説明

紙葉類取扱装置、および、現金自動取扱装置

【課題】本発明は、紙葉類取扱装置において、内部の識別部を容易に清掃するための技術を提供することを目的とする。
【解決手段】紙葉類取扱装置は、紙葉類を搬送するための第1の搬送機構部と第2の搬送機構部とを有する搬送路と、搬送路上に配置され、搬送路により搬送される紙葉類から情報を取得するためのセンサ部と、第1の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、第2の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、を制御可能な制御部と、を備え、搬送路上において、第1の搬送機構部と、第2の搬送機構部と、センサ部とが、この順に隣接して配置されており、制御部は、第2の搬送機構部の搬送速度を第1の搬送機構部の搬送速度より遅くすることにより、第1の搬送機構部を経由して第2の搬送機構部からセンサ部に向かう紙葉類をセンサ部に接触させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類取扱装置、および、現金自動取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ATM(Automatic Teller Machine)などの現金自動取扱装置に搭載される紙幣類取扱装置には、投入された紙幣の金種や、真贋を識別するための識別部が備えられている(特許文献1、2)。識別部は、透過型センサや反射型センサ等のセンサを備え、このセンサによって得られた情報に基づいて、紙幣の金種や真贋などを識別する。
【0003】
この識別部に関して、従来から、埃や紙粉などの異物がセンサの表面に付着すると識別精度が低下する問題があった、近年のセンシング技術の高精度化に伴い、この問題はより顕著となっている。なお、紙幣類取扱装置の内部を清掃するための方法としては、清掃薬剤を染みこませた不織布で形成されたクリーニング媒体によって汚れを拭き取る方法が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−281603号
【特許文献2】特開2004−157624号
【特許文献3】特開2008−17250号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このクリーニング媒体を使用して、紙幣類取扱装置の内部の清掃をおこなう場合には、その間、システムの運用を停止させなければならなかった。また、作業員等が清掃の度にクリーニング媒体を紙幣類取扱装置に取り付けなければならなかった。このように、紙幣類取扱装置の内部の清掃をおこなう場合には様々の不具合が発生するため、清掃を容易におこなうことができなかった。なお、上述した問題は、紙幣を取り扱う紙幣類取扱装置に限定されず、紙幣や証券などの紙葉類を取り扱う紙葉類取扱装置に共通の問題であった。
【0006】
本発明は、上記した課題の少なくとも一部を解決するためになされた発明であり、紙葉類取扱装置において、内部の識別部を容易に清掃するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本願発明は、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
紙葉類取扱装置であって、
紙葉類を搬送するための第1の搬送機構部と第2の搬送機構部とを有する搬送路と、
前記搬送路上に配置され、前記搬送路により搬送される紙葉類から情報を取得するためのセンサ部と、
前記第1の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、前記第2の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、を制御可能な制御部と、を備え、
前記搬送路上において、前記第1の搬送機構部と、前記第2の搬送機構部と、前記センサ部とが、この順に隣接して配置されており、
前記制御部は、前記第2の搬送機構部の前記搬送速度を前記第1の搬送機構部の前記搬送速度より遅くすることにより、前記第1の搬送機構部を経由して前記第2の搬送機構部から前記センサ部に向かう紙葉類を前記センサ部に接触させる、紙葉類取扱装置。
【0009】
この構成によれば、第2の搬送機構部からセンサ部に向かう紙葉類をセンサ部に接触させることによって、センサ部を容易に清掃することができる。
【0010】
[適用例2]
適用例1に記載の紙葉類取扱装置において、
前記第2の搬送機構部は、前記搬送路上の紙葉類を挟持することが可能なローラ対を含んでおり、
前記搬送路は、前記第1の搬送機構部と前記第2の搬送機構部との間において、紙葉類を撓ませた状態で前記ローラ対によって前記紙葉類を挟持し、前記ローラ対から前記紙葉類を搬送方向に対して斜めに繰り出すことによって、前記センサ部に接触させる、紙葉類取扱装置。
【0011】
この構成によれば、第1の搬送機構部と第2の搬送機構部との間において、紙葉類を撓ませた状態でローラ対によって紙葉類を挟持するため、ローラ対から紙葉類を搬送方向に対して斜めに繰り出すことができ、センサ部を容易に清掃することができる。
【0012】
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の紙葉類取扱装置はさらに、
紙葉類を収納するための紙葉類収納庫を備え、
前記制御部は、前記紙葉類収納庫から繰り出した紙葉類を前記センサ部に接触させる、紙葉類取扱装置。
【0013】
この構成によれば、紙葉類取扱装置の内部の紙葉類を用いるため、センサ部を容易に清掃することができる。
【0014】
[適用例4]
適用例3に記載の紙葉類取扱装置はさらに、
所定の時間に前記制御部に信号を送信可能な時間管理部を備え、
前記制御部は、前記時間管理部から前記信号を受信したときに、前記紙葉類収納庫から繰り出した紙葉類を前記センサ部に接触させる、紙葉類取扱装置。
【0015】
この構成によれば、所定の時間に容易にセンサ部を清掃することができる。
【0016】
[適用例5]
適用例2ないし適用例4のいずれかに記載の紙葉類取扱装置において、
前記ローラ対は、前記第2の搬送機構部から繰り出された紙葉類から受ける回転力が所定値以上となったときに、前記回転力が所定値以下となるまで回転速度が上昇する、紙葉類取扱装置。
【0017】
この構成によれば、第2の搬送機構部から繰り出された紙葉類から受ける回転力が所定値以上となったときに、回転力が所定値以下となるまで第1のローラ対の回転速度が上昇するため、第1の搬送機構部と第2の搬送機構部との間において、ジャムなどの不具合の発生を抑制することができる。
【0018】
[適用例6]
紙葉類取扱装置を有する現金自動取扱装置であって、
前記紙葉類取扱装置は、
紙葉類を搬送するための第1の搬送機構部と第2の搬送機構部とを有する搬送路と、
前記搬送路上に配置され、前記搬送路により搬送される紙葉類から情報を取得するためのセンサ部と、
前記第1の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、前記第2の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、を制御可能な制御部と、を備え、
前記搬送路上において、前記第1の搬送機構部と、前記第2の搬送機構部と、前記センサ部とが、この順に隣接して配置されており、
前記制御部は、前記第2の搬送機構部の前記搬送速度を前記第1の搬送機構部の前記搬送速度より遅くすることにより、前記第1の搬送機構部を経由して前記第2の搬送機構部から前記センサ部に向かう紙葉類を前記センサ部に接触させることを特徴とする、現金自動取扱装置。
【0019】
この構成によれば、現金自動取扱装置の内部に配置されているセンサ部を容易に清掃することができる。
【0020】
なお、本発明は、上記以外の種々の形態で実現することが可能であり、例えば、紙葉類取扱装置を備えるコンピュータ、紙葉類取扱方法、紙葉類取扱装置の制御方法、その制御方法を実現するためのコンピュータープログラム、および、そのコンピュータープログラムを記録した記憶媒体等の形態で実現することができる。また、本発明に係る紙葉類取扱装置は、適宜、他の部材と組み合わせて適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施例に係る紙幣取扱装置を搭載した現金自動取引装置の外観を示す斜視図である。
【図2】紙幣取扱装置の概略構成を示す側断面図である。
【図3】紙幣識別部付近を例示した説明図である。
【図4】第2と第3のローラ対の搬送速度を第1のローラ対の搬送速度よりも遅くした状態を例示した説明図である。
【図5】第1のローラ対と第2のローラ対の間で紙幣が撓んだ状態を例示した説明図である。
【図6】第2のローラ対から繰り出される紙幣の状態を例示した説明図である。
【図7】第2のローラ対から繰り出される紙幣がセンサに接触する状態を例示した説明図である。
【図8】第2実施例に係る紙幣取扱装置の紙幣識別部付近を例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.第1実施例:
図1は、第1実施例に係る紙幣取扱装置を搭載した現金自動取引装置の外観を示す斜視図である。この現金自動取引装置100は、銀行などの金融機関によって管理され、利用者(顧客)の操作に応じて各種取引を行うための装置である。現金自動取引装置100は、紙幣取扱装置101と、硬貨取扱装置102と、通帳取扱装置103と、カード明細票取扱装置104と、操作部105と、を備えている。また、図示は省略しているが、現金自動取引装置100は、電源ユニットや、現金自動取引装置100の全体を制御するための本体制御ユニットを備えている。
【0023】
紙幣取扱装置101は、利用者との紙幣の授受を行うための装置である。この紙幣取扱装置101については、後から詳述する。硬貨取扱装置102は、利用者との硬貨の授受を行う。通帳取扱装置103は、通帳を取り扱い、取引に応じて、通帳に記されたマークなどの読み取りや、印字処理などを行う。カード明細票取扱装置104は、磁気ストライプカード(いわゆるキャッシュカード)に記録された情報を読み取ったり、取引に応じて、その内容を記録した取引明細票を発行したりする。操作部105は、入出金取引のための情報表示および入出金取引のための操作入力を行うための利用者とのインタフェースである。
【0024】
図2は、紙幣取扱装置の概略構成を示す側断面図である。紙幣取扱装置101は、上部に配置された上部ユニット101uと、下部に配置された金庫部101cとを備えている。上部ユニット101uは、紙幣入出金部110と、紙幣識別部120と、一時保管庫130と、搬送路140と、取り忘れ紙幣収納庫150と、制御ユニット160と、時刻管理部170と、を備えている。
【0025】
紙幣入出金部110の内部は、仕切板111によって、紙幣繰出部112と、紙幣集積部113とに区分されている。紙幣繰出部112は、利用者によって投入された紙幣を搬送路140に繰り出す繰出機構を備えている。また、紙幣集積部113は、搬送路140から搬送されてきた紙幣を集積するための集積機構を備えている。
【0026】
紙幣識別部120は、搬送路140上に配置されている。紙幣識別部120は、搬送路140によって搬送される紙幣の金種およびリジェクト紙幣であるか否かについての識別をおこなう。リジェクト紙幣とは、例えば、過度の損傷や汚染のある真券や、偽券(真正でない紙幣)、複数枚重なった状態の紙幣、スキューやシフト状態の紙幣等である。紙幣識別部120は、識別結果を制御ユニット160に出力する。紙幣識別部120の具体的な構成は、図3を用いて後述する。
【0027】
一時保管庫130は、集積機構を備え、紙幣入出金部110に投入された紙幣を取引成立までの間、一時的に保管する。取り忘れ紙幣収納庫150は、利用者が入出金時に取り忘れた紙幣を収納するための保管庫である。
【0028】
搬送路140は、上部ユニット101uの各部110、120、130、150や、金庫部101cのリサイクル庫181〜183、リジェクト庫184、および、装填庫185のそれぞれの間において、紙幣の搬送を行う。搬送路140は、複数の搬送ローラや、これらの搬送ローラを双方向に回転させるための図示しないモータを備え、紙幣を双方向に搬送することができる。搬送路140は、複数のゲートによって搬送経路の切り替えをおこなう。搬送路140上には、紙幣の通過を検出するための複数のセンサが配置され、制御ユニット160によって、各搬送路上における紙幣の搬送状況が監視される。
【0029】
金庫部101cには、リサイクル庫181〜183と、リジェクト庫184と、装填庫185とが、紙幣取扱装置101の前後方向に一列に配置されて収納されている。リサイクル庫181〜183は、出金に用いられる紙幣を金種別に収納しておくための保管庫である。リサイクル庫181〜183は、搬送路140から搬送されてきた紙幣を上下方向に集積して収納する機構や、収納されている紙幣を搬送路140に繰り出す機構を備えている。リジェクト庫184は、入出金取引で発生したリジェクト紙幣を収納するための保管庫である。リジェクト庫184は、搬送路140から搬送されてきたリジェクト紙幣を上下方向に集積して収納する機構を備えている。装填庫185は、リサイクル庫181〜183に充填する紙幣を収納するほか、リサイクル庫181〜183から回収した紙幣の保管をおこなうための保管庫である。なお、リジェクト庫184は、省略してもよい。また、紙幣取扱装置101は、4つのリサイクル庫181〜183を備えているが、リサイクル庫の数は任意に設定することができる。
【0030】
制御ユニット160は、内部にCPUや、メモリ等を備えるマイクロコンピュータとして構成され、紙幣識別部120による識別結果や、各搬送路上における紙幣の搬送状況等に基づいて、予め用意されたプログラムに従って、紙幣取扱装置101の動作を制御する。本実施例の制御ユニット160は、搬送路140に配置される搬送ローラの回転速度を制御することによって、紙幣識別部120の表面を紙幣によって清掃するクリーニング処理を実行する。
【0031】
時刻管理部170は、現在時刻の管理をおこなうための装置であり、現在時刻が予め設定されたクリーニング処理の開始時刻となると、制御ユニット160に対して開始信号を送信する。また、現在時刻が予め設定されたクリーニング処理の終了時刻となると、制御ユニット160に対して終了信号を送信する。時刻管理部170は、制御ユニット160の一部として構成されていてもよいし、別個に構成されていてもよい。制御ユニット160は、時刻管理部170から開始信号を受信すると後述するクリーニング処理を開始し、時刻管理部170から終了信号を受信するとクリーニング処理を終了する。
【0032】
図3は、紙幣識別部付近を例示した説明図である。搬送路140は、一対のガイドプレート141の間に形成され、紙幣識別部120の付近に、3つのローラ対(第1のローラ対145、第2のローラ対146、第3のローラ対147)を備えている。3つのローラ対145〜147は、それぞれ、搬送路140の搬送方向(図3の左右方向)と直交する方向で対向する一対のローラによって構成されている。個々のローラには、回転軸axに間隔を持って装着された複数の筒状の搬送ローラ体rbが設けられ、図示しない駆動部によって、双方向に回転可能に構成されている。ローラ対145〜147のそれぞれは、一対のローラによって紙幣Sを挟持しつつ、ローラ対の回転によって紙幣Sを搬送方向に繰り出す。
【0033】
搬送路140上において、第1のローラ対145、第2のローラ対146、および、第3のローラ対147は、この順に並んで配置されている。以後、説明の便宜のため、搬送路140による紙幣の搬送方向(図3左右方向)において、第2のローラ対146に対して第1ローラ対145側(図3左方向)を上流側、第3のローラ対147側(図3右方向)を下流側として説明する。紙幣識別部120は、第2のローラ対146と第3のローラ対147の間に配置され、第2のローラ対146および第3のローラ対147とそれぞれ隣接している。第1のローラ対145と第2のローラ対146とは互いに隣接している。第1のローラ対145と第2のローラ対146との間の距離Dは、搬送路140を搬送される紙幣の搬送方向の幅Wよりも狭く(D<W)なるように構成されている。
【0034】
ここで、第1のローラ対145と第2のローラ対146との間の距離Dとは、第1のローラ対145において、ローラ同士が接触している点(ニップ位置)から第2のローラ対146のニップ位置までの搬送方向の距離をいう。また、ここでの紙幣の幅Wとしては、例えば、紙幣取扱装置101が取り扱い可能な紙幣のうち、搬送方向の幅が最も小さい紙幣の幅が適用される。第1のローラ対145と第2のローラ対146との間の区間を「第1〜第2ローラ区間」とも呼ぶ。
【0035】
紙幣識別部120の内部には、紙幣を識別するためのセンサ121が配置されている。センサ121としては、透過型光学センサ、反射型光学センサ、カラーセンサ、赤外線センサ、UVセンサ等の光学センサや磁気センサ等の種々のセンサを用いることができる。センサ121は、上述した各種センサの組み合わせによって構成されていてもよい。センサ121は、搬送路140上を搬送される紙幣と直接対向するように、一部が搬送路140に露出している。以後、センサ121の搬送路140に露出している部分を露出部121sと呼ぶ。ここでは、露出部121sは、光や磁気が透過可能な樹脂やガラスなどによって形成されるレンズやそのレンズを保護するためのカバーなどをいう。センサ121は、露出部121sを介して、搬送路140上の紙幣から所定の情報を取得する。所定の情報とは、例えば、紙幣をスキャンして得られる画像データや、紙幣の磁気特性、紫外線などに対する光学特性など紙幣の種類や状態等を特定可能な種々の情報をいう。本実施例のセンサは、発光部と受光部を有する透過型センサであり、搬送路140の両側にそれぞれ配置され、搬送路140の両側に露出部121sが形成されている。なお、センサ121は、反射型センサのように、搬送路140の一方側のみに配置されていてもよい。
【0036】
図4〜図7を用いて紙幣取扱装置101が実行するクリーニング処理について説明する。本実施例のクリーニング処理とは、ローラ対145〜147の紙幣の搬送速度を変化させることによって、紙幣を紙幣識別部120に接触させてセンサ121の露出部121sを清掃する処理である。
【0037】
図4は、第2と第3のローラ対の搬送速度を第1のローラ対の搬送速度よりも遅くした状態を例示した説明図である。制御ユニット160は、予め設定された開始条件を満たしたときに、クリーニング処理を開始する。具体的には、制御ユニット160は、第2のローラ対146による紙幣の搬送速度V2と、第3のローラ対147による紙幣の搬送速度V3を、第1のローラ対145による紙幣の搬送速度V1よりも相対的に遅く(V1>V2、V1>V3)なるようにローラ対145〜147を回転させる。本実施例では、搬送速度V2と搬送速度V3は、等しくなるように制御される。(V1>V2=V3)。
【0038】
予め設定された開始条件とは、例えば、時刻管理部170から開始信号を受信した場合や、操作部105から処理を開始するための信号を受信した場合などであり、クリーニング処理を開始するトリガーとして任意の条件を設定することができる。時刻管理部170からの信号の受信を開始条件とした場合には、例えば、紙幣取扱装置101は、予め設定した時刻になると、リサイクル庫181〜183から紙幣を繰り出し、繰り出した紙幣によってセンサ121の露出部121sを清掃することができる。クリーニング処理を開始させる時刻の設定は、操作部105によっておこなってもよい。
【0039】
一方、操作部105からの信号の受信を開始条件とした場合には、例えば、紙幣取扱装置101は、利用者が操作部105を操作して入金処理をおこなうときに、入金される紙幣を用いて露出部121sを清掃することができる。また、紙幣取扱装置101は、係員等による操作部105の操作によって任意のタイミングでリサイクル庫181〜183の紙幣による露出部121sの清掃のほか、クリーニング専用の媒体を投入することにより、専用の媒体を使用して露出部121sを清掃することができる。また、操作部105によって入金処理時にクリーニング処理に使用する紙幣の枚数などを設定することができる。
【0040】
制御ユニット160は、通常の取引処理時には、図3に示すように、搬送速度V1〜V3が等しく(V1=V2=V3>0)なるようにローラ対145〜147を駆動させている。この状態からクリーニング処理を開始する場合には、制御ユニット160は、第2のローラ対146と第3のローラ対147の回転速度を減速することによって、搬送速度V2、V3を搬送速度V1よりも遅くする。一方、制御ユニット160は、ローラ対145〜147を駆動させていない状態(V1=V2=V3=0)からクリーニング処理を開始する場合には、第2のローラ対146の搬送速度V2と第3のローラ対147の搬送速度V3が第1のローラ対145の搬送速度V1よりも遅く(V1>V2=V3)なるようにローラ対145〜147を駆動させる。
【0041】
本実施例では、制御ユニット160は、クリーニング処理を開始すると、搬送路140に配置されているすべてのローラ対のうち、第3のローラ対147よりも下流側の図示しないローラ対についても、第2のローラ対146や第3のローラ対147と同様に減速するように制御する。本実施例の紙幣取扱装置101には、第1のローラ対145、および、第1のローラ対145よりも上流側のローラ対を回転させる駆動系統と、第2のローラ対146、および、第2のローラ対146よりも下流側のローラ対を回転させる駆動系統の2つの駆動系統が備えられ、制御ユニット160は、2つの駆動系統を別々に制御する。
【0042】
なお、紙幣取扱装置101が備える駆動系統は、上記に限定されず、任意の駆動系統が構成されていてもよい。また、制御ユニット160は、第3のローラ対147よりも下流側の図示しないローラ対について、第2のローラ対146や第3のローラ対147と異なる制御をおこなってもよい。異なる制御とは、例えば、図示しないローラ対に対して、下流側のローラ対ほど搬送速度が速くなるような制御や、少なくとも一部のローラ対に対して減速させない制御などをいう。
【0043】
図5は、第1のローラ対と第2のローラ対の間で紙幣が撓んだ状態を例示した説明図である。上述したように、第1〜第2ローラ区間の距離Dは、搬送路140を搬送される紙幣の搬送方向の幅Wよりも狭く、また、第2のローラ対146の搬送速度V2は、第1のローラ対145の搬送速度V1よりも遅い。そのため、リサイクル庫181〜183から繰り出された紙幣、もしくは、利用者から入金された紙幣である紙幣Sは、第1〜第2ローラ区間において、第1のローラ対145からの送り出しによって、第2のローラ対146と接触している先端部側から順に、搬送方向と直交する方向(図5上下方向)に撓みが発生する。図5では、紙幣Sが波状に撓んだ状態が示されている。その後、紙幣Sは、搬送方向と直交する方向に撓んだ状態で、回転する第2のローラ対146に挟持される。
【0044】
図6は、第2のローラ対から繰り出される紙幣の状態を例示した説明図である。第1〜第2ローラ区間において、紙幣Sは、搬送方向と直交する方向に撓んだ状態で、第2のローラ対146に挟持されるため、第2のローラ対146に挟持されている間、内部に残留応力を有している。そのため、第2のローラ対146の回転により、第2のローラ対146の下流側で紙幣Sの挟持が順に開放されると、紙幣Sは、その残留応力によって、先端部側から順に上下方向(図6上下方向)に振れながら(バタつきながら)繰り出される。すなわち、第2のローラ対146から繰り出される紙幣Sは、搬送方向(図6左右方向)に対して上斜め方向(図6右上方向)に繰り出される状態と、下斜め方向(図6右下方向)に繰り出される状態とを交互に繰り返す。
【0045】
図7は、第2のローラ対から繰り出される紙幣がセンサに接触する状態を例示した説明図である。図6で説明したように、紙幣Sは、第2のローラ対146から上下方向に振れながら繰り出される。そのため、第2のローラ対146と紙幣識別部120との間の搬送路140においても、上下方向に振れながら下流側へ移動するため、紙幣Sの先端部やその他の部分がセンサ121の露出部121sに接触する。この接触により、露出部121sを清掃することができる。ここでの露出部121sの清掃とは、露出部121sに付着している埃や紙粉などの異物が紙幣Sと接触することにより、異物が露出部121sから分離し、または、異物の付着位置が移動して、センサ121の検出精度が改善させることをいう。このように、第1〜第2ローラ区間において、紙幣Sが波状に撓んだ場合には、紙幣Sは、第2のローラ対146の下流側の搬送路140において上下方向に振れながら移動するため、搬送路140の両側に露出部121sが形成されている場合であっても、両方の露出部121sを清掃することができる。
【0046】
なお、第1〜第2ローラ区間において、紙幣Sが山状もしくは谷状に撓んだ場合には、紙幣Sは、第2のローラ対146の下流側の搬送路140において上下方向に振れない場合がある。しかし、この場合であっても、紙幣Sは、第2のローラ対146から搬送方向に対して斜めに繰り出されるため、紙幣Sの先端部やその他の部分がセンサ121の露出部121sに接触することができ、露出部121sの清掃をおこなうことができる。
【0047】
なお、第2のローラ対146の下流側の搬送路140における紙幣Sの上下方向に振れ幅を大きくすることによって、センサ121の露出部121sを清掃する能力をより高めることができる。紙幣Sの上下方向に振れ幅(バタつきの大きさ)は、第1のローラ対145の搬送速度V1と第2のローラ対146の搬送速度V2との差分量DE(DE=V1−V2)が大きいほど大きくなる。本実施例の紙幣取扱装置101は、制御ユニット160に予め搬送速度の差分量DEが設定されているほか、係員等による操作部105の操作によって、差分量DEを任意に設定することができる。差分量DEの設定は、クリーニング処理に使用する紙幣の枚数に応じて変化するように設定することもできる。紙幣取扱装置101は、第2のローラ対146からセンサ121までの距離を任意に設定することができる。これにより、第2のローラ対146から繰り出された紙幣が露出部121sに接触しやすいように第2のローラ対146またはセンサ121の位置を調整することができる。
【0048】
制御ユニット160は、予め設定された終了条件を満たしたときに、クリーニング処理を終了する。具体的には、制御ユニット160は、第2のローラ対146による紙幣の搬送速度V2と、第3のローラ対147による紙幣の搬送速度V3を、第1のローラ対145による紙幣の搬送速度V1と同じ(V1=V2=V3)になるようにローラ対145〜147を回転させる。または、制御ユニット160は、ローラ対145〜147の回転を停止させる。以上によってクリーニング処理が終了する。
【0049】
なお、予め設定された終了条件とは、例えば、時刻管理部170から終了信号を受信した場合、操作部105から処理を終了するための信号を受信した場合、所定の枚数の紙幣が紙幣識別部120を通過した場合、取引処理が終了した場合など、任意の条件を設定することができる。時刻管理部170からの信号の受信を終了条件とした場合には、紙幣取扱装置101は、予め設定した時刻に自動的にクリーニング処理を終了する。また、操作部105からの信号の受信を終了条件とした場合には、紙幣取扱装置101は、操作部105の操作によって任意のタイミングでクリーニング処理を終了する。クリーニング処理を終了させる時刻の設定は、操作部105によっておこなうことができる。
【0050】
本実施例における第1のローラ対145は、特許請求の範囲における「第1の搬送機構部」に該当する。本実施例における第2のローラ対146は、特許請求の範囲における「第2の搬送機構部」や「ローラ対」に該当する。
【0051】
以上説明した、第1の実施例に係る紙幣取扱装置101によれば、現金自動取引装置100が取引中であっても、紙幣識別部120を清掃することができるため、現金自動取引装置100の運用を停止させずに清掃をおこなうことができる。また、本実施例の紙幣取扱装置101であれば、作業員等が清掃の度にクリーニング媒体のような通常の紙幣以外の特別な媒体を取り付ける必要がないため、遠隔操作やタイマー操作等によって紙幣識別部120の清掃をおこなうことができる。
【0052】
B.第2実施例:
図8は、第2実施例に係る紙幣取扱装置の紙幣識別部付近を例示した説明図である。図8は、第1実施例の図3と対応している。第1実施例の紙幣取扱装置101は、第2のローラ対146の上流側に隣接して第1のローラ対145が配置されているが、第2実施例の紙幣取扱装置101bは、第1のローラ対145の代わりにベルト対148が配置されている。ベルト対148は、特許請求の範囲における「第1の搬送機構部」に該当する。第2実施例の紙幣取扱装置101bのベルト対148以外の構成については、第1実施例の紙幣取扱装置101と同様であるため説明を省略する。
【0053】
ベルト対148は、搬送路140の搬送方向(図8の左右方向)と直交する方向で対向する一対の搬送ベルトを有している。ベルト対148は、一対の搬送ベルトによって紙幣Sを挟持しつつ、ベルトの回転によって紙幣Sを搬送方向に繰り出す。ベルト対148と第2のローラ対146との間の距離D2は、搬送路140を搬送される紙幣の搬送方向の幅Wよりも狭く(D2<W)なるように構成されている。ここで、ベルト対148と第2のローラ対146との間の距離D2とは、ベルト対148において、搬送ベルト同士が接触している領域の下流側の端部(ニップ開放位置)から、第1のローラ対145において、ローラ同士が接触している点(ニップ位置)までの搬送方向の距離をいう。第1のローラ対145とベルト対148との間の区間を「ベルト〜ローラ区間」とも呼ぶ。
【0054】
制御ユニット160(図2)は、クリーニング処理を開始すると、第2のローラ対146による紙幣の搬送速度V2と、第3のローラ対147による紙幣の搬送速度V3を、ベルト対148による紙幣の搬送速度V4よりも相対的に遅く(V4>V2=V3)なるようにローラ対146、147と、ベルト対148を駆動させる。
【0055】
この結果、第2のローラ対146の下流側で同様に、紙幣Sが先端部側から順に上下方向に振れながら繰り出される。よって、紙幣Sの先端部やその他の部分がセンサ121の露出部121sに接触し、露出部121sに付着している埃や紙粉などの異物を清掃することができる。このように、第1実施例の第1のローラ対145をベルト対148に置き換えた場合であっても、紙幣によってセンサ121を容易に清掃することができる。
【0056】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0057】
C1.変形例1:
紙幣取扱装置101の第2のローラ対146は、第1のローラ対145から送り出された紙幣から受ける回転力(トルク)が所定値以上となったときに、回転力が所定値以下となるまで回転速度が一時的に上昇する機構を備えていてもよい。
【0058】
回転速度を一時的に上昇させる機構としては、例えば、第2のローラ対146と図示しない駆動部との間にラチェット機構などを備え、紙幣から受ける力によって第2のローラ対146にトルクが発生したときに、そのトルクによってローラが空転する機構であってもよい。また、第2のローラ対146が紙幣から受ける回転力を検出部によって検出し、検出されたトルクが所定値以上となったときに、制御ユニット160が第2のローラ対146の回転数を一時的に上昇させる構成であってもよい。このようにすることによって、第1〜第2ローラ区間における紙幣Sの撓みが必要以上に大きくなって、第2のローラ対146によって紙幣を挟持したときに紙幣が折れ曲がる状態の発生を抑制することができる。
【0059】
C2.変形例2:
クリーニング処理の開始条件や終了条件としては、本実施例で例示した条件以外の条件であってもよい。例えば、制御ユニット160は、時刻管理部170からの開始信号と操作部105からの開始信号と2つの信号を受信したときにクリーニング処理を実行してもよい。このようにすることで、予め設定された所定の時間内に取引処理があったときにクリーニング処理を実行することができる。また、クリーニング処理は、センサ121の識別精度や、露出部121sの汚れの程度を検出して適宜実行されてもよい。
【0060】
時刻管理部170は、現在時刻を管理せず、タイマー機能のみを備えていてもよい。また、紙幣取扱装置101は、時刻管理部170を備えず、操作部105からの入力に応じてのみクリーニング処理を実行してもよい。
【0061】
C3.変形例3:
本実施例では、制御ユニット160は、クリーニング処理において、第2のローラ対146の搬送速度V2と第3のローラ対147の搬送速度V3が等しく(V2=V3)なるようにローラ対146、147を制御するものとして説明したが、第2のローラ対146の搬送速度V2と第3のローラ対147の搬送速度V3は異なっていてもよい(V1≠V3)。
【0062】
また、第1のローラ対145の搬送速度V1と第2のローラ対146の搬送速度V2との間に差異があれば、第1〜第2ローラ区間において、紙幣Sに撓みを発生させることができるため、第2のローラ対146の搬送速度V2のみを第1のローラ対145の搬送速度V1よりも遅くし、他のローラ対の搬送速度を搬送速度V1よりも遅くしない構成としてもよい。
【0063】
C4.変形例4:
紙幣取扱装置101は、第3のローラ対147と、第3のローラ対147の下流側のロール対とを用いてもクリーニング処理を実行可能な構成としてもよい。また、紙幣を上下方向に繰り出し可能であれば、第2のローラ対146の替わりにベルト対を用いてもよい。また、制御ユニット160は、クリーニング処理時において、紙幣を斜めに繰り出すために、ローラ対を搬送方向に対して斜めに傾ける構成としてもよい。
【0064】
C5.変形例5:
本実施例では、紙幣取扱装置101は、紙幣を用いてクリーニング処理を実行しているが、紙幣以外の紙葉類をセンサ121に接触させてセンサ121の清掃をおこなってもよい。また、本実施例では、紙幣を取り扱う紙幣類取扱装置について説明したが、本発明は紙葉類取扱装置に限定されず、紙幣や証券などの紙葉類を取り扱う紙葉類取扱装置に対して適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
100…現金自動取引装置
101…紙幣取扱装置
101c…金庫部
101u…上部ユニット
102…硬貨取扱装置
103…通帳取扱装置
104…カード明細票取扱装置
105…操作部
110…紙幣入出金部
111…仕切板
112…紙幣繰出部
113…紙幣集積部
120…紙幣識別部
121…センサ
121s…露出部
130…一時保管庫
140…搬送路
141…ガイドプレート
145…第1のローラ対
146…第2のローラ対
147…第3のローラ対
148…ベルト対
150…取り忘れ収納庫
160…制御ユニット
170…時刻管理部
181〜183…リサイクル庫
184…リジェクト庫
185…装填庫

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類取扱装置であって、
紙葉類を搬送するための第1の搬送機構部と第2の搬送機構部とを有する搬送路と、
前記搬送路上に配置され、前記搬送路により搬送される紙葉類から情報を取得するためのセンサ部と、
前記第1の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、前記第2の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、を制御可能な制御部と、を備え、
前記搬送路上において、前記第1の搬送機構部と、前記第2の搬送機構部と、前記センサ部とが、この順に隣接して配置されており、
前記制御部は、前記第2の搬送機構部の前記搬送速度を前記第1の搬送機構部の前記搬送速度より遅くすることにより、前記第1の搬送機構部を経由して前記第2の搬送機構部から前記センサ部に向かう紙葉類を前記センサ部に接触させる、紙葉類取扱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紙葉類取扱装置において、
前記第2の搬送機構部は、前記搬送路上の紙葉類を挟持することが可能なローラ対を含んでおり、
前記搬送路は、前記第1の搬送機構部と前記第2の搬送機構部との間において、紙葉類を撓ませた状態で前記ローラ対によって前記紙葉類を挟持し、前記ローラ対から前記紙葉類を搬送方向に対して斜めに繰り出すことによって、前記センサ部に接触させる、紙葉類取扱装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の紙葉類取扱装置はさらに、
紙葉類を収納するための紙葉類収納庫を備え、
前記制御部は、前記紙葉類収納庫から繰り出した紙葉類を前記センサ部に接触させる、紙葉類取扱装置。
【請求項4】
請求項3に記載の紙葉類取扱装置はさらに、
所定の時間に前記制御部に信号を送信可能な時間管理部を備え、
前記制御部は、前記時間管理部から前記信号を受信したときに、前記紙葉類収納庫から繰り出した紙葉類を前記センサ部に接触させる、紙葉類取扱装置。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の紙葉類取扱装置において、
前記ローラ対は、前記第2の搬送機構部から繰り出された紙葉類から受ける回転力が所定値以上となったときに、前記回転力が所定値以下となるまで回転速度が上昇する、紙葉類取扱装置。
【請求項6】
紙葉類取扱装置を有する現金自動取扱装置であって、
前記紙葉類取扱装置は、
紙葉類を搬送するための第1の搬送機構部と第2の搬送機構部とを有する搬送路と、
前記搬送路上に配置され、前記搬送路により搬送される紙葉類から情報を取得するためのセンサ部と、
前記第1の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、前記第2の搬送機構部による紙葉類の搬送速度と、を制御可能な制御部と、を備え、
前記搬送路上において、前記第1の搬送機構部と、前記第2の搬送機構部と、前記センサ部とが、この順に隣接して配置されており、
前記制御部は、前記第2の搬送機構部の前記搬送速度を前記第1の搬送機構部の前記搬送速度より遅くすることにより、前記第1の搬送機構部を経由して前記第2の搬送機構部から前記センサ部に向かう紙葉類を前記センサ部に接触させることを特徴とする、現金自動取扱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−23308(P2013−23308A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157395(P2011−157395)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】