説明

細胞溶解性抗生物質に対する耐性細菌の存在の判定方法

【課題】標的細菌の細胞溶解性抗生物質に対する耐性に基づく、標的細菌の存在の判定方法を提供する。
【解決手段】標的細菌が細胞溶解性抗生物質に耐性を示し、以下の一連のステップ、i)細胞溶解性抗生物質を含むインキュベーション培地中で試料をインキュベートするステップ、ii)捕捉剤を含む固相支持体上に標的細菌の不溶解細胞を捕捉するステップ、iii)標的細菌の不溶解細胞の溶解を引き起こすことができる薬剤に該細胞を曝露するステップ、および、iv)標的細菌の溶解細胞に由来する細胞内物質の存在を判定するステップを含む、試料中の標的細菌の存在を判定する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標的細菌が細胞溶解性抗生物質に耐性を示す、試料中の1種または複数種の標的細菌の存在を判定する方法に関する。本発明は、特に、臨床試料に1種または複数種のメチシリン耐性細菌の存在を判定する方法に関するがそれだけには限らない。
【背景技術】
【0002】
一般に使用されている抗生物質に耐性を示す細菌の出現は、感染個体の治療に深刻な影響を及ぼす広がりを見せる問題である。実際、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)など、これらのいわゆるスーパーバグは、最強の抗生物質以外のすべての抗生物質に耐性であることが多い。免疫系の働きが低下している個体が抗生物質耐性細菌によって院内感染することが重篤な合併症、さらには死さえ招くこともある病院環境では、この問題は特に深刻になってきている。したがって、このような環境では感染の危険性を最小限にする必要がある。その危険を最小限にする1つの方法は、このような細菌の存在を早期に判定して、個人および環境を慎重にモニターし、必要に応じて早期段階で治療ができるようにすることにかかっている。
【0003】
しかし、抗生物質耐性細菌の存在を判定する現在の方法は時間がかかり、まずその細菌を純粋な形で培養し、次いで1組の抗生物質に曝露してその増殖が阻害されるかを見る必要がある。その全工程には少なくとも2日を要し、最適な治療処方計画が感染者に施される前に危機的な遅れが生ずることもしばしばあり得る。もちろん、そのような遅れは個人の健康状態に有害であるだけでなく、病院環境での入院の長期化をもたらす。
【0004】
したがって、患者または環境中に、ある種の抗生物質に耐性を示す細菌が存在するかどうかを迅速に決定する方法が必要とされている。
【0005】
本出願人の同時係属出願WO99/37799号には、培養物中に存在することが分かっている特定の細菌が、特定の抗生物質に対して感受性または耐性であるかを迅速に決定する方法が教示されている。しかし、好ましくは細菌が純粋な培養物または純粋な単離物として存在する必要があるという点で、その方法は限られている。しかし、その方法は、混合培養物中の特定の細菌が抗生物質に耐性であるか感受性であるかを判定できるように構成されている。その場合、その方法は、一般に、特定の細菌に特異的な特定の抗生物質または他の作用で治療する前に行う予備的分離ステップに依存している。
【0006】
あるいは、抗生物質の作用様式が判明している場合、この方法によって混合培養物中に存在することが分かっている特定の細菌の抗生物質に対する耐性または感受性を明らかにすることができ、それは混合培養物に由来し、i)抗生物質不含ii)抗生物質含有、iii)その細菌に特異的なバクテリオファージ、ならびにiv)抗生物質およびバクテリオファージの混合物の存在下で培養した4個のアリコットの細胞内アデニル酸キナーゼの含有量を比較分析することによる。細胞溶解性抗生物質に対して感受性を示す細菌は、たとえば細胞内アデニル酸キナーゼが、バクテリオファージのみを用いて培養した試料と比較して、抗生物質とバクテリオファージを用いて培養した試料中では低減するということを基にして推定することができる。
【0007】
WO99/37799号に開示されている方法は、混合培養物中に特定の抗生物質耐性細菌の存在を単に示すだけであると推測されるが、実際には、特に耐性細菌の濃度が低い場合、曖昧でなく確実にそのような結果を得ることは不可能である。
【0008】
たとえ可能であっても、その存在の判定には依然として培養、処理、および混合培養物に由来する少なくとも4個の異なるアリコットの検定を含む、いくつかの反復ステップの実施が必要とされることは明らかである。そのような反復は煩雑であり(inelegant)エラーの可能性を増大させる。さらに、この方法は、混合培養物のアリコットをバクテリオファージで処理することは、細菌が対数増殖期に達することを確実にするための時間を要するという点で本質的な遅延がつきまとう。
【0009】
したがって、試料中の抗生物質耐性細菌の存在を判定する簡単で迅速な方法が依然として必要とされている。特に臨床試料中の抗生物質耐性細菌の存在を判定する簡単で迅速な方法が依然として必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、試料中に、特にたとえば感染個体をスワブでこすることによって採取された臨床試料中に、抗生物質耐性細菌が存在するかどうかを判定するための、必要最小限のステップを含む簡単で迅速な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一般に、広い範囲の細菌が細胞溶解性抗生物質に対して感受性を示し、その結果、混合培養物中の感受性細菌の細胞内物質がまず始めに好都合に放出されるということを理解することから始まっている。
【0012】
したがって、本発明は、標的細菌が細胞溶解性抗生物質に耐性を示し、以下の一連のステップ、
i)細胞溶解性抗生物質を含むインキュベーション培地中で試料をインキュベートするステップ、
ii)捕捉剤を含む固相支持体上に標的細菌の不溶解細胞を捕捉するステップ、
iii)標的細菌の不溶解細胞の溶解を引き起こすことができる薬剤に該細胞を曝露するステップ、および
iv)標的細菌の溶解細胞に由来する細胞内物質の存在を判定するステップを含む、試料中の標的細菌の存在を判定する方法を提供する。
【0013】
本発明の一実施形態では、この方法はさらに、ステップiii)の前に洗浄ステップおよび/またはろ過ステップを含んで、細胞溶解性抗生物質に感受性を示す細胞に由来する細胞内物質が除去されるようになっている。
【0014】
本出願全体にわたって用語「細胞溶解性抗生物質」とは、細胞複製中の細菌の細胞壁合成を撹乱する薬剤を示すことは理解されよう。したがって、どんなβ−ラクタム系抗生物質も本発明の方法の実施に適している。本発明の好ましい実施形態では、細胞溶解性抗生物質は、アンピシリンやメチシリンなどのペニシリン系である。
【0015】
本発明の一実施形態では、捕捉剤は特定の菌種にのみ特異的なものでよい。他の実施形態では、捕捉剤は特定の菌株に特異的でよい。好ましい実施形態では、捕捉剤は黄色ブドウ球菌に結合するフィブリノーゲンである。あるいは、捕捉剤は黄色ブドウ球菌に特異的な抗体である。
【0016】
もちろん、2種以上の標的細菌の存在を判定できるように、本発明の方法に追加の介在ステップを含めてもよいことは理解されよう。通常、これらのステップには、1種または複数種の捕捉剤を含む固相支持体上に標的細菌の不溶解細胞を捕捉するステップを含めてよい。
【0017】
好都合には、本発明を実施するための培地は液体ブロスを含む。この実施形態では、固相支持体には、適当な抗体または他の捕捉剤でコートした磁気ビーズを含めてよい。あるいは、固相支持体には、適当な抗体または他の捕捉剤で少なくとも部分的にコートしたスパーテル、パドル(paddle)、またはフィルタを含めてよい。
【0018】
本発明の別の実施形態では、細胞溶解を引き起こすことができる薬剤は標的細菌に対して選択的である。この薬剤は黄色ブドウ球菌に対して選択的であることが好ましい。さらに、細胞溶解を引き起こすことができる薬剤はリゾスタフィンであることが好ましい。
【0019】
本発明の別の実施形態では、細胞溶解を引き起こすことができる薬剤は、標的細菌に対して選択的なバクテリオファージ、またはそれに由来する溶解素である。別の実施形態では、細胞溶解を引き起こすことができる薬剤はコリシンである。
【0020】
もちろん、本発明の方法は、他の標的細菌の存在も判定できるように、いくつかのそのようなステップを含み得ることも理解されよう。
【0021】
標的細菌の溶解細胞に由来する細胞内物質の判定には、当技術分野で知られているどんな適当な検定を含めてもよい。検定には生物発光検定が含まれることが好ましい。さらに生物発光検定は、たとえば、本出願人の同時係属出願WO94/17202号および同WO96/02665号に記載されているようにアデニル酸キナーゼ(AK)に基づくことが好ましい。しかし、代わりに、この検定には細胞内酵素マーカー、たとえばホスファターゼまたはペルオキシダーゼに基づく比色検定または蛍光検定を含めてもよい。
【0022】
本発明の一態様は、本発明の方法を実施するための試験キットを提供する。試験キットは、使い捨て試験キットであることが好ましい。試験キットは、適当な構成要素を備えて、選択した検定が実施できるようにすることができる。試験キットは、選択した細胞溶解性抗生物質を含む適当な培地を備えることが好ましい。さらに試験キットは、標的細菌に特異的な捕捉剤、洗浄液、および標的細菌の細胞溶解を引き起こすことができる薬剤を含む固相支持体を備えていることが好ましい。
【0023】
本発明の一実施形態では、試験キットはメチシリンを含む液体ブロスを含む。メチシリンを含む液体ブロスは凍結乾燥形態で供給されることが好ましい。
【0024】
好都合には、試験キットは、本出願人の同時係属特許出願GB0110476.9号に記載されているマルチウェル容器など、マルチウェル容器の形態で供給することができる。
【0025】
本発明の方法の1つの利点としては、細胞内物質に対する単一検定を含む、細胞溶解性抗生物質に対して耐性を示す細菌の存在の迅速な(約3時間)判定が提供される。加えて、本方法は複数の比較検定をする必要がなく、さらに、比較方式または定量的方式ではなく、曖昧でない独立した定性的な方式で結果を解釈できるという利点が付与される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明を、非制限的な実施例および以下の図を参照することによって説明する。
【0027】
図1を参照すると、たとえば患者からスワブの形で採取した、一般にはメチシリン耐性の細菌11および一般にはメチシリン感受性の細菌12を含む細菌混合物を含む試料を37℃で約4μgの抗生物質を含む約1ml容量の液体ブロス中で培養する。
【0028】
メチシリン耐性細菌11は生存し増殖することができる。しかし、メチシリン感受性細菌12は、初期増殖期後、細胞壁13の弱体化が生じ、細胞内物質14を液体ブロスに放出しながら溶解する。
【0029】
したがって2〜4時間後、液体ブロスには、メチシリン耐性非溶解細菌およびメチシリン感受性溶解細菌の混合物が含まれる。
【0030】
次いで、特定の細菌、たとえば黄色ブドウ球菌の存在を、フィブリノーゲンでコートした常磁性ビーズ15を液体ブロスに添加することによって判定する。フィブリノーゲンは、黄色ブドウ球菌に特異的な結合剤である。2〜10分後、ブロスからビーズを磁力で取り出し、分析ステップの前に洗浄する。
【0031】
次いで、ビーズ15および付着した標的細菌11を、細胞を溶解することができる界面活性剤を入れた別の容器中で処理する。このようにして得られた細胞内物質を、アデニル酸キナーゼについてルシフェリン−ルシフェラーゼ生物発光プロトコルを使用して分析する。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の存在はシグナル16によって明らかになる。これを確実なものとするために、シグナル16を適当な対照シグナルと比較して、アデニル酸キナーゼのバックグラウンド濃度から生じる誤差を除外することができる。
【0032】
依然としてメチシリンに不浸透性であり、磁気ビーズ上に固定されている細胞だけが、アデニル酸キナーゼ検定に応答して有意なシグナルを提供することは明らかである。
【0033】
もちろん、他のメチシリン耐性の標的種の存在も、他のコーティングを含むビーズ、またはコーティング中に1種または複数種の捕捉剤を含むビーズを添加するステップを含む、別のまたは追加のステップによって調べることができる。
【0034】
あるいは、またはさらに、最終の細胞溶解ステップで、特定の様々な菌種を標的にすることによって、本方法に特異性を導入することができる。たとえば、黄色ブドウ球菌に特異的なバクテリオファージまたは界面活性剤の組合せを使用することができる。
【0035】
図2は、一連の臨床試料中の黄色ブドウ球菌の存在を判定するために得られた生物発光の結果を示す図である。見て分かるように、陽性の試験結果(試料番号M421000MおよびM421148L)は陰性の試験結果(試料番号M421117SおよびM421131P)と容易に区別される。
【0036】
図3は、アンピシリンおよびメチシリンの存在下で培養した異なる黄色ブドウ球菌株から得た生物発光の結果を示す図である。いずれの場合にも、この方法によって抗生物質感受性株から抗生物質耐性株の存在が区別される。
【0037】
図4を参照すると、本発明の方法で使用される試験キットは、様々の適当なツールまたは試薬用の保存チャンバおよび/または反応チャンバの役割をするいくつかのウェル18、19、20、21、22(以下に記述する)を備え、一般に17で示される固体の射出成形されたポリプロピレンハウジングを備えている。
【0038】
チャンバ18には、感染個体から入手したスワブ試料の培養に適当な、細胞溶解性抗生物質を含む液体ブロス22が入っている。チャンバ18は、この試料を得るためのスワブ24を有する充実ロッド23を備えている。ロッド23は、ロッド18の取っ手の役割をし、かつチャンバ18内の細胞溶解性抗生物質を含む液体ブロス22を封着する蓋26を好都合に提供する横行部25を備えている。
【0039】
隣接するチャンバ19、20には、それぞれ、磁気ビーズ27の懸濁液を含む水溶液、およびリン酸緩衝生理食塩の水系洗浄液28が入っている。適当な磁気ビーズは、Dynal社からDynabeads(商標)の名前で入手される磁気ビーズである。先に述べたように、ビーズには標的細菌を捕捉できる薬剤がコートされている。
【0040】
キットの反応チャンバの役割をするチャンバ21には、アデニル酸キナーゼに基づく生物発光検定の実施に適した水溶性緩衝液29が供給されている。また、このチャンバには、緩衝液29の上方に、それぞれ、ルシフェリン/ルシフェラーゼに基づく生物発光反応試薬、および界面活性剤もしくは標的細菌の細胞を溶解することができる薬剤を含むアデノシン二リン酸水溶液を含む、ホイル密封カプセル30、31が設けられている。生物発光検定の促進剤の役割をする酢酸マグネシウムなどのマグネシウム源は、ホイル密封カプセルを隔てているスペース32の中に供給する。
【0041】
チャンバ22には、ホイル密封カプセル30、31に穴を開けるのに適した鋭い円錐状の先端34を有する中空ワンド(wand)33が設けられている。ワンド33には、制御ハードウェアまたは制御ソフトウェア(図示せず)の制御下でワンド33を垂直および水平方向に移動させるのに適した機構を係合するための係合手段(たとえば、スロット−図示せず)を備える横行部35が設けられている。また、横行部35には、ワンド33の格納式円筒磁石(図示せず)の受入れを可能にする孔(図示せず)が設けられている。
【0042】
チャンバ19、20、21、22には、金属箔36の形態の薄層封着手段が設けられている。チャンバ18が備えている封着手段とは対照的に、薄層封着手段は破れた後で再使用されないものとする。
【0043】
使用においては、スワブ24を備えた充実ロッド23を取っ手25によりチャンバ18から手動で取り外して使用し、感染個体から試料を得る。ロッド23を直ちにチャンバに戻して液体ブロス22中にスワブ24が浸され、蓋26とチャンバ18間の封着が再形成されるようにする。
【0044】
試験キットを好適な条件下で約3時間維持して患者の試料をインキュベートする。この期間の最後にロッド23をチャンバ18から取り外し、チャンバ19、20、21、22を封着していた金属箔を取り外す。
【0045】
中空ワンド33(格納式磁石を備えている)は移動機構に係合している。ハードウェア制御またはソフトウェア制御の制御下で、ワンド33をチャンバ19へ移動させ、懸濁液27から磁気ビーズを回収させ、そこからチャンバ18へ移動させ、たとえばウォーム駆動手段によって磁石を引込めることによりブロス中にビーズを沈積させる。
【0046】
適当な時間の後、適宜攪拌し、磁石をワンド33に戻してビーズを回収させる。次いで、ワンド33をチャンバ20へ移動させてビーズを洗浄液28中に沈積させ、さらに適当な時間後先に述べた通りビーズを回収する。
【0047】
続いて、洗浄したビーズを保持するワンド33を反応チャンバ21へ移動させて、鋭い円錐状の先端34によってホイル密封カプセル30、31の内容物が緩衝液29へ放出されるようにする。次いで、ワンド33から磁石を引込ませることによりビーズを溶液29に放出させ、ワンドをチャンバ22へ戻す。
【0048】
ポリプロピレンハウジング17のチャンバ21の下方に設置した光電子増倍管(図示せず)が、続く生物発光反応に由来する発光を検出する。(反応の詳細な説明は、本出願人の同時係属出願WO94/17202号および同WO96/02665号に記載されている)。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の方法の必須ステップを示す略図である。
【図2】陰性試験および陽性試験の差を強調したグラフである。
【図3】アンピシリン50μg/mlまたはメチシリン4μg/mlを加えて3.5時間インキュベートした後の黄色ブドウ球菌メチシリン耐性株およびメチシリン感受性株の試験結果を示すグラフである。
【図4】本発明による試験キットの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的細菌が細胞溶解性抗生物質に耐性を示し、以下の一連のステップ、
i)細胞溶解性抗生物質を含むインキュベーション培地中で試料をインキュベートするステップ、
ii)捕捉剤を含む固相支持体上に標的細菌の不溶解細胞を捕捉するステップ、
iii)標的細菌の不溶解細胞の溶解を引き起こすことができる薬剤に該細胞を曝露するステップ、および
iv)標的細菌の溶解細胞に由来する細胞内物質の存在を判定するステップを含む、試料中の標的細菌の存在を判定する方法。
【請求項2】
ステップiii)の前に洗浄ステップおよび/またはろ過ステップがある請求項1に記載の方法。
【請求項3】
捕捉剤が黄色ブドウ球菌に特異的な抗体である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
捕捉剤がフィブリノーゲンである請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
細胞溶解を引き起こすことができる薬剤が黄色ブドウ球菌に対して選択的である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
細胞溶解を引き起こすことができる薬剤がリゾスタフィンである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
細胞溶解を引き起こすことができる薬剤がバクテリオファージである請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
培地が液体ブロスである請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
固相支持体が磁気ビーズを含む請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ステップiv)が生物発光検定を含む請求項2から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
生物発光検定がアデニル酸キナーゼに基づく請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップiv)が細胞内酵素マーカーに基づく比色検定または蛍光検定を含む請求項2から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
細胞溶解性抗生物質がメチシリンである請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
細胞溶解性抗生物質を含む培地、標的細菌に特異的な捕捉剤を含む1種または複数種の固相支持体、細胞溶解を引き起こすことができる1種または複数種の薬剤、および標的細菌の溶解細胞に由来する細胞内物質の存在を判定するための試薬を備える、標的細菌の存在を判定するための試験キット。
【請求項15】
細胞溶解性抗生物質がメチシリンである請求項14に記載の試験キット。
【請求項16】
1種または複数種の捕捉剤が黄色ブドウ球菌に特異的な捕捉剤を含む請求項14または15に記載の試験キット。
【請求項17】
標的細菌の溶解細胞に由来する細胞内物質の存在を判定するための試薬が、細胞内酵素マーカーについての生物発光、比色検定、または蛍光検定に適当である請求項14から16のいずれか一項に記載の試験キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−34104(P2009−34104A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188908(P2008−188908)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【分割の表示】特願2003−529980(P2003−529980)の分割
【原出願日】平成14年9月2日(2002.9.2)
【出願人】(390040604)イギリス国 (58)
【氏名又は名称原語表記】THE SECRETARY OF STATE FOR DEFENCE IN HER BRITANNIC MAJESTY’S GOVERNMENT OF THE UNETED KINGDOM OF GREAT BRITAIN AND NORTHERN IRELAND
【Fターム(参考)】