため、糸端の解撚及び接続のための流体の流量は、糸条の特性に応じて適切な流量に調整する必要がある。糸条の特性に応じて流体の流量を調整できるようにするため、流体の流路の途中に流量調整機構を設けた糸継装置が開発されており、この流量調整機構は、例えば流体の流路内にネジを突出させる構成であり、ネジの突出量を増減させることで流路の開口面積を変化させて流体の流量を無段階に調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59−211632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、糸継装置の流体の流量を糸条の特性に応じた適切な流量にするため、糸継ぎすべき糸条が変わる度に、流量調整機構の設定を糸条の特性に応じた適切な設定に変える必要がある。しかしながら、前記従来の流量調整機構は、設定を無段階に変えることができるものの、ネジの回転量やネジの突出高さ等で設定を行っているため、流量調整機構の設定を変える度に、設定に誤差が含まれてしまうという問題がある。また、流体の流路の外側から設定を行うため、流体の流路が実際にどれだけ開いているのか直接確認することもできない。従って、前記従来の糸継装置は、流量調整機構の設定を糸条の特性に応じた最適な設定に再現することが困難であったため、流体の流量を糸条の特性に応じた適切な流量に設定することは困難であった。
【0007】
また、前記従来の糸継装置は、ネジの回転量や突出高さの調整に時間を要するため、流量調整機構の設定を即座に切り替えることも困難であった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、流体の流量を糸継ぎすべき糸条の特性に応じた適切な流量に即座に切り替えて選択することのできる、糸継装置及びそれを備えた繊維機械の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、第1の発明は、糸継ぎを行う流体式の糸継装置であって、
糸継ぎを行う糸継部と、
前記糸継部へ流体を供給するための流路と、
前記流路の一部に備えられた絞り部材と、
を有し、
前記絞り部材は、段階的に異なる流路の開口面積を選択可能に構成されており、前記開口面積の選択を切り替えることにより、前記流路の開口面積を段階的に選択することを特徴とする糸継装置である。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、
前記絞り部材は、直径の異なる複数の絞り孔を備え、前記絞り孔のいずれかを前記流路中に位置させることにより、前記流路の開口面積を段階的に選択する。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、
前記絞り部材は、ターレット部材であり、前記ターレット部材を回転させて、前記絞り孔のいずれかを前記流路中に位置させることにより、前記流路の開口面積を段階的に選択する。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、
前記流路と前記絞り孔とが連通した状態で前記ターレット部材の位置決めを行う位置決め手段が設けられている。
【0014】
第5の発明は、第1の発明において、
前記絞り部材は、前記流路中へ突出することにより、前記流路の開口面積を絞る部材であり、前記絞り部材は、段階的に異なる突出量を選択可能に構成されており、前記突出量を切り替えることにより、前記流路の開口面積を段階的に選択する。
【0015】
第6の発明は、第1から第5の発明において、
前記流量調整機構は、前記絞り部材の選択を切り替える駆動源を備え、糸継ぎすべき糸条の特性に応じて前記駆動源が作動して、糸継ぎすべき糸条の特性に応じた前記流路の開口面積を選択する。
【0016】
第7の発明は、第1から第6の発明のいずれかの発明の糸継装置を備えた繊維機械とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
第1の発明によれば、開口面積の選択を切り替えることにより、流路の開口面積を段階的に選択することができるため、流量調整機構の調整の再現性が高く、糸継装置の流体の流量を糸継ぎすべき糸条の特性に応じた適切な流量に即座に切り替えることができる。
【0019】
第2の発明によれば、複数の絞り孔のいずれかを流路中に位置させることにより、流路の開口面積を段階的に選択するため、流路の絞りを上下左右対称に行うことができ、流体の乱れを抑えながら、流体の流量を即座に切り替えることができる。
【0020】
第3の発明によれば、ターレット部材を回転させて、流路の開口面積を段階的に選択するため、特別な工具を使用せずに、流体の流量を即座に切り替えることができる。
【0021】
第4の発明によれば、流路と絞り孔とが連通した状態でターレット部材の位置決めを行うため、流体の流量を正確に切り替えることができる。
【0022】
第5の発明によれば、絞り部材の突出量を切り替えることで、流路の開口面積を段階的に選択するため、特別な工具を使用せずに、流体の流量を即座に切り替えることができる。
【0023】
第6の発明によれば、糸継ぎすべき糸条の特性に応じて駆動源が作動して、糸継ぎすべき糸条の特性に応じた流路の開口面積を選択するため、糸継装置の流体の流量の切り替えを自動的に行うことができる。
【0024】
第7の発明によれば、糸継装置の流体の流量を糸継ぎすべき糸条の特性に応じた適切な流量に即座に切り替えることができるため、糸切れや糸切断時等において良好な糸継ぎを行う繊維機械とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る糸継装置11を適用した、繊維機械としてのワインダー51の断面図。
【図2】糸継装置11の斜視図。
【図3】糸継装置11の構造の簡略図。
【図4】流量調整機構14の組み立て前の状態の斜視図。
【図5】流量調整機構14をフレーム12に取り付けてカバー16で覆った状態の斜視図。
【図6】本発明の第2の実施の形態における流量調整機構14の組み立て前の状態の斜視図。
【図7】流量調整機構14を組み立てた状態の斜視図。
【図8】本発明の第3の実施の形態における流量調整機構14の組み立て前の状態の斜視図。
【図9】流量調整機構14を組み立てた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る糸継装置11を適用した、繊維機械としてのワインダー51の断面図を示している。ワインダー51は、複数の糸巻取機52を一方向に沿って並設しており、ワインダー51における糸巻取機52は、給糸ボビンBの糸条Yを巻き返してパッケージPを形成する。尚、以下では、本発明に係る糸継装置11をワインダー51に適用した場合について説明するが、本発明に係る糸継装置11は、繊維束を紡績糸にした上で巻き取ってパッケージPを形成する紡績機に適用することもできる。
【0027】
図1に示すように、糸巻取機52の並設方向に沿ってメインフレーム53が配置されている。メインフレーム53には、糸巻取機52を構成する装置を支持するユニットフレーム54と、玉揚げ装置55を糸巻取機52の列に沿って走行させるレール56とが支持されている。ワインダー51は、糸巻取機52の台数と同数のパッケージPを並行して形成することが可能であり、糸巻取機52は、自らが巻き取っているパッケージPが満管となると、玉揚げ作業の処理要求を玉揚げ装置55に送信し、玉揚げ装置55は満管となった糸巻取機52の位置に移動し、パッケージPの玉揚げ作業を行う。満管となったパッケージPを受けるパッケージ受け57は、各糸巻取機52に設けられている。また、各糸巻取機52には、補充用のボビン58を保管するボビンストッカ59が備えられている。糸巻取機52でパッケージPが満管となって、満管のパッケージPが玉揚げ装置55で玉揚げされると、ボビンストッカ59から新たなボビン58が供給される。尚、図1では、図示の都合上、各構成要素を簡略して図示し、各構成要素の断面については平行斜線の図示を省略している。
【0028】
図1に示すように、糸巻取機52は、給糸ボビンB、テンション装置61、糸継装置11、糸欠点検出装置62、綾振ドラム63、クレードル64を、この順に下方から上方に向けて配置しており、給糸ボビンBからの糸を巻き取ってボビン58上にコーン形状等のパッケージPを形成する。テンション装置61は、給糸ボビンBで解舒された糸条Yに適宜な張力を与え、糸欠点検出装置62は、糸条Yの欠点を検出した際に走行する糸条Yを切断する。糸継装置11は、糸切れ又は糸欠点検出装置62による糸切断時にパッケージP側の糸端YPと給糸ボビンB側の糸端YBを糸継ぎする装置であり、綾振ドラム63は、外周面に糸条Yをトラバース(綾振)させる案内溝が形成されており、クレードル64に保持されたボビン58又はパッケージPに接触ながら回転し、糸条Yをトラバースさせながら、ボビン58又はパッケージPを回転させて糸条Yを巻き取る。
【0029】
また、糸巻取機52には、糸継ぎ時に糸端YP、YBを糸継装置11へ案内する、サクションマウス65及びサクションパイプ45(図示せず)が設けられている。サクションマウス65は、先端に偏平な開口が形成され、基端は綾振ドラム63の軸と平行な軸回りに回動自在に支持されており、吸引ポンプ(図示せず)に接続されている。そして、給糸ボビンBの交換時や、糸切れ又は糸欠点検出装置62による糸切断時において、サクションマウス65は上方に旋回して、開口をパッケージPの表面に接近させ、パッケージP側の糸端YPを吸引する空気流によって捕捉し、糸端YPを吸引した状態のまま下方に旋回することにより、パッケージP側の糸端YPをパッケージPから引き出して糸継装置11に渡す。
【0030】
一方、サクションパイプ45(図示せず)は、糸継ぎ時に給糸ボビンB側の糸端YBを捕捉し、この糸端YBを糸継装置11に渡す。そして、糸継装置11は、サクションマウス65によって捕捉されたパッケージP側の糸端YPと、サクションパイプ45によって捕捉された給糸ボビンB側の糸端YBとを糸継ぎして、糸条Yの巻き取りを再開できる状態とする。尚、サクションマウス65でパッケージP側の糸端YPを引き出す際には、綾振ドラム63を糸条Yの巻き取りとは逆の方向に回転させることでパッケージPを逆回転させ、糸端YPを引き出しやすくしている。
【0031】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る糸継装置11について説明する。図2は、糸継装置11の斜視図、図3は、糸継装置11の構造の簡略図を示している。糸継装置11は、糸継ぎすべきパッケージP側の糸端YP及び給糸ボビンB側の糸端YBの解撚と、解撚された両糸端YP、YBの接続とを圧縮空気(エア)を用いて行う。
【0032】
図2に示すように、糸継装置11は、フレーム12、糸継部13、流量調整機構14を備えている。フレーム12は、ワインダー51のユニットフレーム54に取り付けられるものであり、糸継部13と流量調整機構14とが取り付けられる。フレーム12には、解撚用エアを通すための解撚用エア流路41、糸継用エアを通すための糸継用エア流路42、及び糸くず等を除去する清掃用エアを通すための清掃用エア流路43が設けられており(図3参照)、これらの流路にエア供給手段(図示せず)を接続するためのエア入口44が設けられている。また、フレーム12には流量調整機構14を取り付けるための取付部15が設けられており、取付部15内には、各流路に流量調整機構14を接続し、あるいは流量調整機構14を介さずに配管するための解撚用エア継手411、糸継用エア継手421、及び清掃用エア継手431が設けられている。各流路に接続される流量調整機構14は、各エアを通すための流路の一部を構成することとなる。尚、本実施の形態では、解撚用エア流路41にのみ流量調整機構14を接続するため、糸継用エア継手421間、清掃用エア継手431間は、それぞれ糸継用エア流路42、清掃用エア流路43と同径のパイプ45が接続される(図3参照)。
【0033】
糸継部13は、糸巻取機52のサクションマウス65及びサクションパイプ45(図示せず)によりパッケージP側の糸端YPと給糸ボビンB側の糸端YBとが導かれ、両糸端YP、YBの解撚と接続を行うものである。図2、図3に示すように、第1解撚ノズル71は、給糸ボビンB側の糸端YBを吸い込んで解撚を行うものであり、第1吸引口71aを露出させた第1解撚パイプ71bと、第1解撚パイプ71b内で解撚用エアを噴射する第1解撚用エア出口71cとを備えている。第1解撚用エア出口71cは、解撚用エア流路41に接続されて第1解撚パイプ71bの第1吸引口71a付近に配置されており、第1解撚パイプ71bの軸方向の中心側に傾けられている。第1解撚用エア出口71cから解撚用エアを噴射することで第1解撚パイプ71b内に螺旋流が発生し、給糸ボビンB側の糸端YBが第1吸引口71aから第1解撚パイプ71b内に吸い込まれ、糸端YBの繊維が解撚されてほぐされる。
【0034】
第2解撚ノズル72は、巻取パッケージP側の糸端YPを吸い込んで解撚を行うものであり、第2吸引口72aを露出させた第2解撚パイプ72bと、第2解撚パイプ72b内で解撚用エアを噴射する第2解撚用エア出口72cとを備えている。第2解撚用エア出口72cは、解撚用エア流路41に接続されて第2解撚パイプ72bの第2吸引口72a付近に配置されており、第2解撚パイプ72bの軸方向の中心側に傾けられている。第2解撚用エア出口72cから解撚用エアを噴射することで第2解撚パイプ72b内に螺旋流が発生し、巻取パッケージP側の糸端YPが第2吸引口72aから第2解撚パイプ72b内に吸い込まれ、糸端YPの繊維が解撚されてほぐされる。
【0035】
糸継ノズル73は、解撚されてほぐされたパッケージP側の糸端YPの解撚部と給糸ボビンB側の糸端YBの解撚部を絡み合わせて接続するものであり、第1解撚ノズル71と第2解撚ノズル72との間に配置されている。糸継ノズル73には、パッケージP側の糸端YPと給糸ボビンB側の糸端YBとを収容する収容部73aと、パッケージP側の糸端YPと給糸ボビンB側の糸端YBとを収容部73aに案内するガイド傾斜部73bが形成されており、収容部73aの側壁の接線方向には、糸継用エアを噴射する糸継用エア出口73cが形成されている。糸継用エア出口73cは糸継用エア流路42に接続されている。糸継用エア出口73cから噴射された糸継用エアによって収容部73a内に旋回流が発生し、解撚されてほぐされたパッケージP側の糸端YPの解撚部と給糸ボビンB側の糸端YBの解撚部とが絡み合わされて接続される。
【0036】
第1糸寄せレバー74aと第2糸寄せレバー74bは、解撚前には、糸継ノズル73の前まで導かれたパッケージP側の糸端YPと給糸ボビンB側の糸端YBとを糸継ノズル73に寄せ、解撚後には、両糸端YP、YBの接続の準備のため、両糸端YP、YBの解撚部が糸継ノズル73の収容部73a内に位置するように両糸端YP、YBの位置を調整するものである。第1糸寄せレバー74aと第2糸寄せレバー74bは、図示しない駆動装置により糸継ノズル73の側方の待機位置から糸継ノズル73の方向に旋回するように構成されており、第1糸寄せレバー74aと第2糸寄せレバー74bは、それぞれ糸継ノズル73の前まで導かれたパッケージP側の糸端YPと給糸ボビンB側の糸端YBとを糸継ノズル73に寄せる。また、第1糸寄せレバー74aと第2糸寄せレバー74bは、両糸端YP、YBの解撚後には、更に適当な位置まで旋回することにより、両糸端YP、YBの解撚部を第1解撚ノズル71と第2解撚ノズル72から引き出して、両糸端YP、YBの解撚部が糸継ノズル73の収容部73a内に位置するように両糸端YP、YBの位置を調整する。
【0037】
第1糸端カッター75aは、給糸ボビンB側の糸端YBの解撚前に、第1糸寄せレバー74aで糸継ぎノズルに寄せられた給糸ボビンB側の糸端YBを切断して適切な長さにするものであり、第2糸端カッター75bは、巻取パッケージP側の糸端YPの解撚前に、第2糸寄せレバー74bで糸継ぎノズルに寄せられた巻取パッケージP側の糸端YPを切断して適切な長さにするものである。また、第1クランププレート76aは、巻取パッケージP側の糸端YPをクランプして固定するものであり、第2クランププレート76bは、給糸ボビンB側の糸端YBをクランプして固定するものである。
【0038】
糸押さえレバー77は、第1糸寄せレバー74aと第2糸寄せレバー74bによって両糸端YP、YBの解撚部が糸継ノズル73の収容部73a内に位置するように両糸端YP、YBの位置を調整した後、両糸端YP、YBの解撚部の位置を固定するものである。糸押さえレバー77は、第1フォーク77aと第2フォーク77bを備えており、図示しない駆動装置により糸継ノズル73の側方の待機位置から糸継ノズル73の方向に旋回するように構成されている。糸押さえレバー77は、第1糸寄せレバー74aと第2糸寄せレバー74bによって両糸端YP、YBの位置が調整された後、糸継ノズル73の方向に旋回し、第1フォーク77aと糸継ノズル73との間で巻取パッケージP側の糸端YP、YBを固定し、第2フォーク77bと糸継ノズル73との間で給糸ボビンB側の糸端YBを固定する。両糸端YP、YBの位置が固定された後、糸継ノズル73で糸継用エアが噴射され、両糸端YP、YBの解撚部が絡み合わされて接続される。
【0039】
次に、流量調整機構14について説明する。図4は、流量調整機構14の組み立て前の状態の斜視図、図5は、流量調整機構14をフレーム12に取り付けてカバー16で覆った状態の斜視図を示している。本実施の形態に係る糸継装置11に適用されている流量調整機構14は、エア供給手段(図示せず)から糸継部13の第1解撚ノズル71と第2解撚ノズル72に供給される解撚用エアの流量を段階的に選択するものである。
【0040】
図4に示すように、流量調整機構14は、本体21、押圧部材22、絞り部材としてのターレット部材31を備えている。本体21と押圧部材22には、解撚用エア流路41に接続されて解撚用エアを通すためのエア流路23が設けられており、ターレット部材31には、開口面積の異なる複数の絞り孔33が設けられている。本体21と押圧部材22とでターレット部材31を挟むように支持し、ターレット部材31を回転させてターレット部材31の絞り孔33のいずれかをエア流路23の途中に位置させることにより、エア流路23の開口面積が段階的に選択され、解撚用エアの流量が切り替えられる。以下、流量調整機構14の構造について詳しく説明する。
【0041】
まずターレット部材31は、円盤状であり、中央の両面にターレット部材31の回転軸となる支軸34が設けられている。支軸34を中心としたターレット部材31上の仮想の円周上には、絞り孔33が複数形成されており、各絞り孔33は、エア流路23の途中に位置することでエア流路23の開口面積を絞り、解撚用エアの流量を絞るものである。各絞り孔33は、段階的に異なる開口面積を選択することが可能となるように、開口面積が互いに異なっている。各絞り孔33の開口面積は、糸継ぎすべき種々の糸条Yの特性に応じて、解撚用エアの流量が各糸条Yの解撚に適した流量となるように各々設定されている。絞り孔33のいずれかをエア流路23の途中に位置させることにより、エア流路23の開口面積を段階的に選択することができる。つまり、解撚用エアの流量は、絞り孔33の数だけ段階的に選択できることとなる。
【0042】
本体21には、ターレット部材31の支軸34を回動自在に支持するための支持孔24が設けられ、支持孔24にターレット部材31が支持された状態で絞り孔33に連通する位置に、エア流路23が設けられている。ターレット部材31に対向する面には、エア流路23とターレット部材31の絞り孔33との間の気密性を確保するシール部材25が配置され、エア流路23の開口部の周囲には、シール部材25を装着するためのシール用溝26が形成される。また、ターレット部材31に対向する面には、押圧部材22との間に間隔を確保して、ターレット部材31を回動自在にするための凸部211が設けられている。凸部211には、固定孔212が形成されている。本体21の上部には、流量調整機構14を固定手段223でフレーム12に取り付けるためのステー213が設けられている。ターレット部材31に対向する面と反対の面には、エア流路23の開口部に、フレーム12の解撚用エア継手411に接続するためのエア流路継手231(図示せず)が設けられている。
【0043】
押圧部材22には、本体21と同様にターレット部材31の支軸34を回動自在に支持するための支持孔24(図示せず)が設けられ、支持孔24にターレット部材31が支持された状態で絞り孔33に連通する位置に、エア流路23が設けられている。ターレット部材31に対向する面には、エア流路23とターレット部材31の絞り孔33との間の気密性を確保するシール部材25が配置され、エア流路23の開口部の周囲には、シール部材25を装着するためのシール用溝26(図示せず)が形成されている。また、本体21の凸部211に形成した固定孔212と連通する位置には貫通孔221が形成され、固定手段222によって本体21と固定できるようにしている。ターレット部材31に対向する面と反対の面には、エア流路23の開口部に、フレーム12の解撚用エア継手411に接続するためのエア流路継手231が設けられている。
【0044】
本体21、押圧部材22、ターレット部材31の組み立ては、本体21と押圧部材22のシール用溝26にそれぞれシール部材25を装着し、ターレット部材31の支軸34を本体21と押圧部材22の支持孔24に支持させるようにして、ターレット部材31を本体21と押圧部材22とで挟んだ上で、固定手段222により本体21と押圧部材22とを固定する。ターレット部材31は、本体21と押圧部材22に対して回動自在とし、ターレット部材31を回動させると、本体21と押圧部材22のエア流路23に連通する絞り孔33が順番に切り替わるようにする。尚、エア流路23と絞り孔33とが連通した状態であることを示す表示、あるいは、エア流路23と絞り孔33とが連通した状態でターレット部材31の位置決めを行う位置決め手段等を設けてもよい。位置決め手段として、例えば、本体21の一部に出没自在な凸部を設け、ターレット部材31には、エア流路23と絞り孔33とが連通した状態で前記凸部と係合する凹部を複数の絞り孔33毎に設けることにより実現できる。位置決め手段により、エアの流量を正確に切り替えることができる。また、エア流路23と絞り孔33の中心が一致した状態で連通させることで、エア流路23の絞りを上下左右対称に行うことができ、解撚用エアの乱れを抑えながら、解撚用エアの流量を切り替えることができる。
【0045】
上記のように構成される流量調整機構14は、図2に示すように、フレーム12の解撚用エア継手411に、流量調整機構14のエア流路継手231を接続し、ステー213と固定手段223を用いてフレーム12の取付部15内に取り付けられる。そして、図5に示すように、フレーム12の取付部15を覆うカバー16が装着される。カバー16には流量調整機構14のターレット部材31の一部が露出するようにスリット161が形成され、カバー16を装着した状態で、ターレット部材31を回転させ、解撚用エアの流量が切り替えられるようにしている。
【0046】
以上説明した第1の実施の形態に係る糸継装置11によれば、次のような効果を有する。
【0047】
流量調整機構14のターレット部材31を回転させて、絞り孔33のいずれかをエア流路23の途中に位置させることにより、エア流路23の開口面積を段階的に選択することができる。そして、開口面積を段階的に選択することにより、解撚用エアの流量を段階的に選択することができるため、流量調整機構14の調整の再現性が高く、解撚用エアの流量を糸継ぎすべき糸条Yの特性に応じた適切な流量に即座に切り替えることができる。
【0048】
また、ターレット部材31を回転させて、エア流路23の開口面積を段階的に選択するため、特別な工具を使用せずに、解撚用エアの流量の流量を即座に切り替えることができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る糸継装置11を図面に沿って説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態に係る糸継装置11に適用される、流量調整機構14の組み立て前の状態の斜視図、図7は、流量調整機構14を組み立てた状態の斜視図を示している。図6、図7に示すように、本実施の形態に係る糸継装置11の流量調整機構14は、絞り部材32をターレット部材31のように回転させるのではなく、直線的に進退させる点が第1の実施の形態に係る流量調整機構14と大きく異なっている。
【0050】
図6、図7に示すように、流量調整機構14は、本体21、押圧部材22、絞り部材32を備えている。本体21と押圧部材22には、解撚用エア流路41に接続されて解撚用エアを通すためのエア流路23が設けられており、絞り部材32には、開口面積の異なる複数の絞り孔33が設けられている。本体21と押圧部材22とで絞り部材32を挟むように支持し、絞り部材32を直線的に進退させて絞り部材32の絞り孔33のいずれかをエア流路23の途中に位置させることにより、エア流路23の開口面積が段階的に選択され、解撚用エアの流量が切り替えられる。以下、流量調整機構14の構造について詳しく説明する。
【0051】
まず絞り部材32は、平板状であり、仮想の直線上に絞り孔33が複数形成されている。各絞り孔33は、第1の実施の形態のターレット部材31と同様に、エア流路23の途中に位置することでエア流路23の開口面積を絞り、解撚用エアの流量を絞るものである。各絞り孔33は、段階的に異なる開口面積を選択することが可能となるように、開口面積が互いに異なっている。各絞り孔33の開口面積は、糸継ぎすべき種々の糸条Yの特性に応じて、解撚用エアの流量が各糸条Yの解撚に適した流量となるように各々設定されている。絞り孔33のいずれかをエア流路23の途中に位置させることにより、エア流路23の開口面積を段階的に選択することができる。つまり、解撚用エアの流量は、絞り孔33の数だけ段階的に選択できることとなる。
【0052】
本体21の絞り部材32に対向する面には、押圧部材22との間に間隔を確保するとともに、絞り部材32を進退自在に案内する凸部211が上下に設けられており、絞り部材32が上下の凸部211に支持された状態で絞り部材32の絞り孔33に連通する位置には、エア流路23が設けられている。また、絞り部材32に対向する面には、エア流路23と絞り部材32の絞り孔33との間の気密性を確保するシール部材25が配置され、エア流路23の開口部の周囲には、シール部材25を装着するためのシール用溝26が形成されている。絞り部材32に対向する面と反対の面には、エア流路23の開口部に、フレーム12の解撚用エア継手411に接続するためのエア流路継手231(図示せず)が設けられている。凸部211には、固定孔212が形成されており、本体21の上部には、流量調整機構14を固定手段223でフレーム12に取り付けるためのステー213が設けられている。
【0053】
押圧部材22には、絞り部材32の絞り孔33に連通する位置に、エア流路23が設けられており、絞り部材32に対向する面には、エア流路23と絞り部材32の絞り孔33との間の気密性を確保するシール部材25が配置され、エア流路23の開口部の周囲には、シール部材25を装着するためのシール用溝26(図示せず)が形成されている。また、本体21の凸部211に形成した固定孔212と連通する位置には貫通孔221が形成され、固定手段222によって本体21と固定できるようにしている。絞り部材32に対向する面と反対の面には、エア流路23の開口部に、フレーム12の解撚用エア継手411に接続するためのエア流路継手231が設けられている。
【0054】
本体21、押圧部材22、絞りの組み立ては、本体21と押圧部材22のシール用溝26にそれぞれシール部材25を装着し、本体21の上下の凸部211の間に絞り部材32を支持させ、絞り部材32を本体21と押圧部材22とで挟んだ上で、固定手段222により本体21と押圧部材22とを固定する。絞り部材32は、本体21と押圧部材22に対して進退自在とし、絞り部材32を進退させると、本体21と押圧部材22のエア流路23に連通する絞り孔33が順番に切り替わるようにする。尚、エア流路23と絞り孔33とが連通した状態であることを示す表示、あるいは、エア流路23と絞り孔33とが連通した状態で絞り部材32の位置決めを行う位置決め手段等を設けてもよい。位置決め手段により、エアの流量を正確に切り替えることができる。また、エア流路23と絞り孔33の中心が一致した状態で連通させることで、エア流路23の絞りを上下左右対称に行うことができ、解撚用エアの乱れを抑えながら、解撚用エアの流量を切り替えることができる。
【0055】
上記のように構成される流量調整機構14は、フレーム12の解撚用エア継手411に、流量調整機構14のエア流路継手231を接続し、ステー213と固定手段223を用いてフレーム12の取付部15内に取り付けられる(図2参照)。
【0056】
以上説明した第2の実施の形態に係る糸継装置11によれば、次のような効果を有する。
【0057】
流量調整機構14の絞り部材32を直線的に進退させて、絞り孔33のいずれかをエア流路23の途中に位置させることにより、エア流路23の開口面積を段階的に選択することができる。そして、開口面積を段階的に選択することにより、解撚用エアの流量を段階的に選択することができるため、流量調整機構14の調整の再現性が高く、解撚用エアの流量を糸継ぎすべき糸条Yの特性に応じた適切な流量に即座に切り替えることができる。
【0058】
また、絞り部材32を直線的に進退させて、エア流路23の開口面積を段階的に選択するため、特別な工具を使用せずに、解撚用エアの流量の流量を即座に切り替えることができる。
【0059】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る糸継装置11を図面に沿って説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態に係る糸継装置11に適用される、流量調整機構14の組み立て前の状態の斜視図、図9は、流量調整機構14を組み立てた状態の斜視図を示している。図8、図9に示すように、本実施の形態に係る糸継装置11は、絞り部材32がエア流路23中へ突出するものであり、絞り部材32の突出量を切り替えることにより、解撚用エアの流量が切り替えられる点が第1、第2の実施の形態における流量調整機構14と大きく異なっている。
【0060】
図8、図9に示すように、流量調整機構14は、本体21と絞り部材32を備えている。本体21には、解撚用エア流路41に接続されて解撚用エアを通すためのエア流路23が設けられている。絞り部材32は、エア流路23中に突出することにより、エア流路23の開口面積を絞るものであり、絞り部材32は、段階的に異なる突出量を選択可能に構成されている。突出量を切り替えることにより、エア流路23の開口面積が段階的に選択され、解撚用エアの流量が切り替えられる。以下、流量調整機構14の構造について詳しく説明する。
【0061】
まず本体21には、解撚用エアを通すためのエア流路23が設けられ、エア流路23と交差する方向に断面形状が円形の挿入孔214が設けられている。挿入孔214はエア流路23に絞り部材32の挿入部35を進退させる孔である。挿入孔214の側方には、絞り部材32の進退方向の位置を決定するための位置決め凸部215が設けられている。エア流路23の両端の開口部には、フレーム12の解撚用エア継手411に接続するためのエア流路継手231が設けられ、本体21の上部には、流量調整機構14を固定手段223でフレーム12に取り付けるためのステー213が設けられている。
【0062】
絞り部材32は、挿入部35と操作部36を備えている。挿入部35は、本体21の挿入孔214に挿入しうる断面形状が円形の部材であり、本体21のエア流路23中に突出することにより、エア流路23の開口面積を絞るものである。挿入部35の先端付近には、シール用溝(図示せず)が形成され、挿入孔214と挿入部35の気密性を確保するためのシール部材37が配置される。
【0063】
操作部36は、挿入部35の突出量を変更するとともに、挿入部35の位置決めを行うものである。操作部36は挿入部35の端部に固定された円盤状の部材であり、本体21の位置決め凸部215に対向する位置には、円周方向に位置決め凹部361が複数形成されている。位置決め凹部361は、位置決め凸部215と嵌合することにより、挿入部35の進退方向の位置、すなわち、エア流路23中への突出量を決定するものである。各位置決め凹部361の深さは、挿入部35の突出量を決定し、エア流路23の開口面積を決定するものであるため、位置決め凹部361の深さは、糸継ぎすべき種々の糸条Yの特性に応じて、解撚用エアの流量が各糸条Yの解撚に適した流量となるように各々設定されている。操作部36の位置決め凹部361のいずれかを本体21の位置決め凸部215に嵌合することにより、突出部のエア流路23への突出量を段階的に選択でき、エア流路23の開口面積を段階的に選択することができる。つまり、解撚用エアの流量は、位置決め凹部361の数だけ段階的に選択できることとなる。
【0064】
本体21と絞り部材32の組み立ては、挿入部35のシール用溝にシール部材37を装着した状態で、本体21の挿入孔214に挿入部35を挿入する。絞り部材32は、本体21に対して進退自在とし、位置決め凸部215に位置決め凹部361を嵌合させると、挿入部35の突出量が決定される。解撚用エアの流量を切り替える場合は、絞り部材32を少し引き抜いて位置決め凸部215と位置決め凹部361との嵌合を一旦解除し、操作部36を回動させた状態で絞り部材32を再度押込み、他の位置決め凹部361に位置決め凸部215を嵌合させることで、解撚用エアの流量を切り替えることができる。
【0065】
尚、位置決め凹部361と位置決め凸部215とが嵌合した状態を維持するように、絞り部材32を本体21側に付勢する付勢手段を設けてもよい。また、操作部36と挿入部35を回動自在とし、解撚用エアの流量を切り替える場合に操作部36を回動する際に挿入部35が回動しないようにしてもよい。この場合、挿入部35が挿入穴に対して進退できればよいため、挿入部35と挿入穴の断面形状は円形でなくてもよい。
【0066】
上記のように構成される流量調整機構14は、フレーム12の解撚用エア継手411に、流量調整機構14のエア流路継手231を接続し、ステー213と固定手段223を用いてフレーム12の取付部15内に取り付けられる(図2参照)。
【0067】
以上説明した第3の実施の形態に係る糸継装置11によれば、次のような効果を有する。
【0068】
流量調整機構14の絞り部材32を進退させ、絞り部材32の突出量を切り替えることで、エア流路23の開口面積を段階的に選択するため、特別な工具を使用せずに、流体の流量を即座に切り替えることができる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、本実施の形態に係る糸継装置11では、流量調整機構14を解撚用エアの流量調整のために用いたが、糸継用エアや清掃用エアの流量調整するために用いてもよい。その場合は、糸継ぎすべき種々の糸条Yの特性に応じて、糸継用エアや清掃用エアの流量が各糸条Yの解撚や清掃に適した流量となるように流量調整機構14を設定するものとする。
【0070】
また、解撚用エアの流量調整を行う流量調整機構14のみを設けたが、糸継用エアや清掃用エアの流量調整を行う流量調整機構14を並設してもよい。また、第1解撚ノズル71に供給される解撚用エアの流量を調整する流量調整機構14と、第2解撚ノズル72に供給される解撚用エアの流量を調整する流量調整機構14をそれぞれ別個に設けてもよい。
【0071】
また、流量調整機構14に、絞り部材32の選択を切り替える駆動源を備えることとし、糸継ぎすべき糸条Yの特性に応じて駆動源が作動して、糸継ぎすべき糸条Yの特性に応じた流体の流量に選択位置決めするようにしてもよい。この場合、糸継ぎすべき糸条Yの特性に応じて駆動源が作動して、糸継ぎすべき糸条Yの特性に応じた流体の流量に選択されるため、糸継装置11の流体の流量の切り替えを自動的に行うことができる。
【0072】
更に、糸継ぎすべき糸条Yの特性を判定する糸条Y特性判定手段を設け、この糸条Y特性判定手段の判定結果に応じて流量調整機構14の駆動源を作動させ、糸継装置11の流体の流量の切り替えを自動的に行うようにしてもよい。糸条Y特性判定手段は、例えば、解撚ノズル付近に、糸の糸種、番手、糸色等を判別するセンサを設け、このセンサの検出値に応じて糸条Yの特性を判定するようにしてもよい。この場合、糸条Yの特性が変更されても、糸継装置11の流体の流量を自動的に適正な状態とすることができ、良好な継ぎ目を形成することができる。
【0073】
以上説明した本発明の技術的範囲は、上記の実施例に限定されるものではなく、上記実施例の形状に限定されない。本発明の技術的範囲は、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【符号の説明】
【0074】
11 糸継装置
12 フレーム
13 糸継部
14 流量調整機構
15 取付部
16 カバー
161 スリット
21 本体
211 凸部
212 固定孔
213 ステー
214 挿入孔
215 位置決め凸部
22 押圧部材
221 貫通孔
222、223 固定手段
23 エア流路
231 エア流路継手
24 支持孔
25 シール部材
26 シール用溝
31 ターレット部材
32 絞り部材
33 絞り孔
34 支軸
35 挿入部
36 操作部
361 位置決め凹部
37 シール部材
41 解撚用エア流路
42 糸継用エア流路
43 清掃用エア流路
411 解撚用エア継手
421 糸継用エア継手
431 清掃用エア継手
44 エア入口
45 パイプ
51 ワインダー
52 糸巻取機
53 メインフレーム
54 ユニットフレーム
55 玉揚げ装置
56 レール
57 パッケージ受け
58 ボビン
59 ボビンストッカ
61 テンション装置
62 糸欠点検出装置
63 綾振ドラム
64 クレードル
65 サクションマウス
71 第1解撚ノズル
71a 第1吸引口
71b 第1解撚パイプ
71c 第1解撚用エア出口
72 第2解撚ノズル
72a 第2吸引口
72b 第2解撚パイプ
72c 第2解撚用エア出口
73 糸継ノズル
73a 収容部
73b ガイド傾斜部
73c 糸継用エア出口
74a 第1糸寄せレバー
74b 第2糸寄せレバー
75a 第1糸端カッター
75b 第2糸端カッター
76a 第1クランププレート
76b 第2クランププレート
77 糸押さえレバー
77a 第1フォーク
77b 第2フォーク
Y 糸条
P パッケージ
B 給糸ボビン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸継ぎを行う流体式の糸継装置であって、
糸継ぎを行う糸継部と、
前記糸継部へ流体を供給するための流路と、
前記流路の一部に備えられた絞り部材と、
を有し、
前記絞り部材は、段階的に異なる流路の開口面積を選択可能に構成されており、前記開口面積の選択を切り替えることにより、前記流路の開口面積を段階的に選択することを特徴とする糸継装置。
【請求項2】
前記絞り部材は、直径の異なる複数の絞り孔を備え、前記絞り孔のいずれかを前記流路中に位置させることにより、前記流路の開口面積を段階的に選択することを特徴とする請求項1に記載の糸継装置。
【請求項3】
前記絞り部材は、ターレット部材であり、前記ターレット部材を回転させて、前記絞り孔のいずれかを前記流路中に位置させることにより、前記流路の開口面積を段階的に選択することを特徴とする請求項2に記載の糸継装置。
【請求項4】
前記流路と前記絞り孔とが連通した状態で前記ターレット部材の位置決めを行う位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の糸継装置。
【請求項5】
前記絞り部材は、前記流路中へ突出することにより、前記流路の開口面積を絞る部材であり、前記絞り部材は、段階的に異なる突出量を選択可能に構成されており、前記突出量を切り替えることにより、前記流路の開口面積を段階的に選択することを特徴とする請求項1に記載の糸継装置。
【請求項6】
前記流量調整機構は、前記絞り部材の選択を切り替える駆動源を備え、糸継ぎすべき糸条の特性に応じて前記駆動源が作動して、糸継ぎすべき糸条の特性に応じた前記流路の開口面積を選択することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の糸継装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の糸継装置を備えた繊維機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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