説明

紡機用リング・トラベラ装置

【課題】 ガラス繊維の撚糸用トラベラ。
【解決手段】 リング全高Hが4.2mm〜5.4mmを有し、内周面が25°〜35°の傾斜角αをもって外側上方に傾斜し、リング全高Hの18%〜25%の高さH1 を有する糸逃げ部と、2°〜4°の傾斜角βをもって外側下方に傾斜するトラベラ走行面11とを有する縦型リング1と、トラベラ頭部とトラベラ底部23の内側の最大高さhがリング全高Hの1.05倍〜1.13倍を有し、リング接触面26の高さh1 がトラベラ走行面11の高さH2 の67%〜80%を有する縦型トラベラ2とから構成され、縦型トラベラ2がトラベラ走行面11に案内されて走行するよう縦型リング1に係合され、リング接触面26の上端Kがトラベラ走行面11の上端Jより下方に位置し、トラベラ前傾時の最大傾斜角θが10°〜22°となる紡機用リング・トラベラ装置。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス繊維を撚糸する撚糸機に使用される紡機用リングと紡機用トラベラの組み合わせであって、撚糸機の高速化に対応し、しかも低テンション下での撚糸を可能とすることにより、糸毛羽の少ない、品質の良好な糸を撚糸することのできる紡機用リング・トラベラ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス繊維の撚糸に使用する紡機用リングとしては、日本工業規格のL5103(1975)の焼結ダブラリング或いはISO規格の96−2(1992)のHZCH−ring或いはHZ−ringに準じた縦型リングが主として使用されていた。
【0003】上記日本工業規格のL5103(1975)に示される焼結ダブラリングは図6に示されるように、リング本体4のリング全高Hが9.5mm〜16.8mmを有し、リング内径Dが45mm〜140mmを有している。
【0004】リング本体4の内周面は上部に外側上方に向け30°の傾斜角σをもって傾斜する糸逃げ部40と、上記糸逃げ部40の下部に連続して設けられたリング本体4の中心軸Lと平行なトラベラ走行面41とから形成され、リング本体4の外周面は上部に外側上方に向け7°の傾斜角λをもって傾斜する平面より成り、ナイロントラベラ5のトラベラ上脚部50と係合する上部係合部42と、下部にリング本体4の中心軸Lと平行な平面より成るナイロントラベラ5のトラベラ下脚部51と係合する下部係合部43とから形成されている。
【0005】上記糸逃げ部40と上部係合部42及びトラベラ走行面41と下部係合部43はそれぞれ単一の円弧面により接続してリング上面44及びリング下面45を形成し、上記上部係合部42と下部係合部43との間には、上下面を平行な平面により形成し、外周面に全周にわたって設けた凹溝46と、凹溝46の底部に全周にわたって連通して設けた導油糸溝47とから成るリングホルダとの嵌合部48を設けた鍔部49を一体に設けている。
【0006】また、ISO規格の96−2(1992)に示されるHZCH−ring或いはHZ−ringの縦型リングは、図7に示されるように、リング本体6のリング全高Hが6.3mm〜38.1mmを有し、リング内径Dが45mm〜250mmを有している。
【0007】リング本体6の内周面は、上部にリング本体6の中心軸Lと平行な平面で形成され、かつ、リング内径D(直径)より大きい直径を有する糸逃げ部60と、上記糸逃げ部60の下方に設けられたリング本体6の中心軸Lと平行な平面により形成されたトラベラ走行面61とから形成され、リング本体6の外周面は、上部に外側上方に向け9°の傾斜角ηをもって傾斜する平面より成り、ナイロントラベラ7のトラベラ上脚部70と係合する上部係合部62と、下部にリング本体6の中心軸Lと平行な平面により形成されたナイロントラベラ7のトラベラ下脚部71と係合する下部係合部63とから形成されている。
【0008】上記糸逃げ部60と上部係合部62とを平面により接続してリング上面64を形成し、トラベラ走行面61と下部係合部63とを単一の円弧面により接続してリング下面65を形成し、上記上部係合部62と下部係合部63との間には、鍔部66と嵌合部67とにより構成されたリングレールへの取付け部を一体に設けている。
【0009】さらに、短繊維及び長繊維の精紡及び撚糸に使用される紡機用リングとして、日本工業規格のL5104(1975)の焼結コニカルリング或いはISO規格の96−2(1992)のJ−ringに示されるconical ringが知られている。
【0010】上記日本工業規格のL5104(1975)の焼結コニカルリングは、図8に示されるように、リング本体8のリング全高Hが8mm〜17.4mmを有し、リング内径Dが45mm〜191mmを有している。
【0011】リング本体8の内周面は、上部にリング本体8の中心軸Lと平行な平面により形成され、かつ、リング内径D(直径)より大きい直径を有する糸逃げ部80と、上記糸逃げ部80の下方に設けられた21°の傾斜角ρをもって外側下方に向け傾斜するトラベラ走行面81と、糸逃げ部80の上方に設けられた62°の傾斜角εをもって外側上方に向け傾斜するリング上面82とから形成され、糸逃げ部80とリング上面82を含むリング上部とトラベラ走行面81との比が約1:2となるように構成されている。
【0012】リング本体8の外周面は、上部にリング本体8の中心軸Lと平行な平面より成り、トラベラ上脚部と係合する上部係合部83と、下部にリング本体8の中心軸Lと平行な平面より成り、トラベラ下脚部と係合する下部係合部84とから形成されている。
【0013】上記上部係合部83と下部係合部84との間には、上下面を平行な平面により形成し、外周面に全周にわたって設けた導油糸溝85を有するリングホルダとの嵌合部86を設けた鍔部87を一体に設けている。
【0014】さらに、前記焼結ダブラリングと組み合わされて使用されるナイロントラベラ5は、トラベラ胴部52のリング本体4との接触面の長さがリング本体4のトラベラ走行面41の長さの約47%であり、また、縦型リングのHZ−ringに組み合わされて使用されるナイロントラベラ7は、トラベラ胴部72のリング本体6との接触面の長さがリング本体6のトラベラ走行面61の長さと略同じであり、トラベラ胴部72のリング本体6との接触面の上端Mがリング本体6のトラベラ走行面61の上端Nより僅かに突出するように配置されている。
【0015】なお、上記各リングに使用されるナイロントラベラとしては、一般に30mg以上の重量を有する重いトラベラが使用されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来、ガラス繊維の撚糸においては、紡出されるガラス繊維の種類、紡出番手、紡出速度等によって縦型リング、コニカルリングというリングの種類及びリング全高、リング内径を選定しているが、従来使用されている前記焼結ダブラリング或いは縦型リングは、リング本体のリング全高Hが6.3mm〜38.1mmを有しているため、これらのリングに適用されるナイロントラベラの高さも高くなり、トラベラの重量が30mg以上の重いトラベラしか使用できなかった。
【0017】なお、上記リングに対し、トラベラ重量が30mg以下の軽いトラベラを使用すると、トラベラの厚み又はトラベラの幅、特に糸通過部の幅を薄くしなければならず、トラベラの強度が低下すると共に、糸毛羽が増加して、使用に耐えることができないという問題点があった。
【0018】しかも、従来3,000r.p.m〜5,500r.p.mのスピンドル回転数で紡出していたが、上記スピンドル回転数を6,000r.p.m以上とした高速で紡出した場合には、紡出テンションが大きくなり、ガラス繊維とトラベラとの接触抵抗が増大して、ガラス繊維の紡出において最も好ましくない糸毛羽が増大し、糸の品質が大幅に低下するという問題点があった。
【0019】しかも、リング本体の内周面に設けられたトラベラ走行面がリング本体の軸芯と平行な平面で形成されているため、スピンドル回転数を6,000r.p.m以上の高速で紡出すると、トラベラにはリングのトラベラ走行面上を上方に押し上げる作用が働くと共に、トラベラは紡出テンションの増大により、上方に向け引っ張り上げられ、トラベラ底部はリング下面に強く接触し、トラベラ底部のリングとの接触部に局部摩耗が生じて、トラベラ底部がリング下面に食い込み、トラベラの自在性がなくなり、トラベラの摩耗が急激に進行して、トラベラの寿命が著しく短くなったり、トラベラ飛散を生じ、糸切れが発生するという問題点があった。
【0020】また、従来のコニカルリングをガラス繊維の撚糸に用いた場合は、トラベラ走行面がリング本体の軸芯に対して通常10°〜25°の傾斜角ρを有し、リング上部とトラベラ走行面との比が1:2と小さいため、トラベラはリング上面の上端、トラベラ走行面及びリング下面の3点接触となり、トラベラの走行姿勢は安定するが、自在性が損なわれ、紡出テンションの変動を吸収できず、スピンドル回転数を6,000r.p.m以上に上げた場合には、ガラス繊維とトラベラとの接触抵抗が増加して糸毛羽が増大し、糸の品質が大幅に低下するという問題点があった。
【0021】しかも、トラベラ走行面の傾斜角ρが10°〜25°と大きいため、トラベラが遠心力によりトラベラ走行面上を下方に向けて強く押し下げられ、リング下面とトラベラ底部との接触部の接触圧力は小さくなるが、トラベラ頭部がリング上面と接触し、トラベラ頭部のリング上面との接触部に異常摩耗が発生し、トラベラの寿命が著しく短くなると共に、トラベラ頭部とリング上面との間の糸通過部が狭くなり、紡出糸がトラベラ頭部とリング上面との間に挟まれて糸毛羽を増大し、糸の品質を大幅に低下するという問題点があった。
【0022】本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、縦型リングのリング全高を4.2mm〜5.4mmと低くし、トラベラ走行面を2°〜4°の傾斜角をもって外側下方に傾斜させ、上記縦型リングと組み合わせて使用するトラベラの重量を30mg未満と軽くすると共に、トラベラ胴部のリング接触面の高さをリングのトラベラ走行面の高さの67%〜80%とし、しかもトラベラのリング接触面の上端がリングのトラベラ走行面の上端より下方に位置させることにより、トラベラに一定の自在性を付与しながら、トラベラに掛かる張力変動を吸収させることにより、紡出テンションを低くして、糸をボビンにソフトに巻き取ることを可能とし、スピンドル回転数が6,000r.p.m以上の高速紡出においても、糸毛羽の少ない品質の良好な糸の撚糸を行うものであり、併せて、トラベラ底部のリング下面との接触部における局部摩耗を減少し、トラベラの寿命を延長させて、生産性を向上すると共に、リング上面とトラベラ頭部との間に糸が挟まれる、所謂トラッピング現象を防止することにより、糸毛羽、糸の損傷を少なくして糸品質を向上させることを課題とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を達成するためになされたものであり、縦型リングと縦型トラベラとから構成され、縦型リングはリングの中心軸を通る縦断面において、リング全高Hが4.2mm〜5.4mmを有し、リング内周面の糸逃げ部がリング全高Hの18%〜25%の高さH1 を有し、かつリングの中心軸と平行な線に対して25°〜35°の傾斜角αをもって外側上方に向けて傾斜し、上記糸逃げ部に連続して設けられたトラベラ走行面がリングの中心軸と平行な線に対して2°〜4°の傾斜角βをもって外側下方に向けて傾斜するよう形成され、縦型トラベラはトラベラ頭部とトラベラ底部の内側の最大高さhがリング全高Hの1.05倍〜1.13倍を有し、トラベラ胴部のリング接触面の高さh1 がリングのトラベラ走行面の高さH2 の67%〜80%を有するように構成されている。
【0024】上記縦型トラベラはナイロン6、ナイロン66等のナイロン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂或いは四ふっ化エチレン樹脂等の熱可塑性樹脂又は上記熱可塑性樹脂に二硫化モリブデン、グラファイトなどを添加した熱可塑性樹脂を用いて成形され、リングのトラベラ走行面に案内されて走行するよう縦型リングに係合され、トラベラ底部がリング下面に接触した状態において、トラベラ胴部のリング接触面の上端がリング内周面のトラベラ走行面の上端より下方に位置し、トラベラが前傾し、トラベラ頭部がリング上面に接触した時のトラベラの最大傾斜角θが10°〜22°となるように組み合わせて紡機用リング・トラベラ装置を構成している。
【0025】上記縦型リングは、リング外周部にリングの中心軸と平行な線に対して8°〜12°の傾斜角γをもって外側上方に向け傾斜したトラベラの上脚部を係合する上部係合部と、リングの中心軸と平行に設けられたトラベラの下脚部を係合する下部係合部とを有すると共に、上記上部係合部と下部係合部との間に鍔部が設けられている。
【0026】縦型リングのトラベラ走行面は平面又は少なくとも80mm、好ましくは80mm〜200mmの曲率半径を有する曲面により形成することができる。
【0027】さらに、リング外周部を構成するトラベラの上脚部を係合する上部係合部の高さH3 はリング全高Hの1/2.3〜1/2.5を有し、トラベラの下脚部を係合する下部係合部の高さH4 はリング全高Hの1/3〜1/3.5を有するように形成することも可能である。
【0028】上記縦型トラベラは、トラベラ重量が15mg〜40mg、好ましくは15mg〜28mgを有している。
【0029】上記縦型トラベラは、トラベラ頭部とトラベラ胴部との間に糸通過部を有し、上記糸通過部の内側の糸との接触面をトラベラ胴部のリング接触面より外側に膨らむ円弧面により形成することが好ましいものである。
【0030】また、縦型トラベラのトラベラ底部とトラベラ胴部との間には、内面をトラベラ胴部のリング接触面より外側に膨らむ円弧面により形成したリング逃がし部を設けることも可能である。
【0031】上記構成において、縦型リングのリング全高Hを4.2mm〜5.4mmとしたが、4.6mm〜5.0mmとするのが好ましく、4.2mm未満では、使用するトラベラ重量が必要以上に軽くなり、紡出テンションが低くなり過ぎて、スピンドル回転数を上げた時に、糸のバルーニングがオーバーバルーニングとなって、紡出が出来なくなり、スピンドル回転数を6,000r.p.m以上の高速にすることが出来ず、また、5.4mmを越えると、使用するトラベラ重量が重くなって、紡出テンションが高くなり、スピンドル回転数を上げた時に、糸が突っ張り、糸切れを発生したり、トラベラと糸との接触抵抗が大きくなって、糸毛羽を発生し、また、ボビンへの巻き取り張力が大きくなって、ボビンに巻き取られた糸にダメージを生じ、糸の品質を大幅に低下するという問題点がある。
【0032】縦型リングの糸逃げ部の高さH1 はリング全高Hの18%〜25%とし、糸逃げ部の傾斜角αを25°〜35°としたが、糸逃げ部の高さH1 は20%〜22%で、糸逃げ部の傾斜角αは28°〜32°とするのが好ましく、糸逃げ部の高さH1 が18%未満で、糸逃げ部の傾斜角αが25°未満とすると、リングとトラベラの間の糸の通過部が狭くなり、リングの糸逃げ部とトラベラの糸通過部との間に糸が挟まれる、所謂トラッピング現象が発生し、糸毛羽を増大したり、糸切れを発生し、糸の品質を大幅に低下させると共に生産性を低下させ、また、糸逃げ部の高さH1 が25%を越え、糸逃げ部の傾斜角αが35°を越すと、トラッピング現象の発生は少なくなるが、リング上面の平面部が小さくなり、リング上面とトラベラ頭部との接触が点接触に近くなり、トラベラ頭部のリング上面との接触部に局部摩耗が発生し、トラベラの寿命が短くなると共に、トラベラの滑走に異常を来たし、紡出テンションが大きくなって、糸毛羽を増大するという問題点がある。
【0033】縦型リングの内周面のトラベラ走行面の傾斜角βを2°〜4°としたが、2°未満では、スピンドル回転数を上げた時に、トラベラがトラベラ走行面に沿って十分に沈まず、トラベラ底部のリング下面との接触部に局部摩耗が発生し、トラベラの寿命が短くなると共に、トラベラの滑走に異常を来たし、紡出テンションが大きくなって、糸毛羽を増大させ、また、4°を越すと、スピンドル回転数を上げた時に、トラベラの沈み込みが大きくなり、トラベラ下部とリング下面との接触抵抗は小さくなるが、トラベラ頭部とリング上面との接触が強くなり、トラベラ頭部の接触部に局部摩耗が発生し、トラベラの寿命が短くなると共に、トラベラの滑走に異常を来たし、紡出テンションが大きくなって、糸毛羽を増大させるという問題点がある。
【0034】縦型リングの外周面に設けた上部係合部の傾斜角γを8°〜12°としたが、8°未満では、上部係合部とトラベラの上脚部との係合が浅くなり、スピンドル回転数を上げて、トラベラに加わる紡出テンションが大きくなった時、トラベラの上脚部がリングの上部係合部から外れ易くなって糸切れの原因となり、また、12°を越すと、トラベラの着脱が困難になるという問題点がある。
【0035】また、トラベラ内側の最大高さhをリング全高Hの1.05倍〜1.13倍とし、トラベラ胴部のリング接触面の高さh1 をトラベラ走行面の高さH2 の67%〜80%としたが、トラベラ内側の最大高さhがリング全高Hの1.05倍未満であると、トラベラの走行中の自在性が損なわれ、糸毛羽の増大、糸切れの発生の原因となり、トラベラ内側の最大高さhがリング全高Hの1.13倍を越すと、走行中のトラベラの自在性は得られるが、走行中のトラベラの揺動に伴うトラベラの前傾姿勢が大きくなり、トラベラの走行姿勢が不安定となって糸毛羽の増大、糸切れの発生の原因になるという問題点があり、さらに、トラベラのリング接触面の高さh1 がリングのトラベラ走行面の高さH2 の67%未満であると、トラベラの走行姿勢が不安定となって糸毛羽の増大、糸切れの発生の原因になると共に、トラベラの遠心力によるトラベラの接触面に掛かる負荷が大きくなり、トラベラの摩耗が促進されて、寿命が短くなり、トラベラのリング接触面の高さh1 がリングのトラベラ走行面の高さH2 の80%を越えると、リングとトラベラ間の接触面積が大きくなり、走行中のトラベラの自在性が損なわれるという問題点がある。
【0036】さらに、トラベラ胴部のリング接触面の上端がリングのトラベラ走行面の上端の下方に位置し、トラベラの最大傾斜角θが10°〜22°となるように組み合わせたが、リング接触面の上端がトラベラ走行面の上端より上方になると、トラベラの遠心力により、リングのトラベラ走行面の上端部がトラベラのリング接触面に食い込み、トラベラに異常摩耗が発生し、トラベラの寿命が短くなり、しかもトラベラの走行姿勢が不安定となって糸毛羽の増大、糸切れの発生の原因になり、また、トラベラの最大傾斜角θが10°未満では、走行中のトラベラの自在性が損なわれ、トラベラの最大傾斜角θが22°を越えると、トラベラの走行姿勢が不安定となり、いずれの場合も、糸毛羽の増大、糸切れの発生の原因になるという問題点がある。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の縦型リングと縦型トラベラとを組み合わせた紡機用リング・トラベラ装置の実施の形態の一つについて説明する。
【0038】図1は本発明の紡機用リング・トラベラ装置の一実施例を示す要部破断断面図であり、縦型リング1と縦型トラベラ2との組み合わせであって、縦型トラベラ2は縦型リング1に走行可能に係合されている。なお、縦型トラベラ2のリング接触面26と縦型リング1のトラベラ走行面11及び縦型トラベラ2のトラベラ底部23と縦型リング1のリング下面16をそれぞれ接触させた状態を示し、縦型リング1をリングホルダー3に取り付けた状態を示している。
【0039】上記縦型リング1は図1及び図2に示すように、リングの中心軸Pを通る縦断面において、リング内周面が、上部に設けられた糸逃げ部10と、上記糸逃げ部10に連続してその下方に設けられたトラベラ走行面11とから形成され、リング外周部が、上部に設けられたトラベラ上脚部20と係合する上部係合部12と、下部に設けられたトラベラ下脚部21と係合する下部係合部13及び、上記上部係合部12と下部係合部13との間に設けられた鍔部14とから形成されている。
【0040】上記縦型リング1は、リング全高Hが4.2mm〜5.4mmを有し、リング内周面を形成する糸逃げ部10は、その高さH1 がリング全高Hの18%〜25%を有し、かつ傾斜角αがリングの中心軸Pと平行な線に対して25°〜35°を有するように外側上方に向け傾斜し、また、上記糸逃げ部10に連続して設けられたトラベラ走行面11は、傾斜角βがリングの中心軸Pと平行な線に対して2°〜3°を有するように外側下方に向け傾斜するよう形成されている。
【0041】なお、上記トラベラ走行面11は、平面により形成されるか、或いは曲率半径が少なくとも80mm、好ましくは80mm〜200mmを有する曲面により形成されている。
【0042】また、上記リング外周部の上部に設けられた上部係合部12は、8°〜12°の傾斜角γをもって外側上方に向け傾斜し、その高さH3 がリング全高Hの1/2.3〜1/2.5となるように形成され、リング外周部の下部に設けられた下部係合部13は、リングの中心軸Pと平行に形成され、その高さH4 はリング全高Hの1/3〜1/3.5となるように形成されている。
【0043】前記縦型トラベラ2は図1及び図3に示すように、ナイロン6、ナイロン66等のナイロン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂或いは四ふっ化エチレン樹脂等の熱可塑性樹脂又は上記熱可塑性樹脂に二硫化モリブデン、グラファイトなどを添加した熱可塑性樹脂を用いて成形され、略C字状の側面形状を有しており、上記縦型リング1の上部係合部12に係合されるトラベラ上脚部20と、上記トラベラ上脚部20に連続して設けられたトラベラ頭部22と、上記トラベラ頭部22に連続して設けられた糸通過部24を介して形成されたトラベラ胴部25と、上記トラベラ胴部25に連続して設けられたトラベラ底部23及び、上記トラベラ底部23に連続して設けられた縦型リング1の下部係合部13に係合されるトラベラ下脚部21とから形成されている。
【0044】上記縦型トラベラ2は、トラベラ頭部22とトラベラ底部23の内側の最大高さhがリング全高Hの1.05倍〜1.13倍を有し、またトラベラ胴部25のリング接触面26の高さh1 がリングのトラベラ走行面11の高さH2 の67%〜80%を有するよう形成されている。
【0045】なお、トラベラ頭部22とトラベラ胴部25との間に設けられた糸通過部24の内側の糸との接触面27はトラベラ胴部25のリング接触面26より外側に膨らむ円弧面により形成し、また、トラベラ底部23とトラベラ胴部25との間に設けられたリング逃がし部28はトラベラ胴部25のリング接触面26より外側に膨らむ円弧面により形成するのが好ましいものである。
【0046】また、縦型トラベラ2のトラベラ重量は15mg〜28mgとするのが好ましいものである。
【0047】(実施例)図2は本発明の紡機用リング・トラベラ装置に使用される縦型リングの一実施例を示す要部破断断面図であり、縦型リング1は鉄系焼結素材から形成され、リングの中心軸Pを通る縦断面において、リング内周面は、上部に設けられた糸逃げ部10と、上記糸逃げ部10に連続してその下方に設けられたトラベラ走行面11とから形成され、リング外周部は、上部に設けられ、トラベラ上脚部20が係合される上部係合部12と、下部に設けられ、トラベラ下脚部21が係合される下部係合部13と、上記上部係合部12と下部係合部13との間に設けられた鍔部14とから形成されている。
【0048】上記縦型リング1は、リング全高Hが4.8mmを有し、リング内周面の内径D1 が165mmで、リング外周部の外径D2 が168mmを有している。
【0049】縦型リング1のリング内周面を形成する糸逃げ部10は、縦型リング1の中心軸Pと平行な線に対して外側上方に向け30°の傾斜角αをもって傾斜し、その高さH1 がリング全高Hの約21%となる約1mmを有するように構成され、トラベラ走行面11は糸逃げ部10の下端から縦型リング1の中心軸Pと平行な線に対して外側下方に向け3°の傾斜角βをもって傾斜する平面により形成され、その高さH2 が約3.4mmを有するように構成され、糸逃げ部10とトラベラ走行面11は円弧面により滑らかに接続されている。
【0050】また、縦型リング1のリング外周部を構成する上部係合部12は、縦型リング1の中心軸Pと平行な線に対して外側上方に向け10°の傾斜角γをもって傾斜する平面により構成され、その高さH3 が1.9mmを有するように構成され、下部係合部13は縦型リング1の中心軸Pと平行に設けられた平面により構成され、その高さH4 が1.5mmを有するように構成されている。
【0051】上記縦型リング1のリング上面15は、縦型リング1の中心軸Pと直交する線と平行な平面により形成されており、糸逃げ部10及び上部係合部12と円弧面によりそれぞれ滑らかに接続され、また、リング下面16は、複数の円弧面により形成されており、トラベラ走行面11及び下部係合部13にそれぞれ滑らかに接続されている。
【0052】また、トラベラ走行面11の下端と下部係合部13の下端の間の幅Wは1.1mmを有している。
【0053】なお、リング下面16を複数の円弧面により形成したが、単一の円弧面により形成することも可能であり、トラベラ走行面11を平面により形成したが、曲率半径が少なくとも80mm以上、好ましくは80mm〜120mmを有する曲面により形成することが可能であり、走行中のトラベラの自在性を向上させることができる。
【0054】さらに、上部係合部12と下部係合部13との間に設けられた鍔部14は、外径dが174mmを有し、外周部に導油糸を配置するための導油糸溝を有するリングホルダー3との嵌合部17が全周にわたって設けられている。
【0055】上記鍔部14の上面18及び下面19はそれぞれ平面により構成され、上部係合部12及び下部係合部13と円弧面によりそれぞれ滑らかに接続されており、、鍔部14の下面外周部には下部に突出する補強部が全周にわたって設けられている。
【0056】図3は本発明の紡機用リング・トラベラ装置に使用される縦型トラベラの一実施例を示す側面図であり、縦型トラベラ2はナイロン66を用いて成形されたナイロントラベラであり、略C字状の側面形状を有し、トラベラ重量は20mgを有している。
【0057】縦型トラベラ2は前記縦型リング1の上部係合部12に係合されるトラベラ上脚部20と、上記トラベラ上脚部20に連続して形成されたトラベラ頭部22と、上記トラベラ頭部22に連続して設けられた糸通過部24を介して形成されたトラベラ胴部25と、上記トラベラ胴部25に連続して形成されたトラベラ底部23及び、上記トラベラ底部23に連続して形成された縦型リング1の下部係合部13に係合されるトラベラ下脚部21とから構成されている。
【0058】上記縦型トラベラ2は、トラベラ頭部22とトラベラ底部23との間の内側の最大高さhが約5.3mmで、前記縦型リング1のリング全高Hの1.1倍を有し、またトラベラ胴部25のリング接触面26の高さh1 が約2.6mmで、前記縦型リング1のトラベラ走行面11の高さH2 の76%を有している。
【0059】また、トラベラ頭部22とトラベラ胴部25との間に設けられた糸通過部24の内面の糸との接触面27はトラベラ胴部25のリング接触面26より外側に膨らむ円弧面により形成され、トラベラ底部23とトラベラ胴部25との間に設けられたリング逃がし部28はトラベラ胴部25のリング接触面26より外側に膨らむ円弧面により形成され、上記糸との接触面27の深さFは0.6mmを有し、リング逃がし部28の深さfは糸との接触面27の深さFより浅くなるように形成されている。
【0060】なお、トラベラ頭部22の内面は、トラベラ胴部25のリング接触面26と直交する線と平行な面に対する傾斜角δが8°を有するように傾斜している。
【0061】さらに、縦型トラベラ2の各部の断面形状は図4に示すように、糸通過部24が略円形を有し、トラベラ頭部22、トラベラ底部23及びトラベラ胴部25が略楕円形を有するように形成され、糸通過部24の内面の曲率半径はトラベラ頭部22、トラベラ底部23及びトラベラ胴部25の内面の曲率半径より大きく形成されている。
【0062】図1に示すように、前記のように形成された縦型トラベラ2は、紡出中のトラベラの遠心力及び糸の紡出張力により、前記縦型リング1のトラベラ走行面11及びリング下面16にトラベラ胴部25の内面及びトラベラ底部23の内面が接触しながら走行するように、縦型リング1に走行可能に係合され、トラベラ底部23の内面がリング下面16に接触した状態において、トラベラ胴部25のリング接触面26の上端Kがリング内周面のトラベラ走行面11の上端Jより下方に位置し、しかも、図5に示すように、トラベラの走行中における前傾により、トラベラ頭部22がリング上面15に接触した状態におけるトラベラの最大傾斜角θが11°となるように組み合わされている。
【0063】
【発明の効果】本発明の紡機用リング・トラベラ装置は、リング全高Hを4.2mm〜5.4mmと低くし、トラベラ走行面を2°〜4°に傾斜させた構成を有する縦型リングと、内側の最大高さhをリング全高Hの1.05倍〜1.13倍とし、リング接触面の高さh1 をトラベラ走行面の高さH2 の67%〜80%とした構成を有する縦型トラベラを組み合わせ、しかも、トラベラ底部の内面がリング下面に接触した状態において、リング接触面の上端Kがトラベラ走行面の上端Jより下方に位置し、かつトラベラの最大傾斜角θが10°〜22°となるように構成したため、トラベラの糸通過部の断面形状を大きく変更せず、しかもトラベラの全体形状のバランスを崩すことなく使用するトラベラの重量を15mgまで軽くすることができ、しかも、トラベラの自在性を損なうことなく、トラベラに掛かる張力変動を減少させることができるので、スピンドル回転数が6000r.p.m以上の高速紡出においても、紡出テンションを低くすることが可能となり、ボビンに対して紡出糸をソフトに巻き取ることができるので、ガラス繊維の紡出において、糸毛羽の少ない品質の良好な糸を高速で撚糸することができる。
【0064】また、トラベラ走行面を2°〜4°の傾斜角βをもって緩く傾斜させて構成したので、スピンドル回転数が6000r.p.m以上の高速で紡出した時、トラベラにかかる遠心力により、トラベラはリングのトラベラ走行面に沿って下方に移動しようとする力が働き、トラベラ底部のリング下面との接触部における局部摩耗が減少し、しかも、リング上面を平面により形成することにより、リング上面とトラベラ頭部との接触が面接触となり、トラベラ頭部のリング上面との接触部における局部摩耗も減少し、リングとトラベラ間の接触抵抗を小さくすることができる。
【0065】さらに、トラベラ底部にリング逃がし部を設けることにより、トラベラ走行中にトラベラの前傾、トラベラの内傾等のトラベラの揺動が発生しても、トラベラ胴部の内面下方とリング下面との間が接触せず、トラベラ胴部の内面下方の局部摩耗が減少する。
【0066】上記のように、リングとトラベラとの接触抵抗を減少することにより、紡出テンションを低くし、糸毛羽の少ない品質の良好な糸をソフトに巻き取ることができ、しかも、トラベラの局部摩耗を減少し、トラベラの寿命を延長して、トラベラの交換周期を延長すると共に、トラベラ交換による工数を低減し、生産性を大幅に向上することができる。
【0067】また、縦型リングの上部に糸逃げ部を設け、しかも縦型トラベラの糸通過部の内面に外側に膨らむ糸との接触面を設けているため、紡出中にリングとトラベラとの間に糸が挟まれる、所謂トラッピング現象を防止することができ、糸毛羽、糸の損傷を少なくして糸品質を向上させることができる。
【0068】リング外周部の上部係合部を傾斜させているため、トラベラに加わる紡出テンションが高くなっても、トラベラ上脚部がリングの上部外周面から外れることがなく、スピンドル回転数を6000r.p.m以上の高速にすることが可能となり、生産性を向上することができる。
【0069】さらに、鍔部の上面を平面としているため、鍔部の上面に落下した短繊維の除去が容易となり、掃除に要する工数が低減され、しかも短繊維の付着による糸品質の低下を防止することができる。
【0070】上記のように、本発明の紡機用リング・トラベラ装置は上記各構成要件を備えたことにより、各構成から得られる相乗的効果を発揮し、ガラス繊維の撚糸において、スピンドル回転数を6000r.p.m以上とした高速域においても、低い紡出テンションのもとでのソフト巻きを可能とし、糸毛羽の少ない高品質の撚糸を生産することが可能となり、しかも生産性を向上することができるという優れた効果を有する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦型リングと縦型トラベラを組み合わせた紡機用リング・トラベラ装置の一実施例を示す要部破断断面図である。
【図2】本発明の紡機用リング・トラベラ装置に使用される縦型リングの一実施例を示す要部破断断面図である。
【図3】本発明の紡機用リング・トラベラ装置に使用される縦型トラベラの一実施例を示す側面図である。
【図4】図3に示される縦型トラベラの各部断面図であり、(イ)はA−A’線断面図、(ロ)はB−B’線断面図、(ハ)はC−C’線断面図、(ニ)はD−D’線断面図である。
【図5】本発明の縦型リングと縦型トラベラを組み合わせた紡機用リング・トラベラ装置の一実施例を示し、縦型トラベラの使用状態における走行姿勢を示す説明図である。
【図6】従来の焼結ダブラリングに縦型トラベラを組み合わせた状態を示す要部拡大断面図である。
【図7】従来の縦型リングに縦型トラベラを組み合わせた状態を示す要部拡大断面図である。
【図8】従来の焼結コニカルリングを示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 縦型リング
2 縦型トラベラ
3 リングホルダー
4、6、8 リング本体
5、7 ナイロントラベラ
10、40、60、80 糸逃げ部
11、41、61、81 トラベラ走行面
12、42、62、83 上部係合部
13、43、63、84 下部係合部
14、49、66、87 鍔部
15、44、64、82 リング上面
16、45、65 リング下面
17、48、67、86 嵌合部
18 上面
19 下面
20、50、70 トラベラ上脚部
21、51、71 トラベラ下脚部
22 トラベラ頭部
23 トラベラ底部
24 糸通過部
25、52、72 トラベラ胴部
26 リング接触面
27 糸との接触面
28 リング逃がし部
46 凹溝
47、85 導油糸溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】リングの中心軸を通る縦断面において、リング全高Hが4.2mm〜5.4mmを有し、リング内周面の上部に、リング全高Hの18%〜25%の高さH1 を有し、かつリングの中心軸と平行な線に対して25°〜35°の傾斜角αをもって外側上方に向けて傾斜する糸逃げ部を設け、リング内周面の上記糸逃げ部に連続して下方に、リングの中心軸と平行な線に対して2°〜4°の傾斜角βをもって外側下方に向けて傾斜するトラベラ走行面を設けた縦型リングと、トラベラ頭部とトラベラ底部の内側の最大高さhがリング全高Hの1.05倍〜1.13倍を有し、トラベラ胴部のリング接触面の高さh1 がリングのトラベラ走行面の高さH2 の67%〜80%を有する縦型トラベラとから構成され、上記のように形成された縦型トラベラを縦型リングのトラベラ走行面に案内されて走行するよう縦型リングに係合し、トラベラ底部がリング下面に接触した状態において、トラベラ胴部のリング接触面の上端がリング内周面のトラベラ走行面の上端より下方に位置し、トラベラの走行中における前傾により、トラベラ頭部がリング上面に接触した時のトラベラの最大傾斜角θが10°〜22°となるように組み合わせたことを特徴とする紡機用リング・トラベラ装置。
【請求項2】縦型リングのリング外周部がリングの中心軸と平行な線に対して8°〜12°の傾斜角γをもって外側上方に向け傾斜した上部係合部と、リングの中心軸と平行に設けられた下部係合部と、上記上部係合部と下部係合部との間に設けられた鍔部とから成ることを特徴とする請求項1記載の紡機用リング・トラベラ装置。
【請求項3】縦型リングのトラベラ走行面が平面又は少なくとも80mm、好ましくは80mm〜200mmの曲率半径を有する曲面により構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の紡機用リング・トラベラ装置。
【請求項4】縦型リングのリング外周部の上部係合部の高さH3 がリング全高Hの1/2.3〜1/2.5を有し、下部係合部の高さH4 がリング全高Hの1/3〜1/3.5を有するように形成されたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の紡機用リング・トラベラ装置。
【請求項5】縦型トラベラがナイロン6、ナイロン66等のナイロン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂或いは四ふっ化エチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、又は上記熱可塑性樹脂に二硫化モリブデン、グラファイトなどを添加した熱可塑性樹脂を用いて成形され、トラベラ重量が15mg〜40mg、好ましくは15mg〜28mgを有することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の紡機用リング・トラベラ装置。
【請求項6】縦型トラベラのトラベラ頭部とトラベラ胴部との間に設けられた糸通過部の内面の糸との接触面がトラベラ胴部のリング接触面より外側に膨らむ円弧面により形成されたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の紡機用リング・トラベラ装置。
【請求項7】縦型トラベラのトラベラ底部とトラベラ胴部との間に設けられたリング逃がし部がトラベラ胴部のリング接触面より外側に膨らむ円弧面により形成されたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6記載の紡機用リング・トラベラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2000−212841(P2000−212841A)
【公開日】平成12年8月2日(2000.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−7570
【出願日】平成11年1月14日(1999.1.14)
【出願人】(394010506)
【Fターム(参考)】