説明

組み換え酵母を用いた経口/経粘膜ワクチン接種のための方法

本発明は、ワクチン接種のために、特に食餌供給による経口ワクチン接種のために使用される、組み換え酵母細胞の製造を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
感染疾患の抑止は、ヒト医薬においてもまた同様に獣医薬においても未だに大きな挑戦である。ウィルス感染の場合ではこの状況では特に複雑になり、これは細菌感染とは対照的に、通常は、広範囲な作用物質を用いて克服されることができず、大きな経済的被害を引き起こす。したがって、ウィルス疾病に対する新規の効果的な接種戦略の開発は、特別な意義を当然有する。
【0002】
典型的には、ウィルス疾病に対して、予防的な接種のために、そして治療的な接種のためにも、「弱毒化した」、すなわち、顕著に低下したビルレンスを有するか又はビルレンスのない、突然変異生成により変化したウィルス(「生ワクチン」)、又は不活化したウィルス(「死ワクチン」)が使用される。最近、いわゆる「サブユニットワクチン」又は「サブユニットマーカーワクチン(Markervakzine)」もますます確立されており、その際、一定の遺伝子工学的に製造された、病原体の「主要抗原(Hauptantigene)」が接種のために使用される。「マーカーワクチン」との概念は、ワクチン接種された個体が、続く診断的分析により、天然で感染した個体とは一義的に区別されることを意味する。主要抗原とは、例えば、ウィルス殻又はウィルスキャプシドのタンパク質であって、完全なウィルス粒子の非存在において液性及び/又は細胞性免疫応答を宿主中で誘導でき、この結果ウィルス感染を予防的に又は治療的に回避又は克服できるものが理解される。「サブユニットワクチン接種(subunit Vakzinierung)」は、主要抗原が特性決定されていることを前提とする。このようなタンパク質の製造(発現)及び免疫原性の作成(Formulierung)(「抗原作成」)には、接種プロセスにとって鍵となる役割が当然与えられ、というのも特に、ウィルス殻タンパク質は大抵水溶性でなく、そして、まれな場合にしか細菌発現システム中で組み換えにより製造されることができないからである。相応して、「サブユニット」ワクチンを精製した形態で獲得し、その耐久性を確保する方法は手間がかかる。
【0003】
組み換えタンパク質のための発現システムとしての酵母は、細菌システムの経済的利点と、より多くの細胞に典型的な組織形態(Organisationsform)とを兼ね備えている。酵母は細胞内の膜システムにより区画化されており、このことは酵母を細菌性宿主システムから根本的に相違させ、そして膜にアンカーしたウィルス性殻タンパク質の発現又は全体的なウィルスキャプシドの発現さえも可能にする。加えて、ベータ−グルカン、酵母細胞壁を構築するグルコースポリマーは、長い間知られている免疫刺激作用を有する。したがって、本発明の課題は、完全な酵母をワクチン接種のために使用することができる方法を開発することにあった。この課題は、遺伝子工学的方法を用いて、免疫原性デターミナントのための遺伝子を非病原性酵母のゲノム中に導入し、かつ発現させ、そして、この組み換え酵母細胞を直接的にワクチン接種に、特に食餌供給(Fuetterung)による経口ワクチン接種に使用することによりにより解決された。
【0004】
クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)
クルイベロマイセス・ラクチスは、GRASステータス(generally regarded as safe)を有するいわゆる食品グレードの酵母に属する。食品添加物として千年にわたり検査されかつ定評のあるパン酵母と同様に、乳製品製造においてしばしば代表される酵母K.ラクチスも食品産業のために懸念がないと認められる。
【0005】
経口/経粘膜接種
接種物質/抗原の投与のためには以下の代替策が選択のために存在する:皮下、筋肉内、非経口又は粘膜/経口。最初に挙げた3つの場合には抗原が直接的に血流又はリンパ路中に達する一方で、粘膜/経口適用ではこの抗原の曝露は気管支又は消化管路の粘膜を介して経過する。経粘膜/経口との概念は、抗原の、鼻/気管支を経た、また同様に経口による投与も包含する。気管支粘膜もまた同様に腸粘膜も、不変的に病原体に曝露されており、かつ、自体で感染物質のための重大な吸収バリアーである。この粘膜表面と連結した免疫システム、特別に、粘膜の腸上皮の免疫システムは、例えば、人体において全免疫コンピテント細胞の約90%を包含する。この腸粘膜中ではいわゆる誘導性部位(inductive site)中で、抗原の吸収及び提示が、「パイエル板(Peyer's patches)」の樹状細胞及びM細胞(まとめて、MALT、mucosa-associated lymphoid tissue)によって行われるが、より新規の知見によれば、腸細胞及び腸の上皮細胞によっても行われる。類似の状況は、鼻/気管支の粘膜(BALT、bronchial associated lymphoid tissue)にも存在する。免疫応答の消失後に、生物全体において、また同様に、粘膜特異的記憶免疫細胞のいわゆるエフェクター部位においても発生し、これは通常は、当初の抗原/病原体に対する長期にわたる保護を媒介する。
【0006】
経口/経粘膜接種方法の利点
非経口免疫化に比較すると、経口/経粘膜免疫化は、顕著により高い量の抗原の使用を必要とする。しかし、経口/経粘膜ワクチン接種により、非経口接種とは対照的に、全身性免疫応答の他に、この粘膜のエフェクター部位での局所的免疫応答も誘導することができる。特殊に、粘膜を介して(も)伝達される病原体(例えば、ウシウィルス性下痢ウィルス、BVDV、及び古典的ブタペストウィルス、CSFV;以下も参照のこと)では、経粘膜/経口ワクチン接種は、活性がありかつ長期持続する免疫性を生じる潜在性を有する。経口ワクチン接種の更なる重要な利点は、良好な許容性及び経済性である。最も好ましい場合には、このワクチンは低コストで製造され、栄養と一緒に単純に投与されることができる。
【0007】
したがって、ウィルス抗原を発現する酵母株の経粘膜/経口投与は、懸念がないだけでなく、付加的な健康上有益なかつアジュバントな作用を有することができる。
【0008】
今となっては、酵母ゲノム中への外来遺伝子の狙いを定めた組み込みを可能にし、かつ、これにより相応する抗原作成を可能にする発現システムを、クルイベロマイセス・ラクチスを基礎として開発するという課題が存在していた。更なる課題は、特異的なウィルス抗原を発現する組み換えK.ラクチス株を、接種のため、特に粘膜/経口接種のために使用することであった。
【0009】
本発明によれば、遺伝子工学的方法を介して、K.ラクチス株、好ましくはVAK367-D4及びこの株の変異体が生産され、これは、付加的なDNA配列(選択マーカー及び類似物)を導入する必要性なしに、この酵母ゲノムのLAC4座での外来遺伝子の狙いを定めた組み込みを可能にする。この組み換え酵母株は、選択圧なしに安定であり、かつ、発酵条件下で高い密度で培養されることができる。この外来遺伝子発現は、ラクトース又はガラクトースにより適量で(dosiert)誘導されることができるか、又は調節遺伝子KIGAL80の遮断(Ausschalten)により構成的に活性化されることができる。この外来遺伝子発現は、内在性レポーター遺伝子の発現を介して間接的に定量化されることができる。
【0010】
K.ラクチス株VAK367-D4を基礎とした組み換え変異体の系列が生産された。一般的にこの変異体は誘導可能に有意な量のタンパク質、又はこのタンパク質のドメイン、又は異種のタンパク質ドメインと融合したこのタンパク質のドメインを発現する。この場合に類似した異種のタンパク質ドメインが、免疫応答(アジュバント目的)の狙いの定められた刺激又は発現された外来タンパク質の狙いの定められた区画化(Kompartimentierung)に酵母細胞中で利用される。アジュバント効果の他に、この発現した外来タンパク質の区画化は、発現産物の発現の最適化又は作成に重要である。この組み換えK.ラクチス株(実施例参照のこと)の1つは、経粘膜/経口接種のために成功して使用された。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、適した組み込みベクター、例えばKlp3の利用では、相同組み換えにより破断カセットが、ScURA3マーカーの損失下で完全なLAC4遺伝子が再構成するように置き換えられることを示す図である。
【図2】図2は、プラスミドKlp3-E2-1(9437bp)を示す図である。
【0012】
実施例:
1.K.ラクチス株VAK367-D4(Met- ura3 lac4::ScURA3)の作成
外来タンパク質の異種発現のための出発株VAK367は以下の特性を有する:これは高い細胞密度での培養を可能にし、この場合に細胞内タンパク質を検出可能に放出しない。これに関して、この株は、種々の密接に類似するK.ラクチス株とは異なる。株VAK367は、株CBS 2359(Centraalbureau voor Schimmelcultures http://www.fungalbiodiversitycentre.com)から2つの突然変異生成サイクルにより導き出され、アミノ酸メチオニン及び核塩基ウラシルに関して栄養要求性である。株VAK367から遺伝子工学的方法を用いて株VAK367-D4(ブラウンシュバイクにおいてDeutschen Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ)で寄託されている)が導き出され、この中ではプラスミドpD4-2を用いてLAC4遺伝子の配列+358〜+1181がScURA3遺伝子により置換されている。株VAK367-D4は、ラクトース成長を選択することにより、付加的なマーカーなしに、LAC4の座で外来遺伝子の組み込みを可能にする。この場合に、適した組み込みベクター、例えばKlp3(以下参照)の利用では、相同組み換えにより破断カセット(Disruptionskassette)が、ScURA3マーカーの損失下で完全なLAC4遺伝子が再構成するように置き換えられる。(図1)。
【0013】
2.外来遺伝子の誘導可能な発現を可能にする組み込みベクターの発生
ベクター:Klp3
ベクターKlp3とは、ARS1配列を欠失しているため酵母中で自律的に複製できない、YRp7を基礎とする大腸菌ベクターである。Klp3は、LAC4座での組み込みを相同組み換えにより可能にするK.ラクチス配列を含む(LAC4の上流領域及びLAC4リーディングフレームの5′末端)。LAC4プロモーターと転写開始の間に、TEF1ターミネーター及びKIGAL80プロモーターを含むDNA断片が挿入された。これにより、LAC4リーディングフレームはKIGAL80プロモーターの制御下にあり、これは、転写因子KIGal4を介してLAC4プロモーターと共制御される(Zenke et al. 1993, Molecular and Cellular Biology, 13:7566-7576)。この構築により、LAC4コードされたβ−ガラクトシダーゼの測定を介して、外来遺伝子発現の誘導を追跡することが可能になる。Klp3は、LAC4プロモーター及びTEF1ターミネーターの間の外来遺伝子の組み込みをユニークなSa/l切断部位を介して可能にする。この発現カセットの組み込みのために、Klp3をHpaI又はEcoRIで消化し、K.ラクチスVAK367-D4中に形質転換する。この場合に、この発現カセットから大腸菌ベクター部分を分離し、この結果この生じる株は細菌配列を含まない。
【0014】
プラスミドKlp3-E2-1(9437bp)(図2)
ウィルス性構造タンパク質E2をコードする、このウィルスBVDVの遺伝子セグメントを、SalI−XhoI断片としてSalI切断部位中にLAC4プロモーター及びTEF1ターミネーターの間に挿入した。下流にはKIGAL80プロモーターが存在し、これはLAC4 ORFsの5′−末端と融合されている。
【0015】
このプラスミドを、HpaIで切断し、このより大きなHpaI断片をE2-ORFを用いて相同組み換えにより染色体組み込みする。この場合に遺伝子座lac4::URA3を置き換え、完全なLAC4遺伝子を再構成した。この選択を、ラクトース培地での成長により行った。URA3遺伝子の損失を、ウラシル栄養要求により確認した。この相応する遺伝子座の配列を、DNA配列決定により確認した。(配列プロトコル1)。
【0016】
3.BVDV及びCSFVのE2主要抗原の作成
BVDV(bovine viral diarrhea virus)、ウシウィルス下痢及び粘膜疾病(BVD/MD)の病原体、並びに、CSFV(classical swine fever virus)、典型的ブタペスト(CSF)の病原体から主要抗原を特性決定した。この場合に「エンベロープ」とは、(ウィルス殻組み込みされた)タンパク質E2である。E2は、ウィルス粒子の非存在下においても大規模な液性免疫応答、すなわち、効率的ウィルス中和抗体の形成を誘導する。E2の遺伝子工学的作成により、このタンパク質の免疫原潜在性が更に増強され、細胞免疫応答も生じさせられることができた。個々の、場合によっては遺伝子工学的に作成された、E2のタンパク質ドメインに対する、この特殊かつ排他的な免疫応答は、ワクチン接種された動物を、野外ウィルス(Feldvirus)で感染した動物から、例えばELISA法を用いて区別化することを可能にする。
【0017】
4.BVDV E2タンパク質を発現するK.ラクチス株の構築
本発明による技術を用いて、K.ラクチス株、VAK367-E2-1を生産した。この株では、BVDVゲノム(CP7株)のセグメントが酵母ゲノム中に組み込まれた。この相応するBVDV遺伝子セグメントは、E2タンパク質並びにBVDVゲノムの隣接E1−及びp7−コード領域の部分を含む領域を含んだ。このE1−及びp7−領域は、E2タンパク質の正確なプロセッシング(配列プロトコル2)のために必要なシグナル配列を含んだ。BVDV E2タンパク質のこの正確なプロセッシング(成熟化)はシグナラーゼを介して行われる。
【0018】
特異的に開発された免疫蛍光検出方法を用いて、K.ラクチス株VAK367-E2-1の細胞中へのE2の発現が確認されることができる。BVDV E2検出のために特殊に開発されたELISA法は、異種(heterolog)発現した抗原の検出及び定量化を可能にする。この類似のELISA法は、免疫化した動物の抗体力価の正確な定量化のために使用されることができた。ウィルス中和方法及び抗体及びT細胞の特性決定方法は、ルーチン法として使用された。
【0019】
新種のqRT−PCR法は、血清及び細胞培養上清からのBVDV RNAゲノムを検出し、かつ、定量化することを可能にする。
【0020】
5.経粘膜/経口免疫化研究におけるK.ラクチス株VAK367-E2-1の有効性の検出
研究1
動物実験において、標準化した条件下で天然K.ラクチスのエマルションを有意な数の試験マウスに適用した。この場合に、様々な免疫化スキームを使用した。この場合に主要尺度は、供給された酵母の様々な量(毎日摂取される栄養の割合の3〜最大8%)及び様々な「ブースター間隔(Boosterintervalle)」であった。
【0021】
結果:
(i)K.ラクチスの一般的相容性が実証された:前記酵母エマルションの経口投与は、動物の健康状態における可視可能な変更を引き起こさなかった。
(ii)K.ラクチスの経口投与は、所定の酵母タンパク質に対して一義的に検出可能な液性免疫応答を生じた。ウェスタンブロット法により、K.ラクチスとともに食餌を与えた動物ではコントロール動物に比較して有意かつ特殊な抗体応答を酵母タンパク質に対して確認することができた。つまり酵母タンパク質は、自体で免疫原性作用を有する。K.ラクチスの経口適用でもって免疫応答を生じさせることができるという原理実証(proof of principle)の他に、組み換え抗原と組み合わせた酵母の経口投与により付加的なアジュバント効果が達成されることができることを誘導した。
【0022】
研究2
有意な数のマウスを用いた更なる動物試験において、最適化された免疫化スキーム(研究1参照のこと)でもって、かつ、VAK367-E2-1株の組み換えK.ラクチスでもって経口ワクチン接種した。
【0023】
結果:
(i)特殊なELISA法を介して、抗BVDV E2抗体の形成が、K.ラクチス株VAK367-E2-1でワクチン接種したマウス中で、コントロールマウス(天然K.ラクチスで免疫化)に比較して検出されることができた。
ii)BVDVを用いたウシ培養細胞に対する中和試験において、再度、コントロールマウスからの血清に比較して、株VAK367-E2-1のK.ラクチスで免疫化したマウスからの抗血清の中和作用が確認されることができた。
iii)アジュバント剤、例えばCpG−ODN及びQuilAの使用により免疫応答の増強が達成された。
iv)組み換えK.ラクチス株VAK367-E2-1を用いた経粘膜/経口免疫化により有効な保護が達成されることができた。これは、BVDV E2タンパク質を発現する組み換えワクチンウィルスを用いたチャレンジ実験において示されることができた。この研究の結果は、本発明により、K.ラクチス株及びこの株の変異体が生じることにより、外来遺伝子が、更なる選択マーカーなしに狙いを定めてこの中に組み込まれることができることを裏付ける。この生じる、当該K.ラクチス株の組み換え子孫は、発現目的で、異種タンパク質の後続の生物学的産出のために使用されることができる。この相応する組み換えK.ラクチス株の細胞は、経粘膜/経口又は非経口(parenteral)免疫化のために直接的に使用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子工学的方法を使用して、外来遺伝子の狙いを定めた組み込み及び外来タンパク質の発現を可能にする酵母株を生産することを特徴とする、組み換え酵母を用いた経口/経粘膜ワクチン接種方法。
【請求項2】
前記酵母株の組み換え変異体が生産されることができることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
酵母クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)の組み換え株が生じることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
酵母クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)の組み換え株が生じ、発現システムとして使用されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
外来遺伝子の誘導可能な発現を可能にする、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)の組み換え変異体が生じることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)株VAK367−D4及びこの株の変異体。
【請求項7】
付加的なベクター配列又は選択マーカーなしに、前記外来遺伝子の組み込みを行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記外来遺伝子発現が構成性に行われることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記外来遺伝子発現が、内在性レポーター遺伝子の発現を介して間接的に定量化されることができることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記外来遺伝子が、抗原特性を有するタンパク質の発現を可能にすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記外来遺伝子が、抗原特性を有するウィルス性タンパク質の発現を可能にすることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記外来遺伝子が、ウィルス性構造タンパク質の発現を可能にすることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記外来遺伝子が、フラビウィルス科、ビルナウィルス科及びオルトミクスウィルス科のウィルス性構造タンパク質の発現を可能にすることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記外来遺伝子が、ウシウィルス性下痢ウィルス(BVDV)の構造タンパク質の発現を可能にすることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
請求項1から6のいずれか1項記載の組み換え酵母株変異体が、誘導可能に又は構成性に有意な量のタンパク質又はこのタンパク質のドメイン又は異種のタンパク質ドメインと融合したこのタンパク質のドメインを発現することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
外来タンパク質の生化学的産出が可能になることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
コールドチェーンの外で高い貯蔵性を有することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項記載の接種物質の製造方法。
【請求項18】
請求項1から6のいずれか1項記載の組み換え株の完全な酵母細胞の投与を用いて、発現した外来タンパク質に対して特異的免疫化が生じることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
請求項1から6のいずれか1項記載の組み換え株の完全な酵母細胞の、吸入による、気管支による、経口による、経鼻による投与を用いて、発現した外来タンパク質に対する特異的免疫化が生じることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
請求項1から6のいずれか1項記載の組み換え株の完全な酵母細胞の投与により、他の方法でも行われることができることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項21】
生化学的に産出された外来タンパク質が特異的免疫化を可能にすることを特徴とする請求項17から19のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項記載のタンパク質に対する免疫応答の検出及び定量化のための特異的ELISA−法。
【請求項23】
BVDV E2タンパク質に対する免疫応答の検出及び定量化のための請求項17記載のELISA法。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか1項に応じて免疫化された個体の血清からの中和性抗体の検出のための方法。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか1項に応じて免疫化された個体の血清からのBVDV E2タンパク質に対する中和性抗体の検出のための方法。
【請求項26】
抗原を用いたチャレンジを介した請求項1から25のいずれか1項記載の免疫化の検出のための方法。
【請求項27】
ウィルス性抗原を用いたチャレンジを介した請求項1から26のいずれか1項記載の免疫化の検出のための方法。
【請求項28】
BVDV E2を用いたチャレンジを介した請求項1から27のいずれか1項記載の免疫化の検出のための方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−508697(P2012−508697A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535875(P2011−535875)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001623
【国際公開番号】WO2010/054649
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(511118492)
【氏名又は名称原語表記】Martin−Luther−Universitaet Halle−Wittenberg
【住所又は居所原語表記】Universitaetsplatz 10, D−06108 Halle/Saale, Germany
【Fターム(参考)】