説明

細胞培養システム及び細胞培養方法

【課題】細胞培養システムにおいて、生体より採取した細胞を適切に且つ簡単に培養できるようにすること。
【解決手段】細胞培養システム1は、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液の細胞数を計測する計測装置20と、播種する細胞懸濁液に新鮮な培地を供給する培地供給装置100と、計測された細胞数に対して統計的に細胞が適切に培養可能な密度になるように培地供給装置100から細胞懸濁液への培地供給量を制御する制御装置101と、細胞が適切に培養可能な密度にされた細胞懸濁液を搬送して細胞培養装置103に播種するマニピュレータ102と、播種された細胞を培養する細胞培養装置103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養システム及び細胞培養方法に係り、特に細胞を播種して自動的に培養する細胞培養システム及び細胞培養方法に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の細胞培養方法は、生体より採取した細胞を細胞培養装置に播種して培養し、その培養中の細胞の一部を採取して細胞数を計測することにより培養状態を確認し、細胞数の計測を繰り返して所望の培養状態を確認できた時に細胞の培養を終了させるようにしている。
【0003】
従来の細胞数の計数方法としては、培養中の角膜内皮細胞の画像データを取り込み、増殖した細胞の面積を算出することにより細胞数を計数する方法(例えば、特開平5−184541号公報(特許文献1))や、基板上に固定された細胞群の数を計数する方法(例えば、特開平11−9297号公報(特許文献2))や、培養中の容器内の酸素量の時間変動量を演算することにより、細胞数を計数する方法(例えば、特開平6−121667号公報(特許文献3))などがある。
【0004】
【特許文献1】特開平5−184541号公報
【特許文献2】特開平11−9297号公報
【特許文献3】特開平6−121667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の細胞培養方法では、培養中の細胞数を繰り返し計測する必要があるため、細胞の培養が極めて面倒であった。
【0006】
また、特許文献1、2の細胞数の計数方法では、生体から直接採取した微小細胞や切れ切れの細胞の場合、細胞の画像データを取得するために、細胞をディッシュあるいは基板に重ならないように均一に固定する作業が必要であり、それに手間がかかるという問題があった。
【0007】
また、特許文献3の細胞数の計数方法では、酸素などの物質流通量を計測する方法で細胞数を数えるため、生体より採取後の細胞を自動細胞培養装置に入れた後、一定の計測条件となるまで状態が安定するのを待ってから細胞数を計数する必要があった。
【0008】
本発明の目的は、生体より採取した細胞を適切に且つ簡単に培養可能な細胞培養システム及び細胞培養方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の細胞培養システムは、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液の細胞数を計測する計測装置と、播種する前記細胞懸濁液に新鮮な培地を供給する培地供給装置と、計測された前記細胞数に対して統計的に細胞が適切に培養可能な密度になるように前記培地供給装置から前記細胞懸濁液への培地供給量を制御する制御装置と、細胞が適切に培養可能な密度にされた前記細胞懸濁液を搬送して細胞培養装置に播種するマニピュレータと、播種された細胞を培養する前記細胞培養装置とを備えたことにある。
【0010】
係る本発明のより好ましい具体的な構成は次の通りである。
(1)前記計測装置は、播種するための細胞を培地に入れた前記細胞懸濁液を撮像する画像撮像装置と、前記画像撮像装置で撮像した前記細胞懸濁液の画像に基づいて細胞数を算出する画像処理装置とを備えたこと。
(2)播種するための細胞を培地に入れた前記細胞懸濁液が入った容器内の前記細胞を沈澱させて培地などの液体と分離する細胞分離装置を備え、前記画像撮像装置は沈澱した前記細胞を撮像するものであり、前記画像処理装置は、撮像した沈澱後の細胞の画像より沈澱深さを検出し、各容器固有の沈澱深さと細胞数の相関関係より細胞数を算出するものであること。
(3)播種するための細胞を培地に入れた前記細胞懸濁液が入った容器内の前記細胞と所定量の培地とを懸濁するピペットマニピュレータを備え、前記画像撮像装置は前記容器内に入っている所定量の培地の中で細胞がばらばらに浮遊している状態を撮像するものであり、前記画像処理装置はその画像に映った細胞数を数えるものであること。
(4)前記細胞培養装置が配置された培養室から外部に培養が完了した細胞を排出する排出装置を備えること。
【0011】
また、前記目的を達成するために、本発明の細胞培養方法は、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液の細胞数を計測装置により計測し、この計測された細胞数に対して統計的に細胞が適切に培養可能な密度になるように、制御装置により培地供給装置から前記細胞懸濁液への培地供給量を制御し、この適切な密度とされた前記細胞懸濁液をマニピュレータにより細胞培養装置に搬送して播種し、播種された前記細胞懸濁液の細胞を前記細胞培養装置により培養するようにしたことにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、生体より採取した細胞を適切に且つ簡単に培養可能な細胞培養システム及び細胞培養方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の複数の実施例について図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
【0014】
まず、本発明の第1実施例を図1及び図2を用いて説明する。本実施例では、接着性細胞を培養する細胞培養システム1及び細胞培養方法について説明する。
【0015】
最初に、本実施例の細胞培養システムの全体構成に関して図1を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施例の細胞培養システムの構成概略図である。
【0016】
細胞培養システム1は、細胞投入装置108、細胞分離装置104、計測装置20、マニピュレータ102、培地供給装置100、細胞培養装置103、制御装置101、及び細胞排出装置107を備えて構成されている。
【0017】
採取細胞投入装置108は、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液が入った容器を細胞分離装置104に投入する装置である。容器内に細胞を投入した後に、培地供給装置100より供給される培地を液搬送制御装置101の制御により一定量まで加える。
【0018】
細胞分離装置104は、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液が入った容器2内の細胞を沈澱させて培地などの液体と分離する装置である。生体より採取した幹細胞を含む接着性細胞は、人の手でトリプシンを加えることによってばらばらにされた状態とされ、細胞分離装置104の容器2に投入される。この容器2は、容器内に沈澱する細胞の深さと細胞数との相関関係があらかじめ分かっている容器である。
【0019】
この細胞分離装置104は、容器2が設置される回転円盤104aと、この回転円盤104aを回転駆動するモータ104bとを備えた遠心分離器で構成されている。遠心分離器は、ばらばらにした角膜細胞と培地などからなる細胞保存液の細胞を沈澱させ、余分な物質を上澄み液として分離し、制御装置101の制御によってこの上澄み液を新鮮な培地と交換することを繰り返して余分な物質を取り除くものである。
【0020】
計測装置20は、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液の細胞数を計測する装置である。この計測装置20は、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液(容器2内の細胞懸濁液)を撮像する画像撮像装置105と、画像撮像装置で撮像した細胞懸濁液の画像に基づいて細胞数を算出する画像処理装置106とを備えて構成されている。
【0021】
画像撮像装置105は、具体的には、細胞分離装置104で分離されて沈澱した細胞が入った容器をCCDカメラなどで撮像する装置である。
【0022】
また、画像処理装置106は、具体的には、撮像した沈澱後の細胞の画像より沈澱深さを検出し、各容器固有の沈澱深さと細胞数の相関関係より細胞数を算出するものである。この画像処理装置106は、容器2の底辺位置をエッジ検出する底辺位置検出手段110と、沈澱細胞の上辺位置をエッジ検出する上辺位置検出手段111と、その差分を求めることで沈澱細胞の深さを算出する沈澱細胞の深さ計算手段112と、容器2に沈澱している細胞の深さと細胞数との相関関係より細胞数を計算する細胞数計算手段113と、をマイコン内に格納されたソフトに有している。
【0023】
なお、画像処理装置106は、マイコンなどを有する装置本体106aと、画像を表示する表示装置106bと、入力装置であるキーボード106c、マウス106dとを備えて構成されている。
【0024】
マニピュレータ102は、細胞数を計測された細胞懸濁液の入った容器2を搬送して細胞培養装置102内部のディッシュあるいはカートリッジなどの培養容器に播種する装置である。
【0025】
培地供給装置100は、細胞培養装置103内に播種される細胞懸濁液に新鮮な培地を供給する装置であり、培地を保存できる冷蔵機能を持ち、そこから制御装置101により制御可能な場所までポンプ100bにより培地を供給する装置である。
【0026】
そして、培地供給装置100は、画像処理装置106で計数した細胞数に対して統計的に細胞が最適に培養できるような密度となるように培地を供給するためのものである。培地供給装置100は、新鮮な培地を収納した容器100aと、容器100a内の培地を細胞培養装置103に供給するためのポンプ100bとを備えて構成されている。なお、容器100aと細胞培養装置103とは、配管100c及びポンプ100bを介して接続されている。
【0027】
細胞培養装置103は、ディッシュあるいはカートリッジなどの培養容器に播種された細胞懸濁液の細胞を移植可能な状態まで培養する装置である。すなわち、細胞培養装置106は、内部に培養のためのディッシュあるいはカートリッジを安置できる装置で、装置内部の炭酸ガスと空気の割合と、装置内部の温度と湿度を培養に適した一定状態に管理する装置である。
【0028】
制御装置101はマニピュレータ102、培地供給装置100及び細胞分離装置104を制御する装置である。この制御装置101は、細胞分離装置104で細胞の分離が完了した細胞懸濁液の入った容器をマニピュレータ102で細胞培養装置103に搬送するように制御する。また、制御装置101は、計測された細胞数に対して統計的に細胞が適切に培養可能な密度になるように、培地供給装置100から細胞培養装置103の細胞懸濁液への培地供給量を制御する。
【0029】
なお、制御装置101は、マイコンなどを有する装置本体101aと、画像を表示する表示装置101bと、入力装置であるキーボード101c、マウス101dとを備えて構成されている。
【0030】
細胞排出装置107は、細胞培養装置103で培養が完了した細胞を10の外部へ搬出するものである。なお、10内には、細胞培養装置103、細胞分離装置104、画像撮像装置105、及び細胞排出装置107が配置されている。
【0031】
次に、本実施例の細胞培養システムによる細胞培養方法に関して図2を参照しながら説明する。図2は図1の細胞培養システムの構成流れ図である。
【0032】
生体より採取した幹細胞を含む細胞をトリプシンを加えることによってばらばらの状態とし、この細胞を細胞分離装置104の容器2に投入して細胞保存液とする。この容器2を設置した細胞分離装置104を駆動することにより、容器2内の細胞を沈澱させ、余分な物質を上澄み液として分離する。制御装置101の制御によって、この上澄み液を吸い取り、培地供給装置100より新鮮な培地を容器2内に注入し、再び細胞分離装置104を駆動し、以下、これを繰り返すことで、対象細胞と培地以外の余分な物質を取り除く。
【0033】
その後、容器2内に対象細胞と培地が入っている状態を画像撮像装置105にて撮像し、その撮像した画像を画像処理装置106に送る。画像処理装置106にて、撮像した画像に基づいて細胞数を算出する。具体的には、底辺位置検出手段110にて容器2の底辺位置をエッジ検出し、上辺位置検出手段111にて沈澱細胞の上辺位置をエッジ検出して、沈澱細胞の深さ計算手段112にてその差分を求めることで沈澱細胞の深さを算出し、細胞数計算手段113にて容器に沈澱している細胞の深さと細胞数との相関関係より細胞数を計算する。
【0034】
制御装置101にて培地供給装置100を制御し、計算した細胞数が増殖するために統計的に最適と考えられている量の新鮮な培地を培地供給装置100の容器100aから容器2内に追加する。制御装置101にてマニピュレータ102を制御し、細胞及び培地が増殖に最適にされた状態の容器2をマニピュレータ102で搬送し、細胞培養装置103内のディッシュあるいはカートリッジに播種する。
【0035】
ディッシュあるいはカートリッジに播種された細胞を細胞培養装置103内で培養する。この培養が完了すると、このディッシュあるいはカートリッジを細胞排出装置107より計測装置20より外部に排出する。
【0036】
本実施例の細胞培養システムによれば、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液の細胞数を計測する計測装置20と、播種する細胞懸濁液に新鮮な培地を供給する培地供給装置100と、計測された細胞数に対して統計的に細胞が適切に培養可能な密度になるように培地供給装置100から細胞懸濁液への培地供給量を制御する制御装置101と、細胞が適切に培養可能な密度にされた細胞懸濁液を搬送して細胞培養装置103に播種するマニピュレータ102と、播種された細胞懸濁液の細胞を培養する細胞培養装置103とを備えているので、生体より採取した細胞を適切に且つ簡単に培養することができる。
【0037】
また、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液が入った容器2内の細胞を沈澱させて培地などの液体と分離する細胞分離装置104と、沈澱した細胞を撮像する画像撮像装置105と、撮像した沈澱後の細胞の画像より沈澱深さを検出して各容器固有の沈澱深さと細胞数の相関関係より細胞数を算出する画像処理装置106を備えているので、微小細胞や切れ切れの細胞でも簡単に短時間で細胞数を計数することが可能である。
【0038】
次に、本発明の第2実施例について図3及び図4を用いて説明する。図3は本発明の第2実施例の細胞培養システムの構成概略図、図4は図3の細胞培養システムの構成流れ図である。
【0039】
この第2実施例では、マニピュレータ102がピペットマニピュレータで構成され、第1実施例の細胞分離装置104を備えていない。このマニピュレータ102は、細胞投入手段より投入した細胞と培地あるいは細胞を保存する他の液体とが入った容器2内で、細胞と培地あるいは細胞を保存する他の液体とをピペッティングして懸濁する装置である。このマニピュレータ102は、細胞数を計測された細胞懸濁液の入った容器2を搬送して細胞培養装置102内部のディッシュあるいはカートリッジなどの培養容器に播種する装置を兼ねている。
【0040】
そして、採取細胞投入装置108は、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液が入った容器をマニピュレータ102に投入するようになっている。
【0041】
また、画像撮像装置105は、細胞と培地あるいは細胞を保存する他の液体が入った容器2に散乱光を照射し、その画像をCCDカメラなどで何枚か撮像し、撮像した画像を画像処理装置106に送信するようになっている。
【0042】
さらに、画像処理装置106は、画像撮像装置105にて撮像した画像を白黒画像に変換する手段120と、白黒画像の境界の閾値を指定する手段121と、細胞の画像とそれ以外の画像を区別してバイナリイメージに変換する手段122と、細胞の大きさよりも小さく映っているゴミなどの余分な画像を除去する手段123と、映りが悪く穴が空いてしまっている細胞の画像の穴を埋める手段124と、残った点の数を数える手段125と、をマイコン内に格納されたソフトに有している。
【0043】
この第2実施例の細胞培養方法では、容器2内の培地と対象細胞をピペットマニピュレータ102にて懸濁し、懸濁後の液体を画像撮像装置114にて撮像する。この撮像した画像を画像処理装置115にて、白黒画像に変換し、閾値を指定して細胞の画像とそれ以外の画像を区別した後、バイナリイメージに変換し、細胞の大きさよりも小さく映っているゴミなどの余分な画像を除去し、映りが悪く穴が空いてしまっている細胞の画像の穴を埋めた後、残った点の数を数えることにより細胞数を計算する。
【0044】
その後、計算した細胞数が増殖するために統計的に最適と考えられている量の培地を制御装置101にてピペットマニピュレータ102を制御して追加した後、細胞培養装置106内のディッシュあるいはカートリッジに播種する。培養完了後、このディッシュあるいはカートリッジを細胞排出装置107より排出する。
【0045】
この第2実施例によれば、播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液が入った容器2内の細胞と所定量の培地とを懸濁するマニピュレータ103と、容器2内に入っている所定量の培地の中で細胞がばらばらに浮遊している状態を撮像する画像撮像装置105と、その画像に映った細胞数を数える画像処理装置106とを備えているので、微小細胞や切れ切れの細胞でも簡単に短時間で細胞数を計数することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1実施例の細胞培養システムの構成概略図である。
【図2】図1の細胞培養システムの構成流れ図である。
【図3】本発明の第2実施例の細胞培養システムの構成概略図である。
【図4】図3の細胞培養システムの構成流れ図である。
【符号の説明】
【0047】
1…細胞培養システム、2…容器、10…培養室、20…計測装置、100…培地供給装置、101…制御装置、102…マニピュレータ、103…細胞培養装置、104…細胞分離装置、105…画像撮像装置、106…画像処理装置、107…細胞排出装置、108…細胞投入装置、110…容器の底辺位置検出手段、111…沈澱細胞の上辺位置検出手段、112…沈澱細胞の深さ計算手段、113…細胞数計算手段、120…白黒画像への変換手段、121…白黒境界の閾値を指定する手段、122…バイナリイメージに変換する手段、123…余分な画像の除去する手段、124…細胞の画像の穴を埋める手段、125…画像上の点の数を計数する手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液の細胞数を計測する計測装置と、
播種する前記細胞懸濁液に新鮮な培地を供給する培地供給装置と、
計測された前記細胞数に対して統計的に細胞が適切に培養可能な密度になるように前記培地供給装置から前記細胞懸濁液への培地供給量を制御する制御装置と、
細胞が適切に培養可能な密度にされた前記細胞懸濁液を搬送して細胞培養装置に播種するマニピュレータと、
播種された細胞を培養する前記細胞培養装置とを備えた
ことを特徴とする細胞培養システム。
【請求項2】
請求項1に記載された細胞培養システムにおいて、前記計測装置は、播種するための細胞を培地に入れた前記細胞懸濁液を撮像する画像撮像装置と、前記画像撮像装置で撮像した前記細胞懸濁液の画像に基づいて細胞数を算出する画像処理装置とを備えたことを特徴とする細胞培養システム。
【請求項3】
請求項2に記載された細胞培養システムにおいて、播種するための細胞を培地に入れた前記細胞懸濁液が入った容器内の前記細胞を沈澱させて培地などの液体と分離する細胞分離装置を備え、前記画像撮像装置は沈澱した前記細胞を撮像するものであり、前記画像処理装置は、撮像した沈澱後の細胞の画像より沈澱深さを検出し、各容器固有の沈澱深さと細胞数の相関関係より細胞数を算出するものであることを特徴とする細胞培養システム。
【請求項4】
請求項2に記載の細胞培養システムにおいて、播種するための細胞を培地に入れた前記細胞懸濁液が入った容器内の前記細胞と所定量の培地とを懸濁するピペットマニピュレータを備え、前記画像撮像装置は前記容器内に入っている所定量の培地の中で細胞がばらばらに浮遊している状態を撮像するものであり、前記画像処理装置はその画像に映った細胞数を数えるものであることを特徴とする細胞培養システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の細胞培養システムにおいて、前記細胞培養装置が配置された培養室から外部に培養が完了した細胞を排出する排出装置を備えることを特徴とする細胞培養システム。
【請求項6】
播種するための細胞を培地に入れた細胞懸濁液の細胞数を計測装置により計測し、
この計測された細胞数に対して統計的に細胞が適切に培養可能な密度になるように、制御装置により培地供給装置から前記細胞懸濁液への培地供給量を制御し、
この適切な密度とされた前記細胞懸濁液をマニピュレータにより細胞培養装置に搬送して播種し、
播種された前記細胞懸濁液の細胞を前記細胞培養装置により培養する
ことを特徴とする細胞培養方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−14693(P2006−14693A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197617(P2004−197617)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成15年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、組織再生移植に向けたナノバイオインターフェイス技術の開発研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】