説明

紫外線遮断フィルム

透明ポリプロピレンフィルムであって、少なくとも2種の紫外線吸収添加剤を含み、第1の添加剤が、0.1〜5.0重量%の量でフィルム組成物中に存在する非凝集性無機物質であり、第2の添加剤が、2.0重量%未満の量でフィルム中に
存在する、トリアジン、ヒンダードアミン、オキサニリド、シアノアクリレート、ベンゾトリアゾール及び/又はベンゾフェノンから選択される有機物質を含み、ベンゾトリアゾールとベンゾフェノンが共にフィルム中に存在する場合、ベンゾトリアゾールのベンゾフェノンに対する比が0.5を超える透明ポリプロピレンフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紫外線遮断フィルムに関し、特に無機系紫外線遮断化合物と有機系紫外線遮断化合物を共に含有する混合物を含む高分子フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線遮断フィルムは従来からよく知られている。例えば特許文献1には、(E,E)−1,4−ジフェニルブタ−1,3−ジエン(DPBD)、(E,E)−1,6−ジフェニルヘキサ−1,3,5−トリエン(DPHT)及びベータベータ−カロテン(カロテン)などの、ポリマーと相溶性のある剛性棒状紫外線吸収剤を例えば約0.01重量%の濃度で分散した二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルムが開示されている。これらの吸収剤はフィルムの2つの配向軸のうちの1つに選択的に整列し、各軸の紫外蛍光スペクトルが異なることによりひそかに検知される異方性をフィルムにもたらす。これによりフィルムを認証するための秘密手段が提供され、このフィルムはセキュリティ用の担体として有用である。
【0003】
特許文献2には、耐紫外線特性を有する熱可塑性材料を用いた薄い包装フィルムであって、紫外線に対する遮断効果を向上させ又透明性を向上させるために、組成物として更に少なくとも1種の有機化合物と少なくとも1種の無機系紫外線吸収化合物を組み合わせて含むことを特徴とするフィルムが開示されている。上記有機化合物はベンゾトリアゾールが好ましく、無機化合物は微粉状酸化亜鉛が好ましい。有機成分とベース樹脂間の相溶性を向上させるために、ベンゾフェノンなどの結合剤をフィルム材料が更に含むことがより好ましい。
【0004】
特許文献3には、ポリオレフィンと、粒子径1〜100nmのナノサイズの酸化亜鉛を10〜80重量%含む、マスターバッチとして用いられるポリマー組成物が開示されている。この発明は更に、このマスターバッチから製造されるフィルム及び前記フィルムの製造方法にも関する。
【0005】
特許文献4には、ポリオレフィン組成物であって、a)前記ポリオレフィンは「フィリップス」タイプの高密度ポリエチレン又はメタロセンタイプのポリエチレンであるという条件で、少なくとも1種のヒドロキシベンゾフェノン及び少なくとも1種の2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール;b)ポリオレフィンがポリプロピレンの場合、ポリビニルピリジンは存在しないという条件で、少なくとも1種のヒドロキシベンゾフェノン及び少なくとも1種の2−ヒドロキシフェニルトリアジン;c)少なくとも1種のヒドロキシベンゾフェノン及び少なくとも1種のオキサニリド;d)少なくとも1種の2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール及び少なくとも1種のオキサニリド;e)少なくとも1種の2−ヒドロキシフェニルトリアジン及び少なくとも1種のオキサニリド;f)少なくとも1種のヒドロキシベンゾフェノン、少なくとも1種の2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール及び少なくとも1種のオキサニリド;g)少なくとも1種のヒドロキシベンゾフェノン、少なくとも1種のオキサニリド及び少なくとも1種の2−ヒドロキシフェニルトリアジン;又はh)少なくとも1種の2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、少なくとも1種のオキサニリド及び少なくとも1種の2−ヒドロキシフェニルトリアジンの相乗的混合物を紫外線吸収剤として含むポリオレフィン組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第04/87795号
【特許文献2】欧州特許第1004626号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第160981号明細書
【特許文献4】米国特許第6,916,867号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、透明ポリプロピレンフィルムであって、少なくとも2種の紫外線吸収添加剤を含み、第1の添加剤が、0.1重量%から5.0重量%の量でフィルム組成物中に存在する非凝集性無機物質であり、第2の添加剤が、2.0重量%未満の量でフィルム中に存在する、トリアジン、ヒンダードアミン、オキサニリド、シアノアクリレート、ベンゾトリアゾール及び/又はベンゾフェノンから選択される有機物質を含み、ベンゾトリアゾールとベンゾフェノンが共にフィルム中に存在する場合、ベンゾトリアゾールのベンゾフェノンに対する比が0.5を超える透明ポリプロピレンフィルムを提供する。
【0008】
上記無機系添加剤は、1種又は複数種の金属酸化物などの無機酸化物、例えば非凝集性酸化亜鉛及び/又は酸化チタンから選択されることが好ましい。上記無機系添加剤の平均粒子径は<200nmが好ましく、より好ましくは<100nm、更により好ましくは<75nm、特により好ましくは<50nm、最も好ましくは<40nmである。上記無機系添加剤の非凝集化は、コーティングや分散などの公知の手段によって行うことができる。
【0009】
無機系及び有機系紫外線遮断剤を組み合わせて高分子フィルム中に用いることはすでに試みられているが、本発明のフィルムは光学特性において特に優れている。又各添加剤の相対量を注意深く選択することにより、有機成分を溶解するための結合剤を用いることなくフィルム組成物を調製できることが見出された。
【0010】
有機系紫外線吸収剤には、時間と共にフィルム表面への移行又はブルームが起きる傾向があり、フィルムの光学特性を悪化させるという問題がある。しかし、ポリプロピレンフィルム中において、トリアジン、ヒンダードアミン、オキサニリド、シアノアクリレート、ベンゾトリアゾール及び/又はベンゾフェノンなどの有機系添加剤が移行してしまう問題を、フィルム中のこれらの添加剤の量を2.0重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、より好ましくは1.0重量%未満、最も好ましくは0.75重量%未満のフィルム組成物とすることでおおむね回避できることが見出された。
【0011】
しかし有機系添加剤をこのような含量にすると、用途によっては、フィルムは十分な紫外線吸収効果を発揮できないことが明らかとなった。
【0012】
無機系紫外線吸収剤には、フィルムに濁りを生じさせる傾向があるという問題がある。これはおそらくこれらの添加剤粒子の性質によるものと考えられ、これらの添加剤が可視光を分散させてしまう粒子径を有する、あるいはフィルム中で凝集して可視光を分散させてしまうのだろう。しかし、ポリプロピレンフィルム中において、非凝集性添加剤を選択し、フィルム中のこれらの添加剤の量を5.0重量%未満、好ましくは4.5重量%未満、より好ましくは4.0重量%未満、最も好ましくは3.5重量%未満のフィルム組成物とすることで、この濁りの問題をおおむね回避できることが見出された。例えば、0.1重量%から3.0重量%の活性無機系添加剤を添加すれば十分な特性が得られることが見出された。
【0013】
上記のように無機系及び有機系紫外線遮断添加剤を組み合わせることにより、優れた光学特性を有し、更に220から350nmの紫外光の最大透過率において、フィルムが、30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下のフィルムへの入射紫外光しか前記最大透過率の波長で透過しない、実質的に紫外線を遮断するポリプロピレンフィルムが得られることが見出された。
【0014】
更に、有機系添加剤の移行に関して十分な光学特性が、フィルム中に結合剤を含まなくても得られることが見出された。ベンゾトリアゾールとベンゾフェノンが共にフィルム中に存在する場合、ベンゾフェノンが、ベンゾトリアゾールの結合剤としてではなく、それ自体で紫外線吸収剤として作用することが見出された。両成分が存在する場合、ベンゾフェノンはいかなる場合でもベンゾトリアゾールに対して結合剤として作用するには不十分な量で存在し、フィルム組成物中のベンゾトリアゾールのベンゾフェノンに対する比は0.5を超え、好ましくは少なくとも1、より好ましくは少なくとも1.5、最も好ましくは少なくとも約2である。
【0015】
本発明のフィルムの広角曇り度(WAH)は好ましくは10%未満、より好ましくは8%未満、最も好ましくは6%未満である。
【0016】
本発明のフィルムの光沢度は好ましくは80%を超え、より好ましくは85%を超え、最も好ましくは90%を超える。
【0017】
本フィルムは、ここに記載されるように形成された1つ又は複数のコア又は表面層を用いて、適宜な方法(共押出法及び/又はラミネート法等)によって形成された多層構造を有してもよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、本フィルムは二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)を含む。上記BOPPフィルムは実質的に均衡のとれた物理的条件で調製してもよく、例えば機械方向と横断方向の延伸比を実質的に等しくして製造することができる。又はフィルムを著しく一方向(機械方向又は横断方向)に延伸して不均衡な状態で製造することもできる。逐次延伸を行ってもよく、この場合加熱ローラーによりフィルムを機械方向に延伸し、その後ステンターを用いて横断方向に延伸する、又は同時延伸、例えばいわゆるインフレート法を用いことができる。機械方向と横断方向の延伸比は好ましくは4:1〜10:1の範囲、より好ましくは6:1〜8:1の範囲である。
【0019】
多くの好適なベンゾトリアゾール類を本発明において使用することができ、その例として2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(商品名Cyasorb UV−2337、サイテック・インダストリーズ社製及び商品名Lowilite 28、グレート・レークス・ケミカル・コーポレーション製)及び2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール(商品名Tinuvin 326、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)及び2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(商品名Tinuvin 234、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を挙げることができる。
【0020】
多くの好適なベンゾフェノン類を本発明において使用することができ、その例として2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)−フェニルメタノン(商品名Chimassorb 81、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)及び2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール(商品名Cyasorb UV−1164、サイテック・インダストリーズ社製)を挙げることができる。
【0021】
多くの好適なベンゾトリアゾールとベンゾフェノンの組み合わせを本発明において使用することができ、その例としてShelfplus UV 1400(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を挙げることができる。
【0022】
市販品として1種又は複数種の有機系紫外線吸収剤と1種又は複数種の無機系紫外線吸収剤の混合物を含んでもよく、その例としてShelfplus UV 1400がまた挙げられる。
【0023】
無機系紫外線吸収剤としては、酸化亜鉛や酸化チタンなどの金属酸化物の微粉末、及びこれらの混合物を挙げることができる。好適な酸化亜鉛紫外線添加剤として、例えば商品名Bayoxide(ボルヒヤース社製)が市販されている。
【0024】
他の好適な無機系紫外線吸収剤としては、UVBLOCK10の名称(アンパセット製)で入手できる、10%無機酸化物を含むポリプロピレンマスターバッチが挙げられる。
【0025】
本フィルムのフィルムコア又はスキン層には、粘着防止剤、乳白剤、充填剤、架橋剤、着色剤、ワックスなどの他の物質を含んでもよい。
【0026】
本フィルムに更に、例えばコロナ放電処理を行い、フィルムやフィルムのスキン層のインク受容性を向上させてもよい。
【0027】
本発明に従って用いられるフィルムの厚さは用途に応じて変えることができる。例えば約10〜約240ミクロンの厚さ、好ましくは約20〜約60ミクロンの厚さであってよい。
【0028】
本フィルムが1つ又は複数のスキン層を有する多層フィルムである場合、スキン層の厚さは好ましくは約0.05ミクロン〜約2ミクロン、好ましくは約0.1ミクロン〜約1.5ミクロン、より好ましくは約0.2ミクロン〜約1.25ミクロン、最も好ましくは約0.3ミクロン〜約0.9ミクロンである。
【0029】
次に本発明を、以下の実施例に基づき更に詳細に説明する。実施例において述べるUVスペクトルは図に示される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施例1〜4のUVスペクトルを示す図。
【図2】実施例5〜10のUVスペクトルを示す図。
【図3】実施例11〜15のUVスペクトルを示す図。
【図4】実施例16〜20のUVスペクトルを示す図。
【図5】実施例21〜26のUVスペクトルを示す図。
【図6】実施例27〜32のUVスペクトルを示す図。
【図7】実施例33〜38のUVスペクトルを示す図。
【図8】実施例39〜44のUVスペクトルを示す図。
【図9】実施例45〜50のUVスペクトルを示す図。
【図10】実施例51〜56のUVスペクトルを示す図。
【図11】実施例57〜62のUVスペクトルを示す図。
【図12】実施例63〜68のUVスペクトルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0031】
以下の実施例において用いた紫外線遮断添加剤は次のとおりである:
有機系添加剤:
Tinuvin 234(ベンゾトリアゾール系化合物、すなわち2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
無機系添加剤:
UVBLOCK10と称される無機酸化物のPP混和物(無機非移行性添加剤、アンパセットヨーロッパ製);
活性ZnOのPP混和物;及び
活性TiOのPP混和物。
【0032】
実施例1〜4
PRISM二軸押出機を用いて粉末状の紫外線遮断添加剤をポリプロピレンペレットと混合することにより、マスターバッチを調製した。
【0033】
Rondol多層押出機を用いて、ポリプロピレン顆粒と種々の紫外線遮断添加剤のマスターバッチを混合することにより、ポリプロピレンのプラークを製造した。その後これらのプラークをTA伸張機を用いて伸張した。
【0034】
光沢度(45°角)及び広角曇り度を各試料について測定した。紫外可視スペクトルを紫外可視分光光度計を用いて測定し、フィルム厚を測定して厚さの変動による必要な補正を行った。すべてのUVスペクトルを25μmの厚さに補正した。
【0035】
最終製品の安定性を評価するために、試料を50℃のオーブン中で30日間暴露することにより促進老化試験も行った。
【0036】
結果を表1及び図1に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
これらの結果から、有機系添加剤の量が増加するにつれて、添加剤がフィルム表面にブルームする傾向が明らかになった。
【0039】
実施例5〜10
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表2及び図2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
これら比較例の結果から、第1のタイプの無機系添加剤量が増加するにつれて、フィルムの光学特性が影響を受ける傾向が明らかになった。
【0042】
実施例11〜15
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表3及び図3に示す。
【0043】
【表3】

【0044】
これら比較例の結果から、第2のタイプの無機系添加剤量が増加するにつれて、フィルムの光学特性が影響を受ける傾向が明らかになった。
【0045】
実施例16〜20
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表4及び図4に示す。
【0046】
【表4】

【0047】
これら比較例の結果から、第3のタイプの無機系添加剤量が増加するにつれて、フィルムの光学特性が影響を受ける傾向が明らかになった。
【0048】
実施例21〜26
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表5及び図5に示す。
【0049】
【表5】

【0050】
これらの結果及び続く実施例の結果から、有機系添加剤の絶対量、無機系添加剤の絶対量、これらの相対量を慎重に調整し、適切な添加剤を選択することにより、光学特性が良好で移行/ブルームが少なく紫外線吸収特性に優れたフィルムを本発明に従って製造できることが明らかになった。
【0051】
実施例27〜32
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表6及び図6に示す。
【0052】
【表6】

【0053】
実施例33〜38
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表7及び図7に示す。
【0054】
【表7】

【0055】
実施例39〜44
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表8及び図8に示す。
【0056】
【表8】

【0057】
実施例45〜50
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表9及び図9に示す。
【0058】
【表9】

【0059】
実施例51〜56
試料を実施例1〜4に記載の方法で調製した。結果を表10及び図10に示す。
【0060】
【表10】

【0061】
実施例57〜62
ポリプロピレンホモポリマーのコア層の両面を、ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリブチレンターポリマー(ランダム共重合体)の2枚のスキン層で挟んで共押出しすることによって、三層ポリマーチューブを作製した。押出しの前に、選択された紫外線添加剤を含む紫外線添加剤マスターバッチをコア中のポリプロピレンホモポリマーと混合した。ポリマーチューブを冷却した後、再加熱後吹き込みを行い、三層二軸延伸フィルムチューブを作製した。インフレーションフィルムチューブを接合及び切断し、23μmの厚さの三層フィルムを得た。上記フィルムの光学特性及び紫外線透過特性を測定した。その結果を表11及び図11に示す。すべての紫外線スペクトルは25μmに補正してある。
【0062】
【表11】

【0063】
実施例63〜68
図12に示した紫外線スペクトルに、本発明による1つのフィルム(0.5%Tinuvin234+0.5%活性TiO+1.5%活性ZnOのPP混和物)の透過プロファイルを、5つの比較例(3つはそれぞれ上記の比較例52、54及び57と同じ、2つは異なるフィルム、すなわちそれぞれ市販のセルロースフィルムと酢酸セルロースフィルム)と比較して示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレンフィルムであって、少なくとも2種の紫外線吸収添加剤を含み、第1の添加剤が、0.1重量%〜5.0重量%の量でフィルム組成物中に存在する非凝集性無機物質であり、第2の添加剤が、2.0重量%未満の量でフィルム中に存在する、トリアジン、ヒンダードアミン、オキサニリド、シアノアクリレート、ベンゾトリアゾール及び/又はベンゾフェノンから選択される有機物質を含み、ベンゾトリアゾールとベンゾフェノンが共にフィルム中に存在する場合、ベンゾトリアゾールのベンゾフェノンに対する比が0.5を超えるポリプロピレンフィルム。
【請求項2】
無機系添加剤が、1種又は複数種の無機酸化物及び/又は金属酸化物を含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
無機系添加剤が、酸化亜鉛及び/又は酸化チタンを含む請求項2に記載のフィルム。
【請求項4】
有機系添加剤を可溶化するための結合剤を含まない請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項5】
有機系添加剤が、フィルム組成物の1.5%未満の量で存在する請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項6】
有機系添加剤が、フィルム組成物の1.0%未満の量で存在する請求項5に記載のフィルム。
【請求項7】
無機系添加剤が、フィルム組成物の4.5重量%未満の量で存在する請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項8】
無機系添加剤が、フィルム組成物の3.5重量%の未満の量で存在する請求項7に記載のフィルム。
【請求項9】
220から350nmの紫外光の最大透過率において、フィルムが、30%以下のフィルムへの入射紫外光しか前記最大透過率の波長で透過しない、請求項1から8のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項10】
ベンゾトリアゾールとベンゾフェノンが共にフィルム組成物中に存在し、フィルム組成物中のベンゾトリアゾールのベンゾフェノンとの比が少なくとも1:1である、請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項11】
ベンゾフェノンがフィルム組成物中に存在しない、請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項12】
広角曇り度(WAH)が10%未満である、請求項1から11のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項13】
45°角の光沢度が80%を超える、請求項1から12のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項14】
無機系添加剤の平均粒子径が200nm未満、任意に100nm未満である、請求項1から13のいずれか一項に記載のフィルム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2010−534265(P2010−534265A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517488(P2010−517488)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050596
【国際公開番号】WO2009/013529
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(505300508)イノヴィア フィルムズ リミテッド (14)
【Fターム(参考)】