細長医療部材
【課題】内視鏡的逆行性胆膵管造影法に限らず、胆管、又は膵管の内部の治療において、各種処置具を容易に導入し、適切な処置を行うことができる細長医療部材を実現すること。
【解決手段】細長医療部材40は、所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在な複数のルーメン44a,45aが配設された長尺な挿入部42と、挿入部42の先端から延設され、挿入部42を案内するガイド部41と、スコープ/処置具挿通部まで配設されたスコープ/処置具チャンネル44を具備する。
【解決手段】細長医療部材40は、所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在な複数のルーメン44a,45aが配設された長尺な挿入部42と、挿入部42の先端から延設され、挿入部42を案内するガイド部41と、スコープ/処置具挿通部まで配設されたスコープ/処置具チャンネル44を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内、特に十二指腸から十二指腸乳頭を介して、胆管、又は膵管へのアプローチが容易となる細長医療部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、胆石、又は膵石、管壁の異常部位の位置や大きさを特定するために、内視鏡を使用した精密検査が行われている。このような内視鏡検査には、内視鏡的逆行性胆膵管造影法などがある。
【0003】
この造影法は、側視型内視鏡を使用して、胆管、及び膵管の出入口である十二指腸乳頭へ造影チューブを挿入した後、被検査対象の胆管、又は膵管へ造影剤を注入して、X線撮影が行われる。こうして、術者は、X線撮影の胆管像、又は膵管像から胆石、又は膵石、管壁の異常部位などの位置、及び大きさを特定することができる。
【0004】
そして、胆石、又は膵石の排出、管壁の異常部位の治療には、各種処置具が使用される。これらの処置具は、口径の小さな十二指腸乳頭から胆管、又は膵管へ導入することが困難である。そのため、内視鏡を用いて、処置具の1つであるパピロトミーナイフなどの高周波ナイフにより、乳頭部を切開し、口径を拡げる内視鏡的乳頭括約筋切開術が行われる。その後、バスケット把持鉗子、生検鉗子などの各種処置具により、胆石、又は膵石の粉砕、排出、管壁の異常部位の治療などが行われる。
【0005】
このような治療には、各種処置具を胆管、又は膵管に導入するための補助的処置具である細長なカテーテルを内視鏡と共に用いることがある。上述した内視鏡的逆行性胆膵管造影法に限ることなく、医療に用いるカテーテルには、例えば、米国特許6,659,981B2号に開示されるようなものがある。尚、米国特許6,659,981B2号には、体内の心臓へ体内医療処置具を運搬するためのカテーテルの技術が開示されている。
【0006】
ところで、上述した胆管、又は膵管の導入口である乳頭は、十二指腸の体腔壁に位置している。そのため、内視鏡は、乳頭を視野に入れるため、挿入方向に対して直交する方向に視野を備えた側視型内視鏡が用いられる。このような側視型内視鏡には、例えば、特開平5−107484号公報に開示されるような、挿入方向と平行な視野の直視型と、上記側視型とを切替自在な直視側視交換型内視鏡がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許6,659,981B2号
【特許文献2】特開平5−107484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、胆管、又は膵管には体内液体である胆汁、又は膵汁があり、従来のカテーテルを用いた内視鏡的逆行性胆膵管造影法では、一度に体内液体を取り除いた後、胆管、又は膵管の内部に造影剤を注入することが困難であるという問題があった。
【0009】
また、米国特許6,659,981B2号に開示されるような従来のカテーテルのチャンネル内で胆管、又は膵管に導入する処置具を出し入れするときに、チャンネル内の流体が胆管、又は膵管の内部に混入されてしまい、X線画像に影が映り、異常部位を特定することが困難となる問題があった。さらには、カテーテルのチャンネル内で処置具を出し入れすると、胆管、又は膵管の内部に注入されている造影剤がチャンネル内に吸引されてしまうという問題もある。
【0010】
さらに、特開平5−107484号公報に開示されるような従来の直視側視交換型内視鏡は、体腔内に挿入中において、直視型、又は側視型のどちらか一方の機能しか使用できない。そのため、内視鏡的逆行性胆膵管造影法に用いる場合、目的部位である十二指腸の乳頭付近までの挿入時に有効な直視型から胆管、又は膵管の治療を行うときに有効な側視型に体腔内で切替えることができない。
【0011】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、内視鏡的逆行性胆膵管造影法に限らず、胆管、又は膵管の内部の治療において、各種処置具を容易に導入し、適切な処置を行うことができる細長医療部材を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成すべく、本発明の一態様の細長医療部材は、所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在な複数のルーメンが配設された長尺な挿入部と、該挿入部の先端から延設され、該挿入部を案内するガイド部と、を具備する。
【0013】
また、本発明の他の態様の細長医療部材は、所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在なルーメンが配設された長尺な挿入部と、該挿入部の先端から延出し、上記作業用処置具を案内するガイド部と、該ガイド部が延出する上記挿入部の反対側の先端外周部に、上記ルーメンの開口部から基端側へ向かって形成された所定の長さのスリットと、を具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の細長医療部材によれば、内視鏡的逆行性胆膵管造影法に限らず、胆管、又は膵管の内部の治療において、各種処置具を容易に導入し、適切な処置を行うことができる細長医療部材を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る、側視方内視鏡、及びイメージカテーテルが挿入されたガイドカテーテルを有して構成される内視鏡システムを示す全体構成図。
【図2】第1の実施の形態に係るガイドカテーテルを示す図。
【図3】第1の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分を示す図。
【図4】第1の実施の形態に係るイメージカテーテルが挿入された状態のガイドカテーテルの断面図。
【図5】第1の実施の形態に係る内視鏡システムを使用した内視鏡的逆行性胆膵管造影法による胆石の排出手術の一例を示すフローチャート。
【図6】第1の実施の形態に係り、十二指腸乳頭部から胆管内へガイドカテーテルが挿入された状態を示す図。
【図7】第1の実施の形態に係り、胆管内へ造影剤が注入された状態を示す図。
【図8】第1の実施の形態に係り、十二指腸乳頭部から胆管内へパピロトミーナイフが挿入された状態を示す図。
【図9】第1の実施の形態に係り、十二指腸乳頭部をパピロトミーナイフにより切開する動作を説明する図。
【図10】第1の実施の形態に係り、胆管内へガイドカテーテルが更に挿入された状態を示す図。
【図11】第1の実施の形態に係り、胆管内へバスケット把持鉗子が挿入された状態を示す図。
【図12】第1の実施の形態に係り、胆管内の胆石をバスケット把持鉗子に取り込んだ状態を示す図。
【図13】第1の実施の形態に係り、胆石を取り込んだバスケット把持鉗子が十二指腸へ引き出された状態を示す図。
【図14】第1の実施の形態に係り、膵管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入された状態を示す図。
【図15】第1の実施の形態に係り、図14から、さらに、膵管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入され、胆管内へイメージカテーテルが挿入される状態を示す図。
【図16】第1の実施の形態に係り、胆管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入され、十二指腸乳頭部を針状ナイフにより切開する動作を説明する図。
【図17】第1の実施の形態に係り、胆管内へガイドカテーテルが挿入され、胆汁が吸引されると共に、胆管内へ造影剤が注入される状態を示す図
【図18】第1の実施の形態に係り、ガイド部から突出されたイメージカテーテルにより、胆管内を観察しながら、胆管内の胆石をバスケット把持鉗子に取り込んだ状態を示す図。
【図19】第2の実施の形態に係る内視鏡の全体構成を示す図。
【図20】第2の実施の形態に係る図19の内視鏡の先端面を示す平面図。
【図21】第2の実施の形態に係る図20に示す状態の内視鏡の先端部の断面図。
【図22】第2の実施の形態に係るイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図。
【図23】第2の実施の形態に係り、図22に示す状態の内視鏡の先端面を示す平面図。
【図24】第2の実施の形態に係る内視鏡が体腔内に挿入されている状態を示す図。
【図25】第2の実施の形態に係る内視鏡が十二指腸乳頭部近傍に到達した状態を示す図。
【図26】第2の実施の形態に係り、第1の変形例に係る内視鏡の先端部の断面図。
【図27】第2の実施の形態に係り、第1の変形例に係るイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図。
【図28】第2の実施の形態に係り、第2の変形例に係る内視鏡の先端部の断面図。
【図29】第2の実施の形態に係り、第2の変形例に係るイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図。
【図30】第2の実施の形態に係るガイドカテーテルを含む内視鏡システムの全体構成を示す図。
【図31】第3の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図32】第3の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図33】第3の実施の形態に係り、保持部で先端部分を保持された湾曲部を備えたイメージカテーテルが挿通された状態のガイドカテーテルの先端部分の側面図。
【図34】第3の実施の形態に係り、イメージカテーテルが湾曲した状態を示すイメージカテーテルが挿通された状態のガイドカテーテルの先端部分の側面図。
【図35】第4の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図36】第4の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図37】第4の実施の形態に係り、変形例であるガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図38】第4の実施の形態に係り、変形例である図37のガイドカテーテルの作用を説明するための図。
【図39】第5の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の斜視図。
【図40】第5の実施の形態に係り、第1変形例を示す、ガイドカテーテルの先端部分の斜視図。
【図41】第5の実施の形態に係り、第2変形例を示す、ガイドカテーテルの先端部分の斜視図。
【図42】第5の実施の形態に係り、図39のガイドカテーテルの使用例を示す図。
【図43】第5の実施の形態に係り、図39のガイドカテーテルの使用例を示す図。
【図44】第6の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図である。
【図45】第7の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図46】第7の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分を示し、このガイドカテーテルに挿入されたパピロトミーナイフの先端部分が弓状にされた状態を示す図。
【図47】第7の実施の形態に係り、十二指腸乳頭部をパピロトミーナイフにより切開する動作を説明する図、
【図48】第7の実施の形態に係り、胆石を取り込んだバスケット把持鉗子が十二指腸へ引き出された状態を示す図。
【図49】第8の実施の形態に係り、内視鏡チャンネル、及びこの内視鏡チャンネルに挿通するガイドカテーテルの断面図。
【図50】第8の実施の形態に係るガイドカテーテル、及びこのガイドカテーテルに挿通するイメージカテーテルの断面図。
【図51】第8の実施の形態に係り、側視型内視鏡の操作部側チャンネル開口部、ガイドカテーテルの先端部分、ガイドカテーテルの処置具挿通部、及び処置具であるイメージカテーテルの先端部分に夫々の長軸回りの挿入方向を規定する指標を示す図。
【図52】第8の実施の形態に係り、ガイドカテーテルのガイド部からガイドカテーテル挿入部の基端まで形成されたレール状の溝部を示す図。
【図53】第8の実施の形態に係り、図52のガイドカテーテルに処置具が挿通した状態の断面図。
【図54】第9の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図55】第9の実施の形態に係るガイドカテーテルを先端から見た図。
【図56】第9の実施の形態に係り、第1の変形例となるガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図57】第9の実施の形態に係り、第2の変形例となるガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図58】第9の実施の形態に係り、第2の変形例となるガイドカテーテルが十二指腸乳頭部から胆管内へ挿入された状態を示す図。
【図59】第10の実施の形態に係り、バスケット把持鉗子が挿入されているガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図60】第10の実施の形態に係り、バスケット把持鉗子が挿入されたガイドカテーテルのガイド部が胆管内へ挿入された状態を示す図。
【図61】第11の実施の形態に係る内視鏡の先端部の一側面を示した平面図。
【図62】第11の実施の形態に係る内視鏡の先端部を示した斜視図。
【図63】第12の実施の形態に係る内視鏡の先端部の一側面を示した平面図。
【図64】第12の実施の形態に係る内視鏡の先端部の先端面を示した平面図。
【図65】第12の実施の形態に係る内視鏡の先端部の断面図。
【図66】第12の実施の形態に係り、先端部内にある孔部、直視用孔部、又は側視用孔部を示し、スコープ挿通凹部を示す先端部の部分断面図。
【図67】第12の実施の形態に係り、ガイド部に保持部を備えたガイドカテーテル、及びイメージカテーテルを使用した場合の内視鏡の先端部の断面図。
【図68】第12の実施の形態に係り、図67に対応した構成による内視鏡の先端部が乳頭部近傍まで挿入され、ガイド部の保持部に保持されたイメージカテーテルが若干突出した状態を示す図。
【図69】第12の実施の形態に係り、イメージカテーテルと共にガイド部が胆管内へ挿入された状態を示す図。
【図70】第12の実施の形態に係り、ガイドカテーテルのガイドカテーテル挿入部の先端部分が胆管内に挿入され、イメージカテーテルが保持部から外されて乳頭部を撮影している状態を示す図。
【図71】第12の実施の形態に係る変形例を示し、内視鏡の先端部に保持部を設けた構成を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の各実施の形態を説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1から図18は、本発明の第1の実施の形態を示し、図1は側視方内視鏡、及びイメージカテーテルが挿入されたガイドカテーテルを有して構成される内視鏡システムを示す全体構成図、図2はガイドカテーテルを示す図、図3はガイドカテーテルの先端部分を示す図、図4はイメージカテーテルが挿入された状態のガイドカテーテルの断面図、図5は内視鏡システムを使用した内視鏡的逆行性胆膵管造影法による胆石の排出手術の一例を示すフローチャート、図6は十二指腸乳頭部から胆管内へガイドカテーテルが挿入された状態を示す図、図7は胆管内へ造影剤が注入された状態を示す図、図8は十二指腸乳頭部から胆管内へパピロトミーナイフが挿入された状態を示す図、図9は十二指腸乳頭部をパピロトミーナイフにより切開する動作を説明する図、図10は胆管内へガイドカテーテルが更に挿入された状態を示す図、図11は胆管内へバスケット把持鉗子が挿入された状態を示す図、図12は胆管内の胆石をバスケット把持鉗子に取り込んだ状態を示す図、図13は胆石を取り込んだバスケット把持鉗子が十二指腸へ引き出された状態を示す図、図14は膵管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入された状態を示す図、図15は図14から、さらに、膵管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入され、胆管内へイメージカテーテルが挿入される状態を示す図、図16は胆管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入され、十二指腸乳頭部を針状ナイフにより切開する動作を説明する図、図17は胆管内へガイドカテーテルが挿入され、胆汁が吸引されると共に、胆管内へ造影剤が注入される状態を示す図、図18はガイド部から突出されたイメージカテーテルにより、胆管内を観察しながら、胆管内の胆石をバスケット把持鉗子に取り込んだ状態を示す図である。
【0018】
先ず、図1に示す、細長医療部材である側視型内視鏡70について簡単に説明する。この側視型内視鏡70は、体腔内に挿入される細長で可撓性を有する挿入部72と、この挿入部72の基端部に連設した操作部73と、この操作部73の側部から延出して図示しない光源装置、ビデオプロセッサなどの接続部に着脱自在なコネクタ部を端部に設けたユニバーサルコード74とによって主に構成されている。
【0019】
挿入部72には、先端側から順に、硬質部材で形成した先端部75と、複数の湾曲駒を回動自在に連接して例えば上下左右方向に湾曲自在に形成した湾曲部76と、柔軟性を有する可撓管部77とが連設している。
【0020】
前記先端部75の側部には照明光を照射するための照明窓が一端面となるレンズ取り付け孔部78、光学像を撮像するための観察窓79及び収納室80が設けられている。この収納室80には後述する光学装置であるイメージカテーテル2が挿通するガイドカテーテル40の先端部分の突出方向を所望の位置に向ける処置具起上台81が設けてある。
【0021】
前記操作部73の側面には、湾曲部6の湾曲方向を手元操作によって変化させる湾曲操作ノブ82a及び82bが重設される。観察窓79から入射され図示しないCCD、CMOSなどの撮像手段でとらえた光学像は、ユニバーサルケーブル4aの基端と電気的に接続される、図示しないビデオプロセッサを介して図示しないモニタによって画像表示される。また、操作部73には、処置具起上台81が回動されて処置具の突出方向を変化させる誘導子起上レバー84、送水機能を制御する送水ボタン、吸引機能を制御する吸引ボタン、収納室80に一端部が連通する処置具挿通用チャンネル(以下、内視鏡チャンネルという)の入口側となる操作部側チャンネル開口部87などが設けられている。つまり、前記収納室80は処置具挿通チャンネルの出口を兼ねている。さらに、この操作部73には図示しない光源装置の光量調整などを遠隔的に行う各種スイッチ83が設けられている。
【0022】
撮影装置であるイメージカテーテル2は、光学系を備えた先端面11と、導入部である細長なスコープ挿入部12と、スコープ挿入部12の基端に連接され、図示しないビデオプロセッサに接続される電気コードが延設する操作部13と、を有し、上記先端面11から入射される撮影光が図示しない観察光伝送部材によって伝送され、この伝送された撮影光をとらえる撮影部を構成するCCD、CMOSなどの図示しない撮像素子ユニットが内部に設けられている。尚、イメージカテーテル2は、上記撮像手段を有さない、接眼部により視認可能な観察光伝送部材を構成するファイバースコープ型でも適用可能である。
【0023】
ガイド用細長医療部材であるガイドカテーテル40は、側視型内視鏡70の操作部73にある操作部側チャンネル開口部87から挿入部72内に挿入され、その先端部分が先端部75から導出される。このガイドカテーテル40は、可撓性を有する生体適合性のある合成樹脂、ゴムなどから形成された細長なチューブ体である。この側視型内視鏡70の挿入部72に挿入されるガイドカテーテル40内には、更に、イメージカテーテル2、又は各種処置具が挿通自在となっている。
【0024】
図2に示すように、ガイドカテーテル40は、先端部分に所定の長さを有する細径の先端領域であるガイド部41と、このガイド部41が先端面の周部から延出する基端領域であるガイドカテーテル挿入部42と、このガイドカテーテル挿入部42の基端に連設されるスコープ/処置具挿通部43と、を有している。
【0025】
スコープ/処置具挿通部43は、略筒形状をしており、イメージカテーテル2、又は各種処置具をガイドカテーテル挿入部42内へ挿入するための開口部を基端面に有し、送液のためにシリンジなどが接続される流体供給部43aが側周面から延出している。
【0026】
また、ガイドカテーテル40は、図3、及び図4に示すように、ガイド部41の先端面に形成される開口部45aからスコープ/処置具挿通部43の流体供給部43aまで配設された第2のルーメンを構成する流体供給チャンネル45と、ガイドカテーテル挿入部42の先端面に形成される開口部44aからスコープ/処置具挿通部43まで配設されたスコープ/処置具チャンネル44と、を有している例えば、6mm程度以下の外径を有するダブルルーメンチューブである。すなわち、ガイドカテーテル挿入部42に配設される第1のルーメンを構成するスコープ/処置具チャンネル44は、先端面が延出するガイド部41の根元部となる近位端となり、この近位端の開口部44aで開口すると共に、基端となるガイド部41の遠位端で開口している。
【0027】
従って、ガイドカテーテル40には、作業用医療部材でもあるイメージカテーテル2、又は、作業用医療部材を構成する各種処置具がスコープ/処置具挿通部43からスコープ/処置具チャンネル44内へ挿入される。そして、イメージカテーテル2、又は各種処置具は、ガイドカテーテル挿入部42の先端面にある開口部44aから導出される。
【0028】
尚、本実施の形態のイメージカテーテル2は、その外径寸法が、例えば2mm程度以下となっている。そのため、スコープ/処置具チャンネル44は、このイメージカテーテル2が挿通可能なチャンネル径が設定されている。また、各種処置具の外径寸法は、10Fr程度である。そのため、スコープ/処置具チャンネル44は、各種処置具が挿通可能なチャンネル径が設定されている。
【0029】
また、本実施の形態において、後述するように、ガイドカテーテル40のガイド部41は、十二指腸50の乳頭部51を通過できる外径が設定されている。
【0030】
図1に示したように、側視型内視鏡70、ガイドカテーテル40、イメージカテーテル2、及び各種処置具のうち、側視内視鏡70と、ガイドカテーテル40、又はイメージカテーテル2の少なくとも2つの構成によって、本実施の形態の細長医療装置である内視鏡システム100が構成されている。
【0031】
以上のように、構成された本実施の形態の側視型内視鏡70、ガイドカテーテル40、及びイメージカテーテル2からなる内視鏡システム100を使用して、十二指腸の乳頭部が入り口となる胆道/膵管領域での内視鏡的逆行性胆膵管造影法により、例えば、胆管52内の胆石を排出する内視鏡的乳頭括約筋切開術の一例について、第1の実施の形態に係る、図1、図6から図13を主に用いて説明する。また、以下に、図5のフローチャートに示す、各ステップ(S)の流れ例に従って、胆管52内の胆石を摘出する手術の一例を説明する。
【0032】
先ず、術者は、スコープ/処置具挿通部43からガイドカテーテル40のスコープ/処置具チャンネル44にイメージカテーテル2のスコープ挿入部12を予め挿入しておく(S1)。次に、術者は、このイメージカテーテル2が挿入されたガイドカテーテル40を側視型内視鏡70の操作部側チャンネル開口部87から内視鏡チャンネルに挿入する(S2)。
【0033】
そして、術者は、側視型内視鏡70がとらえた内視鏡画像により体腔内を視認しながら、側視型内視鏡70の挿入部72の先端部75を十二指腸50へ挿入する(S3)。このとき、術者は、体腔の屈曲状態に合わせて、適宜、湾曲部6を湾曲操作したり、挿入部72を捻り操作したりする。また、術者は、乳頭部51近傍まで挿入部72の先端部75を挿入したら、側視型内視鏡70の内視鏡画像によって乳頭部51の位置を特定する。
【0034】
次に、図6に示すように、イメージカテーテル2の先端部分を乳頭部51から胆道/膵管領域である胆管52内へ挿入する(S4)。このとき、術者は、側視型内視鏡70の内視鏡画像、及びイメージカテーテル2の画像により、容易に乳頭部51へイメージカテーテル2を挿入することができる。
【0035】
次に、術者は、イメージカテーテル2の画像を視認しながら、イメージカテーテル2を胆管52へ選択的に挿入する(S5)。すなわち、術者は、ここでは胆管52内の胆石54を摘出する手術であるため、胆管52を選択したが、膵管53を検査、治療などする場合には、イメージカテーテル2の画像を視認することで、膵管53へもイメージカテーテル2を容易に挿入することができる。すなわち、術者は、イメージカテーテル2の画像により、乳頭部51よりも深部にある胆管52と膵管53とを容易に区別でき、視認しながらイメージカテーテル2を胆管52、又は膵管53へ挿入することができる。
【0036】
次に、術者は、イメージカテーテル2に沿わせながら、ガイドカテーテル40のガイド部41を胆管52へ挿入する(S6)。このとき、術者は、イメージカテーテル2の先端面11をガイドカテーテル挿入部42の先端面の開口部44aから若干に突出させることで、側視型内視鏡70の内視鏡画像により乳頭部51を視認しながら、ガイド部41を胆管52へ挿入することができる。また、術者は、イメージカテーテル2の先端面を乳頭部51の近傍に位置することで、先端部5にあるLED23による照明光の照射による透過光により、乳頭部51よりも深部にある胆管52と膵管53とを容易に区別でき、視認しながらガイド部41を胆管52へ挿入することができる。
【0037】
次に、術者は、図7に示すように、胆管52内へ造影剤55を注入する(S7)。このとき、術者は、シリンジなどを使用して、ガイドカテーテル40のスコープ/処置具挿通部43にある流体供給部43aから造影剤55を流体供給チャンネル45へ注入する。この造影剤55は、流体供給チャンネル45を介して、ガイド部41の開口部45aから胆管52内へ送液される。こうして、術者は、造影剤55が注入された胆管52をX線により撮影することができる。
【0038】
また、術者は、図7に示すように、イメージカテーテル2をガイド部41に沿ってさらに、深部へと容易に胆管52内へと挿入することができるため、造影剤55の注入状態、及び胆管52の管壁の異常部位、胆石54などの位置、大きさを視認することができる。
【0039】
次に、術者は、イメージカテーテル2をガイドカテーテル40から抜去する(S8)。そして、術者は、処置具の1つであるパピロトミーナイフ61をガイドカテーテル40のスコープ/処置具挿通部43からスコープ/処置具チャンネル44内に挿入する(S9)。このとき、術者は、X線画像を観察しながら、図8に示すように、ガイドカテーテル挿入部42の先端面の開口部44aから突出する作業用医療部材であるパピロトミーナイフ61の処置部となる先端部分をガイド部41に沿って容易に乳頭部51から胆管52内へ挿入することができる。
【0040】
そして、術者は、乳頭部51を切開する(S10)。詳述すると、術者は、図9に示すように、ワイヤカッタ62を引っ張ることで、パピロトミーナイフ61の先端部分を弓状にし、ワイヤカッタ62へ高周波を通電して、乳頭部51を切開する。これにより、開口の小さな乳頭部51から胆管52内へ各種処置具が挿入し易くなる。
【0041】
次に、術者は、パピロトミーナイフ61をガイドカテーテル40から抜去する(S11)。尚、術者は、図10に示すように、乳頭部51を切開したことにより、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端部分を胆管52内へ容易に挿入することができる。
【0042】
次に、術者は、処置具の1つである作業用医療部材を構成するバスケット把持鉗子63をガイドカテーテル40のスコープ/処置具挿通部43からスコープ/処置具チャンネル44内に挿入する(S12)。そして、術者は、X線画像を観察しながら、図11に示すように、バスケット把持鉗子63の処置部であるバスケットワイヤ64をガイドカテーテル挿入部42の開口部44aから突出させる。
【0043】
次に、術者は、バスケット把持鉗子63によって、胆石54を採取する(S13)。このとき、術者は、バスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64を胆石54に近づけると共に、回転操作して、図12に示すように、胆石54をバスケットワイヤ64内へ収容して把持する。次に、術者は、バスケット把持鉗子63と共に、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42を胆管52から乳頭部51を介して、図13に示すように、十二指腸50内へ引っ張ることで、バスケットワイヤ64に把持されている胆石54を胆管52から取り出す。尚、乳頭部51が上述したように切開されているため、胆石54は、容易に乳頭部51を通過することができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態の内視鏡システム18は、ガイドカテーテル40のガイド部41を乳頭部51から胆道/膵管領域である胆管52内、又は膵管53内へ容易、且つ確実に挿入することができ、このガイド部41に沿わせて、イメージカテーテル2、各種処置具などを胆管52内、又は膵管53内への挿入性を向上させることができる構成となっている。
【0045】
尚、図14に示すように、術者は、膵管53内にガイドカテーテル40のガイド部41を挿入する。そして、術者は、さらに、図15に示すようにガイドカテーテル挿入部42の先端にある開口部44aを乳頭部51に位置するように、ガイドカテーテル40を前進させることにより、膵管53内に導入されたガイド部41が、所謂、アンカの役目を構成し、ガイドカテーテル40を安定させた状態とすることができる。この状態で、術者は、ガイドカテーテル40の開口部44aから処置具、例えば、紙面上ではイメージカテーテル2のスコープ挿入部12を胆管52内に容易に導入することができる。
【0046】
また、上述したような乳頭部51の切開に使用する処置具は、パピロトミーナイフ61に限定することなく、図16に示すように、例えば、高周波により生体組織を切開するナイフ部65aを供えた針状ナイフ65のような処置具でも良い。このような処置具を用いる場合にも、胆管52内に注入した造影剤55をX線により撮影した映像、又は内視鏡1による撮影映像により被処置部である乳頭部51を切開処置しても良い。
【0047】
さらに、図17に示すように、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端部分を、ここでは、胆管52内に挿入した状態で、ガイド部41の先端にある流体供給チャンネル45の開口部45aから造影剤55を胆管52内に注入すると共に、ガイドカテーテル挿入部42の先端にある開口部44aから処置具チャンネル44を介して、胆管52内の体内液体である胆汁67を吸引するようにしても良い。これにより、造影剤55を胆管52内に満遍なく充填することができる。
【0048】
尚、図17の説明では、造影剤55を胆管52内に確実に充填させるための説明をしたが、流体供給チャンネル45の開口部45aから送液を行い、この液体を開口部44aから処置具チャンネル44を介して吸引することで、胆管52内の洗滌も行うことができる。
【0049】
また、ガイドカテーテル40が胆管52内に挿入され、図18に示すように、処置具、ここではバスケット把持鉗子63による処置のときに、流体供給チャンネル45にイメージカテーテル2を挿入して、ガイド部41の先端にある開口部45aからスコープ挿入部12の先端面11を延出させることにより胆管52内の処置状態をイメージカテーテル2により撮影しても良い。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、内視鏡1と併用されるガイドカテーテルを含む内視鏡システムについて説明する。
【0051】
図19から図30は、本発明の第2の実施の形態を示し、図19は内視鏡の全体構成を示す図、図20は図19の内視鏡の先端面を示す平面図、図21は図20に示す状態の内視鏡の先端部の断面図、図22はイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図、図23は図22に示す状態の内視鏡の先端面を示す平面図、図24は内視鏡が体腔内に挿入されている状態を示す図、図25は内視鏡が十二指腸乳頭部近傍に到達した状態を示す図、図26は第1の変形例に係る内視鏡の先端部の断面図、図27は第1の変形例に係るイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図、図28は第2の変形例に係る内視鏡の先端部の断面図、図29は第2の変形例に係るイメージカテーテル2の視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図、図30はガイドカテーテルを含む内視鏡システムの全体構成を示す図である。
【0052】
尚、本実施の形態の説明において、上述の第1の実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0053】
図19に示すように、本実施の形態の細長医療部材である内視鏡1は、光学装置であるイメージカテーテル2と、体腔内へ挿入される細長な挿入部3と、各種機能を操作するための操作部4と、を有している。
【0054】
挿入部3は、先端から順に、先端部5と、湾曲部6と、可撓管部7と、を有している。湾曲部6は、操作部4の後述する湾曲操作ノブ8によって、湾曲操作自在である。可撓管部7は、軟性のチューブ体である。
【0055】
操作部4は、この可撓管部7の基端に連結され、図示しない電源供給を兼ねる制御装置に接続されるユニバーサルケーブル4aが基端部分より延出している。本実施の形態において、この操作部4は、その一側面に、湾曲部6を湾曲操作する2つの湾曲操作ノブ8と、挿入部3内に挿通するチャンネルの一開口となる操作部側チャンネル開口部9と、基端部に直側可変レバー10と、を有している。
【0056】
イメージカテーテル2は、操作部4の操作部側チャンネル開口部9から挿入部3内のチャンネルに挿入され、その先端面11が先端部5に配置される。また、先端部5には、イメージカテーテル2の先端面11に液体、又は気体の流体を吹き付けるA/W(エアー/ウォータ)ノズル5aが設けられている。
【0057】
図20、及び図21に示すように、先端部5は、その略中央に外周部分の一部が切り欠きされるように、先端面から基端方向に向かった溝部5cが形成されている円環状の部材である。この先端部5の溝部5cには、可変機構を構成する断面形状が略台形状の起上部20が設けられている。
【0058】
先端部5には、溝部5cの基端に外周面が位置決めされた略円柱状のストッパ16が架設されている。また、先端部5には、溝部5cの基端に位置決めされる先端面を有する内視鏡チャンネル17が配設されている。この内視鏡チャンネル17は、軟性のチューブから構成されており、その基端部が操作部4の操作部側チャンネル開口部9に連結されている。すなわち、操作部側チャンネル開口部9から導入されたイメージカテーテル2は、内視鏡チャンネル17内に挿通される。
【0059】
先端部5に設けられる起上部20は、図21の紙面に向かって見た上下方向において、後述の側直可変面20aと反対側のここでは下端部分にピン25が貫挿しており、先端部5に対して、ピン25の軸回りに回動自在に配設されている。また、ピン25は、先端部5の溝部5cの壁面に設けられる回動支持部5bに両端部が固定されている。
【0060】
起上部20は、その一面となる側直可変面20aと、略中央を貫通する例えば、2から3mm程度の孔径が設定されたスコープ配置孔21と、を有している。側直可変面20aには、その略中央にスコープ配置孔21の開口部21aと、この開口部21aの周囲に本実施の形態において、照明窓となる4つの光学部材22と、が設けられている。尚、スコープ配置孔21には、内視鏡チャンネル17に挿通するイメージカテーテル2の先端部分が貫挿配置される。
【0061】
また、起上部20は、上述した4つの光学部材22の背面側の近傍内部に照明光を発光するLED23が配設されている。これらLED23は、電気ケーブル24に収容されているケーブル24aと夫々電気的に接続されている。この電気ケーブル24には、挿入部3、操作部4、及びユニバーサルケーブル4aを介して、上述の制御装置からLED23を発光させる電力供給が行われている。尚、本実施の形態においては、照明光を照射するLED23を用いているが、ライトガイドなどの光学照明部材にしても良い。
【0062】
また、起上部20は、図21の紙面に向かって見た上下方向において、側直可変面20a近傍から基端に向った、ここでは上部側に長孔26が形成されている。この長孔26には、スライドピン27がスライド自在に挿通している。このスライドピン27には、操作ワイヤ15の一端部が連結されている。
【0063】
尚、操作ワイヤ15の他端部は、操作部4に設けられる直側可変レバー10の回動操作により連動する図示しないプーリに連結されている。これにより、操作ワイヤ15は、直側可変レバー10が回動操作されると、プーリの回動に伴って、牽引、又は弛緩される。また、起上部20には、スコープ配置孔21の基端上部が所定の曲率に湾曲した湾曲面28が形成されている。
【0064】
以上のように構成された先端部5の起上部20は、図22、及び図23に示すように、操作部4の直側可変レバー10が所定に回動操作されると、操作ワイヤ15が牽引され、ピン25の軸回りに回動操作される。
【0065】
詳述すると、起上部20は、牽引された操作ワイヤ15によって、図21の紙面に向かって見た上部側の端部分が基端方向へ引っ張られて、ピン25の軸回り左方向に回動する。このとき、操作ワイヤ15の先端が連結するスライドピン27が長孔26の一端から他端へスライドする。
【0066】
起上部20は、操作ワイヤ15が連結されている側の面がストッパ16に当接することで、その回動が規制されている。つまり、起上部20の側直可変面20aは、その臨む方向が図21での先端部5の先端方向から図22の側面方向(図22の紙面に向かって見た上方)の略90度に変更される。
【0067】
この状態において、イメージカテーテル2は、先端部分が起上部20のスコープ配置孔21に配置されたままの状態で、起上部20が略90度に回動するため、その視野方向となる先端面11の臨む方向が略90度に変更される。
【0068】
すなわち、図21に示す状態では、イメージカテーテル2の先端面11の臨む方向(視野方向)が挿入部3の長手方向の軸と同じ方向となる。その一方、図22に示す状態では、起上部20の側直可変面20aが略90度変更するように、回動操作されるため、イメージカテーテル2の先端面11の臨む方向(視野方向)が挿入部3の長手方向の軸に略直交する方向となる。
【0069】
これにより、イメージカテーテル2の視野方向は、上述した起上部20などの各構成要素による可変(切替)機構部により、挿入部3の先端部5の先端面が臨む方向と同一方向となる直視状態の方向と、挿入部3の先端部5の先端面が臨む方向に対して、略直交する方向となる側視状態の方向と、に変更可能となる。
【0070】
また、起上部20に設けられる照明用のLED23の照射方向は、側直可変面20aの臨む方向の変更に合わせて、上述の直視状態での方向と、側視状態の方向と、に変更される。
【0071】
以上のように構成された、本実施の形態の内視鏡1は、図24に示すように、挿入部3が十二指腸50まで挿入されるとき、イメージカテーテル2の先端面11の臨む方向である視野方向を挿入部3の進行方向と同じ方向となる上述の直視状態(図中のV1方向)のままで挿入される。この状態では、術者は、挿入部3の挿入方向をイメージカテーテル2の画像により視認することができるため、屈曲する体腔に合わせて、内視鏡1の挿入部3を捻り操作などして、十二指腸50へ容易に挿入可能となる。
【0072】
そして、内視鏡1は、図25に示すように、胆管52、及び膵管53の出入口である十二指腸乳頭部(以下、単に乳頭部と記載する)51の近傍に達すると、上述のようにイメージカテーテル2の先端面11の臨む方向である視野方向を直視状態から略90度変更した上述した側視状態(図中のV2方向)にされる。この状態では、術者は十二指腸50の体腔壁をイメージカテーテル2の画像により視認することができるため、十二指腸50の体腔壁にある乳頭部51を容易に発見することができる。また、術者は、内視鏡1の視野方向を側視状態にすることで、体腔壁の異常部位などの位置、及び大きさを容易に特定することができる。
【0073】
以上の結果、本実施の形態の内視鏡1は、その視野方向が挿入部3を体腔壁にある目的部位(上述では乳頭部51)まで体腔内に挿入するときの直視状態と、目的部位の発見、並びに、位置、及び大きさの特定のために側視状態と、に容易に変更できる構成となっている。
【0074】
尚、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更する可変(切替)機構部を備えた先端部5の構造は、以下に説明するような構成にしても良い。
【0075】
図26、及び図27に示すように、変形例となる内視鏡1の先端部5は、内視鏡チャンネル17から延出したイメージカテーテル2のスコープ挿入部12などが挿通する挿通孔30が配設されている。
【0076】
この挿通孔30は、先端部5の先端側と一側面側とに分岐している。この挿通孔30は、分岐した先端部5の先端面で開口している一方が直視用孔31となり、先端部5の一側面で開口している他方が側視用孔32となっている。
【0077】
先端部5には、先端面と一側面の各孔31,32の夫々の開口部近傍に複数の光学部材22と、これら光学部材22の背面側に夫々、照明用のLED23a,23bが配設されている。
【0078】
また、先端部5は、側視用孔32が分岐して延出する部分と反対側の挿通孔30の内面に略板状の可変機構を構成するゲート35を収容する凹部34が形成されている。このゲート35は、基端側の一端部がピン35aによって回動保持され、先端側の他端部が上述の操作ワイヤ15の先端に連結されている。この操作ワイヤ15は、先端部5に形成された挿通孔33に挿通しており、上述したように、操作部4の直側可変レバー10の回動操作により牽引弛緩される。
【0079】
挿通孔33は、先端部分が挿通孔30側へ屈曲した形状をしており、直視用孔31と側視用孔32とが分岐する部分で開口している。また、挿通孔33の屈曲部分には、操作ワイヤ15の牽引弛緩により、接触面の摩擦を低減する棒部材33aが配設されている。
【0080】
また、ゲート35は、操作部4の直側可変レバー10の回動操作により牽引された操作ワイヤ15によりその先端部分が引っ張られ、起上する方向にピン35aの軸回りに回動する。
【0081】
図26に示すように、ゲート35が凹部34に収容された状態において、先端部5には、直視用孔31にイメージカテーテル2のスコープ挿入部12が略直線状のまま挿入される。このとき、イメージカテーテル2は、その先端面の臨む方向が先端部5の先端面の臨む方向と同じ方向で直視用孔31に配置される。従って、イメージカテーテル2の視野方向は、内視鏡1の挿入部3の長手軸方向の直視状態となる。
【0082】
その一方、図27に示すように、操作部4の直側可変レバー10の回動操作により、ゲート35が起上された状態では、先端部5には、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分がゲート35に沿って湾曲した状態で側視用孔32に挿入される。このとき、イメージカテーテル2は、その先端面の臨む方向が先端部5の一側面の臨む方向、長手軸に略直交する方向と同じ方向となるように、側視用孔32に配置される。従って、イメージカテーテル2の視野方向は、内視鏡1の挿入部3の長手軸方向に略直交する方向の側視状態となる。
【0083】
尚、直視状態のときには、先端部5の先端面に配設された各光学部材22に夫々対応したLED23aに電力が供給される。また、側視状態のときには、先端部5の一側面に配設された各光学部材22に夫々対応したLED23bに電力が供給される。この各LED23a,23bへの電力供給は、操作部4の直側可変レバー10の回動操作に伴って、連動するように外部の制御装置により自動的に切り替えられる。
【0084】
また、術者は、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更したい場合に、イメージカテーテル2を所定の長さだけ手元側へ引っ張って、操作部4の直側可変レバー10の所定の回動操作により行う。直側可変レバー10の操作により、ゲート35が起上、又は凹部34内へ収容される。
【0085】
そして、術者は、直側可変レバー10の操作後に、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分をゲート35が凹部34内に収容されているときに、直視用孔31へ、ゲート35が起上しているときに、側視用孔32へ挿入することができる。これにより、術者は、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更することができる。
【0086】
また、先端部5をイメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更する可変機構を備えた先端部5の構造は、ゲート35に変えて、図28、及び図29に示す突起部36にしても良い。
【0087】
詳述すると、図28、及び図29に示すように、本変形例の先端部5には、側視用孔32が分岐して延出する部分と反対側の挿通孔30の内面に可変機構を構成する突起部36を収容する凹部38が形成されている。突起部36は、傾斜面が形成された断面形状が略三角形状をしており、その側視用孔32側と反対側となる方向の下面にバネ36aが固着されている。すなわち、バネ36aは、突起部36を側視用孔32側へ付勢している。
【0088】
また、先端部5には、凹部38側の側部側に操作ワイヤ15が挿通する挿通孔39が形成され、この挿通孔39が側面で開口している凹部39aを有している。この凹部39aは、凹部38の基端側の挿通孔30の内面に形成されている。
【0089】
操作ワイヤ15は、その先端部分がスライド板37に連結されている。このスライド板37は、その断面形状が略L字状をしている板部材であり、折れ曲がった部分の先端部5の基端側となる後方の面にバネ37aが固着されている。スライド板37は、このバネ37aと共に、折れ曲がった部分が凹部39aに収容されている。また、バネ37aは、スライド板37を先端部5の先端側となる前方へ付勢している。
【0090】
また、スライド板37は、図28に示すように。操作ワイヤ15が牽引されていない状態で、バネ37aの付勢力を受けて、その板面で凹部38の開口部を塞いでいる。このとき、突起部36は、側視用孔32側の突起端がスライド板37に当接して、凹部38内に収容されている。
【0091】
この状態において、先端部5には、直視用孔31にイメージカテーテル2のスコープ挿入部12が略直線状のまま挿入される。このとき、イメージカテーテル2は、その先端面の臨む方向が先端部5の先端面の臨む方向と同じ方向で直視用孔31に配置される。従って、イメージカテーテル2の視野方向は、内視鏡1の挿入部3の長手軸方向の直視状態となる。
【0092】
その一方、図29に示すように、操作ワイヤ15が操作部4の直側可変レバー10の回動操作により牽引されると、スライド板37が後方へ引っ張られ、凹部38が開口する。このとき、突起部36は、バネ36aの付勢力を受けて、凹部38から側視用孔32側の挿通孔30内へ突出する。
【0093】
この状態において、先端部5には、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分が突起部36の傾斜面に沿って湾曲した状態で側視用孔32に挿入される。このとき、イメージカテーテル2は、その先端面の臨む方向が先端部5の一側面の臨む方向、長手軸に略直交する方向と同じ方向となるように、側視用孔32に配置される。従って、イメージカテーテル2の視野方向は、内視鏡1の挿入部3の長手軸方向に略直交する方向の側視状態となる。
【0094】
また、術者は、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更したい場合に、イメージカテーテル2を所定の長さだけ手元側へ引っ張って、操作部4の直側可変レバー10の所定の回動操作により行う。尚、挿通孔30内へ突出している突起部36は、スライド板37が前方へ移動すると、スライド板37の先端部分が突起部36の傾斜面に当接し、凹部38内へ押し込まれる。その後、スライド板37が凹部38の開口部を塞ぐことで、突起部36は、凹部38内へ収容される。
【0095】
従って、術者は、直側可変レバー10の操作後に、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分を突起部36が凹部38に収容されているときに、直視用孔31へ、突起部36が挿通孔30に突出しているときに、側視用孔32に挿入することができる。これにより、術者は、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更することができる。
【0096】
尚、突起部36の突出、及び凹部38への収容を例えば、電磁ソレノイドを使用して行うようにしても良い。
【0097】
以上に述べた、各変形例の先端部5の構造とすることで、上述した、本実施の形態と同じ効果を奏する。
【0098】
また、上述した視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更する可変機構を備えた先端部5の構造を備えた内視鏡1は、図30に示すように、第1の実施の形態に記載したイメージカテーテル2が挿入されたガイドカテーテル40を内視鏡チャンネル17に挿通して、上述の内視鏡的逆行性胆膵管造影法の手術にも使用することもできる。
【0099】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0100】
図31から図34は、本発明の第3の実施の形態を示し、図31はガイドカテーテル40の先端部分の構成を示す図、図32はガイドカテーテル40の先端部分の断面図、図33は保持部で先端部分を保持された湾曲部を備えたイメージカテーテルが挿通された状態のガイドカテーテル40の先端部分の側面図、図34は図33からイメージカテーテルが湾曲した状態を示すイメージカテーテルが挿通された状態のガイドカテーテル40の先端部分の側面図である。尚、本実施の形態の説明において、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0101】
図31、及び図32に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイド部41の延出側となる先端部分にモノレール構造をした弾性変形可能な保持部46を有している。この保持部46は、イメージカテーテル2、又は各種処置具の先端部分が挿脱できる孔部46aを有している。
【0102】
この保持部46は、ガイドカテーテル挿入部42内に配設されるスコープ/処置具チャンネル44の孔軸側となるように、ガイド部41の側面部から突出する方向に設けられている。また、保持部46の孔部46aは、ガイド部41が略直線状態のときに、スコープ/処置具チャンネル44の孔軸と略平行な孔軸を有している。
【0103】
このように、ガイド部41に保持部46を設けることで、ガイドカテーテル40は、図32に示すように、ここでは、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12が保持部46の孔部46aへ挿入されることによって保持することができる。
【0104】
また、イメージカテーテル2、又は各種処置具は、術者の手元側である基端側へ引っ張られると、保持部46の孔部46aからスコープ挿入部12、又はシースが容易に抜去される。これにより、術者は、イメージカテーテル2、又は各種処置具をガイドカテーテル40に対する挿抜が行えると共に、各種処置具を機能させることもできる。
【0105】
以上説明したように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、そのスコープ/処置具チャンネル44へ挿入されたイメージカテーテル2、又は各種処置具の先端部分を保持部46で確実に保持した状態とできる。そのため、術者は、ガイドカテーテル40と共に、イメージカテーテル2、又は各種処置具がずれることなく同時に内視鏡1の操作部側チャンネル開口部9から内視鏡チャンネル17へ容易に挿入することができる。また、術者は、ガイド部41の保持部にイメージカテーテル2、又は各種処置具を保持させることで、乳頭部51から胆管52、又は膵管53へイメージカテーテル2、又は各種処置具を容易に挿入することもできる。
【0106】
尚、イメージカテーテル2が能動的に湾曲する機能を先端部分に備えていた場合に、図33に示すように、イメージカテーテル2の先端部分がガイド部41の保持部46に挿通保持された状態であれば、本実施の形態のガイドカテーテル40は、図34に示すように、イメージカテーテル2の湾曲部12aによる湾曲動に追従して、ガイド部41も湾曲する構成となる。これにより、術者は、ガイドカテーテル40のガイド部41もイメージカテーテル2の湾曲部12aを湾曲させることで、ガイドカテーテル40を所望の導入方向へ自由に変更することができる。
【0107】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0108】
図35から図38は、本発明の第4の実施の形態を示し、図35はガイドカテーテル40の先端部分の構成を示す図、図36はガイドカテーテル40の先端部分の断面図、図37は変形例であるガイドカテーテル40の先端部分の断面図、図38は図37のガイドカテーテル40の作用を説明するための図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0109】
図35、及び図36に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイドカテーテル挿入部42の先端部分の周面部に穿設された複数、ここでは2つの孔部47a,47b(第1の孔部を構成している)を有している。これら孔部47a,47bは、ガイドカテーテル挿入部42に配設されるスコープ/処置具チャンネル44とガイドカテーテル40の外部とを連通させる。
【0110】
尚、これら孔部47a,47bは、2つに限ることなく、1つでも、2つ以上でも良く、胆管52には、通常において挿入されないガイドカテーテル挿入部42の先端部分に配置されていることが好ましい。
【0111】
ところで、例えば、スコープ/処置具チャンネル44の開口部44aが胆管52内、又は膵管53内まで挿入されている状態で、イメージカテーテル2がガイドカテーテル40に挿入されると、スコープ/処置具チャンネル44内の空気は、イメージカテーテル2によって押し流され、開口部44aから胆管52内、又は膵管53内に排気される。この胆管52内、又は膵管53内の空気は、X線撮影のときに黒い影となるため、術者は、この黒い影が胆石54、又は異常部位であるかの判断が困難となる。
【0112】
以上のように構成された本実施の形態のガイドカテーテル40は、図35に示すように、スコープ/処置具チャンネル44に挿抜される、ここでは、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12によって、基端側からスコープ/処置具チャンネル44に押し流される空気を孔部47a,47bから排気することができる。勿論、各種処置具でも同様に、ガイドカテーテル40は、基端側からスコープ/処置具チャンネル44に押し流される空気を孔部47a,47bから排気することができる。
【0113】
そのため、ガイドカテーテル40は、スコープ/処置具チャンネル44の開口部44aが胆管52内、又は膵管53内まで挿入されている状態で、イメージカテーテル2、又は各種処置具がスコープ/処置具チャンネル44に挿入されても、基端側からスコープ/処置具チャンネル44内に押し流される空気を胆管52内、又は膵管53内へ送り込むのを防止することができる。
【0114】
これにより、術者は、X線撮影のときに、空気が原因となる黒い影が映し出されないため、胆石54、又は異常部位の判断が容易となる。
【0115】
また、このような構成によりガイドカテーテル40は、スコープ/処置具チャンネル44の開口部44aが胆管52内、又は膵管53内まで挿入されている状態で、イメージカテーテル2、又は各種処置具がスコープ/処置具チャンネル44から抜去される際に、胆管52内、又は膵管53内に注入されている造影剤を吸引してしまうことも防止することができる。
【0116】
尚、図37に示すように、ガイドカテーテル40のガイド部41で開口する流体供給チャンネル45に連通する孔部45b(第2の孔部を構成する)をガイドカテーテル挿入部42上に有していても良い。この孔部45bは、ガイド部41の近傍のガイドカテーテル挿入部42上に配設されることが望ましい。また、孔部45は、1つに限ることなく、複数でも良い。
【0117】
このように構成されたガイドカテーテル40では、図38に示すように、例えば、膵管53内にガイド部41を挿入して、膵管53内の膵汁をガイドカテーテル挿入部42上に形成した孔部45bから十二指腸50へ排出することができる。
【0118】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0119】
図39から図43は、本発明の第5の実施の形態に係り、図39はガイドカテーテルの先端部分の斜視図、図40は第1変形例を示す、ガイドカテーテルの先端部分の斜視図、図41は第2変形例を示す、ガイドカテーテルの先端部分の斜視図、図42は図39のガイドカテーテルの使用例を示す図、図43は図39のガイドカテーテルの使用例を示す図である。
【0120】
図39に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイド部41の根元部となる、ガイドカテーテル挿入部42の先端に処置具チャンネル(以下、第1の処置具チャンネルという)44の開口部(以下、第1の開口部という)44aとは別の開口部(以下、第2の開口部という)47aを有し、この開口部47aからガイドカテーテル挿入部42に処置具チャンネル44とは別に並設された処置具チャンネル(以下、第2の処置具チャンネルという)47を有している。
【0121】
尚、ガイドカテーテル40は、第1の開口部44aの位置に対して、第2の開口部47aが、図40に示すように、ガイドカテーテル挿入部42の長軸方向にズレた位置にあっても、図41に示すように、ガイド部41の根元部を挟んだ反対側の位置にあっても良い。
【0122】
このように構成された、本実施の形態の図39に示したガイドカテーテル40を術者は、図42に示すように、針状ナイフ65により、ガイド部41のみが胆管52内に挿入した状態で、十二指腸50の乳頭部を切開する際に、第1の処置具チャンネル44に処置具である、例えば、針状ナイフ65を挿入し、第1の開口部44aからナイフ部65aを延出させると共に、第2の処置具チャンネル47にイメージカテーテル2のスコープ挿入部12を挿入して、第2の開口部47aから先端面11を延出させる。
【0123】
このようなガイドカテーテル40の使用により、術者は、イメージカテーテル2の映像により、切開する乳頭部51に近接した画像を視認しながら手技が行える。さらに、ガイドカテーテル40は、イメージカテーテル2による近接した映像を取得できるため、病変部位の早期発見に役立ち、その状態のままで他の処置具を用いて治療が行える。
【0124】
また、術者は、ガイド部41の先端にある開口部45aから造影剤55を胆管52内に注入することもできる。尚、ガイド部41は、胆管52内に挿入することに限定することなく膵管53内に挿入しても、勿論構わない。
【0125】
また、術者は、本実施の形態のガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端部分を胆管52内に挿入した状態では、ガイド部41の先端にある45a開口部45aからイメージカテーテル2の先端面11を延出させることで、胆石54の色を判別して、この胆石54の種類、例えば、白色であれば比較的硬質なコレステロール、カルシウムなどの結石、又は、茶色であれば比較的軟質なビリルビンなどの結石と判断することができる。
【0126】
そのため、術者は、その胆石54の種類により、使用する処置具を選定することができるうえ、図43に示すように、例えば、第1の処置具チャンネル44を介して、バスケット把持鉗子63を第1の開口部44aから延出させ、バスケットワイヤ64内に胆石54を収容して把持し、処置具である電気水圧衝撃波砕石装置66を第2の処置具チャンネル47を介して開口部47aから延出させ、衝撃波発生部66aをバスケットワイヤ64で把持された胆石54にあてる。このようにして、術者は、胆石54を粉砕させる治療を行うこともできる。尚、電気水圧衝撃波砕石装置66は、圧縮波(衝撃波)によって結石を破砕する処置具である。
【0127】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0128】
図44は、本発明の第6の実施の形態を示し、ガイドカテーテル40の先端部分の構成を示す図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0129】
図44に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイド部41を伸縮自在な長さ可変構造を有している。詳しくは、ガイド部41は、複数、ここでは3つのチューブ体41aから41cと、ガイドカテーテル挿入部42の先端面の周部から延出する略筒状の延出部41dと、を有している。
【0130】
ガイド部41は、縮小状態のときに延出部41dの最内部に位置し、ガイド部41が延伸した状態のときに最先端に位置するチューブ体41aの外径が最も細径に設定され、徐々にチューブ体41a、チューブ体41b、及びチューブ体41cの順に夫々の外径が太径に設定されている。
【0131】
これらチューブ体41aから41cは、ガイド部41が縮小状態のときに、延出部41dに最内部からチューブ体41a、チューブ体41b、及びチューブ体41cの順に収容される。
【0132】
つまり、ガイド部41は、チューブ体41aの外径がチューブ体41bの孔径に略同一であり、チューブ体41bの外径がチューブ体41cの孔径に略同一であり、チューブ体41cの外径が延出部41dの孔径に略同一である。従って、ガイド部41は、各チューブ体41aから41cが前後にスライドすることで、所定の長さの範囲で伸縮自在となっている。
【0133】
また、各チューブ体41aから41c、及び延出部41dには、夫々のスライド範囲を規制し、ガイド部41が最長、又は最短の状態で夫々を係止する図示しないストッパが設けられている。
【0134】
尚、チューブ体41aは、造影剤など注入するため流体供給チャンネル45を有し、延出部41dからガイドカテーテル挿入部42内にスライド自在に配設され、ガイドカテーテル40の基端にある処置具挿通部43の側周部から基端部分が延出している。
【0135】
ガイド部41の伸縮操作は、チューブ体41aの基端部分を牽引弛緩することにより行われる。また、術者は、このチューブ体41aの基端部分にシリンジなどを接続することで、流体供給チャンネル45を介して、開口部45aから、胆管52、又は膵管53へ造影剤などの流体を注入することができる。
【0136】
以上のように構成されたガイドカテーテル40は、被検体によって個人差のある胆管52、又は膵管53の管径、長さ、形状などに合わせて、ガイド部41の長さを可変できるため、イメージカテーテル2、及び各種処置具を乳頭部51から胆管52、又は膵管53への挿入性を向上させることができる。
【0137】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0138】
図45から図48は、本発明の第7の実施の形態を示し、図45は、ガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図、図46はガイドカテーテルの先端部分を示し、このガイドカテーテルに挿入されたパピロトミーナイフの先端部分が弓状にされた状態を示す図、図47は十二指腸乳頭部をパピロトミーナイフにより切開する動作を説明する図、図48は、胆石を取り込んだバスケット把持鉗子が十二指腸へ引き出された状態を示す図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0139】
図45に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイドカテーテル挿入部42の先端部分にスリット48a、及び長孔48bを有している。
【0140】
スリット48aは、ガイド部41が延出する反対側のガイドカテーテル挿入部42の周縁部の先端から、ガイドカテーテル挿入部42の軸に沿って所定の長さで形成されている。また長孔48bは、スリット48aの基端部分に形成されている。
【0141】
上述の第1の実施の形態にて記載したように、ガイドカテーテル40に挿入されたパピロトミーナイフ61は、乳頭部51を切開するために、その先端部分のワイヤカッタ62が引っ張られて弓状にされる。
【0142】
本実施の形態のガイドカテーテル40は、図46に示すように、パピロトミーナイフ61が弓状にされる際、ワイヤカッタ62全体がガイドカテーテル挿入部42の先端から導出していなくとも、スリット48aによりワイヤカッタ62をガイドカテーテル挿入部42からすり抜けさせる。そのため、パピロトミーナイフ61のワイヤカッタ62は、ガイドカテーテル挿入部42が邪魔にならず、容易、且つ確実に緊張することができる。
【0143】
更に詳述すると、術者は、図47に示すように、ガイドカテーテル40のガイド部41を乳頭部51から胆管52内に挿入すると共に、ガイドカテーテル挿入部42の先端を乳頭部51へ挿入した状態でも、ワイヤカッタ62を引っ張ることで、容易にパピロトミーナイフ61が弓状になる。
【0144】
このとき、ワイヤカッタ62の一部分がスリット48aを介してガイドカテーテル挿入部42の先端部分から突出した状態となる。そして、術者は、高周波をワイヤカッタ62に通電することで、乳頭部51の切開を行う。
【0145】
また、術者は、基端側のパピロトミーナイフ61に支持されているワイヤカッタ62の一端部分が、長孔48bに位置することで、パピロトミーナイフ61を長孔48bの形状だけ前後操作、及び軸回りの回動操作が行える。
【0146】
その結果、術者は、ガイドカテーテル挿入部42の先端を乳頭部51へ突きあてた状態で、ガイドカテーテル40を動かさずに、パピロトミーナイフ61が乳頭部51を切開するのに適した位置で安定して操作できる。
【0147】
尚、スリット48a、及び長孔48bを有しているガイドカテーテル40は、上述のパピロトミーナイフ61のみの操作性向上に限ることなく、例えば、図48に示すように、バスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64をガイドカテーテル挿入部42の先端部分から突出した状態にすることもできる。これにより、術者は、ガイドカテーテル挿入部42の先端部分が乳頭部51の近傍にあっても、バスケットワイヤ64を十二指腸50内へ露出し易くなる。
【0148】
つまり、術者は、胆石、又は膵石の採石時において、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端を乳頭部51へ挿入した状態でも、ガイドカテーテル40のスリット48a、及び長孔48bからバスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64を露出させることができる。
【0149】
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。本実施の形態では、内視鏡1の内視鏡チャンネル17、ガイドカテーテル40、イメージカテーテル2、及び各種処置具の断面形状に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0150】
図49から図53は、本発明の第8の実施の形態を示し、図49は内視鏡チャンネル、及びこの内視鏡チャンネルに挿通するガイドカテーテルの断面図、図50はガイドカテーテル、及びこのガイドカテーテルに挿通するイメージカテーテルの断面図、図51は側視型内視鏡の操作部側チャンネル開口部、ガイドカテーテルの先端部分、ガイドカテーテルの処置具挿通部、及び処置具であるイメージカテーテルの先端部分に夫々の長軸回りの挿入方向を規定する指標を示す図、図52はガイドカテーテルのガイド部からガイドカテーテル挿入部の基端まで形成されたレール状の溝部を示す図、図53は図52のガイドカテーテルに処置具が挿通した状態の断面図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0151】
図49に示すように、内視鏡1に配設される本実施の形態の内視鏡チャンネル17は、その横断面が楕円状に形成されている。ガイドカテーテル40は、ガイドカテーテル挿入部42が挿通する内視鏡チャンネル17の楕円状の挿通路と略同じ横断面形状となっている。
【0152】
このような構成にすることで、ガイドカテーテル40は、内視鏡チャンネル17内での長手軸回りの回動が規制され、内視鏡チャンネル17内で安定する。また、ガイドカテーテル40は、内視鏡チャンネル17によって捩れが防止され、操作性が向上する。
【0153】
さらに、図50に示すように、ガイドカテーテル40は、スコープ/処置具チャンネル44の横断面形状が楕円状に形成されていても良い。また、このスコープ/処置具チャンネルに挿通するイメージカテーテル2のスコープ挿入部12は、スコープ/処置具チャンネル44の楕円状の挿通路と略同じ横断面形状となっている。尚、図50では、イメージカテーテル2を図示しているが、各種処置具のシースもスコープ/処置具チャンネル44の楕円状の挿通路と略同じ横断面形状となっている。
【0154】
このような構成にすることで、イメージカテーテル2、及び各種処置具は、スコープ/処置具チャンネル44内で長手軸回りの回動が規制され、安定すると共に、捩れが防止され、イメージカテーテル2ではその視認方向が容易に特定でき、各種処置具ではその操作性が向上する。
【0155】
尚、図51に示すように、側視型内視鏡70の操作部73に配設される操作部側チャンネル開口部87、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端部分、ガイドカテーテル40の処置具挿通部43の基端部分、及びイメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分の夫々に、挿入方向を規定する指標部87a,42d,47,14を設けることで、夫々対応して挿入する長軸回りの挿入方向を規定することができる。
【0156】
さらに、図52に示すように、ガイドカテーテル40は、ガイド部41に沿って、レール状の案内部を構成する溝部56をガイドカテーテル挿入部42の処置具チャンネル44に連通するように、基端まで形成しても良い。これにより、図53に示すように、処置具チャンネル44に挿入される所定の処置具59に上記溝部56の形状と略一致した係合部58を全長、又は先端部分に設けることで、処置具59の挿入方向を規定することができる。また、処置具59は、ガイド部41の延出方向に沿って係合部58が常に係合保持されるため、胆管52、又は膵管53への導入性が向上する。
【0157】
(第9の実施の形態)
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。本実施の形態では、ガイドカテーテル40のガイド部41に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0158】
図54から図58は、本発明の第9の実施の形態を示し、図54はガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図、図55はガイドカテーテルを先端から見た図、図56は第1の変形例となるガイドカテーテルの先端部分の断面図、図57は第2の変形例となるガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図、図58は第2の変形例となるガイドカテーテルが十二指腸乳頭部から胆管内へ挿入された状態を示す図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0159】
図54、及び図55に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイド部41の横断面形状が外周部に沿った湾曲した形状をしている。つまり、ガイド部41は、その横断面形状が略円形状のガイドカテーテル40の中心軸側に凹形状をしており、その凹形状の表面に凹状の所謂へら状の案内部を構成するガイド面49を有している。
【0160】
このような構成により、ガイドカテーテル40は、ガイドカテーテル挿入部42の先端の開口部44aから導出するイメージカテーテル2、又は各種処置具をガイド部41のガイド面49が、所謂レールとなって延出する方向へ直進ガイドする。すなわち、術者は、イメージカテーテル2、又は各種処置具をガイド部41のガイド面49に沿って、乳頭部51から胆管52、又は膵管53に容易に挿入することができる。
【0161】
また、このガイド部41の先端面には、上述した各実施の形態と同様に、流体供給チャンネル45の開口部45aの他に、さらに2つの開口部45b,45cが配設されている。これら開口部45b,45cは、ガイド部41、ガイドカテーテル挿入部42、及び処置具挿通部43まで延設される流体供給部43aとは別の図示しない流体供給路の夫々の開口である。
【0162】
つまり、ガイドカテーテル40は、3つの流体供給路(43a)を備えている。これにより、ガイドカテーテル40は、3つの流体供給路(43a)によって、造影剤の注入の他、例えば、送水、吸引などを選択的に同時に行える。特に、吸引では、胆管52内、又は膵管53内の胆汁などの生体液、又は空気、ガスなどの気体を取り除くことができる。これにより、術者は、造影剤を胆管52内、又は膵管53内へ充分に充填することができ、X線画像による異常部位、胆石などを容易に判断することができる。
【0163】
尚、図56に示すように、ガイドカテーテル挿入部42は、ガイド部41が延出する側と反対側の先端部分にイメージカテーテル2、又は各種処置具をガイド部41側へ押し付けるように突起部42aを有していても良い。これにより、イメージカテーテル2、又は各種処置具がガイドカテーテル挿入部42の開口部44aから導出した後、ガイド部41のガイド面49へ押し付けられる。そのため、術者は、イメージカテーテル2、又は各種処置具をガイド面49に沿うように進退し易くなる。
【0164】
さらに、図57に示すように、ガイド部41は、ガイドカテーテル挿入部42の延出側に向かってガイド面49側へ湾曲した曲がり癖が付けられていても良い。これにより、図58に示すように、イメージカテーテル2、又は各種処置具は、ガイドカテーテル挿入部42の開口部44aから導出後、胆管52内に挿入されている湾曲したガイド部41のガイド面49に沿う。従って、このような構成にしても、イメージカテーテル2、又は各種処置具がガイド面49に沿うように進退し易くなる。
【0165】
(第10の実施の形態)
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上述の各実施の形態のガイドカテーテル40のガイド部41と、各種処置具の関係について説明する。
【0166】
図59、及び図60は、本発明の第10の実施の形態を示し、図59はバスケット把持鉗子が挿入されているガイドカテーテルの先端部分の断面図、図60はバスケット把持鉗子が挿入されたガイドカテーテルのガイド部が胆管内へ挿入された状態を示す図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0167】
図59に示すように、上述の各実施の形態のガイドカテーテル40のガイド部41は、処置具である、ここではバスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64よりも長手軸方向の長さが長い。
【0168】
詳しくは、ガイド部41の長手方向の軸の長さをL1とし、バスケット把持鉗子63の処置部であるバスケットワイヤ64の長手軸方向の長さをL2とする。ガイド部41の長さL2は、バスケットワイヤの長さL2よりも充分に長く(L1>L2)なるように設定されている。
【0169】
つまり、図60に示すように、乳頭部51から例えば、胆管52に挿入されているガイド部41の全部が胆管52から抜き取られていない状態でも、ガイドカテーテル挿入部42から導出されたバスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64は、その全体が十二指腸50内に位置する。
【0170】
これにより、術者は、例えば、バスケットワイヤ64で採取した胆石54を十二指腸50に排出する際、ガイドカテーテル40のガイド部41を胆管52に挿入したまま行うことができる。つまり、術者は、バスケット把持鉗子63の操作を行うために、ガイドカテーテル40のガイド部41を胆管52に対して挿抜する操作を行わなくて良い。尚、本実施の形態では、バスケット把持鉗子63について言及したが、各種処置具、例えば、生検鉗子、高周波スネアなどの処置部の長手軸方向の長さよりもガイド部41の長さL1が充分に長くなるように設定される。
【0171】
従って、特に、術者は、ガイドカテーテル40のガイド部41を一度、乳頭部51から、胆管52、又は膵管53に挿入したら、ガイドカテーテル40に挿抜する複数の処置具による処置を終えるまで、乳頭部51から胆管52、又は膵管53へ再アプローチしなくても良くなる。
【0172】
(第11の実施の形態)
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態に記載したイメージカテーテル2が挿通する内視鏡1の挿通孔30の他にガイドカテーテル40が挿通自在なガイドカテーテル挿通孔部を付加したものである。
【0173】
図61、及び図62は、本発明の第11の実施の形態を示し、図61は内視鏡の先端部の一側面を示した平面図、図62は内視鏡の先端部を示した斜視図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0174】
図61、及び図62に示すように、本実施の形態の内視鏡1は、その先端部5の側視用孔32が開口している一側面に開口部29aを有するガイドカテーテル挿通路29を有している。
【0175】
このガイドカテーテル挿通路29は、その孔径がおよそ6mm程度であり、挿入部3から操作部4まで配設され、図示しないが、操作部4に設けられたガイドカテーテル挿通部で開口している。すなわち、ガイドカテーテル40は、このガイドカテーテル挿通路29に挿入され、先端部5の開口部29aから突出される。
【0176】
このような内視鏡1の構成によれば、術者は、イメージカテーテル2とガイドカテーテル40を別々に内視鏡1の挿入部3へ挿入できるため、ガイドカテーテル40を各種処置具のみの挿入に使用することができる。
【0177】
また、術者は、イメージカテーテル2を側視用孔32側へ挿入することで、ガイドカテーテル40に各種処置具を挿入した状態、及び各種処置の操作をX線による撮影を行わずに視認することもできる。尚、このとき、各光学部材22からの照明光により、乳頭部51周辺の体内組織が透過するため、胆管52、又は膵管53の内部まで視認が可能となる。
【0178】
(第12の実施の形態)
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態に記載した内視鏡1の先端部5の挿通孔30に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0179】
図63から図71は、本発明の第12の実施の形態を示し、図63は内視鏡の先端部の一側面を示した平面図、図64は内視鏡の先端部の先端面を示した平面図、図65は内視鏡の先端部の断面図、図66は、先端部内にある孔部、直視用孔部、又は側視用孔部を示し、スコープ挿通凹部を示す先端部の部分断面図、図67はガイド部に保持部を備えたガイドカテーテル、及びイメージカテーテルを使用した場合の内視鏡の先端部の断面図、図68は図67に対応した構成による内視鏡の先端部が乳頭部近傍まで挿入され、ガイド部の保持部に保持されたイメージカテーテルが若干突出した状態を示す図、図69はイメージカテーテルと共にガイド部が胆管内へ挿入された状態を示す図、図70は、ガイドカテーテルのガイドカテーテル挿入部の先端部分が胆管内に挿入され、イメージカテーテルが保持部から外されて乳頭部を撮影している状態を示す図、図71は変形例を示し、内視鏡の先端部に保持部を設けた構成を説明するための図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0180】
図63から図66に示すように、先端部5に配設される挿通孔30、直視用孔31、及び側視用孔32の夫々の一外周部には、イメージカテーテル2がガイドカテーテル40の外周面に沿って挿通自在なイメージカテーテル挿通溝30a,31a,32aが夫々形成されている。
【0181】
2つのイメージカテーテル挿通溝30a,31aは、側視用孔32が開口している先端部5の一側面側の各挿通孔30,31の外周部の同じ軸に沿って、同じ断面形状で形成されている。またイメージカテーテル挿通溝32aは、先端部5の基端側の側視用孔32の外周部に沿って、各溝30a,31aと同じ断面形状に形成されている。
【0182】
イメージカテーテル挿通溝31aは、先端部5の先端面にある直視用孔31の開口部まで形成されている。一方、イメージカテーテル挿通溝32aは、先端部5の一側面にある側視用孔32の開口部まで形成されている。
【0183】
これらのイメージカテーテル挿通溝30aから32aは、イメージカテーテル2が挿通している状態で、イメージカテーテル2の外周部を保持する程度のクリアランスができるように設定された溝である。
【0184】
尚、先端部5の基端部分から操作部4まで配設される内視鏡チャンネル17にも、各イメージカテーテル挿通溝30aから32aと同じ形状で、イメージカテーテル挿通溝30aと同じ方向にイメージカテーテル2が挿通自在な溝部を設けることが好ましい。
【0185】
従って、本実施の形態の内視鏡1は、イメージカテーテル2をガイドカテーテル40に挿通せずに、ガイドカテーテル40の外周部に沿って挿入部3へ挿通することができ、ガイドカテーテル40の先端部分が向く方向に視野方向を臨ませることができる。このような内視鏡1の構成することで、上述の第11の実施の形態と同じ効果を奏することができる。
【0186】
次に、本実施の形態の側直変更自在な内視鏡1と、第3の実施の形態に記載した、ガイド部41に配設された保持部46を備えたガイドカテーテル40と、イメージカテーテル2を使用する場合について図67から図70を用いて説明する。
【0187】
図67に示すように、ガイド部41に保持部46を有するガイドカテーテル40においては、内視鏡1の挿通孔30にガイドカテーテル40が挿通されると共に、ガイド部41の保持部46に先端部分が保持されたイメージカテーテル2をイメージカテーテル挿通溝30aに同時に挿入することができる。
【0188】
図68に示すように、術者は、ガイドカテーテル40に保持されたイメージカテーテル2によって、十二指腸50の乳頭部51の位置を確認することができ、そして、イメージカテーテル2の映像により乳頭部51へのアプローチを視認しながら、図69に示すように、ここでは胆管52内にガイドカテーテル40のガイド部41を確実に挿入することができる。
【0189】
そして、術者は、イメージカテーテル2のみを手元側へ引っ張ることで、ガイドカテーテル40のガイド部41にある保持部46からイメージカテーテル2の先端部分を抜き取り、乳頭部51を介して、図70に示すように、十二指腸50内にイメージカテーテル2の先端面11を内視鏡1の先端部5から若干突出するように位置させる。これにより、術者は、イメージカテーテル2の映像により、乳頭部51の状態を視認することができる。すなわち、術者は、イメージカテーテル2を内視鏡1の撮像装置として使用することができる。尚、ここでは、内視鏡1を例に挙げたが、勿論、第1の実施の形態に記載した側視型内視鏡70にも同様に使用することができる。
【0190】
また、第3の実施の形態、及び本実施の形態に記載した保持部46の変形例として、図71に示すように、内視鏡1、又は側視型内視鏡70の先端部5,75にガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42を挿通保持する保持部68を設けても良い。このとき、先端部5,75には、ガイドカテーテル40を保持部68が設けられる側から反対側へ保持すると共に、突出させるための貫通孔が形成されているものである。
【0191】
以上の各実施の形態に記載した技術において、
以上の各実施の形態に記載した発明は、夫々の実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0192】
例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0193】
尚、本発明には、以下の付記項に記載する特徴を備えている。
【0194】
(付記項1)
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うため、少なくとも作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、
該第1のルーメンと連通し、上記基端領域の側周部に配設される少なくとも1つの第1の孔部と、
を具備することを特徴とするガイド用細長医療部材。
【0195】
(付記項2)
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うため、少なくとも作業用医療部材を挿通する第1のルーメンと、
を備え、
上記先端領域は、上記基端領域の上記近位端面の縁辺近傍から延設し、該近位端側の上記開口から延出する上記作業用医療部材を延出方向へ案内する案内部を備えていることを特徴とするガイド用細長医療部材。
【0196】
(付記項3)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
上記基端領域には、上記第2のルーメンに連通した、少なくとも1つの第2の孔部が形成されていることを特徴とする付記項1、又は付記項2に記載のガイド用細長医療部材。
【0197】
(付記項4)
上記基端領域には、上記第1のルーメンと連通する第1の孔部を備えていることを特徴とする付記項2に記載のガイド用細長医療部材。
【0198】
(付記項5)
上記基端領域は、上記近位端の上記開口から上記遠位端に向かって所定の長さで形成されたスリットを有していることを特徴とする付記項1から付記項4の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0199】
(付記項6)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設されていることを特徴とする付記項1から付記項5の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0200】
(付記項7)
上記先端領域の先端部分には、上記作業用医療部材を挿通保持する保持部を有することを特徴とする付記項1から付記項6の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0201】
(付記項8)
上記第1のルーメンは、上記作業用医療部材の回転を防止するため、該作業用医療部材の外形形状と係合する略同一形状をしていることを特徴とする付記項1から付記項7の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0202】
(付記項9)
上記基端領域の上記遠位端部分には、該作業用医療部材の作業方向の指示表示に合わせて、上記作業用医療部材を所定の方向に挿入するための指標部を備えていることを特徴とする付記項8に記載のガイド用細長医療部材。
【0203】
(付記項10)
上記先端領域の長さは、上記作業用医療部材の処置部の長さよりも長いことを特徴とする付記項1から付記項9の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0204】
(付記項11)
観察光伝送部材が配設された長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、上記撮影装置の上記導入部を挿通するための第1のルーメンと、
該第1のルーメンと連通し、上記基端領域の側周部に配設される少なくとも1つの第1の孔部と、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備することを特徴とする細長医療装置。
【0205】
(付記項12)
観察光伝送部材が配設された長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うための撮影装置の上記導入部を挿通するための第1のルーメンと、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備し、
上記先端領域は、上記基端領域の上記近位端面の縁辺近傍から延設し、該近位端側の上記開口から延出する上記作業用医療部材を延出方向へ案内する案内部を備えていることを特徴とする細長医療装置。
【0206】
(付記項13)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
上記基端領域には、上記第2のルーメンに連通した、少なくとも1つの第2の孔部が形成されていることを特徴とする付記項11、又は付記項12に記載の細長医療装置。
【0207】
(付記項14)
上記基端領域には、上記第1のルーメンと連通する第1の孔部を備えていることを特徴とする付記項12に記載の細長医療装置。
【0208】
(付記項15)
上記基端領域は、上記近位端の上記開口から上記遠位端に向かって所定の長さで形成されたスリットを有していることを特徴とする付記項11から付記項14の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0209】
(付記項16)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の遠位端側で開口する第2のルーメンが配設されていることを特徴とする付記項11から付記項15の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0210】
(付記項17)
上記先端領域の先端部分には、上記撮影装置の上記導入部を挿通保持する保持部を有することを特徴とする付記項11から付記項16の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0211】
(付記項18)
上記第1のルーメンは、上記撮影装置の上記導入部の回転を防止するため、該導入部の外形形状と係合する略同一形状をしていることを特徴とする付記項11から付記項17の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0212】
(付記項19)
上記基端領域の上記遠位端部分には、上記撮影装置の上記導入部の作業方向の指示表示に合わせて、該導入部を所定の方向に挿入するための指標部を備えていることを特徴とする付記項18に記載の細長医療装置。
【0213】
(付記項20)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替える可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うため、少なくとも作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、
該第1のルーメンと連通し、上記基端領域の側周部に配設される少なくとも1つの第1の孔部と、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備することを特徴とする細長医療装置。
【0214】
(付記項21)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替える可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うため、少なくとも作業用医療部材を挿通する第1のルーメンと、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備し、
上記先端領域は、上記基端領域の上記近位端面の縁辺近傍から延設し、該近位端側の上記開口から延出する上記作業用医療部材を延出方向へ案内する案内部を備えていることを特徴とする細長医療装置。
【0215】
(付記項22)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
上記基端領域には、上記第2のルーメンに連通した、少なくとも1つの第2の孔部が形成されていることを特徴とする付記項21に記載の細長医療装置。
【0216】
(付記項23)
上記基端領域には、上記第1のルーメンと連通する第1の孔部を備えていることを特徴とする付記項21に記載の細長医療装置。
【0217】
(付記項24)
上記基端領域は、上記近位端の上記開口から上記遠位端に向かって所定の長さで形成されたスリットを有していることを特徴とする付記項20から付記項23の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0218】
(付記項25)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設されていることを特徴とする付記項20から付記項24の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0219】
(付記項26)
上記先端領域の先端部分には、上記作業用医療部材を挿通保持する保持部を有することを特徴とする付記項20から付記項25の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0220】
(付記項27)
上記第1のルーメンは、上記作業用医療部材の回転を防止するため、該作業用医療部材の外形形状と係合する略同一形状をしていることを特徴とする付記項20から付記項26の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0221】
(付記項28)
上記基端領域の上記遠位端部分には、該作業用医療部材の作業方向の指示表示に合わせて、上記作業用医療部材を所定の方向に挿入するための指標部を備えていることを特徴とする付記項27に記載の細長医療装置。
【0222】
(付記項29)
上記先端領域の長さは、上記作業用医療部材の処置部の長さよりも長いことを特徴とする付記項20から付記項28の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0223】
(付記項30)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替える可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
観察光伝送部材が配設された長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、上記撮影装置の上記導入部、又は所定の医療行為を行うための作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、
該第1のルーメンと連通し、上記基端領域の側周部に配設される少なくとも1つの第1の孔部と、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備することを特徴とする細長医療装置。
【0224】
(付記項31)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替える可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
観察光伝送部材が配設された長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、上記撮影装置の上記導入部、又は所定の医療行為を行うための作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備し、
上記先端領域は、上記基端領域の上記近位端面の縁辺近傍から延設し、該近位端側の上記開口から延出する上記作業用医療部材を延出方向へ案内する案内部を備えていることを特徴とする細長医療装置。
【0225】
(付記項32)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
上記基端領域には、上記第2のルーメンに連通した、少なくとも1つの第2の孔部が形成されていることを特徴とする付記項21、又は付記項22に記載の細長医療装置。
【0226】
(付記項33)
上記基端領域には、上記第1のルーメンと連通する第1の孔部を備えていることを特徴とする付記項31に記載の細長医療装置。
【0227】
(付記項34)
上記基端領域は、上記近位端の上記開口から上記遠位端に向かって所定の長さで形成されたスリットを有していることを特徴とする付記項30から付記項33の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0228】
(付記項35)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設されていることを特徴とする付記項30から付記項34の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0229】
(付記項36)
上記先端領域の先端部分には、上記撮影装置の上記導入部を(挿通)保持する(略管状の)保持部を有することを特徴とする付記項30から付記項35の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0230】
(付記項37)
上記第1のルーメンは、上記撮影装置の上記導入部の回転を防止するため、該導入部の外形形状と係合する略同一形状をしていることを特徴とする付記項30から付記項36の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0231】
(付記項38)
上記基端領域の上記遠位端部分には、上記撮影装置の上記導入部の作業方向の指示表示に合わせて、該導入部を所定の方向に挿入するための指標部を備えていることを特徴とする付記項37に記載の細長医療装置。
【0232】
(付記項39)
上記細長医療部材の上記チャンネルには、上記撮影装置の上記導入部が上記ガイド用細長医療部材、又は上記作業用医療部材と共に並列して挿通可能とする溝部が形成されていることを特徴とする付記項30から付記項38の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0233】
(付記項40)
上記先端領域の長さは、上記作業用医療部材の処置部の長さよりも長いことを特徴とする付記項30から付記項39の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0234】
(付記項41)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替え自在な可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
観察光伝送部材が配設され、上記細長医療部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
を備えたことを特徴とする細長医療装置。
【0235】
(付記項42)
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、生体の体腔内の胆道/膵臓領域において、所定の医療行為を行うため、少なくとも第1、及び第2の作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、を具備するガイド用細長医療部材を用いた手技方法であって、
上記生体の体腔内に挿入可能な挿入部を有する細長医療部材を介して、上記ガイド用細長医療部材を十二指腸領域の上記胆道/膵臓領域近傍に配置し、
上記ガイド用細長医療部材の先端を前記細長医療部材の上記挿入部から延出させて、上記ガイド用医療部材の上記先端領域を上記十二指腸領域から上記胆道/膵臓領域に挿入する。
【0236】
(付記項43)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1の作業用医療部材は、観察光伝送部材が配設され、上記細長医療用部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置であって、
上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記第1のルーメンに上記導入部を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記導入部の先端部分を上記近位端側の開口に配置し、
上記撮影装置によって上記胆道/膵臓領域を観察しながら、上記導入部の先端部分を上記十二指腸領域から上記胆道/膵臓領域に挿入する。
【0237】
(付記項44)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記第1のルーメンに上記第1、又は第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第1、又は第2の作業用医療部材の先端部分に配設された第1、又は第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1、又は第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0238】
(付記項45)
付記項44のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0239】
(付記項46)
付記項44のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0240】
(付記項47)
付記項44のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0241】
(付記項48)
付記項45のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第1のルーメンから抜き取り、
上記第1のルーメンに上記第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0242】
(付記項49)
付記項48のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0243】
(付記項50)
付記項48のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0244】
(付記項51)
付記項48のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0245】
(付記項52)
付記項48のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
所定の医療行為を行った後、上記第2の作業用医療部材を上記第1のルーメンから抜き取り、
さらに、上記第1のルーメンに挿通され、生体の体腔内の胆道/膵臓領域において、所定の医療行為を行うための第3の処置部を先端に備えた第3の作業用医療部材を用い、
上記近位端側の開口から上記第3の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第3の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第3処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0246】
(付記項53)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記基端領域の開口を有する上記近位端部分を該胆道/膵臓領域内へ挿入する。
【0247】
(付記項54)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1の作業用処置具は、観察光伝送部材が配設され、上記細長医療用部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置であって、
上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記第1のルーメンに上記導入部を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記導入部の先端部分を上記十二指腸領域から上記胆道/膵臓領域に挿入する。
【0248】
(付記項55)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0249】
(付記項56)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0250】
(付記項57)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0251】
(付記項58)
付記項54のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第1のルーメンから抜き取り、
上記第1のルーメンに上記第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0252】
(付記項59)
付記項58のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0253】
(付記項60)
付記項58のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0254】
(付記項61)
付記項58のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0255】
(付記項62)
付記項58のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
所定の医療行為を行った後、上記第2の作業用医療部材を上記第1のルーメンから抜き取り、
さらに、上記第1のルーメンに挿通され、生体の体腔内の胆道/膵臓領域において、所定の医療行為を行うための第3の処置部を先端に備えた第3の作業用医療部材を用い、
上記近位端側の開口から上記第3の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第3の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第3処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0256】
(付記項63)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1のルーメンを介して、上記胆道/膵臓領域内へ造影剤を注入する。
【0257】
(付記項64)
付記項63のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0258】
(付記項65)
付記項63のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0259】
(付記項66)
付記項63のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1の作業用処置具は、観察光伝送部材が配設され、上記細長医療用部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置であって、
上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記第1のルーメンに上記導入部を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記導入部の先端部分を上記十二指腸領域から上記胆道/膵臓領域に挿入する。
【0260】
(付記項67)
付記項66のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第1のルーメンから抜き取り、
上記第1のルーメンに上記第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0261】
(付記項68)
付記項67のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0262】
(付記項69)
付記項67のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0263】
(付記項70)
付記項67のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
所定の医療行為を行った後、上記第2の作業用医療部材を上記第1のルーメンから抜き取り、
さらに、上記第1のルーメンに挿通され、生体の体腔内の胆道/膵臓領域において、所定の医療行為を行うための第3の処置部を先端に備えた第3の作業用医療部材を用い、
上記近位端側の開口から上記第3の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第3の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記第3処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0264】
(付記項71)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
観察光伝送部材が配設され、長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置の該導入部を、上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記第2のルーメンに上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記導入部の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1のルーメンから上記第1の作業用医療部材を上記胆道/膵臓領域内に挿入する。
【0265】
(付記項72)
付記項71のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記第1のルーメンに上記第1、又は第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第1、又は第2の作業用医療部材の先端部分に配設された第1、又は第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1、又は第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0266】
(付記項73)
付記項72のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0267】
(付記項74)
付記項72のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0268】
(付記項75)
付記項72のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0269】
(付記項76)
付記項71のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第2のルーメンから抜き取り、
上記第2のルーメンに上記第1、又は第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第1、又は第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第1、又は第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1、又は第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0270】
(付記項77)
付記項71のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記基端領域の開口を有する上記近位端部分を該胆道/膵臓領域内へ挿入する。
【0271】
(付記項78)
付記項77のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0272】
(付記項79)
付記項77のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0273】
(付記項80)
付記項77のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0274】
(付記項81)
付記項71のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第2のルーメンから抜き取り、
上記第2のルーメンに上記第1、又は第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第1、又は第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第1、又は第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1、又は第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0275】
(付記項82)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する挿通孔が配設されており、
上記第1の作業用処置具は、観察光伝送部材が配設され、上記細長医療用部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置であって、
上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記挿通孔に上記導入部を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記導入部の先端部分を上記挿通孔の上記近位端側の開口に配置し、
さらに、上記第1のルーメンに上記第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第2の作業用医療部材の先端部分に配設された第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【符号の説明】
【0276】
40・・・細長医療部材
44・・・ルーメン
42・・・挿入部
41・・・ガイド部
45・・・流体供給チャンネル
46・・・保持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内、特に十二指腸から十二指腸乳頭を介して、胆管、又は膵管へのアプローチが容易となる細長医療部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、胆石、又は膵石、管壁の異常部位の位置や大きさを特定するために、内視鏡を使用した精密検査が行われている。このような内視鏡検査には、内視鏡的逆行性胆膵管造影法などがある。
【0003】
この造影法は、側視型内視鏡を使用して、胆管、及び膵管の出入口である十二指腸乳頭へ造影チューブを挿入した後、被検査対象の胆管、又は膵管へ造影剤を注入して、X線撮影が行われる。こうして、術者は、X線撮影の胆管像、又は膵管像から胆石、又は膵石、管壁の異常部位などの位置、及び大きさを特定することができる。
【0004】
そして、胆石、又は膵石の排出、管壁の異常部位の治療には、各種処置具が使用される。これらの処置具は、口径の小さな十二指腸乳頭から胆管、又は膵管へ導入することが困難である。そのため、内視鏡を用いて、処置具の1つであるパピロトミーナイフなどの高周波ナイフにより、乳頭部を切開し、口径を拡げる内視鏡的乳頭括約筋切開術が行われる。その後、バスケット把持鉗子、生検鉗子などの各種処置具により、胆石、又は膵石の粉砕、排出、管壁の異常部位の治療などが行われる。
【0005】
このような治療には、各種処置具を胆管、又は膵管に導入するための補助的処置具である細長なカテーテルを内視鏡と共に用いることがある。上述した内視鏡的逆行性胆膵管造影法に限ることなく、医療に用いるカテーテルには、例えば、米国特許6,659,981B2号に開示されるようなものがある。尚、米国特許6,659,981B2号には、体内の心臓へ体内医療処置具を運搬するためのカテーテルの技術が開示されている。
【0006】
ところで、上述した胆管、又は膵管の導入口である乳頭は、十二指腸の体腔壁に位置している。そのため、内視鏡は、乳頭を視野に入れるため、挿入方向に対して直交する方向に視野を備えた側視型内視鏡が用いられる。このような側視型内視鏡には、例えば、特開平5−107484号公報に開示されるような、挿入方向と平行な視野の直視型と、上記側視型とを切替自在な直視側視交換型内視鏡がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許6,659,981B2号
【特許文献2】特開平5−107484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、胆管、又は膵管には体内液体である胆汁、又は膵汁があり、従来のカテーテルを用いた内視鏡的逆行性胆膵管造影法では、一度に体内液体を取り除いた後、胆管、又は膵管の内部に造影剤を注入することが困難であるという問題があった。
【0009】
また、米国特許6,659,981B2号に開示されるような従来のカテーテルのチャンネル内で胆管、又は膵管に導入する処置具を出し入れするときに、チャンネル内の流体が胆管、又は膵管の内部に混入されてしまい、X線画像に影が映り、異常部位を特定することが困難となる問題があった。さらには、カテーテルのチャンネル内で処置具を出し入れすると、胆管、又は膵管の内部に注入されている造影剤がチャンネル内に吸引されてしまうという問題もある。
【0010】
さらに、特開平5−107484号公報に開示されるような従来の直視側視交換型内視鏡は、体腔内に挿入中において、直視型、又は側視型のどちらか一方の機能しか使用できない。そのため、内視鏡的逆行性胆膵管造影法に用いる場合、目的部位である十二指腸の乳頭付近までの挿入時に有効な直視型から胆管、又は膵管の治療を行うときに有効な側視型に体腔内で切替えることができない。
【0011】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、内視鏡的逆行性胆膵管造影法に限らず、胆管、又は膵管の内部の治療において、各種処置具を容易に導入し、適切な処置を行うことができる細長医療部材を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成すべく、本発明の一態様の細長医療部材は、所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在な複数のルーメンが配設された長尺な挿入部と、該挿入部の先端から延設され、該挿入部を案内するガイド部と、を具備する。
【0013】
また、本発明の他の態様の細長医療部材は、所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在なルーメンが配設された長尺な挿入部と、該挿入部の先端から延出し、上記作業用処置具を案内するガイド部と、該ガイド部が延出する上記挿入部の反対側の先端外周部に、上記ルーメンの開口部から基端側へ向かって形成された所定の長さのスリットと、を具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の細長医療部材によれば、内視鏡的逆行性胆膵管造影法に限らず、胆管、又は膵管の内部の治療において、各種処置具を容易に導入し、適切な処置を行うことができる細長医療部材を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る、側視方内視鏡、及びイメージカテーテルが挿入されたガイドカテーテルを有して構成される内視鏡システムを示す全体構成図。
【図2】第1の実施の形態に係るガイドカテーテルを示す図。
【図3】第1の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分を示す図。
【図4】第1の実施の形態に係るイメージカテーテルが挿入された状態のガイドカテーテルの断面図。
【図5】第1の実施の形態に係る内視鏡システムを使用した内視鏡的逆行性胆膵管造影法による胆石の排出手術の一例を示すフローチャート。
【図6】第1の実施の形態に係り、十二指腸乳頭部から胆管内へガイドカテーテルが挿入された状態を示す図。
【図7】第1の実施の形態に係り、胆管内へ造影剤が注入された状態を示す図。
【図8】第1の実施の形態に係り、十二指腸乳頭部から胆管内へパピロトミーナイフが挿入された状態を示す図。
【図9】第1の実施の形態に係り、十二指腸乳頭部をパピロトミーナイフにより切開する動作を説明する図。
【図10】第1の実施の形態に係り、胆管内へガイドカテーテルが更に挿入された状態を示す図。
【図11】第1の実施の形態に係り、胆管内へバスケット把持鉗子が挿入された状態を示す図。
【図12】第1の実施の形態に係り、胆管内の胆石をバスケット把持鉗子に取り込んだ状態を示す図。
【図13】第1の実施の形態に係り、胆石を取り込んだバスケット把持鉗子が十二指腸へ引き出された状態を示す図。
【図14】第1の実施の形態に係り、膵管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入された状態を示す図。
【図15】第1の実施の形態に係り、図14から、さらに、膵管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入され、胆管内へイメージカテーテルが挿入される状態を示す図。
【図16】第1の実施の形態に係り、胆管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入され、十二指腸乳頭部を針状ナイフにより切開する動作を説明する図。
【図17】第1の実施の形態に係り、胆管内へガイドカテーテルが挿入され、胆汁が吸引されると共に、胆管内へ造影剤が注入される状態を示す図
【図18】第1の実施の形態に係り、ガイド部から突出されたイメージカテーテルにより、胆管内を観察しながら、胆管内の胆石をバスケット把持鉗子に取り込んだ状態を示す図。
【図19】第2の実施の形態に係る内視鏡の全体構成を示す図。
【図20】第2の実施の形態に係る図19の内視鏡の先端面を示す平面図。
【図21】第2の実施の形態に係る図20に示す状態の内視鏡の先端部の断面図。
【図22】第2の実施の形態に係るイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図。
【図23】第2の実施の形態に係り、図22に示す状態の内視鏡の先端面を示す平面図。
【図24】第2の実施の形態に係る内視鏡が体腔内に挿入されている状態を示す図。
【図25】第2の実施の形態に係る内視鏡が十二指腸乳頭部近傍に到達した状態を示す図。
【図26】第2の実施の形態に係り、第1の変形例に係る内視鏡の先端部の断面図。
【図27】第2の実施の形態に係り、第1の変形例に係るイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図。
【図28】第2の実施の形態に係り、第2の変形例に係る内視鏡の先端部の断面図。
【図29】第2の実施の形態に係り、第2の変形例に係るイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図。
【図30】第2の実施の形態に係るガイドカテーテルを含む内視鏡システムの全体構成を示す図。
【図31】第3の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図32】第3の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図33】第3の実施の形態に係り、保持部で先端部分を保持された湾曲部を備えたイメージカテーテルが挿通された状態のガイドカテーテルの先端部分の側面図。
【図34】第3の実施の形態に係り、イメージカテーテルが湾曲した状態を示すイメージカテーテルが挿通された状態のガイドカテーテルの先端部分の側面図。
【図35】第4の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図36】第4の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図37】第4の実施の形態に係り、変形例であるガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図38】第4の実施の形態に係り、変形例である図37のガイドカテーテルの作用を説明するための図。
【図39】第5の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の斜視図。
【図40】第5の実施の形態に係り、第1変形例を示す、ガイドカテーテルの先端部分の斜視図。
【図41】第5の実施の形態に係り、第2変形例を示す、ガイドカテーテルの先端部分の斜視図。
【図42】第5の実施の形態に係り、図39のガイドカテーテルの使用例を示す図。
【図43】第5の実施の形態に係り、図39のガイドカテーテルの使用例を示す図。
【図44】第6の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図である。
【図45】第7の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図46】第7の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分を示し、このガイドカテーテルに挿入されたパピロトミーナイフの先端部分が弓状にされた状態を示す図。
【図47】第7の実施の形態に係り、十二指腸乳頭部をパピロトミーナイフにより切開する動作を説明する図、
【図48】第7の実施の形態に係り、胆石を取り込んだバスケット把持鉗子が十二指腸へ引き出された状態を示す図。
【図49】第8の実施の形態に係り、内視鏡チャンネル、及びこの内視鏡チャンネルに挿通するガイドカテーテルの断面図。
【図50】第8の実施の形態に係るガイドカテーテル、及びこのガイドカテーテルに挿通するイメージカテーテルの断面図。
【図51】第8の実施の形態に係り、側視型内視鏡の操作部側チャンネル開口部、ガイドカテーテルの先端部分、ガイドカテーテルの処置具挿通部、及び処置具であるイメージカテーテルの先端部分に夫々の長軸回りの挿入方向を規定する指標を示す図。
【図52】第8の実施の形態に係り、ガイドカテーテルのガイド部からガイドカテーテル挿入部の基端まで形成されたレール状の溝部を示す図。
【図53】第8の実施の形態に係り、図52のガイドカテーテルに処置具が挿通した状態の断面図。
【図54】第9の実施の形態に係るガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図55】第9の実施の形態に係るガイドカテーテルを先端から見た図。
【図56】第9の実施の形態に係り、第1の変形例となるガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図57】第9の実施の形態に係り、第2の変形例となるガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図。
【図58】第9の実施の形態に係り、第2の変形例となるガイドカテーテルが十二指腸乳頭部から胆管内へ挿入された状態を示す図。
【図59】第10の実施の形態に係り、バスケット把持鉗子が挿入されているガイドカテーテルの先端部分の断面図。
【図60】第10の実施の形態に係り、バスケット把持鉗子が挿入されたガイドカテーテルのガイド部が胆管内へ挿入された状態を示す図。
【図61】第11の実施の形態に係る内視鏡の先端部の一側面を示した平面図。
【図62】第11の実施の形態に係る内視鏡の先端部を示した斜視図。
【図63】第12の実施の形態に係る内視鏡の先端部の一側面を示した平面図。
【図64】第12の実施の形態に係る内視鏡の先端部の先端面を示した平面図。
【図65】第12の実施の形態に係る内視鏡の先端部の断面図。
【図66】第12の実施の形態に係り、先端部内にある孔部、直視用孔部、又は側視用孔部を示し、スコープ挿通凹部を示す先端部の部分断面図。
【図67】第12の実施の形態に係り、ガイド部に保持部を備えたガイドカテーテル、及びイメージカテーテルを使用した場合の内視鏡の先端部の断面図。
【図68】第12の実施の形態に係り、図67に対応した構成による内視鏡の先端部が乳頭部近傍まで挿入され、ガイド部の保持部に保持されたイメージカテーテルが若干突出した状態を示す図。
【図69】第12の実施の形態に係り、イメージカテーテルと共にガイド部が胆管内へ挿入された状態を示す図。
【図70】第12の実施の形態に係り、ガイドカテーテルのガイドカテーテル挿入部の先端部分が胆管内に挿入され、イメージカテーテルが保持部から外されて乳頭部を撮影している状態を示す図。
【図71】第12の実施の形態に係る変形例を示し、内視鏡の先端部に保持部を設けた構成を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の各実施の形態を説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1から図18は、本発明の第1の実施の形態を示し、図1は側視方内視鏡、及びイメージカテーテルが挿入されたガイドカテーテルを有して構成される内視鏡システムを示す全体構成図、図2はガイドカテーテルを示す図、図3はガイドカテーテルの先端部分を示す図、図4はイメージカテーテルが挿入された状態のガイドカテーテルの断面図、図5は内視鏡システムを使用した内視鏡的逆行性胆膵管造影法による胆石の排出手術の一例を示すフローチャート、図6は十二指腸乳頭部から胆管内へガイドカテーテルが挿入された状態を示す図、図7は胆管内へ造影剤が注入された状態を示す図、図8は十二指腸乳頭部から胆管内へパピロトミーナイフが挿入された状態を示す図、図9は十二指腸乳頭部をパピロトミーナイフにより切開する動作を説明する図、図10は胆管内へガイドカテーテルが更に挿入された状態を示す図、図11は胆管内へバスケット把持鉗子が挿入された状態を示す図、図12は胆管内の胆石をバスケット把持鉗子に取り込んだ状態を示す図、図13は胆石を取り込んだバスケット把持鉗子が十二指腸へ引き出された状態を示す図、図14は膵管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入された状態を示す図、図15は図14から、さらに、膵管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入され、胆管内へイメージカテーテルが挿入される状態を示す図、図16は胆管内へガイドカテーテルのガイド部が挿入され、十二指腸乳頭部を針状ナイフにより切開する動作を説明する図、図17は胆管内へガイドカテーテルが挿入され、胆汁が吸引されると共に、胆管内へ造影剤が注入される状態を示す図、図18はガイド部から突出されたイメージカテーテルにより、胆管内を観察しながら、胆管内の胆石をバスケット把持鉗子に取り込んだ状態を示す図である。
【0018】
先ず、図1に示す、細長医療部材である側視型内視鏡70について簡単に説明する。この側視型内視鏡70は、体腔内に挿入される細長で可撓性を有する挿入部72と、この挿入部72の基端部に連設した操作部73と、この操作部73の側部から延出して図示しない光源装置、ビデオプロセッサなどの接続部に着脱自在なコネクタ部を端部に設けたユニバーサルコード74とによって主に構成されている。
【0019】
挿入部72には、先端側から順に、硬質部材で形成した先端部75と、複数の湾曲駒を回動自在に連接して例えば上下左右方向に湾曲自在に形成した湾曲部76と、柔軟性を有する可撓管部77とが連設している。
【0020】
前記先端部75の側部には照明光を照射するための照明窓が一端面となるレンズ取り付け孔部78、光学像を撮像するための観察窓79及び収納室80が設けられている。この収納室80には後述する光学装置であるイメージカテーテル2が挿通するガイドカテーテル40の先端部分の突出方向を所望の位置に向ける処置具起上台81が設けてある。
【0021】
前記操作部73の側面には、湾曲部6の湾曲方向を手元操作によって変化させる湾曲操作ノブ82a及び82bが重設される。観察窓79から入射され図示しないCCD、CMOSなどの撮像手段でとらえた光学像は、ユニバーサルケーブル4aの基端と電気的に接続される、図示しないビデオプロセッサを介して図示しないモニタによって画像表示される。また、操作部73には、処置具起上台81が回動されて処置具の突出方向を変化させる誘導子起上レバー84、送水機能を制御する送水ボタン、吸引機能を制御する吸引ボタン、収納室80に一端部が連通する処置具挿通用チャンネル(以下、内視鏡チャンネルという)の入口側となる操作部側チャンネル開口部87などが設けられている。つまり、前記収納室80は処置具挿通チャンネルの出口を兼ねている。さらに、この操作部73には図示しない光源装置の光量調整などを遠隔的に行う各種スイッチ83が設けられている。
【0022】
撮影装置であるイメージカテーテル2は、光学系を備えた先端面11と、導入部である細長なスコープ挿入部12と、スコープ挿入部12の基端に連接され、図示しないビデオプロセッサに接続される電気コードが延設する操作部13と、を有し、上記先端面11から入射される撮影光が図示しない観察光伝送部材によって伝送され、この伝送された撮影光をとらえる撮影部を構成するCCD、CMOSなどの図示しない撮像素子ユニットが内部に設けられている。尚、イメージカテーテル2は、上記撮像手段を有さない、接眼部により視認可能な観察光伝送部材を構成するファイバースコープ型でも適用可能である。
【0023】
ガイド用細長医療部材であるガイドカテーテル40は、側視型内視鏡70の操作部73にある操作部側チャンネル開口部87から挿入部72内に挿入され、その先端部分が先端部75から導出される。このガイドカテーテル40は、可撓性を有する生体適合性のある合成樹脂、ゴムなどから形成された細長なチューブ体である。この側視型内視鏡70の挿入部72に挿入されるガイドカテーテル40内には、更に、イメージカテーテル2、又は各種処置具が挿通自在となっている。
【0024】
図2に示すように、ガイドカテーテル40は、先端部分に所定の長さを有する細径の先端領域であるガイド部41と、このガイド部41が先端面の周部から延出する基端領域であるガイドカテーテル挿入部42と、このガイドカテーテル挿入部42の基端に連設されるスコープ/処置具挿通部43と、を有している。
【0025】
スコープ/処置具挿通部43は、略筒形状をしており、イメージカテーテル2、又は各種処置具をガイドカテーテル挿入部42内へ挿入するための開口部を基端面に有し、送液のためにシリンジなどが接続される流体供給部43aが側周面から延出している。
【0026】
また、ガイドカテーテル40は、図3、及び図4に示すように、ガイド部41の先端面に形成される開口部45aからスコープ/処置具挿通部43の流体供給部43aまで配設された第2のルーメンを構成する流体供給チャンネル45と、ガイドカテーテル挿入部42の先端面に形成される開口部44aからスコープ/処置具挿通部43まで配設されたスコープ/処置具チャンネル44と、を有している例えば、6mm程度以下の外径を有するダブルルーメンチューブである。すなわち、ガイドカテーテル挿入部42に配設される第1のルーメンを構成するスコープ/処置具チャンネル44は、先端面が延出するガイド部41の根元部となる近位端となり、この近位端の開口部44aで開口すると共に、基端となるガイド部41の遠位端で開口している。
【0027】
従って、ガイドカテーテル40には、作業用医療部材でもあるイメージカテーテル2、又は、作業用医療部材を構成する各種処置具がスコープ/処置具挿通部43からスコープ/処置具チャンネル44内へ挿入される。そして、イメージカテーテル2、又は各種処置具は、ガイドカテーテル挿入部42の先端面にある開口部44aから導出される。
【0028】
尚、本実施の形態のイメージカテーテル2は、その外径寸法が、例えば2mm程度以下となっている。そのため、スコープ/処置具チャンネル44は、このイメージカテーテル2が挿通可能なチャンネル径が設定されている。また、各種処置具の外径寸法は、10Fr程度である。そのため、スコープ/処置具チャンネル44は、各種処置具が挿通可能なチャンネル径が設定されている。
【0029】
また、本実施の形態において、後述するように、ガイドカテーテル40のガイド部41は、十二指腸50の乳頭部51を通過できる外径が設定されている。
【0030】
図1に示したように、側視型内視鏡70、ガイドカテーテル40、イメージカテーテル2、及び各種処置具のうち、側視内視鏡70と、ガイドカテーテル40、又はイメージカテーテル2の少なくとも2つの構成によって、本実施の形態の細長医療装置である内視鏡システム100が構成されている。
【0031】
以上のように、構成された本実施の形態の側視型内視鏡70、ガイドカテーテル40、及びイメージカテーテル2からなる内視鏡システム100を使用して、十二指腸の乳頭部が入り口となる胆道/膵管領域での内視鏡的逆行性胆膵管造影法により、例えば、胆管52内の胆石を排出する内視鏡的乳頭括約筋切開術の一例について、第1の実施の形態に係る、図1、図6から図13を主に用いて説明する。また、以下に、図5のフローチャートに示す、各ステップ(S)の流れ例に従って、胆管52内の胆石を摘出する手術の一例を説明する。
【0032】
先ず、術者は、スコープ/処置具挿通部43からガイドカテーテル40のスコープ/処置具チャンネル44にイメージカテーテル2のスコープ挿入部12を予め挿入しておく(S1)。次に、術者は、このイメージカテーテル2が挿入されたガイドカテーテル40を側視型内視鏡70の操作部側チャンネル開口部87から内視鏡チャンネルに挿入する(S2)。
【0033】
そして、術者は、側視型内視鏡70がとらえた内視鏡画像により体腔内を視認しながら、側視型内視鏡70の挿入部72の先端部75を十二指腸50へ挿入する(S3)。このとき、術者は、体腔の屈曲状態に合わせて、適宜、湾曲部6を湾曲操作したり、挿入部72を捻り操作したりする。また、術者は、乳頭部51近傍まで挿入部72の先端部75を挿入したら、側視型内視鏡70の内視鏡画像によって乳頭部51の位置を特定する。
【0034】
次に、図6に示すように、イメージカテーテル2の先端部分を乳頭部51から胆道/膵管領域である胆管52内へ挿入する(S4)。このとき、術者は、側視型内視鏡70の内視鏡画像、及びイメージカテーテル2の画像により、容易に乳頭部51へイメージカテーテル2を挿入することができる。
【0035】
次に、術者は、イメージカテーテル2の画像を視認しながら、イメージカテーテル2を胆管52へ選択的に挿入する(S5)。すなわち、術者は、ここでは胆管52内の胆石54を摘出する手術であるため、胆管52を選択したが、膵管53を検査、治療などする場合には、イメージカテーテル2の画像を視認することで、膵管53へもイメージカテーテル2を容易に挿入することができる。すなわち、術者は、イメージカテーテル2の画像により、乳頭部51よりも深部にある胆管52と膵管53とを容易に区別でき、視認しながらイメージカテーテル2を胆管52、又は膵管53へ挿入することができる。
【0036】
次に、術者は、イメージカテーテル2に沿わせながら、ガイドカテーテル40のガイド部41を胆管52へ挿入する(S6)。このとき、術者は、イメージカテーテル2の先端面11をガイドカテーテル挿入部42の先端面の開口部44aから若干に突出させることで、側視型内視鏡70の内視鏡画像により乳頭部51を視認しながら、ガイド部41を胆管52へ挿入することができる。また、術者は、イメージカテーテル2の先端面を乳頭部51の近傍に位置することで、先端部5にあるLED23による照明光の照射による透過光により、乳頭部51よりも深部にある胆管52と膵管53とを容易に区別でき、視認しながらガイド部41を胆管52へ挿入することができる。
【0037】
次に、術者は、図7に示すように、胆管52内へ造影剤55を注入する(S7)。このとき、術者は、シリンジなどを使用して、ガイドカテーテル40のスコープ/処置具挿通部43にある流体供給部43aから造影剤55を流体供給チャンネル45へ注入する。この造影剤55は、流体供給チャンネル45を介して、ガイド部41の開口部45aから胆管52内へ送液される。こうして、術者は、造影剤55が注入された胆管52をX線により撮影することができる。
【0038】
また、術者は、図7に示すように、イメージカテーテル2をガイド部41に沿ってさらに、深部へと容易に胆管52内へと挿入することができるため、造影剤55の注入状態、及び胆管52の管壁の異常部位、胆石54などの位置、大きさを視認することができる。
【0039】
次に、術者は、イメージカテーテル2をガイドカテーテル40から抜去する(S8)。そして、術者は、処置具の1つであるパピロトミーナイフ61をガイドカテーテル40のスコープ/処置具挿通部43からスコープ/処置具チャンネル44内に挿入する(S9)。このとき、術者は、X線画像を観察しながら、図8に示すように、ガイドカテーテル挿入部42の先端面の開口部44aから突出する作業用医療部材であるパピロトミーナイフ61の処置部となる先端部分をガイド部41に沿って容易に乳頭部51から胆管52内へ挿入することができる。
【0040】
そして、術者は、乳頭部51を切開する(S10)。詳述すると、術者は、図9に示すように、ワイヤカッタ62を引っ張ることで、パピロトミーナイフ61の先端部分を弓状にし、ワイヤカッタ62へ高周波を通電して、乳頭部51を切開する。これにより、開口の小さな乳頭部51から胆管52内へ各種処置具が挿入し易くなる。
【0041】
次に、術者は、パピロトミーナイフ61をガイドカテーテル40から抜去する(S11)。尚、術者は、図10に示すように、乳頭部51を切開したことにより、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端部分を胆管52内へ容易に挿入することができる。
【0042】
次に、術者は、処置具の1つである作業用医療部材を構成するバスケット把持鉗子63をガイドカテーテル40のスコープ/処置具挿通部43からスコープ/処置具チャンネル44内に挿入する(S12)。そして、術者は、X線画像を観察しながら、図11に示すように、バスケット把持鉗子63の処置部であるバスケットワイヤ64をガイドカテーテル挿入部42の開口部44aから突出させる。
【0043】
次に、術者は、バスケット把持鉗子63によって、胆石54を採取する(S13)。このとき、術者は、バスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64を胆石54に近づけると共に、回転操作して、図12に示すように、胆石54をバスケットワイヤ64内へ収容して把持する。次に、術者は、バスケット把持鉗子63と共に、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42を胆管52から乳頭部51を介して、図13に示すように、十二指腸50内へ引っ張ることで、バスケットワイヤ64に把持されている胆石54を胆管52から取り出す。尚、乳頭部51が上述したように切開されているため、胆石54は、容易に乳頭部51を通過することができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態の内視鏡システム18は、ガイドカテーテル40のガイド部41を乳頭部51から胆道/膵管領域である胆管52内、又は膵管53内へ容易、且つ確実に挿入することができ、このガイド部41に沿わせて、イメージカテーテル2、各種処置具などを胆管52内、又は膵管53内への挿入性を向上させることができる構成となっている。
【0045】
尚、図14に示すように、術者は、膵管53内にガイドカテーテル40のガイド部41を挿入する。そして、術者は、さらに、図15に示すようにガイドカテーテル挿入部42の先端にある開口部44aを乳頭部51に位置するように、ガイドカテーテル40を前進させることにより、膵管53内に導入されたガイド部41が、所謂、アンカの役目を構成し、ガイドカテーテル40を安定させた状態とすることができる。この状態で、術者は、ガイドカテーテル40の開口部44aから処置具、例えば、紙面上ではイメージカテーテル2のスコープ挿入部12を胆管52内に容易に導入することができる。
【0046】
また、上述したような乳頭部51の切開に使用する処置具は、パピロトミーナイフ61に限定することなく、図16に示すように、例えば、高周波により生体組織を切開するナイフ部65aを供えた針状ナイフ65のような処置具でも良い。このような処置具を用いる場合にも、胆管52内に注入した造影剤55をX線により撮影した映像、又は内視鏡1による撮影映像により被処置部である乳頭部51を切開処置しても良い。
【0047】
さらに、図17に示すように、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端部分を、ここでは、胆管52内に挿入した状態で、ガイド部41の先端にある流体供給チャンネル45の開口部45aから造影剤55を胆管52内に注入すると共に、ガイドカテーテル挿入部42の先端にある開口部44aから処置具チャンネル44を介して、胆管52内の体内液体である胆汁67を吸引するようにしても良い。これにより、造影剤55を胆管52内に満遍なく充填することができる。
【0048】
尚、図17の説明では、造影剤55を胆管52内に確実に充填させるための説明をしたが、流体供給チャンネル45の開口部45aから送液を行い、この液体を開口部44aから処置具チャンネル44を介して吸引することで、胆管52内の洗滌も行うことができる。
【0049】
また、ガイドカテーテル40が胆管52内に挿入され、図18に示すように、処置具、ここではバスケット把持鉗子63による処置のときに、流体供給チャンネル45にイメージカテーテル2を挿入して、ガイド部41の先端にある開口部45aからスコープ挿入部12の先端面11を延出させることにより胆管52内の処置状態をイメージカテーテル2により撮影しても良い。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、内視鏡1と併用されるガイドカテーテルを含む内視鏡システムについて説明する。
【0051】
図19から図30は、本発明の第2の実施の形態を示し、図19は内視鏡の全体構成を示す図、図20は図19の内視鏡の先端面を示す平面図、図21は図20に示す状態の内視鏡の先端部の断面図、図22はイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図、図23は図22に示す状態の内視鏡の先端面を示す平面図、図24は内視鏡が体腔内に挿入されている状態を示す図、図25は内視鏡が十二指腸乳頭部近傍に到達した状態を示す図、図26は第1の変形例に係る内視鏡の先端部の断面図、図27は第1の変形例に係るイメージカテーテルの視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図、図28は第2の変形例に係る内視鏡の先端部の断面図、図29は第2の変形例に係るイメージカテーテル2の視野方向を変更した状態の内視鏡の先端部の断面図、図30はガイドカテーテルを含む内視鏡システムの全体構成を示す図である。
【0052】
尚、本実施の形態の説明において、上述の第1の実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0053】
図19に示すように、本実施の形態の細長医療部材である内視鏡1は、光学装置であるイメージカテーテル2と、体腔内へ挿入される細長な挿入部3と、各種機能を操作するための操作部4と、を有している。
【0054】
挿入部3は、先端から順に、先端部5と、湾曲部6と、可撓管部7と、を有している。湾曲部6は、操作部4の後述する湾曲操作ノブ8によって、湾曲操作自在である。可撓管部7は、軟性のチューブ体である。
【0055】
操作部4は、この可撓管部7の基端に連結され、図示しない電源供給を兼ねる制御装置に接続されるユニバーサルケーブル4aが基端部分より延出している。本実施の形態において、この操作部4は、その一側面に、湾曲部6を湾曲操作する2つの湾曲操作ノブ8と、挿入部3内に挿通するチャンネルの一開口となる操作部側チャンネル開口部9と、基端部に直側可変レバー10と、を有している。
【0056】
イメージカテーテル2は、操作部4の操作部側チャンネル開口部9から挿入部3内のチャンネルに挿入され、その先端面11が先端部5に配置される。また、先端部5には、イメージカテーテル2の先端面11に液体、又は気体の流体を吹き付けるA/W(エアー/ウォータ)ノズル5aが設けられている。
【0057】
図20、及び図21に示すように、先端部5は、その略中央に外周部分の一部が切り欠きされるように、先端面から基端方向に向かった溝部5cが形成されている円環状の部材である。この先端部5の溝部5cには、可変機構を構成する断面形状が略台形状の起上部20が設けられている。
【0058】
先端部5には、溝部5cの基端に外周面が位置決めされた略円柱状のストッパ16が架設されている。また、先端部5には、溝部5cの基端に位置決めされる先端面を有する内視鏡チャンネル17が配設されている。この内視鏡チャンネル17は、軟性のチューブから構成されており、その基端部が操作部4の操作部側チャンネル開口部9に連結されている。すなわち、操作部側チャンネル開口部9から導入されたイメージカテーテル2は、内視鏡チャンネル17内に挿通される。
【0059】
先端部5に設けられる起上部20は、図21の紙面に向かって見た上下方向において、後述の側直可変面20aと反対側のここでは下端部分にピン25が貫挿しており、先端部5に対して、ピン25の軸回りに回動自在に配設されている。また、ピン25は、先端部5の溝部5cの壁面に設けられる回動支持部5bに両端部が固定されている。
【0060】
起上部20は、その一面となる側直可変面20aと、略中央を貫通する例えば、2から3mm程度の孔径が設定されたスコープ配置孔21と、を有している。側直可変面20aには、その略中央にスコープ配置孔21の開口部21aと、この開口部21aの周囲に本実施の形態において、照明窓となる4つの光学部材22と、が設けられている。尚、スコープ配置孔21には、内視鏡チャンネル17に挿通するイメージカテーテル2の先端部分が貫挿配置される。
【0061】
また、起上部20は、上述した4つの光学部材22の背面側の近傍内部に照明光を発光するLED23が配設されている。これらLED23は、電気ケーブル24に収容されているケーブル24aと夫々電気的に接続されている。この電気ケーブル24には、挿入部3、操作部4、及びユニバーサルケーブル4aを介して、上述の制御装置からLED23を発光させる電力供給が行われている。尚、本実施の形態においては、照明光を照射するLED23を用いているが、ライトガイドなどの光学照明部材にしても良い。
【0062】
また、起上部20は、図21の紙面に向かって見た上下方向において、側直可変面20a近傍から基端に向った、ここでは上部側に長孔26が形成されている。この長孔26には、スライドピン27がスライド自在に挿通している。このスライドピン27には、操作ワイヤ15の一端部が連結されている。
【0063】
尚、操作ワイヤ15の他端部は、操作部4に設けられる直側可変レバー10の回動操作により連動する図示しないプーリに連結されている。これにより、操作ワイヤ15は、直側可変レバー10が回動操作されると、プーリの回動に伴って、牽引、又は弛緩される。また、起上部20には、スコープ配置孔21の基端上部が所定の曲率に湾曲した湾曲面28が形成されている。
【0064】
以上のように構成された先端部5の起上部20は、図22、及び図23に示すように、操作部4の直側可変レバー10が所定に回動操作されると、操作ワイヤ15が牽引され、ピン25の軸回りに回動操作される。
【0065】
詳述すると、起上部20は、牽引された操作ワイヤ15によって、図21の紙面に向かって見た上部側の端部分が基端方向へ引っ張られて、ピン25の軸回り左方向に回動する。このとき、操作ワイヤ15の先端が連結するスライドピン27が長孔26の一端から他端へスライドする。
【0066】
起上部20は、操作ワイヤ15が連結されている側の面がストッパ16に当接することで、その回動が規制されている。つまり、起上部20の側直可変面20aは、その臨む方向が図21での先端部5の先端方向から図22の側面方向(図22の紙面に向かって見た上方)の略90度に変更される。
【0067】
この状態において、イメージカテーテル2は、先端部分が起上部20のスコープ配置孔21に配置されたままの状態で、起上部20が略90度に回動するため、その視野方向となる先端面11の臨む方向が略90度に変更される。
【0068】
すなわち、図21に示す状態では、イメージカテーテル2の先端面11の臨む方向(視野方向)が挿入部3の長手方向の軸と同じ方向となる。その一方、図22に示す状態では、起上部20の側直可変面20aが略90度変更するように、回動操作されるため、イメージカテーテル2の先端面11の臨む方向(視野方向)が挿入部3の長手方向の軸に略直交する方向となる。
【0069】
これにより、イメージカテーテル2の視野方向は、上述した起上部20などの各構成要素による可変(切替)機構部により、挿入部3の先端部5の先端面が臨む方向と同一方向となる直視状態の方向と、挿入部3の先端部5の先端面が臨む方向に対して、略直交する方向となる側視状態の方向と、に変更可能となる。
【0070】
また、起上部20に設けられる照明用のLED23の照射方向は、側直可変面20aの臨む方向の変更に合わせて、上述の直視状態での方向と、側視状態の方向と、に変更される。
【0071】
以上のように構成された、本実施の形態の内視鏡1は、図24に示すように、挿入部3が十二指腸50まで挿入されるとき、イメージカテーテル2の先端面11の臨む方向である視野方向を挿入部3の進行方向と同じ方向となる上述の直視状態(図中のV1方向)のままで挿入される。この状態では、術者は、挿入部3の挿入方向をイメージカテーテル2の画像により視認することができるため、屈曲する体腔に合わせて、内視鏡1の挿入部3を捻り操作などして、十二指腸50へ容易に挿入可能となる。
【0072】
そして、内視鏡1は、図25に示すように、胆管52、及び膵管53の出入口である十二指腸乳頭部(以下、単に乳頭部と記載する)51の近傍に達すると、上述のようにイメージカテーテル2の先端面11の臨む方向である視野方向を直視状態から略90度変更した上述した側視状態(図中のV2方向)にされる。この状態では、術者は十二指腸50の体腔壁をイメージカテーテル2の画像により視認することができるため、十二指腸50の体腔壁にある乳頭部51を容易に発見することができる。また、術者は、内視鏡1の視野方向を側視状態にすることで、体腔壁の異常部位などの位置、及び大きさを容易に特定することができる。
【0073】
以上の結果、本実施の形態の内視鏡1は、その視野方向が挿入部3を体腔壁にある目的部位(上述では乳頭部51)まで体腔内に挿入するときの直視状態と、目的部位の発見、並びに、位置、及び大きさの特定のために側視状態と、に容易に変更できる構成となっている。
【0074】
尚、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更する可変(切替)機構部を備えた先端部5の構造は、以下に説明するような構成にしても良い。
【0075】
図26、及び図27に示すように、変形例となる内視鏡1の先端部5は、内視鏡チャンネル17から延出したイメージカテーテル2のスコープ挿入部12などが挿通する挿通孔30が配設されている。
【0076】
この挿通孔30は、先端部5の先端側と一側面側とに分岐している。この挿通孔30は、分岐した先端部5の先端面で開口している一方が直視用孔31となり、先端部5の一側面で開口している他方が側視用孔32となっている。
【0077】
先端部5には、先端面と一側面の各孔31,32の夫々の開口部近傍に複数の光学部材22と、これら光学部材22の背面側に夫々、照明用のLED23a,23bが配設されている。
【0078】
また、先端部5は、側視用孔32が分岐して延出する部分と反対側の挿通孔30の内面に略板状の可変機構を構成するゲート35を収容する凹部34が形成されている。このゲート35は、基端側の一端部がピン35aによって回動保持され、先端側の他端部が上述の操作ワイヤ15の先端に連結されている。この操作ワイヤ15は、先端部5に形成された挿通孔33に挿通しており、上述したように、操作部4の直側可変レバー10の回動操作により牽引弛緩される。
【0079】
挿通孔33は、先端部分が挿通孔30側へ屈曲した形状をしており、直視用孔31と側視用孔32とが分岐する部分で開口している。また、挿通孔33の屈曲部分には、操作ワイヤ15の牽引弛緩により、接触面の摩擦を低減する棒部材33aが配設されている。
【0080】
また、ゲート35は、操作部4の直側可変レバー10の回動操作により牽引された操作ワイヤ15によりその先端部分が引っ張られ、起上する方向にピン35aの軸回りに回動する。
【0081】
図26に示すように、ゲート35が凹部34に収容された状態において、先端部5には、直視用孔31にイメージカテーテル2のスコープ挿入部12が略直線状のまま挿入される。このとき、イメージカテーテル2は、その先端面の臨む方向が先端部5の先端面の臨む方向と同じ方向で直視用孔31に配置される。従って、イメージカテーテル2の視野方向は、内視鏡1の挿入部3の長手軸方向の直視状態となる。
【0082】
その一方、図27に示すように、操作部4の直側可変レバー10の回動操作により、ゲート35が起上された状態では、先端部5には、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分がゲート35に沿って湾曲した状態で側視用孔32に挿入される。このとき、イメージカテーテル2は、その先端面の臨む方向が先端部5の一側面の臨む方向、長手軸に略直交する方向と同じ方向となるように、側視用孔32に配置される。従って、イメージカテーテル2の視野方向は、内視鏡1の挿入部3の長手軸方向に略直交する方向の側視状態となる。
【0083】
尚、直視状態のときには、先端部5の先端面に配設された各光学部材22に夫々対応したLED23aに電力が供給される。また、側視状態のときには、先端部5の一側面に配設された各光学部材22に夫々対応したLED23bに電力が供給される。この各LED23a,23bへの電力供給は、操作部4の直側可変レバー10の回動操作に伴って、連動するように外部の制御装置により自動的に切り替えられる。
【0084】
また、術者は、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更したい場合に、イメージカテーテル2を所定の長さだけ手元側へ引っ張って、操作部4の直側可変レバー10の所定の回動操作により行う。直側可変レバー10の操作により、ゲート35が起上、又は凹部34内へ収容される。
【0085】
そして、術者は、直側可変レバー10の操作後に、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分をゲート35が凹部34内に収容されているときに、直視用孔31へ、ゲート35が起上しているときに、側視用孔32へ挿入することができる。これにより、術者は、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更することができる。
【0086】
また、先端部5をイメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更する可変機構を備えた先端部5の構造は、ゲート35に変えて、図28、及び図29に示す突起部36にしても良い。
【0087】
詳述すると、図28、及び図29に示すように、本変形例の先端部5には、側視用孔32が分岐して延出する部分と反対側の挿通孔30の内面に可変機構を構成する突起部36を収容する凹部38が形成されている。突起部36は、傾斜面が形成された断面形状が略三角形状をしており、その側視用孔32側と反対側となる方向の下面にバネ36aが固着されている。すなわち、バネ36aは、突起部36を側視用孔32側へ付勢している。
【0088】
また、先端部5には、凹部38側の側部側に操作ワイヤ15が挿通する挿通孔39が形成され、この挿通孔39が側面で開口している凹部39aを有している。この凹部39aは、凹部38の基端側の挿通孔30の内面に形成されている。
【0089】
操作ワイヤ15は、その先端部分がスライド板37に連結されている。このスライド板37は、その断面形状が略L字状をしている板部材であり、折れ曲がった部分の先端部5の基端側となる後方の面にバネ37aが固着されている。スライド板37は、このバネ37aと共に、折れ曲がった部分が凹部39aに収容されている。また、バネ37aは、スライド板37を先端部5の先端側となる前方へ付勢している。
【0090】
また、スライド板37は、図28に示すように。操作ワイヤ15が牽引されていない状態で、バネ37aの付勢力を受けて、その板面で凹部38の開口部を塞いでいる。このとき、突起部36は、側視用孔32側の突起端がスライド板37に当接して、凹部38内に収容されている。
【0091】
この状態において、先端部5には、直視用孔31にイメージカテーテル2のスコープ挿入部12が略直線状のまま挿入される。このとき、イメージカテーテル2は、その先端面の臨む方向が先端部5の先端面の臨む方向と同じ方向で直視用孔31に配置される。従って、イメージカテーテル2の視野方向は、内視鏡1の挿入部3の長手軸方向の直視状態となる。
【0092】
その一方、図29に示すように、操作ワイヤ15が操作部4の直側可変レバー10の回動操作により牽引されると、スライド板37が後方へ引っ張られ、凹部38が開口する。このとき、突起部36は、バネ36aの付勢力を受けて、凹部38から側視用孔32側の挿通孔30内へ突出する。
【0093】
この状態において、先端部5には、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分が突起部36の傾斜面に沿って湾曲した状態で側視用孔32に挿入される。このとき、イメージカテーテル2は、その先端面の臨む方向が先端部5の一側面の臨む方向、長手軸に略直交する方向と同じ方向となるように、側視用孔32に配置される。従って、イメージカテーテル2の視野方向は、内視鏡1の挿入部3の長手軸方向に略直交する方向の側視状態となる。
【0094】
また、術者は、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更したい場合に、イメージカテーテル2を所定の長さだけ手元側へ引っ張って、操作部4の直側可変レバー10の所定の回動操作により行う。尚、挿通孔30内へ突出している突起部36は、スライド板37が前方へ移動すると、スライド板37の先端部分が突起部36の傾斜面に当接し、凹部38内へ押し込まれる。その後、スライド板37が凹部38の開口部を塞ぐことで、突起部36は、凹部38内へ収容される。
【0095】
従って、術者は、直側可変レバー10の操作後に、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分を突起部36が凹部38に収容されているときに、直視用孔31へ、突起部36が挿通孔30に突出しているときに、側視用孔32に挿入することができる。これにより、術者は、イメージカテーテル2の視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更することができる。
【0096】
尚、突起部36の突出、及び凹部38への収容を例えば、電磁ソレノイドを使用して行うようにしても良い。
【0097】
以上に述べた、各変形例の先端部5の構造とすることで、上述した、本実施の形態と同じ効果を奏する。
【0098】
また、上述した視野方向を直視状態、又は側視状態へ変更する可変機構を備えた先端部5の構造を備えた内視鏡1は、図30に示すように、第1の実施の形態に記載したイメージカテーテル2が挿入されたガイドカテーテル40を内視鏡チャンネル17に挿通して、上述の内視鏡的逆行性胆膵管造影法の手術にも使用することもできる。
【0099】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0100】
図31から図34は、本発明の第3の実施の形態を示し、図31はガイドカテーテル40の先端部分の構成を示す図、図32はガイドカテーテル40の先端部分の断面図、図33は保持部で先端部分を保持された湾曲部を備えたイメージカテーテルが挿通された状態のガイドカテーテル40の先端部分の側面図、図34は図33からイメージカテーテルが湾曲した状態を示すイメージカテーテルが挿通された状態のガイドカテーテル40の先端部分の側面図である。尚、本実施の形態の説明において、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0101】
図31、及び図32に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイド部41の延出側となる先端部分にモノレール構造をした弾性変形可能な保持部46を有している。この保持部46は、イメージカテーテル2、又は各種処置具の先端部分が挿脱できる孔部46aを有している。
【0102】
この保持部46は、ガイドカテーテル挿入部42内に配設されるスコープ/処置具チャンネル44の孔軸側となるように、ガイド部41の側面部から突出する方向に設けられている。また、保持部46の孔部46aは、ガイド部41が略直線状態のときに、スコープ/処置具チャンネル44の孔軸と略平行な孔軸を有している。
【0103】
このように、ガイド部41に保持部46を設けることで、ガイドカテーテル40は、図32に示すように、ここでは、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12が保持部46の孔部46aへ挿入されることによって保持することができる。
【0104】
また、イメージカテーテル2、又は各種処置具は、術者の手元側である基端側へ引っ張られると、保持部46の孔部46aからスコープ挿入部12、又はシースが容易に抜去される。これにより、術者は、イメージカテーテル2、又は各種処置具をガイドカテーテル40に対する挿抜が行えると共に、各種処置具を機能させることもできる。
【0105】
以上説明したように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、そのスコープ/処置具チャンネル44へ挿入されたイメージカテーテル2、又は各種処置具の先端部分を保持部46で確実に保持した状態とできる。そのため、術者は、ガイドカテーテル40と共に、イメージカテーテル2、又は各種処置具がずれることなく同時に内視鏡1の操作部側チャンネル開口部9から内視鏡チャンネル17へ容易に挿入することができる。また、術者は、ガイド部41の保持部にイメージカテーテル2、又は各種処置具を保持させることで、乳頭部51から胆管52、又は膵管53へイメージカテーテル2、又は各種処置具を容易に挿入することもできる。
【0106】
尚、イメージカテーテル2が能動的に湾曲する機能を先端部分に備えていた場合に、図33に示すように、イメージカテーテル2の先端部分がガイド部41の保持部46に挿通保持された状態であれば、本実施の形態のガイドカテーテル40は、図34に示すように、イメージカテーテル2の湾曲部12aによる湾曲動に追従して、ガイド部41も湾曲する構成となる。これにより、術者は、ガイドカテーテル40のガイド部41もイメージカテーテル2の湾曲部12aを湾曲させることで、ガイドカテーテル40を所望の導入方向へ自由に変更することができる。
【0107】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0108】
図35から図38は、本発明の第4の実施の形態を示し、図35はガイドカテーテル40の先端部分の構成を示す図、図36はガイドカテーテル40の先端部分の断面図、図37は変形例であるガイドカテーテル40の先端部分の断面図、図38は図37のガイドカテーテル40の作用を説明するための図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0109】
図35、及び図36に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイドカテーテル挿入部42の先端部分の周面部に穿設された複数、ここでは2つの孔部47a,47b(第1の孔部を構成している)を有している。これら孔部47a,47bは、ガイドカテーテル挿入部42に配設されるスコープ/処置具チャンネル44とガイドカテーテル40の外部とを連通させる。
【0110】
尚、これら孔部47a,47bは、2つに限ることなく、1つでも、2つ以上でも良く、胆管52には、通常において挿入されないガイドカテーテル挿入部42の先端部分に配置されていることが好ましい。
【0111】
ところで、例えば、スコープ/処置具チャンネル44の開口部44aが胆管52内、又は膵管53内まで挿入されている状態で、イメージカテーテル2がガイドカテーテル40に挿入されると、スコープ/処置具チャンネル44内の空気は、イメージカテーテル2によって押し流され、開口部44aから胆管52内、又は膵管53内に排気される。この胆管52内、又は膵管53内の空気は、X線撮影のときに黒い影となるため、術者は、この黒い影が胆石54、又は異常部位であるかの判断が困難となる。
【0112】
以上のように構成された本実施の形態のガイドカテーテル40は、図35に示すように、スコープ/処置具チャンネル44に挿抜される、ここでは、イメージカテーテル2のスコープ挿入部12によって、基端側からスコープ/処置具チャンネル44に押し流される空気を孔部47a,47bから排気することができる。勿論、各種処置具でも同様に、ガイドカテーテル40は、基端側からスコープ/処置具チャンネル44に押し流される空気を孔部47a,47bから排気することができる。
【0113】
そのため、ガイドカテーテル40は、スコープ/処置具チャンネル44の開口部44aが胆管52内、又は膵管53内まで挿入されている状態で、イメージカテーテル2、又は各種処置具がスコープ/処置具チャンネル44に挿入されても、基端側からスコープ/処置具チャンネル44内に押し流される空気を胆管52内、又は膵管53内へ送り込むのを防止することができる。
【0114】
これにより、術者は、X線撮影のときに、空気が原因となる黒い影が映し出されないため、胆石54、又は異常部位の判断が容易となる。
【0115】
また、このような構成によりガイドカテーテル40は、スコープ/処置具チャンネル44の開口部44aが胆管52内、又は膵管53内まで挿入されている状態で、イメージカテーテル2、又は各種処置具がスコープ/処置具チャンネル44から抜去される際に、胆管52内、又は膵管53内に注入されている造影剤を吸引してしまうことも防止することができる。
【0116】
尚、図37に示すように、ガイドカテーテル40のガイド部41で開口する流体供給チャンネル45に連通する孔部45b(第2の孔部を構成する)をガイドカテーテル挿入部42上に有していても良い。この孔部45bは、ガイド部41の近傍のガイドカテーテル挿入部42上に配設されることが望ましい。また、孔部45は、1つに限ることなく、複数でも良い。
【0117】
このように構成されたガイドカテーテル40では、図38に示すように、例えば、膵管53内にガイド部41を挿入して、膵管53内の膵汁をガイドカテーテル挿入部42上に形成した孔部45bから十二指腸50へ排出することができる。
【0118】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0119】
図39から図43は、本発明の第5の実施の形態に係り、図39はガイドカテーテルの先端部分の斜視図、図40は第1変形例を示す、ガイドカテーテルの先端部分の斜視図、図41は第2変形例を示す、ガイドカテーテルの先端部分の斜視図、図42は図39のガイドカテーテルの使用例を示す図、図43は図39のガイドカテーテルの使用例を示す図である。
【0120】
図39に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイド部41の根元部となる、ガイドカテーテル挿入部42の先端に処置具チャンネル(以下、第1の処置具チャンネルという)44の開口部(以下、第1の開口部という)44aとは別の開口部(以下、第2の開口部という)47aを有し、この開口部47aからガイドカテーテル挿入部42に処置具チャンネル44とは別に並設された処置具チャンネル(以下、第2の処置具チャンネルという)47を有している。
【0121】
尚、ガイドカテーテル40は、第1の開口部44aの位置に対して、第2の開口部47aが、図40に示すように、ガイドカテーテル挿入部42の長軸方向にズレた位置にあっても、図41に示すように、ガイド部41の根元部を挟んだ反対側の位置にあっても良い。
【0122】
このように構成された、本実施の形態の図39に示したガイドカテーテル40を術者は、図42に示すように、針状ナイフ65により、ガイド部41のみが胆管52内に挿入した状態で、十二指腸50の乳頭部を切開する際に、第1の処置具チャンネル44に処置具である、例えば、針状ナイフ65を挿入し、第1の開口部44aからナイフ部65aを延出させると共に、第2の処置具チャンネル47にイメージカテーテル2のスコープ挿入部12を挿入して、第2の開口部47aから先端面11を延出させる。
【0123】
このようなガイドカテーテル40の使用により、術者は、イメージカテーテル2の映像により、切開する乳頭部51に近接した画像を視認しながら手技が行える。さらに、ガイドカテーテル40は、イメージカテーテル2による近接した映像を取得できるため、病変部位の早期発見に役立ち、その状態のままで他の処置具を用いて治療が行える。
【0124】
また、術者は、ガイド部41の先端にある開口部45aから造影剤55を胆管52内に注入することもできる。尚、ガイド部41は、胆管52内に挿入することに限定することなく膵管53内に挿入しても、勿論構わない。
【0125】
また、術者は、本実施の形態のガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端部分を胆管52内に挿入した状態では、ガイド部41の先端にある45a開口部45aからイメージカテーテル2の先端面11を延出させることで、胆石54の色を判別して、この胆石54の種類、例えば、白色であれば比較的硬質なコレステロール、カルシウムなどの結石、又は、茶色であれば比較的軟質なビリルビンなどの結石と判断することができる。
【0126】
そのため、術者は、その胆石54の種類により、使用する処置具を選定することができるうえ、図43に示すように、例えば、第1の処置具チャンネル44を介して、バスケット把持鉗子63を第1の開口部44aから延出させ、バスケットワイヤ64内に胆石54を収容して把持し、処置具である電気水圧衝撃波砕石装置66を第2の処置具チャンネル47を介して開口部47aから延出させ、衝撃波発生部66aをバスケットワイヤ64で把持された胆石54にあてる。このようにして、術者は、胆石54を粉砕させる治療を行うこともできる。尚、電気水圧衝撃波砕石装置66は、圧縮波(衝撃波)によって結石を破砕する処置具である。
【0127】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0128】
図44は、本発明の第6の実施の形態を示し、ガイドカテーテル40の先端部分の構成を示す図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0129】
図44に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイド部41を伸縮自在な長さ可変構造を有している。詳しくは、ガイド部41は、複数、ここでは3つのチューブ体41aから41cと、ガイドカテーテル挿入部42の先端面の周部から延出する略筒状の延出部41dと、を有している。
【0130】
ガイド部41は、縮小状態のときに延出部41dの最内部に位置し、ガイド部41が延伸した状態のときに最先端に位置するチューブ体41aの外径が最も細径に設定され、徐々にチューブ体41a、チューブ体41b、及びチューブ体41cの順に夫々の外径が太径に設定されている。
【0131】
これらチューブ体41aから41cは、ガイド部41が縮小状態のときに、延出部41dに最内部からチューブ体41a、チューブ体41b、及びチューブ体41cの順に収容される。
【0132】
つまり、ガイド部41は、チューブ体41aの外径がチューブ体41bの孔径に略同一であり、チューブ体41bの外径がチューブ体41cの孔径に略同一であり、チューブ体41cの外径が延出部41dの孔径に略同一である。従って、ガイド部41は、各チューブ体41aから41cが前後にスライドすることで、所定の長さの範囲で伸縮自在となっている。
【0133】
また、各チューブ体41aから41c、及び延出部41dには、夫々のスライド範囲を規制し、ガイド部41が最長、又は最短の状態で夫々を係止する図示しないストッパが設けられている。
【0134】
尚、チューブ体41aは、造影剤など注入するため流体供給チャンネル45を有し、延出部41dからガイドカテーテル挿入部42内にスライド自在に配設され、ガイドカテーテル40の基端にある処置具挿通部43の側周部から基端部分が延出している。
【0135】
ガイド部41の伸縮操作は、チューブ体41aの基端部分を牽引弛緩することにより行われる。また、術者は、このチューブ体41aの基端部分にシリンジなどを接続することで、流体供給チャンネル45を介して、開口部45aから、胆管52、又は膵管53へ造影剤などの流体を注入することができる。
【0136】
以上のように構成されたガイドカテーテル40は、被検体によって個人差のある胆管52、又は膵管53の管径、長さ、形状などに合わせて、ガイド部41の長さを可変できるため、イメージカテーテル2、及び各種処置具を乳頭部51から胆管52、又は膵管53への挿入性を向上させることができる。
【0137】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、内視鏡システム18の構成の1つであり、内視鏡1と併用される第1の実施の形態に記載したガイドカテーテル40に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0138】
図45から図48は、本発明の第7の実施の形態を示し、図45は、ガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図、図46はガイドカテーテルの先端部分を示し、このガイドカテーテルに挿入されたパピロトミーナイフの先端部分が弓状にされた状態を示す図、図47は十二指腸乳頭部をパピロトミーナイフにより切開する動作を説明する図、図48は、胆石を取り込んだバスケット把持鉗子が十二指腸へ引き出された状態を示す図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0139】
図45に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイドカテーテル挿入部42の先端部分にスリット48a、及び長孔48bを有している。
【0140】
スリット48aは、ガイド部41が延出する反対側のガイドカテーテル挿入部42の周縁部の先端から、ガイドカテーテル挿入部42の軸に沿って所定の長さで形成されている。また長孔48bは、スリット48aの基端部分に形成されている。
【0141】
上述の第1の実施の形態にて記載したように、ガイドカテーテル40に挿入されたパピロトミーナイフ61は、乳頭部51を切開するために、その先端部分のワイヤカッタ62が引っ張られて弓状にされる。
【0142】
本実施の形態のガイドカテーテル40は、図46に示すように、パピロトミーナイフ61が弓状にされる際、ワイヤカッタ62全体がガイドカテーテル挿入部42の先端から導出していなくとも、スリット48aによりワイヤカッタ62をガイドカテーテル挿入部42からすり抜けさせる。そのため、パピロトミーナイフ61のワイヤカッタ62は、ガイドカテーテル挿入部42が邪魔にならず、容易、且つ確実に緊張することができる。
【0143】
更に詳述すると、術者は、図47に示すように、ガイドカテーテル40のガイド部41を乳頭部51から胆管52内に挿入すると共に、ガイドカテーテル挿入部42の先端を乳頭部51へ挿入した状態でも、ワイヤカッタ62を引っ張ることで、容易にパピロトミーナイフ61が弓状になる。
【0144】
このとき、ワイヤカッタ62の一部分がスリット48aを介してガイドカテーテル挿入部42の先端部分から突出した状態となる。そして、術者は、高周波をワイヤカッタ62に通電することで、乳頭部51の切開を行う。
【0145】
また、術者は、基端側のパピロトミーナイフ61に支持されているワイヤカッタ62の一端部分が、長孔48bに位置することで、パピロトミーナイフ61を長孔48bの形状だけ前後操作、及び軸回りの回動操作が行える。
【0146】
その結果、術者は、ガイドカテーテル挿入部42の先端を乳頭部51へ突きあてた状態で、ガイドカテーテル40を動かさずに、パピロトミーナイフ61が乳頭部51を切開するのに適した位置で安定して操作できる。
【0147】
尚、スリット48a、及び長孔48bを有しているガイドカテーテル40は、上述のパピロトミーナイフ61のみの操作性向上に限ることなく、例えば、図48に示すように、バスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64をガイドカテーテル挿入部42の先端部分から突出した状態にすることもできる。これにより、術者は、ガイドカテーテル挿入部42の先端部分が乳頭部51の近傍にあっても、バスケットワイヤ64を十二指腸50内へ露出し易くなる。
【0148】
つまり、術者は、胆石、又は膵石の採石時において、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端を乳頭部51へ挿入した状態でも、ガイドカテーテル40のスリット48a、及び長孔48bからバスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64を露出させることができる。
【0149】
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。本実施の形態では、内視鏡1の内視鏡チャンネル17、ガイドカテーテル40、イメージカテーテル2、及び各種処置具の断面形状に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0150】
図49から図53は、本発明の第8の実施の形態を示し、図49は内視鏡チャンネル、及びこの内視鏡チャンネルに挿通するガイドカテーテルの断面図、図50はガイドカテーテル、及びこのガイドカテーテルに挿通するイメージカテーテルの断面図、図51は側視型内視鏡の操作部側チャンネル開口部、ガイドカテーテルの先端部分、ガイドカテーテルの処置具挿通部、及び処置具であるイメージカテーテルの先端部分に夫々の長軸回りの挿入方向を規定する指標を示す図、図52はガイドカテーテルのガイド部からガイドカテーテル挿入部の基端まで形成されたレール状の溝部を示す図、図53は図52のガイドカテーテルに処置具が挿通した状態の断面図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0151】
図49に示すように、内視鏡1に配設される本実施の形態の内視鏡チャンネル17は、その横断面が楕円状に形成されている。ガイドカテーテル40は、ガイドカテーテル挿入部42が挿通する内視鏡チャンネル17の楕円状の挿通路と略同じ横断面形状となっている。
【0152】
このような構成にすることで、ガイドカテーテル40は、内視鏡チャンネル17内での長手軸回りの回動が規制され、内視鏡チャンネル17内で安定する。また、ガイドカテーテル40は、内視鏡チャンネル17によって捩れが防止され、操作性が向上する。
【0153】
さらに、図50に示すように、ガイドカテーテル40は、スコープ/処置具チャンネル44の横断面形状が楕円状に形成されていても良い。また、このスコープ/処置具チャンネルに挿通するイメージカテーテル2のスコープ挿入部12は、スコープ/処置具チャンネル44の楕円状の挿通路と略同じ横断面形状となっている。尚、図50では、イメージカテーテル2を図示しているが、各種処置具のシースもスコープ/処置具チャンネル44の楕円状の挿通路と略同じ横断面形状となっている。
【0154】
このような構成にすることで、イメージカテーテル2、及び各種処置具は、スコープ/処置具チャンネル44内で長手軸回りの回動が規制され、安定すると共に、捩れが防止され、イメージカテーテル2ではその視認方向が容易に特定でき、各種処置具ではその操作性が向上する。
【0155】
尚、図51に示すように、側視型内視鏡70の操作部73に配設される操作部側チャンネル開口部87、ガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42の先端部分、ガイドカテーテル40の処置具挿通部43の基端部分、及びイメージカテーテル2のスコープ挿入部12の先端部分の夫々に、挿入方向を規定する指標部87a,42d,47,14を設けることで、夫々対応して挿入する長軸回りの挿入方向を規定することができる。
【0156】
さらに、図52に示すように、ガイドカテーテル40は、ガイド部41に沿って、レール状の案内部を構成する溝部56をガイドカテーテル挿入部42の処置具チャンネル44に連通するように、基端まで形成しても良い。これにより、図53に示すように、処置具チャンネル44に挿入される所定の処置具59に上記溝部56の形状と略一致した係合部58を全長、又は先端部分に設けることで、処置具59の挿入方向を規定することができる。また、処置具59は、ガイド部41の延出方向に沿って係合部58が常に係合保持されるため、胆管52、又は膵管53への導入性が向上する。
【0157】
(第9の実施の形態)
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。本実施の形態では、ガイドカテーテル40のガイド部41に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0158】
図54から図58は、本発明の第9の実施の形態を示し、図54はガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図、図55はガイドカテーテルを先端から見た図、図56は第1の変形例となるガイドカテーテルの先端部分の断面図、図57は第2の変形例となるガイドカテーテルの先端部分の構成を示す図、図58は第2の変形例となるガイドカテーテルが十二指腸乳頭部から胆管内へ挿入された状態を示す図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0159】
図54、及び図55に示すように、本実施の形態のガイドカテーテル40は、ガイド部41の横断面形状が外周部に沿った湾曲した形状をしている。つまり、ガイド部41は、その横断面形状が略円形状のガイドカテーテル40の中心軸側に凹形状をしており、その凹形状の表面に凹状の所謂へら状の案内部を構成するガイド面49を有している。
【0160】
このような構成により、ガイドカテーテル40は、ガイドカテーテル挿入部42の先端の開口部44aから導出するイメージカテーテル2、又は各種処置具をガイド部41のガイド面49が、所謂レールとなって延出する方向へ直進ガイドする。すなわち、術者は、イメージカテーテル2、又は各種処置具をガイド部41のガイド面49に沿って、乳頭部51から胆管52、又は膵管53に容易に挿入することができる。
【0161】
また、このガイド部41の先端面には、上述した各実施の形態と同様に、流体供給チャンネル45の開口部45aの他に、さらに2つの開口部45b,45cが配設されている。これら開口部45b,45cは、ガイド部41、ガイドカテーテル挿入部42、及び処置具挿通部43まで延設される流体供給部43aとは別の図示しない流体供給路の夫々の開口である。
【0162】
つまり、ガイドカテーテル40は、3つの流体供給路(43a)を備えている。これにより、ガイドカテーテル40は、3つの流体供給路(43a)によって、造影剤の注入の他、例えば、送水、吸引などを選択的に同時に行える。特に、吸引では、胆管52内、又は膵管53内の胆汁などの生体液、又は空気、ガスなどの気体を取り除くことができる。これにより、術者は、造影剤を胆管52内、又は膵管53内へ充分に充填することができ、X線画像による異常部位、胆石などを容易に判断することができる。
【0163】
尚、図56に示すように、ガイドカテーテル挿入部42は、ガイド部41が延出する側と反対側の先端部分にイメージカテーテル2、又は各種処置具をガイド部41側へ押し付けるように突起部42aを有していても良い。これにより、イメージカテーテル2、又は各種処置具がガイドカテーテル挿入部42の開口部44aから導出した後、ガイド部41のガイド面49へ押し付けられる。そのため、術者は、イメージカテーテル2、又は各種処置具をガイド面49に沿うように進退し易くなる。
【0164】
さらに、図57に示すように、ガイド部41は、ガイドカテーテル挿入部42の延出側に向かってガイド面49側へ湾曲した曲がり癖が付けられていても良い。これにより、図58に示すように、イメージカテーテル2、又は各種処置具は、ガイドカテーテル挿入部42の開口部44aから導出後、胆管52内に挿入されている湾曲したガイド部41のガイド面49に沿う。従って、このような構成にしても、イメージカテーテル2、又は各種処置具がガイド面49に沿うように進退し易くなる。
【0165】
(第10の実施の形態)
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上述の各実施の形態のガイドカテーテル40のガイド部41と、各種処置具の関係について説明する。
【0166】
図59、及び図60は、本発明の第10の実施の形態を示し、図59はバスケット把持鉗子が挿入されているガイドカテーテルの先端部分の断面図、図60はバスケット把持鉗子が挿入されたガイドカテーテルのガイド部が胆管内へ挿入された状態を示す図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0167】
図59に示すように、上述の各実施の形態のガイドカテーテル40のガイド部41は、処置具である、ここではバスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64よりも長手軸方向の長さが長い。
【0168】
詳しくは、ガイド部41の長手方向の軸の長さをL1とし、バスケット把持鉗子63の処置部であるバスケットワイヤ64の長手軸方向の長さをL2とする。ガイド部41の長さL2は、バスケットワイヤの長さL2よりも充分に長く(L1>L2)なるように設定されている。
【0169】
つまり、図60に示すように、乳頭部51から例えば、胆管52に挿入されているガイド部41の全部が胆管52から抜き取られていない状態でも、ガイドカテーテル挿入部42から導出されたバスケット把持鉗子63のバスケットワイヤ64は、その全体が十二指腸50内に位置する。
【0170】
これにより、術者は、例えば、バスケットワイヤ64で採取した胆石54を十二指腸50に排出する際、ガイドカテーテル40のガイド部41を胆管52に挿入したまま行うことができる。つまり、術者は、バスケット把持鉗子63の操作を行うために、ガイドカテーテル40のガイド部41を胆管52に対して挿抜する操作を行わなくて良い。尚、本実施の形態では、バスケット把持鉗子63について言及したが、各種処置具、例えば、生検鉗子、高周波スネアなどの処置部の長手軸方向の長さよりもガイド部41の長さL1が充分に長くなるように設定される。
【0171】
従って、特に、術者は、ガイドカテーテル40のガイド部41を一度、乳頭部51から、胆管52、又は膵管53に挿入したら、ガイドカテーテル40に挿抜する複数の処置具による処置を終えるまで、乳頭部51から胆管52、又は膵管53へ再アプローチしなくても良くなる。
【0172】
(第11の実施の形態)
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態に記載したイメージカテーテル2が挿通する内視鏡1の挿通孔30の他にガイドカテーテル40が挿通自在なガイドカテーテル挿通孔部を付加したものである。
【0173】
図61、及び図62は、本発明の第11の実施の形態を示し、図61は内視鏡の先端部の一側面を示した平面図、図62は内視鏡の先端部を示した斜視図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0174】
図61、及び図62に示すように、本実施の形態の内視鏡1は、その先端部5の側視用孔32が開口している一側面に開口部29aを有するガイドカテーテル挿通路29を有している。
【0175】
このガイドカテーテル挿通路29は、その孔径がおよそ6mm程度であり、挿入部3から操作部4まで配設され、図示しないが、操作部4に設けられたガイドカテーテル挿通部で開口している。すなわち、ガイドカテーテル40は、このガイドカテーテル挿通路29に挿入され、先端部5の開口部29aから突出される。
【0176】
このような内視鏡1の構成によれば、術者は、イメージカテーテル2とガイドカテーテル40を別々に内視鏡1の挿入部3へ挿入できるため、ガイドカテーテル40を各種処置具のみの挿入に使用することができる。
【0177】
また、術者は、イメージカテーテル2を側視用孔32側へ挿入することで、ガイドカテーテル40に各種処置具を挿入した状態、及び各種処置の操作をX線による撮影を行わずに視認することもできる。尚、このとき、各光学部材22からの照明光により、乳頭部51周辺の体内組織が透過するため、胆管52、又は膵管53の内部まで視認が可能となる。
【0178】
(第12の実施の形態)
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態に記載した内視鏡1の先端部5の挿通孔30に特徴のある構成を付加したものを以下に説明する。
【0179】
図63から図71は、本発明の第12の実施の形態を示し、図63は内視鏡の先端部の一側面を示した平面図、図64は内視鏡の先端部の先端面を示した平面図、図65は内視鏡の先端部の断面図、図66は、先端部内にある孔部、直視用孔部、又は側視用孔部を示し、スコープ挿通凹部を示す先端部の部分断面図、図67はガイド部に保持部を備えたガイドカテーテル、及びイメージカテーテルを使用した場合の内視鏡の先端部の断面図、図68は図67に対応した構成による内視鏡の先端部が乳頭部近傍まで挿入され、ガイド部の保持部に保持されたイメージカテーテルが若干突出した状態を示す図、図69はイメージカテーテルと共にガイド部が胆管内へ挿入された状態を示す図、図70は、ガイドカテーテルのガイドカテーテル挿入部の先端部分が胆管内に挿入され、イメージカテーテルが保持部から外されて乳頭部を撮影している状態を示す図、図71は変形例を示し、内視鏡の先端部に保持部を設けた構成を説明するための図である。尚、本実施の形態の説明においても、上述の各実施の形態に記載した構成には、同じ符号を使って、それらの詳細な説明を省略する。
【0180】
図63から図66に示すように、先端部5に配設される挿通孔30、直視用孔31、及び側視用孔32の夫々の一外周部には、イメージカテーテル2がガイドカテーテル40の外周面に沿って挿通自在なイメージカテーテル挿通溝30a,31a,32aが夫々形成されている。
【0181】
2つのイメージカテーテル挿通溝30a,31aは、側視用孔32が開口している先端部5の一側面側の各挿通孔30,31の外周部の同じ軸に沿って、同じ断面形状で形成されている。またイメージカテーテル挿通溝32aは、先端部5の基端側の側視用孔32の外周部に沿って、各溝30a,31aと同じ断面形状に形成されている。
【0182】
イメージカテーテル挿通溝31aは、先端部5の先端面にある直視用孔31の開口部まで形成されている。一方、イメージカテーテル挿通溝32aは、先端部5の一側面にある側視用孔32の開口部まで形成されている。
【0183】
これらのイメージカテーテル挿通溝30aから32aは、イメージカテーテル2が挿通している状態で、イメージカテーテル2の外周部を保持する程度のクリアランスができるように設定された溝である。
【0184】
尚、先端部5の基端部分から操作部4まで配設される内視鏡チャンネル17にも、各イメージカテーテル挿通溝30aから32aと同じ形状で、イメージカテーテル挿通溝30aと同じ方向にイメージカテーテル2が挿通自在な溝部を設けることが好ましい。
【0185】
従って、本実施の形態の内視鏡1は、イメージカテーテル2をガイドカテーテル40に挿通せずに、ガイドカテーテル40の外周部に沿って挿入部3へ挿通することができ、ガイドカテーテル40の先端部分が向く方向に視野方向を臨ませることができる。このような内視鏡1の構成することで、上述の第11の実施の形態と同じ効果を奏することができる。
【0186】
次に、本実施の形態の側直変更自在な内視鏡1と、第3の実施の形態に記載した、ガイド部41に配設された保持部46を備えたガイドカテーテル40と、イメージカテーテル2を使用する場合について図67から図70を用いて説明する。
【0187】
図67に示すように、ガイド部41に保持部46を有するガイドカテーテル40においては、内視鏡1の挿通孔30にガイドカテーテル40が挿通されると共に、ガイド部41の保持部46に先端部分が保持されたイメージカテーテル2をイメージカテーテル挿通溝30aに同時に挿入することができる。
【0188】
図68に示すように、術者は、ガイドカテーテル40に保持されたイメージカテーテル2によって、十二指腸50の乳頭部51の位置を確認することができ、そして、イメージカテーテル2の映像により乳頭部51へのアプローチを視認しながら、図69に示すように、ここでは胆管52内にガイドカテーテル40のガイド部41を確実に挿入することができる。
【0189】
そして、術者は、イメージカテーテル2のみを手元側へ引っ張ることで、ガイドカテーテル40のガイド部41にある保持部46からイメージカテーテル2の先端部分を抜き取り、乳頭部51を介して、図70に示すように、十二指腸50内にイメージカテーテル2の先端面11を内視鏡1の先端部5から若干突出するように位置させる。これにより、術者は、イメージカテーテル2の映像により、乳頭部51の状態を視認することができる。すなわち、術者は、イメージカテーテル2を内視鏡1の撮像装置として使用することができる。尚、ここでは、内視鏡1を例に挙げたが、勿論、第1の実施の形態に記載した側視型内視鏡70にも同様に使用することができる。
【0190】
また、第3の実施の形態、及び本実施の形態に記載した保持部46の変形例として、図71に示すように、内視鏡1、又は側視型内視鏡70の先端部5,75にガイドカテーテル40のガイドカテーテル挿入部42を挿通保持する保持部68を設けても良い。このとき、先端部5,75には、ガイドカテーテル40を保持部68が設けられる側から反対側へ保持すると共に、突出させるための貫通孔が形成されているものである。
【0191】
以上の各実施の形態に記載した技術において、
以上の各実施の形態に記載した発明は、夫々の実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0192】
例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0193】
尚、本発明には、以下の付記項に記載する特徴を備えている。
【0194】
(付記項1)
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うため、少なくとも作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、
該第1のルーメンと連通し、上記基端領域の側周部に配設される少なくとも1つの第1の孔部と、
を具備することを特徴とするガイド用細長医療部材。
【0195】
(付記項2)
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うため、少なくとも作業用医療部材を挿通する第1のルーメンと、
を備え、
上記先端領域は、上記基端領域の上記近位端面の縁辺近傍から延設し、該近位端側の上記開口から延出する上記作業用医療部材を延出方向へ案内する案内部を備えていることを特徴とするガイド用細長医療部材。
【0196】
(付記項3)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
上記基端領域には、上記第2のルーメンに連通した、少なくとも1つの第2の孔部が形成されていることを特徴とする付記項1、又は付記項2に記載のガイド用細長医療部材。
【0197】
(付記項4)
上記基端領域には、上記第1のルーメンと連通する第1の孔部を備えていることを特徴とする付記項2に記載のガイド用細長医療部材。
【0198】
(付記項5)
上記基端領域は、上記近位端の上記開口から上記遠位端に向かって所定の長さで形成されたスリットを有していることを特徴とする付記項1から付記項4の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0199】
(付記項6)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設されていることを特徴とする付記項1から付記項5の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0200】
(付記項7)
上記先端領域の先端部分には、上記作業用医療部材を挿通保持する保持部を有することを特徴とする付記項1から付記項6の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0201】
(付記項8)
上記第1のルーメンは、上記作業用医療部材の回転を防止するため、該作業用医療部材の外形形状と係合する略同一形状をしていることを特徴とする付記項1から付記項7の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0202】
(付記項9)
上記基端領域の上記遠位端部分には、該作業用医療部材の作業方向の指示表示に合わせて、上記作業用医療部材を所定の方向に挿入するための指標部を備えていることを特徴とする付記項8に記載のガイド用細長医療部材。
【0203】
(付記項10)
上記先端領域の長さは、上記作業用医療部材の処置部の長さよりも長いことを特徴とする付記項1から付記項9の何れか1項に記載のガイド用細長医療部材。
【0204】
(付記項11)
観察光伝送部材が配設された長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、上記撮影装置の上記導入部を挿通するための第1のルーメンと、
該第1のルーメンと連通し、上記基端領域の側周部に配設される少なくとも1つの第1の孔部と、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備することを特徴とする細長医療装置。
【0205】
(付記項12)
観察光伝送部材が配設された長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うための撮影装置の上記導入部を挿通するための第1のルーメンと、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備し、
上記先端領域は、上記基端領域の上記近位端面の縁辺近傍から延設し、該近位端側の上記開口から延出する上記作業用医療部材を延出方向へ案内する案内部を備えていることを特徴とする細長医療装置。
【0206】
(付記項13)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
上記基端領域には、上記第2のルーメンに連通した、少なくとも1つの第2の孔部が形成されていることを特徴とする付記項11、又は付記項12に記載の細長医療装置。
【0207】
(付記項14)
上記基端領域には、上記第1のルーメンと連通する第1の孔部を備えていることを特徴とする付記項12に記載の細長医療装置。
【0208】
(付記項15)
上記基端領域は、上記近位端の上記開口から上記遠位端に向かって所定の長さで形成されたスリットを有していることを特徴とする付記項11から付記項14の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0209】
(付記項16)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の遠位端側で開口する第2のルーメンが配設されていることを特徴とする付記項11から付記項15の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0210】
(付記項17)
上記先端領域の先端部分には、上記撮影装置の上記導入部を挿通保持する保持部を有することを特徴とする付記項11から付記項16の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0211】
(付記項18)
上記第1のルーメンは、上記撮影装置の上記導入部の回転を防止するため、該導入部の外形形状と係合する略同一形状をしていることを特徴とする付記項11から付記項17の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0212】
(付記項19)
上記基端領域の上記遠位端部分には、上記撮影装置の上記導入部の作業方向の指示表示に合わせて、該導入部を所定の方向に挿入するための指標部を備えていることを特徴とする付記項18に記載の細長医療装置。
【0213】
(付記項20)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替える可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うため、少なくとも作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、
該第1のルーメンと連通し、上記基端領域の側周部に配設される少なくとも1つの第1の孔部と、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備することを特徴とする細長医療装置。
【0214】
(付記項21)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替える可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、所定の医療行為を行うため、少なくとも作業用医療部材を挿通する第1のルーメンと、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備し、
上記先端領域は、上記基端領域の上記近位端面の縁辺近傍から延設し、該近位端側の上記開口から延出する上記作業用医療部材を延出方向へ案内する案内部を備えていることを特徴とする細長医療装置。
【0215】
(付記項22)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
上記基端領域には、上記第2のルーメンに連通した、少なくとも1つの第2の孔部が形成されていることを特徴とする付記項21に記載の細長医療装置。
【0216】
(付記項23)
上記基端領域には、上記第1のルーメンと連通する第1の孔部を備えていることを特徴とする付記項21に記載の細長医療装置。
【0217】
(付記項24)
上記基端領域は、上記近位端の上記開口から上記遠位端に向かって所定の長さで形成されたスリットを有していることを特徴とする付記項20から付記項23の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0218】
(付記項25)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設されていることを特徴とする付記項20から付記項24の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0219】
(付記項26)
上記先端領域の先端部分には、上記作業用医療部材を挿通保持する保持部を有することを特徴とする付記項20から付記項25の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0220】
(付記項27)
上記第1のルーメンは、上記作業用医療部材の回転を防止するため、該作業用医療部材の外形形状と係合する略同一形状をしていることを特徴とする付記項20から付記項26の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0221】
(付記項28)
上記基端領域の上記遠位端部分には、該作業用医療部材の作業方向の指示表示に合わせて、上記作業用医療部材を所定の方向に挿入するための指標部を備えていることを特徴とする付記項27に記載の細長医療装置。
【0222】
(付記項29)
上記先端領域の長さは、上記作業用医療部材の処置部の長さよりも長いことを特徴とする付記項20から付記項28の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0223】
(付記項30)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替える可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
観察光伝送部材が配設された長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、上記撮影装置の上記導入部、又は所定の医療行為を行うための作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、
該第1のルーメンと連通し、上記基端領域の側周部に配設される少なくとも1つの第1の孔部と、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備することを特徴とする細長医療装置。
【0224】
(付記項31)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替える可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
観察光伝送部材が配設された長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、
該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、
上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、上記撮影装置の上記導入部、又は所定の医療行為を行うための作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、
を備えたガイド用細長医療部材と、
を具備し、
上記先端領域は、上記基端領域の上記近位端面の縁辺近傍から延設し、該近位端側の上記開口から延出する上記作業用医療部材を延出方向へ案内する案内部を備えていることを特徴とする細長医療装置。
【0225】
(付記項32)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
上記基端領域には、上記第2のルーメンに連通した、少なくとも1つの第2の孔部が形成されていることを特徴とする付記項21、又は付記項22に記載の細長医療装置。
【0226】
(付記項33)
上記基端領域には、上記第1のルーメンと連通する第1の孔部を備えていることを特徴とする付記項31に記載の細長医療装置。
【0227】
(付記項34)
上記基端領域は、上記近位端の上記開口から上記遠位端に向かって所定の長さで形成されたスリットを有していることを特徴とする付記項30から付記項33の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0228】
(付記項35)
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設されていることを特徴とする付記項30から付記項34の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0229】
(付記項36)
上記先端領域の先端部分には、上記撮影装置の上記導入部を(挿通)保持する(略管状の)保持部を有することを特徴とする付記項30から付記項35の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0230】
(付記項37)
上記第1のルーメンは、上記撮影装置の上記導入部の回転を防止するため、該導入部の外形形状と係合する略同一形状をしていることを特徴とする付記項30から付記項36の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0231】
(付記項38)
上記基端領域の上記遠位端部分には、上記撮影装置の上記導入部の作業方向の指示表示に合わせて、該導入部を所定の方向に挿入するための指標部を備えていることを特徴とする付記項37に記載の細長医療装置。
【0232】
(付記項39)
上記細長医療部材の上記チャンネルには、上記撮影装置の上記導入部が上記ガイド用細長医療部材、又は上記作業用医療部材と共に並列して挿通可能とする溝部が形成されていることを特徴とする付記項30から付記項38の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0233】
(付記項40)
上記先端領域の長さは、上記作業用医療部材の処置部の長さよりも長いことを特徴とする付記項30から付記項39の何れか1項に記載の細長医療装置。
【0234】
(付記項41)
体腔内に挿入され、医療部材が挿通自在なチャンネルを備えた挿入部と、
該挿入部の先端部分に配設され、上記チャンネルに挿通する上記医療部材の望む方向を切り替え自在な可変機構部と、
を備えた細長医療部材と、
観察光伝送部材が配設され、上記細長医療部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、
上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、
を備えた撮影装置と、
を備えたことを特徴とする細長医療装置。
【0235】
(付記項42)
所定の長さ、及び外径を有する断面略円形状の基端領域と、該基端領域の先端から延設し、該基端領域よりも小さな外径を有する先端領域と、上記基端領域内に配設され、上記先端領域の近位端、及び遠位端で開口すると共に、生体の体腔内の胆道/膵臓領域において、所定の医療行為を行うため、少なくとも第1、及び第2の作業用医療部材を挿通するための第1のルーメンと、を具備するガイド用細長医療部材を用いた手技方法であって、
上記生体の体腔内に挿入可能な挿入部を有する細長医療部材を介して、上記ガイド用細長医療部材を十二指腸領域の上記胆道/膵臓領域近傍に配置し、
上記ガイド用細長医療部材の先端を前記細長医療部材の上記挿入部から延出させて、上記ガイド用医療部材の上記先端領域を上記十二指腸領域から上記胆道/膵臓領域に挿入する。
【0236】
(付記項43)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1の作業用医療部材は、観察光伝送部材が配設され、上記細長医療用部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置であって、
上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記第1のルーメンに上記導入部を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記導入部の先端部分を上記近位端側の開口に配置し、
上記撮影装置によって上記胆道/膵臓領域を観察しながら、上記導入部の先端部分を上記十二指腸領域から上記胆道/膵臓領域に挿入する。
【0237】
(付記項44)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記第1のルーメンに上記第1、又は第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第1、又は第2の作業用医療部材の先端部分に配設された第1、又は第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1、又は第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0238】
(付記項45)
付記項44のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0239】
(付記項46)
付記項44のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0240】
(付記項47)
付記項44のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0241】
(付記項48)
付記項45のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第1のルーメンから抜き取り、
上記第1のルーメンに上記第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0242】
(付記項49)
付記項48のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0243】
(付記項50)
付記項48のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0244】
(付記項51)
付記項48のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0245】
(付記項52)
付記項48のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
所定の医療行為を行った後、上記第2の作業用医療部材を上記第1のルーメンから抜き取り、
さらに、上記第1のルーメンに挿通され、生体の体腔内の胆道/膵臓領域において、所定の医療行為を行うための第3の処置部を先端に備えた第3の作業用医療部材を用い、
上記近位端側の開口から上記第3の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第3の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第3処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0246】
(付記項53)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記基端領域の開口を有する上記近位端部分を該胆道/膵臓領域内へ挿入する。
【0247】
(付記項54)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1の作業用処置具は、観察光伝送部材が配設され、上記細長医療用部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置であって、
上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記第1のルーメンに上記導入部を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記導入部の先端部分を上記十二指腸領域から上記胆道/膵臓領域に挿入する。
【0248】
(付記項55)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0249】
(付記項56)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0250】
(付記項57)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0251】
(付記項58)
付記項54のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第1のルーメンから抜き取り、
上記第1のルーメンに上記第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0252】
(付記項59)
付記項58のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0253】
(付記項60)
付記項58のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0254】
(付記項61)
付記項58のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0255】
(付記項62)
付記項58のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
所定の医療行為を行った後、上記第2の作業用医療部材を上記第1のルーメンから抜き取り、
さらに、上記第1のルーメンに挿通され、生体の体腔内の胆道/膵臓領域において、所定の医療行為を行うための第3の処置部を先端に備えた第3の作業用医療部材を用い、
上記近位端側の開口から上記第3の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第3の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第3処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0256】
(付記項63)
付記項53のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1のルーメンを介して、上記胆道/膵臓領域内へ造影剤を注入する。
【0257】
(付記項64)
付記項63のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0258】
(付記項65)
付記項63のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0259】
(付記項66)
付記項63のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1の作業用処置具は、観察光伝送部材が配設され、上記細長医療用部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置であって、
上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記第1のルーメンに上記導入部を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記導入部の先端部分を上記十二指腸領域から上記胆道/膵臓領域に挿入する。
【0260】
(付記項67)
付記項66のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第1のルーメンから抜き取り、
上記第1のルーメンに上記第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0261】
(付記項68)
付記項67のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0262】
(付記項69)
付記項67のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第2の作業用処置具は、上記第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0263】
(付記項70)
付記項67のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
所定の医療行為を行った後、上記第2の作業用医療部材を上記第1のルーメンから抜き取り、
さらに、上記第1のルーメンに挿通され、生体の体腔内の胆道/膵臓領域において、所定の医療行為を行うための第3の処置部を先端に備えた第3の作業用医療部材を用い、
上記近位端側の開口から上記第3の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第3の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
X線により上記造影剤を用いて上記胆道/膵臓領域の状態を撮影して、
上記第3処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0264】
(付記項71)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する第2のルーメンが配設され、
観察光伝送部材が配設され、長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置の該導入部を、上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記第2のルーメンに上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記導入部の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1のルーメンから上記第1の作業用医療部材を上記胆道/膵臓領域内に挿入する。
【0265】
(付記項72)
付記項71のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記第1のルーメンに上記第1、又は第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第1、又は第2の作業用医療部材の先端部分に配設された第1、又は第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1、又は第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0266】
(付記項73)
付記項72のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0267】
(付記項74)
付記項72のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0268】
(付記項75)
付記項72のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0269】
(付記項76)
付記項71のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第2のルーメンから抜き取り、
上記第2のルーメンに上記第1、又は第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第1、又は第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第1、又は第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1、又は第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0270】
(付記項77)
付記項71のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記基端領域の開口を有する上記近位端部分を該胆道/膵臓領域内へ挿入する。
【0271】
(付記項78)
付記項77のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、チューブ体であって、
上記第1のルーメンに上記チューブ体を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記チューブ体の先端部分を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記チューブ体を介して、上記胆道/膵臓領域内に造影剤を注入する。
【0272】
(付記項79)
付記項77のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に高周波ナイフを備えた高周波処置具であって、
上記第1のルーメンに上記高周波処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記高周波ナイフを上記胆道/膵臓領域内に挿入して、
上記胆道/膵臓領域の一部を切開する。
【0273】
(付記項80)
付記項77のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記第1、又は第2の作業用処置具は、上記第1、又は第2の処置部に回収部を備えた回収処置具であって、
上記第1のルーメンに上記回収処置具を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記回収部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記胆道/膵臓領域内の異物を回収する。
【0274】
(付記項81)
付記項71のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
さらに、上記撮影装置の上記導入部を上記第2のルーメンから抜き取り、
上記第2のルーメンに上記第1、又は第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第1、又は第2の作業用医療部材の先端部分に配設された上記第1、又は第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第1、又は第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【0275】
(付記項82)
付記項42のガイド用細長医療部材を用いた手技方法において、
上記先端領域内には、先端、及び上記基端領域の上記遠位端側で開口する挿通孔が配設されており、
上記第1の作業用処置具は、観察光伝送部材が配設され、上記細長医療用部材の上記チャンネルに挿通自在な長尺な導入部と、上記観察光伝送部材に導光された観察光を撮影する撮影部と、を備えた撮影装置であって、
上記ガイド用細長医療部材を上記挿入部に挿入前、又は挿入後に、上記挿通孔に上記導入部を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記導入部の先端部分を上記挿通孔の上記近位端側の開口に配置し、
さらに、上記第1のルーメンに上記第2の作業用医療部材を上記遠位端側の開口から挿入し、
上記近位端側の開口から上記第2の作業用医療部材の先端部分に配設された第2の処置部を上記胆道/膵臓領域内に挿入し、
上記第2の処置部により、所定の医療行為を実施する。
【符号の説明】
【0276】
40・・・細長医療部材
44・・・ルーメン
42・・・挿入部
41・・・ガイド部
45・・・流体供給チャンネル
46・・・保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在な複数のルーメンが配設された長尺な挿入部と、
該挿入部の先端から延設され、該挿入部を案内するガイド部と、
を具備することを特徴とする細長医療部材。
【請求項2】
上記ガイド部の先端面に開口部を形成し、上記挿入部、及び該ガイド部に流体供給ルーメンを形成したことを特徴とする請求項7に記載の細長医療部材。
【請求項3】
上記挿入部の先端側外周部に上記複数のルーメンと連通する少なくとも1つの孔部を形成したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載細長医療部材。
【請求項4】
所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在なルーメンが配設された長尺な挿入部と、
該挿入部の先端から延出し、上記作業用処置具を案内するガイド部と、
該ガイド部が延出する上記挿入部の反対側の先端外周部に、上記ルーメンの開口部から基端側へ向かって形成された所定の長さのスリットと、
を具備することを特徴とする細長医療部材。
【請求項5】
上記ガイド部の先端面に開口部を形成し、上記挿入部、及び該ガイド部に流体供給ルーメンを形成したことを特徴とする請求項4に記載の細長医療部材。
【請求項6】
上記流体供給ルーメンを複数形成したことを特徴とする請求項4、又は請求項5に記載の細長医療部材。
【請求項7】
上記挿入部の上記ルーメンと連通すると共に、上記ガイド部まで延設し、上記作業用処置具に設けられた係合部と略一致した形状の溝部を形成したことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の細長医療部材。
【請求項1】
所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在な複数のルーメンが配設された長尺な挿入部と、
該挿入部の先端から延設され、該挿入部を案内するガイド部と、
を具備することを特徴とする細長医療部材。
【請求項2】
上記ガイド部の先端面に開口部を形成し、上記挿入部、及び該ガイド部に流体供給ルーメンを形成したことを特徴とする請求項7に記載の細長医療部材。
【請求項3】
上記挿入部の先端側外周部に上記複数のルーメンと連通する少なくとも1つの孔部を形成したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載細長医療部材。
【請求項4】
所定の医療行為を行う作業用処置具が挿通自在なルーメンが配設された長尺な挿入部と、
該挿入部の先端から延出し、上記作業用処置具を案内するガイド部と、
該ガイド部が延出する上記挿入部の反対側の先端外周部に、上記ルーメンの開口部から基端側へ向かって形成された所定の長さのスリットと、
を具備することを特徴とする細長医療部材。
【請求項5】
上記ガイド部の先端面に開口部を形成し、上記挿入部、及び該ガイド部に流体供給ルーメンを形成したことを特徴とする請求項4に記載の細長医療部材。
【請求項6】
上記流体供給ルーメンを複数形成したことを特徴とする請求項4、又は請求項5に記載の細長医療部材。
【請求項7】
上記挿入部の上記ルーメンと連通すると共に、上記ガイド部まで延設し、上記作業用処置具に設けられた係合部と略一致した形状の溝部を形成したことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の細長医療部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【公開番号】特開2011−251140(P2011−251140A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162363(P2011−162363)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【分割の表示】特願2007−547976(P2007−547976)の分割
【原出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【分割の表示】特願2007−547976(P2007−547976)の分割
【原出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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