説明

紫外線照射装置及び印刷装置

【課題】排紙ジャムの発生を防止しつつ排紙揃え品質を確保することができ、複数機種の印刷装置に接続可能な紫外線照射装置、及びこの紫外線照射装置が接続可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】用紙Pを搬送する用紙搬送手段24と、用紙搬送手段24の用紙搬送方向下流側に設けられ印刷済みの用紙Pに紫外線を照射する紫外線照射手段23とを有し、排紙搬送手段44と排紙トレイ68とを有する印刷装置本体8に接続可能であり、排紙搬送手段44及び排紙トレイ68が取り外された印刷装置本体8に用紙搬送手段24が接続されると共に、紫外線照射手段23の用紙搬送方向下流側に排紙搬送手段44が、そのさらに用紙搬送方向下流側に排紙トレイ68がそれぞれ接続されることを特徴とする紫外線照射装置4。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線硬化型インキを用いて印刷を行う印刷装置及びこれに接続可能な紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔性の支持円筒体からなる版胴と、熱可塑性樹脂フィルムに多孔性支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタとを用い、マスタの熱可塑性樹脂フィルム面をサーマルヘッドで加熱溶融穿孔製版した後に版胴に巻装し、版胴内部に設けられたインキ供給手段により版胴の内周面に適量のインキを供給し、プレスローラや圧胴等の押圧部材で用紙を版胴に押圧することにより、版胴開孔部及びマスタ穿孔部より滲出したインキを用紙に転写させることにより印刷を行うデジタル式感熱孔版印刷装置がよく知られている。
【0003】
このような孔版印刷装置では、インキとして通常は空気中においてすぐに固化しないものが採用されており、これにより使用の都度版胴を清掃する手間がかからないように構成されている。このインキは用紙に浸透して擬似的に乾燥するため、印刷直後の印刷物はインキが用紙に対して完全に浸透していないために手で擦れば簡単に印刷画像が流れてしまい、手や用紙が汚れてしまう。そこで印刷物の乾燥を促進するため、印刷用インキとして紫外線硬化型インキを用いると共に印刷物に紫外線を照射する紫外線照射装置を備えた孔版印刷装置が、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
【特許文献1】実公平4−35188号公報
【特許文献2】特開平5−64878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の孔版印刷装置では、図9(a)に示すように印刷後の印刷物はベルト吸引式の排紙搬送手段によって搬送され、搬送中に最適な腰付けを行われて用紙搬送方向下流側に配置された排紙トレイ上に排出されることにより所定の排紙揃え品質を確保するように設計されており、このような孔版印刷装置の排紙口に上述の紫外線照射装置を装着することも知られている。
【0006】
しかし、孔版印刷装置はメーカ毎に数多くの機種が商品化され販売されているため、これら複数メーカ複数機種の孔版印刷装置全てに接続可能な紫外線照射装置を提供することが望ましいが、機種毎に排紙口の高さや形状等が異なるため、また装着されている排紙トレイの形態や形状が異なるために紫外線照射装置を共通化することは困難であり、1つの孔版印刷装置にはそれ専用の紫外線照射装置が接続される構成となっていた。
【0007】
紫外線照射装置を複数種類の孔版印刷装置に接続可能とする場合には、孔版印刷装置の排紙口の位置に適合した最適な接続状態が要求されるが、接続される孔版印刷装置側では用紙の排出位置と排出態様とが孔版印刷装置側の設定で一方的に決定されているため、このような孔版印刷装置に紫外線照射装置を接続した場合には、例えば孔版印刷装置側のジャンプ板の角度が大きく設定されていて排出される用紙が大きくU字形状に腰付けされて湾曲された状態で排出される際には、排出される用紙が紫外線照射装置の印刷物受け入れ口に干渉して排紙ジャムが発生してしまう虞がある。また、孔版印刷装置の排紙口の位置と紫外線照射装置の印刷物受け入れ口の位置(主に高さ方向)とが合致しない場合には、紫外線照射装置の印刷物受け入れ口で排紙ジャムが発生してしまうという問題点がある。このように、紫外線照射装置が接続された場合には孔版印刷装置の排紙搬送装置において用紙に対する腰付けが行われないことが望ましいが、孔版印刷装置と紫外線照射装置とはその制御が別々であるため上述のようにジャムが発生してしまう。
【0008】
また、孔版印刷装置の排紙口に紫外線照射装置を接続する場合に、図9(b)に示すように排紙トレイを取り外して紫外線照射装置を孔版印刷装置の排紙口に直接接続する構成が挙げられるが、この場合には腰付け機能を有する排紙搬送手段によって排紙トレイへの用紙排出を行っていないため、排紙揃え品質の確保が困難であり排紙ジャムが発生する虞が生じるという問題点がある。これは、孔版印刷装置側では用紙の種類及びサイズに応じたジャンプ板の角度調整及び印刷速度に応じた用紙搬送速度調整等を最適にする制御がなされていたが、孔版印刷装置とは別駆動である紫外線照射装置ではこのような制御が行われないためである。
【0009】
本発明は上述の問題点を解決し、排紙ジャムの発生を防止しつつ排紙揃え品質を確保することができ、複数機種の印刷装置に接続可能な紫外線照射装置、及びこの紫外線照射装置が接続可能な印刷装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段の上方に設けられ印刷済みの前記用紙に紫外線を照射する紫外線照射手段とを有する紫外線照射装置であって、排紙搬送手段と排紙トレイとを有する印刷装置本体に接続可能であり、前記排紙搬送手段及び前記排紙トレイが取り外された前記印刷装置本体に前記用紙搬送手段が接続されると共に、前記紫外線照射手段の用紙搬送方向下流側に前記排紙搬送手段が、そのさらに用紙搬送方向下流側に前記排紙トレイがそれぞれ接続されることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の紫外線照射装置において、さらに前記用紙搬送手段は前記印刷装置の印刷部からの前記用紙の排出位置に合わせて高さ方向の位置が調整可能であることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の紫外線照射装置において、さらに前記用紙搬送手段は前記用紙を搬送する無端ベルト及び前記無端ベルト上に前記用紙を吸引する吸引手段を有しており、前記無端ベルトの用紙搬送面は用紙搬送方向に沿って下り斜面となるように構成されると共に、前記吸引手段はその吸引力が用紙搬送方向上流側において最も強くなるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の紫外線照射装置において、さらに前記用紙搬送手段を駆動する搬送駆動手段と前記用紙の前記印刷部からの排出速度を検出する速度検出手段とを有し、前記速度検出手段により検出された前記用紙の排出速度に応じて前記搬送駆動手段の作動を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の紫外線照射装置において、さらに前記速度検出手段は前記用紙の先端を検知する2つのセンサを有し、該各センサはその1つが前記紫外線照射手段による紫外線照射範囲の用紙搬送方向上流側端部から30mm以上用紙搬送方向上流側に離れた位置に配置され、他の1つがそれよりもさらに50mm以上用紙搬送方向上流側に離れた位置に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の紫外線照射装置において、さらに前記排紙搬送手段を駆動する排紙搬送駆動手段を前記排紙搬送手段が有しており、前記制御手段は前記速度検出手段により検出された前記用紙の排出速度に応じて前記排紙搬送駆動手段の作動を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか1つに記載の紫外線照射装置において、さらに前記排紙搬送手段は前記用紙に腰付けを行う腰付け部材及び前記腰付け部材の角度を変化させる角度可変手段を有しており、設定に応じて前記角度可変手段を作動させ前記腰付け部材の角度を変化させることを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか1つに記載の紫外線照射装置を接続することが可能な印刷装置であって、その印刷装置本体に前記排紙搬送手段と前記排紙トレイとをそれぞれ着脱可能に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、印刷装置に設けられている排紙搬送手段及び排紙トレイを取り外し、その位置に印刷部の直下流位置まで延在する用紙搬送手段を有する紫外線照射装置を取り付け、用紙搬送手段の用紙搬送方向下流側に排紙搬送手段及び排紙トレイを配置する構成としたので、紫外線照射装置の用紙受け入れ部における用紙搬送ジャムの発生を抑制することができ、また本来印刷装置が有していた排紙関連ユニットをそのまま使用可能であるので、コストダウンを図ることができると共に廃棄部品の発生を防止でき、高品質の排出搬送並びに良好な排紙揃え性能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態を示している。同図において印刷装置である孔版印刷装置1は、印刷部2、給紙部3、図示しない製版部及び排版部を有しており、その用紙搬送方向下流側には紫外線照射装置4が接続されている。
【0020】
印刷部2は、版胴5、プレスローラ6、用紙剥離手段7等を有している。版胴5はインキ供給パイプを兼ねた支軸9によって印刷装置本体8に回転自在に支持されており、図示しない版胴駆動手段によって印刷時において図の矢印方向に回転駆動される。版胴5の内部には支軸9に固定された2枚の図示しない側板が設けられており、各側板間にはインキローラ10及びドクターローラ11がそれぞれ回転自在に支持されている。インキローラ10はその周面が版胴5の内周面に対して僅かに離間する位置に配置されており、図示しないインキローラ駆動手段によって図の矢印方向に回転駆動される。ドクターローラ11はその周面がインキローラ10の周面に対して僅かに離間する位置に配置されており、図示しないドクターローラ駆動手段によってインキローラ10とは逆方向に回転駆動される。支軸9からは図示しないインキポンプによって図示しないインキパック内に貯容された紫外線硬化型インキが供給され、このインキが各ローラ10,11の近接部に供給されることにより断面楔形状のインキ溜まり12が形成される。インキ溜まり12のインキは各ローラ10,11の近接部を通過する際にインキローラ10の周面に薄層状に供給され、このインキは後述するプレスローラ6によって版胴5の外周面が押圧された際に、インキローラ10の周面が版胴5の内周面に接触することにより版胴5の内周面に供給される。また版胴5の外周面上には、図示しない製版部において製版されたマスタ13の先端部を挟持するための開閉自在なクランパ14が設けられている。
【0021】
版胴5の下方にはプレスローラ6が配設されている。版胴5とほぼ同じ軸方向長さを有しゴム等の弾性体からなるプレスローラ6は、その両端を図示しない一対のプレスローラアームによって回転自在に支持されている。各プレスローラアームは図示しないアーム揺動手段によって揺動され、これによりプレスローラ6は、その周面が版胴5の外周面より離隔する図1に示す離隔位置とその周面が版胴5の外周面に所定の圧接力で圧接する圧接位置とを選択的に占める。
【0022】
版胴5の左方近傍には用紙剥離手段7が配設されている。用紙剥離手段7は、剥離爪15と送風ファン16とを有している。鋭角状に形成された自由端を有する剥離爪15は送風ファン16のケーシングに揺動自在に支持されており、図示しない爪揺動手段によって揺動され、その自由端が版胴5の外周面に近接する図1に示す剥離位置とクランパ14等との接触を避けるべく版胴5の外周面より離隔する離隔位置とを選択的に占める。送風ファン16は図示しない駆動手段により作動され、剥離爪15の自由端近傍に向けて送風を行う。用紙剥離手段7の作動によって版胴5の外周面から印刷済みの用紙Pがその先端側から剥離され、剥離された用紙Pは下流側へと送られる。
【0023】
印刷装置本体8の右側には給紙部3が配設されている。給紙部3は、給紙トレイ17、給紙ローラ18、分離ローラ19、分離パッド20、レジストローラ対21等を有している。
【0024】
その上面に多数の用紙を積載可能な給紙トレイ17は印刷装置本体8に上下動自在に支持されており、図示しない昇降手段によって上下動される。給紙トレイ17の用紙積載面には、積載される用紙Pの両端揃えを行う一対の図示しないサイドフェンスが調節移動可能に設けられている。
【0025】
周面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ18は、印刷装置本体8に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、図示しない給紙モータの作動によって図の矢印方向に回転駆動される。給紙ローラ18は、用紙Pを積載した給紙トレイ17が所定位置まで上昇したときに、給紙トレイ17上の用紙Pに対して所定の圧接力で圧接する。
【0026】
周面に高摩擦抵抗部材を有する分離ローラ19は印刷装置本体8に回転自在に支持されており、図示しない給紙モータの作動によって給紙ローラ18と同期して同方向に回転駆動される。給紙ローラ18を支持する図示しないブラケットは、分離ローラ19の回転軸を中心に揺動される。上面に高摩擦抵抗部材を有する分離パッド20は印刷装置本体8に移動自在に支持されており、図示しない付勢手段によってその上面を分離ローラ19の周面に対して所定の圧接力で圧接配置されている。
【0027】
レジストローラ対21は印刷装置本体8にそれぞれ回転自在に支持された駆動ローラと従動ローラとにより構成されている。駆動ローラは図示しない版胴駆動手段からの回転駆動力をカムやベルト等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで版胴5と同期して図の矢印方向に回転駆動され、従動ローラは図示しない付勢手段によって駆動ローラに対して圧接配置されている。レジストローラ対21は、給紙トレイ17上から各ローラ18,19によって分離給送された用紙Pを一時停止させた後、所定のタイミングで版胴5とプレスローラ6との間に向けて給送する。
【0028】
印刷装置本体8の左方には紫外線照射装置4が接続されている。紫外線照射装置4は、その照射装置本体22の内部に紫外線照射手段23及び用紙搬送手段24及び揺動機構36を有している。
【0029】
紫外線照射手段23は照射装置本体22の内部上方に配設されており、高圧水銀ランプあるいはメタルハライドランプ等からなる紫外線ランプ25、アルミ板等からなる反射板26、反射板26の外側に設けられたカバーケーシング27、カバーケーシング27内の空気を吸引しオゾンフィルタを通過させた後に照射装置本体22の外部に排出させる共に図示しないエア排出パイプ及び吸引ファン等を有している。紫外線照射手段23は一体的に構成されており、用紙搬送手段24の図示しないフレームに固定されている。
【0030】
紫外線照射手段23の下方に配設された用紙搬送手段24は、駆動ローラ28、従動ローラ29、各ローラ28,29間に掛け渡された複数の無端ベルト30、駆動ローラ28を回転駆動する搬送駆動手段としてのモータ31、エアダクト32、吸引ファン33等を有している。用紙搬送手段24は、紫外線照射手段23による紫外線照射範囲から用紙搬送方向上流側に所定長さ延在して設けられており、この延在部分が印刷装置本体8の排紙側内部に入り込むように配設され、印刷部2において印刷がなされた印刷後の用紙Pを受け取るように構成されている。各無端ベルト30の上面と紫外線照射手段23との間には、所定の間隔が保たれている。
【0031】
用紙搬送手段24の下方には、一体的に構成された紫外線照射手段23及び用紙搬送手段24を揺動させる、ラック部材37、駆動ギヤ38、ウォームホイール39、ウォーム40、ハンドル41等を有する揺動機構36が配設されている。紫外線照射手段23及び用紙搬送手段24は駆動ローラ28の支軸を中心に照射装置本体22に揺動可能に支持されており、用紙搬送手段24の図示しないフレームの下部には円弧状ラックを有するラック部材37が取り付けられている。ラック部材37の円弧状ラックと噛合する位置には駆動ギヤ38が配設されており、この同軸上にはウォームホイール39が配設されている。駆動ギヤ38及びウォームホイール39は共に照射装置本体22に回転自在に支持されている。ウォームホイール39と噛合する位置には、ハンドル41によって回転自在に構成されたウォーム40が配設されている。この構成により、ハンドル41を回すことによって紫外線照射手段23及び用紙搬送手段24を図の矢印方向に揺動可能であるので、多種類の印刷装置に紫外線照射装置4を接続した場合にも印刷部から排出された用紙Pを用紙搬送手段24によって確実に受け取り搬送することができる。
【0032】
図2は、用紙搬送手段24の延在部の拡大図を示している。印刷装置本体8には突起部材42が植設されており、これと対応する照射装置本体22にはU溝部を有する連結部材43が揺動自在に設けられている。突起部材42及び連結部材43は印刷装置本体8及び照射装置本体22の装置手前側及び装置奥側にそれぞれ配設されており、各連結部材43を各突起部材に係合させることにより紫外線照射装置4が孔版印刷装置1に接続される。また図2によく示すように、用紙搬送手段24のベルト搬送面は版胴5とプレスローラ6との当接部から用紙搬送方向下流側に向かうに連れて下り勾配となるように配設され、その角度は一般的に5〜10度程度に設定される。このように配設することにより、印刷部2から排出された用紙Pと版胴外周面との排出角度が大きくなると共に排出された用紙Pが用紙剥離手段7と干渉することを防止することができ、印刷済みの用紙Pを確実に剥離排出することができる。
【0033】
本発明のように他種類の印刷装置に接続可能な紫外線照射装置では、印刷装置側の条件に基づいた最適な制御が必要となる。例えば、通常の印刷装置では印刷速度が多段階に変更可能であり、この設定はオペレータによって任意に行われるが、紫外線照射装置の用紙搬送速度が印刷装置からの印刷物排出速度に対応していない場合には、紫外線照射装置の印刷物受け入れ口において排紙ジャムが発生してしまうという問題がある。また、紫外線照射装置における用紙搬送速度は紫外線の照射効率を高めるためには極力低速に設定したいが、印刷装置からの印刷物排出速度が不明である場合には紫外線照射装置における用紙搬送速度を印刷装置からの最大の印刷物排出速度に設定することとなり、常に高速の搬送速度に対応させるべく紫外線ランプの出力を過度に大きくする必要があり、電力消費が増大してしまうという問題点もある。
【0034】
そこで用紙搬送手段24には、無端ベルト30上を搬送される用紙Pを検知して印刷部2から排出される用紙Pの排出速度を検出する速度検出手段としての第1センサ34及び第2センサ35が配設されている。第2センサ35はカバーケーシング27の用紙搬送方向上流側端部である紫外線照射範囲の用紙搬送方向上流側端部から30mm以上用紙搬送方向上流側に離れた位置に配置されており、紫外線ランプ25からの光や熱の影響を受けないように構成されている。第1センサ34は第2センサ35からさらに50mm以上用紙搬送方向上流側に離れた位置に配置されており、各センサ34,35間において用紙Pの排出速度を検出可能となるように構成されている。
【0035】
用紙搬送手段24の用紙搬送方向下流側には排紙搬送手段44が配設されている。排紙搬送手段44は、駆動ローラ45、従動ローラ46、各ローラ45,46間に掛け渡された複数の無端ベルト47、駆動ローラ45を回転駆動する排紙搬送駆動手段としてのモータ48、エアダクト49、吸引ファン50、印刷後の用紙PにU字形状の腰付けを行うべく一対設けられた腰付け部材としての排紙ジャンプ板51、排紙ジャンプ板51の角度を変化させる角度可変手段としてのジャンプ板変位機構63等を有しており、これらが一体的にユニットとして構成されている。排紙搬送手段44は、元々は孔版印刷装置1の排紙部、すなわち印刷部2の用紙搬送方向直下流側に配設されていたものであり、独立した駆動機構を有するユニットであって印刷装置本体8に対して着脱可能に構成されていると共に、照射装置本体22に対しても着脱可能に構成されている。
【0036】
図3は、印刷装置本体8に取り付けられた排紙搬送手段44を示している。排紙搬送手段44を構成する左右一対の側板52にはそれぞれU溝部52aと曲げ部52bとが形成されており、印刷装置本体8に植設された支持軸53にU溝部52aを係合させ、印刷装置本体8に固定された雌ねじを有する支持部材54に曲げ部52bを載置させた状態でねじ55によって固定されている。モータ48及び吸引ファン50及び後述するモータ62はそれぞれハーネス56を介してコネクタ57に接続されており、コネクタ57は印刷装置本体8側のハーネス58に接続されたコネクタ59に接続されている。このような構成であるので、排紙搬送手段44はねじ55を外すことにより印刷装置本体8から簡単に取り外すことができ、照射装置本体22に設けられた図示しない支持軸及び支持部材に対して同様の方法で固定される。
【0037】
図4は、排紙搬送手段44を用紙搬送方向下流側から見た要部概略図である。本実施形態において、それぞれ細切れローラからなる駆動ローラ45及び従動ローラ46は共に側板52間に回転自在に支持されており、各ローラ45,46間には3本の無端ベルト47が掛け渡されている。駆動ローラ45は側板52に固定されたモータ48によって回転駆動され、各無端ベルト47が用紙搬送方向に向けて走行する。
【0038】
排紙搬送手段44の図示しない上面板には、その用紙搬送方向下流側端部の両側端部に排紙ジャンプ板51がそれぞれ揺動自在に支持されており、各排紙ジャンプ板51の下方にはリンク部材60がそれぞれ側板52に移動自在に支持されている。リンク部材60の下方には、側板52間に回転自在に支持された支軸61aに固着された偏心カム61が各リンク部材60に対応して配置されており、支軸61aが側板52に取り付けられたモータ62によって回転駆動されることにより各偏心カム61が回転して各リンク部材60が移動し、各排紙ジャンプ板51の角度が図4に示すθの範囲で変化する。これらリンク部材60、偏心カム61、支軸61a、モータ62等によってジャンプ板変位機構63が構成されている。
【0039】
排紙搬送手段44が孔版印刷装置1の印刷装置本体8に取り付けられている場合にはジャンプ板変位機構63は孔版印刷装置1の制御手段によってその作動を制御され、用紙Pの種類あるいはサイズ等に応じて各排紙ジャンプ板51の角度θが自動的に変更されるが、排紙搬送手段44が照射装置本体22に取り付けられている場合には孔版印刷装置1側から情報を得ることができないため、紫外線照射装置4の操作パネル64から各排紙ジャンプ板51の角度θを入力することによりジャンプ板変位機構63を作動させる。具体的には、例えば図5に示すように、各排紙ジャンプ板51の角度を「角度小」、「標準」、「角度大」の3種類から選択して設定する。
【0040】
多種類の印刷装置に接続可能な紫外線照射装置を実現するためには、紫外線照射装置が独自の電源と操作部と駆動部とを有しており、印刷装置側とは電気的にオフライン状態でありながらも連携して動作する必要、すなわち印刷装置側から情報が得られなくても正常に動作する必要がある。そこで本発明の紫外線照射装置4は、専用の電源65及び各作動部を制御する制御手段66を照射装置本体22の内部に有しており、孔版印刷装置1に対して特別に電気的な信号ライン接続を行うことなくオフライン状態で作動可能であり、図5に示す操作パネル64における設定に基づいて作動可能に構成されている。
【0041】
図6は制御手段66のブロック図を示している。制御手段66は、紫外線ランプ点灯回路83を介して紫外線ランプ25の点灯及び消灯を制御する他、モータ31のオンオフ、吸引ファン33のオンオフを制御する。また、第1センサ34と第2センサ35との間を用紙Pが通過する時間差を検知して用紙Pの排出速度を検出し、無端ベルト30の走行速度が検出された用紙Pの排出速度と適合する最適な速度、具体的には用紙Pの排出速度に対して5〜20%程度高速となる速度となるようにモータ31の回転駆動速度を制御する。
【0042】
上述したように、各モータ48,62及び吸引ファン50はハーネス56を介してコネクタ57に接続されており、排紙搬送手段44が孔版印刷装置1に取り付けられている場合にコネクタ57は孔版印刷装置1側のコネクタ59に接続されるが、排紙搬送手段44が紫外線照射装置4に取り付けられた場合には紫外線照射装置4側のコネクタ67に接続される。このコネクタ接続により、制御手段66によって各モータ48,62及び吸引ファン50の作動を制御可能に構成されている。ここで、各無端ベルト47の走行速度が無端ベルト30の走行速度と合致するように、モータ48の回転駆動速度が制御される。
【0043】
排紙搬送手段44の用紙搬送方向下流側には排紙トレイ68が配設されている。排紙トレイ68は元々孔版印刷装置1の排紙部、すなわち排紙搬送手段44の用紙搬送方向直下流側に配設されていたものであり、印刷装置本体8に対して着脱可能に構成されていると共に、照射装置本体22に対しても着脱可能に構成されている。排紙トレイ68は、排出された用紙Pの先端が当接する1つのエンドフェンス69と用紙Pの両側部を案内して位置決め落下させるための一対のサイドフェンス70とを有している。
【0044】
図7は、孔版印刷装置1の印刷装置本体8に取り付けられた排紙トレイ68を示している。排紙トレイ68の取り付け部である先端の両側部には、溝部68a,68bがそれぞれ一体形成されており、印刷装置本体8には各溝部68a,68bに係合可能な支持軸71,72がそれぞれ植設されている。このような構成であるので、排紙トレイ68は各溝部68a,68bを各支持軸71,72から外すことにより印刷装置本体8から簡単に取り外すことができ、照射装置本体22に設けられた図示しない支持軸に対して同様の方法で取り付けられる。
【0045】
上述の構成に基づき、以下に孔版印刷装置1及び紫外線照射装置4の動作を説明する。図1に示すように、孔版印刷装置1に紫外線照射装置4が適正に接続された状態において、オペレータは装置本体8の上部に設けられた図示しない画像読取部に印刷すべき原稿をセットした後に孔版印刷装置1の図示しない操作パネル上に設けられた製版スタートキーを押下する。
【0046】
製版スタートキーが押下されると、孔版印刷装置1の図示しない排版部が作動して版胴5の外周面より使用済みのマスタ13が剥離され廃棄される。また、これと同時に図示しない画像読取部において原稿の読み取り動作が行われ、排版動作完了後において図示しない製版部が作動し、読み取られた原稿画像に応じて新たなマスタ13に対する製版動作が行われる。製版されたマスタ13は版胴5に向けて搬送され、その先端をクランパ14によって保持された後、版胴5が回転することにより版胴5の外周面上に巻装される。
【0047】
一方、オペレータは紫外線照射装置4の電源をオンさせ、操作パネル64上に設けられたスタートキー73を押下する。スタートキー73がオンされると、制御手段66は紫外線ランプ25を点灯させると共に、モータ31及び吸引ファン33を作動させる。このとき無端ベルト30の走行速度は、孔版印刷装置1における最高の用紙搬送速度とほぼ等しい速度に設定される。さらにオペレータは、使用する用紙Pの種類に応じて操作パネル64上の排紙ジャンプ板角度設定キー80,81,82を押下し、排紙ジャンプ板51の角度を設定する。一般的に標準紙の場合は標準キー81を、厚紙の場合には角度小キー80を、薄紙の場合には角度大キー82を選択する。各キー80,81,82の押下により制御手段66はモータ62を作動させて排紙ジャンプ板51を所定の角度に設定する。さらに制御手段66は、モータ48及び吸引ファン50を作動させる。
【0048】
製版巻装動作完了後、孔版印刷装置1では版胴5が低速で回転駆動されると共に給紙部3より1枚の用紙Pが印刷部2に向けて給送され、給送された用紙Pはプレスローラ6によって版胴5の外周面上に巻装されたマスタ13に押圧される。この押圧により、支軸9からインキローラ10及びドクターローラ11を介して版胴5の内周面に供給された紫外線硬化型インキが版胴5の開孔部、マスタ13の多孔性支持体の空隙、マスタ13の熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部を介して用紙Pに転写され、いわゆる版付けが行われる。版付けにより上面にインキを転写された用紙Pは用紙剥離手段7によって版胴5の外周面より剥離され、用紙搬送手段24上に落下する。
【0049】
版付けされた用紙Pを受け取った用紙搬送手段24は上述した走行速度で無端ベルト30を走行させているが、用紙Pが第1センサ34及び第2センサ35を通過した際に制御手段66が用紙Pの搬送速度を検出し、制御手段66は検出された用紙Pの搬送速度に応じてモータ31の回転駆動速度を減速させ、無端ベルト30の走行速度が減速される。また制御手段66はモータ48の回転駆動速度を制御し、無端ベルト47の走行速度を用紙Pの排出速度と対応させる。
【0050】
用紙搬送手段24上に落下した版付け後の用紙Pは、紫外線照射手段23の下方を通過する際に紫外線を照射され、上面に転写されたインキを定着される。その後、用紙Pは排紙搬送手段44に受け渡され、排紙ジャンプ板51によって腰付けされた後に排紙トレイ68上に排出される。このとき、排紙ジャンプ板51によって用紙Pに対して確実な腰付けが行われるので、排紙トレイ68上における排紙揃えが向上する。
【0051】
オペレータは版付けされた用紙Pを確認してその画像濃度や画像位置等が所望の状態であれば、孔版印刷装置1の図示しない操作パネル上において印刷速度及び印刷枚数を設定した後に図示しない印刷スタートキーを押下する。印刷スタートキーが押下されると、設定された印刷速度に対応した回転周速度で版胴5が回転駆動されると共に、給紙部3から用紙Pが連続的に給送される。給送された用紙Pは、印刷部2において順次プレスローラ6により版胴5の外周面に押圧されることで画像を転写され、用紙搬送手段24に搬送される。用紙搬送手段24は各センサ34,35によって用紙Pの排出速度をその都度検出し、制御手段66は各用紙Pの排出速度に応じてモータ31の作動を制御し、無端ベルト30の走行速度を制御する。このように、オフライン状態でありながらも用紙Pの排出速度に応じて用紙搬送手段24による用紙搬送速度が制御される。
【0052】
制御手段66は、各センサ34,35により検出された用紙Pの排出速度に応じてモータ48の作動も制御しており、これにより無端ベルト47の走行速度が各用紙Pの排出速度に応じて制御される。用紙搬送手段24によって搬送された用紙Pは、紫外線照射手段23の下方を通過する際に紫外線を照射されて上面に転写されたインキを定着された後、排紙搬送手段44によって搬送された後に排紙ジャンプ板51によって腰付けされ、整然と排紙トレイ68上に排出される。そして設定された印刷枚数が消化されると、孔版印刷装置1の作動が停止される。その後、オペレータにより操作パネル64上のストップキー74が押下されることにより、制御手段66は紫外線ランプ25を消灯させると共に、各モータ31,48及び各吸引ファン33,50の作動を停止させる。これにより孔版印刷装置1及び紫外線照射装置4は待機状態となる。
【0053】
上述した本発明の構成によれば、孔版印刷装置1に設けられている排紙搬送手段44及び排紙トレイ68を取り外し、その位置に印刷部2の直下流位置まで延在する用紙搬送手段24を有する紫外線照射装置4を取り付け、用紙搬送手段24の用紙搬送方向下流側に排紙搬送手段44及び排紙トレイ68を配置する構成としたので、紫外線照射装置4の用紙受け入れ部における用紙搬送ジャムの発生を抑制することができる。また、本来孔版印刷装置1が有していた排紙関連ユニットをそのまま使用可能であるので、コストダウンを図ることができると共に廃棄部品の発生を防止でき、高品質の排出搬送並びに良好な排紙揃え性能を確保することができる。
【0054】
また、揺動機構36により用紙搬送手段24の高さ方向の位置が調整が可能であるので、どのような印刷装置に紫外線照射装置4を接続した場合であっても印刷装置から排出される用紙を用紙搬送手段24が確実に受け取ることができ、複数機種の孔版印刷装置に接続可能な紫外線照射装置を提供できる。
【0055】
また、用紙搬送手段24のベルト搬送面が版胴5とプレスローラ6との当接部から用紙搬送方向下流側に向かうに連れて下り勾配となるように配設されているので、印刷直後における用紙Pの排出角度を大きくすることができ用紙Pの剥離性が向上すると共に、用紙搬送手段24と用紙剥離手段7との干渉を防止することができる。
【0056】
また、用紙搬送手段24が第1センサ34及び第2センサ35を有し、各センサ34,35によって検知された用紙Pの排出速度に応じて制御手段66が用紙搬送手段24における用紙搬送速度を制御する構成としたので、紫外線照射装置4における用紙搬送速度を最適な値に自動調整することができ、孔版印刷装置1側で印刷速度をどのように設定変更しても用紙搬送ジャムの発生を防止することが可能となり、印刷効率が向上する。ここで、第2センサ35が紫外線照射範囲から30mm以上用紙搬送方向上流側に配置されていることにより、第2センサ35が紫外線の光や熱の影響を受けることがなく長期間正常に機能でき、第1センサ35が第2センサ35からさらに用紙搬送方向上流側に配置されていることにより、用紙Pの排出速度を検出するために必要な長さを確保することができ、用紙排出速度検出の信頼性が向上する。
【0057】
また、各センサ34,35によって検知された用紙Pの排出速度に応じて制御手段66が排紙搬送手段44における用紙搬送速度を制御する構成としたので、紫外線照射装置4における排紙搬送速度を最適な値に自動調整することができ、孔版印刷装置1側で印刷速度をどのように設定変更しても用紙搬送ジャムの発生を防止することが可能となり印刷効率が向上すると共に、排紙トレイ68に対する用紙Pの排出速度が最適となり、排紙トレイ68上における用紙揃えを向上することができる。
【0058】
また、設定により排紙ジャンプ板51の角度を変更可能に構成したので、紫外線照射装置4が孔版印刷装置1と電気的にオフライン状態でありながら排紙ジャンプ板51の角度を設定でき、排出される用紙Pへの腰付けを最適な状態で行うことにより排紙トレイ68上における用紙揃えを向上することができる。
【0059】
図8は、本発明の一実施形態の変形例を示している。この変形例は、上述した実施形態と比較すると、用紙搬送手段24に代えて、分割された2つのエアダクト75,76及び各エアダクト75,76に装着された吸引手段としての吸引ファン77,78を有する用紙搬送手段79を用いる点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。この変形例において、用紙搬送方向上流側に位置する吸引ファン77は吸引ファン78に比して大型で吸引力が強いものが用いられている。
【0060】
上述の構成とすることにより、用紙Pが印刷部2より抜け出た直後において強力な吸引力によって用紙Pを吸引することにより、上述の実施形態に比して版胴5からの用紙Pの剥離性が向上するため、版胴5の外周面に用紙Pが巻き上がって排紙されない用紙巻き上がりの発生を防止することができ、作業効率を向上することができる。
【0061】
上記実施形態及び変形例では、孔版印刷装置1に紫外線照射装置4を接続する構成を示したが、紫外線照射装置4が接続可能な印刷装置は孔版印刷装置に限られず、他のオフセット印刷装置等の、紫外線硬化型インキが使用可能である印刷装置であればどのような印刷装置に接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態を採用した孔版印刷装置に接続された紫外線照射装置の概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に用いられる紫外線照射手段及び用紙搬送手段を説明する概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に用いられる排紙搬送手段を説明する概略正面図である。
【図4】本発明の一実施形態に用いられる排紙搬送手段及びジャンプ板変位機構を説明する概略側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に用いられる操作パネルの概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に用いられる制御手段のブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に用いられる排紙トレイの概略図である。
【図8】本発明の一実施形態の変形例に用いられる用紙搬送手段を説明する概略図である。
【図9】従来の(a)排紙搬送手段を示す概略図(b)孔版印刷装置に接続された紫外線照射装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0063】
1 印刷装置(孔版印刷装置)
4 紫外線照射装置
8 印刷装置本体
23 紫外線照射手段
24,79 用紙搬送手段
30 無端ベルト
31 搬送駆動手段(モータ)
34 速度検出手段(第1センサ)
35 速度検出手段(第2センサ)
44 排紙搬送手段
48 排紙搬送駆動手段(モータ)
51 腰付け部材(排紙ジャンプ板)
63 角度可変手段(ジャンプ板変位機構)
66 制御手段
68 排紙トレイ
77 吸引手段(吸引ファン)
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段の上方に設けられ印刷済みの前記用紙に紫外線を照射する紫外線照射手段とを有する紫外線照射装置であって、
排紙搬送手段と排紙トレイとを有する印刷装置本体に接続可能であり、前記排紙搬送手段及び前記排紙トレイが取り外された前記印刷装置本体に前記用紙搬送手段が接続されると共に、前記紫外線照射手段の用紙搬送方向下流側に前記排紙搬送手段が、そのさらに用紙搬送方向下流側に前記排紙トレイがそれぞれ接続されることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
請求項1記載の紫外線照射装置において、
前記用紙搬送手段は前記印刷装置の印刷部からの前記用紙の排出位置に合わせて高さ方向の位置が調整可能であることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の紫外線照射装置において、
前記用紙搬送手段は前記用紙を搬送する無端ベルト及び前記無端ベルト上に前記用紙を吸引する吸引手段を有しており、前記無端ベルトの用紙搬送面は用紙搬送方向に沿って下り斜面となるように構成されると共に、前記吸引手段はその吸引力が用紙搬送方向上流側において最も強くなるように構成されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つに記載の紫外線照射装置において、
前記用紙搬送手段を駆動する搬送駆動手段と前記用紙の前記印刷部からの排出速度を検出する速度検出手段とを有し、前記速度検出手段により検出された前記用紙の排出速度に応じて前記搬送駆動手段の作動を制御する制御手段を有することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項5】
請求項4記載の紫外線照射装置において、
前記速度検出手段は前記用紙の先端を検知する2つのセンサを有し、該各センサはその1つが前記紫外線照射手段による紫外線照射範囲の用紙搬送方向上流側端部から30mm以上用紙搬送方向上流側に離れた位置に配置され、他の1つがそれよりもさらに50mm以上用紙搬送方向上流側に離れた位置に配置されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項6】
請求項4または5記載の紫外線照射装置において、
前記排紙搬送手段を駆動する排紙搬送駆動手段を前記排紙搬送手段が有しており、前記制御手段は前記速度検出手段により検出された前記用紙の排出速度に応じて前記排紙搬送駆動手段の作動を制御することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1つに記載の紫外線照射装置において、
前記排紙搬送手段は前記用紙に腰付けを行う腰付け部材及び前記腰付け部材の角度を変化させる角度可変手段を有しており、設定に応じて前記角度可変手段を作動させ前記腰付け部材の角度を変化させることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか1つに記載の紫外線照射装置を接続することが可能な印刷装置であって、
その印刷装置本体に前記排紙搬送手段と前記排紙トレイとをそれぞれ着脱可能に有することを特徴とする印刷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−30403(P2008−30403A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208779(P2006−208779)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
【Fターム(参考)】