説明

納豆

【課題】従来の納豆及び干し納豆の欠点をなくし、納豆に味の深みと濃さを加え旨さを増し歯応えのある食感が得られると共に小さな力でかき混ぜられる納豆を提供することを目的とする。
【解決手段】乾燥大豆を水に浸水した後蒸煮した大豆に納豆菌を接種し発酵させてなる母材となる納豆と、母材となる納豆を乾燥させた干し納豆の組み合わせであって、干し納豆を、母材となる納豆に対して重量比で10%から50%とし、且つ硬さを10倍から60倍とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
納豆に味の深さと濃さを加え旨さを増し更に歯応えの得られる納豆に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥大豆を水に浸水した後蒸煮した大豆に納豆菌を接種し発酵させた納豆が知られている。またその納豆を乾燥させた干し納豆も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の納豆は苦手で嫌いと言う人が多くその大方の理由は噛んだ時のあの「ぐにゃ」と言う触感が何とも厭と言うことであった。干し納豆はその独特の厭な匂いが嫌いと言う人が多かった。本発明は従来の納豆および干し納豆の欠点をなくし、納豆に味の深みと濃さを加え旨さを増し更に歯応えのある食感が得られると共に小さな力でかきまぜられる納豆を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の納豆は、乾燥大豆を水に浸水した後蒸煮した大豆に納豆菌を接種し発酵させてなる母材となる納豆と、母材となる納豆を乾燥させた干し納豆の組み合わせであって、干し納豆を、母材となる納豆に対して重量比で10%から50%とし、かつ硬さを10倍から60倍とした。
【発明の効果】
【0005】
噛んだ時に先ず程良い硬さの干し納豆が歯応えとなり納豆の厭な柔らかさを感じなく吸収してしまう効果がある。また、干し納豆の厭な匂いは納豆に混じることにより匂いが緩和されて薄まり、更に干し納豆の特徴である凝縮された旨み成分が納豆全体に広がりその相乗効果により一段と美味しい納豆となる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
乾燥大豆を水に浸水した後蒸煮した大豆に納豆菌を接種し発酵させた母材となる納豆をつくる。そしてその納豆を乾燥機で乾燥させて干し納豆を作る。干し納豆の割合配合は母材となる納豆に対して重量比で、10%から50%とし、且つ干し納豆の硬さは母材となる納豆に対して10倍から60倍が好ましい。その干し納豆の硬さは、母材となる納豆を乾燥させる乾燥機の温度と時間で調整する。
【0007】
干し納豆の割合配合は母材となる納豆に対して重量比で10%未満であると母材の納豆以上の味が出ない,50%を超えると干し納豆そのものに近い味になってしまう。一方、干し納豆の硬さが母材となる納豆に対して10倍未満だと食感として従来の納豆と食感が変わらず、60倍を越えると干し納豆だけを食べているのと変わりない。
【実施例】
【実施例1】
【0008】
母材となる納豆として市販されているA社のものを使用した。その母材となる納豆の粒を任意に十粒選びその硬さをテクスチャーアナライザー試験器で測定したところその平均値は約540グラム(納豆の高さを70%まで潰す時の最大の力)である。この母材となる納豆を60℃で5時間乾燥させて干し納豆を作った。また同様にしてこの干し納豆を任意に10粒選び硬さを測定した結果7200グラムであり母材の納豆の硬さの約13倍となった。母材の納豆50グラムに対し10%の5グラムを加えた。これらを均一に攪拌して、食べたところ母材の納豆だけでは得られない食感と深い旨みのある納豆になり、またかき混ぜる力も粘性が軽減され楽にかき混ぜられた。
【0009】
噛んだ時に先ず程良い硬さの干し納豆が歯応えとなり納豆の厭な柔らかさを感じることがなく、また干し納豆の厭な匂いが緩和されて薄まり、更に干し納豆の特徴である凝縮された旨み成分が納豆全体に広がりその相乗効果により一段と美味しい納豆となった。
【実施例2】
【0010】
市販されているB社の納豆を用いて干し納豆を作った。その特性は下記の通りである。
B社の母材となる納豆の硬さは平均値830グラム。
干し納豆の硬さ平均値14500グラム(乾燥時間6時間、乾燥温度60℃、硬さ比約17倍)。
母材となる納豆50グラムに対し20グラム配合(重量比40%)して、均一に攪拌して食べたところ実施例1と同様の食感と旨みが得られた。
【実施例3】
【0011】
市販されているC社の納豆を使い干し納豆を作った、その特性は下記の通りである。
C社の母材となる納豆の硬さは平均値325グラム。
干し納豆の硬さ平均値17000グラム(乾燥時間7時間、乾燥温度60℃、硬さ比約52倍)。
母材となる納豆50グラムに対し10グラム配合(重量比20%)して、均一に攪拌して食べたところ実施例1と同様の食感と旨みが得られた。
【0012】
(比較例1)
市販されているA社の納豆を用いて干し納豆を作った。その特性は下記の通りである。
干し納豆の硬さ平均値5720グラム(乾燥時間5時間、乾燥温度60℃、硬さ比約13倍)。
母材となる納豆50グラムに対し4グラム配合(重量比8%)して、均一に攪拌して食べたところ、母材以上の納豆の味が出なかった。
【0013】
(比較例2)
市販されているB社の納豆を用いて干し納豆を作った。その特性は下記の通りである。
干し納豆の硬さ平均値58000グラム(乾燥時間8時間、乾燥温度80℃、硬さ比約70倍)。
母材となる納豆50グラムに対し10グラム配合(重量比20%)して、均一に攪拌して食べたところ、干し納豆そのものになってしまった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥大豆を水に浸水した後蒸煮した大豆に納豆菌を接種し発酵させてなる母材となる納豆と、母材となる納豆を乾燥させた干し納豆の組み合わせであって、干し納豆を、母材となる納豆に対して重量比で10%から50%とし、かつ硬さを10倍から60倍としたことを特徴とする納豆。

【公開番号】特開2011−254799(P2011−254799A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146847(P2010−146847)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(309014230)
【Fターム(参考)】