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紙様お香
説明

紙様お香

【課題】製造時に匂いの発生が少なく、商品として香りの滲み出しや揮散が阻止され長期保存が可能であり、また、使用時に燻煙させても煙が少なく異臭の発生のない紙様お香を得ること。
【解決手段】植物性繊維5−30重量%、残部無機粉末からなる紙組織に、シクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の中に前記芳香成分の分子を閉じこめてなる包接化合物を担持させる。シクロデキストリン系化合物の水溶液と芳香成分を混合攪拌してシクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の中に前記芳香成分を閉じこめてなる包接化合物乳化液を調製する一方、植物性繊維及び無機粉末を水に分散させてなる紙組成物を調製し、前記包接化合物乳化液と紙組成物とを混合攪拌し、その混合液を漉いて紙を調製するか、前記紙組成物を漉いて紙を調製した後、当該紙の少なくとも片側表面に前記包接化合物乳化液を付着させ、乾燥させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙様お香、特に、燻煙させても煙が少なく異臭を生じない紙様お香及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、お香の持つ消臭作用や芳香作用、さらには人の気分を安らげる鎮静作用が再認識され、日常生活において芳香療法や香りを楽しむことを目的として、特に女性にお香が愛用されつつある。この種のお香は、漢薬香料粉末を木質基材(タブノキ樹皮粉末や白樺樹皮粉末など)の他、必要に応じて助燃剤、防腐剤、充填剤等を配合し、水を加えて混練し、線状、棒状、円錐状その他の立体的形状に成型した後、乾燥することによって製造される。最近では、漢薬香料粉末に代えて或いは漢薬香料粉末と共にハーブや花の精油などの香料を添加したお香(例えば、特許文献1参照)、あるいは任意の形状を持たせることができ燃焼後もその形態を維持するお香(例えば、特許文献2参照)も提案されている。
【0003】
しかしながら、これらのお香は、立体的形状を有するため包装時に嵩張ることは避けられず、しかも、任意の形態のものを生産しようとすると、量産性に欠けコストアップは免れないという問題があった。このような問題を解決するため、和紙や洋紙などの紙を材料として賦香したお香(例えば、特許文献3〜特許文献5)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−310546号公報
【特許文献2】特開平9−136820号公報
【特許文献3】実開平6−79726号公報
【特許文献4】特開2002−348225号公報
【特許文献5】特開2004−196774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙に香りを賦香する方法としては、1)香りの高い香木(沈香や白檀)粉末や漢薬香料粉末(例えば、丁子、桂皮、乳香、伽羅などの植物性香料粉末又は麝香や竜涎香などの動物性香料粉末)を含むお香組成物を紙に漉き込む方法、2)紙漉時に液体香料を漉き込む方法及び3)製紙した紙を液体香料に浸漬する方法などがある。
【0006】
しかしながら、第一の方法では、製造時に強い香りを発生するだけでなく、作業者や周りのものに匂いが染み着き、その線香臭が嫌がられるという問題があり、第二の方法では、製造時に強い香りを発生するため第一の方法と同様な問題があり、第三の方法では、後加工となるため工程数の増加によるコストの上昇が避けられず、また、いずれの方法で製造された製品であっても、時間の経過と共に香料が滲み出して揮散し、揮散した香りが周囲の他の商品に移転したり、芳香性が低下するため長期保存ができず商品価値が落ちてしまったりするという問題がある。
【0007】
他方、紙は和紙及び洋紙を問わず、燻煙させると煙を大量に発したり、セルロースやリグニンなど独特の異臭を発したり、或いは燻煙の途中で燃焼が止まり消えてしまったりするという問題があり、満足な商品が得られていないのが現状である。
【0008】
従って、本発明は、製造時に匂いの発生が少なく、商品として香りの滲み出しや揮散が阻止され長期保存が可能であり、また、使用時に燻煙させても煙が少なく異臭の発生のない紙様お香を得ることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題のうち燻煙時に煙や異臭の発生を防止する手段として、植物性繊維5−30重量%、好ましくは、5〜20重量%、残部無機粉末を紙原料として用い、これを漉いて紙を調製するようにし、製造時及び保管時に香りの発生を抑止するため、芳香成分をシクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の中に閉じこめて包接化合物を形成させ、その包接化合物を紙組織に担持させるようにしたものである。
【0010】
即ち、本発明に係る紙様お香は、植物性繊維5−30重量%、残部無機粉末からなる紙組織に、シクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の中に芳香成分の分子を閉じこめてなる包接化合物を担持させてなることを特徴とするものである。
【0011】
前記植物性繊維としては、こうぞ、みつまた、雁皮、ケナフ、麻、竹、葦、木綿、檜、杉その他の雑木から得られる任意の繊維長のものを使用できるが、和紙の原料として用いられている繊維長の長いものが特に好適であり、その代表的なものとしては、こうぞ、みつまた、雁皮、ケナフ、麻などが挙げられ、その他、竹、葦、木綿並びに檜、杉などの針葉樹の繊維を使用するのが好ましい。これらの植物性繊維は単独で或いは混合して使用することができる。
【0012】
また、前記無機粉末としては、草木炭、活性炭、酸化チタン、マイカ、タルク、カオリナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸水素ナトリウム、燐酸三カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種を使用するのが好ましい。
【0013】
シクロデキストリン系化合物としては、α−、β−及びγ−シクロデキストリン並びに水溶性シクロデキストリンが挙げられるが、製造過程での溶媒の匂いの発生や香料の匂い移りを阻止する環境衛生的な観点からは、特に水溶性シクロデキストリンが有利である。水溶性シクロデキストリンとしては、α−、β−及びγ−シクロデキストリンにマルトースの枝がついた構造を有するマルトシル・シクロデキストリンが代表的なものとして挙げられる。前記シクロデキストリン系化合物は、単独で或いは混合して使用しても良い。前記水溶性シクロデキストリンは、グルコース単位の数が6〜8個環状に結合した王冠状の立体構造を有し、その三次元骨格構造に空き間があり、その空き間に芳香成分の分子を閉じ込めることが可能であり、マルトースの枝を付加することにより水溶性が著しく向上する。市販品では、例えば、塩水港精糖株式会社製のイソエリート(登録商標)が挙げられる。
【0014】
前記芳香成分としては、シクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の空き間内に前記芳香成分の分子を閉じこめる関係上、三次元骨格構造の空き間に入りうる分子量の小さい芳香成分であれば任意のものを使用でき、具体的には、白檀油、丁字油、桂皮油、安息香を始めとして、甘松、カッ香、沈香、冷陵香、乳香、没薬、貝香、竜脳、山奈、唐木香、伽羅などの漢薬香料から得られる芳香油の他、天然香料や合成香料などの液体香料など任意のものを単独で或いは二種以上を使用することができる。
【0015】
前記液体香料としては、一般に香料と呼ばれる市販のものを使用すればよく、また、植物などから抽出されるエッセンシャルオイルを使用しても良い。前記エッセンシャルオイルとしては、例えば、アニスシード、アーモンドビター、アミリス、アンジェリカルート、ウインターグリーン、エレミ、オールスパイスベリー、オレンジ、オニオン、オレンジマンダリン、オレンジスウィート、カジェプット、カラマスルート、カンファーホワイト、カルダモンシード、カモマイルジャーマン、カモマイルローマン、カモマイルワイルド、ガルバナム、ガーリック、キャロットシード、クローブバッズ、コリアンダーシード、クミンシード、バジルスウィート、ベンゾインアブソルート、ベルガモット、バーチスウィート、サイプレス、サンダルウッド、シナモンバーク、シダーリーフ、シダーアトラス、シダーウッドレッド、セロリーシード、シナモンバーク、シナモンリーフ、シトロネラ、スペアミント、スプルース、セイジクラリー、セイジダルマティアン、セイバリーサマー、バニラ、バーボン、ユーカリ、ユーカリレモン、フェンネルビター、フェンネルスウィート、ファーニードル、フランキンセンス、ジェラニューム、ジンジャー、グレープフルーツ、タイムレッド、タイムホワイト、トルーバルサム、ヘリクリサム、ホップフラワー、ヒソップ、ジャスミンアブソルート、ジュニパーベリー、ライム、ラバディン、ラベンダー、ラベンダーフラワー、ラベンダースパイク、レモン、レモングラス、ローレルリーフ、ロベジルート、マージョラムスウィート、マージョラムワイルド、マートル、ミラーガム、メリッサ、ネロリ、ナツメグ、パルマロサ、パチョリ、ペッパーブラック、ペパーミント、ペルーバルサム、ペティグレイン、パイン、ローズアブソルート、ローズオットー、ローズマリー、ローズウッド、マリーゴールド、タンジェリン、ティートゥリーなどが挙げられる。
【0016】
また、紙様お香は、原料が白色乃至黄色の植物性繊維であるため、任意の色に着色することが可能であり、その着色料としては任意の物を使用でき、代表的なものとしては、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、ウラニンなどが挙げられる。
【0017】
前記紙様お香は、本発明によれば、シクロデキストリン系化合物、特に水溶性シクロデキストリンの水溶液に芳香成分を加えて混合攪拌することにより、シクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の空き間に前記芳香成分の分子を閉じこめてなる包接化合物乳化液を調製する一方、植物性繊維と無機粉末を水の存在下で混合してスラリー状和紙組成物を調製し、前記包接化合物乳化液と和紙組成物とを混合攪拌し、得られた混合液を漉いて紙を調製する方法により製造することができる。
【0018】
また、前記包接化合物乳化液と和紙組成物とを混合攪拌して紙を漉く代わりに、予め調製した和紙の片面に前記包接化合物乳化液を塗布したり、和紙を前記包接化合物乳化液に浸漬し、これを乾燥させる方法によっても和紙様お香を得ることができる。この場合、紙の表面に塗布された乳化液は紙の表面から内部に浸透するため、これを乾燥させると、紙の両表面のうち少なくとも片側の表層部にのみ包接化合物が含浸された和紙様お香、或いは紙の表層部から内部に向かって濃度勾配を生じた状態で包接化合物が含浸された和紙様お香が得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、植物性繊維を5〜30重量%とし、残部を無機粉末として紙を構成することにより燻煙させても煙の発生が殆どなく、セルロース臭やリグニン臭の発生を防止でき、燻煙中の燃焼停止を防止できる。また、芳香成分の分子がシクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の空き間内に閉じこめられた包接化合物の形態で紙に担持させるようにしたので、長期間保存しても製品からの香りの逸散が阻止でき、また、香料の滲み出しも防止できる。更に、シクロデキストリン系化合物として水溶性シクロデキストリンを使用すると、溶媒として水を使用できるため、紙漉時に水で解した紙繊維との親和性を高め、紙繊維中に均一に分散させることができる他、製造過程での芳香成分及び溶媒の蒸発による作業環境等の汚染を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る紙様お香1は、微視的には、絡み合った植物性繊維4の間に無機粉末5が分散・担持され、その少なくとも片側の表層部に20〜60μmの大きさの包接化合物粒子6が担持された構造(図1参照)、又は、絡み合った植物性繊維4の間に無機粉末5及び包接化合物粒子6がほぼ均一に分散・担持された構造(図2参照)を有している。前記紙様お香1は、任意の形状に裁断することができ、例えば、図3に示すように、抄紙したした後、使用しやすいように矩形状で、その一辺に並行に複数の切れ目2を有し、当該一辺と直交する他の一辺と並行にミシン目3を入れるようにしても良い。紙様お香は、必ずしも矩形である必要はなく、円形、花弁状、渦巻き状など任意の形状に裁断することができる。
【0021】
前記紙様お香を製造するための植物性繊維及び包接化合物は、例えば、次の方法で調製することができる。
【0022】
植物性繊維の調製:
植物性繊維原料として、こうぞ、みつまた、ケナフ、竹及び麻を用い、木材(こうぞ、みつまた及びケナフ)については、適当な長さに切断し、沸騰した水に入れて蒸した後、外皮を剥ぎ取って原料とする。適当な長さに切断した各原料を、炭酸ナトリウムを加えた沸騰水で煮沸して軟らかくし、これを水に晒してアク抜き及び不純物の除去を行い、次いで叩解して繊維をほぐし、乾燥させて植物性繊維を得る。
【0023】
包接化合物の調製:
イソエリートP(登録商標、塩水港精糖株式会社製マルトシル・シクロデキストリン)と水を重量比1:1の割合で混合し、ホモゲナイザーで完全に溶解させる。得られた水溶性シクロデキストリン溶液に香料を重量比2:1の割合で添加し、5000rpm前後の回転速度で10分間攪拌し、半透明の包接化合物の乳化液を調製する。
【実施例1】
【0024】
こうぞ繊維 10重量%
草木炭 80重量%
酸化チタン 10重量%
こうぞ繊維を無機粉末と配合して上記紙組成物を得、これに十分な水を加えて攪拌し、繊維が一本一本バラバラになるようにほぐした後、紙の大きさ、厚みを決めて紙漉きを行い、漉いた紙を一枚一枚板に貼って天日干しして和紙を得た。
【0025】
この和紙を、香料としてユーカリオイルを用いて調製した包接化合物乳化液に浸漬して、和紙の両面に塗布し、これを天日乾燥させてユーカリの香りの和紙様のお香を得た。
【実施例2】
【0026】
こうぞ繊維 5重量%
みつまた繊維 10重量%
酸化チタン 65重量%
炭酸カルシウム 15重量%
草木灰 5重量%
植物性繊維としてこうぞ及びミツマタ繊維を用い、これを無機粉末と配合して上記紙組成物を得、当該組成物を実施例1と同様に処理して和紙を得、この和紙を、香料としてレモングラスオイルを用いて調製した包接化合物乳化液に浸漬して和紙の両面に塗布し、これを天日乾燥させてレモングラスの香りの和紙様お香を得た。
【実施例3】
【0027】
ケナフ繊維 10重量%
雲母 20重量%
酸化チタン 40重量%
炭酸カルシウム 25重量%
草木灰 5重量%
植物性繊維としてケナフ繊維を用い、これを無機粉末と配合して上記紙組成物を得、当該組成物を実施例1と同様に処理して和紙を得、この和紙を、香料としてオレンジオイルを用いて調製した包接化合物乳化液に浸漬して和紙の両面に塗布し、これを天日乾燥させてオレンジの香りの和紙様お香を得た。
【実施例4】
【0028】
竹繊維 10重量%
草木灰 60重量%
炭酸カルシウム 30重量%
植物性繊維として竹繊維を用い、これを無機粉末と配合して上記紙組成物を得、当該組成物を実施例1と同様に処理して和紙を得、この和紙を、香料としてサンダルウッドオイルを用いて調製した包接化合物乳化液に浸漬して和紙の両面に塗布し、これを天日乾燥させて白檀の香りの和紙様お香を得た。
【実施例5】
【0029】
麻繊維 20重量%
酸化アルミニウム 20重量%
雲母 30重量%
水酸化マグネシウム 25重量%
草木灰 5重量%
植物性繊維として麻繊維を用い、これを無機粉末と配合して上記紙組成物を得、当該組成物を実施例1と同様に処理して和紙を得、この和紙を、香料としてラベンダーオイルを用いて調製した包接化合物乳化液に浸漬して和紙の両面に塗布し、これを天日乾燥させてラベンダーの香りの和紙様お香を得た。
【実施例6】
【0030】
竹繊維 10重量%
ケナフ 10重量%
炭酸カルシウム 35重量%
酸化チタン 40重量%
草木灰 5重量%
植物性繊維として竹繊維及びケナフ繊維を用い、これを無機粉末と配合して上記紙組成物を得、当該組成物を実施例1と同様に処理して和紙を得、この和紙を、香料として丁字油を用いて調製した包接化合物乳化液に浸漬して和紙の両面に塗布し、これを天日乾燥させて丁字の香りの和紙様お香を得た。
【実施例7】
【0031】
こうぞ繊維 20重量%
酸化チタン 5重量%
草木灰 60重量%
炭酸カルシウム 15重量%
植物性繊維としてこうぞ繊維を用い、これを無機粉末と配合して上記紙組成物を得、当該組成物を紙漉に必要な量の水と混合して植物性繊維を良くほぐした後、香料としてローズウッドオイルを用いて調製した包接化合物乳化液を前記組成物の乾量100部に対し10部添加して十分に攪拌し、紙の大きさ、厚みを決めて紙漉きを行い、漉いた紙を一枚一枚板に貼って天日干ししてローズウッドの香りの和紙様お香を得た。
【実施例8】
【0032】
ケナフ繊維 10重量%
竹繊維 10重量%
炭酸カルシウム 35重量%
草木灰 5重量%
酸化チタン 40重量%
植物性繊維としてケナフ繊維及び竹繊維を用い、これを無機粉末と配合して上記紙組成物を得、当該組成物を紙漉に必要な量の水と混合して植物性繊維を良くほぐした後、香料としてペパーミントオイルを用いて調製した包接化合物乳化液を前記組成物の乾量100部に対し30部添加して十分に攪拌し、紙の大きさ、厚みを決めて紙漉きを行い、漉いた紙を一枚一枚板に貼って天日干ししてペパーミントの香りの和紙様お香を得た。
【実施例9】
【0033】
麻繊維 20重量%
酸化アルミニウム 20重量%
雲母 30重量%
水酸化マグネシウム 25重量%
草木灰 5重量%
植物性繊維として麻繊維を用い、これを無機粉末と配合して上記紙組成物を得、当該組成物を紙漉に必要な量の水と混合して植物性繊維を良くほぐした後、香料としてティートゥリーオイルを用いて調製した包接化合物乳化液を前記組成物の乾量100部に対し20部添加して十分に攪拌し、紙の大きさ、厚みを決めて紙漉きを行い、漉いた紙を一枚一枚板に貼って天日干ししてティートゥリーの香りの和紙様お香を得た。
【0034】
実施例1〜9で得られた和紙様お香を幅7mm、長さ75mmに裁断し、これを燃焼させたところ、いずれも燃焼は良好で、燻煙中の煙の発生は少なく、香りも良好で、セルロースやリグニン等の異臭の発生は全くなく、最後まで燃焼が持続した。また、和紙様お香を製造する過程でも、香料をそのまま添加して抄紙した場合に比べて香りの発生が抑制され、製品を長期間保存しても香りの逸散が阻止でき、また、香料の滲み出しも認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例に係る紙様お香の断面模式図
【図2】本発明の他の実施例に係る紙様お香の断面模式図
【図3】本発明に係る紙様お香の斜視図
【符号の説明】
【0036】
1 紙様お香
2 切断線
3 ミシン目
4 植物性繊維
5 無機粉末
6 包接化合物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物性繊維5−30重量%、残部無機粉末からなる紙組織に、シクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の中に前記芳香成分の分子を閉じこめてなる包接化合物を担持させてなることを特徴とする紙様お香。
【請求項2】
前記シクロデキストリン系化合物が、水溶性シクロデキストリンである請求項1に記載の紙様お香。
【請求項3】
前記包接化合物が、シートの組成全体に分散されている請求項1に記載の紙様お香。
【請求項4】
前記包接化合物が、シートの両表面のうち少なくとも片側の表層部に含浸されている請求項1に記載の紙様お香。
【請求項5】
前記植物性繊維がこうぞ、みつまた、雁皮、ケナフ、麻、竹、葦、木綿、檜、杉その他の雑木からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか一に記載の紙様お香。
【請求項6】
前記無機粉末が、草木炭、活性炭、酸化チタン、マイカ、タルク、カオリナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸水素ナトリウム、燐酸三カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか一に記載の紙様お香。
【請求項7】
シクロデキストリン系化合物の水溶液と芳香成分を混合攪拌してシクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の中に前記芳香成分を閉じこめてなる包接化合物乳化液を調製すると共に、植物性繊維及び無機粉末を水に分散させてなる紙組成物を調製し、前記包接化合物乳化液と紙組成物とを混合攪拌し、その混合液を漉いて紙を調製することを特徴とする紙様お香の製造方法。
【請求項8】
シクロデキストリン系化合物の水溶液と芳香成分を混合攪拌してシクロデキストリン系化合物の三次元骨格構造の中に前記芳香成分を閉じこめてなる包接化合物乳化液を調製する一方、植物性繊維及び無機粉末を水に分散させてなる紙組成物を漉いて紙を調製し、当該紙の少なくとも片側表面に包接化合物乳化液を付着させた後、脱水及び乾燥させることを特徴とする紙様お香の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−214285(P2008−214285A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55526(P2007−55526)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(594168517)株式会社薫寿堂 (6)
【Fターム(参考)】