説明

組み合わせカッタ

【課題】一時加工をする第一カッタと一次加工部に二次加工をする第二カッタを一つに組み合わせたカッタを提供する。
【解決手段】回転軸100に対して軸方向に重ね組み合わせて装着される第一カッタ20と第二カッタ50を有し、前記第二カッタ50は、前記回転軸100に装着される第二ベース52と、前記第二ベース52から前記第一カッタ20を厚み方向に超えて突出する第二ブレード78を有し、前記第一カッタ20は、前記第二カッタ50に重ねられ、かつ、前記第二ブレード78と干渉しない空間を有する第一ベース22と、前記第一ベース22から径方向外方に突出する第一ブレード40を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組み合わせカッタに関する。詳しくは、幅の比較的狭い被加工材、例えば板状の側部等を加工するカッタに関するものである。更に詳しくは、被加工材の側部などを切削する一次加工と一次加工部に二次加工とを同時に施すことのできる新規な組み合わせカッタを提供する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、製本時に使用されるカッタが開示されている。製本の一種には、糸や針金等を使用しない無線綴り製本がある。無線綴り製本は、表紙を付ける前の中本の背部を平面に形成した後、その平面に糊が塗布されて表紙を装丁して製本する。糊の種類や製本の仕上げ違いにより、中本の背部を平面に形成した後、更に平面に切欠きを形成して糊を塗布する場合がある。従来、平面を形成する加工(一次加工)と、切欠きを形成する加工(二次加工)は異なる工具(カッタ)を使用して別々になされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−50848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、一次加工と二次加工を短縮して行うことのできるカッタが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える組み合わせカッタであることを特徴とする。一つの特徴は、回転軸に対して軸方向に重ね組み合わせて装着される第一カッタと第二カッタを有する。第二カッタは、回転軸に装着される第二ベースと、第二ベースから第一カッタを厚み方向に超えて突出する第二ブレードを有する。第一カッタは、第二カッタに重ねられ、かつ、第二ブレードと干渉しない空間を有する第一ベースと、第一ベースから径方向外方に突出する第一ブレードを有する。
【0006】
したがって第一カッタによる加工と第二カッタによる加工を同時に行うことができる。これにより加工工程を短縮し得る。また第一カッタと第二カッタを一軸に装着できるので加工装置も小さくし得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の組み合わせカッタの斜視図である。
【図2】図1の矢印II方向からの組み合わせカッタの上面図である。
【図3】図2の矢印III方向からの組み合わせカッタの側面図である。
【図4】本発明の組み合わせカッタの分解斜視図である。
【図5】図4の矢印V方向からの第一カッタの上面図である。
【図6】図5の矢印VI方向からの第一カッタの側面図である。
【図7】図4の矢印VII方向からの第二ベースの上面図である。
【図8】図7の矢印VIII方向からの第二ベースの側面図である。
【図9】第二ブレードの斜視図である。
【図10】図9の矢印X方向からの第二ブレードの上面図である。
【図11】図1のXIにおける組み合わせカッタの部分拡大斜視図である。
【図12】図1のXIIにおける組み合わせカッタの部分拡大斜視図である。
【図13】組み合わせカッタの使用状態を説明するための図である。
【図14】図13の矢印XIV方向からの組み合わせカッタによって加工された被加工物の下面図である。
【図15】本発明の他の形態の組み合わせカッタの斜視図である。
【図16】図15の矢印XVI方向からの組み合わせカッタの上面図である。
【図17】図16のXVII−XVII線からの組み合わせカッタの断面図である。
【図18】図15のXVIIIにおける組み合わせカッタの部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態を図1〜14にしたがって説明する。図1〜4に示すように組み合わせカッタ10は、回転軸100に対して軸方向に重ねて装着される第一カッタ20(平面形成カッタ)と第二カッタ50(切欠きカッタ)を有する。
【0009】
第一カッタ20は、図4、5に示すように丸鋸あるいは側フライス等と同様の円板状である。第一カッタ20は、第一ベース22(円板状台金)と、第一ブレード40(切削刃)を有する。第一ベース22の中心には、軸方向に貫通する円形の嵌合孔24が形成される。第一ベース22の嵌合孔24より外周側には、周方向に複数箇所、軸方向に貫通する第一取付孔26が形成される。第一取付孔26の軸方向一端側は、円錐状に形成される。図6に示すように第一カッタ20の厚みT1は、撓み剛性を鑑み2.5〜21mm例えば4.7mmである。
【0010】
第一ベース22は、図5に示すように第一ベース22の本体部の外周に複数の刃取付部28を有する。刃取付部28は、例えば等中心角間隔で配され、第一ベース22の本体部から径方向に突出する。刃取付部28は、略山形状で形成される。刃取付部28の頂点部30は、径方向外方に突出し、かつ刃取付部28の回転方向F側に位置する。
【0011】
刃取付部28は、図11、12に示すように頂点部30の内周側に刃取付面34を有し、外周側に外周傾斜面36を有する。外周傾斜面36は、刃取付部28の頂点部30から回転方向Fの後方側の刃取付部28に向かい、かつ第一ベース22の径方向内方に延出する第一外周傾斜面36aと、第一外周傾斜面36aよりも大きな傾斜角で径方向内方に延出する第二外周傾斜面36bが形成される。第二外周傾斜面36bと刃取付面34の間には、径方向内方に凹の円弧面38が形成される。刃取付面34は、第一ブレード40が着座可能な段差状の棚が形成されている。刃取付部28の各間には、ガレット32が形成される。第一カッタ20の形状は、鋼板から例えばレーザーにて切り抜いて形成される。更に、刃取付面34部分はフライス等で切削し仕上げられる。
【0012】
図6、11、12に示すように刃取付面34には、第一ブレード40がろう材等で固着される。第一ブレード40は、矩形状の超硬合金あるいはサーメット等の硬質材料よりなる硬質チップ、多結晶ダイヤモンド等の高硬度焼結体よりなる高硬度チップで構成される。第一ブレード40は、すくい面42と、側逃げ面44と、側切刃46と、外周逃げ面48と、外周切刃49を有する。すくい面42は、回転方向F前方の外周傾斜面36と対向する。側逃げ面44は、厚み方向に略直交する。側切刃46は、すくい面42と側逃げ面44が交差する部位である。外周切刃49は、すくい面42と外周逃げ面48が交差する部位である。第一ブレード40は、第一ベース22から径方向外方に突出すると共に、第一ベース22の厚み方向(軸方向)上方に僅か突出する。
【0013】
図4に示すように第二カッタ50は、第二ベース52と、第二ブレード78(切欠き刃)を有する。
【0014】
第二ベース52は、図4、7、8に示すように円板状である。第二ベース52の外周径は、第一ブレード40の先端が位置する径(回転径)より小さく、第一カッタ20の円弧面38の位置する径より大きい。第二ベース52は、取付部54と当接面部64を一体に有する。取付部54は、第二ベース52の軸方向両側に平滑面を有する。
【0015】
取付部54は、図4、7、8に示すように14〜50mm例えば24mmの厚みT2を有する。取付部54の中心には、軸方向に円形の軸孔58が貫通される。取付部54は、第一カッタ20の嵌合孔24の径と略同一の径の外周面56を有する。取付部54は、軸方向にガイド孔60が複数貫通される。ガイド孔60は、取付部54に等中心角間隔で配置される。各ガイド孔60の間には、軸方向に第二取付孔62が貫通される。第二取付孔62の軸方向一端側は、円錐状に形成される。
【0016】
当接面部64は、図7、8に示すように取付部54の外周側に位置する。当接面部64は、取付部54より厚みが薄く環状である。当接面部64の厚みT3は、12〜30mm例えば20mmである。当接面部64は、軸方向に直交する平滑な面形状である。当接面部64には、複数の第一雌ねじ孔68が形成される。第一雌ねじ孔68は、等中心角間隔に配され、ねじ溝が形成される。第一雌ねじ孔68は、第一カッタ20の第一取付孔26に対応する位置に配置される。当接面部64の外周面66の軸方向のほぼ中央位置には、全周に亘って環状溝74が形成される。外周面66には、環状溝74より当接面部64に近い位置に、径方向内方に凹の取付座72が形成される。取付座72は、第一カッタ20のガレット32に対応して配置される。取付座72の底面73には、径方向内方に第二雌ねじ孔76が形成される。
【0017】
第二ブレード78は、図9、10に示すように略直方体形状である。第二ブレード78は、超硬合金あるいはサーメット等の硬質材料の硬質チップ、多結晶ダイヤモンド等の高硬度焼結体よりなる高硬度チップで構成される。第二ブレード78は、取付座72と略同幅の基部79を有する。基部79の長手方向一端には傾斜面80と切刃82が形成される。切刃82の先端84は、回転方向F側の先端に位置し長手方向高さが一番高い。切刃82は、先端84から回転方向Fの後方に傾斜している。切刃82は、先端84を有する三角形状の傾斜面88を有する。基部79の長手方向中央部には、第三取付孔86が貫通される。
【0018】
図11、12に示すように第二ブレード78は、取付座72に取り付けて第二ベース52の外周において厚み方向に突出する。取付座72の下端を構成する環状溝74の溝壁面の下側は第二ブレードの取り付け基準面となるので旋盤等により精度よく加工される。これにより、第二ブレード78の突出寸法が精度良く決定される。第二ブレード78は、取付座72の一部又は全てに固定され加工条件や切欠き溝Dのピッチ等(図14参照)によって決定される。
【0019】
図1、4に示すように回転軸100は、円板状の基台部101を有する。基台部101には、組み合わせカッタ10が軸方向に取り付けられる。基台部101は、嵌合軸部103とガイド部材102と第三雌ねじ孔104を有する。嵌合軸部103は、第二ベース52の軸孔58と略同一の径を有する。基台部101の軸中心には、嵌合軸部103が軸方向に突出する。ガイド部材102は、嵌合軸部103の外周に等中心角間隔で、かつ軸方向に複数突出する。ガイド部材102は、第二カッタ50のガイド孔60が挿入される。これにより、組み合わせカッタ10は、回転軸100に対して直交して配置され、かつ回転軸100の駆動力が伝達される。第三雌ねじ孔104は、各ガイド部材102の間に軸方向に形成される。第三雌ねじ孔104には、ねじ部材105が挿入される。これにより、組み合わせカッタ10は、回転軸100に軸方向から固定される。
【0020】
組み合わせカッタ10を組み立てる場合は、先ず、図4に示すように第一カッタ20と、第二ベース52を同心的に重ねる。嵌合孔24に取付部54を挿入し、第一ベース22と当接面部64を当接する。第一ベース22の第一取付孔26と第二ベース52の第一雌ねじ孔68を重ねてねじ部材70で螺合する。次に、第二ベース52に第二ブレード78を装着する。第二ブレード78は、第三取付孔86にねじ部材89を挿通して第二雌ねじ孔76に螺合して取付座72に固定する。第二ブレード78は、第一ベース30のガレット32内に位置し、第一カッタ20の厚み方向を超えて突出する。第一カッタ20と第二カッタ50が軸方向に重なって組み合わせカッタ10となる。
【0021】
組み合わせカッタ10を回転軸100に装着する場合は、先ず、図4に示すように、組み合わせカッタ10の第二カッタ側の面を回転軸100側に向ける。取付部54の軸孔58を嵌合軸部103に嵌合する。取付部54のガイド孔60をガイド部材102に挿通する。取付部54の第二取付孔62にねじ部材105を挿通して第三雌ねじ孔104と螺合する。組み合わせカッタ10の回転軸100への装着が完了する。
【0022】
書籍の無線綴り製本の一例の概略を示す。先ず、大判の用紙の表裏に複数のページを所定の配置位置に印刷する。印刷された前記用紙をページ順となるよう折り曲げる。この折り曲げたものをページ数に応じて複数重ね、中本を構成する。
【0023】
次に、図2、13に示すように組み合わせカッタ10を、中本Wの搬送ラインLの下方に配設された電動モータMから垂直上方に回転軸100に取り付ける。中本Wの背部Wa(背表紙貼着部分)を下にして、且つ下端が第一カッタ20の第一ブレード40よりわずかに下側に配置された状態で搬送ラインLに取り付ける。組み合わせカッタ10は、電動モータMの駆動力が回転軸100に伝達され、回転軸100周りに回転方向Fで回転する。搬送ラインLで送られた中本Wは、回転する組み合わせカッタ10によって背部Wa(背表紙貼着部分)のうち第一カッタ20より下側に突出した部分が加工される。背部Waは、第一カッタ20で平面に形成されると共に、第二カッタ50によって切欠き溝D(図14参照)が形成される。次に、切欠き溝の形成された平面に糊を塗布することで糊が中本に浸透する。かかる状態で表紙を中本の背部に装丁し、残り三方を裁断して製本とする。
【0024】
中本Wの背部Waは、図14に示すように所定のピッチで切欠き溝Dが形成される。この構成により、中本Wの背部Waを平面に形成する加工工程と、前記平面に切欠きを形成する加工工程が一軸に装着した組み合わせカッタ10のみで同時成形でき、一工程省略できる。本発明からなる組み合わせカッタ10は、中本Wの背部Waを別軸で平面に形成する場合には、第一カッタ20を組み合わさずに第二カッタ50単体でも使用可能である。中本Wの背部Waを平面に仕上げる必要のない場合も同様である。
【0025】
以上のように、本発明の組み合わせカッタ10は、回転軸100に対して軸方向に重ね組み合わせて装着される第一カッタ20と第二カッタ50を有する。第二カッタ50は、回転軸100に装着される第二ベース52と、第二ベース52から第一カッタ20を厚み方向に超えて突出する第二ブレード78を有する。第一カッタ20は、第二カッタ50に重ねられ、かつ、第二ブレード78と干渉しない空間を有する第一ベース22と、第一ベース22から径方向外方に突出する第一ブレード40を有する。
【0026】
したがって第一カッタ20による加工と第二カッタ50による加工を同時に行うことができる。これにより加工工程を短縮し得る。また第一カッタ20と第二カッタ50を一軸に並べるために加工装置も小さくし得る。
【0027】
第二カッタ50の第二ベース52は第一カッタ20と別個に単独で回転軸100に装着される取付部54を有する。したがって、第二カッタ50のみを回転軸100に取り付けることで第二カッタ50による加工のみを行うことができる。かくして、加工の多様性に応じ得る。
【0028】
第一カッタ20の第一ベース22には、複数の第一ブレード40の各間にガレット32が第二ブレード78と干渉しない空間として形成され、ガレット32に第二ブレード78が位置する。したがって、第一カッタ20の第一ブレード40に形成されるガレット32を第二ブレード78と干渉しない空間として有効に用いて、第二ブレード78が突出し得る。
【0029】
第二カッタ50の第二ブレード78は、第二ベース52に対し着脱可能である。したがって、第二ブレード78を取り外すことで第一カッタ20は、単独で使用可能な構成とすることができ、より一層、加工の多様性に応じて、種々の組み合わせを可能とすることができる。任意の刃形状、任意の数の第二ブレード78を任意の突出量に調整し第二カッタ50に固定できる。
【0030】
第一カッタ20のみを単独で取り外し可能である。したがって、第一カッタの第一ブレードの磨耗が進行した場合、容易に新規の第一カッタに交換することができ、被加工物に対する加工代の再調整が不要となり作業性の向上を図ることができる。
【0031】
次に、本発明の他の実施形態を図15〜18にしたがって説明する。他の実施形態のうち、前記実施形態と同様の構成については、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。他の実施形態における組み合わせカッタ210は、図15〜18に示すように第一カッタ220と第二カッタ250とを有する。組み合わせカッタ210は、第一カッタ220(平面形成カッタ)の第一ブレード240の回転径に対し第二カッタ250の第二ブレード278(切欠き刃)の回転径が更に小さい。第一カッタ220の第一ベース222(円板状台金)には、第二ブレード278が貫通する貫通孔233が形成される。貫通孔233は、ガレット232と繋がっている。貫通孔233は、鋼板から第一ベース222をレーザーにて切り抜く際に連続して形成される。第二ブレード278は、第二カッタ250の外周近傍に孔部による取付座272(貫通孔または止まり穴いずれでもよい)に固定される。第二ブレード278の固定は、第二カッタ250の外周側から螺子あるいは、ろう材等で接合される。
【0032】
以上のように、第一カッタ220の第一ベース222には、第二カッタ250の第二ブレード278が貫通可能な貫通孔233が第二ブレード278と干渉しない空間として設けられている。これにより、第二ブレード278を所望な位置に配置させ得る。
【0033】
第一カッタの第一ベース222には、複数の第一ブレード240の各間にガレット232が形成され、貫通孔233は、ガレット232と繋がって形成される。これにより、ガレット232と、貫通孔233をまとめて形成することができる。
【0034】
本発明の組み合わせカッタは、上記の形態に限定されず、その他各種の形態でも良い。例えば、他の加工例として、樹脂板の側面(厚みとなる面)の加工に応用してもよい。樹脂板の側面は、商品価値をよくする関係から、非常に平滑に仕上げられる。回転軸への取り付けは前記の実施形態と同じである。第二カッタの第二ブレードの切刃部は、平らな平面を仕上げるバイトの切刃に近似する形状をしている。これにより、第一カッタで側面を切削し平面を形成し、更に第二カッタの第二ブレードで仕上げ切削を行って平滑な平面に仕上げることができる。
【0035】
組み合わせカッタは、第一カッタの第一ブレードの回転径に対し、第二カッタの第二ブレードの回転径が小さくても良いし、第二カッタの第二ブレードの回転径が大きいものでも良い。この場合、第二カッタの第二ブレードが一次加工を行い、第一カッタの第一ブレードが一次加工を行う。例えば、第二ブレードが粗加工を行い第一ブレードが仕上げ加工を行うものでも良い。
【0036】
貫通孔は、ガレットと繋がって形成されるものでも良いし、繋がってないものでも良い。
【0037】
組み合わせカッタは、二枚の構成でも良いし、二枚以上の構成であっても良い。たとえば、組み合わせカッタは組み合わす際には必要に応じてスペーサを介しても良い。
【0038】
第二ブレードの先端は、第一カッタの厚みを僅か超えて回転軸延長方向に突出しても良いし、突出量を調整し得るスペーサを第一カッタと第二カッタとの間に挿入してもよい。
【0039】
本発明の実施形態においては、第二ベースは、円板状でも良いし、多角形状でも良い。
【0040】
第一カッタには、嵌合孔に代えて第二カッタと同心的に装着される構造を有していても良い。
【0041】
第二カッタに軸孔に代えて回転軸が同心的に装着される構造を有していても良い。
【0042】
組み合わせカッタの組み合わせ手順は、他の順番でも良い。例えば、第一カッタと第二ベースを重ね合わせる前に、第二ブレードを第二ベースに取り付けても良い。また、回転軸に第二ベースを取り付けてから第二ブレード、第一カッタを取り付けても良い。
【0043】
第二ブレードは、切欠き溝を形成するものでも良いし切削により所定形状の溝を形成する刃であっても良い。切刃の形状は用途により変更できる。
【0044】
取付座72は、複数構成されるものでも良いし一つの構成であっても良い。
【0045】
第二ブレードの取り付け構成は、種々のものが適用可能である。第二ベースから第一カッタを厚み方向に超えて突出する構成であれば良い。第二ブレードを着脱可能に固定できる取付座の構成でも良いし、ろう材で接合しても良い。
【符号の説明】
【0046】
10 組み合わせカッタ
20 第一カッタ(平面形成カッタ)
22 第一ベース(円板状台金)
32 ガレット
40 第一ブレード(切削刃)
50 第二カッタ(切欠きカッタ)
52 第二ベース
54 取付部
78 第二ブレード(切欠き刃)
100 回転軸
220 第一カッタ(平面形成カッタ)
222 第一ベース(円板状台金)
232 ガレット
233 貫通孔
240 第一ブレード
250 第二カッタ
272 取付座
278 第二ブレード(切欠き刃)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸に対して軸方向に重ね組み合わせて装着される第一カッタと第二カッタを有し、
前記第二カッタは、前記回転軸に装着される第二ベースと、前記第二ベースから前記第一カッタを厚み方向に超えて突出する第二ブレードを有し、
前記第一カッタは、前記第二カッタに重ねられ、かつ、前記第二ブレードと干渉しない空間を有する第一ベースと、前記第一ベースから径方向外方に突出する第一ブレードを有する組み合わせカッタ。
【請求項2】
請求項1に記載の組み合わせカッタであって、
前記第二カッタの前記第二ベースは前記第一カッタと別個に単独で前記回転軸に装着される取付部を有する組み合わせカッタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組み合わせカッタであって、
前記第一カッタの前記第一ベースには、複数の前記第一ブレードの各間にガレットが前記空間として形成され、前記ガレットに前記第二ブレードが位置する組み合わせカッタ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の組み合わせカッタであって、
前記第一カッタの前記第一ベースには、前記第二カッタの前記第二ブレードが貫通可能な貫通孔が前記空間として設けられている組み合わせカッタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−176448(P2012−176448A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39413(P2011−39413)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000165398)兼房株式会社 (28)
【Fターム(参考)】