説明

組換えアリールスルファターゼAの製造及び精製

本発明は、細胞培養系において組換えアリールスルファターゼAを産生する方法に関し、該方法は、rASAを産生可能な哺乳動物細胞を、1又はそれより多いバイオリアクタを含む系において液体培地中で培養し;1またはそれより多いクロマトグラフィの工程を含む精製方法によりrASAを濃縮し、精製し及び調剤することを含む。本発明の別の観点は、インビボでマンノース-6-ホスフェート受容体経路を介して効率的にエンドサイトーシスされるrASAを含む医薬組成物、並びにrhASA医薬及び対象の末梢神経系及び中枢神経系の標的細胞内のガラクトシルスルファチドレベルを減少させる医薬の製造のためのrhASAの使用を提供する。本発明の最後の観点は、治療を必要とする対象を治療する方法を提供し、該方法は、該対象にrhASAを含む医薬組成物を投与し、それにより対象の標的細胞におけるガラクトシルスルファチドレベルの減少を得る。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
i) アリールスルファターゼAを産生可能な哺乳動物細胞を液体培地中で1つ以上のバイオリアクタを含む系において培養し;
ii) アフィニティクロマトグラフィ及び/又はイオン交換クロマトグラフィの1以上の工程を含む精製方法によりrhASAを濃縮し、精製して調剤する
ことを含む連続細胞培養系で組換えアリールスルファターゼAを産生する方法。
【請求項2】
前記哺乳動物細胞が:
(a) 配列番号2のアミノ酸配列;
(b) 組換えヒトアリールスルファターゼAと酵素的に等価な(a)の配列の一部分;
(c) (a)又は(b)の配列のいずれか1つと少なくとも75%の配列同一性を有しかつ同時に組換えヒトアリールスルファターゼAと酵素的に等価であるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列アナログ
をコードする核酸配列を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アリールスルファターゼA又はその等価物が、低濃度のPNGアーゼFを用いる処理の後にMALDI-TOF分析により測定して4つのグリコシル化中間体を有する酵素のグリコフォームを含む産物をもたらす割合及び条件下で産生される請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アリールスルファターゼA又はその等価物の炭水化物部分が、3〜8 kDaの複合質量を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
アリールスルファターゼA又はその等価物が、マンノース-6-ホスフェート受容体媒介進入を介する酵素の効率的なエンドサイトーシスを許容するようにリン酸化された、高マンノース及び/又は複合オリゴ糖のパターンを有する酵素のグリコフォームを含む産物をもたらす割合及び条件下で産生される請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
アリールスルファターゼA又はその等価物が、配列番号2のCys-69に対応するアミノ酸が配列番号3のFgly-51に対応するホルミルグリシンに変換された酵素のアイソフォームを含む産物をもたらす割合及び条件下で産生される請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
産生されるアリールスルファターゼAが:
(a) 配列番号3のアミノ酸配列;
(b) 組換えヒトアリールスルファターゼAと酵素的に等価な(a)の配列の一部分;
(c) (a)又は(b)の配列のいずれか1つと少なくとも75%の配列同一性を有しかつ同時に組換えヒトアリールスルファターゼAと酵素的に等価であるアミノ酸配列アナログ
からなる群より選択される請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記哺乳動物細胞が、ヒト又は霊長類を起源とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
ii)の濃縮及び精製方法が、膨張層クロマトグラフィの1以上の工程を含む請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
ii)の濃縮及び精製方法が、アリールスルファターゼAがアフィニティクロマトグラフィ樹脂若しくはメンブレン及び/又はカチオンクロマトグラフィ樹脂又はメンブレンを通過する受動工程と、アリールスルファターゼAがアニオン交換メンブレン又は樹脂の内部にとどまりかつその後そこから溶出される能動工程とを含む洗練工程を含む請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
ii)の濃縮及び精製方法が、次の工程:
II) アリールスルファターゼA含有上清を平衡化したクロマトグラフィカラムと接触させ、アリールスルファターゼAを含有する1つ又はそれより多いフラクションを溶出し;
III) 工程IIからのフラクションを別の平衡化したクロマトグラフィカラムにロードして、アリールスルファターゼAを含有する1つ又はそれより多いフラクションを溶出し;
IV) タンジェンシャルフローろ過により工程IIIからのフラクションに存在するアリールスルファターゼAのバッファー交換を行い;
V) 工程IVからのアリールスルファターゼAの調製物を、各工程が該調製物を平衡化したクロマトグラフィカラムにロードして、アリールスルファターゼAを含有する1つ又はそれより多いフラクションを溶出することを含む1又は2以上の連続工程において洗練し;
VI) 工程Vからのフラクションをウイルス低減フィルタに通過させ;
VII) 適切な調剤バッファー中でアリールスルファターゼAの調製物を得るために工程VIからのフラクションを調剤し;
VIII) 任意に、アリールスルファターゼAの調剤された調製物を適切な容器に充填し、試料を凍結乾燥する
を含む請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
タンジェンシャルフローろ過によりアリールスルファターゼAを濃縮する最初の工程I)をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
精製方法の工程IIで用いられるクロマトグラフィカラムが、アニオン交換カラムである請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記アニオン交換カラムが、DEAE Sepharoseカラム又はDEAE Streamlineカラムである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
精製方法の工程IIIで用いられるクロマトグラフィカラムが、疎水性相互作用カラムである請求項11〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
精製方法の工程IVの試料の精製が、タンジェンシャルフローろ過により達成される請求項11〜15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
洗練工程で用いられる前記カチオンクロマトグラフィメンブレン又は樹脂及び前記アニオン交換メンブレン又は樹脂が、連続して接続される請求項10〜16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
精製方法の工程VIで行われるような試料のろ過が、精製方法の好ましくは工程Vの前又は好ましくは工程IIの前に、試料を界面活性剤と接触させることで置き換えられるか又はそれと組み合わされる請求項11〜17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1つに記載の方法により得ることができるか又は得られるアリールスルファターゼAの製剤。
【請求項20】
逆相HPLCにより測定して少なくとも98%の生理活性アリールスルファターゼAを含む請求項19に記載の製剤。
【請求項21】
前記アリールスルファターゼAが、少なくとも20 U/mg、好ましくは50 U/mgの比活性を有する請求項19又は20に記載の製剤。
【請求項22】
a) アリールスルファターゼAを中枢神経系へ送達するためのビヒクル、例えばペプチド又はポリペプチド、
b) 血液脳関門の開放又は破壊を引き起こすことができる成分、
c) 無損傷の細胞
を含まない請求項19〜21のいずれか1つに記載の製剤。
【請求項23】
請求項1〜18のいずれか1つに記載の方法により得ることができる、医薬として使用するためのアリールスルファターゼAの有効量を含む製剤。
【請求項24】
異染色性白質ジストロフィーに罹患しているか及び/又はそれと診断された対象における末梢神経系及び/又は中枢神経系の細胞内のスフィンゴリピド3-O-スルホガラクトシルセラミドのレベルを低減させるための医薬として使用するための請求項23に記載のアリールスルファターゼAの製剤。
【請求項25】
アリールスルファターゼAの有効量を含む製剤の、異染色性白質ジストロフィーに罹患しているか及び/又はそれと診断された対象における中枢神経系の内部の細胞でのガラクトシルスルファチドのレベルを低減させるための医薬を製造するための使用。
【請求項26】
アリールスルファターゼAの有効量が、前記製剤の静脈内投与に続いて:
a) 酵素の有効レベルが循環中で8日以上維持され、及び/又は
b) 酵素の有効レベルが内臓、坐骨神経及び腕神経叢で8日以上維持され、及び/又は
c) 酵素の有効レベルが肝臓で8日以上維持される
ようなものである請求項25に記載の使用。
【請求項27】
アリールスルファターゼAの有効量が、毎週、2週間毎又は毎月のベースでの前記製剤の反復静脈内投与により:
a) 酵素の有効レベルが循環内で維持され、及び/又は
b) 酵素の有効レベルが内臓、坐骨神経及び腕神経叢で維持され、及び/又は
c) 酵素の有効レベルが肝臓で維持される
ようなものである請求項25又は26に記載の使用。
【請求項28】
前記アリールスルファターゼA製剤が、請求項19〜24のいずれか1つに記載の製剤である請求項25〜27のいずれか1つに記載の使用。
【請求項29】
有効量が、体重1 kg当たり酵素5〜100 mgのアリールスルファターゼAの投与量に相当する請求項25〜28のいずれか1つに記載の使用。
【請求項30】
アリールスルファターゼAが、少なくとも50 U/mgの比活性を有する請求項25〜29のいずれか1つに記載の使用。
【請求項31】
前記医薬が、スフィンゴリピド3-O-スルホガラクトシルセラミドのレベルの低減のために:
a) 酵素(アリールスルファターゼA)を中枢神経系へ送達するためのビヒクル、例えばペプチド又はポリペプチドを含む製剤の投与と、
b) 血液脳関門の開放又は破壊を引き起こすことができる製剤の投与と、
c) 無損傷の細胞の投与と
を含む他の医学的治療のいずれも受けない対象への投与用である請求項25〜30のいずれか1つに記載の使用。
【請求項32】
請求項1〜18のいずれか1つに記載の方法により得られるか又は得ることができるアリールスルファターゼAの製剤を対象に投与し、それにより該対象の内部の細胞におけるガラクトシルスルファチドのレベルの低減を得ることを含む、スフィンゴリピド3-O-スルホガラクトシルセラミドの増加したリソソームでの貯蔵に関係する疾患の症状を治療/緩和する方法。
【請求項33】
前記細胞が、末梢神経系内部の細胞及び/又は中枢神経系内部の細胞である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記アリールスルファターゼAの製剤の、脳室内、脊髄、鞘内又は頭蓋内投与以外の経路による投与を含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記アリールスルファターゼA製剤が、請求項19〜24のいずれか1つに記載の製剤である請求項32〜34のいずれか1つに記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−519404(P2007−519404A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549877(P2006−549877)
【出願日】平成17年1月30日(2005.1.30)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000068
【国際公開番号】WO2005/073367
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(505325154)
【Fターム(参考)】