説明

紙葉類の汚損度判定装置および汚損度判定方法

【課題】顧客の要求仕様ごとに変化する汚損特徴の重み付けに迅速に対応できる紙葉類の汚損度判定装置および汚損度判定方法を提供する。
【解決手段】紙幣やそれ以外の有価証券等の紙葉類から得られる複数の汚損特徴(折り目、しわ、しみ等)から当該紙葉類の最終的な汚損度を判定する紙葉類の汚損度判定装置において、複数の汚損特徴の値を入力し、この入力された複数の汚損特徴と、複数の汚損特徴ごとの寄与度と、複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルと、複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータとから複数の評価値を算出し、この算出された評価値と評価値ごとの重みとに基づき最終的な汚損度を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、紙幣やそれ以外の有価証券等の紙葉類から得られる複数の汚損特徴(折り目、しわ、しみ等)から当該紙葉類の最終的な汚損度を判定する紙葉類の汚損度判定装置および汚損度判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、複数の汚損特徴(折り目、しわ、しみ等)から紙幣等の紙葉類の最終的な汚損度を判定する際、第1の公知技術として、各汚損特徴を重み付け線形結合した値を用いる方法がある(たとえば、特許文献1参照)。この方法は、各汚損特徴の汚損度に対する重み付け(寄与度)を簡単に調整できるという利点がある。
【0003】
また、各汚損特徴を一旦非線形変換し、それらの値を線形結合することで汚損度のリニアリティを向上させる第2の公知技術として、多層パーセプトロン型ニューラルネットとその学習方法の応用が挙げられる(代表例として非特許文献1参照)。人工ニューラルネットは、元々は生体の模擬から生まれたものであるが、その工学的側面から非線形な信号処理系として様々な産業分野で用いられている。
【特許文献1】特開平7−190955号公報
【非特許文献1】D.E.Rumelhart,G.E.Hinton,R.J.Williams:”Learning Representations by back−propagating errors”,Nature 323,pp.533−536,1986.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各汚損特徴の頻度分布は一般に非線形であることが多く、第1の公知技術のように各汚損特徴を単に線形結合すると、汚損度の頻度のリニアリティが低くなり、所望の汚損判定率(汚損と判定される紙葉類の割合)を得ることが困難な場合がある。図18は、汚損特徴の頻度分布を模式的に示したものである。図18から明らかなように、汚損特徴のレベル(L1〜L5)間の頻度差が一定ではないため、汚損判定率をリニアにコントロールしたいという顧客要求が充分に満たされていない。
【0005】
第2の公知技術では、前述した汚損度の頻度のリニアリティについては改善される。図19は、第2の公知技術によって実現される汚損特徴の非線形変換を模式的に示したものである。ここで、rは汚損特徴、f(r)は非線形変換後の汚損特徴を表す。これによれば、非線形変換後の汚損特徴の累積頻度は、図20に示すような理想直線に近づくことが期待できる。
【0006】
しかしながら、第2の公知技術を紙葉類の汚損度判定に応用する場合、汚損特徴の学習結果が重みベクトルと呼ばれる内部パラメータでブラックボックス的(あるいは分散的)に表現される。そのため、各汚損特徴の寄与度を外部から調整したいとの顧客要求を満たすことについては、むしろ第1の公知技術よりも劣っている。
【0007】
ここで、第2の公知技術について説明する。多層パーセプトロン型ニューラルネットとその学習方法については、これまで様々なものが提案されているが、基本的には非特許文献1で定式化されている。ここでは、非特許文献1に載っている3層パーセプトロン型ニューラルネットを複数の汚損特徴から最終的な汚損度への対応付け問題に応用することを考える。
【0008】
図21は、3層パーセプトロン型ニューラルネットの全体図を示したものである。3つの層は、それぞれ入力層、中間層(隠れ層)、出力層と呼ばれる。各層には1つ以上のユニットが存在する。ここでは、入力層ユニットの数を汚損特徴に対応する数(I個)とし、出力層ユニットの数を最終的な汚損度に対応して1個とする。なお、中間層ユニット数については所望の性能を得るのに充分な数(J個)とする。
【0009】
3層パーセプトロン型ニューラルネットの特徴として、層内の結合はなく層間の結合のみが存在し、信号が入力層から出力層へとフィードフォワードで伝達される。まず、入力層ユニットの反応特性xは、入力される汚損特徴の値そのもの(恒等関数)である。次に、中間層ユニットの反応特性yおよび出力層ユニットの反応特性zは、それぞれ下記数1によって表される。
【数1】

【0010】
ただし、uは重みベクトル
【数2】

【0011】
による反応特性xの重み付け線形結合、言い換えれば、重みベクトル
【数3】

【0012】
と反応特性ベクトル
【数4】

【0013】
の内積である。同様に、vは重みベクトル
【数5】

【0014】
による反応特性yの重み付け線形結合、すなわち、重みベクトル
【数6】

【0015】
と反応特性ベクトル
【数7】

【0016】
の内積である。
【0017】
非特許文献1の特徴の1つは、中間層ユニットおよび出力層ユニットにおいて、線形な値uやvに対して非線形変換を行なうことである。非線形変換の例として、図22に示すようなシグモイド関数が挙げられる。線形な値rが非線形な値f(r)に変換される。
【0018】
このように構成された3層パーセプトロン型ニューラルネットを汚損度判定系としてとらえてみると、汚損特徴の組
【数8】

【0019】
をJ通りの重み付け
【数9】

【0020】
によって評価し、J通りの評価結果をさらに
【数10】

【0021】
で重み付け統合することで最終的な汚損度zを得ることがわかる。
【0022】
非特許文献1のもう1つの特徴は、重みベクトル
【数11】

【0023】
が、出力zと望ましい値(教師信号)
【数12】

【0024】
との二乗誤差を最小にする方向へ準最適化(学習)されることである。このことは、一般的には長所として採り上げられる。なぜなら、複数の入力特徴と望ましい出力結果との対応付けを解析的に得ることが困難な場合(たとえば、パターン認識等)において、入力特徴と教師信号との組(学習サンプル)を適当な量だけ用意すれば、その対応付けの近似解(実用解)が得られるからである。
【0025】
しかし、紙葉類の汚損度判定にとって、このことはむしろ好ましくない側面もある。なぜなら、汚損特徴の学習結果が重みベクトルでブラックボックス的(あるいは分散的)に表現されるため、各汚損特徴の寄与度を外部から調整したいという顧客要求に対応できないからである。たとえば、i番目の汚損特徴の寄与度は、
【数13】

【0026】
の計J個の値で分散表現されており、さらにその上位の重みベクトル
【数14】

【0027】
にもi番目の汚損特徴の寄与度が影響していると考えることができる。
このように、1つの汚損特徴の寄与度が他のものと不可分な形で実装されていることが問題である。
【0028】
そこで、本発明は、顧客の要求仕様ごとに変化する汚損特徴の重み付けに迅速に対応できる紙葉類の汚損度判定装置および汚損度判定方法を提供することを目的とする。
【0029】
また、本発明は、汚損特徴ごとの寄与度の値は顧客の業態に合わせて随時設定、調整が可能となる紙葉類の汚損度判定装置および汚損度判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の紙葉類の汚損度判定装置は、紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力手段と、前記複数の汚損特徴ごとの寄与度を記憶する寄与度記憶手段と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段と、前記入力手段により入力された複数の汚損特徴と前記寄与度記憶手段に記憶された寄与度と前記参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと前記分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価手段と、評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段と、前記評価手段により算出された評価値と前記重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定手段とを具備している。
【0031】
また、本発明の紙葉類の汚損度判定装置は、紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力手段と、前記複数の汚損特徴ごとの寄与度を設定する寄与度設定手段と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段と、前記入力手段により入力された複数の汚損特徴と前記寄与度設定手段で設定された寄与度と前記参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと前記分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価手段と、評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段と、前記評価手段により算出された評価値と前記重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定手段とを具備している。
【0032】
また、本発明の紙葉類の汚損度判定装置は、紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力手段と、前記複数の汚損特徴ごとの寄与度の初期値を設定する寄与度初期値設定手段と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段と、前記入力手段により入力された複数の汚損特徴と前記寄与度初期値設定手段で設定された寄与度と前記参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと前記分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価手段と、評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段と、前記評価手段により算出された評価値と前記重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に応じて前記寄与度初期値設定手段で設定された寄与度をフィードバック調整するフィードバック調整手段とを具備している。
【0033】
また、本発明の紙葉類の汚損度判定方法は、紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力工程と、この入力工程により入力された複数の汚損特徴と、前記複数の汚損特徴ごとの寄与度を記憶する寄与度記憶手段に記憶された寄与度と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価工程と、この評価工程により算出された評価値と評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定工程とを具備している。
【0034】
また、本発明の紙葉類の汚損度判定方法は、紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力工程と、前記複数の汚損特徴ごとの寄与度を設定する寄与度設定工程と、前記入力工程により入力された複数の汚損特徴と、前記寄与度設定工程で設定された寄与度と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価工程と、この評価工程により算出された評価値と評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定工程とを具備している。
【0035】
また、本発明の紙葉類の汚損度判定方法は、紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力工程と、前記複数の汚損特徴ごとの寄与度の初期値を設定する寄与度初期値設定工程と、前記入力工程により入力された複数の汚損特徴と、前記寄与度初期値設定工程で設定された寄与度と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価工程と、この評価工程により算出された評価値と評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定工程と、この判定肯定の判定結果に応じて前記寄与度初期値設定工程で設定された寄与度をフィードバック調整するフィードバック調整工程とを具備している。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、最終的な汚損度判定への寄与度が入力される汚損特徴のそれぞれに独立して定義、蓄積されるため、顧客の要求仕様ごとに変化する汚損特徴の重み付けに迅速に対応できる紙葉類の汚損度判定装置および汚損度判定方法を提供できる。
【0037】
また、本発明によれば、汚損特徴ごとの寄与度の値は、学習時には変化しないため、学習後(稼動時)、顧客の業態に合わせて随時設定、調整が可能となる紙葉類の汚損度判定装置および汚損度判定方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る紙葉類の汚損度判定装置の構成を概略的に示すものである。この紙葉類の汚損度判定装置は、紙幣等の紙葉類から得られる複数(たとえば、折り目、しわ、しみ等)の汚損特徴の値を入力する入力手段としての入力部11、上記複数の汚損特徴ごとの寄与度を記憶する寄与度記憶手段としての寄与度記憶部12、上記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段としての参照ベクトル記憶部13、上記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段としての分散パラメータ記憶部14、入力部11により入力された複数の汚損特徴と寄与度記憶部12に記憶された寄与度と参照ベクトル記憶部13に記憶された参照ベクトルと分散パラメータ記憶部14に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価手段としての評価部15、評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段としての重み記憶部16、評価部15により算出された評価値と重み記憶部16に記憶された重みとに基づき当該紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定手段としての判定部17を有して構成されている。
【0039】
次に、このような構成において図2に示すフローチャートを参照して第1の実施の形態に係る動作を説明する。
まず、入力部11によりI個の汚損特徴xを評価部15に入力する(ステップS1)。ここで、汚損特徴とは、たとえば、折り目、しわ、しみといった感覚量や濃度値、微分値といった計測量など、いずれも定量的に表現された特徴のことを意味する。
【0040】
図3は、I個の汚損特徴を入力する処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数iに「1」をセットした後(ステップS11)、[i≦I]かどうかをチェックし(ステップS12)、[i≦I]であれば、汚損特徴xを入力し(ステップS13)、変数iを「+1」して(ステップS14)、ステップS12に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS12におけるチェックの結果、[i≦I]でなければ、当該処理を終了する。
【0041】
次に、評価部15は、寄与度記憶部12からI個の汚損特徴ごとの寄与度mを読込む(ステップS2)。寄与度の導入は、本発明の最大の特徴とするところである。ここでの寄与度は、従来技術と異なり、汚損特徴ごとに定められており、言い換えれば、ある汚損特徴の最終的な汚損度判定への寄与度は、この値によってのみ定まる。
【0042】
図4は、I個の寄与度を読込む処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数iに「1」をセットした後(ステップS21)、[i≦I]かどうかをチェックし(ステップS22)、[i≦I]であれば、寄与度mを読込み(ステップS23)、変数iを「+1」して(ステップS24)、ステップS22に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS22におけるチェックの結果、[i≦I]でなければ、当該処理を終了する。
【0043】
次に、評価部15は、参照ベクトル記憶部13からJ個のI次元参照ベクトル
【数15】

【0044】
を読込む(ステップS3)。ここでの参照ベクトルおよび後述する分散パラメータは、I個の汚損特徴によって張られるI次元空間での汚損特徴の分布を反映したものである。すなわち、汚損特徴の分布が混合分布によってモデル化できるものとし、分布を構成する各確率密度分布を上記の参照ベクトルや後述する分散パラメータで表現したものである。
【0045】
図5は、J個のI次元参照ベクトルを読込む処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数jに「1」をセットした後(ステップS31)、[j≦J]かどうかをチェックし(ステップS32)、[j≦J]であれば、変数iに「1」をセットした後(ステップS33)、[i≦I]かどうかをチェックし(ステップS34)、[i≦I]であれば、参照ベクトルpjiを読込み(ステップS35)、変数iを「+1」して(ステップS36)、ステップS34に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS34におけるチェックの結果、[i≦I]でなければ、変数jを「+1」して(ステップS37)、ステップS32に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS32におけるチェックの結果、[j≦J]でなければ、当該処理を終了する。
【0046】
次に、評価部15は、分散パラメータ記憶部14からJ個の分散パラメータsを読込む(ステップS4)。ここでの分散パラメータは、上述の通りである。
図6は、J個の分散パラメータを読込む処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数jに「1」をセットした後(ステップS41)、[j≦J]かどうかをチェックし(ステップS42)、[j≦J]であれば、分散パラメータsを読込み(ステップS43)、変数iを「+1」して(ステップS44)、ステップS42に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS42におけるチェックの結果、[j≦J]でなければ、当該処理を終了する。
【0047】
次に、評価部15は、上記のように読込んだ汚損特徴x、寄与度m、参照ベクトル
【数16】

【0048】
、分散パラメータsを基にJ個の評価値yを算出し(ステップS5)、その算出結果を判定部17へ送る。評価値の算出式は下記数17の通りである。
【数17】

【0049】
ただし、uは寄与度mによる汚損特徴xと参照ベクトル要素pjiとの差の重み付け二乗和である。
【0050】
図7は、J個の評価値を算出する処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数jに「1」をセットした後(ステップS51)、[j≦J]かどうかをチェックし(ステップS52)、[j≦J]であれば、重み付け二乗和uを「0」にセットする(ステップS53)。
【0051】
次に、変数iに「1」をセットした後(ステップS54)、[i≦I]かどうかをチェックし(ステップS55)、[i≦I]であれば、重み付け二乗和uの計算
=u+m(x−pji
を行ない(ステップS56)、その後、変数iを「+1」して(ステップS57)、ステップS55に戻り、上記同様な動作を繰り返す。
【0052】
ステップS55におけるチェックの結果、[i≦I]でなければ、評価値yの計算
=exp(−u/2s
を行ない(ステップS58)、その後、変数jを「+1」して(ステップS59)、ステップS52に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS52におけるチェックの結果、[j≦J]でなければ、当該処理を終了する。
【0053】
次に、判定部17は、重み記憶部16からJ個の重みwを読込む(ステップS6)。ここでの重みは評価値ごとに与えられたものであり、前述の混合分布モデルにおける「混合パラメータ」に相当する。
【0054】
図8は、J個の重みを読込む処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数jに「1」をセットした後(ステップS61)、[j≦J]かどうかをチェックし(ステップS62)、[j≦J]であれば、重みwを読込み(ステップS63)、変数jを「+1」して(ステップS64)、ステップS62に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS62におけるチェックの結果、[j≦J]でなければ、当該処理を終了する。
【0055】
次に、判定部17は、判定部17から得た評価値と重み記憶部16から読込んだ重みとに基づき最終的な汚損度zを判定し出力する(ステップS7)。この汚損度zは、J個の評価値の重み付き線形結合である(非線形変換は行なわない)。最終的な汚損度の算出式は下記数18の通りである。
【数18】

【0056】
図9は、最終的な汚損度を判定する処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数jに「1」をセットした後(ステップS71)、汚損度zを「0」にセットする(ステップS72)。
【0057】
次に、[j≦J]かどうかをチェックし(ステップS73)、[j≦J]であれば、汚損度zの計算
z=z+w*y
を行ない(ステップS74)、その後、変数jを「+1」して(ステップS75)、ステップS73に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS73におけるチェックの結果、[j≦J]でなければ、算出した汚損度zを出力し(ステップS76)、当該処理を終了する。
【0058】
なお、本発明は、公知の局所表現型ニューラルネットの考え方をベースとしている。公知の局所表現型ニューラルネットは、たとえば、下記非特許文献2で紹介されている。
【0059】
J.E.Moody and C.Darken:”Fast learning in networks of locally−tuned processing units”,Neural Computation 1,pp.281−294,1989.
ただし、これまで述べてきたように、特徴次元ごとのスタティックな寄与度を導入した点が本発明のポイントである。図10は、本発明によって提案される局所表現型ニューラルネットの全体図を示したものである。3つの層は、それぞれ入力層、中間層(隠れ層)、出力層である。各層には1つ以上のユニットが存在する。ここでは、入力層ユニットの数を汚損特徴に対応する数(I個)とし、出力層ユニットの数を最終的な汚損度に対応して1個とする。なお、中間層ユニット数については所望の性能を得るのに充分な数(J個)とする。
【0060】
局所表現型ニューラルネットは、3層パーセプトロン型ニューラルネットと同様に、層内の結合はなく層間の結合のみが存在し、信号が入力層から出力層へとフィードフォワードで伝達される。入力層ユニットの反応特性xiは、入力される汚損特徴の値そのもの(恒等関数)である。中間層ユニットの反応特性yjは、上で述べた通り、3層パーセプトロン型ニューラルネットで用いられるシグモイド関数のような特性ではなく、図11に示すような確率密度分布型の特性となる。出力層ユニットの反応特性zは、前述した通り、線形結合である。
【0061】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図12は、第2の実施の形態に係る紙葉類の汚損度判定装置の構成を概略的に示すものである。第2の実施の形態の第1の実施の形態と異なる点は、寄与度記憶部12が複数の汚損特徴ごとの寄与度を設定する寄与度設定手段としての寄与度設定部18に置き換わった点にあり、その外は第1の実施の形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略し、異なる部分についてだけ説明する。
【0062】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態のように汚損特徴ごとの寄与度の蓄積を行なわず、寄与度設定部18が人間行なう設定操作に応じて汚損度を設定(調整)するものである。
【0063】
図13は、第2の実施の形態に係る動作を説明するフローチャートを示している。第2の実施の形態の第1の実施の形態(図2)と異なる点は、寄与度読込みのステップS2が汚損度設定(調整)のステップS8に置き換わった点にあり、その外は第1の実施の形態(図2)と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0064】
図14は、I個の寄与度を設定(調整)する処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数iに「1」をセットした後(ステップS81)、[i≦I]かどうかをチェックし(ステップS82)、[i≦I]であれば、人間の操作に基づき寄与度mを設定(調整)し(ステップS83)、変数iを「+1」して(ステップS84)、ステップS82に戻り、上記同様な動作を繰り返す。ステップS82におけるチェックの結果、[i≦I]でなければ、当該処理を終了する。
【0065】
第2の実施の形態で注目すべきは、本発明で導入した寄与度mが、モデルを表現する参照ベクトル
【数19】

【0066】
や分散パラメータsとは独立であり、特徴次元ごとの寄与度をスタティックに定義した点である。つまり、寄与度mの値は、モデルの獲得(学習)によっては変化せず(たとえば、∀m=1のように固定にしておく)、学習後(稼動時)、顧客の業態に合わせて随時設定、調整するものとする。
【0067】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図15は、第3の実施の形態に係る紙葉類の汚損度判定装置の構成を概略的に示すものである。第3の実施の形態の第1の実施の形態と異なる点は、初期設定された寄与度を判定部17の判定結果に応じてフィードバック調整するフィードバック調整手段としてのフィードバック調整部19が追加された点にあり、その外は第1の実施の形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略し、異なる部分についてだけ説明する。
【0068】
第3の実施の形態は、初期設定された(たとえば、∀m=1のように)汚損特徴ごとの寄与度に対し、汚損度の判定結果に応じてフィードバック調整する点が第1の実施の形態と異なる。たとえば、汚損特徴ごとの影響度を算出し、影響度の小さい汚損特徴の寄与度を小さくする。汚損特徴xの影響度Eを算出するには、たとえば、下記数式のように、その汚損特徴の寄与度を一時的に零としたときの出力差を用いるものがある。
【0069】
=z−zmi=0
図16は、第3の実施の形態に係る動作を説明するフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、評価部15は、寄与度記憶部12からI個の汚損特徴ごとの寄与度mを読込み、初期値として設定する(ステップS91)。寄与度mの読込みは、前述した図2のステップS2と同様である。
【0070】
次に、入力部11によりI個の汚損特徴xを評価部15に入力する(ステップS92)。汚損特徴xの入力は、前述した図2のステップS1と同様である。以降、参照ベクトル読込み(ステップS93)、分散パラメータ読込み(ステップS94)、表価値算出(ステップS95)、重み読込み(ステップS96)、汚損度判定(ステップS97)まで順次行なう。これらステップS93〜S97までの処理は、前述した図2のステップS3〜S7と同様である。
【0071】
次に、フィードバック調整部19は、初期設定された汚損特徴ごとの寄与度に対し、判定部17の判定結果に応じてフィードバック調整する(ステップS98)。このフィードバック調整は、上述したように、たとえば、汚損特徴ごとの影響度を算出し、影響度の小さい汚損特徴の寄与度を小さくするように行なう。
【0072】
次に、フィードバック調整部19は、フィードバック調整の終了条件(あらかじめ定められたフィードバック調整回数)に達したか否かをチェックし(ステップS99)、終了条件に達していない場合はステップS92に戻って上記同様な動作を繰り返し、終了条件に達していれば、当該処理を終了する。
【0073】
図17は、I個の寄与度をフィードバック調整する処理を行なうフローチャートを示したものであり、以下、それについて説明する。まず、変数iに「1」をセットした後(ステップS101)、[i≦I]かどうかをチェックし(ステップS102)、[i≦I]であれば、汚損特徴xの影響度が少ないか否かをチェックする(ステップS103)。
【0074】
このチェックの結果、汚損特徴xの影響度が少ない場合、[m=m−Δm]の計算を行ない(ステップS104)、その後、変数iを「+1」して(ステップS105)、ステップS102に戻り、上記同様な動作を繰り返す。
【0075】
ステップS103におけるチェックの結果、汚損特徴xの影響度が少なくない場合、ステップS104をジャンプしてステップS105に進む。
ステップS102におけるチェックの結果、[i≦I]でなければ、全ての寄与度mを再正規化し(ステップS106)、当該処理を終了する。
【0076】
第3の実施の形態で注目すべきは、各汚損特徴の寄与度が汚損度の判定結果に応じて自動的に最適化されることである。また、フィードバック調整された結果が顧客にとって分かりやすいものであることは、既に述べたことから明らかである。
【0077】
なお、第3の実施の形態は、これに限定されるものではなく、様々な形態で実施可能である。たとえば、寄与度のフィードバック調整においては、影響度の小さい汚損特徴の寄与度を小さくするのではなく、影響度の大きい汚損特徴の寄与度を大きくする、あるいは、その両方を実施するなどが考えられる。
【0078】
以上説明したように、上記実施の形態によれば、最終的な汚損度判定への寄与度が入力される汚損特徴のそれぞれに独立して定義、蓄積されるため、顧客の要求仕様ごとに変化する汚損特徴の重み付けに迅速に対応できる。
また、汚損特徴ごとの寄与度の値は、学習時には変化しないため、学習後(稼動時)、顧客の業態に合わせて随時設定、調整が可能となる。
さらに、各汚損特徴の寄与度が汚損度判定結果に応じて自動的に最適化できるため、たとえば、顧客の要求を顧客自身が把握していない場合など、サンプルを評価するだけで顧客の潜在要求が抽出でき、かつ、その結果が従来技術のようにブラックボックス化されることなく、顧客にとってわかりやすいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る紙葉類の汚損度判定装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】第1の実施の形態に係る動作を説明するフローチャート。
【図3】汚損特徴を入力する処理を説明するフローチャート。
【図4】寄与度を読込む処理を説明するフローチャート。
【図5】参照ベクトルを読込む処理を説明するフローチャート。
【図6】分散パラメータを読込む処理を説明するフローチャート。
【図7】評価値を算出する処理を説明するフローチャート。
【図8】重みを読込む処理を説明するフローチャート。
【図9】最終的な汚損度を判定する処理を説明するフローチャート。
【図10】局所表現型ニューラルネットの全体図。
【図11】局所表現型ニューラルネットの中間層ユニットの反応特性を示すグラフ。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る紙葉類の汚損度判定装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図13】第2の実施の形態に係る動作を説明するフローチャート。
【図14】寄与度を設定(調整)する処理を説明するフローチャート。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る紙葉類の汚損度判定装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図16】第3の実施の形態に係る動作を説明するフローチャート。
【図17】寄与度をフィードバック調整する処理を説明するフローチャート。
【図18】第1の公知技術における汚損特徴の頻度分布を模式的に示すグラフ。
【図19】第2の公知技術によって実現される汚損特徴の非線形変換を模式的に示すグラフ。
【図20】第2の公知技術における汚損特徴の頻度分布を模式的に示すグラフ。
【図21】3層パーセプトロン型ニューラルネットの全体図。
【図22】非線形変換の例としてシグモイド関数を説明するグラフ。
【符号の説明】
【0080】
11…入力部(入力手段)、12…寄与度記憶部(寄与度記憶手段)、13…参照ベクトル記憶部(参照ベクトル記憶手段)、14…分散パラメータ記憶部(分散パラメータ記憶手段)、15…評価部(評価手段)、16…重み記憶部(重み記憶手段)、17…判定部(判定手段)、18…寄与度設定部(寄与度設定手段)、19…フィードバック調整部(フィードバック調整手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力手段と、
前記複数の汚損特徴ごとの寄与度を記憶する寄与度記憶手段と、
前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段と、
前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段と、
前記入力手段により入力された複数の汚損特徴と前記寄与度記憶手段に記憶された寄与度と前記参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと前記分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価手段と、
評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段と、
前記評価手段により算出された評価値と前記重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類の汚損度判定装置。
【請求項2】
紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力手段と、
前記複数の汚損特徴ごとの寄与度を設定する寄与度設定手段と、
前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段と、
前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段と、
前記入力手段により入力された複数の汚損特徴と前記寄与度設定手段で設定された寄与度と前記参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと前記分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価手段と、
評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段と、
前記評価手段により算出された評価値と前記重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類の汚損度判定装置。
【請求項3】
紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力手段と、
前記複数の汚損特徴ごとの寄与度の初期値を設定する寄与度初期値設定手段と、
前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段と、
前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段と、
前記入力手段により入力された複数の汚損特徴と前記寄与度初期値設定手段で設定された寄与度と前記参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと前記分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価手段と、
評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段と、
前記評価手段により算出された評価値と前記重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定手段と、
この判定手段の判定結果に応じて前記寄与度初期値設定手段で設定された寄与度をフィードバック調整するフィードバック調整手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類の汚損度判定装置。
【請求項4】
紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力工程と、
この入力工程により入力された複数の汚損特徴と、前記複数の汚損特徴ごとの寄与度を記憶する寄与度記憶手段に記憶された寄与度と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価工程と、
この評価工程により算出された評価値と評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類の汚損度判定方法。
【請求項5】
紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力工程と、
前記複数の汚損特徴ごとの寄与度を設定する寄与度設定工程と、
前記入力工程により入力された複数の汚損特徴と、前記寄与度設定工程で設定された寄与度と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価工程と、
この評価工程により算出された評価値と評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類の汚損度判定方法。
【請求項6】
紙葉類から得られる複数の汚損特徴の値を入力する入力工程と、
前記複数の汚損特徴ごとの寄与度の初期値を設定する寄与度初期値設定工程と、
前記入力工程により入力された複数の汚損特徴と、前記寄与度初期値設定工程で設定された寄与度と、前記複数の汚損特徴の分布を反映した参照ベクトルを記憶する参照ベクトル記憶手段に記憶された参照ベクトルと、前記複数の汚損特徴の分布を反映した分散パラメータを記憶する分散パラメータ記憶手段に記憶された分散パラメータとから複数の評価値を算出する評価工程と、
この評価工程により算出された評価値と評価値ごとの重みを記憶する重み記憶手段に記憶された重みとに基づき前記紙葉類に対する最終的な汚損度を判定する判定工程と、
この判定肯定の判定結果に応じて前記寄与度初期値設定工程で設定された寄与度をフィードバック調整するフィードバック調整工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類の汚損度判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−204352(P2008−204352A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42292(P2007−42292)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】