説明

組織内でカプセルを形成するための装置及び方法

【課題】カプセル、設置装置、及びカプセルを組織内に設置するための関連した方法を提供する。
【解決手段】設置装置は、カテーテルを用いた手持ち式ユニットであってもよい。設置装置は、カプセル封入メンブレンを虚脱状態で組織に導入し、次いで、充填材料をカプセル封入メンブレンに注入することによって、カプセル封入メンブレンを組織内で膨張してカプセルにするのに役立つ。充填材料は、設置装置を通して注入できる以外に、注入後にカプセル封入メンブレン内で、患者が求める治療効果を達成する上で望ましいこのような機械的及び生物学的特徴を提供するように選択され、調製されていてもよい。機械的には、充填材料は、カプセル封入メンブレン内で、充填後、液体であってもよく、ゲル等の半固体であってもよく、又は架橋済ポリマー等の固体であってもよい。充填材料は、カプセル封入メンブレン内にシールされていてもよいし、シールされていなくてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年9月5日に出願された米国仮特許出願第61/191,174号及び2009年9月4日に出願されたPCT出願第PCT/US09/56123号に対し、パリ条約の全ての恩恵及び優先権を主張するものである。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0002】
分野
本発明は、組織の治療に関し、更に詳細には、カプセルを組織内に設置するための装置及び方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、カプセル、設置装置、及びカプセルを組織内に設置するための関連した方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書中に開示した本発明の一つ又はそれ以上の実施例によって、当業者に周知の問題を解決できる。当業者は、本明細書を検討することによって、追加の改良及び利点を実現できるであろう。本発明の例示の実施例は、以下の通りである。
【0005】
実施例によれば、カプセル設置装置において、遠位端にチップを持ち、内部に内腔を形成するニードルと、ニードルの内腔内に移動自在に配置された、遠位端を持つメンブレン導入器チューブと、内部及び流体を通して内部に受け入れるための入口領域を形成し、入口領域の近くでメンブレン導入器チューブの遠位端に取り外し自在に連結された、流体を内部に導入したとき、虚脱状態から膨張状態まで制御下で膨張できるカプセル封入メンブレンとを含み、カプセル封入メンブレンが虚脱状態で拘束されたニードルの内腔内から、カプセル封入メンブレンを、ニードルの遠位端を通して放出し、カプセル封入メンブレンがニードルの内腔によって実質的に拘束されていない状態にするため、ニードル及びメンブレン導入器チューブのうちの少なくとも一方を、これらのチューブ間に相対的移動を提供するように、制御下で移動できる、カプセル設置装置が開示されている。
【0006】
カプセル設置装置は、細長いシースを更に含んでいてもよく、ニードルはシースの内腔内に移動自在に配置される。メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成してもよく、カプセル封入メンブレンの内部は、流体を受け入れるため、入口領域を通してメンブレン導入器チューブの内腔と流体連通していてもよい。カプセル設置装置は、更に、遠位端を持ち、内部に内腔を形成する充填器チューブを含み、メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、充填器チューブは、メンブレン導入器チューブの内腔内に移動自在に配置されており、カプセル封入メンブレンの内部は、流体を受け入れるため、入口領域を通して充填器チューブの内腔と流体連通している。
【0007】
カプセル設置装置は、更に、細長いシールデバイスを含み、メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、細長いシールデバイスは、メンブレン導入器チューブの内腔内に移動自在に配置されており、カプセル封入メンブレンをシールするため、カプセル封入メンブレンの入口の手前側に位置決めできる。細長いシールデバイスは、溶接デバイスを含んでいてもよい。溶接デバイスには、超音波溶接機、高周波溶接機、又は熱溶接機が含まれる。
【0008】
細長いシールデバイスは、細長い接着剤アプリケータを含んでもよい。メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成してもよく、細長い接着剤アプリケータはメンブレン導入器チューブの内腔内に移動自在に配置されており、カプセル封入メンブレンをシールするため、カプセル封入メンブレンの入口の手前側に位置決めできる。細長い接着剤アプリケータは、接着剤をカプセル封入メンブレンの入口に送出するため、カプセル封入メンブレンの入口の手前側に位置決めできる。
【0009】
カプセル設置装置は、更に、カプセル封入メンブレンを入口の手前側でシールするように形成されたクランプデバイス、又はカプセル封入メンブレンを入口の手前側でシールするように形成された捩じりデバイスを含んでいてもよい。
【0010】
実施例によれば、組織内にカプセルを設置するためのカテーテルシステムにおいて、流体バイオマテリアル源と、遠位端及び近位端を有し、内部に内腔を形成する細長いシースと、シースの内腔内に移動自在に配置された、遠位端にチップを有し、内部に内腔を形成するニードルと、ニードルの内腔内に移動自在に配置された、遠位端を持つメンブレン導入器チューブと、内部及び流体を通して内部に受け入れるように形成された入口領域を形成し、入口領域の近くでメンブレン導入器チューブの遠位端に取り外し自在に連結された、流体を内部に導入したとき、虚脱状態から膨張状態まで制御下で膨張できるカプセル封入メンブレンと、シースの近位端に配置された制御ハンドルとを含み、制御ハンドルは、ニードルのチップをシースの遠位端を越えて組織内に前進するように形成された第1制御装置を有し、制御ハンドルは、更に、ニードルをメンブレン導入器チューブに対して引っ込め、カプセル封入メンブレンを、カプセル封入メンブレンが虚脱状態で拘束されたニードルの内腔内から、ニードルの遠位端を越えて放出し、カプセル封入メンブレンがニードルの内腔によって実質的に拘束されていない状態にする第2制御装置を有し、制御ハンドルは、更に、バイオマテリアルをバイオマテリアル源からカプセル封入メンブレンの内部に導入し、カプセル封入メンブレンを虚脱状態から膨張状態に膨張する第3制御装置を有する、カテーテルシステムが開示される。
【0011】
カテーテルシステムは、更に、遠位端を持ち、内部に内腔を形成する充填器チューブを含んでいてもよく、メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、充填器チューブは、メンブレン導入器チューブの内腔内に移動自在に配置されており、充填器チューブの内腔は、バイオマテリアルをカプセル封入メンブレンの内部に供給するため、バイオマテリアル源と流体連通しており、入口領域を通してカプセル封入メンブレンの内部と流体連通している。
【0012】
メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成してもよく、メンブレン導入器チューブの内腔は、バイオマテリアルをカプセル封入メンブレンの内部に供給するため、バイオマテリアル源と流体連通しており、入口領域を通してカプセル封入メンブレンの内部と流体連通している。
【0013】
カテーテルシステムは、更に、細長いシールデバイスを含んでいてもよく、メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、細長いシールデバイスは、メンブレン導入器チューブの内腔内に移動自在に配置されており、カプセル封入メンブレンをシールするため、カプセル封入メンブレンの入口の手前側に位置決めできる。細長いシールデバイスは、溶接デバイス、接着剤アプリケータ、カプセル封入メンブレンを入口の近くでシールするためのクランプデバイス、又はカプセル封入メンブレンを入口の近くでシールするための捩じりデバイスを含んでいてもよい。
【0014】
実施例によれば、カプセルを組織内に設置するための方法を開示する。この方法は、内部に内腔が形成されたニードルを器官の組織内に前進し、ニードルの遠位端を組織内の所定の深さのところに配置する工程と、ニードルを組織から引っ込め、カプセル封入メンブレンを組織内に配置する工程とを含む。引っ込めの開始時に、カプセル封入メンブレンは、ニードルの内腔内にニードルの遠位端の手前側に配置されており、ニードルの内腔内に移動自在に配置されたメンブレン導入器チューブの遠位端に入口が取り外し自在に連結されている。引っ込め中、カプセル封入メンブレンが組織内の設置場所にある状態で組織が閉鎖するように、ニードルをメンブレン導入器チューブに対して引っ込める。本方法は、更に、バイオマテリアルをカプセル封入メンブレンの内部に入口を通して導入し、カプセル封入メンブレンを設置場所で、虚脱状態から膨張状態まで制御下で膨張する工程と、カプセル封入メンブレンが膨張状態にあるとき、取り外し工程前にカプセル封入メンブレンの入口をシールする工程と、カプセル封入メンブレンが膨張状態にあるとき、カプセル封入メンブレンをメンブレン導入器チューブから取り外す工程とを含む。
【0015】
本開示の上述の特徴及び目的は、同様の参照番号が同様のエレメントに付してある添付図面と関連して以下の説明を読むことにより更に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、設置装置の例示の実施例の概略斜視図である。
【図2A】図2Aは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第1作動状態での断面図である。
【図2B】図2Bは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第2作動状態での断面図である。
【図2C】図2Cは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第3作動状態での断面図である。
【図2D】図2Dは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第4作動状態での断面図である。
【図2E】図2Eは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第5作動状態での断面図である。
【図3A】図3Aは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第6作動状態での断面図である。
【図3B】図3Bは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第7作動状態での断面図である。
【図3C】図3Cは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第8作動状態での断面図である。
【図3D】図3Dは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の第9作動状態での断面図である。
【0017】
【図4A】図4Aは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の、変形例の第6作動状態での断面図である。
【図4B】図4Bは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の、変形例の第7作動状態での断面図である。
【図4C】図4Cは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の、変形例の第8作動状態での断面図である。
【図4D】図4Dは、図1の設置装置の例示の実施例の先端部分の、変形例の第9作動状態での断面図である。
【図5】図5は、カプセルの例示の実施例の斜視図である。
【図6】図6は、カプセルの別の例示の実施例の斜視図である。
【図7】図7は、カプセルの更に別の例示の実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面は、本発明の説明を容易にしようとするものである。本明細書中に説明した様々な実施例を形成する添付図面に示す部分の数、位置、関係、及び寸法、並びに特定の力、重量、強さ、流れ、及び同様の要求に合わせた寸法及び寸法特性を本明細書中に説明する。当業者は、本開示を検討することにより、これらを理解できる。様々な図で使用されている同じ参照番号は、同じ又は同様の部分を示す。「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」、「第1」、「第2」、「内側」、「外側」、及び同様の用語を使用するとき、これらの用語は、添付図面に示す構造の配向に関する用語であり、理解を促すために使用されているということは理解されるべきである。同様に、「近位」、「遠位」、及び位置に関する同様の用語を使用するとき、これらの用語は、添付図面に示す構造に関する用語であり、理解を促すために使用されているということは理解されるべきである。
【0019】
様々な治療方式において、身体の器官の組織に様々な種類の流動性材料を注入するのが有利である。ポリマーの注入を行う場合、ポリマーが適切に架橋し、組織内でマスを形成してもよいが、ポリマーは、その後、治療効果が完全に実現される前に治療効果が失われるような速度で劣化してしまう。ポリマーは、架橋前に組織の間質腔内に拡散してしまう。これは望ましい場合もあるが、多くの場合において、望ましくない。
【0020】
他の場合には、予備成形した材料本体を身体の器官の組織内に配置しようとする場合がある。しかしながら、材料本体を組織内に配置するには、患者に傷を残す、危険な切開又は他の侵襲的手順が必要である。
【0021】
従って、これらの及び他の技術と関連した問題を解決するための装置及び方法が必要とされている。
【0022】
本願には、2005年9月13日に付与された米国特許第6,942,677号、2002年3月26日に付与された米国特許第6,360,749号、2004年1月8日に公開された米国特許公開第2004/0005295号、2004年6月3日に公開された米国特許公開第2004/0106896号、2004年9月16日に公開された米国特許公開第2004/0180043号、2005年12月8日に公開された米国特許公開第2005/0271631号、2008年3月13日に公開された米国特許公開第2008/0065046号、2008年3月13日に公開された米国特許公開第2008/0065047号、2008年3月13日に公開された米国特許公開第2008/0065048号、2008年3月20日に公開された米国特許公開第2008/0069801号、及び2008年10月30日に公開された米国特許公開第2008/0269720号が組み込まれる。出典を明示することにより、これらの特許又は特許出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0023】
カプセル、設置装置、及びカプセルを組織内で形成するための関連した方法を以下に説明する。設置装置は、カテーテルを用いた装置であってもよく、又は手持ち式ユニットで実施されてもよい。設置装置は、虚脱状態のカプセル封入メンブレンを組織に導入した後、カプセル封入メンブレンに充填材料を注入することによってカプセル封入メンブレンを組織内で膨張し、カプセルにする。設置装置を通して注入を行うことができる他、注入後、カプセル封入メンブレン内で、患者が求める治療効果を達成する上で望ましい機械的特性及び生物学的特性が得られるように、充填材料を選択し配合してもよい。機械的には、カプセル封入メンブレン内の充填材料は、注入後、液体であってもよく、ゲル等の半固体であってもよく、又は架橋したポリマー等の固体であってもよい。充填材料は、カプセル封入メンブレン内にシールされていてもよいしシールされていなくてもよい。
【0024】
実施例によれば、設置装置は、多数の同軸の内腔を持つカテーテルとして、以下に例示するように実施されてもよい。カテーテルの外側には外ガイドシースがある。ニードルチューブを外ガイドシース内で作動的に移動できる。ニードルチューブは、一般的には、外ガイドシースと同軸である。メンブレン導入器チューブをニードルチューブ内で作動的に移動できる。メンブレン導入器チューブは、一般的には、ニードルチューブと同軸である。カプセルのシールが所望でない場合には、メンブレン導入器チューブを通してカプセル封入メンブレン内に充填材料を注入してもよい。カプセルのシールが所望である場合には、メンブレン導入器チューブと同軸であり且つメンブレン導入器チューブ内で作動的に移動できる充填器チューブを使用してカプセル封入メンブレンを充填し、次いで、メンブレン導入器チューブと同軸であり且つメンブレン導入器チューブ内で作動的に移動できるシール装置と交換する。様々なシール装置が適している。超音波溶接が望ましい場合には、例えば、シール装置は、近位超音波トランスジューサー、伝送部材、及び遠位シールチップを持つ超音波デバイスであってもよい。溶接によってシールを行う上で、熱−高周波装置も適している。シールを接着剤で行ってもよい。この場合、シール装置は、メンブレン導入器チューブと同軸であり且つメンブレン導入器チューブ内で作動的に移動できる接着剤アプリケータチューブであってもよく、接着剤を充填済みカプセル封入メンブレンのネックに適用するのに使用される。カプセル形態の充填済みカプセル封入メンブレンは、任意の適当な方法でメンブレン導入器チューブから外してもよい。
【0025】
実施例によれば、設置装置は、以下のように作動する。ニードルチューブをシースから前方に延ばしたとき、ニードルが組織に挿入される。この際、カプセル封入メンブレンは虚脱状態にあり、メンブレン導入器チューブの端部に、ニードルの内側にチップの手前側に位置決めされている。ニードルを組織から引っ込める。これは、メンブレン導入器チューブの遠位部分、及びメンブレン導入器チューブの遠位端のカプセル封入メンブレンが組織内に残るように行われる。充填材料をカプセル封入メンブレンにネック領域を通して注入し、カプセル封入メンブレンを膨張し、メンブレン導入器チューブの遠位端から前方に延びるカプセルを形成する。ネック領域を任意の適当なシール技術を使用してシールし、メンブレン導入器チューブをカプセルから分離し、組織から取り外す。カプセルは組織内に設置されたままである。設置装置は、組織内の他の位置に複数のカプセルを設置するのに使用してもよい。カプセルは、例えば球形や円筒形等の様々な形態を備えていてもよく、様々な形状のカプセルを様々な位置に配置してもよい。
【0026】
実施例によれば、充填材料は、好ましくは、圧力下で内腔を通って流動でき、及び従って体内に注入できる生体親和性の天然又は合成の材料(「バイオマテリアル」)であってもよい。カプセル封入メンブレンが本来の場所にある場合には、バイオマテリアルは同じ流動性状態にあり、又は流動性状態から、固体や半固体ゲル材料等の非流動性状態に転移してもよい。バイオマテリアルは、転移中及び/又は転移後に膨潤してもよい。適当なバイオマテリアルには、医学において代表的に使用される様々な物質が含まれ、一般的には、合成又は天然のポリマー、コポリマー、バイオポリマー、シリコーンバイオマテリアル、ヒドロゲル、及び複合材料とクラス分けされる。ポリマーの例には、(a)フィブリン接着剤、コラーゲン、ヒアルロン酸、及びキトサン等の人間又は動物由来のポリマー、(b)アルギン酸塩等の植物由来のポリマー、又はスターチ、糖及びセルロースから得られた生体親和性液体及びゲル、(c)乳酸を基材としたゲル及び液体、及び(d)ポリエチレングリコール(PEG)等の合成により得られた材料が含まれる。「バイオマテリアル」という用語は、単一のバイオマテリアルに関し、又はバイオマテリアルの組み合わせに関し、(a)細胞(幹細胞、線維芽細胞、骨細胞、等)、(b)成長因子群からの蛋白質及びペプチド、サイトカイン、及びケモカイン、(c)プラスミド又は遺伝子、(d)自然の又は操作を行った結合箇所、例えばRDG結合箇所及び抗体及び抗体構造、(e)様々な医薬組成物、又は(f)任意の他の治療上有利な材料、又は(g)以上の任意の組み合わせ等の一つ又はそれ以上の生体反応性成分の存在を必要とせず、又は除外しない。適当なバイオマテリアルには、更に、シリコーン及び生理食塩水が含まれる。
【0027】
カプセル封入メンブレンは、虚脱状態で配置でき、メンブレンを損傷したり破裂したりすることなく虚脱状態から膨張状態にできる任意の生体親和性材料で形成されていてもよい。適当なメンブレン材料の例には、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)、弗素化エチレンプロピレン(「FEP」)、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)(ダクロン(ダクロン(Dacron)は登録商標である))、ポリアミド(ナイロン)、ポリエーテルウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリ2−ヒドロキシ−エチルメタクリレート(PHEMA)、等が含まれる。カプセル封入メンブレンの材料は、カプセル封入メンブレン内への組織の内方成長及び/又はバイオマテリアルからカプセル封入メンブレンを通して組織内への物質の制御された拡散が望ましい場合には、多孔質であってもよい。適当な多孔質材料はPTFEである。カプセル封入メンブレンの材料は、バイオマテリアルがカプセル封入メンブレンによってしっかりと収容されるべき場合には、実質的に不透過性であってもよい。適当な不透過性材料はFEPである。
【0028】
カプセル封入メンブレンは、バイオマテリアルで充填したときに特定の幾何学的形状をとるように設計されていてもよい。この形状は、所望の治療効果に応じて、実質的に円筒形、実質的に球形、又は任意の他の幾何学的形状であってもよい。
【0029】
充填材料及び/又はカプセル封入メンブレンは、組織内部の可視化を容易にするため、放射線不透過性であってもよいし、放射線不透過性マーカーを含んでいてもよい。
【0030】
カプセルのシールを行う上で、超音波、高周波、又は熱エネルギを用いた溶接、接着剤を使用した結合、及び捩じりやクランプ止めによる機械的閉鎖を含む多くの様々な技術が適している。本明細書中に説明した目的に適合する超音波カテーテル装置の一例が、2005年9月13日にヘンリー・ニタ等に付与された米国特許第6,942,677号に開示されている。出典を明示することにより、この特許に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。接着剤による結合が望ましい場合には、適当な接着剤は、カプセルのネック内に付着するため、一つ又はそれ以上の内腔を通って流れる生体親和性材料である。接着剤はカプセル封入メンブレンに接着し、ネックをシールするシールを形成する。幾つかの実施例では、接着剤は高粘度であってもよく、一般的には高粘度のままであってもよいが、他の例示の実施例では、接着剤は、流動性状態から非流動性状態に転移してもよい。接着剤は、流動性状態でカプセルのネックに付着した後、非流動性状態に転移し、シールを形成する。適当な接着剤の例には、手術で使用されるシアノアクリレート及びスルファクリレート等の医療用接着剤が含まれる。
【0031】
実施例によれば、本願は、人間等の生物の組織の容積を増大するためのシステム及び方法に適用してもよい。システムは、全体として、組織充填デバイスとして使用されるカプセル、及び前記組織充填デバイスを組織内に送出するための方法を含む。組織充填デバイスは、充填材料及び包囲メンブレンを含む。実施例によれば、包囲メンブレンは、充填がなされる容器を形成する。
【0032】
実施例によれば、本明細書中に説明した技術は、身体の多くの組織に適用可能である。心臓の用途では、例えば、要求される治療効果に応じて、心筋の健康な組織又は疾病状態の組織の単一の注入場所にカプセルを設置してもよく、又は心筋の所定の領域に亘って分散された注入場所にカプセルを注入してもよく、又は心筋に沿って治療上有効なパターンで配置してもよい。本明細書中に説明した技術は、2005年12月8日付けの米国特許出願第2005/0271631号(ランデールJ.リー等の「心臓疾患の治療を行うための材料組成及びこれと関連したシステム及び方法」)、及び2008年3月18日付けの米国特許出願第2008/0065046号(ハニN.サバー等の「心臓の球状リサイジング(Global Cardiac Resizing) 及びリシェイピングを行うための心筋内パターン」)に記載されているように、例えば、心臓の心室壁内にポリマーを注入するのに適用できる。出典を明示することにより、これらの出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。そのように設置されたとき、ポリマーは、心室壁内の応力を低減し、心臓の機能を経時的に回復させることができる。カプセルに入ったポリマーを心室壁に入れることにより、心臓が機能を取り戻す前にポリマーが身体に吸収されないようにする。
【0033】
心血管疾患の予防、診断、及び治療の絶え間ない改良にも関わらず、鬱血性心不全(CHF)の有病率は世界的に高くなり続けている。老年の比較的定住した人口に関し、CHFは工業化社会における最も一般的な慢性疾患の一つであり、65歳及びそれ以上の患者の入院加療の最も一般的な理由である。現在、米国だけで約500万人の米国人が罹患しており、患者の数は2020年までに2倍になると予想されている。かくして、最も一般的な心疾患となっている。
【0034】
経済的な影響は、現在、毎年概算290億ドルを上回っており、益々上昇すると考えられている。費用の約60%は、入院加療と関連した費用で占められる。CHFには(心臓移植以外の)治療が知られていないため、患者は、様々な薬剤で管理され、ライフスタイルを変更する。最終的には、患者は、心疾患の最も進んだステージ(病期)に至ると、その50%が1年以内に死亡する。
【0035】
CHFは、心臓の出力即ち圧送性能が身体の必要に対して不十分になったときに生じる。この心臓の圧送性能の低下の原因には、虚血、高血圧、肥満、及び弁膜疾患等の幾つかの基礎疾患が含まれる。CHFの遠因に関わらず、患者の大部分において、圧送性能を補償しようとして、左心室が拡張及び拡大を開始し、心筋が薄くなり、房室がその正しい形状から逸脱する。このサイクルが開始されると、イベントの負の連鎖により拡張型心筋症(DCM)になり、決して元に戻ることはない。
【0036】
臨床治療には、主として、症状の改善を目的として様々な医薬品を使用すること、心臓の作業負荷を軽減すること、及び疾患の進行を遅らせることが含まれる。心筋の再生という利益便益を得るため、幹細胞が実験的に使用されている。多くの侵襲的デバイス及びポンプ補助デバイスが開発され、疾患の進行を遅らせることを目的とした様々な成果が得られた。
【0037】
本開示の実施例によるデバイス及び方法は、僧帽弁逆流症、虚血、拡張型心筋症、及び/又は他の障害により左心室が拡大した患者の鬱血性心不全(CHF)の進行を阻止し、又は元に戻す。
【0038】
本開示の実施例によるデバイス及び方法は、直視下心臓手術中に左心室の筋肉の戦略的領域にアプリケータを使用して直接的に注入されるバイオポリマー、カテーテルを用いた手順、又は任意の他の介入手順を含む。バイオポリマーは、注入されると、ポリマー体(bodies)を形成し、このポリマー体が永久的インプラントとして心筋内にとどまる。これらのインプラントは、幾つかの有利な機能、即ち、(i)心筋の壁を厚くし、(ii)房室の大きさを減少し、(iii)局所的筋壁応力を低下し、インプラントの位置に基づいて(iv)拡張した心室をリシェープし、健康的な形態を与えるといった機能を提供する。研究結果に基づくと、これらの機能は、駆出分画、収縮期及び拡張期の圧力、及び他の応力の生物マーカーによって計測した、心臓の包括的な改善をもたらす。バイオポリマーインプラントのプラスの効果は、手順の数時間内に計測でき、長期に亘って維持される。
【0039】
実施例によれば、様々な情況で必要に応じて組織の嵩を増すため、本開示に説明した容積増大方法及びデバイスを使用してもよい。例えば、胃腸病学では、胃−食道逆流疾患の治療に胃−食道接合部の組織の容積の増大を使用でき、胃粘膜の厚さの増大により胃の容積を減少し、病的肥満を治療する。泌尿器学では、膀胱頸部で尿道の周囲に亘って半径方向に充填体を配置することにより尿失禁を改善し、心臓病学では、組織充填体を心室壁内に配置し、左心室腔の容積を減少し、心不全の治療を行い、又は心膜腔に配置し、心臓腔の容積を減少するために心の外側に圧力を加え、これによって心不全を治療する。当業者に周知のこの他の用途で、本開示に説明した容積増大方法及びデバイスを使用してもよい。これらの臨床適用のうちの任意の適用において、組織充填デバイスは、充填体自体から経時的に放出されるか或いは同時に注入される任意の数の他の生物活性物質と組み合わせられてもよい。
【0040】
実施例によれば、本開示のデバイス及びシステムの一つの使用は、美容形成外科の分野にある。この分野では、システムは、加齢、環境暴露、減量、出産、外科手術、〓創や癌等の疾患、又はこれらの組み合わせを含む様々な条件により生じた皮膚の外形の欠陥を治療するため、又は美しさの向上を図るため、真皮又は真皮下を増大するのに使用される。本開示の組織増大方法は、眉間の皺線、額の皺線、皺、目尻の皺、顔の傷、又はマリオネット線を治療する上で、又は唇、頬、顎、鼻、又は目の下等の顔の特徴の増大を行うのに特に適している。患者の治療は、専ら、組織充填デバイスを使用して行われる。即ち、組織充填デバイスは、フェースリフトやブローリフト等の追加の美容手術の部分として使用されてもよい。組織充填デバイスは、第1形状から第2形状へと変化する特徴を備えているため、内視鏡手術を行う上で使用するのが望ましい。組織増大デバイスは、更に、豊胸術で使用してもよく、外傷や腫瘍除去等の再建形成手術中に容積を増大することを必要とする身体の領域で使用してもよい。
【0041】
本開示は、修復を行う必要がある組織についての最適の組成物の設計の態様に関する。本開示の注入可能な組成物は、更に、患者の組織の増大及び強化等の多くの組織状態の治療に適している。組織充填体は、形成手術又は再建手術の他に、声帯の麻痺による失声症又は発音障害の矯正、欠陥又は損傷の矯正、発育不全乳房の増大、瘢痕組織の増大、泌尿器系障害(例えば尿失禁)の治療、肛門括約筋無能症の治療、膀胱尿管逆流の治療、及び胃液逆流の治療にも使用できる。これは、生体親和性の中空の特定のインプラントを、内視鏡を用いて、又は皮下に、粘膜下組織又は皮膚組織内に注入することによって行われる。本開示は軟質組織の増大の治療と密接に関連しているため、これを参照して詳細に説明する。
【0042】
図1は、カテーテルを用いた設置装置10の一実施例の概略斜視図である。設置装置10は、シース200、ハンドル210、及びニードル30を含む。ハンドル210は、シース200のシース近位端202に固定されている。ニードル30は、シース200のシース遠位端204から前方に延びており、全体に注入場所500に向かって配向されている。ニードル30は、シース200のシース遠位端204から展開されたとき、注入場所500のところで組織410に挿入されてもよい。他の作動状態では、ニードルチップ34を含むニードル30は、シース遠位端204が非外傷性であるように、全体がシース遠位端204の手前側でシース200内に収容されていてもよい。これにより、シース遠位端204を注入場所500の手前の位置まで案内できる。
【0043】
設置装置10の幾つかの実施例では、シース200は、シース200のシース遠位端204を身体の様々な通路を通して注入場所500まで操縦できるように可撓性であってもよい。シース200の可撓性及び他の機械的特性は、シース200の長さに沿って変化してもよい。他の実施例では、シース200は全体に剛性であってもよく、シース遠位端204を、例えば手術で形成した切開部を通して注入場所500まで通してもよい。切開部は、注入場所500を露呈する。様々な実施例において、医師がシース200のシース遠位端204を注入場所500まで操縦するのを補助するため、放射線不透過性マーク(図示せず)がシース200の周囲に配置されていてもよい。
【0044】
図1に示す設置装置10の例示の実施例では、シース近位端202はハンドル210に固定されている。医師は、これにより、シース遠位端204を注入場所500に差し向けるためにシース200を操作できる。ハンドル210は、更に、医師がカプセルを注入場所500の組織内に設置できるようにする特徴を備えている。
【0045】
例示のように、これらの特徴には、ハンドル210に対して摺動するように固定されたノブ220が含まれる。医師は、ノブ220を、遠位方向に摺動して前進でき、近位方向に摺動して引っ込めることができる。ノブ220は、このノブ220を遠位方向に前進すると、ニードル30がシース遠位端204から展開され、ニードル30を注入場所500の組織410に挿入できるように、任意の適当な機構を介してニードル30と機械的に協働している。同様に、ノブ220を近位方向に引っ込めると、ニードル30が近位方向に引っ込められ、組織410からシース200内に引っ込められる。適当な機構には、シース200と全体に同軸のニードルチューブ、及びシース200の遠位部分に取り付けられた展開アッセンブリが含まれる。展開アッセンブリは、ニードルをワイヤ制御で延ばしたり引っ込めたりする。この実施例では、スライド225、230がハンドル210の周囲に配置されている。これらのスライドは、夫々、カプセル封入メンブレン導入器チューブ40(例えば、図2A乃至図2Eを参照されたい)、及びメンブレン導入器チューブ40に作動的に挿入され、メンブレン導入器チューブ40内で移動され、様々なチューブ及びデバイスと機械的に協働する。これらのチューブ及びデバイスには、充填チューブ、チューブ状超音波デバイス等のシール装置、及び接着剤アプリケータチューブ等が含まれる。
【0046】
スライド225及び230を前進し又は引っ込めることにより制御を行う。ニードル30がノブ220と機械的に協働し、メンブレン導入器チューブ40がスライド225と機械的に協働し、充填チューブ及び超音波デバイス又はアプリケータチューブがスライド230と機械的に協働するように、様々な歯車及び他の機械的カップリングがハンドル210の周囲及び/又はシース200の周囲に設けられている。
【0047】
図1に示す実施例では、ポート212、214がハンドル210及び/又はシース200の周囲に配置されている。これらのポートは、シース近位端202の手前側に設けられている。ポート212は、バイオマテリアル及び接着剤を設置装置10の適当な内腔に入れるため、ハンドル210及び/又はシース200内に形成された様々な内腔と連通している。別の態様では、バイオマテリアルのリザーバ及び/又は接着剤のリザーバが設置装置10内に配置されていてもよい。設置装置10の様々な実施例において、シース200及び/又はハンドル210は、ガイドワイヤを通すことができ及び/又は様々な他の流体を連通できる追加の内腔及び/又はポートを備えていてもよい。
【0048】
図2A乃至図2E、図3A乃至図3D、及び図4A乃至図4Dは、例示の設置装置10の遠位端の手前の部分を様々な作動状態で示す。
【0049】
図2Aに示すように、シース200はチューブ状であり、シース内腔203を形成する。ニードル30及びメンブレン導入器チューブ40は、一部がシース内腔203内に受け入れられており且つニードル30及びメンブレン導入器チューブ40が、この作動状態で、シース200の先端の外に延びるように先端方向に展開した状態で示してある。他の作動状態(図示せず)では、ニードル30及びメンブレン導入器チューブ40は、ニードル30のチップ及びメンブレン導入器チューブ40の先端がシース内腔203内に収容されているように、全体がシース内腔203内に位置決めされていてもよい。
【0050】
更に、図2Aに示すように、ニードル30はニードル内腔を形成する。例示であるが、ニードル30のチップは、組織410への穿通を容易にするカッティングエッジを形成するため、斜めに切ってある。ニードル30は、注入場所500のところで組織410に挿入され、組織410は、ニードル30の外面の周囲に全体に押し付けられている。
【0051】
メンブレン導入器チューブ40は内腔を形成し、その先端に虚脱状態のカプセル封入メンブレン60が設けられている。カプセル封入メンブレン60は、多くの折り畳み部分をなして虚脱状態になっており、ほぼシール62の領域でメンブレン導入器チューブ40の内面に固定されている。メンブレン導入器チューブ40は、メンブレン導入器チューブ40の先端及びニードル30のチップを互いに関して位置決めできるように、ニードル30の内腔内に移動自在に受け入れられている。図2Aに示す作動状態では、メンブレン導入器チューブ40の先端は、ニードル30の内腔内にニードル30のチップの近くに位置決めされている。ニードル30で注入場所500を穿通し、組織410内に前進されるとき、カプセル封入メンブレン60は組織410内の所定の位置に置かれる。
【0052】
図2Bに示す設置装置10の作動状態では、ニードル30をメンブレン導入器チューブ40の先端に関して手前方向に引っ込め、組織410から抜く。メンブレン導入器チューブ40の先端の位置は、ニードル30を組織410から引っ込めるときにほぼ維持され、その結果、カプセル封入メンブレン60は組織410内で虚脱状態のままである。
【0053】
図2Cに示す設置装置10の作動状態では、充填チューブ64が、メンブレン導入器チューブ40の内腔を通して、シール62に押し付けられてこれと係合するまで前進してある。
【0054】
図2Dに示す設置装置10の作動状態では、充填チューブ64を通してバイオマテリアルを注入し、カプセル封入メンブレン60を膨張し、カプセル66にした。
【0055】
図2Eに示す設置装置10の作動状態では、充填チューブ64がメンブレン導入器チューブ40から引っ込めてある。
【0056】
一般的には、カプセル66をシールするのが有利であるが、カプセル66に収容されたバイオマテリアルが十分に剛性又は半剛性になり、バイオマテリアルを体液に露呈することによる他の望ましからぬ効果が問題を引き起こさない場合には、シールは必要とされない。カプセル66のシールを行わない場合には、任意の適当な技術を使用してカプセル66をメンブレン導入器チューブ40から取り外し、メンブレン導入器チューブ40を組織410から引っ込め、カプセル66を組織410内に残す。カプセル66をメンブレン導入器チューブ40から取り外すための適当な技術には、メンブレン導入器チューブ40を捩じり、カプセル66のネックを破る技術又はシール62をメンブレン導入器チューブ40の内腔から取り外す技術、メンブレン導入器チューブ40の内腔を通してプランジャーを前進させ、シール62に当て、シール62及びカプセル66のネックをメンブレン導入器チューブ40の先端から押し出す技術、及びメンブレン導入器チューブ40を組織410から強制的に引っ込め、カプセル66が組織410内の所定の場所に保持されていることにより、シール62及びカプセル66のネックがメンブレン導入器チューブ40から引き出される技術が含まれる。この際、カプセル66は組織に押し付けられている。カプセル封入メンブレン60及びシール62をメンブレン導入器チューブ40の内腔に固定する上で、プレス嵌め、接着剤、溶接、等の様々な技術が使用されていてもよいため、固定技術及び取り外し技術は、好ましくは、これらの固定技術に応じて選択される。
【0057】
カプセル66をシールする必要がない場合には、カプセル封入メンブレン60をメンブレン導入器チューブ40の内腔を通して直接的に充填する、別の技術が実施されてもよい。この別の技術では、シール62及び充填チューブ64を使用する必要がない。
【0058】
カプセル66をシールしようとする場合には、図3A乃至図3Dに作動を示す超音波溶接技術を使用してもよい。図3Aに示すように、適当な細長い超音波溶接デバイスを、メンブレン導入器チューブ40の内腔を通して、デバイスの先端溶接チップ70がシール62と係合してこれに僅かに押し付けられるまで前進する。シール62は、図3Bに示すように、超音波溶接デバイスを作動したときにシール62が流動してプラグ72を形成するように、超音波エネルギを加えると柔らかくなって流動する生体親和性の柔軟なプラスチック等の適当な材料で形成されている。図3Cに示すように、溶接チップ70をプラグ72から引っ込め、プラグ72をカプセル66のネックの所定の場所に残す。プラグ72によってシールされたカプセル66を上文中に説明したようにメンブレン導入器チューブ40から取り外し、メンブレン導入器チューブ40を図3Dに示すように組織410から引っ込めるとき、シールされたカプセル66は組織410内の所定の場所に残る。
【0059】
カプセル66をシールしようとする場合には、図4A乃至図4Dに作動を示す接着剤シール技術を使用してもよい。図4Aに示すように、接着剤アプリケータチューブ80を、メンブレン導入器チューブ40の内腔を通して、アプリケータチューブ80の先端チップがシール62と係合するまで前進する。図4Bに示すように、流動性接着剤82をカプセル66のネックに注入し、カプセル66のネックを充填する。接着剤82は、シール62と良好に接着するように選択される。接着剤82は、カプセル66のネック内に露呈されたバイオマテリアルの表面に対しても良好に接着する。アプリケータチューブ80を図4Cに示すように引っ込めたとき、接着剤82のプラグ84がカプセル66のネックにシール62の近くにとどまる。プラグ84は、カプセル66のネックのシールを完成し、組織410とカプセル66内のバイオマテリアルとの間で接触が起らないようにする。シール62及びプラグ84によってシールされたカプセル66を、上文中に説明したように、メンブレン導入器チューブ40から取り外し、メンブレン導入器チューブ40を、図4Dに示すように組織410から引っ込めるとき、シールされたカプセル66は組織410内の所定の場所に残る。
【0060】
図3A乃至図3D及び図4A乃至図4Dに示すカプセル66は、全体に球状形状である。しかしながら、所望であれば、この他の形状を使用してもよい。図5は、卵形状のカプセル110の一例を示す。生体内でのカプセル110の位置を示すため、カプセル110の外面に放射線不透過性マーク112が設けられていてもよい。図6は、円筒形形状を持つカプセル120の一例を示す。カプセル120の配置を容易にするため、カプセル120の外面に放射線不透過性マーク112が設けられていてもよい。図7は、截頭円錐形形状を持つカプセル130の一例を示す。
【0061】
実施例によれば、設置装置10の例示の作動方法は、以下の通りである。シース200の先端を患者に挿入する。設置装置10の先端が、全体として非外傷性であるように、ニードル30及びメンブレン導入器チューブ40は、シース200の内腔に収容されている。シースの先端204は、全体が注入場所500と近接するまで、身体の様々な通路を通して操縦される。
【0062】
実施例によれば、次いで、ニードル30を展開し、メンブレン導入器チューブ40を組織410内に位置決めできる所定の深さまでニードル30のチップを組織410に挿入する。メンブレン導入器チューブ40は、予め所定位置に置かれていない場合には、虚脱状態のカプセル封入メンブレン60とともに、ニードル30の内腔を通って、組織410内の適当な深さでニードル30の先端に位置決めされるまで前進される。次いで、ニードル30を組織410から引っ込め、組織410内の所望の設置場所のところに適切に位置決めされたメンブレン導入器チューブ40の先端のところにカプセル封入メンブレン60を残す。
【0063】
実施例によれば、バイオマテリアルをカプセル封入メンブレン60に流し込み、カプセル封入メンブレン60を、設置場所で、虚脱状態から膨張状態まで膨張する。随意であるが、カプセル封入メンブレン60のネックをシールし、カプセル66を形成する。メンブレン導入器チューブ40をカプセル封入メンブレン60と係合した状態から外し、組織410から引っ込め、カプセル66を設置場所の所定位置に残す。
【0064】
実施例によれば、カプセル封入メンブレン60のネックは、全体が設置場所の組織内にあってもよく、又はアクセス可能であるように設置場所の組織の外に延びていてもよい。いずれの形態についても、カプセル封入メンブレン60のネックにアクセスするための対応するデバイス及び方法が含まれていてもよい。
【0065】
医師がシース200の遠位端を注入場所500に差し向けるのを補助するため、ニードル30の展開及び引っ込めを行うため、メンブレン導入器チューブ40をニードル30の内腔内に位置決めするため、バイオマテリアルをカプセル封入メンブレン60に流入するため、カプセル66のネックをシールするため、導入器チューブ40をカプセル66と係合した状態から外すため、及びメンブレン導入器チューブ40を組織410から引っ込めるため、様々な制御装置がハンドル210の周囲及び/又は設置装置10の他の部分に配置されていてもよい。適当な制御装置は、本開示を検討することにより、当業者に知られるであろう。
【0066】
実施例によれば、部品のキットが開示されている。当業者は、本明細書中に開示した方法のうちの少なくとも一つの方法を実施するための、一つ又はそれ以上の部品で形成されたキットを思いつくことができる。同様に、使用法(「DFU」)が含まれ、デバイスは、手術用トレイ(surgical tray)又は他のパッケージした手術用アクセサリーセット(accessory set)の部分であってもよい。キットは、手術用トレイのサブコンポーネントであってもよい。
【0067】
現在最も実際的であると考えられているものに関して方法及びエージェント(agent) を説明したが、本開示は、開示の実施例に限定される必要はないということは理解されるべきである。本開示は、特許請求の範囲の精神及び範囲内の様々な変更及び同様の構成を含もうとするものであり、本発明の範囲は、このような変更及び同様の構造の全てを包含するように最も広い解釈がなされるべきである。本開示は、特許請求の範囲の任意の及び全ての実施例を含む。
【0068】
更に、本発明の要旨から逸脱することなく、様々な変更を行ってもよいということは理解されるべきである。このような変更は、更に、説明に暗黙の内に含まれている。こうした変更は、本発明の範疇に含まれる。本開示は、本発明の多くの特徴を、独立して、及び全体的なシステムとして、及び方法及び装置モードの両方においてカバーする特許を生み出そうとするものであるということは理解されるべきである。
【0069】
更に、本発明及び特許請求の範囲の様々なエレメントの各々を様々な方法で得ることができる。本開示は、任意の装置の実施例のうちの一実施例、方法又はプロセスの実施例、又はこれらの実施例の任意のエレメントの単なる変更の変更であれば、このような変更の各々を含むものと理解されるべきである。
【0070】
詳細には、本開示は本発明のエレメントに関するため、各エレメントについての文言は、機能又は結果が同じでありさえすれば、等価の装置の用語又は方法の用語によって表現できるということは理解されるべきである。
【0071】
このような等価の、広範な、又は更に一般的な用語は、各エレメント又は作用の説明に含まれるものと考えられるべきである。このような用語は、所望であれば、本発明がその権利を主張する暗黙に広い範囲を明らかにするために、代替として使用できる。
【0072】
全ての作用は、当該作用を行うための手段として、又はその作用を生ぜしめるエレメントとして表現されてもよいということは理解されるべきである。
【0073】
同様に、開示の物理的エレメントの各々は、当該物理的エレメントが容易にする作用の開示を含むものと理解されるべきである。
【0074】
特許文献、公開文献、又は特許について本願で言及したその他の文献は、出典を明示することにより、それらに開示された内容が全て、本明細書の開示の一部とされる。更に、使用された各用語について、本願におけるその使用が、このような解釈と一致しない場合には、各用語についての一般的な辞書的定義が組み込まれると理解されるべきであり、当業者が知っている標準的な技術辞典及びランダムハウスウェブスター大辞典の最新版のうちの少なくとも一つに載っている全ての定義、別の用語、及び同義語は、本明細書の開示の一部とされるということは理解されるべきである。
【0075】
最後に、本願とともに提出された情報開示ステートメント(Information Disclosure Statement)又は他の情報ステートメントに列挙された全ての文献に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。しかしながら、上掲の文献の各々について、本明細書の開示の一部とされたこのような情報又はステートメントは、この/これらの発明の特許と符合しないと考えられる程度まで、本出願人によってなされたものとは明示的には考えられない。
【0076】
これに関し、実際上の理由のため、及び数百にのぼる特許請求の範囲を追加することを回避するように、本出願人は、イニシャル従属性(initial dependencies)のみを持つ特許請求の範囲を提供する。
【0077】
一つの独立項に記載された様々な従属性又は他のエレメント、又は任意の他の独立項又は概念に含まれる従属性又はエレメントとしての概念のいずれかを追加できるように、米国特許法第132条又は他のこのような法律を含むがこれに限定されない新規事項に関する法律で必要とされる程度まで、サポートが存在するということは理解されるべきである。
実体のない代替物が形成される限り、本出願人が、実際には、任意の特定の実施例を文字通り包含するように任意の特許請求の範囲を書かない限り、及びこの他の適用可能な限り、本出願人は、いずれにせよ、このような適用範囲を実際に放棄することを意図したものと理解されるべきではない。これは、本出願人が、単にあらゆる事態を予測できていない可能性があるためである。当業者は、特許請求の範囲がこのような変形例の実施例を文字通り包含するように書かれていると合理的に期待すべきではない。
【0078】
更に、移行フレーズ「を含んでいる(comprising)」は、従来のクレームの解釈に従って、「オープンエンド(open-end)」クレームを維持するのに使用される。かくして、コンテキストに特に断りがない限り、「妥協(compromise)」、又は「を含む(comprises)」又は「を含んでいる(comprising)」等の語尾変化は、言及したエレメント又は工程又はエレメント群又は工程群を含むことを意味するが、任意の他のエレメント又は工程又はエレメント群又は工程群を除外することを意味しない。
【0079】
このような用語は、法的に許容された最も広い範囲が出願人に提供されるように、その最も広い形態で解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0080】
10 設置装置
11 パドル状挿入体
12 内部部分
13 開口部
14a、14b メンブレン層
16a、16b 支持層
18a、18b パドルダイ
30 ニードル
34 ニードルチップ
40 カプセル封入メンブレン導入器チューブ
200 シース
202 シース近位端
204 シース遠位端
210 ハンドル
212、214 ポート
220 ノブ
225、230 スライド
410 組織
500 注入場所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル設置装置において、
遠位端にチップを持ち、内部に内腔を形成するニードルと、
前記ニードルの前記内腔内に移動自在に配置された、内部に内腔を形成し、遠位端を持つメンブレン導入器チューブと、
内部及び流体を通して前記内部に受け入れるように形成された入口領域を形成し、前記入口領域の近くで前記メンブレン導入器チューブの前記遠位端に取り外し自在に連結された、前記流体を前記内部に導入したとき、虚脱状態から膨張状態まで制御下で膨張できるカプセル封入メンブレンと、
遠位端を持ち、内部に内腔を形成する充填器チューブとを含み、
前記カプセル封入メンブレンが前記虚脱状態で拘束された前記ニードルの前記内腔内から、前記カプセル封入メンブレンを、前記ニードルの前記遠位端を通して放出し、前記カプセル封入メンブレンが前記ニードルの前記内腔によって実質的に拘束されていない状態にするため、前記ニードル及び前記メンブレン導入器チューブのうちの少なくとも一方を、これらのチューブ間に相対的移動を提供するように、制御下で移動でき、
前記カプセル封入メンブレンの前記内部は、流体を受け入れるため、前記入口領域を通して前記充填器チューブの前記内腔と流体連通している、カプセル設置装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカプセル設置装置において、更に、
細長いシースを含み、
前記ニードルは前記シースの内腔内に移動自在に配置されている、カプセル設置装置。
【請求項3】
請求項1に記載のカプセル設置装置において、
前記メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、前記カプセル封入メンブレンの前記内部は、流体を受け入れるため、前記入口領域を通して前記メンブレン導入器チューブの前記内腔と流体連通している、カプセル設置装置。
【請求項4】
請求項1に記載のカプセル設置装置において、更に、
遠位端を持ち、内部に内腔を形成する充填器チューブを含み、
前記メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、充填器チューブは、前記メンブレン導入器チューブの前記内腔内に移動自在に配置されており、
前記カプセル封入メンブレンの前記内部は、流体を受け入れるため、前記入口領域を通して前記充填器チューブの前記内腔と流体連通している、カプセル設置装置。
【請求項5】
請求項1に記載のカプセル設置装置において、更に、
細長いシールデバイスを含み、
前記メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、前記細長いシールデバイスは、前記メンブレン導入器チューブの前記内腔内に移動自在に配置されており、前記カプセル封入メンブレンをシールするため、前記カプセル封入メンブレンの前記入口の手前側に位置決めできる、カプセル設置装置。
【請求項6】
請求項5に記載のカプセル設置装置において、
前記細長いシールデバイスは、更に、超音波溶接機、高周波溶接機、及び熱溶接機のうちの少なくとも一つを含む、カプセル設置装置。
【請求項7】
請求項5に記載のカプセル設置装置において、
前記細長いシールデバイスは、更に、細長い接着剤アプリケータを含み、更に、接着剤を前記カプセル封入メンブレンの前記入口に送出するため、前記カプセル封入メンブレンの前記入口の手前側に位置決めできるアプリケータチューブを含む、カプセル設置装置。
【請求項8】
請求項1に記載のカプセル設置装置において、更に、
前記カプセル封入メンブレンを前記入口の手前側でシールするように形成されたクランプデバイスを含む、カプセル設置装置。
【請求項9】
請求項1に記載のカプセル設置装置において、更に、
前記カプセル封入メンブレンを前記入口の手前側でシールするように形成された捩じりデバイスを含む、カプセル設置装置。
【請求項10】
組織内にカプセルを設置するためのカテーテルシステムにおいて、
流体バイオマテリアル源と、
遠位端及び近位端を有し、内部に内腔を形成する細長いシースと、
前記シースの前記内腔内に移動自在に配置された、遠位端にチップを有し、内部に内腔を形成するニードルと、
前記ニードルの前記内腔内に移動自在に配置された、遠位端を持つメンブレン導入器チューブと、
内部及び流体を通して前記内部に受け入れるように形成された入口領域を形成し、前記入口領域の近くで前記メンブレン導入器チューブの前記遠位端に取り外し自在に連結された、前記流体を前記内部に導入したとき、虚脱状態から膨張状態まで制御下で膨張できるカプセル封入メンブレンと、
前記シースの前記近位端に配置された制御ハンドルとを含み、
前記制御ハンドルは、前記ニードルの前記チップを前記シースの前記遠位端を越えて組織内に前進するように形成された第1制御装置を有し、
前記制御ハンドルは、更に、前記ニードルを前記メンブレン導入器チューブに対して引っ込め、前記カプセル封入メンブレンを、前記カプセル封入メンブレンが前記虚脱状態で拘束された前記ニードルの前記内腔内から、前記ニードルの前記遠位端を越えて放出し、前記カプセル封入メンブレンが前記ニードルの前記内腔によって実質的に拘束されていない状態にする第2制御装置を有し、
前記制御ハンドルは、更に、バイオマテリアルを前記バイオマテリアル源から前記カプセル封入メンブレンの前記内部に導入し、前記カプセル封入メンブレンを前記虚脱状態から膨張状態に膨張する第3制御装置を有する、カテーテルシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のカテーテルシステムにおいて、更に、
遠位端を持ち、内部に内腔を形成する充填器チューブを含み、
前記メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、前記充填器チューブは、前記メンブレン導入器チューブの前記内腔内に移動自在に配置されており、
前記充填器チューブの前記内腔は、前記バイオマテリアルを前記カプセル封入メンブレンの前記内部に供給するため、前記バイオマテリアル源と流体連通しており、前記入口領域を通して前記カプセル封入メンブレンの前記内部と流体連通している、カテーテルシステム。
【請求項12】
請求項10に記載のカテーテルシステムにおいて、
前記メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、前記メンブレン導入器チューブの前記内腔は、前記バイオマテリアルを前記カプセル封入メンブレンの前記内部に供給するため、前記バイオマテリアル源と流体連通しており、前記入口領域を通して前記カプセル封入メンブレンの前記内部と流体連通している、カテーテルシステム。
【請求項13】
請求項10に記載のカテーテルシステムにおいて、更に、
細長いシールデバイスを含み、
前記メンブレン導入器チューブは内部に内腔を形成し、前記細長いシールデバイスは、前記メンブレン導入器チューブの前記内腔内に移動自在に配置されており、前記カプセル封入メンブレンをシールするため、前記カプセル封入メンブレンの前記入口の手前側に位置決めできる、カテーテルシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のカテーテルシステムにおいて、
前記細長いシールデバイスは、更に、超音波溶接デバイス及び接着剤アプリケータのうちの少なくとも一つを含む、カテーテルシステム。
【請求項15】
請求項10に記載のカテーテルシステムにおいて、更に、
前記カプセル封入メンブレンを前記入口の手前側でシールするように形成された、クランプデバイス及び捩じりデバイスのうちの少なくとも一つを含む、カテーテルシステム。
【請求項16】
カプセルを組織内に設置するためのシステムにおいて、
遠位端を器官の組織内の所定の深さに配置するため、前記組織内に前進されるように形成されたニードルであって、メンブレン導入器チューブ及びカプセル封入メンブレンを収容する内腔を形成し、前記組織から引き出され、前記カプセル封入メンブレンを前記組織内の設置場所に露呈するように形成された、ニードルと、
前記カプセル封入メンブレンを前記設置場所で虚脱状態から膨張状態に制御下で膨張するため、前記カプセル封入メンブレンの内部に前記カプセル封入メンブレンの入口を通して導入されるように形成されたバイオマテリアルとを含み、
前記入口は、前記カプセル封入メンブレンが前記膨張状態にあるとき、シール可能であり、
前記カプセル封入メンブレンが前記膨張状態にあるとき、シールされたカプセル封入メンブレンを前記メンブレン導入器チューブから外すことができる、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、
引き出しの開始時に、前記カプセル封入メンブレンは、前記ニードルの前記内腔内に前記ニードルの前記先端の手前側に配置されており、前記入口のところで、前記ニードルの前記内腔内に移動自在に配置された前記メンブレン導入器チューブの遠位端に取り外し自在に連結されており、引き出し中、前記組織内の設置場所に前記カプセル封入メンブレンがある状態で組織が閉鎖するように、前記ニードルを前記メンブレン導入器チューブに対して引っ込められる、システム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムにおいて、
前記カプセル封入メンブレンの前記入口をシールする工程は、溶接デバイスを前記カプセル封入メンブレンの前記入口に適用する工程と、超音波エネルギ、高周波エネルギ、及び熱エネルギのうちの少なくとも一つを前記カプセル封入メンブレンの前記入口に加える工程とを含む、システム。
【請求項19】
請求項16に記載のシステムにおいて、
前記カプセル封入メンブレンの前記入口をシールする工程は、接着剤アプリケータを前記カプセル封入メンブレンの前記入口に適用する工程と、接着剤をアプリケータチューブを通して前記カプセル封入メンブレンの前記入口内に送出する工程とを含む、システム。
【請求項20】
請求項16に記載のシステムにおいて、
前記カプセル封入メンブレンの前記入口をシールする工程は、前記入口をクランプする工程及び捩じる工程のうちの一方を含む、システム。
【請求項21】
請求項16に記載のシステムにおいて、
前記組織は心臓の心筋であり、前記設置場所は心室壁内にある、システム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、
カプセル封入メンブレンを設置することにより、心室壁内の応力を減少し、心臓の機能を経時的に回復する、システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−506718(P2012−506718A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526251(P2011−526251)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/056129
【国際公開番号】WO2010/028310
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511058039)カーディオポリマーズ インコーポレイテッド (2)
【出願人】(501092667)ヘンリー フォード ヘルス システム (8)
【Fターム(参考)】