説明

組み合わせ計測装置

【課題】複数の被計測物中から出荷に最適な被計測物の組み合わせを適宜選択できるとともに、被計測物の出荷用部材への詰め替え等の作業を自動的に行うことができ、作業時間の短縮及び費用の低減を図ることができる組み合わせ計測装置の提供。
【解決手段】多数の被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択する選択手段と、搬出手段により取出された被計測物を出荷用部材Bに詰め替えるパック詰め手段と、選択した各被計測物の重量と標準重量との差を求め、重量差に基づいて選択された各被計測物を予め設定された複数のサイズ種別の何れかに分類し、分類されたサイズ種別を示す判別信号を制御手段に出力する判別手段を備え、制御手段は、判別信号及び選択信号に基づき載せ換え機構110に選択された各被計測物Aa,Ab,Acをサイズ種別毎に設定された出荷用部材B上の位置に移送させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量等の管理値が個々で異なるきのこ等の物品を規定個数で組み合わせて出荷するに際し、多数の被計測物の中から規定値の許容範囲に合致する物品の組み合わせを適宜選択するための組み合わせ計測装置であって、特に被計測物の出荷用部材への詰め替え等の一連の作業を自動で行うことができる組み合わせ計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜やきのこ等の出荷に際しては、組み合わせ秤等の組み合わせ計測装置を使用し、多数の被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択し、その選択された複数の被計測物を発泡トレイ等の出荷用部材にパック詰めして出荷することが行われている。
【0003】
このような組み合わせ計測装置には、被計測物を載置する複数の計測部毎に計測が可能な計測手段を備え、この計測手段から得られる計測データに基づき多数の被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する最適な被計測物の組み合わせを選択し、その選択された被計測物をランプ等で表示して作業者に知らせるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
そして、この組み合わせ計測装置を使用した作業では、ランプで表示された位置の被計測物を作業者が計測部から作業員が手動で取出し、それを発泡トレイ等の出荷用部材上に並べ、その一方で作業者が取出されて空になった計測部に新しい被計測物を手動で補充していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−170361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、出荷に最適な組み合わせを適宜選択することができる一方、選択された各被計測物のサイズが不均一であるため、正確な位置管理が難しく、これらの各被計測物を発泡トレイ等の出荷用部材上に並べる作業は、作業員が手動で行わなければならなかった。
【0007】
従って、このようなパック詰め作業においては、作業標準時間(タクトタイム)を作業速度の遅い作業者に合わせて設定しなければならず、組み合わせ計測装置の性能を十分に生かしきれず効率が悪いという問題があった。
【0008】
また、選択される被計測物の位置は不規則であるため、その位置の計測部から被計測物を取り出し出荷用部材に並べる作業は、作業者の負担が大きく、集中力を長時間維持させることが困難であり、作業者一人当たりの作業継続時間が非常に短く、大勢で分担せざるを得ず、その為人件費が嵩み効率が悪いという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、複数の被計測物中から出荷に最適な被計測物の組み合わせを適宜選択できるとともに、被計測物の出荷用部材への詰め替え等の作業を自動的に行うことができ、作業時間の短縮及び費用の低減を図ることができる組み合わせ計測装置の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、被計測物が載置される複数の計測部毎に前記被計測物の重量を計測可能な計測手段と、該計測手段により計測された前記各被計測物の計測データに基づき多数の前記被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択し、且つ該選択した被計測物の位置を示す選択信号を出力する選択手段と、前記選択手段により選択された前記被計測物を前記計測部より搬出する搬出手段と、該搬出手段により取出された前記被計測物を出荷用部材に詰め替えるパック詰め手段と、前記選択信号に基づき前記パック詰め手段を制御する制御手段とを備えた組み合わせ計測装置であって、前記パック詰め手段は、前記搬出手段により搬出された前記選択された被計測物を仮置きする仮置き台と、該仮置き台に載置された前記各被計測物を把持して前記出荷用部材に移送する載せ換え機構とを備えるとともに、前記選択した各被計測物の重量と標準重量との差を求め、該重量差に基づいて前記選択された各被計測物を予め設定された複数のサイズ種別の何れかに分類し、該分類されたサイズ種別を示す判別信号を前記制御手段に出力する判別手段を備え、前記制御手段は、前記判別信号及び前記選択信号に基づき前記載せ換え機構に前記仮置き台に載置された各被計測物を前記サイズ種別毎に設定された前記出荷用部材上の位置に移送させ、前記各被計測物の位置を互いにずらして前記出荷用部材に並べて載置するようにしたことにある。
【0011】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記仮置き台には、前記被計測物の中央部を載架させる互いに間隔を置いて平行配置された一対の載架部を有する仮置き用トレイを設置し、前記制御手段は、前記載せ換え機構に前記両載架部間に位置する前記搬送物の中央部を把持させるようにしたことにある。
【0012】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記載せ換え機構は、スカラロボット等の水平多関節ロボットをもって構成されたことにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る組み合わせ計測装置は、上述したように、被計測物が載置される複数の計測部毎に前記被計測物の重量を計測可能な計測手段と、該計測手段により計測された前記各被計測物の計測データに基づき多数の前記被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択し、且つ該選択した被計測物の位置を示す選択信号を出力する選択手段と、前記選択手段により選択された前記被計測物を前記計測部より搬出する搬出手段と、該搬出手段により取出された前記被計測物を出荷用部材に詰め替えるパック詰め手段と、前記選択信号に基づき前記パック詰め手段を制御する制御手段とを備えた組み合わせ計測装置であって、前記パック詰め手段は、前記搬出手段により搬出された前記選択された被計測物を仮置きする仮置き台と、該仮置き台に載置された前記各被計測物を把持して前記出荷用部材に移送する載せ換え機構とを備えるとともに、前記選択した各被計測物の重量と標準重量との差を求め、該重量差に基づいて前記選択された各被計測物を予め設定された複数のサイズ種別の何れかに分類し、該分類されたサイズ種別を示す判別信号を前記制御手段に出力する判別手段を備え、前記制御手段は、前記判別信号及び前記選択信号に基づき前記載せ換え機構に前記仮置き台に載置された各被計測物を前記サイズ種別毎に設定された前記出荷用部材上の位置に移送させ、前記各被計測物の位置を互いにずらして前記出荷用部材に並べて載置するようにしたことにより、それぞれサイズの異なる被計測物を組み合わせて出荷用部材に詰める作業を自動で且つ好適に行うことができ、作業効率の向上及びコストの削減を図ることができる。
【0014】
また、本発明において、前記仮置き台には、前記被計測物の中央部を載架させる互いに間隔を置いて平行配置された一対の載架部を有する仮置き用トレイを設置し、前記制御手段は、前記載せ換え機構に前記両載架部間に位置する前記搬送物の中央部を把持させるようにしたことにより、より正確な位置管理をすることができる。
【0015】
更に本発明において、前記載せ換え機構は、スカラロボット等の水平多関節ロボットをもって構成されたことにより、把持ハンドユニットを互いに交差する3方向(xyz軸方向)の任意の位置に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る組み合わせ計測装置の一例を示す正面図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】同上の装置の下半部を示す平面図である。
【図4】図1中の組み合わせ秤の一例を示す平面図である。
【図5】図1中の搬出手段の一例を示す平面図である。
【図6】図5中の搬出用保持ハンドユニット部の一例を示す部分破断側面図である。
【図7】(a)は仮置き用トレイを示す平面図、(b)は同縦断面図、(c)は同A−A線断面図である。
【図8】図1中の載せ換え機構の一例を示す側面図である。
【図9】同上の正面図である。
【図10】(a)〜(d)は選択された被計測物と仮置き台上に載置される被計測物の位置関係を示す平面図である。
【図11】(e)〜(h)は同上の他の位置関係を示す平面図である。
【図12】(a)〜(c)は出荷部材を示す平面図であって、パック詰め手段による被計測物のパック詰め作業の行程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る組み合わせ計測装置の実施の態様を図1〜図12に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1は組み合わせ計測装置、符号Aはエリンギ等の被計測物である。
【0018】
この組み合わせ計測装置1は、組み合わせ秤2を設置した計測室3を備え、この計測室3内で組み合わせ秤2を使用して多数の被計測物A,A...の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する最適な被計測物の組み合わせを適宜選択し、その選択された被計測物A,A...を詰め替え室4に搬出し、詰め替え室4で発泡トレイ等の出荷部材Bに詰め替えるようになっている。
【0019】
組み合わせ秤2は、図4に示すように、被計測物A,A...が載置される複数の計測部5,5...毎に計測が可能な計測手段と、計測手段により計測された計測データに基づき多数の被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する被計測物Aの組み合わせを適宜選択する選択手段とを一体的に備え、この選択手段は、選択された被計測物A,A...が載置された計測部5の位置をランプ6の点灯で明示するとともに、選択された計測部5の位置を示す選択信号及び選択された被計測物の計測データを図示しないコントロールユニットからなる制御手段に出力するようになっている。尚、この組み合わせ秤2には、市販されている組み合わせ秤を使用することができる。
【0020】
この計測手段では、複数の計測部5,5...が作業ライン方向で直線状に並べられて計測部列a,bを形成するとともに、この計測部列a,bが互いに平行な多列配置(本実施例では2列)となっている。
【0021】
また、各計測部5,5...上には、被計測物Aを載置するための計測用トレイ7が設置されている。
【0022】
また、この組み合わせ計測装置1は、搬出手段8、補充手段9及びパック詰め手段10を備え、これら各手段8,9,10を選択信号に基づき制御手段により制御し、選択された被計測物A,A...の搬出、搬出されて空となった計測用トレイ7(計測部5)への新たな被計測物A,A...の補充及び搬出された被計測物A,A...の出荷部材Bへの積み替えからなる一連の作業を自動で行うことができるようになっている。
【0023】
搬出手段8は、図5に示すように、計測部列方向に向けた搬出用レール11と、搬出用レール11に沿って移動可能な複数の搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cと、各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cをそれぞれ独立して移動させる動作機構14とを備え、各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cが各々独立して組み合わせ秤2と詰め替え室4内に設置された仮置き台15との間を移動できるようになっている。
【0024】
各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cは、図6に示すように、計測部列間方向に向けた梁状のアーム部20と、アーム部20の下面部に計測部列間方向に間隔を置いて固定された複数のハンド32a,32bとを備え、各ハンド32a,32bに選択された計測部5,5の被計測物を把持させるようになっている。尚、図中符号21はアーム部を上下動させるためのシリンダである。
【0025】
尚、搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13c及び動作機構14は、それぞれ制御手段により制御され、制御手段からの命令信号に基づき動作し、制御手段は、選択手段より出力された選択された計測部5を示す選択信号に基づき動作機構14に各保持ハンドユニット13a,13b,13cを選択された計測部5上に移動させ、且つ保持ハンド32a,32bに選択された被計測物のみを保持させるようになっている。
【0026】
パック詰め手段10は、搬送手段8により組み合わせ秤2から移送された各被計測物A,A...を載置する仮置き台15と、仮置き台15に載置された被計測物を発砲トレイ等の出荷用部材Bに移送するための載せ換え機構110とを備え、図示しないコントロールユニットからなる制御手段により自動制御されている。
【0027】
また、パック詰め手段10には、各計測部5,5...の計測データと設定された標準重量とを比較してその差を求め、その重量差に基づいて選択された被計測物Aを予め設定された複数のサイズ種別の何れかに分類するCPU等の演算部からなる判別手段を備え、各被計測物A,A...の分類されたサイズ種別を示す判別信号を制御手段に出力するようになっている。
【0028】
尚、サイズ種別の例としては、規定個数3個で組み合わされた被計測物の合計規定重量が150gに設定されている場合に、50gを標準重量としてその差が5g未満であれば中サイズとし、差が正負それぞれ5g以上10g未満であればそれぞれ大サイズ、小サイズとし、差が正負それぞれ10g以上であればそれぞれ特大サイズ、特小サイズとし、特大、大、中、小、特小の5段階に規定したもの等が挙げられる。
【0029】
更に、このパック詰め手段10は、搬出用コンベア111上に出荷用部材Bを自動的に供給する部材供給機構112を備え、選択された複数の被計測物A,A...を搬出用コンベア111上で出荷用部材Bに詰め替え、それを搬出する一連の作業を自動で行うことができるようになっている。
【0030】
仮置き台15は、図3に示すように、上面部に複数の仮置き用トレイ113,113...を備え、各仮置き用トレイ113,113...が計測用トレイ7,7...と同じ方向に向けられ、且つ各計測部列a,bの延長線上に位置するように多列配置に固定されている。
【0031】
計測用トレイ7及び仮置き用トレイ113は、同一形状のものを使用し、図7に示すように、上面が開口した有底箱状に形成され、中央部に被計測物の中央部を載架させる一対の載架部114,114が互いに間隔を置いて平行に設けられている。
【0032】
また、仮置き用トレイ113の両側板には、後述する把持ハンドユニットの把持部が干渉しないようにするための逃げ用凹部115が形成されている。
【0033】
載架部114,114は、底部より立ち上げた板状に形成され、その上縁部中央に載架用凹部114aが形成されている。
【0034】
載架用凹部114aは、上向きに開口した半円状に形成され、半円内縁部の一番低い位置がトレイの中央部に配置されることにより、仮置き用トレイ113上に被移送物Aが載置された際に、両載架部114,114間に載架された被移送物中央部が凹部114a内縁に誘導されて最も安定した向きで載架される。
【0035】
このように仮置き用トレイ113上の載架部114,114間に被計測物の中央部を載架させ、後述する載せ換え機構110のハンド116,116...に載架部114,114間に位置する被計測物Aの中央部を把持させることにより個々にサイズの異なる被計測物Aa,Ab,Acであっても常に被計測物の中央部を基準に位置制御を正確に行うことができる。
【0036】
載せ換え機構110は、図8、図9に示すように、被計測物Aを把持する複数のハンド116,116...を有する把持ハンドユニット117と、把持ハンドユニット117を移動させる移動ユニット118とを備え、制御手段からの命令に基づき任意の位置に把持ハンドユニット117の位置を移動させることができるとともに、ハンド116,116...毎に動作を制御できるようになっている。
【0037】
この移動ユニット118には、例えば、スカラロボット等の水平多関節ロボットを使用する。
【0038】
この水平多関節ロボット118は、詰め替え室4の天井部に固定された基部119と、基部119に一端を水平方向で回動可能に支持させた第1の水平アーム120と、第1の水平アーム120に一端を水平方向で回動可能に支持させた第2の水平アーム121と、第2の水平アーム121の他端に上下動可能に支持された上下動アーム122とを備え、各アーム120〜122がそれぞれサーボ機構により動作され、上下動アーム122の下端部に固定された把持ハンドユニット117を制御手段からの命令に基づき互いに直交する3軸(xyz軸)の任意の方向及び位置に移動出来るようになっている。
【0039】
また、上下動アーム122は、回転可能で把持ハンドユニット117の水平方向の向きを自由に変えられるようになっている。
【0040】
把持ハンドユニット117は、上下動アーム122の下端に固定された平板状の支持部材123と、支持部材123に支持させた複数のハンド116,116...とをもって構成され、各ハンド116,116...が仮置き台15の各仮置き用トレイ113,113...と対応する位置にそれぞれ配置されている。
【0041】
ハンド116には、例えば、圧縮空気により爪部124,124が開閉するエアチャックを使用し、爪部124,124の開閉により爪部124に固定された把持部125,125が被計測物Aを把持し、或いは開放するようになっている。
【0042】
この把持ハンドユニット117に被計測物Aを把持させて搬出用コンベア111上の所定の停止位置にセットされた出荷用部材Bに被計測物を載せ換えるようになっている。
【0043】
部材供給機構112は、詰め替え室4外より空の出荷用部材Bを順次流下させる供給コンベア130と、供給コンベア130の最下流に到達した空の出荷用部材Bを搬出用コンベア111側に押し出す押出し用ユニット131とを備え、空の出荷用部材Bを自動で搬出用コンベア111に供給するようになっている。
【0044】
押出し用ユニット131には、シリンダ本体の一端面より出入りするシャフト133を有するエアシリンダー等を使用し、シャフト133の先端部に押し出し部材134が固定されており、このエアシリンダー131を動作させることにより押し出し部材134が空の出荷用部材Bを搬出用コンベア111側に押し出すようになっている。
【0045】
搬出用コンベア111は、サーボ機構により出荷用部材Bを詰め替え室外へ向けて順次送り出すとともに、所定の停止位置で停止し、その停止位置で載せ換え機構110による被計測物の載せ換えを行うようになっている。
【0046】
次に、上述の実施例に示す組み合わせ計測装置を使用した被計測物であるエリンギの出荷作業について説明する。
【0047】
まず、組み合わせ秤2の全ての計測部5,5...上に設置した計測用トレイ7,7...上に被計測物A,A...を補充する。その際、計測用トレイ7,7...の両載架部114,114間に被計測物Aの中央部を載架させる。尚、この計測用トレイ7,7...に被計測物A,A...を補充する作業は作業者が手動で行ってもよく、また、補充手段9を使用して補充するようにしてもよい。
【0048】
次に、計測手段により全ての被計測物A,A...の重量を計測し、その計測データに基づき選択手段が規定個数(本実施例では3個)で規定重量の許容範囲(145〜155g)に合致する被計測物の組み合わせAa(61g),Ab(52g),Ac(38g)を選択し制御手段にその選択された計測部5の位置を示す選択信号を出力する。
【0049】
一方、選択された被計測物Aa,Ab,Acの計測データは判定手段に出力され、判定手段により選択された各被計測物Aa,Ab,Acの重量と予め設定された標準重量(50g)との差を求め、その重量差に応じて各被計測物Aa,Ab,Acを予め設定された複数のサイズ種別(特大、大、中、小、特小)の何れかに分類し(ここではAaが特大、Abが中、Acが特小である場合について述べる)、そのサイズ種別を示す判別信号を制御手段に出力する。
【0050】
各サイズ種別には、中央部を基準に端までの距離を示す仮想長さが設定されており、分類された各被計測物はそのサイズ種別毎に設定された仮想長さであるものとして位置制御するようになっている。
【0051】
次に、制御手段は、選択信号に基づき搬出手段8に選択された被計測物Aa,Ab,Acを計測した計測部5(計測用トレイ7)から被計測物Aa,Ab,Acを取り出させ、仮置き台15の各計測部5と対応する位置の仮置き用トレイ113まで移送させる。尚、図10、図11に選択された被計測物Aa,Ab,Acと対応する各仮置き用トレイ113との位置関係の例を示す。
【0052】
そして各搬出用保持ハンドユニット13a,13b,13cを仮置き台15上から移動させ、しかる後、制御手段は、移動ユニット118を動作させ、把持ハンドユニット117を仮置き台15上に移動させるとともに上下動アーム122を下降させ、各ハンド116,116...に被計測物Aa,Ab,Acを把持させる。尚、制御手段は、選択信号に基づき被計測物Aa,Ab,Acに対応する位置のハンド116,116...のみを動作させる。
【0053】
その際、制御手段は、各ハンド116,116...に仮置き用トレイ113の両載架部114,114間に載架された被計測物Aの中央部を把持させ、何れのサイズ種別の被計測物Aa,Ab,Acであってもその中央部を以て位置管理できるようにしている。
【0054】
一方、部材供給機構112により出荷用部材B,B...が搬出用コンベア111に供給され、所定の停止位置で出荷用部材Bを停止させ、その停止位置において各ハンド116,116...に把持させた被計測物Aa,Ab,Acを選択信号及び判別信号に基づき出荷用部材Bに載せ換える。
【0055】
まず、制御手段は、判別信号に基づき最もサイズの大きいサイズ種別特大の被計測物Aaを把持したハンド116の位置を図12(a)に示す出荷用部材B上の一方に片寄せた位置に移動させ、その位置で把持ハンドユニット117を下降させるとともに、被計測物Aaを把持したハンド116のみを動作させて被計測物Aaを解放して出荷部材B上に載置させる。
【0056】
この各被計測物Aa,Ab,Acを載置する出荷部材B上の位置は、他のサイズ種別(中、特小)との関係でそのサイズ種別(特大)の被計測物を載置するのに最も適した位置が作業員等の経験則や見栄え等に基づき予め設定されており、制御手段は、その設定に基づき移動ユニット118及び把持ハンドユニット117を制御するようになっている。
【0057】
尚、サイズ種別(特大)が同じであっても、選択された被計測物Aa,Ab,Acのサイズ種別の組み合わせ(例えば、サイズ種別特大、小、小の組み合わせの場合等)が異なる場合には、他のサイズ種別(サイズ種別小、小)との関係で最適な載置位置が変わるのでその位置設定が異なる。
【0058】
次に、サイズ種別中の被計測物Abを把持したハンド116の位置をサイズ種別毎の設定に基づき、図12(b)に示す出荷用部材B上の上流側に片寄せた位置に移動させ、その位置で把持ハンドユニット117を下降させるとともに、被計測物Abを把持したハンド116のみを動作させて被計測物Abを解放し、出荷部材B上に載置させる。
【0059】
そして最後に、サイズ種別特小の被計測物Acを把持したハンド116の位置を図12(c)に示す出荷用部材B上の被計測物Aa,Ab間の位置、即ちサイズ種別毎に設定された位置に移動させ、その位置で把持ハンドユニット117を下降させるとともに、被計測物Acを把持したハンド116のみを動作させて被計測物Acを解放し、出荷部材B上に載置させる。
【0060】
このように選択された被計測物Aa,Ab,Acを複数のサイズ種別(特大、大、中、小、特小)の何れかに分類し、サイズ種別を示す判別信号に基づき移動ユニット118及び把持ハンドユニット117をサイズ種別毎に設定された位置において動作させることにより、それぞれサイズの異なる被計測物Aa,Ab,Acを自動で出荷用部材B上にずらして載置することができる。尚、サイズ分けを細かく行えば、その分出荷用部材B上の位置を適格に指定することができ、より正確な位置制御が可能となる。
【0061】
最後に搬出用コンベア111を動作させ、パック詰めされた出荷用部材Bを詰め替え室4より搬出し作業が完了する。
【0062】
尚、上述の実施例では、移動ユニット118としてスカラロボット等の水平多関節ロボットを使用した例について説明したが、垂直多関節ロボットやその他の装置を用いてもよい。
【符号の説明】
【0063】
A 被計測物
1 組み合わせ計測装置
2 組み合わせ秤
3 計測室
4 詰め替え室
5 計測部
6 ランプ
7 計測用トレイ
8 搬出手段
9 補充手段
10 詰め替え手段
11 搬出用レール
12 支持部材
13 搬出用保持ハンドユニット
14 動作機構
15 仮置き台
32 ハンド
110 載せ換え機構
111 搬出用コンベア
112 部材供給機構
113 仮置き用トレイ
114 載架部
115 逃げ用凹部
116 ハンド
117 把持ハンドユニット
118 移動ユニット
119 基部
120 第1の水平アーム
121 第2の水平アーム
122 上下動アーム
123 支持部材
124 爪部
125 把持部
130 供給コンベア
131 押し出し用ユニット
132 シリンダ本体
133 シャフト
134 押し出し部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計測物が載置される複数の計測部毎に前記被計測物の重量を計測可能な計測手段と、該計測手段により計測された前記各被計測物の重量データに基づき多数の前記被計測物の中から規定個数で規定重量の許容範囲に合致する被計測物の組み合わせを選択し、且つ該選択した被計測物の位置を示す選択信号を出力する選択手段と、前記選択手段により選択された前記被計測物を前記計測部より搬出する搬出手段と、該搬出手段により取出された前記被計測物を出荷用部材に詰め替えるパック詰め手段と、前記選択信号に基づき前記パック詰め手段を制御する制御手段とを備えた組み合わせ計測装置であって、
前記パック詰め手段は、前記搬出手段により搬出された前記選択された被計測物を仮置きする仮置き台と、該仮置き台に載置された前記各被計測物を把持して前記出荷用部材に移送する載せ換え機構とを備えるとともに、
前記選択した各被計測物の重量と標準重量との差を求め、該重量差に基づいて前記選択された各被計測物を予め設定された複数のサイズ種別の何れかに分類し、該分類されたサイズ種別を示す判別信号を前記制御手段に出力する判別手段を備え、
前記制御手段は、前記判別信号及び前記選択信号に基づき前記載せ換え機構に前記仮置き台に載置された各被計測物を前記サイズ種別毎に設定された前記出荷用部材上の位置に移送させ、前記各被計測物の位置を互いにずらして前記出荷用部材に並べて載置するようにしたことを特徴としてなる組み合わせ計測装置。
【請求項2】
前記仮置き台には、前記被計測物の中央部を載架させる互いに間隔を置いて平行配置された一対の載架部を有する仮置き用トレイを設置し、前記制御手段は、前記載せ換え機構に前記両載架部間に位置する前記搬送物の中央部を把持させるようにした請求項1に記載の組み合わせ計測装置。
【請求項3】
前記載せ換え機構は、スカラロボット等の水平多関節ロボットをもって構成された請求項1又は2に記載の組み合わせ計測装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−3102(P2013−3102A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137517(P2011−137517)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(390034142)ホクト株式会社 (14)
【Fターム(参考)】