説明

細胞改変方法および細胞改変装置

【課題】ヒトもしくは哺乳類の免疫細胞、特にエフェクター細胞を、体外で改変するための細胞改変方法、改変免疫細胞、および細胞改変装置を提供する。
【解決手段】第一工程において、少なくとも1つの被包化物質、好ましくは活性薬剤成分が、単離されたヒトもしくは哺乳類の免疫細胞内に導入及び/又は細胞上に配置される、そして、前記少なくとも一つの物質の導入前もしくは後の第二工程において、単離された免疫細胞の細胞傷害性エフェクター機能が増強される。また、これに対応する改変されたヒトもしくは哺乳類の免疫細胞および細胞改変装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトまたは動物の血液の細胞成分(特に、体の自然免疫防御に関する細胞、例えばT細胞、NK細胞、単球、マクロファージあるいはミクログリアなど)を、それらをヒトまたは動物の体内(特に哺乳類の体)へ導入した後、当該細胞が、治療効果(例えば、肺もしくは膵臓もしくは卵巣、胸もしくは脳などの癌性疾病に対して、または他の疾病に対する)または診断上の効果を発揮するよう改変する(修飾する)細胞改変方法(cell modification method)並びに細胞改変装置(cell modification device)に関する。本発明は、従って、改変された免疫細胞(modified immune cell)にも関する。
【0002】
本発明の主な目的は、作用物質あるいは活性薬剤(例えば薬物、RNAi等)の及び/又は診断の標的指向性輸送体として免疫細胞を使用することである。標的指向性の、自律性の輸送を改良するために、すなわち、患部組織の標的化(ターゲティング)、二重特異性抗体などの再標的化戦略を改良するために、TCRあるいは他のものに関連する遺伝的に形質転換された細胞が使用される。免疫細胞は、その生体輸送体としての使用のため、転移(例えば腫瘍)に向かい、そしてまず内因性の細胞傷害性機能を発揮する。薬剤または作用物質はその後強化のために放出(遊離)される。放出は、特定の内部のまたは外部から適用された物理的もしくは生理的要因(pH、温度など)によって誘発される。薬剤または作用物質は、免疫細胞の生来の作用(内因性の細胞溶解/細胞傷害特性)を増加させる。
【0003】
本明細書および以下の項において、記述される細胞成分は、単に細胞とも呼ばれる。当該細胞には、例えばヒトもしくは動物の体の他の分化型の、自然発生的な細胞、または幹細胞のような、まだ分化していない細胞が含まれてもよい。その後哺乳類の体内に薬物として導入される改変細胞(修飾細胞)の治療効果は、例えばコントロールされた活性成分の放出または組織再生または同様のものを含んでもよい。
【0004】
そのように改変された細胞(モディファイされた細胞)の治療効果には、以下のものが含まれうる:
−細胞分裂阻害剤及び/又は血管新生抑制剤等の薬剤または作用物質の放出、
−抗体に基づく治療薬(antibody based therapeutic agents)の放出、
−形質移入(トランスフェクション)のための治療用DNAの放出、
及び/又は
−疾患を引き起こす遺伝子およびウイルスに選択的に目標とされる、RNAiに基づく治療薬(RNAi-based therapeutic agents)の放出;
または、診断目的のために:
−細胞への、例えば強磁性粒子などの造影剤(例えば、NMR診断用の)の負荷。
治療あるいは診断薬は、例えば、免疫細胞内で組み合わされて、あるいは、治療薬かそれとも診断薬を負荷された複数の免疫細胞フラクションを適用することによって、併用されることもできる。
【背景技術】
【0005】
活性成分を通じた薬物治療の方法は、長い間知られてきた。 これらの方法において、活性成分は通常、ヒトまたは動物の全身に送達される。この活性成分は、例えば経口的にあるいは注入によって投与されることができ;それはその後、それ自身がヒトもしくは動物の全組織に均一に分布される。以前の治療方法の決定的な不都合は、ヒトもしくは動物の体の罹患していない部分も活性成分による影響を受ける可能性があり、そして活性成分のほんの一部のみが標的部位に作用しうると考えられることである。それ故に、これに対応して、高用量の活性成分が無効になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、それ故、ヒトもしくは動物の細胞を、これらの細胞が、ヒトもしくは動物の体内に再導入されたとき、能動的に標的にされた、所望の体の部分もしくは細胞に送達され、そしてそこで治療上のもしくは診断上の効果を発揮するように改変することを可能にする方法およびそれに役立つ装置を作ることである。このように、動物もしくはヒトの細胞を改変することによって、例えば、標的化手段にて、低用量で疾患と戦うこと、または体の関与していない部位及び/又は例えば腫瘍および転移などの体内の検出された患部に影響を与えることなく、標的化手段にて、組織を築きおよび強化することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、請求項1にかかる方法によって、請求項16にかかる改変された免疫細胞によって、および請求項21にかかる装置によって解決される。好ましい実施形態は、従属する請求項に記述される。本発明にかかる使用は、請求項24および25において記述される。
【0008】
本発明によって提供される上述の問題の解決策の基本的側面は、第一工程において一つの被包性の物質(あるいは2以上の被包性の物質)、好ましくは活性薬剤成分を、単離(分離)されたヒトもしくは哺乳類の免疫細胞中に導入する及び/又は細胞上に配置し、および、前記少なくとも一つの被包性の物質の導入前もしくは後の第二工程において、前記単離された免疫細胞の細胞傷害性エフェクター機能を増強し及び/又は前記単離された免疫細胞の標的能力または標的発見能力を増強する細胞改変方法を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明において、「単離された免疫細胞の細胞傷害性エフェクター機能を増強する及び/又は単離された免疫細胞の標的能力を増強する」の意味は、ごく一般的な方法にて理解される:免疫細胞がヒトもしくは動物の体内の標的細胞(例えば、腫瘍細胞)を認識し及び/又は見つけるために、本発明によって改変される免疫細胞の能力を増強する細胞免疫療法、特に養子免疫療法の各アプローチは、対応する語句の範囲内にあると理解される。言い換えれば、第二の工程を実行するために(または本発明によって改変された免疫細胞内で対応する改変を生じさせるために)、ヒトもしくは動物の体内の病的な標的細胞の認識を増強させるために使用されるそれぞれの再標的化戦略が使用できる。特に、「細胞傷害性エフェクター機能を増強する」の意味は、標的(例えば腫瘍)にてこれらの免疫細胞(キャリアーセル;carrier cells)の細胞傷害性エフェクター機能が、当該キャリアーセルが前記病的な標的に到達するときに増強されるような免疫細胞の改変を含む意味でも理解される。特に、前記細胞傷害性エフェクター機能は、標的における被包化物質(encapsulated substance)の放出によって増強されてもよい。さらに以下に述べるように、第二工程での単離された免疫細胞の標的能力の増強は、様々な方法で実現されることができる。例えば、キメラレセプターを有するT細胞を使用する再標的化戦略を使用することができ、または免疫細胞と二重特異性抗体のコンビネーション、または同様のものを実行することができる。その際、そのように改変され/処理された細胞の細胞傷害性エフェクター機能が体内への再注入後に、患部にて増強されるよう免疫細胞を改変することが好ましい。
【0010】
本発明において使用できる、改変されるための免疫細胞は、例えば、自己細胞もしくは同種異系細胞など、養子免疫療法において使用されるいかなるタイプの免疫細胞であってもよい。例えば、改変されるT細胞のタイプは、調節性T細胞でもよく;患者自身もしくはドナーの細胞に加えて、TALL-104細胞もしくはC CURE 709細胞のような細胞傷害性T細胞株などの細胞株も使用できる。同様に、NK-92のようなNK細胞株など、NK細胞も改変することができる。
【0011】
この第二工程は、前記第一工程より前に行われてもよく、または前記第一工程の後に行われてもよい。あらかじめヒトもしくは動物の体から分離された免疫細胞の細胞傷害性エフェクター機能の増強は、下記により詳しく記載する様々な方法で実現することができる。
【0012】
基本的には、本発明にかかる細胞改変方法は、特定の免疫細胞を単離するために、ステムセルテクノロジー社(Stem Cell Technologies:5070 West Seventh Avenue, Vancouver, BC, Canada)のRosetteSep(登録商標)キットなどの、周知の細胞分離キットを用いて実現することができる。単離された免疫細胞に、治療薬もしくは作用物質がまたは診断用物質が負荷される。これは共インキュベーションによって行うことができる;しかしながら、前記負荷はエレクトロポレーションによってサポートされることもできる。しかしながら、別の方法として、本発明の細胞改変方法は、以下にさらに概説されるように、本発明にかかる細胞改変装置を用いて行うこともできる。
【0013】
本発明にかかる腫瘍の診断のために、及び/又は応用免疫学もしくは腫瘍学の分野におけるそれらの使用のために、免疫細胞のエフェクター機能を増強する方法の中心は、免疫細胞[細胞傷害性T細胞、特に(好ましくは活性化)細胞傷害性Tリンパ球等、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)等、単球等もしくは単球由来のマクロファージ等、ミクログリア細胞等]の増強または免疫細胞の闘病効果の増加である。したがって、改変された免疫細胞は養子免疫療法において、または診断において使用することができる。
【0014】
このようなエフェクター細胞は、ヒトもしくは動物の免疫系の一部として、患部組織もしくは腫瘍組織を認識する能力があり、それらの細胞傷害性エフェクター機能の働きによりそのような組織を溶解する。ウイルスもしくは抗腫瘍応答の期間、非リンパ性組織の中で活発に遊走し、患部組織に浸潤するこのような細胞の生来の能力は、これらの細胞が、自律性および活動性の物質の標的化のために使用され、または診断のために使用されることを可能にする。アネルギー、免疫細胞のアポトーシス誘導、またはエフェクター機能の抑制等の、腫瘍エスケープ機構は、しばしば、免疫系が腫瘍自体を破壊するのを妨げる。
【0015】
このエフェクター機能を増強するため、および腫瘍エスケープ機構を阻止するため、上記の二段階アプローチが使用され、その際、さらに一以上の一時的に被包された物質、特に活性薬剤成分が免疫細胞中に導入され、または前記免疫細胞上に配置される(arranged)。物質の被包(encapsulation)は、当該物質が免疫細胞内または上に即時に放出(遊離)されないが、少なくとも数時間後、好ましくは1日から25日間の後に放出されるように実現される。これは通常、免疫細胞にとって、免疫細胞が標的組織に到達できる前に負荷された(搭載された)物質によって害されることなく又は破壊されることなく標的組織に到達すること、および腫瘍細胞を破壊するための内因性の細胞傷害性作用の役に立つことが必要であるからである。
【0016】
被包された物質(被包化物質)または被包された薬物(被包化薬物)のサイズは、約10nmおよび1μmの範囲である。例えば、このような被包は、リポソーム、被包性リポソームを用いて(例えば、物質をその中に導入することによって)実現することができる。例えば、アルギン酸塩(例;Ba−アルギン酸塩)、多層状リポソーム、ベソソーム(vesosomes)、ビロソーム等を用いて、または多孔質物質を含むもしくは多孔質物質からなるミクロスフェア内でもよい[例えばポリ乳酸もしくはポリグリコール酸/乳酸重合体(PGLA)、デンプン、アパタイト及び/又はプレスされたポリマー(外部コーティング等があってもなくてもよい)デキストラン、アガロース、アルブミン、キトサン、シリカもしくは中空シリカ粒子、ポリエチレンイミン、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリメチルメタクリレート粒子、コアシェルナノ粒子、デンドリマーならびにデンドロナイズド(dendronised)ポリマー(そのコア分子は通常アミンもしくは糖であり、その表面で利用可能なシェル分子のための複数の同一結合サイトを有する)。シェルは通常酸とアミンを繰り返す(交替する)。
【0017】
薬物/物質の被包のために使用される上述の実質(bodies)(リポソーム等)は、改変された(モディファイされた:modified)実質であってもよい:前記実質(リポソーム等)は、病気の細胞(特に腫瘍細胞)の認識、そのような細胞との結合及び/又はそのような細胞内への取り込みを確保するため、抗体または抗体もしくはペプチドのフラグメントそれぞれを用いて、改変されることができる(物質の負荷または物質の導入それぞれに加えて)。この場合において、改変される免疫細胞は、対応して改変された実質/リポソームで負荷され(loaded)、前記物質/薬物が放出されるとき、キャリアーセルの膜の完全性が損なわれ、前記リポソームが細胞から離れ、そして、その後に癌細胞に結合し得るか、またはその後にこれらの癌細胞内に取り込まれ得る(例えば、レセプター等を利用して)。
【0018】
免疫細胞(キャリアーセル)内への取り込み効率を強化するために、前記被包は細胞透過性ペプチド(CPPs)を用いてモディファイすることができる。CPPsは短いポリカチオン性配列であって、このような配列を携行するペプチドもしくはプロテインの取り込みを簡素化する。これらCPPsがナノ粒子もしくはリポソームに共有結合されると、その細胞内への取り込みを増進する。このようなCPPsの例として、TATおよびペネトリン(penetrine)、HIVウイルスのペプチドが挙げられる。
【0019】
癌細胞内への取り込みを改良するために改変された、被包された作用物質もしくは薬剤の放出は、特にトランスフェクション用の治療DNAもしくはRNAiに基づく治療薬をキャリアーセル内へ取り込むために適切化される。
【0020】
このアプローチの効率は、さらにキャリアーセル内への負荷(loading)のために二重特異性リポソームを使用することによって増強することができる:特に、後者のリポソームは、一方においては、薬物及び/又は治療用DNA及び/又はRNAiに基づく治療学または同様のもので負荷され(loaded)、および、他方においては、抗体、その派生物(腫瘍特異的表面マーカーに対するものであり、特に腫瘍関連抗原[TAA]を迅速に取り込むもの)及び/又はペプチド類によって、改変されうる(レセプター等に基づく取り込みのため)。より早く物質/薬物を遊離(放出)し、そして、より簡単な方法にて前記細胞から上述のリポソームが遊離されることを可能にするために、キャリアーセルを殺傷する目的のみをもつ、物質/薬物-負荷リポソームを使用することも可能である。薬物が患部組織(例えば、腫瘍)に正確に遊離(放出)されることを可能にするために、上述のリポソームからの物質/薬物の遊離は、リポソームの遊離と比較して一時的に遅延性に実現されることができる。
【0021】
薬物の製造または診断のための細胞改変方法において、免疫細胞(前駆細胞など、または高分化型エフェクター細胞なども)は、例えば哺乳類の末梢血または哺乳類の腫瘍組織から取り出されまたは分離されることができる。被包化物質を負荷する(積み込む)ことができるようこれらの免疫細胞を調製および分離した後、エフェクター機能及び/又は(単離された)免疫細胞の標的能力を増強するために(好ましくは標的部位への再注入後に)、物質の負荷前もしくは後に行われる第二工程は、患部組織もしくは腫瘍組織もしくは同様のものを見つけるために改変された細胞の能力を増強するために、様々な方法で実行されることができる。
【0022】
細胞傷害性エフェクター機能の増強及び/又は標的能力の増強にかかる前記第二工程を実行するための第一の可能性は、単離した免疫細胞中に、腫瘍関連抗原(TAA)-特異的免疫細胞(特に、TAA-特異的T細胞)由来の免疫細胞受容体遺伝子(T細胞受容体遺伝子、TCR遺伝子など)を導入することである。好ましくは、そのような導入は、遺伝的伝達によって実行され得る。対応する遺伝的伝達を実行可能な方法は、当業者にとって周知である(例えば、Timothy M. Clay, Mary C. Custer et al. “Efficient Transfer of a Tumor Antigen-Reactive TCR to Human Peripheral Blood Lymphocytes Confers Anti-Tumor Reactivity”, The Journal of Immunology, 1999, 163: 507-513参照)。
【0023】
これは、少なくとも一つの被包化物質を導入する/配置することによって改変されていない免疫細胞を使用するのと比較して、患部組織を死滅する速度(例えば、「腫瘍致死速度」)を増加させることができるという利点を有する(これは、以下に述べるさらなる可能性にとっても有効である)。
【0024】
前記第二工程において、細胞傷害性エフェクター機能及び/又は標的能力を増強させるための、第二の可能性は、遺伝子改変された、またはキメラの免疫細胞レセプターを持つ単離免疫細胞を提供することであり、この際、好ましくは前記単離免疫細胞は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)またはナチュラルキラー細胞(NK細胞)である。特に、前記第二工程は、キメラ免疫グロブリン(T細胞レセプター)の遺伝的伝達を用いて実施することができる。これは、結果として、癌疾患の認識を増加させるのに適した遺伝子改変のもしくはキメラの免疫細胞レセプターを持つ細胞傷害性Tリンパ球またはナチュラルキラー細胞などの、「デザイナー免疫細胞」をもたらし、その表面上の既定のマーカーとの結合を利用して免疫細胞を活性化し及び/又は癌細胞を殺傷する。この場合において、前記二段階アプローチは、まず第一に、あらかじめ増強された細胞傷害性エフェクター機能を持つこのような免疫細胞を活性化することによって、その後、対応する物質もしくは薬物を前記細胞中に導入することによって、そして最終的に哺乳類の体内に、このようにして活性化されおよび負荷された細胞を導入することによって、実施することができる。対応する遺伝子導入を実施できる詳しい方法は、当業者に周知であり、例えば、「Claudia Rossig and Malcolm K. Brenner “Chimeric T-Cell Receptors for the Targeting of Cancer Cells”, 2003, Acta Haematologica ; 110: 154-159」が参照される。
【0025】
細胞傷害性エフェクター機能及び/又は標的能力を増強するための、または前記第二工程を実施するための別の可能性は、それぞれ、以下の通りである:単離免疫細胞は、抗体及び/又は抗体のフラグメントと結合される、この際、好ましくは、二重特異性抗体(bispecific antibodies)、三重特異性抗体(trispecific antibodies)、二特異性抗体(diabodies)、三特異性抗体(triabodies)及び/又は四特異性抗体(tetrabodies)もしくはそれらのフラグメントが、患部組織を認識するための免疫細胞の能力を改良するために使用される。この際、好ましくは、哺乳類の体から単離された多クローン性T細胞が、第一工程において、物質/薬物で負荷され、その後抗体で(例えば、二重特異性もしくは三重特異性抗体で、二特異性抗体で、三特異性抗体及び/又は四特異性抗体で、またはそのフラグメントで)負荷される。好ましい実施形態では、第一工程の前に、単離T細胞はまず最初に生体外で活性化される。記載した工程の前に、T細胞のイクステンションが行われてもよい。あるいは、活性化されていない免疫細胞も、少なくとも一つの被包化物質で/薬物で負荷されてもよい。この場合において、細胞の活性化が生体内で実行されるように、抗体(特に二重特異性抗体もしくは二特異性抗体または他の抗体)は、別に注入される(好ましくは細胞の注入前に)。生体内におけるこれらの細胞の活性化は、好ましくは腫瘍にて行われる:例えば、抗体はそのとき、最初に腫瘍に結合することができ、そして、負荷された細胞は、抗体の二重特異性機能を利用して、その後で腫瘍に結合することができる。最終的に、改変された免疫細胞は、癌認識速度を増加させる目的で、及び/又は免疫細胞を活性状態に保持する目的で、哺乳類の体内に再導入することができる。
【0026】
対応するコンビネーションを実行する方法は、当業者に周知であり、例えばSergey M. Kipriyanov et al. “Bispecific CD3 × CD19 diabody for T cell-mediated lysis of malignant human B cells”, Int. J. Cancer (77), 1998, pages 763-772が参照される。
【0027】
最後に、単離された免疫細胞の細胞傷害性エフェクター機能及び/又は標的能力を増強する第二工程を実現するための第4の方法は、患者の抽出免疫細胞から既定の免疫細胞集団を特異的に選択することであり、ここで、これらの免疫細胞集団は、患部組織に及び/又は腫瘍に高効率で遊走することが知られているものである:特に、調節性T細胞、サプレッサーT細胞、腫瘍抗原特異的T-リンパ球、等が選択されうる。
【0028】
上述した全てのケースにおいて、選択され/単離された免疫細胞は、必要であれば、薬物/物質の負荷の前に、及び/又は細胞傷害性エフェクター機能の増強の前に、および改変後にヒトもしくは動物の体内へ再導入される前に、増殖されてもよい。抗体、特に二重特異性抗体もしくは二特異性抗体とのコンビネーションの場合は、多クローン性T細胞を使用することが可能である;増殖は特定のケースで必要なだけである;被包化物質の導入(introduction)及び/又は配置(arrangement)の後、抗体はT細胞と結合される;その後、そのようにして改変された免疫細胞は再注入される。あるいは、最初に、抗体が負荷され、その後物質/薬物の負荷が実行される。
【0029】
あるいは、二段階アプローチは、最初に二重特異性抗体などを体内に導入し、その二重特異性抗体が次に腫瘍等をデコレートし、そしてその後前記T細胞が体内に導入され、そしてT細胞を二重特異性抗体で腫瘍にホールドする方法にて、実現することができる。
【0030】
本発明にかかる既定の方法の全てにおいて、被包化物質/薬物を用いた細胞の負荷(すなわち、哺乳類の免疫細胞内への物質/薬物の導入または哺乳類の免疫細胞上もしくは免疫細胞における被包化物質の配置)は、好ましくは5分から2時間(選択した被包によって決まる)の間の細胞および粒子のインキュベーションによって、またはトランスフェクションもしくはエレクトロポレーションによっても行うことができる。
【0031】
改変免疫細胞の再注入後、免疫細胞は、まず、哺乳類の体内においてそれらの自然機能に従って、その負荷に影響されずに動き、そして、患部組織に蓄積するだろう。ここで、細胞はその内因性の細胞溶解性/細胞傷害性作用、すなわち癌細胞の死滅を発揮するだろう。被包からの物質/薬物の分泌は(好ましくは3〜14日後)、次にキャリアーセル内でアポトーシスの開始を引き起こし、それによりキャリアーセルから患部組織への物質/薬物の放出が促進される。細胞分裂阻害剤の他に、血管新生抑制剤などの他の物質も、被包化物質として免疫細胞内に負荷することができる。
【0032】
診断上の目的のために使用される場合、例えばナノ粒子(すなわち、約数ナノメートル〜最大で約数マイクロメートルの平均径をもつ粒子)、例えば、フェライトを、MRIまたは同等物のために造影剤等として免疫細胞内に負荷することができる。免疫細胞内にそのようなナノ粒子を導入することによって、腫瘍または転移の場所を突き止めることができる。
【0033】
本発明にかかる改変免疫細胞、本発明にかかる細胞改変方法および本発明にかかる細胞改変装置は、好ましくは、癌疾患の治療のため、例えば、リンパ腫、結腸癌、肺癌及び/又は膵臓癌、及び/又は卵巣癌、及び/又は乳癌、及び/又は脳腫瘍または同様のものの治療のために、慢性炎症の治療のために及び/又はアルツハイマー病の治療のために使用される。
【0034】
本発明にかかる改変細胞(対応する細胞改変方法および細胞改変装置も同様)は、最先端技術による改変細胞と比べて、癌治療能の亢進、特に殺腫瘍効果の亢進という利点を有する。
【0035】
特に、T細胞に薬物/物質を負荷することによって、およびT細胞内に後者を放出(遊離)することによって、T細胞のアポトーシスが惹起され、膜の完全性の増加および薬物の放出の増加をもたらす。
【0036】
以下の実施例は、本発明にかかる改変免疫細胞を生成することができる、または本発明にかかる細胞改変方法を実施することができる、本発明にかかる細胞改変装置に関する。
【0037】
図1において、血液貯蔵部1(例えば、人間の血流)は模式的に示され、そこから、血液が濾過装置3aを経て細胞単離装置4に供給される。細胞単離装置4内で、目的とする細胞、すなわち、改変されるべき細胞、が周知の方法にて選択される。引用符号3は、濾過液貯蔵部3を示し、そこから濾過液がバルブ2を経て濾過装置3aに供給される。単離装置4内で単離された単離細胞の量は、計数装置5を用いて周知の方法にて、例えばインピーダンス測定用の装置によって、測定される。第一負荷装置(first loading device)6aにおいて、単離細胞はインキュベートされ、そして所望の物質/所望の活性成分を負荷される:ここで、活性成分/物質は、ロック7aを経て活性成分/リポソーム貯蔵部8aから添加されるリポソーム中に被包される。
【0038】
したがって、ここで使用されるキャリアーの種類はリポソームであり、使用されるリポソーム製剤は、以下の通りとすることができる:
1)DPPC 30%,コレステロール 40%,DPPG 30%、
2)DPPC 30%,コレステロール 40%,DODAC 30%、
3)DOPE 70%,N-サクシニルDOPE 30%、
4)DOPE 69.5%,N-サクシニルDOPE 30% および PEG 0.5%、または
5)コレステロール 10〜60mol%、レシチン 10〜60mol%、ホスファチジル-モノ、-ジ、-トリもしくは-テトラグリセロール、コレステロール ホスホモノグリセロールまたはコレステロール ホスホオリゴグリセロールからなる群から選択される負電荷キャリアー 5〜25%
【0039】
キャリアーは、例えば、デキストランコポリマーで選択的にグラフトされた、ポリ(DL-ラクチド-コ-グリコリド)等のコアシェルナノ粒子であってもよい。または、レシチンの脂質コア、および薬物(例えばイダルビシンもしくはドキソルビシン)並びにトリブロック・コポリマーの高分子表面を持つコアセルナノ粒子。キャリアーはまた、ポリマー-薬物-複合体、例えば、イダルビシンもしくはドキソルビシン-PLGAオリゴマー複合体等であってもよい。
【0040】
被包される物質は、例えば、アントラサイクリン(ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン等)もしくは関連化合物(例えばイダルビシノール等)であってもよく、または被包される物質は、カンプトテシン並びに類似体、ブレオマイシン、シスプラチン及び/又は血管新生抑制剤及び/又はアンジオスタチン、エンドスタチン、バイタクシン(vitaxin)、ベバシズマブ、レセンチンであってもよい。
【0041】
物質/活性成分の負荷後、第二負荷工程において、物質を負荷された単離免疫細胞の細胞傷害性エフェクター機能は第二負荷装置6b内で増強される。これは、第二ロック7bを経て、対応する二重特異性抗体を含む第二貯蔵部8bを利用して、単離された、既に物質が負荷された免疫細胞の細胞表面に二重特異性抗体を結合することによって行われる(対応するエピトープ及び/又はエプチオープ(eptiopes)に基づく)。
【0042】
測定装置6cにおいて、二重負荷細胞中の活性成分の濃度を測定することができる。最終的に改変細胞は、出口10の上流側に設置されたマイクロポンプ9の助けを借りて、出口10を通じて、人間の血流にフィードバックされる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明にかかる細胞改変装置の模式図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトもしくは哺乳類の免疫細胞、特にエフェクター細胞を、ヒトもしくは哺乳類の体外で改変するための細胞改変方法であって、
第一工程において、少なくとも一つの被包化物質、好ましくは活性薬剤成分が、単離されたヒトもしくは哺乳類の免疫細胞内に導入され、及び/又は免疫細胞上に配置され、および
前記少なくとも一つの物質の導入前または後に行われる第二工程において、前記単離免疫細胞の細胞傷害性エフェクター機能が増強され、及び/又は前記単離免疫細胞の標的能力、好ましくは標的発見能力が増強される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
細胞傷害性エフェクター機能及び/又は標的能力を増強するために、前記第二工程において、少なくとも一つの免疫細胞受容体遺伝子、特にT細胞受容体遺伝子(TCR遺伝子)であって、腫瘍関連抗原(TAA)特異的免疫細胞、特にTAA特異的T細胞由来のものを、前記単離免疫細胞のゲノムに導入することを特徴とする、請求項1に記載の細胞改変方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つの免疫細胞受容体遺伝子を遺伝的伝達によって導入することを特徴とする、請求項2に記載の細胞改変方法。
【請求項4】
前記細胞傷害性エフェクター機能及び/又は標的能力を増強するために、前記第二工程において、前記単離免疫細胞が、遺伝子改変もしくはキメラ免疫細胞受容体を付与され、この際、好ましくは前記単離免疫細胞が細胞傷害性Tリンパ球(CTL)もしくはナチュラルキラー細胞(NK細胞)であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項5】
前記キメラ免疫細胞受容体が、キメラ免疫グロブリンT細胞受容体であること、及び/又は、
前記単離免疫細胞が、遺伝的伝達によって遺伝子改変もしくはキメラ免疫細胞受容体を付与されたものであることを特徴とする、請求項4に記載の細胞改変方法。
【請求項6】
前記細胞傷害性エフェクター機能及び/又は標的能力を増強するために、前記第二工程において、前記単離免疫細胞が、少なくとも一つの抗体及び/又は少なくとも一つのそのフラグメントと、好ましくは少なくとも一つの二重特異性抗体、三重特異性抗体、二特異性抗体、三特異性抗体及び/又は四特異性抗体及び/又はそのフラグメントと結合されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項7】
前記少なくとも一つの抗体及び/又はそのフラグメントが前記単離免疫細胞中に導入され及び/又は細胞上に配置されること、及び/又は
前記単離免疫細胞が多クローン性T細胞、好ましくは活性化多クローン性T細胞であることを特徴とする、請求項6に記載の細胞改変方法。
【請求項8】
前記細胞傷害性エフェクター機能及び/又は標的能力を増強するために、前記第二工程において、以下の特定のタイプの単離免疫細胞:調節性T細胞、サプレッサーT細胞及び/又は腫瘍抗原特異的Tリンパ球の少なくとも一つが、前記単離免疫細胞として選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項9】
少なくとも一つの被包化物質の前記導入及び/又は配置の前に、前記単離免疫細胞が増殖されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項10】
前記単離免疫細胞が、自己細胞、同種異系細胞もしくは前駆細胞、高分化型エフェクター細胞、細胞傷害性T細胞、特に活性化細胞傷害性T細胞、TALL-104細胞、C CURE 709細胞及び/又は細胞傷害性Tリンパ球、調節性T細胞、サプレッサーT細胞、腫瘍抗原特異的Tリンパ球、NK細胞、特にNK-92細胞、単球及び/又はマクロファージ、特に単球由来のマクロファージであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項11】
少なくとも一つの前記被包化物質が、治療用であり、細胞分裂阻害剤及び/又は血管新生抑制剤及び/又は抗体に基づく治療薬及び/又は治療用DNA及び/又はRNAiに基づく治療薬を含むこと、及び/又は
少なくとも一つの前記被包化物質が、診断用であり、金属ナノ粒子、特にフェライトナノ粒子(すなわち、約数十ナノメートルから数マイクロメートルの平均径を持つ粒子)を含むことを特徴する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項12】
前記少なくとも一つの被包化物質を導入及び/又は配置するために、及び/又は、前記第二工程において、前記単離免疫細胞のエフェクター機能を増強するために使用される導入及び/又は配置を実行するために、前記単離免疫細胞がインキュベートされ、好ましくは約5分間から約2時間の時間インキュベートされることを特徴とする、前記請求項1〜11のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項13】
エレクトロポレーション及び/又はトランスフェクションによって、前記少なくとも一つの被包化物質が前記単離免疫細胞中に導入及び/又は細胞上に配置されること、及び/又は、前記第二工程において、前記単離免疫細胞のエフェクター機能を増強するために使用される導入及び/又は配置が、エレクトロポレーション及び/又はトランスフェクションによって行われることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項14】
前記少なくとも一つの物質が、当該物質が約1日から25日の期間後に放出されるように被包されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項15】
前記少なくとも一つの物質が、リポソーム、好ましくは被包性リポソーム及び/又は多層リポソームによって、好ましくはアルギン酸塩(好ましくはアルギン酸バリウム)を伴う被包性リポソームを使用することによって、ベソソームによって、ビロソームによって、及び/又は多孔質物質、好ましくはポリ乳酸、ポリグリコール酸/乳酸重合体(PGLA)、デンプン、アパタイト及び/又はプレスされたポリマー、デキストラン、アガロース、アルブミン、キトサン、シリカもしくは中空シリカ粒子、ポリエチレンイミン、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリメチルメタクリレート粒子、コアシェルナノ粒子、デンドリマーならびにデンドロナイズド・ポリマー、好ましくは、コア分子が、その表面で利用可能なシェル分子のための複数の同一結合サイトを有するアミンもしくは糖であるデンドリマーならびにデンドロナイズド・ポリマー(好ましくは、前記シェルは通常酸とアミンを繰り返す)からなるミクロスフェアによって、被包されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の細胞改変方法。
【請求項16】
改変されたヒトもしくは哺乳類の免疫細胞、特にエフェクター細胞であって、当該ヒトもしくは哺乳類の免疫細胞内に導入された、及び/又は免疫細胞上に配置された、少なくとも一つの被包化物質、好ましくは活性薬剤成分を含むこと、および、
増強された細胞傷害性エフェクター機能及び/又は増強された標的能力、好ましくは増強された標的発見能力を示すことを特徴とする、改変されたヒトもしくは哺乳類の免疫細胞。
【請求項17】
前記改変免疫細胞の増強された細胞傷害性エフェクター機能及び/又は増強された標的能力が、少なくとも一つの免疫細胞受容体遺伝子、特に、腫瘍関連抗原(TAA)特異的免疫細胞、特にTAA特異的T細胞由来の、T細胞受容体遺伝子(TCR遺伝子)を、改変されるべき前記免疫細胞のゲノム中に導入することによってもたらされたものであることを特徴とする、請求項16に記載の改変免疫細胞。
【請求項18】
前記改変免疫細胞の増強された細胞傷害性エフェクター機能及び/又は増強された標的能力が、改変されるべき免疫細胞に遺伝子改変免疫細胞レセプターもしくはキメラ免疫細胞レセプターを付与することによってもたらされたものであることを特徴とする、請求項16または17に記載の改変免疫細胞。
【請求項19】
前記改変免疫細胞の増強された細胞傷害性エフェクター機能及び/又は増強された標的能力が、改変されるべき免疫細胞と少なくとも一つの抗体及び/又は少なくとも一つのそのフラグメントと、好ましくは、少なくとも一つの二重特異性抗体、三重特異性抗体、二特異性抗体、三特異性抗体及び/又は四特異性抗体及び/又はそのフラグメントとの結合によってもたらされたものであることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか1項に記載の改変免疫細胞。
【請求項20】
前記免疫細胞が、自己細胞、同種異系細胞、前駆細胞、高分化型エフェクター細胞、細胞傷害性T細胞、特に活性化細胞傷害性T細胞、好ましくはTALL-104細胞もしくはC CURE 709細胞、及び/又は細胞傷害性Tリンパ球、調節性T細胞、サプレッサーT細胞、腫瘍抗原特異的Tリンパ球、NK細胞、特にNK-92細胞、単球及び/又はマクロファージ、特に単球由来のマクロファージであることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか1項に記載の改変免疫細胞。
【請求項21】
ヒトもしくは哺乳類の免疫細胞、特にエフェクター細胞を、ヒトもしくは哺乳類の体外で改変するための細胞改変装置であって、
免疫細胞を単離するための少なくとも一つの手段(4)および
単離された免疫細胞内及び/又は細胞上への少なくとも一つの被包化物質の導入及び/又は配置に適した、および、さらに、単離免疫細胞の細胞傷害性エフェクター機能の増強に、及び/又は単離免疫細胞の標的能力、好ましくは標的発見能力の増強に適した少なくとも一つの手段(6,7,8)を有する細胞改変装置。
【請求項22】
前記少なくとも一つの被包化物質の導入及び/又は配置前に、及び/又は前記細胞傷害性エフェクター機能の増強前に、前記単離免疫細胞を固定するための手段(6)を有することを特徴とする、請求項21に記載の細胞改変装置。
【請求項23】
前記細胞改変装置が、請求項1〜15のいずれか1項に記載の細胞改変方法を実行するように構成されていることを特徴とする、請求項21または22に記載の細胞改変装置。
【請求項24】
ヒトもしくは哺乳類の免疫細胞のエフェクター機能を増強するための、及び/又は癌治療における、好ましくは結腸癌治療、リンパ腫治療、肺癌治療、卵巣癌治療、乳癌治療、脳腫瘍及び/又は膵臓癌治療における、慢性炎症治療における、アルツハイマー病治療における、及び/又は応用免疫学もしくは腫瘍学の分野における、及び/又は物質の活性及び/又は自律性の標的化の分野における、及び/又は腫瘍診断、アルツハイマー診断のような診断における、請求項1〜15および請求項21〜23のいずれか1項に記載の細胞改変装置及び/又は細胞改変方法の使用。
【請求項25】
癌治療、結腸癌治療、リンパ腫治療、肺癌治療、膵臓癌治療、慢性炎症治療及び/又はアルツハイマー病治療用の薬剤の製造のための、請求項16〜20のいずれか1項に記載の改変免疫細胞の使用。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−213462(P2009−213462A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−181172(P2008−181172)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(508048724)キスト−ヨーロップ フォルシュングスゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】KIST‐Europe Forschungsgesellschaft mbH
【Fターム(参考)】