説明

紙フィルター

【課題】市販されている紙フィルターは、紙フィルターの受容室内に充填され、つまり注ぎ込まれるコーヒー粉末等の充填量を表示するために、浮出し印刷されたマーク若しくは記号を備えていて、コーヒー機械に装着されて、マーク若しくは記号に合わせてコーヒー粉末を計量若しくは調量した後にコーヒーを抽出するために用いられるようになっている。このような浮出し印刷は食料品にとって危険でないものの、使用者にとって見にくいものである。
【解決手段】紙フィルター1の少なくとも1つの側壁2は、芳香族物質で印刷されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙フィルター、殊にコーヒー用の紙フィルターであって、該紙フィルターは複数の側壁によって画成された受容室を有している形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
市販されている紙フィルターは、紙フィルターの受容室内に充填され、つまり注ぎ込まれるコーヒー粉末等の充填量を表示するために、浮出し印刷されたマーク若しくは記号を備えていて、コーヒー機械に装着されて、マーク若しくは記号に合わせてコーヒー粉末を計量若しくは調量した後にコーヒーを抽出するために用いられるようになっている。このような浮出し印刷は食料品にとって危険でないものの、使用者にとって見にくいものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、食料品にとって危険でなく、つまり健康にとって安全に使用できる紙フィルターを提供し、この場合にさらに好みの違い(差異又は差別化)若しくは個人的な嗜好を可能にできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明の手段に基づき、紙フィルターの少なくとも1つの側壁は、芳香族物質で印刷されており、つまり、紙フィルターの少なくとも1つの側壁に、芳香族物質によって印刷画像を施してある。芳香族物質の使用によって、食料品衛生法若しくは健康に適った危険でない印刷画像を施すことができるようになっており、芳香族物質は好みの違いを可能にし、ひいては紙フィルターの個人的な嗜好を可能にしている。
【0005】
本発明の有利な実施態様では、芳香族物質は、紙フィルターのフィルター紙に対して色による対照(コントラスト)をなしており、これによって印刷画像は使用者にとって見えやすくなっており、紙フィルターの取り扱いを容易にしている。
【0006】
本発明の別の実施態様では、芳香族物質は天然の芳香物質だけであり、これによって紙フィルターは消費者に容易に受け入れられるようになっており、換言すれば、本発明に基づく紙フィルターに対する消費者の甘受性は高められている。芳香族物質は有利には例えば、チョコレート、ココア若しくは他の好みのもの、例えばアーモンド若しくはカラメル等を含んでいてよい。
【0007】
多様な画像を印刷するために、印刷画像は有利には、印刷側(印刷が施された側)からも該印刷側と相対する側からも見えるようになっている。印刷画像を、紙フィルターの側壁の表面(表側)に若しくは裏面(内側)に印刷することができ、この場合に表面に施された印刷画像は極めて明瞭に見えるのに対して、側壁の裏面に施された印刷画像は、透けて現れ、機能的に用いられ、つまり嗜好を付加する、つまり香り等を付加するために用いられる。
【0008】
印刷画像は有利には、1つの側壁に施された計量目盛りを含んでおり、該計量目盛りは、例えば抽出すべき所定の量のコーヒー液を得るために紙フィルターの受容室内に入れられるコーヒー粉末の量(充填量)を表すものである。印刷画像は有利には、他のマークやロゴや使用方法等を含んでいて、側壁のほぼ面全体にわたって広がっていてよく、つまり、側壁のほぼ面全体にわたって印刷画像を施してあってよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明に基づく紙フィルターの平面図である。
【0010】
図示の実施例の紙フィルター1、殊にコーヒー粉末用の紙フィルター1は、相対する2つの側壁を有しており、該両方の側壁は1枚の紙若しくはペーパーを折り曲げて形成されていて、つまり一方の側(側縁若しくは側辺)では折り曲げ縁部4によって互いにつながっていて、かつ相対する側(側縁若しくは側辺)では型押し継ぎ目(エンボス継ぎ目)3によって互いに結合(接合)されている。紙フィルター1はさらに底部側(底辺)を型押し継ぎ目5によって閉じられている。
【0011】
紙フィルター1の取り扱い若しくは使用を改善するために、少なくとも1つの側壁2の外面(表面)に印刷画像6,7,8,9を施してあり、印刷画像(印刷された文字や絵等)は芳香族物質によって形成されている。印刷画像の印刷は種々の印刷法によって、例えばインクジェット印刷、フレキソ印刷、タンポ印刷、若しくはオフセット印刷によって行われる。
【0012】
芳香族物質としては天然の芳香物質(アロマ物質若しくは香料)、チョコレート、ココア(カカオの実)、樹液濃縮物、果実や野菜の汁液濃縮物、若しくはその他の芳香物質を用いることができる。これによって印刷画像は、白色若しくは褐色の紙フィルターの印刷されていない領域と色による知覚可能なコントラスト(対照)をなしている。紙フィルター1の使用時には、芳香物質含有の印刷画像の少なくとも一部分は溶けて、立てられた飲み物に好みの特性若しくは嗜好、例えば香りを付加するようになっている。
【0013】
印刷画像は図示の実施例では、計量目盛り6並びに数字7を含んでおり、該計量目盛り(計量バー)並びに数字によって、コーヒー粉末の充填量は、注ぐべき液体量、つまり例えば湯量に対する割合で示されるようになっている。さらに、カップの大きさのための記号8及び製造者ロゴ9を印刷してある。側壁2に、さらに商標、マークやその他の表示若しくは記載、例えば製造に関する記載や、使い方、使用方法若しくは保存方法等を印刷することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に基づく紙フィルターの平面図
【符号の説明】
【0015】
1 紙フィルター、 2 側壁、 3 型押し継ぎ目、4 折り曲げ縁部、 5 型押し継ぎ目、 6,7,8,9 印刷画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙フィルター(1)、殊にコーヒー用の紙フィルターであって、該紙フィルターは複数の側壁(2)によって画成された受容室を有している形式のものにおいて、紙フィルター(1)の少なくとも1つの側壁(2)は、芳香族物質で印刷されていることを特徴とする紙フィルター。
【請求項2】
芳香族物質は、紙フィルターのフィルター紙に対して色による対照をなしている請求項1に記載の紙フィルター。
【請求項3】
芳香族物質は天然の芳香物質だけである請求項1又は2に記載の紙フィルター。
【請求項4】
芳香族物質はチョコレート若しくはココアである請求項1から3のいずれか1項に記載の紙フィルター。
【請求項5】
印刷画像は、印刷側からも該印刷側と相対する側からも見えるようになっている請求項1から4のいずれか1項に記載の紙フィルター。
【請求項6】
印刷画像は、側壁(2)に施された計量目盛り(6)を含んでいる請求項1から5のいずれか1項に記載の紙フィルター。
【請求項7】
印刷画像は、ほぼ少なくとも1つの側壁(2)にわたって広がっている請求項1から6のいずれか1項に記載の紙フィルター。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−119268(P2009−119268A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289918(P2008−289918)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(390014155)メリタ ハウスハルツプロドウクテ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシヤフト (12)
【氏名又は名称原語表記】Melitta Haushaltsprodukte GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Ringstrasse99,D−32427 Minden,Germany
【Fターム(参考)】