説明

紙葉類判別装置および紙葉類判別方法

【課題】様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、色情報を有効に用いることにより常に安定した種類等の判別が行なえる紙葉類判別装置を提供する。
【解決手段】紙葉類上のカラー画像をカラーカメラにより取得し、この取得したカラー画像から当該カラー画像を構成するR、G、Bのパターンを入力パターンとして抽出し、この抽出されたR、G、Bの入力パターンと、あらかじめ判別対象の複数種の紙葉類から取得したカラー画像に基づき作成されたR、G、Bの辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算し、この求めた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、紙幣やそれ以外の有価証券などの紙葉類を区分処理する紙葉類処理装置において、紙葉類の種類や真偽等を判別する紙葉類判別装置および紙葉類判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、たとえば、紙幣やそれ以外の有価証券などの紙葉類を区分処理する紙葉類処理装置において、紙葉類の種類等を判別する紙葉類判別装置にあっては、あらかじめ判別対象とする複数種の紙葉類から取得した辞書パターンを辞書パターン記憶部に記憶しておき、入力された紙葉類の画像から取得した入力パターンと辞書パターン記憶部内の辞書パターンとを照合することにより両パターンの一致度を表す評価値を計算し、求めた評価値に基づき当該紙葉類の種類等を判別する方法が用いられている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−288627号公報
【特許文献2】特開2005−293285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の種類(以降、券種ともいう)判別は、全ての紙葉類に対する種類判別を同一色のデータあるいは濃淡データで実施している。この方法では、対応すべき紙葉類の種類が少なく、色味が似ている場合は問題ないが、対応種類が増え、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合には、どうしてもパターンの出にくい種類ができてしまい、特定種類で種類判別の性能が悪くなることがあるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、色情報を有効に用いることにより常に安定した種類等の判別が行なえる紙葉類判別装置および紙葉類判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の紙葉類判別装置は、判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとの辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、前記パターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された複数の色ごとの辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段と、この評価値計算手段により求められた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段とを具備している。
【0006】
また、本発明の紙葉類判別装置は、判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、このパターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換手段と、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンがそれぞれ別の表色系に変換されてなる辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、前記パターン変換手段により変換された表色系の各入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された表色系の各辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段と、この評価値計算手段により求められた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段とを具備している。
【0007】
また、本発明の紙葉類判別装置は、判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色のうち特定の1つの色を指定する指定色情報と当該色の辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、前記パターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンのうち前記辞書パターン記憶手段に記憶された指定色情報で指定される色の入力パターンを選択し、この選択した入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された辞書パターンとを照合することにより両パターンの一致度を表す評価値を計算する評価値計算手段と、この評価値計算手段により求められた評価値に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段とを具備している。
【0008】
また、本発明の紙葉類判別装置は、判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとの辞書パターンおよび各色ごとの重み情報をあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、前記パターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された複数の色ごとの辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段と、この評価値計算手段により求められた各評価値を前記辞書パターン記憶手段に記憶されている各色ごとの重み情報による重みを対応する色ごとに付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段とを具備している。
【0009】
また、本発明の紙葉類判別装置は、判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、このパターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換手段と、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色のうち特定の1つの色を指定する指定色情報と当該色のパターンが別の表色系に変換されてなる辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、前記パターン変換手段により変換された表色系の各入力パターンのうち前記辞書パターン記憶手段に記憶された指定色情報で指定される色の入力パターンを選択し、この選択した入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された辞書パターンとを照合することにより両パターンの一致度を表す評価値を計算する評価値計算手段と、この評価値計算手段により求められた評価値に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段とを具備している。
【0010】
さらに、本発明の紙葉類判別装置は、判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、このパターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換手段と、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンがそれぞれ別の表色系に変換されてなる辞書パターンおよび各色ごとの重み情報をあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、前記パターン変換手段により変換された表色系の各入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された表色系の各辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段と、この評価値計算手段により求められた各評価値を前記辞書パターン記憶手段に記憶されている各色ごとの重み情報による重みを対応する色ごとに付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段とを具備している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、色情報を有効に用いることにより常に安定した種類等の判別が行なえる紙葉類判別装置および紙葉類判別方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る紙葉類判別装置の構成を概略的に示すものである。この紙葉類判別装置は、判別対象としての紙幣などの紙葉類Pを搬送する搬送手段としての搬送路11、搬送路11で搬送される紙葉類Pの表面を照明する照明装置12、照明装置12で照明された紙葉類Pの表面のカラー画像を取得するカラー画像取得手段としてのカラービデオカメラ(以降、単にカラーカメラと称す)13、カラーカメラ13で得られたカラー画像を処理することにより、たとえば紙葉類Pの種類を判別する処理部14、および、処理部14の判別結果に基づき搬送路11および図示しない紙葉類区分手段などの制御を行なう搬送制御部15を有して構成されている。
【0013】
処理部14は、たとえば、図2に示すように、カラーカメラ13で撮像されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色、この例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の入力パターンS,S,S(=S)として抽出するパターン抽出手段としての画像処理部21、画像処理部21から得られる入力パターンS,S,Sを一時記憶する入力パターン記憶部22、あらかじめ判別対象とする複数種の紙葉類から取得したカラー画像に基づき作成された当該カラー画像を構成する複数の色、この例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の辞書パターンDiR,DiG,DiB(=D)を記憶している辞書パターン記憶手段としての辞書パターン記憶部23、入力パターン記憶部22内の入力パターンS,S,Sと辞書パターン記憶部23内の辞書パターンDiR,DiG,DiBとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段、および、求められた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類Pの種類を判別する判別手段として機能する判別処理部24を有して構成されている。
【0014】
判別処理部24は、カラーカメラ13から前述したようにR,G,Bの3色のデータが得られる場合、入力パターンS=(S,S,S):S=(SR1,SR2,…,SRM)、S=(SG1,SG2,…,SGM)、S=(SB1,SB2,…,SBM)を入力パターン記憶部22から読出すとともに、各券種の辞書パターンD=(DiR,DiG,DiB):DiR=(DiR1,DiR2,…,DiRM)、DiG=(DiG1,DiG2,…,DiGM)、DiB=(DiB1,DiB2,…,DiBM)を辞書パターン記憶部23から読出すことにより、券種判別の処理を行なう。
ここに、図3は辞書パターン記憶部23の記憶内容の一例を示している。
【0015】
図4は、判別処理部24における券種判別処理の流れを示しており、以下、それについて説明する。まず、評価関数f(S,D)により券種iの評価値E(i)を求め、この求めた評価値E(i)とそれまでの評価値の最大値(Emax)とを比較し、評価値E(i)が最大値(Emax)よりも大きければ、E(i)をEmaxとし、iを券種番号DNMとして記憶する。この処理は全ての券種に対して繰り返えされ、繰り返し処理が終わった後にDNMに記憶されている券種番号が当該紙葉類Pの券種番号として搬送制御部15に送られる。
【0016】
評価値E(i)を求める評価関数f(S,D)は、対応する色ごとに評価関数f1(S,DiC)にて評価した各色の評価値に重みを付けて加算する(下記式参照)。
E(i)=f(S,D)=Kr×f1(S,DiR
+Kg×f1(S,DiG)+Kb×f1(S,DiB
Kr,Kg,Kb:各色に対する重み情報(Kr+Kg+Kb=1)
評価関数f1(S,DiC)の一例として、下記数1に示すように、S=(SC1,SC2,…,SCM)とDiC=(DiC1,DiC2,…,DiCM)との内積が考えられる。
【数1】

【0017】
このように、第1の実施の形態によれば、紙葉類から取得したカラー画像の色ごとに辞書パターンとの評価値を計算し、この求めた評価値を色ごとに重みを付けて加算し、この加算結果を券種判別するための評価値とすることで、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、常に安定した券種判別が行なえる。
【0018】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図5は、第2の実施の形態に係る処理部14の構成を示している。第2の実施の形態に係る処理部14は、たとえば、カラーカメラ13で撮像されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色、この例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の入力パターンS,S,S(=S)として抽出するパターン抽出手段としての画像処理部31、画像処理部21から得られる入力パターンS,S,Sを一時記憶する入力パターン記憶部32、入力パターン記憶部22内の入力パターンS,S,SをH(Hue:色相)、S(Saturation:彩度)、V(Value:バリュー)の表色系のパターンS,S,Sに変換するパターン変換手段としてのパターン変換部33、あらかじめ判別対象とする複数種の紙葉類から取得したカラー画像に基づき作成された当該カラー画像を構成する複数の色、この例ではR、G、BのパターンがそれぞれH、S、Vの表色系に変換されてなる辞書パターンDiH,DiS,DiV(=D)を記憶している辞書パターン記憶手段としての辞書パターン記憶部34、パターン変換部33で変換された入力パターンS,S,Sと辞書パターン記憶部23内の辞書パターンDiH,DiS,DiVとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段、および、求められた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類Pの種類を判別する判別手段として機能する判別処理部35を有して構成されている。
【0019】
パターン変換部33は、たとえば、図6に示すフローチャートにしたがって処理することで、R,G,Bの入力パターンS,S,SをH、S、Vの表色系のパターンS,S,Sに変換する。図6のフローチャートは、文献「Smith,Alvey Ray,”Color Gamut Transformation Pairs”,Computer Graphics,Vol.12,pp.12−19,1978(Proc SIGGRAPH 78)」を参照した表色系変換アルゴリズムである。
【0020】
判別処理部35は、カラーカメラ13から前述したようにR,G,Bの3色のデータが得られる場合、入力パターンS=(S,S,S):S=(SH1,SH2,…,SHM)、S=(SS1,SS2,…,SSM)、S=(SV1,SV2,…,SVM)をパターン変換部33から取得すとともに、各券種の辞書パターンD=(DiH,DiS,DiV):DiH=(DiH1,DiH2,…,DiHM)、DiS=(DiS1,DiS2,…,DiSM)、DiV=(DiV1,DiV2,…,DiVM)を辞書パターン記憶部34から読出すことにより、券種判別の処理を行なう。
ここに、図7は辞書パターン記憶部34の記憶内容の一例を示している。
【0021】
なお、判別処理部35における券種判別処理の流れは、前述した第1の実施の形態と基本的には同様であるので説明は省略する。
【0022】
評価値E(i)を求める評価関数f(S,D)は、対応する色ごとに評価関数f3(S,DiC)にて評価した各色の評価値に重みを付けて加算する(下記式参照)。
E(i)=f(S,D)=f3(S,S,S,DiH,DiS,DiV
=Kh×f3(S,DiH)+Ks×f3(S,DiS
+Kv×f3(S,DiV
Kh,Ks,Kv:各色に対する重み情報(Kh+Ks+Kv=1)
このように、第2の実施の形態によれば、紙葉類から取得したカラー画像を表色系に変換した後、辞書パターンとの評価値を計算し、この求めた評価値を重み付けして加算し、この加算結果を券種判別するための評価値とすることで、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、常に安定した券種判別が行なえる。
【0023】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図8は、第3の実施の形態に係る処理部14の構成を示している。第3の実施の形態に係る処理部14は、たとえば、カラーカメラ13で撮像されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色、この例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の入力パターンS,S,S(=S)として抽出するパターン抽出手段としての画像処理部41、画像処理部41から得られる入力パターンS,S,Sを一時記憶する入力パターン記憶部42、あらかじめ判別対象とする複数種の紙葉類から取得したカラー画像に基づき作成された当該カラー画像を構成する複数の色、この例ではR(赤)、G(緑)、B(青)のうち特定の1つの色を指定する指定色情報(DiC )と当該色の辞書パターンD=(Di1,Di2,…,DiM)を記憶している辞書パターン記憶手段としての辞書パターン記憶部43、入力パターン記憶部42内の入力パターンS,S,Sのうち辞書パターン記憶部43に記憶された指定色情報(DiC )で指定される色の入力パターンを選択し、この選択した入力パターンと辞書パターン記憶部43内の辞書パターンD=(Di1,Di2,…,DiM)とを照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段、および、求められた各評価値に基づき当該紙葉類Pの種類を判別する判別手段として機能する判別処理部44を有して構成されている。
ここに、上記指定色情報(DiC )は、この実施の形態では他の紙葉類と最もパターンに差が表われやすい1つの色を指定するものとする。
【0024】
判別処理部44は、カラーカメラ13から前述したようにR,G,Bの3色のデータが得られる場合、入力パターンS=(S,S,S):S=(SR1,SR2,…,SRM)、S=(SG1,SG2,…,SGM)、S=(SB1,SB2,…,SBM)のうち、指定色情報(DiC )で指定された色の入力パターンSDiC =(SDiC1,SDiC2,…,SDiCM)を入力パターン記憶部42から読出すとともに、各券種の辞書パターンD=(Di1,Di2,…,DiM)を辞書パターン記憶部43から読出すことにより、券種判別の処理を行なう。
ここに、図9は辞書パターン記憶部43の記憶内容の一例を示している。
【0025】
図10は、判別処理部44における券種判別処理の流れを示しており、以下、それについて説明する。まず、評価関数f(SDiC ,D)により券種iの評価値E(i)を求め、この求めた評価値E(i)とそれまでの評価値の最大値(Emax)とを比較し、評価値E(i)が最大値(Emax)よりも大きければ、E(i)をEmaxとし、iを券種番号DNMとして記憶する。この処理は全ての券種に対して繰り返えされ、繰り返し処理が終わった後にDNMに記憶されている券種番号が当該紙葉類Pの券種番号として搬送制御部15に送られる。
【0026】
評価値E(i)を求める評価関数f(SDiC ,D)の一例として、下記数2に示すように、SDiC =(SDiC1,SDiC2,…,SDiCM)とD=(Di1,Di2,…,DiM)との内積が考えられる。
【数2】

【0027】
このように、第3の実施の形態によれば、紙葉類から取得したカラー画像のうち、辞書パターン記憶部にあらかじめ記憶された指定色情報で指定された色を用いて辞書パターンとの評価値を計算し、この求めた評価値を券種判別するための評価値とすることで、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、常に安定した券種判別が行なえる。
【0028】
次に、第4の実施の形態について説明する。
図11は、第4の実施の形態に係る処理部14の構成を示している。第4の実施の形態に係る処理部14は、たとえば、カラーカメラ13で撮像されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色、この例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の入力パターンS,S,S(=S)として抽出するパターン抽出手段としての画像処理部51、画像処理部51から得られる入力パターンS,S,Sを一時記憶する入力パターン記憶部52、あらかじめ判別対象とする複数種の紙葉類から取得したカラー画像に基づき作成された当該カラー画像を構成する複数の色、この例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の辞書パターンDiR,DiG,DiB(=D)および各色ごとの重み情報(WiR,WiG,WiB)を記憶している辞書パターン記憶手段としての辞書パターン記憶部53、入力パターン記憶部52内の入力パターンS,S,Sと辞書パターン記憶部53内の辞書パターンDiR,DiG,DiBとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段、および、求められた各評価値を辞書パターン記憶部53に記憶されている重み情報(WiR,WiG,WiB)による重みを対応する色ごとに付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類Pの種類を判別する判別手段として機能する判別処理部54を有して構成されている。
ここに、上記重み情報(WiR,WiG,WiB)は、この実施の形態では他の紙葉類と最もパターンに差が表われやすい色間演算の重み情報とする。
【0029】
判別処理部54は、カラーカメラ13から前述したようにR,G,Bの3色のデータが得られる場合、入力パターンS=(S,S,S):S=(SR1,SR2,…,SRM)、S=(SG1,SG2,…,SGM)、S=(SB1,SB2,…,SBM)を入力パターン記憶部52から読出すとともに、各券種の辞書パターンD=(DiR,DiG,DiB):DiR=(DiR1,DiR2,…,DiRM)、DiG=(DiG1,DiG2,…,DiGM)、DiB=(DiB1,DiB2,…,DiBM)を辞書パターン記憶部53から読出すことにより、券種判別の処理を行なう。
ここに、図12は辞書パターン記憶部53の記憶内容の一例を示している。
【0030】
なお、判別処理部54における券種判別処理の流れは、前述した第1の実施の形態(図4)と同様であるので説明は省略する。
【0031】
評価値E(i)を求める評価関数f(S,D)は、対応する色ごとに評価関数f1(S,DiC)にて評価した各色の評価値に辞書パターン記憶部53に記憶されている重み情報(WiR,WiG,WiBによる重みを付けて加算する(下記式参照)。
E(i)=f(S,D)=WiR×f1(S,DiR
+WiG×f1(S,DiG)+WiB×f1(S,DiB
iR,WiG,WiB:各色に対する重み情報(WiR+WiG+WiB=1)
評価関数f1(S,DiC)の一例として、前記数1に示したように、S=(SC1,SC2,…,SCM)とDiC=(DiC1,DiC2,…,DiCM)との内積が考えられる。
このように、第4の実施の形態によれば、紙葉類から取得したカラー画像の色ごとに辞書パターンとの評価値を計算し、この求めた評価値を辞書パターン記憶部にあらかじめ記憶されている重みを用いて加算し、この加算結果を券種判別するための評価値とすることで、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、常に安定した券種判別が行なえる。
【0032】
なお、前述した第1〜第4の実施の形態に限らず、たとえば、第2の実施の形態と第3の実施の形態とを合併することで、紙葉類から取得したカラー画像を表色系に変換した後、辞書パターン記憶部にあらかじめ記憶された指定色情報で指定された色を用いて辞書パターンとの評価値を計算し、この求めた評価値を券種判別するための評価値とするようにしてもよく、このようにしても、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、常に安定した券種判別が行なえる。
【0033】
また、たとえば、第2の実施の形態と第4の実施の形態とを合併することで、紙葉類から取得したカラー画像を表色系に変換した後、辞書パターンとの評価値を計算し、この求めた評価値を辞書パターン記憶部にあらかじめ記憶されている重みを用いて加算し、この加算結果を券種判別するための評価値とするようにしてもよく、このようにしても、様々な色の紙葉類に対応しなければいけない場合でも、常に安定した券種判別が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係る紙葉類判別装置の構成を概略的に示す模式図。
【図2】第1の実施の形態に係る処理部の構成および券種判別の様子を説明する模式図。
【図3】第1の実施の形態に係る辞書パターン記憶部の記憶内容の一例を示す模式図。
【図4】第1の実施の形態に係る判別処理部における券種判別処理の流れを示すフローチャート。
【図5】第2の実施の形態に係る処理部の構成および券種判別の様子を説明する模式図。
【図6】第2の実施の形態に係るパターン変換部における表色系変換アルゴリズムを示すフローチャート。
【図7】第2の実施の形態に係る辞書パターン記憶部の記憶内容の一例を示す模式図。
【図8】第3の実施の形態に係る処理部の構成および券種判別の様子を説明する模式図。
【図9】第3の実施の形態に係る辞書パターン記憶部の記憶内容の一例を示す模式図。
【図10】第3の実施の形態に係る判別処理部における券種判別処理の流れを示すフローチャート。
【図11】第4の実施の形態に係る処理部の構成および券種判別の様子を説明する模式図。
【図12】第4の実施の形態に係る辞書パターン記憶部の記憶内容の一例を示す模式図。
【符号の説明】
【0035】
P…紙葉類(紙幣)、11…搬送路(搬送手段)、12…照明装置、13…カラーカメラ(カラー画像取得手段)、14…処理部、15…搬送制御部、21,31,41,51…画像処理部(パターン抽出手段)、22,32,42,52…入力パターン記憶部、23,34,43,53…辞書パターン記憶部(辞書パターン記憶手段)、24,35,44,54…判別処理部(評価値計算手段、判別手段)、33…パターン変換部(パターン変換手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、
この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、
このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、
紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとの辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、
前記パターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された複数の色ごとの辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段と、
この評価値計算手段により求められた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別装置。
【請求項2】
判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、
この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、
このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、
このパターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換手段と、
紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンがそれぞれ別の表色系に変換されてなる辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、
前記パターン変換手段により変換された表色系の各入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された表色系の各辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段と、
この評価値計算手段により求められた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別装置。
【請求項3】
判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、
この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、
このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、
紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色のうち特定の1つの色を指定する指定色情報と当該色の辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、
前記パターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンのうち前記辞書パターン記憶手段に記憶された指定色情報で指定される色の入力パターンを選択し、この選択した入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された辞書パターンとを照合することにより両パターンの一致度を表す評価値を計算する評価値計算手段と、
この評価値計算手段により求められた評価値に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別装置。
【請求項4】
判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、
この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、
このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、
紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとの辞書パターンおよび各色ごとの重み情報をあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、
前記パターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された複数の色ごとの辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段と、
この評価値計算手段により求められた各評価値を前記辞書パターン記憶手段に記憶されている各色ごとの重み情報による重みを対応する色ごとに付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別装置。
【請求項5】
判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、
この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、
このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、
このパターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換手段と、
紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色のうち特定の1つの色を指定する指定色情報と当該色のパターンが別の表色系に変換されてなる辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、
前記パターン変換手段により変換された表色系の各入力パターンのうち前記辞書パターン記憶手段に記憶された指定色情報で指定される色の入力パターンを選択し、この選択した入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された辞書パターンとを照合することにより両パターンの一致度を表す評価値を計算する評価値計算手段と、
この評価値計算手段により求められた評価値に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別装置。
【請求項6】
判別対象の紙葉類を搬送する搬送手段と、
この搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像を取得するカラー画像取得手段と、
このカラー画像取得手段により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出手段と、
このパターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換手段と、
紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンがそれぞれ別の表色系に変換されてなる辞書パターンおよび各色ごとの重み情報をあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、
前記パターン変換手段により変換された表色系の各入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された表色系の各辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算手段と、
この評価値計算手段により求められた各評価値を前記辞書パターン記憶手段に記憶されている各色ごとの重み情報による重みを対応する色ごとに付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別手段と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別装置。
【請求項7】
前記カラー画像を構成する複数の色とはR(赤)、G(緑)、B(青)であり、前記パターン変換手段は前記R(赤)、G(緑)、B(青)の入力パターンをH(色相)、S(彩度)、V(バリュー)の表色系に変換することを特徴とする請求項2または請求項5記載の紙葉類判別装置。
【請求項8】
前記特定の1つの色を指定する指定色情報とは他の紙葉類と最もパターンに差が表われやすい1つの色を指定する指定色情報であることを特徴とする請求項3または請求項5記載の紙葉類判別装置。
【請求項9】
前記各色ごとの重み情報とは他の紙葉類と最もパターンに差が表われやすい色間演算の重み情報であることを特徴とする請求項4または請求項6記載の紙葉類判別装置。
【請求項10】
搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像をカラー画像取得手段により取得するカラー画像取得工程と、
このカラー画像取得工程により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出工程と、
このパターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンと、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとの辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段に記憶された複数の色ごとの辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算工程と、
この評価値計算工程により求められた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別方法。
【請求項11】
搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像をカラー画像取得手段により取得するカラー画像取得工程と、
このカラー画像取得工程により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出工程と、
このパターン抽出工程により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換工程と、
このパターン変換工程により変換された表色系の各入力パターンと、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンがそれぞれ別の表色系に変換されてなる辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段に記憶された表色系の各辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算工程と、
この評価値計算工程により求められた各評価値を色ごとに所定の重みを付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別方法。
【請求項12】
搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像をカラー画像取得手段により取得するカラー画像取得工程と、
このカラー画像取得工程により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出工程と、
このパターン抽出手段により抽出された複数の色ごとの入力パターンのうち、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色のうち特定の1つの色を指定する指定色情報と当該色の辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段に記憶された指定色情報で指定される色の入力パターンを選択し、この選択した入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された辞書パターンとを照合することにより両パターンの一致度を表す評価値を計算する評価値計算工程と、
この評価値計算工程により求められた評価値に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別方法。
【請求項13】
搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像をカラー画像取得手段により取得するカラー画像取得工程と、
このカラー画像取得工程により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出工程と、
このパターン抽出工程により抽出された複数の色ごとの入力パターンと、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとの辞書パターンおよび各色ごとの重み情報をあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段に記憶された複数の色ごとの辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算工程と、
この評価値計算工程により求められた各評価値を前記辞書パターン記憶手段に記憶されている各色ごとの重み情報による重みを対応する色ごとに付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別方法。
【請求項14】
搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像をカラー画像取得手段により取得するカラー画像取得工程と、
このカラー画像取得工程により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出工程と、
このパターン抽出工程により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換工程と、
このパターン変換工程により変換された表色系の各入力パターンのうち、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色のうち特定の1つの色を指定する指定色情報と当該色のパターンが別の表色系に変換されてなる辞書パターンをあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段に記憶された指定色情報で指定される色の入力パターンを選択し、この選択した入力パターンと前記辞書パターン記憶手段に記憶された辞書パターンとを照合することにより両パターンの一致度を表す評価値を計算する評価値計算工程と、
この評価値計算工程により求められた評価値に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別方法。
【請求項15】
搬送手段により搬送される紙葉類上のカラー画像をカラー画像取得手段により取得するカラー画像取得工程と、
このカラー画像取得工程により取得されたカラー画像から当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンを入力パターンとして抽出するパターン抽出工程と、
このパターン抽出工程により抽出された複数の色ごとの入力パターンをそれぞれ別の表色系のパターンに変換するパターン変換工程と、
紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンがそれぞれ別の表色系に変換されてなる辞書パターンおよび各色ごとの重み情報をあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段と、
このパターン変換工程により変換された表色系の各入力パターンと、紙葉類の種類にそれぞれ対応するカラー画像から取得された当該カラー画像を構成する複数の色ごとのパターンがそれぞれ表色系に変換されてなる辞書パターンおよび各色ごとの重み情報をあらかじめ記憶している辞書パターン記憶手段に記憶された表色系の各辞書パターンとを対応する色ごとに照合することにより両パターンの一致度を表す評価値をそれぞれ計算する評価値計算工程と、
この評価値計算工程により求められた各評価値を前記辞書パターン記憶手段に記憶されている各色ごとの重み情報による重みを対応する色ごとに付けて加算し、その加算結果に基づき当該紙葉類の種類等を判別する判別工程と、
を具備したことを特徴とする紙葉類判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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