説明

紙、紙の製造方法、紙の製造装置

【課題】非パルプ繊維が外部から視認し難い紙を提供すること。加えて、本発明は、非パルプ繊維が紙外部に露出せず、かつ外部から視認し難い紙を、大量かつ廉価に生産することが可能な紙の製造方法、及び紙の製造装置を提供すること。
【解決手段】紙100を、3層以上抄紙(例えば3層抄紙)により得られた多層の紙とし、中間層106を介して、第1外層102と第2外層104とが抄紙し、そして、抄紙された中間層106に非パルプ繊維108を漉き込ませる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、インクやトナー等の一般的な記録材を用いた印刷(例えば、電子写真方式あるいはインクジェット方式の画像形成装置を用いた印刷)が可能であると共に、磁気的あるいは電磁気的手段により情報を記録・再生することができる非繊維パルプ(例えば、磁性体)を含む紙に関するものである。また、本発明は、紙の製造方法、紙の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報保護法が施工されて間もないが、個人情報の流出事件は相変わらず起きている。特に、電子情報に対する強化の反面、個人情報が書き出された紙文書の流出事件が相次ぎ、紙文書に対するセキュリティ技術の早急なる開発が望まれている。特に文書は複写機でもって容易に複製が可能である。重要文書の複写を抑制したり、複写を禁止する手立てが昨今開発されつつある。しかしながらこれらの技術は同一会社製の複写機で有効なもので、ある特定の会社で複写ができなくても、異なる会社の複写機を使えば簡単に複写が可能である。同一職場内会社内に数社の複写機が置かれている場合少なくない。
【0003】
このような局面においては複写されたものが社外に流出するのを防ぐ手段が厳重な監視以外有効な手立てが無かった。
【0004】
そこで重要文書である紙に検出可能なマーカを漉き込むことが考えられたが、従来はコピー用紙には紙の抄紙の際に使われる強化のための添加化学物質を除いて、パルプ以外の物質は異物として扱われていた。
【0005】
パルプにパルプ以外の物質(非パルプ繊維)を混ぜる場合には、特許公報(B2)平3−27679号にあるように、比較的繊維質のものまたパルプの長さに対してさほど長くないか同程度のもの(長さが7mm以下)ものが混合可能であった。混合される物質としてレーヨンなどの化学繊維も考えられる。またパルプであるが、予めある量だけ集合・凝集させられた擬似繊維なども使われている。
【0006】
非パルプ繊維(有機物以外の例)として特開平11−323786号、特許公報2893321号、特許公報(b2)2893309号では、湿紙の表面に金属の針状のものを貼り付けるという作業を施したものがある。
【0007】
また、非パルプ繊維としては、現在市販されている大バルクハウゼン効果などを有する磁性体物質は径が80μ〜100μ(例えば日本発条(株))(被覆層を入れると300μm)あり、単純に表面に露出せずに挿入するには紙厚600μm以上が必要になり、そのような紙は用途が限られてしまい、到底60〜110μm厚の複写用紙として利用不可能である。紙厚に関わらずそのような用紙を大量に生産する方法はなく、現状ではむしろ出来た原紙や物品に磁性体ワイヤを後から装着することがなされている。スレッドとして紙内部にパルプ以外のものを入れる方法があるが、本件が求めている大量生産には程遠い生産量しか得られない。
【0008】
【特許文献1】特許公報(B2)平3−27679号
【特許文献2】特開平11−323786号
【特許文献3】特許公報2893321号
【特許文献4】特許公報(b2)2893309号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、大バルクハウゼン効果を保ったまま長さが10mm以上もある磁性体繊維を紙に漉いて、且つその磁性体繊維が表面にでることない紙は存在せず、また、月産100万トン以上の紙として大量かつ廉価に生産することも求められている。特に、特に、電子写真用の紙では、複写機を通しても問題なく、画像の転写や定着が可能である特性も要求されるため、磁性体が表面にでることない紙が非常に求められているのが現状である。
【0010】
従って、本発明は、非パルプ繊維が紙外部に露出せず、且つ、外部から視認し難い紙を提供することを課題とする。加えて、本発明は、非パルプ繊維が紙外部に露出せず、且つ、外部から視認し難い紙を、大量かつ廉価に生産することが可能な紙の製造方法、及び紙の製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は以下の本発明により達成される。即ち、
本発明の紙は、3層以上抄紙して得られ、且つ内層の少なくとも1層に非パルプ繊維が漉き込まれていることを特徴としている。
【0012】
具体的には、例えば、3層抄紙して得られ、且つ中間層に前記非パルプ繊維が漉き込まれていることがよい。
【0013】
本発明の紙において、前記非パルプ繊維は、無機繊維であることがよい。前記無機繊維は、磁性体繊維であることがよい。前記非パルプ繊維は、絶縁層で覆われた無機繊維であることがよい。
本発明の紙において、前記非パルプ繊維の繊維径は、25〜45μmであることがよい。また、前記非パルプ繊維の繊維長さは、5〜40mmであることができる。
【0014】
本発明の紙において、前記非パルプ繊維の配置及び配向性は、ランダムであることがよい。また、前記非繊維パルプの数(前記紙の単位面積当りの非パルプ繊維の数)は、正規分布に従うことがよい。
【0015】
本発明の用紙は、用紙、記録用紙、電子写真用紙のいずれでもよい。
【0016】
また、本発明の紙の製造方法は、
非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入する混入工程と、
非パルプが混入された第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成する第1抄紙工程と、
第2ウエットパルプから第2ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第1主面に形成する第2抄紙工程と、
第3ウエットパルプから第3ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第2主面に形成する第3抄紙工程と、
を有することを特徴としている。
【0017】
本発明の紙の製造方法において、前記混入工程は、前記第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成する直前に前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入する工程であることがよい。
【0018】
本発明の紙の製造方法において、前記混入工程は、前記第1ウエットパルプ層の形成幅に渡って、前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入する工程であることがよい。
【0019】
本発明の紙の製造方法において、前記混入工程は、前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入すると共に、水系媒体を混入する工程であることがよい。
【0020】
本発明の紙の製造方法において、前記混入工程は、前記パルプ繊維を分流して混入する工程であることがよい。
【0021】
本発明の紙の製造方法において、非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入する前に、水系媒体中に分散させる分散工程をさらに有することがよい。また、前記分散工程は、エアーにより非繊維パルプを攪拌・分散する工程であることがよい。
【0022】
また、本発明の紙の製造装置は、
非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入する混入手段と、
非パルプが混入された第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成する第1抄紙手段と、
第2ウエットパルプから第2ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第1主面に形成する第2抄紙手段と、
第3ウエットパルプから第3ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第2主面に形成する第3抄紙手段と、
を有することを特徴としている。
【0023】
本発明の紙の製造装置において、前記混入手段は、前記第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成する直前に前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入する手段であることがよい。
【0024】
本発明の紙の製造装置において、前記混入手段は、前記第1ウエットパルプ層の形成幅に渡って、前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入する手段であることがよい。
【0025】
本発明の紙の製造装置において、前記混入手段は、前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入すると共に、水系媒体を混入する手段であることがよい。
【0026】
本発明の紙の製造装置において、前記混入手段は、前記パルプ繊維を分流して混入する手段であることがよい。
【0027】
本発明の紙の製造装置において、非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入する前に、水系媒体中に分散させる分散手段をさらに有することがよい。また、前記分散手段は、エアーにより攪拌・分散する手段であることがよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、非パルプ繊維が紙外部に露出せず、且つ、外部から視認し難い紙を提供することができる。加えて、非パルプ繊維が紙外部に露出せず、且つ、外部から視認し難い紙を、大量かつ廉価に生産することが可能な紙の製造方法、及び紙の製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
【0030】
図1は、実施形態に係る紙を示す平面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、実施形態に係る紙の製造装置を示す概略構成図である。図4は、実施形態に係る非パルプ繊維の分散・混入装置を示す斜視図である。図5は、非パルプ繊維の分散・混入装置の分流器を示す概略構成図である。
【0031】
実施形態に係る紙100は、3層以上の多層抄紙により得られた多層の紙(本実施形態では3層抄紙して得られた3層の紙)であり、図1及び2に示すように、中間層106を介して、第1外層102と第2外層104とが抄紙されたものである。そして、抄紙された中間層106に非パルプ繊維108が漉き込まれている。非パルプ繊維108は、製造条件により、紙100中にランダムで漉き込まれる場合もあるし、所定の方向に配列されて漉き込まれる場合もあるが、ランダムで漉き込まれることが好適である。
【0032】
なお、中間層106、第1外層102、第2外層104の各層間は実際には区別し難いが、図中ではわかり易いように各層間を明確に分けて描いている。また。図中では、非パルプ繊維108は、中間層106にのみ含まれているが、非パルプ繊維108は、例えば、抄紙後工程としての押圧工程などにより、第1外層102、第2外層104にもめり込んで存在する場合もある。
【0033】
このように、実施形態に係る紙100は、3層抄紙により得られた紙の中間層106に漉き込まれているので、紙100中に含まれる非パルプ繊維108が第1外層102及び第2外層104に挟まれるように存在することとなるため、紙100中に含まれる非パルプ繊維108が、一般的な環境や使用条件下(例えば、通常の室内照明光や太陽光下で、机の上に置いたり、紙を光に透かして見た場合等)においても外部から容易に視認され難くなっている。
【0034】
そして、紙として、用紙、記録用紙、或いは電子写真用紙などとして利用することができ、電子写真方式やインクジェット方式などにより良好な画像をも形成することも可能である。
【0035】
また、多層抄紙により得ることができるので、大量かつ廉価に生産することが可能である。
【0036】
なお、3層抄紙に限られず、4層以上の多層抄紙であってもよく、非パルプ繊維108はその内層の少なくとも1層に漉き込まれていればよい。
【0037】
以下、各構成部材(材料)について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
【0038】
まず、非パルプ繊維について説明する。非パルプ繊維としては、無機繊維、有機繊維が挙げられるが、これらの中でも、比重が紙パルプに可能な限り近い材料が特に好適である。なお、有機繊維としては、ナイロン、ポリエチレン、茶殻、紙パルプそのものが挙げられる。
【0039】
また、無機繊維としては鉄系、コバルト系、ニッケル系、シリコン系、またはこれらの合金からなる磁性体繊維が好適に挙げられるが、これらの中でも 鉄・コバルト系アモルファス合金が検出の点で磁性繊維が好適である。
【0040】
この磁性体繊維は、大バルクハウゼン効果を起こす特性を有する磁性材料からなるものであれば、その磁気的物性、組成、形状等は特に限定されるものではない。しかし、磁気的物性としては、ヒステリシスループがほぼ長方形で、保持力(Hc)が比較的小さいことが好ましい。
【0041】
また、磁性体繊維の組成としては、例えば、磁性元素(例えば、Co、Fe、Ni)、遷移金属類及びガラス形成元素(例えばSi,B,C,P)を含む合金(例えば、Co系、Fe系、Ni系、これらの混合系などがあり、具体的にはCo−B―Si、Co−Fe―B−Siなど)が挙げられ、その構成元素の組成比率や製造方法を選択することにより様々な磁気特性をもつものが利用できる。なお、上記元素からなるアモルファス合金の色相はその元素の比率にさほど影響されない。
【0042】
磁性体繊維は、繊維状、言い換えれば線状や帯状であり、大バルクハウゼン効果を起こすのには断面積に対して所定の長さが必要となってくることから、この形状が好適である。
【0043】
磁性体繊維は、紙表面に磁性体繊維が露出したり、表面近傍に位置しないように紙を分散させたりすることがよく、加えて、製造・取り扱い性等も優れている大きさであることがよい。一方、磁性体繊維が大バルクハウゼン効果を有するためには、外径(繊維径)が10μm以上であることがよい。
【0044】
このため、例えば、厚みが80〜120μmの紙に磁性体繊維を内包させる場合、例えば、磁性体繊維(磁性ワイヤ)では、その断面が円形で、その外径(繊維径)が10〜60μmが好ましく、より好ましくは15〜55μmであり、さらに好ましくは25〜45μmである。一方、磁性体繊維(磁性ワイヤ)の長さ(繊維径)は、外径に依存し、外径が10〜60μmの場合、10〜40mmであることが好ましく、より好ましくは5〜40mmである。
【0045】
なお、磁性体繊維は、紙中にそのまま分散させて用いることもできるが、絶縁性を有する層(以下、「絶縁層」と称する場合がある)により被覆されていることが好ましい。これは、磁性体繊維が紙内に入り込むことにより、紙の体積抵抗値の低下させたり、仮に紙表面に露出してしまった場合、電子写真記録工程における転写工程で、電気的なショートを引き起こす恐れがあるので、PPC用途への適用が困難となる場合や、大バルクハウゼン効果の発揮が阻害されてしまう場合があるためである。このような磁性体繊維は、例えば、軟磁性を有するアモルファス磁性体を磁性コアとし、当該磁性コアを絶縁層で被覆したファイバー形状を有する複合材料となる。
【0046】
この絶縁層を構成する材料としては公知の絶縁性材料であれば特に限定されず、例えば、樹脂やガラス等が利用できる。なお、絶縁性材料として樹脂を用いる場合には耐熱性を有するポイリイミド樹脂等を用いることが好ましい。
【0047】
このような絶縁層は、その被覆効果を発現するために、2.5〜10μmの厚さを有することが好ましく、2.0〜5.0μmの厚さを有することがより好ましい。
【0048】
絶縁層の形成方法としては特に限定されず、絶縁層を形成する材料に応じてスパッタリングやCVD(Chemical Vapor Deposition)、真空蒸着等の気相成膜法や、浸漬塗布、ローラー塗布、スプレー塗布、ゾルゲル法を利用したコーティング等の液相成膜法のような公知の薄膜形成方法を適宜選択することができるが、均一且つより膜厚の薄い絶縁層を形成する上では気相成膜法の方が好ましい。なお、絶縁層の形成は磁性体のワイヤ化とほぼ同時に実施することもでき、例えば、溶融状態の磁性体材料をワイヤー状として加工した直後に、磁性体繊維の冷却も兼ねてCVD等の気相成膜法により絶縁層を形成することもできる。
【0049】
磁性体繊維は、紙をPPCの用途への適用する場合、トナーの定着のために、定着用のヒータ等を高熱部位を通過することが想定される。そのため、定着温度を考慮すると、磁性体のキュリー温度は200℃以上であることが好ましく、300℃以上あることがより好ましい。
【0050】
ここで、キュリー温度はキュリー点とも言われ、アモルファス物質がその温度になると冷却後もそのアモルファス状態の物理的構造変化が起こり、その特性、例えば本発明では大バルクハウゼン効果を失う点のことである。
【0051】
磁性体繊維は、磁性材料を溶融し、それを所望の断面形状に対応した形状の吐出口を通過させた後、冷却することにより得られる。具体的には、例えば、水中回転紡糸法などを用いることができる。
【0052】
また、磁性体繊維及び絶縁層をほぼ同時に製造することもできる。例えば、溶融状態の磁性材料を、所望の断面形状を有する繊維状(ワイア状)に加工した直後に、磁性体繊維の冷却も兼ねてCVD等の気相成膜法により絶縁層を形成する方法を適用することができる。
【0053】
また、USP3,256,584に記載される製造方法(Taylor-Ulitovsky法)によって、ガラス(絶縁層)で被覆された磁性体繊維(磁性ワイア)を製造することもできる。即ち、ガラス管内に金属合金をチャージして、ガラス管の先端を誘導コイルで過熱して融解し、金属融解物質の周囲を融解したガラスで被覆した状態を作り出し、それを冷却媒体で急冷する。これによりアモルファス磁性線をガラスで被覆した磁性体繊維を得ることができる。
【0054】
磁性体の紙中への包含量は、154本/m、σ=42本(A4換算、10本、σ=5本)であることが好ましく、より好ましくはσが20本以下であることが好ましい。。包含量を上記範囲とすることで、大バルクハウゼン効果を利用した検知が可能であると共に、紙としての見ばえも良好とすることができる。
【0055】
次に、紙の中間層、外層を構成する紙成分(以下、原紙と称する)について説明する。原紙は、少なくともパルプ繊維を主原料とするものである。
【0056】
原紙は、パルプ繊維を含むものであるが、パルプ繊維としては公知のものを用いることができ、具体的には、化学パルプ、具体的には広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等、木材及び綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作製されたパルプ等を使用できる。
【0057】
また、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及び、チップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ等も使用できる。
【0058】
また、綿パルプ繊維、麻パルプ繊維、ケナフパルプ繊維、バガスパルプ繊維、ビスコースレーヨン繊維、再生セルロース繊維、銅アンモニアレーヨン繊維、セルロースアセテート繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール共重合体、フルオロカーボン系繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、シリコンカーバイド繊維等の各繊維も使用できる。
【0059】
また、必要に応じて、パルプ繊維にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の合成樹脂を含浸あるいは熱融着させて得られた繊維を使用できる。
【0060】
これらはバージンパルプのみで使用してもよいし、必要に応じて、上質系及び中質系の古紙パルプを配合することもできる。古紙パルプの配合量としては、用途や目的等に応じて決定されるが、例えば、資源保護の観点から古紙パルプを配合する場合には、全繊維中10質量%以上、好ましくは30質量%以上配合することができる。
【0061】
特にバージンで使用するパルプは、塩素ガスを使用せず二酸化塩素を使用する漂白方法(Elementally Chlorine Free;ECF)や塩素化合物を一切使用せずにオゾン/過酸化水素等を主に使用して漂白する方法(Total Chlorine Free;TCF)で漂白処理されたものであることが好ましい。
【0062】
また、古紙パルプの原料として、製本、印刷工場、断裁所等において発生する裁落、損紙、幅落しした上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙;印刷やコピーが施された上質紙、上質コート紙などの上質印刷古紙;水性インク、油性インク、鉛筆などで筆記された古紙;印刷された上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙等のチラシを含む新聞古紙;中質紙、中質コート紙、更紙等の古紙;を配合することができる。
【0063】
古紙パルプとしては、古紙原料を、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の少なくとも一方で処理して得られたものが望ましい。また、より白色度の高い原紙を得るためには、上記漂白処理によって得られた古紙パルプの配合率を50重量%以上100重量%以下とすることが望ましい。さらに資源の再利用という観点からは、古紙パルプの配合率を70重量%以上100重量%以下とすることがより望ましい。
【0064】
オゾン処理は、上質紙に通常含まれている蛍光染料等を分解する作用があり、過酸化水素処理は脱墨処理時に使用されるアルカリによる黄変を防ぐ作用がある。特にこの二つを組み合わせた処理によって古紙の脱墨を容易にするだけでなく、パルプの白色度も向上することが知られている。また、パルプ中の残留塩素化合物を分解・除去する作用もあるため、塩素漂白されたパルプを使用した古紙の有機ハロゲン化合物含有量低減において多大な効果を持つ。
【0065】
原紙には、不透明度、白さ及び表面性を調整するため、填料を添加することが好ましい。特に紙中のハロゲン量を低減したい場合には、ハロゲンを含まない填料を使用することが好ましい。
填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の白色無機顔料、及びアクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、等の有機顔料を挙げることができる。また、熱可塑性樹脂粒子(例えば、ポリエステル系や、スチレンアクリル系等)等も填料して使用できる。なお、古紙を配合する場合には、古紙原料に含まれる灰分を予め推定して添加量を調整する必要がある。
【0066】
填料として無機顔料の配合量は0質量%以上10質量%以下配合することが望ましく、0質量%以上8質量%以下配合することがより望ましい。また、填料として有機顔料、特に熱可塑性樹脂粒子の配合量は、電子写真用途の場合、定着工程での熱により繊維間を融着することができるので、0質量%以上10質量%以下配合することが望ましく、0質量%以上5質量%以下配合することがより望ましい。10質量%以上配合した場合には、樹脂含浸した場合と同様に紙の不透明度を低下させるので好ましくない。
【0067】
原紙には、内添又は外添により、サイズ剤等の各種薬品を使用することができる。サイズ剤の種類は、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤を挙げることができ、硫酸バンド、カチオン化澱粉等、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組み合わせても使用できる。特に、電子写真用途の場合、電子写真方式の複写機やプリンター等におけるコピー後の用紙保存性の観点から、中性サイズ剤、例えば、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニルケテンダイマー、中性ロジン、石油サイズ、オレフィン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂等が好ましい。また、表面サイズ剤として、酸化変性澱粉、酵素変性澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース変性体を単独もしくは組み合わせて使用することができる。
【0068】
原紙の表面をカチオン性に調整する場合には、カチオン性物質としては、例えば、親水性のカチオン樹脂等を表面に処理することができるが、このカチオン性樹脂の内部への浸透を抑制するためには、このカチオン性樹脂を塗布する前の用紙サイズ度は10秒以上60秒未満であることが好ましい。
原紙には、紙の電気抵抗率を調整する目的で塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機物や、アルキルリン酸エステル酸、アルキル硫酸エステル酸、スルホン酸ナトリウム塩、第4級アンモニウム塩等の有機系の材料を単独あるいは混合して使用することができる。
【0069】
原紙には、紙力増強剤を内添あるいは外添することができる。紙力増強剤としては、でんぷん、変性でんぷん、植物ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸エステル尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドでんぷん、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、ポリアミド−エピクロルヒドリン系樹脂、メチロール化ポリアミド、キトサン誘導体等が挙げられ、これらの材料を単独あるいは混合して使用することができる。
【0070】
原紙には、上記のものの他に、染料、pH調整剤等、通常の塗工紙用基紙に配合される各種助剤を適宜使用しても構わない。
【0071】

原紙(各層)の坪量(JIS P−8124)は特に規定しないが、好ましくは50g/m以上105g/m以下であることが望ましい。坪量が50g/mを下回ると、電子写真用途の場合、紙のこしが小さくなることより定着工程での巻き付きや、剥離不良にともなう画像欠陥を発生させやすくなる。105g/mを上回ると、トナーを定着させやすくさせるために、定着速度を低下させるなどの手段が必要となり、生産性を低下させる場合がありこの観点からは望ましいものではない。
【0072】
また、この他にも、染料、pH調整剤等、通常の紙媒体に配合される各種助剤が適宜使用される。
【0073】
次に、紙ついてその他特性、構成について説明する。紙には、その表面にサイズプレス、ゲートロールなどを用いて、澱粉類を少なくとも含み、けん化度90mol%以上のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸エステルを配合することが好ましい。その際、澱粉類100質量部に対して、5質量部以上混合することが望ましく、少なくとも乾燥重量で片面あたり0.8g/m以上3g/m以下となるように塗布する。さらに好ましくは、1g/m以上3g/m以下塗布することが望ましい。3g/mを超えると、特に高湿環境で粘着性を持ち、紙送り不良などを発生するために好ましくない。
【0074】
紙には、必要に応じて表面サイズ液を表面処理したり、コート層を設けたりすることもできる。表面処理は、表面サイズ液や、コート層形成用の塗工液をサイズプレス、シムサイズ、ゲートロール、ロールコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブレードコーター等の通常使用されている塗布手段によって、原紙に塗布することにより行うことができる。
【0075】
このコート層に用いられる顔料としては、通常の一般塗被紙に用いられる顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドクレー、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルムアルデヒド樹脂微粒子、微小中空粒子及びその他の有機系顔料等を単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
【0076】
コート層に用いられる接着剤としては、合成接着剤や天然系の接着剤が利用できる。
合成接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等が挙げられる。これらの合成接着剤の中で目的に応じて、1種類以上を使用することができる。これらの接着剤は顔料100重量%当たり5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%程度の範囲で使用されることが好ましい。
【0077】
また、天然系接着剤として、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプンやそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等の一般に知られた接着剤が挙げられる。これらの接着剤も顔料100重量%当たり0.1〜50重量%、より好ましくは2〜30重量%程度の範囲で使用される。
【0078】
また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
【0079】
上述したような成分を含むように調製された塗被組成物は一般の塗被紙製造に使用される塗被装置、例えばブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等を用いオンマシンあるいはオフマシンによって、原紙上に一層あるいは多層に分けて塗被することができる。なお、塗工量は一般的には乾燥重量で片面に5〜15g/m2程度となるように塗被されるが、本発明においては、外部から磁性体が視認し難くするために、前述の範囲より多めにしてもよい。
【0080】
塗被後の平滑化処理は、通常用いられる平滑化装置、例えば、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー等が用いられ、白紙光沢が30%以上になるように仕上げられることが好ましい。
【0081】
紙の厚みは80〜120μmが好適であることから、それぞれの層(中間層、外層)の厚みは20μm〜60μmが好ましく、より好ましくは20μm〜50μmであり、さらに好ましくは30μm〜50μmである。
【0082】

また、紙の、十点平均表面粗さRzを低下させる手段としては、抄造工程でのウエットプレス工程での圧力を増加させたり、カレンダー工程でカレンダーロールの線圧を増加させることができる。特にカレンダー工程が有効である。また、使用するパルプのろ水度を低下させることによっても調整は可能である。さらには、填料を増配する効果的ではあるが、紙粉発生を助長する可能性があるので多量には配合しないほうが好ましい。Rzを低下させる手段としては、必ずしもこれらに限られるものではなく、知られているどのような手段を用いても構わない。
【0083】
また、紙を仕上げる場合には、開封直後の製品水分率が適切な範囲内、具体的には好ましくは3〜6.5質量%、より好ましくは4.5〜5.5質量%程度の範囲内に収まるように、抄紙機で含水量を調整することが好ましい。また、保管時に吸脱湿が発生しないように、ポリエチレンラミネート紙等の防湿包装紙やポリプロピレン等の材料を用いて包装することが望ましい。
【0084】
紙は、その用途は、特に限定されないが、例えば、電子写真用紙、インクジェット用紙などが挙げられる。例えば、電子写真用紙に適用に適用する場合、例えば、22℃、55%RHの環境条件での表面電気抵抗率が1.0×10〜1.0×1011Ωの範囲で、22℃、55%RHの環境条件での体積電気抵抗率が1.0×1010〜1.0×1012Ω・cmの範囲にすることがよい。これにより、電子写真記録方式によって印刷した時にトナーの転写不良が発生せず、鮮明な画質が得ることができる。
【0085】
なお、上記表面電気抵抗率及び体積電気抵抗率を有する紙は、例えば、特開2003−76051号公報に従って、各構成材料の選定を行うことで得ることができる。
【0086】
以下、実施形態に係る紙の製造方法について説明する。実施形態に係る紙は、非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入し、非パルプが混入された第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成した後、第2ウエットパルプから第2ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第1主面に形成し、さらに、第3ウエットパルプから第3ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第2主面に形成することで得られる。
【0087】
実施形態に係る記録媒体の製造方法に利用する製造装置としては、例えば、図3に示す製造装置が挙げられる。なお。図3に示す製造装置では、ウエットパートのみ示し、後工程となるプレスパート、ドライヤーパート、カレンダーパート、リールパートなどは公知のもので構成できるため、省略している。
【0088】
図3に示す紙の製造装置は、3層抄紙機であり、長網式の中間層抄紙機10と、円網式の第1外層抄紙機20と、円網式の第2外層抄紙機30と、を具備している。そして、非パルプ繊維を水系媒体へ分散し、これを第1ウエットパルプ11へ供給(混入)する分散・供給装置40をさらに備えている。なお、50はフェルト無端体を示す。フェルト無端体50は、ウエットパルプ層の水分を吸収させるためのものである。
【0089】
長網式の中間層抄紙機10は、中間層となる第1ウエットパルプ11から第1ウエットパルプ層を形成するためのものであり、一対のロール12Aにより張架された長網12と、第1ウエットパルプ11を貯留し、長網12上へ第1ウエットパルプ11を流し込む第1原料槽13と、を具備している。
【0090】
円網式の第1外層抄紙機20は、第1外層となる第2ウエットパルプ21から第2ウエットパルプ層を形成するためのものであり、円網22と、第2ウエットパルプ21が貯留され、円網22が半漬りされる第2原料槽23を、具備している。
【0091】
円網式の第2外層抄紙機30は、第2外層となる第3ウエットパルプ31から第3ウエットパルプ層を形成するためのものであり、円網32と、第3ウエットパルプ31が貯留され、円網32が半漬りされる第3原料槽33を、具備している。
【0092】
分散・供給装置40は、水系媒体(例えば、水)への非パルプ繊維を攪拌・分散しつつ(以下、これを非パルプ繊維含有水系媒体41と称する場合がある)、貯留する分散槽42と、非パルプ繊維を攪拌・分散するための攪拌羽43と、非パルプ繊維を攪拌・分散するためのエアー供給管44と、非パルプ繊維含有水系媒体41を長網式の中間層抄紙機10の第1原料槽13へ供給する供給装置45と、を具備している。
【0093】
エアー供給管44は、図4に示すように、一端部が分散槽42内の側壁に沿って配設されており、図示しないが他端端部がエアーポンプと連結されている、そして、エアー供給管44は端部で折り曲げられ、そのエアー供給口44Aが分散槽42底部周縁部に沿ってエアーバブル流が供給されるように向けられている。エアー供給口44Aは、特に、全ての攪拌羽43の回転方向が同一方向の場合、当該回転方向とは逆方向へエアーバブル流が供給されるように向けることがよい。これにより、攪拌羽43の回転によって液流が生じす、非パルプ繊維が沈殿して溜まりやすい分散槽42底部周縁部へもエアーバブルにより液流が生じるため、分散槽42全体で非パルプ繊維の分散状態が均一に保つことが可能となる。
【0094】
上述のように、物理的には非パルプ繊維が水系媒体中で均一な分散状態((拡散・分散して浮遊状態)を維持するためには、例えば渦状に回転する水系媒体が考えられるが、回転が止まると非パルプ繊維は水系媒体より比重が大きいので、時間が経つにつれて、下に沈降する。このため、上記のような攪拌・分散を維持することで、非パルプ繊維が水系媒体中で均一な分散状態(拡散・分散して浮遊状態)で、非パルプ繊維を供給することができる。その結果、非パルプ繊維を、分散性よく、しかも配向性がランダムで中間層に漉き込ませることができる。
【0095】
なお、エアー供給口44Aの向きは、上記に限られず、例えば分散槽42底面へ向かってエアーバブル流が供給されるように配置してもよい。これにより、エアーバブルが底面を這うように流れ、結果、分散槽42底部周縁部に沿ってエアーバブル流が供給されるようになると共に、分散槽42底部周縁部へエアーバブル流が生じることとなる。
【0096】
ここで、エアー供給管44のエアー供給口44Aの口径は例えば3cm以下とする。また、エアー供給口44Aの配置位置は、分散槽42底面から例えば1〜2cmの高さとする。また、供給するエアーは、バブル状に限られないが、効率のよい非パルプ繊維の分散状態を維持することを鑑みると、バブル状が最も好適である。
【0097】
一方、供給装置45は、供給管45Aと、供給管の第1原料槽13側一端に連結された分流器45Bと、ポンプ45Cと、供給管45Aに連結された水系媒体供給管45Dと、を具備している。なお、水系媒体供給管45Dの供給管45Aへの連結位置は、ポンプ45Cの後すぐ後の方がよい。非パルプ繊維含有水系媒体41と水系媒体供給管45Dから供給する水系媒体と混じる時間が長いほうがよいためである。分流器45Bは、図5に示すように、供給装置45の供給口を構成するものであり、中間層となる第1ウエットパルプ11から形成される第1ウエットパルプ層幅と同等の供給幅を持つと共に、その内部に供給する非パルプ繊維含有水系媒体41を分流して供給できるように分流板45B−1が並列配置されている。分留板45B−1を含む分流器45Bは、角が面取りされて、丸みを帯びさせてることで(曲面状とすることで)、非パルプ繊維が詰まらない構造とすることが望ましい。
【0098】
これにより、非パルプ繊維含有水系媒体41の供給の際に、第1ウエットパルプ層幅に渡って、非パルプ繊維含有水系媒体41が均等配分となり、供給液圧を分散させ、第1ウエットパルプ11(形成する第1ウエットパルプ層)の地合を壊すことなく、非パルプ繊維含有水系媒体41、即ち非パルプ繊維を供給することが可能となる。
【0099】
分流器45Bは、第1原料槽13から長網12上へ第1ウエットパルプ11を流し込む直前に供給できるように、第1原料槽13の流し込み部(長網12の最下流)に配置されている。これによっても、第1ウエットパルプ11(形成する第1ウエットパルプ層)の地合を壊すことなく、非パルプ繊維含有水系媒体41、即ち非パルプ繊維を供給することが可能となる。
【0100】
供給管45Aからは非パルプ繊維を供給すると共に、水系媒体供給管45Dから水系媒体(例えば水)を供給し、無添加の水系媒体を非パルプ繊維と混合しつつ、第1ウエットパルプへ供給することがよい。非パルプ繊維は、その分散状態を維持させるため分散槽42中で、添加剤によりある程度粘性を持った水系媒体に分散されて供給されるが、さらに無添加の水系媒体と混合して第1ウエットパルプへ供給することで、非パルプ繊維含有水系媒体41の粘度を低下させ、非パルプ繊維の第1ウエットパルプへの混合(沈降)を早めることができ、結果、良好に中間層に漉き込まれることとなる。
【0101】
なお、水系媒体供給管45Dからの水系媒体(水)の供給は、別途、即ち非パルプ繊維含有水系媒体と混合することなく、非パルプ繊維が供給された第1ウエットパルプ11へ直接行ってもよく、どの時点で第1ウエットパルプ11に供給するは長網12の長さや第1ウエットパルプ11の量などによって決まり、第1ウエットパルプ11のなかに十分、非パルプ繊維が漉き込まれるように適宜調整する。
【0102】
次に、図3に示す紙の製造装置では、次のように抄紙が行われる。まず、別途、非パルプ繊維を水系媒体(例えば、水)へ分散混合する。この際、水系媒体には、その他の薬剤(例えば、上記紙力増強剤、増粘剤)を添加する。また、界面活性剤も必要に応じて少量添加することができる。
【0103】
ここで、紙力増強剤は、前述した紙力増強剤を湿潤時の用紙強度保持、抄造時の紙切れ防止、あるいは、仕上がった紙の表面強度向上、紙粉発生防止の目的で、例えば、水系媒体100重量部当り、0.1重量部〜3.0重量部の添加量で添加される。
【0104】
増粘剤は、水系媒体の粘度を増大させ、非パルプ繊維を均一分散助剤として機能する添加剤であり、具体的には、例えば、セルロース変性物(例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなど)、ポリアクリル酸系、澱粉系(酸化澱粉、酵素変性澱粉、両性澱粉など)、ポリビニルアルコール、などが挙げられる。これらの中でも、水溶性セルロースは、比較的少量の添加量で増粘効果があり、抄紙後の紙への水分の脱吸着性能に対する影響が少なく、好適である。この水溶性セルロースの添加量としては、水系媒体100重量部に対し0.3〜10重量部(固形分換算)で添加することができる。
【0105】
また、界面活性剤は、非パルプ繊維同士の絡まないようにするための添加剤であり、具体的には、カチオン系、アニオン系、ノニオン系のいずれの界面活性剤が使用できるが、ノニオンが好ましい。
【0106】
そして、別途、水系媒体に分散した非パルプ繊維を、分散・供給装置40の分散槽42に投入し、攪拌羽、エアーバブルによりその分散状態を維持させる。
【0107】
次に、分散・供給装置40の供給装置45(そのポンプ45C)により、非パルプ繊維含有水系媒体41を汲み上げ、供給管45A、分流器45Bを通して、第1原料槽13から長網12上へ第1ウエットパルプ11を流し込む直前に供給する。
【0108】
そして、長網式の中間層抄紙機10により、非パルプ繊維が混入された第1ウエットパルプ11は、長網12上へ流し込まれ、第1ウエットパルプ層が形成、即ち、非パルプ繊維が混入された中間層が形成される。
【0109】
この際、非パルプ繊維含有水系媒体41の汲み上げは、例えばポンプ45Cを一定間隔でオン・オフにして、所定量を所定間隔で行うことがよい。連続的に汲み上げて供給してもよいが、その間隔を変えることによって、紙(中間層)への非パルプ繊維の割合をある程度制できる。また、一度に放出することなく、長期に亘って非パルプ繊維を供給できるので、その分散状態が維持されつつ紙(中間層)に漉き込むことができる。
【0110】
また、非パルプ繊維含有水系媒体41を第1ウエットパルプ11への供給前に、水系媒体供給から水系媒体(例えば水)を供給して、非パルプ繊維含有水系媒体41を無添加の水系媒体と混合する。
【0111】
そして、非パルプ繊維が漉き込まれた第1ウエットパルプ層(中間層)を形成した後、円網式の第1外層抄紙機20(円網22)により、その第1ウエットパルプ層の第1主面側へ第2ウエットパルプ21を付着させ、第2ウエットパルプ層を形成、即ち第1外層を形成する。
【0112】
次に、円網式の第2外層抄紙機30(円網32)により、第1ウエットパルプ層の第2主面側へ第3ウエットパルプ31を付着させ、第3ウエットパルプ層を形成、即ち第2外層を形成する。
【0113】
ここで、長網式による第1ウエットパルプの抄紙の坪量としては、長網に対して例えば40〜50g/mで行う。また、円網式による第2及び第3ウエットパルプによる抄紙の坪量としては、円網に対して例えば15〜30g/mで行う。
【0114】
その後、図示しないが、公知の方法により、後工程として、プレス(押圧)、ドライヤー(乾燥)、カレンダー(乾燥)、リール(巻き取り)が行われる。
【0115】
このようにして、非パルプ繊維が漉き込まれた第1ウエットパルプ層(中間層)を、第2ウエットパルプ層(第1外層)及び第3ウエットパルプ層(第2外層)で挟みこむ構成の紙が、大量かつ廉価に得られる。このため、紙中に含まれる非パルプ繊維が紙外部に露出していたり、一般的な環境や使用条件下(例えば、通常の室内照明光や太陽光下で、机の上に置いたり、手に持って見た場合)においても外部から容易に視認され難くなっている。
【0116】
(試験例)
上記実施形態で説明した紙の製造方法に従って、紙を製造した(図3〜5参照)。なお、符号省略して説明する。
【0117】
まず、非パルプ繊維として以下の磁性体ワイヤを得た。まず、磁性体としては、長さ25mm、直径27μmのFe−Co系アモルファス磁性体ワイヤ(Hc=19.1A/m)を準備した。この磁性体ワイヤは、灰黒色で、JIS Z 8729で規定されるL*a*b*表色系の色座標L*、a*、b*はそれぞれ、16.9、0.0、12.6である。
【0118】
次に、この磁性体ワイヤに以下の手順で、厚みが約5μmの透明ガラス絶縁層をコーティング処理して磁性体ワイヤを得た。このコーティング処理後の磁性体ワイヤは前記磁性体ワイヤと同色である。
【0119】
絶縁層は、溶融状態の磁性体材料をワイヤ状に加工した直後に、この磁性体ワイヤを密閉チャンバー内を通過させると同時にチャンバー内にてシリカ膜をCVD成膜することにより形成した。
【0120】
次に、紙力増強剤および増粘剤として、酸化デンプン(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)を水100重量部に対して、2.5重量部加えて、95℃で10分間攪拌し、その後、50℃まで冷却した水溶液を準備し、これに上記磁性体ワイヤを10km分、即ち25mmの磁性体ワイヤ40万本分を付加し攪拌・混合した。

【0121】
この磁性体ワイヤ含有水溶液を、分散・供給装置の分散槽に投入し、攪拌羽(大きさ最大長15cm、最大幅6cm)を回転数400〜600rpmで行うと共に、エアー供給管(径3cm、配置高さ及び長さは攪拌層の高さにほぼ同じ)からエアーバブルを流量 1m/minで噴射させ、磁性体ワイヤの攪拌・分散を行った。
【0122】
この攪拌・分散を行いつつ、混入・攪拌装置の供給装置により、長網式抄紙機の第1ウエットパルプへ供給した。
【0123】
この供給は、分流器を介して(図5参照)、磁性体ワイヤ含有水溶液を一定量0.5m/minを連続的に形成する第1ウエットパルプ層幅に渡って、且つ第1ウエットパルプが長網へ流れ込まれる直前に行った。また、磁性体ワイヤ含有水溶液は供給直前に、さらに水を供給量 前記磁性体ワイヤ含有水溶液放出量と同量混合して、その粘性を低下させた状態で供給した。
【0124】
そして、磁性体ワイヤが供給された第1ウエットパルプは長網に流し込まれ、厚み30μm第1ウエットパルプ層が形成され、それに伴い、磁性体ワイヤは第1ウエットパルプ層に沈み込み、中間層となるウエットパルプ層へ漉き込まれた。
【0125】
次に、円網式の第1外層抄紙機により、磁性体ワイヤが漉き込まれた第1ウエットパルプ層の第1主面側へ第2ウエットパルプを付着させ、第1外層となる厚み35μm第2ウエットパルプ層を形成した。続いて、円網式の第2外層抄紙機により、磁性体ワイヤが漉き込まれた第1ウエットパルプ層の第1主面側へ第3ウエットパルプを付着させ、第2外層となる厚み35μm第3ウエットパルプ層を形成した。
【0126】
ここで、第1〜第3ウエットパルプとしては、次のパルプスラリーを使用した。広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)80重量部と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)10重量部と有機合成繊維(一般名:パラ型アラミド繊維、商品名:テクノーラ、帝人株式会社製)10重量部とを含むパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度430mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8重量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部及び架橋剤(一般名:カルボジイミド系架橋剤、カルボジライトV−04)0.8重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3重量%のパルプスラリーを調製した。
【0127】
その後、プレス(押圧)、ドライヤー(乾燥)、カレンダー(乾燥)、リール(巻き取り)を施し、A4サイズに裁断して、所定の大きさの紙を得た。
【0128】
得られた紙を調べたところ、外観からは、磁性体ワイヤが視認しずらかった。また、紙を切断或いは外層を剥いで、磁性体ワイヤを確認したところ、配向性が360度全方向にランダムで漉き込まれていた。そして、紙100枚分について、紙一枚当たりに、漉き込まれた磁性体ワイヤの数を数えたところ、図6に示すように正規分布に従っており、均一な分散状態を維持しつつ、磁性体ワイヤが漉き込まれていることがわかった。ここで、図6は、試験例で作製した紙に漉き込まれた磁性体ワイヤ数(非パルプ繊維数)の分布を示す図である。この正規分布は、紙の単位面積当りの磁性ワイヤ(非パルプ繊維)の数を示している。
【0129】
また、得られた全ての紙に漉き込まれた総磁性体ワイヤ数を調べたところ、使用した総磁性体ワイヤ本数(40万本)の52%が紙に漉き込まれていた。裁断などによる生産ロスが30〜40%と考えられるので、生産工程中のロスは8〜18%程度と考えられる。
【0130】
これに対し、5km分の磁性ワイヤ、即ち25mmの磁性体ワイヤ20万本を使用し、且つエアーバブルを使用しない以外で、同様に作製した紙では、使用した総磁性体ワイヤ本数(20万本)の7%が紙に漉き込まれていた。裁断などによる生産ロスが30〜40%と考えられるので、生産工程中のロスは53〜63%程度と考えられる。
【0131】
これにより、いずれも良好に磁性ワイヤが紙に漉き込まれていたが、エアーバブルを使用し、分散槽(ウエットパルプへ供給する前に磁性体ワイヤを攪拌・分散する槽)の底部周縁部へ空気流を送り、液流を生じさせた方が、磁性体ワイヤの生産工程中のロスが低減できることがわかる。更にバブルによる乱水流により磁性体ワイヤ混合水の出水口におけるワイヤの詰まりを軽減させる効果もあった。また、紙一枚当たりに漉き込まれる磁性体ワイヤの数も増えることもわかった。
【0132】
なお、円網方式の抄紙機に使用されるウエットパルプには磁性体ワイヤが入っておらず、円網が脱水する際に、磁性体ワイヤが円網の網目に目詰まりする問題が基本的に生じなかった。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】実施形態に係る紙を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】実施形態に係る紙の製造装置を示す概略構成図である。
【図4】実施形態に係る非パルプ繊維の分散・混入装置を示す斜視図である。
【図5】非パルプ繊維の分散・混入装置の分流器を示す概略構成図である。
【図6】試験例で作製した紙に漉き込まれた磁性体ワイヤ数(非パルプ繊維数)の分布を示す図である。
【符号の説明】
【0134】
10 中間層抄紙機
11 第1ウエットパルプ
12 長網
12A ロール
13 第1原料槽
20 第1外層抄紙機
21 第2ウエットパルプ
22 円網
23 第2原料槽
30 第2外層抄紙機
31 第3ウエットパルプ
32 円網
33 第3原料槽
40 分散・供給装置
41 非パルプ繊維含有水系媒体
42 分散槽
43 攪拌羽
44 エアー供給管
44A エアー供給口
45 供給装置
45A 供給管
45B 分流器
45C ポンプ
45D 水系媒体供給管
45B−1 分流板
50 フェルト無端体
100 紙
102 第1外層
104 第2外層
106 中間層
108 非パルプ繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3層以上抄紙して得られ、且つ内層の少なくとも1層に非パルプ繊維が漉き込まれていることを特徴とする紙。
【請求項2】
3層抄紙して得られ、且つ中間層に前記非パルプ繊維が漉き込まれている、請求項1に記載の紙。
【請求項3】
前記非パルプ繊維は、無機繊維である、請求項1に記載の紙。
【請求項4】
前記無機繊維は、磁性体繊維である、請求項3に記載の紙。
【請求項5】
前記非パルプ繊維は、絶縁層で覆われた無機繊維である、請求項1に記載の紙。
【請求項6】
前記非パルプ繊維の繊維径は、25〜45μmである、請求項1に記載の紙。
【請求項7】
前記非パルプ繊維の繊維長さは、5〜40mmである、請求項1に記載の紙。
【請求項8】
前記非パルプ繊維の配向性は、ランダムである、請求項1に記載の紙。
【請求項9】
前記非パルプ繊維の数は、正規分布に従う、請求項1に記載の紙。
【請求項10】
紙が用紙である、請求項1に記載の紙。
【請求項11】
紙が記録用紙である、請求項1に記載の紙。
【請求項12】
紙が電子写真用紙である、請求項1に記載の紙。
【請求項13】
非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入する混入工程と、
非パルプが混入された第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成する第1抄紙工程と、
第2ウエットパルプから第2ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第1主面に形成する第2抄紙工程と、
第3ウエットパルプから第3ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第2主面に形成する第3抄紙工程と、
を有する、紙の製造方法。
【請求項14】
前記混入工程は、前記第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成する直前に前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入する工程である、請求項13に記載の紙の製造方法。
【請求項15】
前記混入工程は、前記第1ウエットパルプ層の形成幅に渡って、前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入する工程である、請求項13に記載の紙の製造方法。
【請求項16】
前記混入工程は、前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入すると共に、水系媒体を混入する工程である、請求項13に記載の紙の製造方法。
【請求項17】
前記混入工程は、前記パルプ繊維を分流して混入する工程である、請求項13に記載の紙の製造方法。
【請求項18】
非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入する前に、水系媒体中に分散させる分散工程をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の紙の製造工程。
【請求項19】
前記分散工程は、エアーにより非繊維パルプを攪拌・分散する工程である、請求項18に記載の紙の製造方法。
【請求項20】
非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入する混入手段と、
非パルプが混入された第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成する第1抄紙手段と、
第2ウエットパルプから第2ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第1主面に形成する第2抄紙手段と、
第3ウエットパルプから第3ウエットパルプ層を、前記第1ウエットパルプ層の第2主面に形成する第3抄紙手段と、
を有する、紙の製造装置。
【請求項21】
前記混入手段は、前記第1ウエットパルプから第1ウエットパルプ層を形成する直前に前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入する手段である、請求項20に記載の紙の製造装置。
【請求項22】
前記混入手段は、前記第1ウエットパルプ層の形成幅に渡って、前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入する手段である、請求項20に記載の紙の製造装置。
【請求項23】
前記混入手段は、前記非パルプ繊維を前記第1ウエットパルプに混入すると共に、水系媒体を混入する手段である、請求項20に記載の紙の製造装置。
【請求項24】
前記混入手段は、前記パルプ繊維を分流して混入する手段である、請求項20に記載の紙の製造装置。
【請求項25】
非パルプ繊維を第1ウエットパルプに混入する前に、水系媒体中に分散させる分散手段をさらに有することを特徴とする請求項20に記載の紙の製造装置。
【請求項26】
前記分散手段は、エアーにより攪拌・分散する手段である、請求項25に記載の紙の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−177332(P2007−177332A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373616(P2005−373616)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】